1 00:00:54,221 --> 00:03:32,212 ♬~ 2 00:03:39,186 --> 00:03:42,889 <肥前国多久島> 3 00:03:47,527 --> 00:03:52,199 <助左衛門は ここに 港を構え➡ 4 00:03:52,199 --> 00:03:55,102 この地より 北東8里かなたには➡ 5 00:03:55,102 --> 00:03:57,537 朝鮮遠征の大本営となる➡ 6 00:03:57,537 --> 00:04:00,841 名護屋浦の港がある> 7 00:04:05,812 --> 00:04:09,149 <西暦1592年➡ 8 00:04:09,149 --> 00:04:13,820 天正が文禄と改元された その正月5日。➡ 9 00:04:13,820 --> 00:04:21,161 秀吉は 勅命を奉じ 諸国の大名に 朝鮮出兵の軍令を下す。➡ 10 00:04:21,161 --> 00:04:28,835 秀吉の号令一下 日本国中から 28万1,040名にも及ぶ大軍が➡ 11 00:04:28,835 --> 00:04:36,843 ここ 東松浦郡の北方に突き出した 小さな港に集結したのであった> 12 00:04:43,183 --> 00:04:45,886 (助左衛門)ついに来たか…。 13 00:04:52,526 --> 00:04:57,831 (弥次郎)船長! 名護屋の本営より 石田治部少輔様 お越しになります。 14 00:05:20,687 --> 00:05:24,691 お待ち申しておりました。 どうぞ。 15 00:05:28,161 --> 00:05:32,032 (三成)本日12日 辰の刻➡ 16 00:05:32,032 --> 00:05:36,837 小西行長 宗 義智らの1番隊 七百余艘の船団が➡ 17 00:05:36,837 --> 00:05:42,509 1万8,000の兵を乗せ 対馬より 釜山へ向かった。 18 00:05:42,509 --> 00:05:46,846 では 停戦の折衝は 成らずでございましたか。 19 00:05:46,846 --> 00:05:52,152 残念ながら これ以上の引き延ばしは かなわぬ事態となった。 20 00:05:53,720 --> 00:06:02,128 この上は 行長殿 義智殿が 京城の国王と じかに会見し➡ 21 00:06:02,128 --> 00:06:05,799 和議の交渉を持ちかけるよりほかはない。 22 00:06:05,799 --> 00:06:10,470 そのためにも 首都 京城への一番乗りは➡ 23 00:06:10,470 --> 00:06:14,774 何としても 行長隊に果たしてもらわねばならん。 24 00:06:16,343 --> 00:06:20,480 ご渡海の2番手は? 25 00:06:20,480 --> 00:06:27,354 加藤主計頭清正と 鍋島・相良の2万2,800。 26 00:06:27,354 --> 00:06:31,825 それは強敵だ…。 27 00:06:31,825 --> 00:06:38,164 清正は 船奉行の私を恨んでいる。 28 00:06:38,164 --> 00:06:41,501 治部様のご献策でございましたか? 29 00:06:41,501 --> 00:06:47,507 主計頭様を 先鋒隊から お外しになったのは。 30 00:06:49,175 --> 00:06:51,845 しかたがあるまい。 31 00:06:51,845 --> 00:06:57,183 清正などに 京城への一番乗りを 果たされでもしたら➡ 32 00:06:57,183 --> 00:07:02,889 これまでの 我々の裏工作が 全て露見してしまうではないか。 33 00:07:05,458 --> 00:07:07,794 2番隊の出立は? 34 00:07:07,794 --> 00:07:10,463 4~5日 後になるだろう。 35 00:07:10,463 --> 00:07:14,134 足止めも それが限度だ。 36 00:07:14,134 --> 00:07:21,474 清正は 意地でも 行長隊を追い越し 京城への一番乗りを果たすつもりでいる。 37 00:07:21,474 --> 00:07:25,812 行長隊と清正隊の➡ 38 00:07:25,812 --> 00:07:30,517 京城までの駆け比べでございますな。 39 00:07:34,154 --> 00:07:38,491 清正の行軍を遅らせてもらいたい。 40 00:07:38,491 --> 00:07:43,363 行長より早く 清正を京城へ入れてはならん。 41 00:07:43,363 --> 00:07:45,832 はい。 42 00:07:45,832 --> 00:07:50,704 手はずは 既に 整っております。 43 00:07:50,704 --> 00:07:53,406 手段は任せる。 44 00:08:01,781 --> 00:08:04,684 <明くる4月13日。➡ 45 00:08:04,684 --> 00:08:10,457 助左衛門の船が 朝鮮海峡を渡る> 46 00:08:10,457 --> 00:08:13,793 船長。 