1 00:00:02,102 --> 00:02:41,094 ♬~ 2 00:02:58,211 --> 00:03:01,114 (矢が刺さる音) あっ! 3 00:03:01,114 --> 00:03:03,483 あ…。 おい どうした! 4 00:03:03,483 --> 00:03:06,153 (矢が刺さる音) うっ! 5 00:03:06,153 --> 00:03:09,823 あ… あ~! 6 00:03:09,823 --> 00:03:12,125 (落ちる音) 7 00:03:28,508 --> 00:03:32,512 (矢を放つ音) 8 00:03:36,383 --> 00:03:38,852 (桔梗)五右衛門! (五右衛門)支度 急げ。 9 00:03:38,852 --> 00:03:41,755 どうしたの? 分からんが 奇襲をかけられたようだ。 10 00:03:41,755 --> 00:03:44,524 ⚟夜襲だ~! 銭丸 起きろ。 11 00:03:44,524 --> 00:03:47,227 ⚟夜襲だ! 夜襲だ! 12 00:03:58,538 --> 00:04:00,540 行け! 13 00:04:15,489 --> 00:04:18,492 ああ~っ! やあっ! 14 00:04:25,832 --> 00:04:28,135 うお~っ! 15 00:04:44,851 --> 00:04:49,156 (吾助)ああ~ ああ~! やあっ! 16 00:05:00,333 --> 00:05:02,335 原田喜右衛門。 17 00:05:10,010 --> 00:05:12,012 (銃声) 18 00:05:17,751 --> 00:05:19,686 吾助! 19 00:05:19,686 --> 00:05:35,502 ♬~ 20 00:05:35,502 --> 00:05:37,837 (銭丸)桔梗! 21 00:05:37,837 --> 00:05:40,140 銭丸! 22 00:05:48,481 --> 00:05:50,417 (銃声) うっ! 23 00:05:50,417 --> 00:05:53,186 うおっ! 24 00:05:53,186 --> 00:05:57,057 銭丸! 死んじゃ駄目だ 銭丸! 25 00:05:57,057 --> 00:06:01,761 堺へ 帰ろうよ…。 26 00:06:03,463 --> 00:06:09,336 銭丸! 銭丸~! 27 00:06:09,336 --> 00:06:11,638 (泣き声) 28 00:06:13,807 --> 00:06:16,476 ぐわっ! 29 00:06:16,476 --> 00:06:21,181 (泣き声) 30 00:06:25,485 --> 00:06:27,487 うわ~っ! 31 00:06:29,155 --> 00:06:32,492 来るんだ! 嫌だ! 銭丸も連れていく! 32 00:06:32,492 --> 00:06:34,828 もう 死んでる! 嫌だ! 嫌だ! 33 00:06:34,828 --> 00:06:38,498 銭丸を置いていくのは 嫌だ! 34 00:06:38,498 --> 00:06:42,836 さあ! 死んでもいいのか! 嫌だ~! 嫌! 35 00:06:42,836 --> 00:06:46,506 嫌だ! 嫌だ! 銭丸! 36 00:06:46,506 --> 00:06:50,377 銭丸!桔梗! 銭丸! 37 00:06:50,377 --> 00:06:53,847 ばか野郎!嫌だ~! 死にてえのか! 38 00:06:53,847 --> 00:06:55,782 銭丸! 39 00:06:55,782 --> 00:07:08,795 ♬~ 40 00:07:08,795 --> 00:07:13,466 (喜右衛門)殺せ。 焼き払え。 41 00:07:13,466 --> 00:07:16,803 思い知ったか 呂宋助左衛門。 42 00:07:16,803 --> 00:07:21,474 フフフフフフッ…。 43 00:07:21,474 --> 00:07:38,491 ハハハハハハッ! 44 00:07:38,491 --> 00:07:50,503 ♬~ 45 00:07:55,842 --> 00:08:02,449 (助左衛門)館を持つなら 港の見える所と思っておりましたが➡ 46 00:08:02,449 --> 00:08:08,455 この3階からは 港の全景が一望でございますな。 47 00:08:11,458 --> 00:08:19,799 日比屋様。 本当に このお屋敷 お譲りいただけるんでございますか? 48 00:08:19,799 --> 00:08:22,702 (了慶)こなたに買い上げられなければ➡ 49 00:08:22,702 --> 00:08:27,140 奉行所に召し上げられて 取り壊されるところであった。 50 00:08:27,140 --> 00:08:30,043 いや 引き取り手があって ありがたいと思っておりますよ➡ 51 00:08:30,043 --> 00:08:34,014 私の方こそ。 いや…。 52 00:08:34,014 --> 00:08:41,488 あっ 都に お移りになられるとか…。 53 00:08:41,488 --> 00:08:46,826 堺は 変わった。 54 00:08:46,826 --> 00:08:54,701 堀も埋め立てられ 会合衆の面々も すっかり 代が替わってしまった。 