1 00:00:02,102 --> 00:02:40,093 ♬~ 2 00:02:45,732 --> 00:02:50,203 <朝鮮遠征の大本営 肥前国名護屋浦と➡ 3 00:02:50,203 --> 00:02:52,139 8里を隔てて対峙する➡ 4 00:02:52,139 --> 00:02:56,877 助左衛門の隠れ港 多久島に➡ 5 00:02:56,877 --> 00:03:03,150 日本国の運命を左右する ある秘密の書状が舞い込んできた。➡ 6 00:03:03,150 --> 00:03:09,856 運んできたのは 呂宋より帰り着いた五右衛門であった> 7 00:03:14,494 --> 00:03:19,833 (五右衛門)帰り20日の船旅の間に 隙を見ては 使者の船室に忍び込んで➡ 8 00:03:19,833 --> 00:03:22,169 書き写してきたものだ。 9 00:03:22,169 --> 00:03:25,505 内容は解せないが ともかく➡ 10 00:03:25,505 --> 00:03:30,177 マイニラ総督が 秀吉に宛てた 書状であることは間違いない。 11 00:03:30,177 --> 00:03:32,512 (助左衛門)狂気だ…。 12 00:03:32,512 --> 00:03:36,850 明や朝鮮へ無謀な出兵をするだけでは 飽き足らず➡ 13 00:03:36,850 --> 00:03:41,188 呂宋へまで遠征しようというのか…。 14 00:03:41,188 --> 00:03:45,859 原田のねらいは マイニラの総督の座につくことだ。 15 00:03:45,859 --> 00:03:47,794 何だと!? 16 00:03:47,794 --> 00:03:51,198 秀吉に呂宋を占領させ➡ 17 00:03:51,198 --> 00:03:54,101 マイニラから イスパニア人どもを追い落とし➡ 18 00:03:54,101 --> 00:03:57,070 自らが 総督の座につく。➡ 19 00:03:57,070 --> 00:04:05,479 秀吉は 呂宋を治め 原田は 交易を独占する。➡ 20 00:04:05,479 --> 00:04:10,183 秀吉と原田の間に取り交わされた密約だ。 21 00:04:12,352 --> 00:04:16,123 原田喜右衛門は 今 どこにいるんだ!? 22 00:04:16,123 --> 00:04:22,829 名護屋浦の本営で マイニラの使者たちを 秀吉に引き合わせてる頃だろう。 23 00:04:29,503 --> 00:04:34,374 (イスパニア語) 24 00:04:34,374 --> 00:04:37,177 (喜右衛門) 「カスチリア レオン アラゴン➡ 25 00:04:37,177 --> 00:04:42,048 両シシリア エルサレム ポルトガル ナバラ グラナーダ サルディニア➡ 26 00:04:42,048 --> 00:04:50,724 コルシカ ムルシア ハエン アルガルベス アルヘシーラス ヒブラルタール➡ 27 00:04:50,724 --> 00:04:55,862 東西インド 大洋中の諸島および大陸の王 オーストリアの大公爵➡ 28 00:04:55,862 --> 00:04:59,533 ブルゴーニュ ブラバンド およびミラノの公爵➡ 29 00:04:59,533 --> 00:05:02,135 ハプスブルク フランデル ブルターニュ➡ 30 00:05:02,135 --> 00:05:06,807 ならびに チロルなどの伯爵なる我らの君 ドン・フェリペ二世王のため」…。 31 00:05:06,807 --> 00:05:08,742 (秀吉)おいおい 喜右衛門。 はい。 32 00:05:08,742 --> 00:05:12,145 (秀吉)何だ おい 今のは それで 一人の人間か? 33 00:05:12,145 --> 00:05:16,449 さようでございます。 長え名前だなあ。 続けよ。 34 00:05:19,019 --> 00:05:22,489 (秀吉)おい。 何してる。 ちょっと…。 35 00:05:22,489 --> 00:05:26,359 ちょっと こんがらがっちゃいまして…。 なあ! 早くしなさい! 36 00:05:26,359 --> 00:05:32,165 「当大群島の諸島 および 西部地方の 長官 兼 司令官たる サンチャゴの騎士➡ 37 00:05:32,165 --> 00:05:34,100 ゴメス・ペレス・ダス マリーニヤス」…。 38 00:05:34,100 --> 00:05:40,106 ああ ゴメス・ペレス! ゴメス・ペレス! それだな? マイニラの総督は。 39 00:05:41,841 --> 00:05:47,180 御意。 ああ やっと出てきたな。 続けよ。 40 00:05:47,180 --> 00:05:54,054 「高貴にして強大なる 君主 関白殿下に対し➡ 41 00:05:54,054 --> 00:06:00,126 当然ながらの敬礼をいたし 健康と恒久の幸せを祈るものです。➡ 42 00:06:00,126 --> 00:06:03,997 ご家臣にして キリシタンなる 日本人 原田喜右衛門」…。 43 00:06:03,997 --> 00:06:08,001 おお 出てきたな。 「その原田喜右衛門が 当地に着し➡ 44 00:06:08,001 --> 00:06:11,471 貴王の一身に関する報告を もたらしたれば➡ 45 00:06:11,471 --> 00:06:17,811 余は はなはだ喜び 天の神が 貴王に授けたまえる勇気配慮➡ 46 00:06:17,811 --> 00:06:21,681 および 勢力に対し 大いなる好意を表す」。 47 00:06:21,681 --> 00:06:23,683 おお~! 48 00:06:23,683 --> 00:06:29,689 殿下の降伏要求に対して マイニラ総督は 何と応えてきたか。 49 00:06:31,358 --> 00:06:35,161 (五右衛門) 間違っても 日本には降伏はすまい。 50 00:06:35,161 --> 00:06:41,034 しかし 拒絶をすれば 殿下に 出兵の口実を与えてしまうぞ。 51 00:06:41,034 --> 00:06:44,504 まず 日本語に直してみなきゃな。 