47 00:08:13,793 --> 00:08:17,797 連れてめえりやした。 外してくれ。 48 00:08:22,802 --> 00:08:27,140 どこまで ついてくるつもりだ。 小太郎殿。 49 00:08:27,140 --> 00:08:30,043 (小太郎)地獄へでも。 ぬしが行くなら。 50 00:08:30,043 --> 00:08:32,812 そして また いつかのように 斬りかかるのか。 51 00:08:32,812 --> 00:08:36,149 今度 斬りかかる時は 決して仕損じはせぬ! 52 00:08:36,149 --> 00:08:39,486 ぬしは なぜ そのように わしを憎む。 53 00:08:39,486 --> 00:08:44,157 なぜだと!? ぬしは 恩知らずの盗人だ! 54 00:08:44,157 --> 00:08:49,029 ぬしの父上が そう言われたのか。 わしを 恩知らずの盗人だと。 55 00:08:49,029 --> 00:08:53,500 言い訳はさせないぞ! 元は 今井の使用人だったくせに➡ 56 00:08:53,500 --> 00:08:55,435 旧恩を裏切って 我が母を盗み➡ 57 00:08:55,435 --> 00:08:58,371 桔梗まで おぬしを追って 家出してしまったのだ。 58 00:08:58,371 --> 00:09:01,307 ぬしは 我が一家を ちりぢりにしてしまった。 59 00:09:01,307 --> 00:09:05,111 ぬしさえいなければ 我が家は もっと平穏に➡ 60 00:09:05,111 --> 00:09:08,448 父と母も いさかいなく 暮らしていけたのに…。 61 00:09:08,448 --> 00:09:12,752 ぬし一人のために みんなが不幸せになってしまったのだ! 62 00:09:18,792 --> 00:09:21,694 言い訳はすまい。 63 00:09:21,694 --> 00:09:26,132 ぬしの目から見れば そのとおりだ。 64 00:09:26,132 --> 00:09:29,803 だが これだけは伝えておこう。 65 00:09:29,803 --> 00:09:35,475 ぬしが 今すぐ おとなしく 堺の今井様へ戻れば➡ 66 00:09:35,475 --> 00:09:40,346 出迎えてくださるのは ぬしの母上だぞ。 67 00:09:40,346 --> 00:09:43,149 母上は 今井にはいない! 68 00:09:43,149 --> 00:09:47,020 ぬしが堺へ帰り着く頃には 多分 お戻りになっておられるはずだ。 69 00:09:47,020 --> 00:09:51,491 出任せを言うな! ぬしは 俺の母者を横取りするつもりだ! 70 00:09:51,491 --> 00:09:54,494 昔から 母者を横取りしようと 狙っていたんだ! 71 00:09:59,365 --> 00:10:05,038 小太郎殿。 わしが 誰を嫁にするかについては➡ 72 00:10:05,038 --> 00:10:11,177 堺へ戻って ぬしの母上に聞かれるがよい。 73 00:10:11,177 --> 00:10:19,052 ぬしの母上が わしが嫁にする女の名を 教えてくださるだろう。 74 00:10:19,052 --> 00:10:23,056 誰だ? ぬしの嫁になる女とは。 75 00:10:26,526 --> 00:10:29,229 桔梗殿だ。 76 00:10:32,866 --> 00:10:42,208 今は 行方は知れぬが 見つけ出して わしの女房になってもらうつもりだ。 77 00:10:42,208 --> 00:10:48,548 どうだ? それなら承知してくれるか? うん? 78 00:10:48,548 --> 00:10:52,218 ⚟船長! 79 00:10:52,218 --> 00:10:55,522 朝鮮が見えてまいりました。 そうか。 80 00:10:59,092 --> 00:11:02,829 当分 わしのそばにいろ。 81 00:11:02,829 --> 00:11:05,164 いいな? 82 00:11:05,164 --> 00:11:19,178 ♬~ 83 00:11:19,178 --> 00:11:27,053 <助左衛門は 桔梗が 既に 堺へ戻り着いていることを知らない。➡ 84 00:11:27,053 --> 00:11:31,191 助左衛門の船は 桔梗の悲劇を知らぬまま➡ 85 00:11:31,191 --> 00:11:36,196 朝鮮海峡のかなたへ消え去っていった> 86 00:11:45,205 --> 00:11:50,877 <秀吉の一子 鶴松の死後 豊臣家のただ一人の後継者として➡ 87 00:11:50,877 --> 00:11:55,215 にわかに 世間の注目を集めることになった男が➡ 88 00:11:55,215 --> 00:11:57,517 ここにいる> 89 00:12:04,824 --> 00:12:09,162 <秀吉の甥 豊臣秀次。