55 00:08:54,701 --> 00:09:02,108 しかも 今の若い連中の目は 堺よりも 大坂に向いている。 56 00:09:02,108 --> 00:09:10,450 この堺を守ろうなどという商人は もはや 会合衆の中にはいない。 57 00:09:10,450 --> 00:09:14,788 信長公の矢銭2万貫を拒み➡ 58 00:09:14,788 --> 00:09:21,661 3万の大軍を相手に向かい合った あの堺は…➡ 59 00:09:21,661 --> 00:09:27,367 堺の気骨は どこへ消えてしまったのか。 60 00:09:27,367 --> 00:09:34,474 さて この礼拝堂は 納屋にでも つくり替えますかな? 61 00:09:34,474 --> 00:09:42,816 い… いえ。 私 自分の部屋として使わせていただきます。 62 00:09:42,816 --> 00:09:45,718 ああ そう。 63 00:09:45,718 --> 00:09:52,492 日比屋様 このお屋敷 随分と安く譲っていただきました。 64 00:09:52,492 --> 00:09:59,833 そのお礼として 私も お役に立ちたいと存じます。 65 00:09:59,833 --> 00:10:06,506 何か お望みのことは ございませんでしょうか。 66 00:10:06,506 --> 00:10:13,179 では 一つだけ お願いしておきたいことがある。 67 00:10:13,179 --> 00:10:16,850 何なりと。 68 00:10:16,850 --> 00:10:25,558 この会堂の上には バテレンの鐘が つり下げられたままになっている。 69 00:10:27,193 --> 00:10:34,501 禁教令以後 この鐘をつくことは禁じられている。 70 00:10:36,536 --> 00:10:46,212 堺の空に もう一度 この鐘を鳴り響かせてもらいたいのだが。 71 00:10:46,212 --> 00:10:49,215 承知いたしました。 72 00:10:52,085 --> 00:10:58,791 堺の鐘は いつの日か 必ず 鳴り響かせましょう。 73 00:10:58,791 --> 00:11:04,697 パーデレ フロイス パーデレ オルガンチノを乗せた船を➡ 74 00:11:04,697 --> 00:11:10,169 この鐘の音で 再び お迎えいたしましょう。 75 00:11:10,169 --> 00:11:12,172 ああ…。 76 00:11:18,511 --> 00:11:21,214 お約束いたします。 77 00:11:32,859 --> 00:11:36,529 (お仙) お前様のご厚意は ありがたいけれど➡ 78 00:11:36,529 --> 00:11:40,199 今更 この場所を動く気には なれないんだ。 79 00:11:40,199 --> 00:11:43,870 遠慮なら無用だよ お仙さん。 80 00:11:43,870 --> 00:11:49,208 今度の屋敷は 3階建てで 間数も多いし➡ 81 00:11:49,208 --> 00:11:54,881 それに 五右衛門や うちの水夫連中も 一緒に暮らすんだ。 82 00:11:54,881 --> 00:11:58,751 ここじゃ 食い物一つでも不便だろう。 83 00:11:58,751 --> 00:12:04,490 食うには困ってないよ。 みんなが見舞いに来てくれるんでね。 84 00:12:04,490 --> 00:12:07,827 五右衛門や美緒さんも 来てくれるんだよ。 85 00:12:07,827 --> 00:12:09,762 御寮様も。 86 00:12:09,762 --> 00:12:17,170 今井様に行った桔梗さんも 時々 着物や米を持って訪ねてくれるよ。 87 00:12:17,170 --> 00:12:20,840 そういやあ このごろ 姿を見ないけれど。 88 00:12:20,840 --> 00:12:25,511 ああ。 桔梗なら 肥前の加津佐に行ってる。 89 00:12:25,511 --> 00:12:28,181 隠し港があるんだ わしらの。 90 00:12:28,181 --> 00:12:31,084 今井様を家出して? うん。 91 00:12:31,084 --> 00:12:35,054 いや~ 銭丸が一緒だというから 心配いらない。 92 00:12:35,054 --> 00:12:39,792 それに 五右衛門が 迎えに行ってくれているから➡ 93 00:12:39,792 --> 00:12:42,528 もう戻ってくるころだろう。 94 00:12:42,528 --> 00:12:46,866 ぬしを追っていったんだね あの子は。 95 00:12:46,866 --> 00:12:52,538 そうらしいが 行き違いになってしまった。 96 00:12:52,538 --> 00:12:57,543 ぬしは 桔梗さんを 女房にするつもりか? 97 00:12:59,879 --> 00:13:03,883 美緒さんのことは 諦めがついたのかい。 98 00:13:07,153 --> 00:13:15,828 諦めるも何も あの方は 今井の御寮人様じゃないか。 99 00:13:15,828 --> 00:13:18,498 とぼけたって 分かっているよ。 