52 00:06:44,504 --> 00:06:48,208 誰か イスパニア語の分かるやつ 探して…。 53 00:06:50,176 --> 00:06:52,846 長崎まで行こう。 54 00:06:52,846 --> 00:06:56,182 長崎で 誰に頼むんだ。 55 00:06:56,182 --> 00:06:58,852 パーデレ フロイスがいる。 56 00:06:58,852 --> 00:07:00,854 すぐに たとう。 57 00:07:07,460 --> 00:07:16,803 「余は 当地 マイニラに 日本語を解する 信頼すべき通訳を有せず。➡ 58 00:07:16,803 --> 00:07:24,477 彼が 貴王ならびに余を 欺瞞せんと計るにあらざるかを疑い➡ 59 00:07:24,477 --> 00:07:27,814 その実否を知り➡ 60 00:07:27,814 --> 00:07:32,686 日本国王の意志と また 希望せらるるところを➡ 61 00:07:32,686 --> 00:07:38,458 いま一度 明らかにせられんことを欲す。➡ 62 00:07:38,458 --> 00:07:47,167 事実を明らかにするため 余は ここに 徳高き 慈悲深き長老代➡ 63 00:07:47,167 --> 00:07:52,038 パーデレ フレイ・ファン・コーボを 派遣す」。 64 00:07:52,038 --> 00:07:57,510 そうです。 それで いいです。 65 00:07:57,510 --> 00:08:02,782 すると 原田は 使者として 信用されなかったんですね? 66 00:08:02,782 --> 00:08:05,118 そのようですね。 67 00:08:05,118 --> 00:08:12,459 マイニラの総督は 原田を偽りの使者だと疑ったことも➡ 68 00:08:12,459 --> 00:08:19,132 無理はありません。 第1に 原田喜右衛門は➡ 69 00:08:19,132 --> 00:08:25,805 一国を代表する使者としては 身分が低すぎます。➡ 70 00:08:25,805 --> 00:08:34,147 第2に 正式の国書であれば 日本語のものと一緒に➡ 71 00:08:34,147 --> 00:08:40,820 相手方の国の言葉に直した国書を 用意することは 礼儀です。 72 00:08:40,820 --> 00:08:44,157 なるほど。 それをしていない。 73 00:08:44,157 --> 00:08:51,030 更に 総督は 原田の船が たくさんの商品を積んできたことにも➡ 74 00:08:51,030 --> 00:08:53,833 疑問を持っています。 75 00:08:53,833 --> 00:09:01,541 ヨーロッパでは 国使の船は 商いをすることはないからです。 76 00:09:03,109 --> 00:09:07,447 要するに 原田は追い返されたわけだ。 77 00:09:07,447 --> 00:09:10,116 (フロイス)そういうことでしょう。 78 00:09:10,116 --> 00:09:13,019 殿下の国書が 本物かどうか。 79 00:09:13,019 --> 00:09:17,457 今度の使者は それを確かめに来ただけだ。 80 00:09:17,457 --> 00:09:20,126 まだ間に合う。 81 00:09:20,126 --> 00:09:24,998 随分 慎重なやつだな。 ええ? マイニラの総督は。 82 00:09:24,998 --> 00:09:29,803 うん。 それが こっちには幸いしたんだ。 83 00:09:29,803 --> 00:09:35,475 呂宋と戦をしてはいけない。 84 00:09:35,475 --> 00:09:38,378 戦はさせません。 85 00:09:38,378 --> 00:09:41,815 止めようがあんのか?➡ 86 00:09:41,815 --> 00:09:45,485 秀吉の意志は 実に はっきりとしてるんだ。 87 00:09:45,485 --> 00:09:49,155 降伏しなければ 攻める。 88 00:09:49,155 --> 00:09:52,492 ところが マイニラは 絶対に 降伏はすまい。 89 00:09:52,492 --> 00:09:54,794 あとは 戦だ。 90 00:09:56,362 --> 00:10:00,366 戦を防ぐ手はある。 91 00:10:00,366 --> 00:10:06,372 殿下の国書が マイニラに届かなければよいのだ。 92 00:10:09,509 --> 00:10:11,845 国書が届かなければ➡ 93 00:10:11,845 --> 00:10:14,514 総督も 返事のしようがない。 94 00:10:14,514 --> 00:10:16,850 返事がなければ➡ 95 00:10:16,850 --> 00:10:20,520 殿下も 攻伐の名目がない。 96 00:10:20,520 --> 00:10:27,861 呂宋からイスパニア人を追い出すのは 呂宋の人々の役目だ。 97 00:10:27,861 --> 00:10:31,731 殿下ではない。 98 00:10:31,731 --> 00:10:37,537 国書を奪うとすれば 海の上しかないな。 99 00:10:37,537 --> 00:10:40,440 そのとおりだ。 100 00:10:40,440 --> 00:10:45,211 長崎 マイニラ間の海上に 網を張り➡ 101 00:10:45,211 --> 00:10:49,549 国書を運ぶ御朱印船を襲う。 102 00:10:49,549 --> 00:10:54,420 もはや これよりほかに手段はあるまい。 103 00:10:54,420 --> 00:11:12,105 ♬~ 104 00:11:21,481 --> 00:11:26,486 秀吉相手に 本当に 戦をやる気か。 105 00:11:28,855 --> 00:11:32,525 悲しい戦だ…。 106 00:11:32,525 --> 00:11:39,232 たとえ勝っても 何の益にもならん。 107 00:11:44,137 --> 00:11:49,142 この分じゃ 当分 堺へも帰れそうにないな。 