➡ 90 00:12:09,162 --> 00:12:16,502 尾張・伊勢100万石の若き大名として 一応の人望を集め始めていたやさき➡ 91 00:12:16,502 --> 00:12:21,174 鶴松の夭折で 突如 豊臣家の養嗣子に迎えられ➡ 92 00:12:21,174 --> 00:12:25,511 秀吉より 関白職を譲り受ける。➡ 93 00:12:25,511 --> 00:12:30,216 それが 悲運の始まりであった> 94 00:12:41,527 --> 00:12:46,399 殿下。 しばらく 休息をいたしましょうか。 95 00:12:46,399 --> 00:12:48,401 (秀次)うん? 96 00:12:48,401 --> 00:12:53,139 先刻より 別の間に 今井宗薫を待たせてございます。 97 00:12:53,139 --> 00:12:55,441 構わん。 98 00:13:13,159 --> 00:13:16,062 (宗薫)桔梗。 (桔梗)はい。 99 00:13:16,062 --> 00:13:19,365 (宗薫)察しはついていようの。 100 00:13:21,501 --> 00:13:26,172 (宗薫)わしが なぜ お前を都まで連れてきたのか。 101 00:13:26,172 --> 00:13:28,107 いいえ。 102 00:13:28,107 --> 00:13:34,514 今日より お前は 秀次様に お仕えするのだ。 103 00:13:34,514 --> 00:13:37,183 よいな。 104 00:13:37,183 --> 00:13:39,185 兄様! 105 00:13:42,855 --> 00:13:47,193 堺には もう戻らずともよい。 106 00:13:47,193 --> 00:13:51,531 お前の身の回りのものは 皆 運んできてやる。 107 00:13:51,531 --> 00:13:53,466 (桔梗)卑怯です。 108 00:13:53,466 --> 00:13:57,470 太閤様の側女にあがるのと どちらがよい。 109 00:13:59,872 --> 00:14:03,876 (宗薫)今井のためだ。 観念してくれ。 110 00:14:05,478 --> 00:14:07,480 舌をかみます。 111 00:14:09,816 --> 00:14:12,518 桔梗…。 112 00:14:15,688 --> 00:14:21,994 どう逆らっても お前 助左衛門の女房にはなれないのだぞ。 113 00:14:26,365 --> 00:14:31,671 (宗薫)これが 定めだと思ってくれ。 114 00:14:45,184 --> 00:14:50,189 (秀次)そちが 今井宗薫か? はは。 115 00:14:58,731 --> 00:15:01,734 堺より よう来た。 116 00:15:11,144 --> 00:15:13,479 <その夜 堺では➡ 117 00:15:13,479 --> 00:15:17,483 美緒が 再び 今井に戻ってきた> 118 00:15:22,488 --> 00:15:26,159 御寮様…。 御寮様! 119 00:15:26,159 --> 00:15:28,861 お帰りなさいませ。 120 00:15:31,497 --> 00:15:33,433 (美緒)桔梗が 聚楽第へ? 121 00:15:33,433 --> 00:15:38,438 昨日 大元様が お連れになりました。 122 00:15:40,173 --> 00:15:45,044 秀次様のおそばに お仕えする ということが どういうことなのか➡ 123 00:15:45,044 --> 00:15:48,047 桔梗は 承知で行ったのですか? 124 00:15:48,047 --> 00:15:55,188 いいえ。 何も ご存じないまま すぐに帰れるものと思って➡ 125 00:15:55,188 --> 00:15:58,858 堺をたたれました。 126 00:15:58,858 --> 00:16:03,696 宗薫殿も なんと 心なきことを…! 127 00:16:03,696 --> 00:16:06,466 小太郎様も 家出をされ➡ 128 00:16:06,466 --> 00:16:12,805 やっと戻ってこられた桔梗様も すぐに 都へ連れ去られておしまいになり➡ 129 00:16:12,805 --> 00:16:17,143 これから先 どうなることかと 皆で 話し合っておりましたところ➡ 130 00:16:17,143 --> 00:16:20,046 御寮様に お帰りをいただき➡ 131 00:16:20,046 --> 00:16:24,016 これほど 心丈夫なことはございません。 132 00:16:24,016 --> 00:17:57,009 ♬~ 133 00:18:02,448 --> 00:18:08,154 宗薫が言うていたが そちは 鉄砲の名手だそうじゃのう。 134 00:18:12,124 --> 00:18:15,428 今 試してやる。 ついてまいれ。 