100 00:13:18,498 --> 00:13:22,368 おぬしが 今まで その年まで 独り身を通してきたのは➡ 101 00:13:22,368 --> 00:13:26,172 海の暮らしが長かっただけじゃないだろ。 102 00:13:26,172 --> 00:13:30,877 美緒さんのことを 忘れ切れなかったんだろ。 103 00:13:34,047 --> 00:13:38,518 (お仙)あの人は 気の毒な女だよ。➡ 104 00:13:38,518 --> 00:13:41,187 利休様が亡くなったあとも➡ 105 00:13:41,187 --> 00:13:45,525 まだ あのお屋敷に 一人で暮らしてるんだってね。➡ 106 00:13:45,525 --> 00:13:51,397 今井様には 一生戻る気はないんだろう あの人は…。 107 00:13:51,397 --> 00:13:59,872 ♬~ 108 00:13:59,872 --> 00:14:03,176 お仙さん また来るからね。 109 00:14:05,478 --> 00:14:08,781 気を付けてな。 (お仙)ありがとうよ。 110 00:14:44,851 --> 00:14:47,153 汝は 何者だ!? 111 00:14:49,188 --> 00:14:54,527 わしを 納屋助左衛門と知っての仕業か!? 112 00:14:54,527 --> 00:14:58,197 答えろ! 何の遺恨あってのことだ!? 113 00:14:58,197 --> 00:15:00,466 母者を返せ! 114 00:15:00,466 --> 00:15:02,402 母者だと…? 115 00:15:02,402 --> 00:15:18,818 ♬~ 116 00:15:18,818 --> 00:15:20,820 (美緒)小太郎! 117 00:15:24,690 --> 00:15:28,161 小太郎殿…。 118 00:15:28,161 --> 00:15:30,830 あの お子が…。 119 00:15:30,830 --> 00:15:49,515 ♬~ 120 00:15:49,515 --> 00:15:55,221 (お仙)お前様のことを 本当の母親だと思ってるんだねえ。 121 00:15:58,191 --> 00:16:03,796 梢のこと言っておやりよ。 あの子の本当の母親だって。 122 00:16:03,796 --> 00:16:08,134 それは 言わぬ方がいい。 123 00:16:08,134 --> 00:16:14,473 どうしてさ。 お前様に母親をとられたと 思い込んでるんだよ。 124 00:16:14,473 --> 00:16:17,777 宗薫が吹き込んだんだね。 125 00:16:19,812 --> 00:16:23,683 私の口から話してやります。 126 00:16:23,683 --> 00:16:29,388 あの子も もう 本当のことを知ってもよい年頃でしょう。 127 00:16:31,157 --> 00:16:35,828 小太郎様の願いは ただ一つ。 128 00:16:35,828 --> 00:16:41,834 御寮様と一緒に 暮らすことでございましょう? 129 00:16:56,849 --> 00:17:01,554 ようやく 決心がつきました。 130 00:17:03,656 --> 00:17:06,359 今井へ戻ります。 131 00:17:13,132 --> 00:17:18,004 小太郎には 本当のことは言いますまい。 132 00:17:18,004 --> 00:17:21,807 実の親子でないことを 知らせたからとて➡ 133 00:17:21,807 --> 00:17:26,145 互いが どうなるものでもない。 134 00:17:26,145 --> 00:17:33,819 それより 桔梗のことで お前様に お願いしたいことがあります。 135 00:17:33,819 --> 00:17:38,157 加津佐には 五右衛門が迎えに行っておりますから➡ 136 00:17:38,157 --> 00:17:40,092 ご心配なく。 137 00:17:40,092 --> 00:17:45,831 桔梗は お前様が好きでしょうがないらしい。 138 00:17:45,831 --> 00:17:53,706 桔梗を お前様の女房にしてほしいと頼んだら➡ 139 00:17:53,706 --> 00:17:57,176 受けてくれますか? 140 00:17:57,176 --> 00:17:59,111 御寮様…。 141 00:17:59,111 --> 00:18:10,456 ♬~ 142 00:18:10,456 --> 00:18:14,327 五右衛門が連れて戻りましたら➡ 143 00:18:14,327 --> 00:18:20,333 改めて 御寮様のもとへ ご相談に伺います。 144 00:18:24,003 --> 00:18:26,806 おやすみなさいまし。 145 00:18:26,806 --> 00:18:46,092 ♬~ 146 00:19:08,114 --> 00:19:11,984 船長! 申し訳ございません! 147 00:19:11,984 --> 00:19:13,986 (泣き声) 148 00:19:13,986 --> 00:19:15,988 (弥次郎)泣いてばかりいねえで➡ 149 00:19:15,988 --> 00:19:20,126 誰か 詳しい事情を 船長に ご説明しねえか! 