108 00:11:51,211 --> 00:11:56,082 (五右衛門)ぬしのいない堺へ 桔梗を帰してしもうた。➡ 109 00:11:56,082 --> 00:11:58,785 それだけが 気がかりだ。 110 00:12:02,155 --> 00:12:09,829 ぬしの嫁になることだけが夢で 堺へ帰っていったのに…➡ 111 00:12:09,829 --> 00:12:12,832 縁がなかったんだな。 112 00:12:20,473 --> 00:12:22,475 (銃声) 113 00:12:53,873 --> 00:12:57,176 (桔梗)肩の力を抜いて。 114 00:13:00,146 --> 00:13:08,021 息を深く吸い込んで 静かに吐いて➡ 115 00:13:08,021 --> 00:13:11,758 吐き終えたところで ゆっくりと引き金を引きます。 116 00:13:11,758 --> 00:13:13,760 (息を吸う音) 117 00:13:15,495 --> 00:13:18,398 (息を吐く音) 118 00:13:18,398 --> 00:13:20,366 ⚟関白殿~! 119 00:13:20,366 --> 00:13:22,368 (銃声) 120 00:13:25,838 --> 00:13:29,175 (北政所)いつまでも 鉄砲遊びばっかり やっとらんで➡ 121 00:13:29,175 --> 00:13:32,512 ちょっと こっちへ来て。 こっち。(秀次)遊びではござらぬ。 122 00:13:32,512 --> 00:13:36,182 見せたいものがあるで こっちへ来てと言っとるんだわなも。 123 00:13:36,182 --> 00:13:40,053 大事な用なんだで ほれ ちょっと ちょっと。 124 00:13:40,053 --> 00:13:42,522 うるさい おば上だ。 125 00:13:42,522 --> 00:13:45,425 早う戻ればいいのに いつまで居座る気だ。 126 00:13:45,425 --> 00:13:49,862 続けるから このままにしておけ。 すぐ戻る。はい。 127 00:13:49,862 --> 00:13:54,200 (秀次)大事な御用とは? ほうほう 紙に筆などお持ちになられて➡ 128 00:13:54,200 --> 00:13:56,135 和歌でも お作りになられたか? 129 00:13:56,135 --> 00:13:59,539 誰が そんなのんきな気分でおられますか。 130 00:13:59,539 --> 00:14:03,409 太閤様の母君が 明日をも知れん ご病気という時に。 131 00:14:03,409 --> 00:14:05,345 あ それは ごもっともでございます。 132 00:14:05,345 --> 00:14:08,815 おば上様も 早う 大坂へ戻られた方がよいでしょう。 133 00:14:08,815 --> 00:14:12,685 大政所様 平癒立願のご祈祷も 滞りなく…。 134 00:14:12,685 --> 00:14:16,489 催促されずとも 早々に引き揚げますがなも。 135 00:14:16,489 --> 00:14:20,360 いまひとつ 心配事を片づけたらえも。 136 00:14:20,360 --> 00:14:23,830 心配事と申されますと? 137 00:14:23,830 --> 00:14:29,502 大政所様ご重体のこと 九州には まだ お知らせしとらんのかなも。 138 00:14:29,502 --> 00:14:32,405 ああ そのことなら 今にでも 飛脚を走らせるつもりでおりますから➡ 139 00:14:32,405 --> 00:14:36,375 どうぞ ご心配なく。 書状は 太閤様宛てになさるおつもりで…。 140 00:14:36,375 --> 00:14:39,512 無論です。 (北政所)いや それはなりません。え? 141 00:14:39,512 --> 00:14:42,415 太閤様に じかにお知らせしては なりませぬ。 142 00:14:42,415 --> 00:14:44,417 なぜでございます? 143 00:14:46,385 --> 00:14:50,523 じかに お耳に入れたら 気ぃ失われるかもしれせん。 144 00:14:50,523 --> 00:14:54,193 まさか! まさかではありませんがなも。 145 00:14:54,193 --> 00:14:58,865 太閤様の孝行ぶりは おみゃあ様も よくご存じでしょうがなも。 146 00:14:58,865 --> 00:15:01,134 気絶はなさらんまでも➡ 147 00:15:01,134 --> 00:15:05,004 どんな取り乱しようになるか 分かったもんでにゃあから➡ 148 00:15:05,004 --> 00:15:08,007 危篤のことは じかにではなしに➡ 149 00:15:08,007 --> 00:15:11,778 まず 近従の者に知らせ➡ 150 00:15:11,778 --> 00:15:16,783 ご報告の折は 周りの者に任せられた方がええ。 151 00:15:19,485 --> 00:15:24,357 ここに 私が 手本を書きましたから➡ 152 00:15:24,357 --> 00:15:29,495 このとおりに 書き写いで送られるがええ。 153 00:15:29,495 --> 00:15:32,799 手本を? 読んでみやあせ。 154 00:15:36,369 --> 00:15:39,372 声を出あて。 155 00:15:41,107 --> 00:15:45,044 (せきばらい) 156 00:15:45,044 --> 00:15:52,718 「大政所殿 お患いにつき しこうして 一書をもって 申しつかわし候。➡ 157 00:15:52,718 --> 00:15:56,722 お耳に入れられ候て よく候わば➡ 158 00:15:56,722 --> 00:15:59,859 おのおの 相談候て 披露あるべく候➡ 159 00:15:59,859 --> 00:16:05,131 ご陣中の義に候間 いかがかと存じ候へども➡ 160 00:16:05,131 --> 00:16:09,001 まず 皆々まで かくのごとく候。