135 00:18:36,816 --> 00:18:42,488 あ~ あれなる木の 上の枝を射落としてみよ。 136 00:18:42,488 --> 00:18:45,491 ほれ。 火はついておる。 137 00:19:03,442 --> 00:19:05,778 いかがした。 138 00:19:05,778 --> 00:19:08,447 木の枝は撃てませぬ。 139 00:19:08,447 --> 00:19:12,785 ちと遠すぎたか。 いいえ。 140 00:19:12,785 --> 00:19:16,455 あそこには 鳥が巣をかけております。 141 00:19:16,455 --> 00:19:18,457 何? 142 00:19:20,126 --> 00:19:24,130 ああ! 鳥の巣が ある ある! 143 00:19:37,476 --> 00:19:41,147 桔梗… と申したのう。 144 00:19:41,147 --> 00:19:44,050 はい。 145 00:19:44,050 --> 00:19:49,488 そちには 明日から 余の鉄砲指南役を申しつける。➡ 146 00:19:49,488 --> 00:19:51,791 戻って 休むがよい。 147 00:20:02,068 --> 00:20:47,780 ♬~ 148 00:20:52,885 --> 00:20:54,820 つけてきたのか。 149 00:20:54,820 --> 00:20:57,523 ⚟(喚声) 150 00:21:04,163 --> 00:21:08,868 慌てることはない。 味方だ。 (小太郎)えっ! 151 00:21:11,837 --> 00:21:15,708 清正軍が 釜山へ上陸したぞ。 152 00:21:15,708 --> 00:21:20,713 用意はできてまさあ このとおり。 お指図を。 153 00:21:23,182 --> 00:21:26,519 これより 忠州へ行ってくれ。 154 00:21:26,519 --> 00:21:30,389 忠州の城には 書状官の許筬殿が待っている。 155 00:21:30,389 --> 00:21:33,392 許筬殿の指図に従い 行動を共にせよ。 156 00:21:33,392 --> 00:21:36,195 許筬さんと 何をやりゃいいんで? 157 00:21:36,195 --> 00:21:39,098 清正軍の捕虜となるんだ。 158 00:21:39,098 --> 00:21:43,068 捕虜に? じゃあ わざと捕まれと? 159 00:21:43,068 --> 00:21:45,538 そうだ。 160 00:21:45,538 --> 00:21:51,410 捕虜となった許筬殿は 清正軍に 首都 京城までの近道を教え➡ 161 00:21:51,410 --> 00:21:54,880 自ら その道案内を 買って出ることになろう。 162 00:21:54,880 --> 00:22:01,687 しかし この道は 京城へは通じていない。 163 00:22:01,687 --> 00:22:04,156 ここまで言えば 分かるだろう。 164 00:22:04,156 --> 00:22:08,027 清正軍を道に迷わせる。 その間に 行長軍を 京城へ➡ 165 00:22:08,027 --> 00:22:10,496 一番乗りさせようって寸法か! そうだ。 166 00:22:10,496 --> 00:22:14,833 目的を果たしたら 許筬殿を背負って 竹山へ行け。 167 00:22:14,833 --> 00:22:19,138 竹山?竹山で待ってろ。 (一同)へい! 168 00:22:22,508 --> 00:22:24,443 行くぞ。 169 00:22:24,443 --> 00:22:27,179 何をしようとしてるんだ? 170 00:22:27,179 --> 00:22:31,517 日本国を守ろうとしているのさ。 171 00:22:31,517 --> 00:22:33,819 ついておいで。 172 00:22:41,527 --> 00:22:58,077 ♬~ 173 00:22:58,077 --> 00:23:00,012 (行長)進め~! 174 00:23:00,012 --> 00:23:06,151 <4月12日 釜山浦に上陸した 小西行長 宗 義智の1番隊は➡ 175 00:23:06,151 --> 00:23:11,023 14日には 東莱 16日には 梁山➡ 176 00:23:11,023 --> 00:23:15,828 17日には 密陽の 各城を 次々に抜いて➡ 177 00:23:15,828 --> 00:23:19,131 首都 ソウルへの道を 驀進する> 178 00:23:21,500 --> 00:23:25,170 <行長の1番隊より5日遅れて➡ 179 00:23:25,170 --> 00:23:29,842 加藤清正 鍋島直茂 相良頼房らの率いる➡ 180 00:23:29,842 --> 00:23:34,713 2万8,700の2番隊も 釜山に上陸する。