150 00:19:20,126 --> 00:19:23,796 加津佐の港を奪われてしまったんで! 151 00:19:23,796 --> 00:19:25,731 何だと!? 152 00:19:25,731 --> 00:19:29,668 原田喜右衛門の手勢が 襲ってきやがったんです! 153 00:19:29,668 --> 00:19:31,670 原田喜右衛門が!? 154 00:19:31,670 --> 00:19:35,408 海と陸から 挟み撃ちで 夜襲をかけられました! 155 00:19:35,408 --> 00:19:37,810 納屋も船も 残らず焼かれ➡ 156 00:19:37,810 --> 00:19:41,480 沖まで逃げ延びたのは この船が一艘だけです! 157 00:19:41,480 --> 00:19:43,416 戻ってきたのは これだけか!? 158 00:19:43,416 --> 00:19:48,821 吾助も… 吾助も死にました。 159 00:19:48,821 --> 00:19:50,823 吾助が死んだ? 160 00:19:52,491 --> 00:19:56,829 五右衛門は どうした? 五右衛門は? ええっ!? 五右衛門は どうした!? 161 00:19:56,829 --> 00:20:00,499 おい 桔梗は? おい 桔梗は!? 162 00:20:00,499 --> 00:20:02,835 銭丸は どうした!? おい 五右衛門は!? 163 00:20:02,835 --> 00:20:08,507 五右衛門は どうしたんだ!? 桔梗は!? 銭丸は どうしたんだ!? 164 00:20:08,507 --> 00:20:11,210 おい…! (泣き声) 165 00:20:14,380 --> 00:20:16,849 死んだのか!? 166 00:20:16,849 --> 00:20:23,189 逃げた…。 そうに違えねえ! 167 00:20:23,189 --> 00:20:26,892 銭丸は 死んだぜ…。 168 00:20:28,527 --> 00:20:32,398 死んだのを見たのかよ!? 見たから言ってんだよ! 169 00:20:32,398 --> 00:20:37,203 背中に矢を受けて死んでたんだ! 170 00:20:37,203 --> 00:20:42,074 銭丸 かわいそうに…。 171 00:20:42,074 --> 00:20:45,077 でも 大抵は逃げ延びてまさあ! 172 00:20:45,077 --> 00:20:50,749 五右衛門の頭が死ぬわけがねえ! 桔梗様だって 無事に決まってまさあ! 173 00:20:50,749 --> 00:21:07,766 ♬~ 174 00:21:18,511 --> 00:21:53,212 (荒い息遣い) 175 00:21:53,212 --> 00:21:58,083 ううっ… うっ…。 176 00:21:58,083 --> 00:22:05,791 (荒い息遣い) 177 00:22:05,791 --> 00:22:24,510 ♬~ 178 00:22:24,510 --> 00:22:53,205 ♬~(鐘の音) 179 00:22:53,205 --> 00:22:55,908 (桔梗)ここは…。 180 00:22:58,878 --> 00:23:01,580 どこ…? 181 00:23:04,683 --> 00:23:06,986 (五右衛門)長崎だ。 182 00:23:10,823 --> 00:23:16,161 堺へは 帰れるの? 183 00:23:16,161 --> 00:23:19,832 3日後に 堺へ向かう船が出る。 184 00:23:19,832 --> 00:23:23,502 それで ぬしだけ 一足先に帰るんだ。 185 00:23:23,502 --> 00:23:28,374 船に乗ってしまえば 一人でも大丈夫だろう。 186 00:23:28,374 --> 00:23:34,513 なぜ 一緒に帰らないの? 187 00:23:34,513 --> 00:23:38,217 まだ することが残ってるんでな。 188 00:23:43,188 --> 00:23:49,495 一人で残って 何をするつもり? 189 00:23:54,533 --> 00:23:56,835 薬を買ってくる。 190 00:24:28,834 --> 00:24:31,170 喜右衛門は どこだ。 191 00:24:31,170 --> 00:24:34,473 (孫七)お頭は ここにはおんならん。 192 00:24:36,041 --> 00:24:38,510 どこだと聞いてるんだ。 193 00:24:38,510 --> 00:24:42,815 大坂だ。 大坂だと? 194 00:24:45,384 --> 00:24:49,154 出任せをぬかすか。 うそじゃない。 195 00:24:49,154 --> 00:24:53,859 関白様からのお呼び出しがあり お上りになんなった。 196 00:24:53,859 --> 00:24:56,762 関白に呼ばれてだと? 197 00:24:56,762 --> 00:24:59,531 関白の用件は 何だ。 198 00:24:59,531 --> 00:25:02,134 知らん。 