➡ 161 00:16:09,001 --> 00:16:13,806 よくよく相談の上をもって 申し上げるべく候こと➡ 162 00:16:13,806 --> 00:16:16,709 肝要に候なり 秀次」。 163 00:16:16,709 --> 00:16:21,481 木下半介辺りに差し出されたら よろしかろう。 164 00:16:21,481 --> 00:16:24,383 これなら おば上の名で お出しになられては いかがですか。 165 00:16:24,383 --> 00:16:28,354 それでは おみゃあ様のお立場が なくなりましょうがなも。 166 00:16:28,354 --> 00:16:32,491 国元の大事を知らせるのは 留守役の務め。 167 00:16:32,491 --> 00:16:36,362 それに 甥のおみゃあ様が 太閤様のために➡ 168 00:16:36,362 --> 00:16:41,167 それだけの気配りをなされたことが 後に お耳に届けば➡ 169 00:16:41,167 --> 00:16:46,172 太閤様も どれだけ おみゃあ様を見直されるかしれせん。 170 00:16:48,040 --> 00:16:52,178 お分かりかなも? 私の言っとることが。 171 00:16:52,178 --> 00:16:55,514 なるほど。 172 00:16:55,514 --> 00:16:58,184 フフフフフ…。 173 00:16:58,184 --> 00:17:02,054 いや おば上のご好意には報いましょうとも。 174 00:17:02,054 --> 00:17:09,128 おば上は 何が何でも この秀次に 豊臣の天下を継がせたいのですね。 175 00:17:09,128 --> 00:17:12,798 いや 今だから白状しますと➡ 176 00:17:12,798 --> 00:17:18,671 淀殿が鶴松君を産み落とした時の 私の悔しさは 恐らく➡ 177 00:17:18,671 --> 00:17:21,807 おば上以上だったかもしれません。 178 00:17:21,807 --> 00:17:26,679 鶴松が死んだのは 私が呪い過ぎたせいかもしれない。 179 00:17:26,679 --> 00:17:28,681 そう思ったくらいだ。 180 00:17:30,483 --> 00:17:34,353 おば上 ご安心ください。 181 00:17:34,353 --> 00:17:39,825 豊臣の跡目は この秀次が立派に継いでみせます。➡ 182 00:17:39,825 --> 00:17:43,696 淀殿や ほかの愛妾などには渡しません。 183 00:17:43,696 --> 00:17:47,700 おじ上にも嫌われぬよう務めましょう。 184 00:17:47,700 --> 00:17:53,172 孫七郎。 おみゃあ様 何か 勘違いしとるのでなあきゃなも。 185 00:17:53,172 --> 00:17:57,843 え? 豊臣家というのはな➡ 186 00:17:57,843 --> 00:18:03,449 今は 太閤と呼ばれる うちの人と 女房の私とが つくり上げてきたもんじゃ。 187 00:18:03,449 --> 00:18:07,119 誰に継いでもらおうとも思わん! 188 00:18:07,119 --> 00:18:12,792 豊臣家の天下は うちの人が生きとる間 あればええ。 189 00:18:12,792 --> 00:18:16,128 あとは うちの人が あの世に持っていけば ええんだで。 190 00:18:16,128 --> 00:18:19,031 後のことなど 誰に継いでもらおうとも思わん! 191 00:18:19,031 --> 00:18:22,001 おみゃあ様が継ぎたきゃ 継いだらええ! 192 00:18:22,001 --> 00:18:26,138 どうせ 今みたいな了見では 3日と続かずに➡ 193 00:18:26,138 --> 00:18:28,841 乗っ取られてまうだろうが! 194 00:18:33,012 --> 00:18:41,153 私はなも まあすぐ母親をなくす うちの人の気持ちを➡ 195 00:18:41,153 --> 00:18:44,056 ちょっとでも慰めたあと思うて➡ 196 00:18:44,056 --> 00:18:48,761 親族のおみゃあ様に 助けを借りたかっただけじゃわ。 197 00:18:51,497 --> 00:18:55,167 桔梗。 はい。 198 00:18:55,167 --> 00:18:59,505 おみゃあも こんなたわけの関白様に 鉄砲の撃ち方なんぞ教えることはねえ。 199 00:18:59,505 --> 00:19:05,111 私と一緒に 大坂へ帰ろう。 堺まで届けたるで。 200 00:19:05,111 --> 00:19:07,813 はあ~あ とろくせえ。 201 00:19:10,783 --> 00:19:15,488 ふん! なにが とろくせえだ! ハハ…。 202 00:19:17,657 --> 00:19:21,360 続けようか。 お引き止めなされた方が…。 203 00:19:23,129 --> 00:19:26,465 そうかな? 早く!うん。 204 00:19:26,465 --> 00:19:32,471 おば上! おば上! おば上! 205 00:19:38,811 --> 00:19:40,813 (砲声) 206 00:19:43,482 --> 00:19:45,484 撃て。 207 00:19:47,353 --> 00:19:49,355 (砲声) 208 00:20:12,845 --> 00:20:15,181 点火! 209 00:20:15,181 --> 00:20:17,183 (砲声) 210 00:20:20,853 --> 00:20:23,155 帆柱 狙え。 はい! 211 00:20:26,192 --> 00:20:28,127 当たった~! 212 00:20:28,127 --> 00:20:33,065 <秀吉の国書を携えたマイニラ総督の使節 ファン・コーボの船は➡ 213 00:20:33,065 --> 00:20:37,803 その帰途 高砂沖の海上で 消息を絶つ。