➡ 181 00:23:34,713 --> 00:23:39,518 清正は 行長が 尚州方面に向かったことを聞くと➡ 182 00:23:39,518 --> 00:23:41,453 道を右に転じ➡ 183 00:23:41,453 --> 00:23:46,191 慶州を抜いて 東路を北上する。➡ 184 00:23:46,191 --> 00:23:53,499 清正の主眼は 何よりもまず 行長の1番隊を追い抜くことであった> 185 00:23:57,202 --> 00:24:05,010 <4月25日。 名護屋の本営には 秀吉が着陣する> 186 00:24:05,010 --> 00:24:07,479 (秀吉)ハハハハハハハ…。 187 00:24:07,479 --> 00:24:13,352 ハッハッハッハッハッハ。 188 00:24:13,352 --> 00:24:20,492 あ~あ 法華と耶蘇が 競い合うておるわ。 ハハハハハ…。 189 00:24:20,492 --> 00:24:26,165 既に 第1軍は 尚州辺りに 攻め込んでいるはずにございます。 190 00:24:26,165 --> 00:24:31,036 いや~ しかし 小西軍の疾風のような進撃ぶりは➡ 191 00:24:31,036 --> 00:24:34,039 まさに 目をみはるばかりにございます。➡ 192 00:24:34,039 --> 00:24:39,511 釜山へ上陸して 僅か10日余りの間に 5つもの敵城を陥落させ➡ 193 00:24:39,511 --> 00:24:43,849 そのまま進撃を続けています。 それに引き換え➡ 194 00:24:43,849 --> 00:24:47,720 2番手の清正軍の進路には さしたる敵城もなく➡ 195 00:24:47,720 --> 00:24:54,493 慶州の城を抜いたほかは 戦もなく まずは 順調な進軍かと存じます。 196 00:24:54,493 --> 00:25:00,132 虎之助の眼中には 行長しかないものと見える。 197 00:25:00,132 --> 00:25:09,141 あいつ 行長に先鋒をとられたのが よほど悔しかったのじゃな。 198 00:25:09,141 --> 00:25:16,148 さて 虎之助は どの辺りで追いつくかな。 199 00:25:19,151 --> 00:25:26,492 殿下には 清正軍が行長軍を追い抜き 京城への一番乗りを果たすことを➡ 200 00:25:26,492 --> 00:25:29,495 お望みなのでございましょうか。 201 00:25:33,165 --> 00:25:42,841 余が望まずとも 京城には 虎之助が 一番乗りするであろう。 202 00:25:42,841 --> 00:25:48,514 行長は 戦い過ぎておる。 兵も 疲れていよう。 203 00:25:48,514 --> 00:25:54,186 無傷のまま 満を持してやって来る虎之助の軍に➡ 204 00:25:54,186 --> 00:25:58,857 いずれ取って代わられるのは 当然の成り行きじゃ。➡ 205 00:25:58,857 --> 00:26:06,665 まあ それはそれで よいではないか。 ハハハハハハ。 206 00:26:06,665 --> 00:26:10,803 うさぎを犬に追わせる理屈で➡ 207 00:26:10,803 --> 00:26:17,476 行長を先に走らせ 虎之助に後を追わせてみたが➡ 208 00:26:17,476 --> 00:26:22,147 あ~ うさぎも よう駆けた。 209 00:26:22,147 --> 00:26:25,484 アハハハハッ。 210 00:26:25,484 --> 00:26:31,156 さて 忠州辺りになるかな。 211 00:26:31,156 --> 00:26:37,830 熊本の犬が 宇土のうさぎに食らいつくのは。 212 00:26:37,830 --> 00:26:44,837 ハハハハハハハッ! 213 00:26:46,505 --> 00:26:51,376 <4月28日。 加藤清正の軍団は ついに➡ 214 00:26:51,376 --> 00:26:57,082 忠州の戦場で 小西行長の1番隊に追いついた> 215 00:27:08,127 --> 00:27:10,796 私に 出し抜かれたと? 216 00:27:10,796 --> 00:27:13,465 (清正)そうとも。 217 00:27:13,465 --> 00:27:19,138 おぬしら 釜山に上陸したら そのことを まず 後方の我々に報じ➡ 218 00:27:19,138 --> 00:27:24,476 我々の到着を待って初めて進軍すべし という命令書を受けていたはずだ。 219 00:27:24,476 --> 00:27:26,812 よくも握り潰したのう。 220 00:27:26,812 --> 00:27:30,482 そんな命令書は どこからも受けてはいない。 221 00:27:30,482 --> 00:27:34,152 3月8日付けの太閤殿下の命令書だ! 222 00:27:34,152 --> 00:27:37,489 知らんとは言わさんぞ。 (行長)我らが受けたのは➡ 223 00:27:37,489 --> 00:27:41,360 出征の1番手を務めよという命令書が 一通のみでござる。 224 00:27:41,360 --> 00:27:44,363 (清正)出征の 1番手 2番手などというのは…➡ 225 00:27:44,363 --> 00:27:48,834 いいか? 船奉行の治部少輔が➡ 226 00:27:48,834 --> 00:27:53,705 港の混雑を避けるために 勝手につけた 乗船の順番にすぎぬ。 227 00:27:53,705 --> 00:27:58,510 太閤殿下の命令書には 両先鋒で進めとあったんだ! 228 00:27:58,510 --> 00:28:05,117 しかるに おぬしらは 釜山に上陸するや わしらには ひと言の断りもなく➡ 229 00:28:05,117 --> 00:28:10,455 直ちに戦闘に従事し 勝手に進軍してしまったではないか。 230 00:28:10,455 --> 00:28:13,125 出し抜いたと言われても 文句は言えまい。 231 00:28:13,125 --> 00:28:18,797 我らが進軍のことを いちいち おぬしらに断っていく義務はない! 232 00:28:18,797 --> 00:28:22,134 何だと? (義智)まあまあ 清正殿。➡ 233 00:28:22,134 --> 00:28:26,004 行長殿も 過ぎ去ったことは 水に流してくだされ。 234 00:28:26,004 --> 00:28:29,808 ここは 京城攻略の軍議の席でござる。 235 00:28:29,808 --> 00:28:35,147 京城を いかにして攻め落とすか。 軍議に戻りましょう。 236 00:28:35,147 --> 00:28:40,452 (せきばらい) これが 京城の町の図か。 237 00:28:44,156 --> 00:28:51,496 ここに シバモンナイヤクテンロウという通りが 見受けられるが➡ 238 00:28:51,496 --> 00:28:55,834 これは 薬屋の通りではないか? 239 00:28:55,834 --> 00:29:03,108 行長殿。 おぬし 確か 堺の薬屋のせがれだったな。 240 00:29:03,108 --> 00:29:06,011 ええ? どうだ。 この通りを襲って➡ 241 00:29:06,011 --> 00:29:08,447 朝鮮人参 土産に持ち帰っては。 242 00:29:08,447 --> 00:29:11,350 元手は要らぬし 大もうけではないかな。 243 00:29:11,350 --> 00:29:14,319 戯れ言は その辺で とどめられよ! 244 00:29:14,319 --> 00:29:20,792 軍是に背き ただ 私利をむさぼる 商人の戦法に かなってるじゃないか。 245 00:29:20,792 --> 00:29:23,128 (行長)聞き捨てならぬ! 246 00:29:23,128 --> 00:29:27,799 この清正と 一騎打ちでもやろうというのか。 247 00:29:27,799 --> 00:29:30,102 よかろう。 248 00:29:32,471 --> 00:29:34,406 私闘はなりませぬ! 249 00:29:34,406 --> 00:29:38,143 味方同士 いがみ合い 災いを残せば➡ 250 00:29:38,143 --> 00:29:40,445 不忠の至りでござる! 251 00:30:00,165 --> 00:30:02,834 (清正)京城まで あと100里。➡ 252 00:30:02,834 --> 00:30:10,509 行長は 楊根より龍津を渡り 京城の東に出る道を行くと言ったが➡ 253 00:30:10,509 --> 00:30:13,412 我らは これより 別路をとる。 254 00:30:13,412 --> 00:30:17,182 これより近道が ほかにあるのか。 それが 一つあるのだ。 255 00:30:17,182 --> 00:30:20,085 連れてまいれ。 はっ! 256 00:30:20,085 --> 00:30:26,525 この忠州で 許筬という書状官が 数人の家来と一緒に寝返ってきた。 257 00:30:26,525 --> 00:30:28,860 そいつが 道案内をする。 258 00:30:28,860 --> 00:30:37,202 竹山から 龍仁に赴き 漢江の南に至る道順だ。 259 00:30:37,202 --> 00:30:41,540 確かな案内人さえいれば この道が はるかに早い。 260 00:30:41,540 --> 00:30:44,209 確かなんですか? その書状官は。 261 00:30:44,209 --> 00:30:48,547 李王朝の転覆をねらう裏切り者だ。 262 00:30:48,547 --> 00:30:53,218 どこにでも 一人や二人はいる 腹黒い奸臣よ。 263 00:30:53,218 --> 00:30:55,153 用が済めば 斬る。 264 00:30:55,153 --> 00:30:57,889 ⚟殿! 