199 00:25:02,134 --> 00:25:05,471 喉 かっ切られてえのか! 200 00:25:05,471 --> 00:25:10,142 関白様からの書状を受け取りに行かれた。 201 00:25:10,142 --> 00:25:12,077 何の書状だ。 202 00:25:12,077 --> 00:25:15,814 呂宋のマイニラ政庁へ渡す国書だ。 203 00:25:15,814 --> 00:25:19,685 それ以上のことは 知らされておらん。 204 00:25:19,685 --> 00:25:21,987 呂宋へ…? 205 00:25:28,160 --> 00:25:31,864 関白が 呂宋へ国書を…。 206 00:25:33,832 --> 00:25:36,735 何の国書だ。 207 00:25:36,735 --> 00:25:40,506 (秀吉)「それ 吾が邦は 百有余年➡ 208 00:25:40,506 --> 00:25:46,178 郡国を争い 車書軌文を同じうせず。➡ 209 00:25:46,178 --> 00:25:52,851 誕産の時に際し 天下を治むべきの」…➡ 210 00:25:52,851 --> 00:25:57,723 「天下を治むべきの奇瑞あるをもって➡ 211 00:25:57,723 --> 00:26:06,398 壮歳より 国家を領し 十年を経ずして 弾丸黒子の地を残さず。➡ 212 00:26:06,398 --> 00:26:10,135 域中 ことごとく一統するなり」。 213 00:26:10,135 --> 00:26:12,071 まさに…。 214 00:26:12,071 --> 00:26:16,475 「これに従いて 三韓 琉球 遠邦 異域➡ 215 00:26:16,475 --> 00:26:18,410 塞をといて 来享す」。 216 00:26:18,410 --> 00:26:22,147 朝鮮も琉球も 殿下の足元に ひれ伏しました。 217 00:26:22,147 --> 00:26:29,021 「今や… 今や 大明国を征せんと欲す」。 218 00:26:29,021 --> 00:26:32,324 明国までも 殿下の手中に? 219 00:26:34,493 --> 00:26:38,831 「けだし 吾がなすところにあらず。➡ 220 00:26:38,831 --> 00:26:43,702 天の授くるところなり」。 天命でござりますな。 221 00:26:43,702 --> 00:26:47,172 「その国のごときは いまだ 聘礼を通ぜず。➡ 222 00:26:47,172 --> 00:26:52,044 故に まず 群卒をして その地を討たしめんと欲すといえども➡ 223 00:26:52,044 --> 00:27:00,119 原田喜右衛門 商船の便をもって 時々に これに来往す」。 224 00:27:00,119 --> 00:27:02,821 へへえ~。 225 00:27:04,990 --> 00:27:10,129 「故に 近臣を紹介して曰く➡ 226 00:27:10,129 --> 00:27:16,468 それがし 早々 その国に至りて 備うるに 本朝発船の趣を説くべし」…。 227 00:27:16,468 --> 00:27:21,340 <ついに 秀吉は 呂宋遠征を決意する。➡ 228 00:27:21,340 --> 00:27:28,480 秀吉から マニラ総督府へ 居丈高な降伏勧告状が発せられる。➡ 229 00:27:28,480 --> 00:27:31,817 その使いの役を買って出たのが➡ 230 00:27:31,817 --> 00:27:36,121 長崎の豪商 原田喜右衛門である> 231 00:27:37,689 --> 00:27:41,159 時に 重ねて聞くが➡ 232 00:27:41,159 --> 00:27:45,497 そちに任せば マイニラのイスパニア人どもは➡ 233 00:27:45,497 --> 00:27:48,834 必ず 降伏してくるんじゃな。 234 00:27:48,834 --> 00:27:51,169 ご念には及びませぬ。 235 00:27:51,169 --> 00:27:55,841 来春には マイニラ総督府の降伏の使者を➡ 236 00:27:55,841 --> 00:27:59,511 殿下の御前に 朝貢いたさせましてござります。 237 00:27:59,511 --> 00:28:03,782 来年の春には 明国征伐が開始されていよう。 238 00:28:03,782 --> 00:28:07,653 本陣は 肥前の名護屋と定めてある。 239 00:28:07,653 --> 00:28:10,122 その地で待っておるぞ。 240 00:28:10,122 --> 00:28:13,225 かしこまってござります。 241 00:28:14,993 --> 00:28:16,995 うむ。 242 00:28:16,995 --> 00:28:18,997 殿下。 243 00:28:23,468 --> 00:28:26,805 喜右衛門。 はい。 244 00:28:26,805 --> 00:28:31,476 呂宋と申せば 助左衛門のことじゃが➡ 245 00:28:31,476 --> 00:28:35,147 まだ きやつを 一味に巻き込むことはできんのか。 