➡ 214 00:20:37,803 --> 00:20:39,738 イスパニア側の資料には➡ 215 00:20:39,738 --> 00:20:44,043 遭難したという記録しか 残されていない> 216 00:20:48,214 --> 00:20:51,550 <ファン・コーボの船より半日ほど遅れて➡ 217 00:20:51,550 --> 00:20:58,224 原田喜右衛門の船が 長崎から 同じマイニラに向けて出帆する。➡ 218 00:20:58,224 --> 00:21:03,062 後に 喜右衛門が 総督 ゴメスに証言した記録によれば➡ 219 00:21:03,062 --> 00:21:05,498 喜右衛門は 使者のコーボに➡ 220 00:21:05,498 --> 00:21:09,368 自分の船で 共に呂宋へ帰ることを 勧めたが➡ 221 00:21:09,368 --> 00:21:13,372 コーボが 喜右衛門と同じ船に乗ることを拒み➡ 222 00:21:13,372 --> 00:21:17,843 更に 喜右衛門より早く 船出することを望んだため➡ 223 00:21:17,843 --> 00:21:23,716 両者は 別々の船に分かれて 日本をたったのだという。➡ 224 00:21:23,716 --> 00:21:30,723 そして 助左衛門は この原田の船を見逃してしまった> 225 00:21:42,868 --> 00:21:47,206 使者は 治部様の家来に 相違なかったのだな? 226 00:21:47,206 --> 00:21:49,875 (小太郎)堺の奉行所でも 時折 見かけた顔でした。 227 00:21:49,875 --> 00:21:52,178 間違いありません。 228 00:21:54,213 --> 00:21:57,116 三成が 何と? 229 00:21:57,116 --> 00:22:01,420 殿下の母君が 危篤だそうだ。 230 00:22:03,022 --> 00:22:09,161 太閤の母親の病気のことなど どうして ここへ知らせてきたのでしょう。 231 00:22:09,161 --> 00:22:13,832 殿下が 大坂へ帰られるからだ。 232 00:22:13,832 --> 00:22:20,172 さて 秀吉め 一人で大坂へ帰るかな。 233 00:22:20,172 --> 00:22:26,045 28万もの大軍を 九州や朝鮮の野に残したまま…。 234 00:22:26,045 --> 00:22:29,181 あのお方なら行かれるさ。 235 00:22:29,181 --> 00:22:38,858 我らが 木下様と呼んでいた頃から それは母親思いのお方だった。 236 00:22:38,858 --> 00:22:50,202 母を思う心は 太閤殿下も 足軽も 同じだ。 237 00:22:50,202 --> 00:23:17,363 ♬~ 238 00:23:17,363 --> 00:23:19,832  心の声 母上…。 239 00:23:19,832 --> 00:23:33,145 ♬~ 240 00:23:34,847 --> 00:23:37,750 秀吉に会いに行くだと!? 241 00:23:37,750 --> 00:23:39,718 大坂へ帰られたら➡ 242 00:23:39,718 --> 00:23:42,187 めったに会いに行くことも できなくなるからな。 243 00:23:42,187 --> 00:23:46,525 名護屋浦へは顔を見せるなと 三成にも言われてたんじゃないのか!? 244 00:23:46,525 --> 00:23:50,863 治部様には 迷惑はかけん。 245 00:23:50,863 --> 00:23:53,766 助左よ。 直談判は よせ。 246 00:23:53,766 --> 00:23:57,202 今更 呂宋へ兵を出すなと訴えても 無駄なことだ。 247 00:23:57,202 --> 00:24:03,008 いや 無駄ならまだしも 今の秀吉は ぬしの命も取りかねまいぞ! 248 00:24:03,008 --> 00:24:09,014 なあ 助左 行くな。 行けば殺される! 249 00:24:10,749 --> 00:24:16,155 俺に もしも 万が一のことがあっても➡ 250 00:24:16,155 --> 00:24:20,826 あとには ぬしがいる。 251 00:24:20,826 --> 00:24:23,128 心残りはない。 252 00:24:26,699 --> 00:24:29,835 直訴なら 俺が行こう。 ぬしは残れ! 253 00:24:29,835 --> 00:24:32,738 いや これは 俺の用事なんだ。 254 00:24:32,738 --> 00:24:38,844 俺の手から 渡さねばならぬものがあるんだ。 255 00:24:38,844 --> 00:24:42,548 秀吉に渡さねばならぬもの? 256 00:24:53,392 --> 00:24:55,394 これだ。 257 00:25:01,467 --> 00:25:03,469 永楽銭…。 258 00:25:05,137 --> 00:25:11,009 そうだ。 この永楽銭だ。 259 00:25:11,009 --> 00:25:17,483 秀吉に返すっていうのは… この永楽銭を? 260 00:25:17,483 --> 00:25:25,824 30年間 俺の心を あの方の港に つなぎ止めておいた➡ 261 00:25:25,824 --> 00:25:28,827 一本の とも綱だ。 262 00:25:32,164 --> 00:25:35,067 この一本の綱を切らねば…➡ 263 00:25:35,067 --> 00:25:39,037 この一本の綱を切らねば➡ 264 00:25:39,037 --> 00:25:43,042 殿下との戦は できんのだ。 265 00:25:57,856 --> 00:26:02,694  回想 (藤吉郎)これは 永楽銭という 明の国から来た銭だ。 266 00:26:02,694 --> 00:26:08,467 ♬~ 267 00:26:08,467 --> 00:26:11,804 (藤吉郎)駄賃だ。 さあ 取っておけ。