連れてまいりました。 通せ! 265 00:30:57,889 --> 00:30:59,825 ほら。 266 00:30:59,825 --> 00:31:04,529 (清正)おお 許筬か。 地図のそばへ来てくれ。 267 00:31:07,165 --> 00:31:13,839 ♬~ 268 00:31:13,839 --> 00:31:16,508 <4月29日。➡ 269 00:31:16,508 --> 00:31:20,846 忠州より 行長の軍団と清正の軍団が➡ 270 00:31:20,846 --> 00:31:24,716 道を分かれて ソウルへと向かう> 271 00:31:24,716 --> 00:31:33,859 ♬~ 272 00:31:33,859 --> 00:31:37,162 こら! アイタタタ…。 273 00:31:40,732 --> 00:31:45,203 (轟音) 274 00:31:45,203 --> 00:31:47,906 あれは 何の音だ。 275 00:31:49,875 --> 00:31:51,810 地鳴りではない。 276 00:31:51,810 --> 00:31:54,746 聞こえるか。 はい。 277 00:31:54,746 --> 00:31:57,749 確かめてまいれ。 はっ! 278 00:32:14,833 --> 00:32:21,139 (フクロウの鳴きまね) 279 00:32:25,477 --> 00:32:32,851 (フクロウの鳴きまね) 280 00:32:32,851 --> 00:32:34,853 船長だ。 281 00:32:40,192 --> 00:32:42,194 行け。 282 00:33:00,812 --> 00:33:03,815 大丈夫か! 船長! 283 00:33:10,488 --> 00:33:12,824 川の音だと? はい。 284 00:33:12,824 --> 00:33:16,161 それも 巨大な大河の流れる音にございます。 285 00:33:16,161 --> 00:33:19,865 渡れそうか? 船なしでは渡ることはできません。 286 00:33:21,499 --> 00:33:24,169 渡れぬ? 287 00:33:24,169 --> 00:33:28,506 行き止まりだというのか! はい! 288 00:33:28,506 --> 00:33:31,509 許筬を連れてこい。 はっ! 289 00:33:33,378 --> 00:33:37,849 申し上げます。 許筬めら捕虜が 脱走いたしましてございます。 290 00:33:37,849 --> 00:33:42,554 ⚟脱走だ!何!? ⚟追え~! 291 00:33:44,189 --> 00:33:54,533 ♬~ 292 00:33:54,533 --> 00:33:56,468 こっちだ! 早くしろ! 293 00:33:56,468 --> 00:34:13,485 ♬~ 294 00:34:13,485 --> 00:34:16,154 放て~! (銃声) 295 00:34:16,154 --> 00:34:19,491 ♬~ 296 00:34:19,491 --> 00:34:21,493 待て。 297 00:34:24,362 --> 00:34:28,066 回れ! 回れ! 回れ! 298 00:34:32,837 --> 00:34:37,542 逃がすな~! 待て~! 299 00:35:37,702 --> 00:35:40,705 あっ どうも。 300 00:35:40,705 --> 00:35:42,707 どうもすみません。 301 00:35:54,519 --> 00:36:00,225 あの火は!? ソウルの町に 火を放ったのでしょう。 302 00:36:03,128 --> 00:36:05,797 あれが 京城…。 303 00:36:05,797 --> 00:36:11,469 日本軍に占領される前に 自ら 町を焼き払い➡ 304 00:36:11,469 --> 00:36:15,140 国王を… 逃げさせたのでしょう。 305 00:36:15,140 --> 00:36:23,148 ♬~ 306 00:36:49,040 --> 00:37:05,457 ♬~ 307 00:37:05,457 --> 00:37:08,126 我らは 負けはしない。 308 00:37:08,126 --> 00:37:12,997 我が祖国のためにも おことらのためにも➡ 309 00:37:12,997 --> 00:37:17,702 我らは この戦を負けてはならん。 310 00:37:19,471 --> 00:37:22,140 許筬殿。 311 00:37:22,140 --> 00:38:13,825 ♬~ 312 00:38:16,127 --> 00:38:20,798 <5月2日。 