246 00:28:35,147 --> 00:28:37,082 殿下の仰せに従い➡ 247 00:28:37,082 --> 00:28:40,485 できるかぎりの友好を尽くし 親交を図っておりますが➡ 248 00:28:40,485 --> 00:28:43,155 これが なかなか…。 なじんでこんのか。 249 00:28:43,155 --> 00:28:46,825 当方から送り込む使者は ことごとく 首をはねられ➡ 250 00:28:46,825 --> 00:28:49,494 いまだに 生き残って帰ってきた者は ございません。 251 00:28:49,494 --> 00:28:51,830 いつまで てこずらせる気だ。 252 00:28:51,830 --> 00:28:55,500 殿下。 殿下。 うん? 253 00:28:55,500 --> 00:28:58,170 あの~ あのね…。 何? 254 00:28:58,170 --> 00:29:00,439 申し上げにくいことなんですが➡ 255 00:29:00,439 --> 00:29:04,776 呂宋助左衛門には 殿下の国家に ご奉公する意思が➡ 256 00:29:04,776 --> 00:29:07,112 さらさら なきがごとくに 見受けられまする。 257 00:29:07,112 --> 00:29:10,983 ああ? 正直 申し上げまして➡ 258 00:29:10,983 --> 00:29:16,455 呂宋助左衛門の率いる船団の無法ぶりには 目に余るものがございます。 259 00:29:16,455 --> 00:29:20,792 南海では 琉球 高砂などに 隠し港を持っている。 うむ。 260 00:29:20,792 --> 00:29:24,129 商船などを脅かし とりわけ 呂宋では➡ 261 00:29:24,129 --> 00:29:28,800 現地の海賊と結託して イスパニアの船のみならず➡ 262 00:29:28,800 --> 00:29:32,137 我らが朱印船から襲い奪った 武器や財宝を➡ 263 00:29:32,137 --> 00:29:36,008 アゴーの軍に流し込んでおります。 ご存じでしょうか。 264 00:29:36,008 --> 00:29:41,480 マイニラのイスパニア人どもに 倭寇の 左衛門と恐れられている海賊こそが➡ 265 00:29:41,480 --> 00:29:44,383 呂宋助左衛門にほかなりません。 266 00:29:44,383 --> 00:29:46,818 はあ…!? もしも➡ 267 00:29:46,818 --> 00:29:50,689 呂宋が 殿下の足元に 帰服いたしましたる時に➡ 268 00:29:50,689 --> 00:29:54,159 イスパニア人よりも 最も厄介な敵となるのが➡ 269 00:29:54,159 --> 00:29:58,030 助左衛門の一味と 村民のやからでございましょう。 270 00:29:58,030 --> 00:30:04,803 災いの源は 早々に摘み取られた方が 賢明かと存じます。 271 00:30:04,803 --> 00:30:08,807 あの愚か者め! 272 00:30:12,844 --> 00:30:18,183 (三成)天川や広東からの 鉛の買い付けが 思うに任せぬ今➡ 273 00:30:18,183 --> 00:30:23,522 マイニラから 原田船が運んでくる硝石や鉛は➡ 274 00:30:23,522 --> 00:30:27,859 実に 貴重なものになっている。 275 00:30:27,859 --> 00:30:34,733 おぬしも 原田とのいざこざは 避けた方が 利口だと思うぞ。 276 00:30:34,733 --> 00:30:42,874 お奉行様自ら お忍びで参られたのは そのご忠告でございましたか。 277 00:30:42,874 --> 00:30:48,180 いや。 ここへ来たのは 原田のことではない。 278 00:30:50,749 --> 00:30:59,891 おぬし 九州へ下ったら その足で 日本を離れてはくれぬか。 279 00:30:59,891 --> 00:31:03,895 堺へは帰らずにもらいたい。 280 00:31:07,499 --> 00:31:15,173 では 手前に 堺を捨て 日本を捨て➡ 281 00:31:15,173 --> 00:31:19,511 国外へ立ち退けよとの 仰せでございますか。 282 00:31:19,511 --> 00:31:24,382 全て 御身の命を救うためだ。 283 00:31:24,382 --> 00:31:28,687 訳を お聞かせいただきましょう。 284 00:31:46,538 --> 00:31:53,211 殿下が 唐入りを実施される。 285 00:31:53,211 --> 00:31:56,548 明国遠征…。 それはなりませぬ! 286 00:31:56,548 --> 00:32:02,354 殿下は 朝鮮国を 唐入りの道案内にせよとの仰せだ。 287 00:32:02,354 --> 00:32:08,827 朝鮮は 日本軍に 道を開きはいたしませぬ。 288 00:32:08,827 --> 00:32:13,165 遠征軍が 釜山に乗り入れれば たちまち 戦になります。 289 00:32:13,165 --> 00:32:20,038 そうだ。 明国との前に 朝鮮国との戦になる。 