➡ 268 00:26:11,804 --> 00:26:15,107 お前も よい商人になれ。 269 00:26:17,676 --> 00:26:20,479 さらばじゃ! 270 00:26:20,479 --> 00:26:26,351 ♬~ 271 00:26:26,351 --> 00:26:29,354  回想 これ ご覧くださいまし! 272 00:26:31,824 --> 00:26:33,759 永楽銭じゃないか。 はい! 273 00:26:33,759 --> 00:26:39,164 今より ちょうど10年前 木下藤吉郎という 台所方のお役人が➡ 274 00:26:39,164 --> 00:26:43,168 今井の小僧に恵んでくだされた 永楽銭でございます! 275 00:26:47,840 --> 00:26:51,710 今から10年前といえば 永禄4年➡ 276 00:26:51,710 --> 00:26:56,181 殿のお供で 堺へ下向したことがあるが あの時の…。 277 00:26:56,181 --> 00:27:01,019 あっ! あ~ あの時の お前 今井の小僧か! 278 00:27:01,019 --> 00:27:04,456 はい! 門を開けろ! 門を開けろ! 279 00:27:04,456 --> 00:27:06,758 小六 何をぐずぐずしてるんだ! 門を開けろ! 280 00:27:06,758 --> 00:27:10,462 おい 入れ! は は… 入れ 入れ! 281 00:27:10,462 --> 00:27:25,477 ♬~ 282 00:27:34,486 --> 00:27:37,489 覚えがないな。 283 00:27:50,502 --> 00:27:55,841 助左衛門。 そんな作り話を持ってこずとも➡ 284 00:27:55,841 --> 00:28:01,146 朱印状が欲しければ くれてやってもよいのじゃぞ。 285 00:28:02,648 --> 00:28:05,651 呂宋のマイニラ総督が➡ 286 00:28:05,651 --> 00:28:10,789 余の降伏勧告に従って 朝貢の使者を送ってきた。➡ 287 00:28:10,789 --> 00:28:15,093 その噂を耳にして来たのであろうが。 288 00:28:16,662 --> 00:28:21,800 イスパニアと日本が呂宋を取り合いすれば どちらが勝つか。 289 00:28:21,800 --> 00:28:25,470 余は マイニラの使節に➡ 290 00:28:25,470 --> 00:28:29,341 誰にでも分かる理屈を たたき込んでやったのだ。 291 00:28:29,341 --> 00:28:33,345 イスパニア人の船が ノビスパニアから呂宋へ向かうには➡ 292 00:28:33,345 --> 00:28:37,816 片道約4か月 120日間を要す。 293 00:28:37,816 --> 00:28:43,488 比べて 我が日本と呂宋の間は 僅か20日間だ。 294 00:28:43,488 --> 00:28:47,826 つまり やつらが どんなに大急ぎで 守りの兵を送ろうとも➡ 295 00:28:47,826 --> 00:28:51,163 この4か月の距離は どうすることもできん。 296 00:28:51,163 --> 00:28:58,503 その間に 我らは 5度も6度も 兵を動かすことができるわけじゃ。➡ 297 00:28:58,503 --> 00:29:06,311 つまり 全ての動きが 我らより 100日間 後手に回ってしまうわけじゃな。 298 00:29:06,311 --> 00:29:13,785 うん。 この理屈が分かったら 改めて出直してまいれ。 299 00:29:13,785 --> 00:29:17,656 マイニラから出ていくことはない。 300 00:29:17,656 --> 00:29:21,660 余の足元に ひれ伏せばよいのだ…。 301 00:29:21,660 --> 00:29:27,366 そう申し伝えて マイニラへ帰したところじゃ。 302 00:29:29,801 --> 00:29:39,144 朝鮮では 行長・清正の日本軍が 大暴れをしておる。 303 00:29:39,144 --> 00:29:41,813 京城も平壌も 既に落ちた。 304 00:29:41,813 --> 00:29:45,484 大明国を征する日も そう遠いことではない。 305 00:29:45,484 --> 00:29:51,790 琉球も 高砂も 呂宋も 既に 我が手中にある。 306 00:29:54,826 --> 00:30:02,167 助左衛門。 ぬしの船団も これからは 余の朱印状なくしては➡ 307 00:30:02,167 --> 00:30:07,839 いかなる国々にも 帆を下ろすことはできんのじゃ。 308 00:30:07,839 --> 00:30:12,544 余の力を思い知ったか? 309 00:30:15,514 --> 00:30:22,187 恐れながら 殿下の大軍をもってしても➡ 310 00:30:22,187 --> 00:30:27,059 征することのできぬ場所が まだ残っております。 311 00:30:27,059 --> 00:30:30,862 ほう… それは どこじゃ? 312 00:30:30,862 --> 00:30:37,736 全ての国々の間に広がる 大海原でございます。 313 00:30:37,736 --> 00:30:39,871 海じゃと? 314 00:30:39,871 --> 00:30:50,882 はい。 殿下の眼前には 海という大軍が構えております。 315 00:30:50,882 --> 00:30:56,221 これを征することは 誰にもできません。 316 00:30:56,221 --> 00:31:02,027 朝鮮国の戦も また 呂宋との戦も➡ 317 00:31:02,027 --> 00:31:06,498 海を敵とする限り…➡ 318 00:31:06,498 --> 00:31:09,401 到底 勝ち目はございますまい。 319 00:31:09,401 --> 00:31:13,105 (三成)控えよ 助左衛門! 構わん。 聞こう。 320 00:31:14,840 --> 00:31:17,175 続けよ。 