行長・義智の軍団は➡ 313 00:38:20,798 --> 00:38:27,105 清正軍よりも1日早く ソウルへの一番乗りを果たした> 314 00:38:39,484 --> 00:38:43,154 <そこで 行長たちを待っていたのは➡ 315 00:38:43,154 --> 00:38:50,461 宮殿も民家も焼き払われた 人っ子一人いない 死の町であった> 316 00:38:52,497 --> 00:38:56,367 国王は どこへ隠れてしまったんだ。 317 00:38:56,367 --> 00:39:01,306 どこへだろうと 訪ね追いかけていくより ほかにはあるまい。 318 00:39:01,306 --> 00:39:08,313 清正よりも先に 国王と会見し 何としても 講和を結ばねば! 319 00:39:17,455 --> 00:39:19,390 <6月末。➡ 320 00:39:19,390 --> 00:39:26,130 助左衛門の船が ひそかに釜山を発し 多久島へ帰る> 321 00:39:26,130 --> 00:39:28,433 えいっ! やあっ! 322 00:39:30,001 --> 00:39:32,003 ほら 来い! 323 00:39:37,475 --> 00:39:39,410 うりゃ! 324 00:39:39,410 --> 00:39:43,715 (笑い声) どうした! 来い! 325 00:40:04,502 --> 00:40:10,174 おお この袋…。 ぬしが拾ってくれたのか。 326 00:40:10,174 --> 00:40:14,045 そうか よかった。 ありがとう。 327 00:40:14,045 --> 00:40:16,748 小太郎殿。 328 00:40:21,519 --> 00:40:26,391 これは ぬしに お返ししよう。 329 00:40:26,391 --> 00:40:29,394 返す? 330 00:40:29,394 --> 00:40:31,863 この短筒はのう➡ 331 00:40:31,863 --> 00:40:39,203 ぬしのおじいさん 今井宗久様から わしが預かっていたものだ。 332 00:40:39,203 --> 00:40:42,540 おじい様の? 333 00:40:42,540 --> 00:40:45,443 ぬしが持っていなさい。 334 00:40:45,443 --> 00:40:48,212 ぬしが持っていた方が➡ 335 00:40:48,212 --> 00:40:51,516 大元様も お喜びになる。 336 00:40:53,084 --> 00:41:31,522 ♬~ 337 00:41:31,522 --> 00:41:35,193 船長~! 船長! 338 00:41:35,193 --> 00:41:37,528 弥次郎! お帰りなさいまし。 339 00:41:37,528 --> 00:41:42,200 変わりなかったか。 それが 大ありなんで。 340 00:41:42,200 --> 00:41:46,070 帰ってきたんでさあ あいつが! 341 00:41:46,070 --> 00:41:48,539 あいつが? 342 00:41:48,539 --> 00:41:50,475 あいつが! へえ! 343 00:41:50,475 --> 00:41:53,177 どこだ!? どこにいるんだ!? ええ!? 344 00:42:05,490 --> 00:42:08,393 五右衛門。 345 00:42:08,393 --> 00:42:13,164 (五右衛門)呂宋へ渡ってた。 呂宋? 346 00:42:13,164 --> 00:42:20,471 朝鮮の次は 呂宋だ。 秀吉が 呂宋へ攻め出すぞ。 347 00:42:22,173 --> 00:42:25,510 聞かしてもらおう ぬしの見てきたことを。 348 00:42:25,510 --> 00:42:27,845 聞いてきたことの全てを。 349 00:42:27,845 --> 00:42:38,489 ♬~(謡) 350 00:42:38,489 --> 00:42:41,859 <呂宋の征服をもくろむ秀吉が➡ 351 00:42:41,859 --> 00:42:47,198 マニラ総督に対し 強硬な降伏勧告状を突きつけたのは➡ 352 00:42:47,198 --> 00:42:50,101 半年前の秋であった。➡ 353 00:42:50,101 --> 00:42:54,539 その返事が 今 マニラ総督の使者と➡ 354 00:42:54,539 --> 00:42:56,474 原田喜右衛門らの手で➡ 355 00:42:56,474 --> 00:43:00,344 名護屋の秀吉のもとへ運ばれてきた> 356 00:43:00,344 --> 00:43:10,354 ♬~ 357 00:43:14,025 --> 00:43:20,498 ♬~ 358 00:43:20,498 --> 00:43:29,507 <黄金の夕映えが もはや二度とは明けぬ 暗黒の夜に包み込まれようとしている。➡ 359 00:43:29,507 --> 00:43:32,176 助左衛門の行く手には➡ 360 00:43:32,176 --> 00:43:38,049 巨大な黒雲と化した秀吉の野望が 立ち塞がっていた> 361 00:43:38,049 --> 00:43:44,055 ♬~