290 00:32:20,038 --> 00:32:24,176 ここで日本軍が敗れれば ともかく➡ 291 00:32:24,176 --> 00:32:28,513 勝ち進んで 朝鮮を占領するような事態にでもなれば➡ 292 00:32:28,513 --> 00:32:33,852 ここで 一体 何が起こると思う。 293 00:32:33,852 --> 00:32:41,726 去年の暮れ 我らが立てた 偽の朝貢使節の大芝居が暴露されます。 294 00:32:41,726 --> 00:32:43,728 そのとおりだ。 295 00:32:45,464 --> 00:32:50,468 天下人を欺いた罪は 逃れ難いぞ。 296 00:32:54,172 --> 00:32:58,877 あの一件に加わった 小西行長殿➡ 297 00:32:58,877 --> 00:33:04,483 対馬の 宗 義智殿 両名にも➡ 298 00:33:04,483 --> 00:33:07,786 いずれ ご退去を願う。 299 00:33:11,356 --> 00:33:18,029 弁解には それがし一人が腹を切れば済む。 300 00:33:18,029 --> 00:33:39,851 ♬~ 301 00:33:39,851 --> 00:33:44,856 戦に勝たなければよいのだ。 302 00:33:47,192 --> 00:33:50,095 何と申した。 303 00:33:50,095 --> 00:33:55,867 朝鮮との戦 日本軍が勝たなければ➡ 304 00:33:55,867 --> 00:33:58,536 万事 平穏に収まりましょう。 305 00:33:58,536 --> 00:34:02,140 わざと戦に負けよと申すのか。 306 00:34:02,140 --> 00:34:09,814 はい。 朝鮮に勝てば 続いて 明国との一戦が待っております。 307 00:34:09,814 --> 00:34:13,151 明国との戦を阻止するためにも➡ 308 00:34:13,151 --> 00:34:16,821 遠征軍は 何としても 朝鮮で食い止めなければなりませぬ。 309 00:34:16,821 --> 00:34:18,823 助左衛門! 310 00:34:21,693 --> 00:34:24,496 戦は 生き物ぞ。 311 00:34:24,496 --> 00:34:28,366 一旦 矛を交えれば どちらかの息の根が止まるまでは➡ 312 00:34:28,366 --> 00:34:31,670 死力を尽くして戦う。 それが 戦だ。 313 00:34:33,505 --> 00:34:37,375 わざと負けるような指揮を どの大将に 執れる。 314 00:34:37,375 --> 00:34:40,078 私には できぬ! 315 00:34:44,149 --> 00:34:51,456 治部様。 釜山への一番乗り どなたの軍団でございましょう。 316 00:34:54,192 --> 00:34:58,863 まだ しかと決めたわけではないが➡ 317 00:34:58,863 --> 00:35:04,469 肥後の加藤清正 肥前の鍋島辺りが➡ 318 00:35:04,469 --> 00:35:08,807 渡海の一番乗りは 是非 我にと 名乗り出ている。 319 00:35:08,807 --> 00:35:16,481 その一番乗りを 小西行長様 宗 義智様の軍団に任せるというのは➡ 320 00:35:16,481 --> 00:35:18,416 いかがでございましょう。 321 00:35:18,416 --> 00:35:24,155 行長や義智に先鋒を任せて 何をさせる気だ。 322 00:35:24,155 --> 00:35:27,826 敵側との談合です。 323 00:35:27,826 --> 00:35:29,761 なんと…! 324 00:35:29,761 --> 00:35:33,164 相手方に被害を与えぬよう➡ 325 00:35:33,164 --> 00:35:38,036 敵将との話し合いをもって 戦を装います。 326 00:35:38,036 --> 00:35:41,840 行長様 義智様ならば それもできます。 327 00:35:41,840 --> 00:35:43,775 (机をたたく音) 言うな! 328 00:35:43,775 --> 00:35:49,180 唐入りの渡海が いかに無益な企てとは申せ➡ 329 00:35:49,180 --> 00:35:53,051 私は 豊臣家の家臣だ。 330 00:35:53,051 --> 00:35:56,054 主君を偽るような欺瞞工作はできぬ! 331 00:35:56,054 --> 00:36:03,695 治部様! 世間では 関白様の唐入りを➡ 332 00:36:03,695 --> 00:36:06,131 きつねに そそのかされたのだと➡ 333 00:36:06,131 --> 00:36:09,801 噂をしておりますぞ。 334 00:36:09,801 --> 00:36:16,474 関白様に乗り移った きつね 追い払えるのは➡ 335 00:36:16,474 --> 00:36:19,778 治部様よりほかにはございません! 336 00:36:21,346 --> 00:36:25,150 翻って このまま きつねの専横に任せれば➡ 337 00:36:25,150 --> 00:36:29,454 豊臣家はおろか 日本国の滅亡を招きましょう! 