321 00:31:17,175 --> 00:31:23,048 呂宋への勧告状も 海を渡っていく限り➡ 322 00:31:23,048 --> 00:31:27,185 決して マイニラへは届きますまい。 323 00:31:27,185 --> 00:31:30,522 余の国書が届かぬと? 324 00:31:30,522 --> 00:31:37,195 この先 何度 御朱印船を出されましょうとも➡ 325 00:31:37,195 --> 00:31:43,201 決して マイニラには届きますまい。 326 00:31:44,870 --> 00:31:54,212 ぬしは… 余の朱印船を沈めると言うたか? 327 00:31:54,212 --> 00:31:59,885 海には 嵐もございます。 雷神も落ちます。 328 00:31:59,885 --> 00:32:05,157 また 海坊主のごとき妖怪も現れ➡ 329 00:32:05,157 --> 00:32:12,030 更には 目に見えぬ天のご意志も働きます。 330 00:32:12,030 --> 00:32:17,169 その恐ろしい海を操る人間もおるか。 331 00:32:17,169 --> 00:32:20,505 事のついでに尋ねよう。 332 00:32:20,505 --> 00:32:28,380 この度 余の国書を託した イスパニアの船が呂宋へ向かったが➡ 333 00:32:28,380 --> 00:32:34,686 ひょっとすると その船も 呂宋へは着かんのかのう? 334 00:32:37,055 --> 00:32:39,524 恐らくは。 助左衛門! 335 00:32:39,524 --> 00:32:41,860 当て推量で うかつなことを申すな! 336 00:32:41,860 --> 00:32:46,531 いや~ よう言うた。 337 00:32:46,531 --> 00:32:48,867 ハハハハハハハ…。 338 00:32:48,867 --> 00:32:51,870 助左衛門。 339 00:32:54,539 --> 00:32:59,878 ぬしの これまでの 傍若無人な振る舞いには➡ 340 00:32:59,878 --> 00:33:05,150 余は 度々 腹立たしい思いをさせられたものじゃよ。 341 00:33:05,150 --> 00:33:13,024 まあ その横着も 今の一言で極まったのう。 342 00:33:13,024 --> 00:33:15,327 アハハハハハハ! 343 00:33:17,162 --> 00:33:22,033 余は 今日は 殊の外 虫の居所が悪い。 344 00:33:22,033 --> 00:33:28,506 こんな日に 余をからかいに来たぬしも 不運じゃったのう。 345 00:33:28,506 --> 00:33:31,509 誰かある! ⚟はっ! 346 00:33:33,845 --> 00:33:36,181 その者をひっ捕らえよ。 はっ! 347 00:33:36,181 --> 00:33:40,051 お待ちくだされ! 助左衛門の処置 この治部めに お任せくださりませ。 348 00:33:40,051 --> 00:33:42,854 任すには及ばん。 ただちに殺せ。 349 00:33:42,854 --> 00:33:46,524 いや 待て待て。 すぐには殺すな。 350 00:33:46,524 --> 00:33:51,396 同じ堺の商人 山上宗二と同じように➡ 351 00:33:51,396 --> 00:33:58,403 耳をそぎ 鼻をそぎ 目をえぐり出して じわじわと殺せ。 352 00:34:00,805 --> 00:34:02,807 (つばを吐く音) 353 00:34:05,477 --> 00:34:09,147 恩知らずの下郎めが。 354 00:34:09,147 --> 00:34:11,816 引っ立てい。 はっ! 355 00:34:11,816 --> 00:34:14,486 殿下! 356 00:34:14,486 --> 00:34:17,822 呂宋を征してはなりませぬ! 357 00:34:17,822 --> 00:34:20,492 朝鮮へ進攻してはなりませぬ! 358 00:34:20,492 --> 00:34:25,163 殿下! 夢から お覚めくだされ! 359 00:34:25,163 --> 00:34:27,098 早う 引っ立てい~! 360 00:34:27,098 --> 00:34:31,503 殿下! 夢から お覚めくだされ! (秀吉)何をしておる! 引っ立てい! 361 00:34:31,503 --> 00:34:34,406 他国を侵略してはなりませぬ! 362 00:34:34,406 --> 00:34:40,178 殿下! 殿下 夢から お覚めくだされ! 363 00:34:40,178 --> 00:34:44,049 夢から お覚めくだされ! 殿下~! 364 00:34:44,049 --> 00:34:46,518 虫けらめ…。 365 00:34:46,518 --> 00:35:26,224 ♬~ 366 00:35:34,032 --> 00:35:38,169 <秀吉の老母 大政所が 息を引き取ったのは➡ 367 00:35:38,169 --> 00:35:41,840 7月22日である。➡ 368 00:35:41,840 --> 00:35:49,514 この日 秀吉は 母の死を知らぬまま 名護屋を発し 大坂への帰路につく。➡ 369 00:35:49,514 --> 00:35:52,183 その秀吉の船が➡ 370 00:35:52,183 --> 00:35:58,189 関門海峡で 暗礁に乗り上げ 沈没するという 一大事が起こる> 371 00:36:05,130 --> 00:36:09,467 <幸い 毛利秀元の船が 後方より駆けつけ➡ 372 00:36:09,467 --> 00:36:13,471 秀吉は 辛うじて救助されたが…> 373 00:37:02,120 --> 00:37:06,124 (鍵を開ける音) 374 00:37:13,131 --> 00:37:15,133 出られよ。 375 00:37:55,173 --> 00:37:58,843 さあ 早いとこ帰ろうぜ。 376 00:37:58,843 --> 00:38:02,447 原田の船が 呂宋へ渡ってしもうた。 377 00:38:02,447 --> 00:38:04,449 原田が!? 378 00:38:07,118 --> 00:38:09,821 呂宋へたちます。 379 00:38:11,456 --> 00:38:14,793 私も 朝鮮へたつ。 380 00:38:14,793 --> 00:38:20,665 朝鮮で行長殿に会うて 講和をすすめる。 381 00:38:20,665 --> 00:38:24,969 治部様…。 行け。 382 00:38:32,143 --> 00:38:34,479 命を大事にせえ! 383 00:38:34,479 --> 00:38:37,148 治部様も。 384 00:38:37,148 --> 00:39:07,445 ♬~ 385 00:39:07,445 --> 00:39:11,316 <文禄元年の釜山上陸より4か月。➡ 386 00:39:11,316 --> 00:39:15,787 猪突猛進の侵略を続けてきた遠征軍も➡ 387 00:39:15,787 --> 00:39:20,091 今や息切れの状態に陥っていた> 388 00:39:24,128 --> 00:39:27,999 (三成) 「今や故なくて 和を講ぜんと欲す。➡ 389 00:39:27,999 --> 00:39:33,004 貴国 これを信ぜず。 また むべなるかな」。 390 00:39:37,141 --> 00:39:41,479 「我が殿下 道を借りて 大明を討たんと欲す。➡ 391 00:39:41,479 --> 00:39:45,350 諸将 命を奉じて ここに来るといえども➡ 392 00:39:45,350 --> 00:39:50,154 これより数千里を経て 大明に入るを欲せず。➡ 393 00:39:50,154 --> 00:39:57,495 この故に まず 貴国と和親し しこうして後 貴国の一言を借り➡ 394 00:39:57,495 --> 00:40:01,799 もって 和を大明に講ずるなり」…。 395 00:40:06,170 --> 00:40:08,840 いかがでござる。 396 00:40:08,840 --> 00:40:13,177 やや 哀れみを乞い過ぎているだろうか。 397 00:40:13,177 --> 00:40:19,851 いや 体裁を構っている時ではあるまい。 398 00:40:19,851 --> 00:40:22,754 今は 一刻も早う和議を成し➡ 399 00:40:22,754 --> 00:40:26,724 全軍を引き揚げさせることが 肝要でござろう。 400 00:40:26,724 --> 00:40:31,863 来月に 平壌で 明国の沈惟敬と会見する。 401 00:40:31,863 --> 00:40:35,533 なんとか 講和を乞いたい。 402 00:40:35,533 --> 00:40:38,436 兵の疲労は もう極限に来ている。 403 00:40:38,436 --> 00:40:42,874 士気は衰え 兵の逃亡は後を絶たない。 404 00:40:42,874 --> 00:40:49,881 今 明国の大軍に攻め返されたら 全軍全滅は必至だ。 405 00:40:51,883 --> 00:41:00,158 名護屋のこと 清正軍のことは 私に任せて➡ 406 00:41:00,158 --> 00:41:06,464 行長殿は 和睦の献策をすすめられい。 407 00:41:09,834 --> 00:41:16,174 今は 治部殿だけが頼りだ。 408 00:41:16,174 --> 00:41:21,179 こんな むなしい戦 もう一日も耐えられぬ! 409 00:41:25,183 --> 00:41:30,521 <これより数日後 名将 李舜臣率いる朝鮮の水軍が➡ 410 00:41:30,521 --> 00:41:35,860 日本水軍を釜山沖で破り 釜山を奪回する。➡ 411 00:41:35,860 --> 00:41:41,199 この海戦で制海権を奪われ 海上補給路を断たれた日本軍は➡ 412 00:41:41,199 --> 00:41:44,869 たちまち 武器 兵糧に欠乏を来し➡ 413 00:41:44,869 --> 00:41:50,742 やがて 鴨緑江を渡って反撃してきた 明国からの救援軍に➡ 414 00:41:50,742 --> 00:41:54,212 各地の砦や町を奪回されて➡ 415 00:41:54,212 --> 00:41:59,217 以後は 泥沼の撤退に追い込まれていく> 416 00:42:01,819 --> 00:42:06,157 <行長や三成が 朝鮮国で悪戦苦闘をしている➡ 417 00:42:06,157 --> 00:42:09,827 この年の秋 9月4日。➡ 418 00:42:09,827 --> 00:42:16,834 長崎からは 宣教師 ルイス・フロイスが マカオへ逃れていく> 419 00:42:36,854 --> 00:42:39,557 パーデレ…。 420 00:42:41,192 --> 00:42:47,865 また戻ってきてくださいますね。 421 00:42:47,865 --> 00:42:51,536 戻ってきます。 422 00:42:51,536 --> 00:42:55,873 私は逃げない。 423 00:42:55,873 --> 00:43:02,146 ♬~ 424 00:43:02,146 --> 00:43:05,049 <ある時は 人と人を出会わせ➡ 425 00:43:05,049 --> 00:43:11,489 さまざまな希望に 多くの富を与えて 輝きながら流れた日日…。➡ 426 00:43:11,489 --> 00:43:17,361 その同じ時が 今は 人を変え 人を去らせ➡ 427 00:43:17,361 --> 00:43:22,133 全てのものを奪って 非情に流れ去っていく。➡ 428 00:43:22,133 --> 00:43:27,839 暗黒の 文禄 慶長時代へ…。➡ 429 00:43:27,839 --> 00:43:30,741 孤高の帆を烈風にきしませながら➡ 430 00:43:30,741 --> 00:43:34,512 助左衛門の船が乗り出してゆく> 431 00:43:34,512 --> 00:43:45,223 ♬~