338 00:36:33,491 --> 00:36:39,164 私は 逃げも隠れもいたしませぬ。 339 00:36:39,164 --> 00:36:42,834 堺を守り…➡ 340 00:36:42,834 --> 00:36:45,737 日本国を守ります。 341 00:36:45,737 --> 00:37:19,037 ♬~(謡) 342 00:37:33,818 --> 00:37:38,123 食えよ。 力つけるんだ。 343 00:37:42,827 --> 00:37:46,131 一緒に 堺へ帰ろう。 344 00:37:48,500 --> 00:37:53,171 分かってくれ。 このままじゃ 助左に合わす顔がないんだ。 345 00:37:53,171 --> 00:37:56,074 お前が帰らなければ かえって あの人は心配するよ。 346 00:37:56,074 --> 00:37:58,510 俺のことはいい。 347 00:37:58,510 --> 00:38:03,348 それより ぬしこそ 無事に 堺にたどりつくんだぞ。 348 00:38:03,348 --> 00:38:09,053 堺へ着いたら もう二度と 助左のそばを離れるんじゃないぞ。 349 00:38:11,456 --> 00:38:15,126 あの人は 本当に そう言ったの? 350 00:38:15,126 --> 00:38:18,029 私を嫁にするって。 351 00:38:18,029 --> 00:38:22,033 言ったとも。 だから 俺が迎えに来たんだ。 352 00:38:26,471 --> 00:38:31,476 なぜ お前が迎えに来てくれたの? 353 00:38:35,146 --> 00:38:37,081 なぜって? 354 00:38:37,081 --> 00:38:40,785 そう。 なぜ? 355 00:38:45,490 --> 00:38:52,197 多分 ぬしの喜ぶ顔が ちらついたからだろう。 356 00:39:04,776 --> 00:39:11,082 助左の嫁になって やっていけると思う? 357 00:39:17,355 --> 00:39:22,060 俺に聞いてんのか? 答えて。 358 00:39:27,799 --> 00:39:33,471 助左の嫁になりたくないのか? 359 00:39:33,471 --> 00:39:36,808 なりたい。 360 00:39:36,808 --> 00:39:39,510 なら やっていけるさ。 361 00:39:43,147 --> 00:39:48,486 美緒様を追い出せると思う? 362 00:39:48,486 --> 00:39:50,788 あの人の中から。 363 00:40:00,498 --> 00:40:03,201 できないだろうね。 364 00:40:05,837 --> 00:40:10,174 できるさ ぬしなら。 365 00:40:10,174 --> 00:40:33,865 ♬~ 366 00:40:33,865 --> 00:40:42,173 幾夜も共に過ごして ぬしは 一度も 私を抱かなかった。 367 00:40:44,876 --> 00:40:47,879 それも なぜかと聞きたいのか? 368 00:40:52,550 --> 00:40:59,857 ぬしを抱けば 助左を殺したくなるからだ。 369 00:41:05,496 --> 00:41:08,833 助左に会ったら これだけは伝えてくれ。 370 00:41:08,833 --> 00:41:13,838 来年の春には 必ず戻ってくると。 371 00:41:29,520 --> 00:41:37,228 <桔梗を乗せた千石船が 堺に向けて船出をしてから数日後> 372 00:41:40,531 --> 00:41:47,839 <同じ長崎の港から 一隻の朱印船が 呂宋を目指して 帆を上げる> 373 00:41:49,540 --> 00:41:52,443 <関白 秀吉の使者と称し➡ 374 00:41:52,443 --> 00:41:58,216 秀吉の降伏勧告状を振りかざして マニラ総督府へ乗り込んでいく➡ 375 00:41:58,216 --> 00:42:02,220 原田喜右衛門の船である> 376 00:42:18,503 --> 00:42:22,373 ♬~ 377 00:42:22,373 --> 00:42:25,843 <そして その同じ時➡ 378 00:42:25,843 --> 00:42:32,183 堺の港からは 助左衛門の船団が 九州への船路につく> 379 00:42:32,183 --> 00:42:40,858 ♬~ 380 00:42:40,858 --> 00:42:46,197 (三成)肥前の多久島。➡ 381 00:42:46,197 --> 00:42:51,536 ここを ぬしの船団の隠し港に使ってもらいたい。 382 00:42:51,536 --> 00:42:55,873 ここを拠点にして 行長殿に 手を貸してほしい。 383 00:42:55,873 --> 00:43:01,679 では 朝鮮出兵の第1陣は…。 384 00:43:01,679 --> 00:43:04,682 小西行長に決める。 385 00:43:09,153 --> 00:43:13,458 戦は させん。 386 00:43:27,505 --> 00:43:48,192 ♬~