1 00:00:02,069 --> 00:02:41,361 ♬~ 2 00:02:43,497 --> 00:02:47,367 <1592年 文禄元年。➡ 3 00:02:47,367 --> 00:02:53,673 当時 マニラ市内には およそ300人の日本人が住んでいた> 4 00:02:57,511 --> 00:03:04,117 <このころ 太閤 秀吉の 呂宋島遠征計画を知ったマニラ政府は➡ 5 00:03:04,117 --> 00:03:08,989 マニラ在住の日本人を 市外の指定区域に移住させ➡ 6 00:03:08,989 --> 00:03:13,293 日本人に対する警戒を強くする> 7 00:03:18,131 --> 00:03:22,803 (助左衛門)「日本の 先の関白太政大臣➡ 8 00:03:22,803 --> 00:03:26,139 呂宋書翰に答う。➡ 9 00:03:26,139 --> 00:03:29,810 余は 天命に従って➡ 10 00:03:29,810 --> 00:03:36,149 世界を 余が領する日本国に 服従せしめんがために➡ 11 00:03:36,149 --> 00:03:40,020 余に服従せざる者に対しては➡ 12 00:03:40,020 --> 00:03:44,324 その生命を断つことに努めた」…。 13 00:03:46,159 --> 00:03:50,497 太閤殿下は 明国に攻め入ることにし➡ 14 00:03:50,497 --> 00:03:53,834 朝鮮国に対して その地を通過することを求めた。 15 00:03:53,834 --> 00:03:59,706 ところが 彼らは それに従わず 抵抗したので 日本軍は…➡ 16 00:03:59,706 --> 00:04:05,112 「雪に熱湯をかけて解かすがごとく」。 17 00:04:05,112 --> 00:04:08,782 朝鮮国の町々を手中にし➡ 18 00:04:08,782 --> 00:04:15,455 遠征軍は 既に 明国の近くまで進軍してきている。 19 00:04:15,455 --> 00:04:18,125 「もし カスチリヤ」…。 20 00:04:18,125 --> 00:04:21,461 カスチリヤというのは イスパニアのことだ。 21 00:04:21,461 --> 00:04:29,803 「もし カスチリヤ 速やかに 当地に来たらず その約を破らば➡ 22 00:04:29,803 --> 00:04:35,675 後に至りて 余を約に背きたる者というなかれ。➡ 23 00:04:35,675 --> 00:04:43,350 その地は遠隔なりといえども もし 余が命に 背く者あらば➡ 24 00:04:43,350 --> 00:04:50,123 余は 良将を その地に遣わして これを罰すべし。➡ 25 00:04:50,123 --> 00:04:57,130 朝鮮を見 前車の轍を踏むことなかれ」。 26 00:05:00,100 --> 00:05:05,405 これが 総督 ゴメスに宛てた 太閤殿下の国書か…。 27 00:05:06,973 --> 00:05:10,744 鮫吉 よく手に入れてくれた。 28 00:05:10,744 --> 00:05:13,446 (弥次郎)さすが 日本町の長だ。 29 00:05:13,446 --> 00:05:16,116 (鮫吉)異国で暮らしているおかげで➡ 30 00:05:16,116 --> 00:05:19,452 耳も鼻も 人並み外れて よく利くようになりましたわ。 31 00:05:19,452 --> 00:05:23,123 アッハッハッハッハ! 32 00:05:23,123 --> 00:05:29,996 太閤殿下は 原田に利用されている…。 33 00:05:29,996 --> 00:05:34,301 それが お気付きにならんのか! 34 00:05:37,137 --> 00:05:40,807 <降伏か 決戦か。➡ 35 00:05:40,807 --> 00:05:45,145 一触即発の危機をはらんだ 秀吉の国書が➡ 36 00:05:45,145 --> 00:05:49,849 マニラ総督 ゴメス・マリーニヤスの手に渡る> 37 00:05:52,819 --> 00:05:58,158 <しかも 国書の内容は 使者に立った原田喜右衛門によって➡ 38 00:05:58,158 --> 00:06:00,760 大幅に脚色される。➡ 39 00:06:00,760 --> 00:06:06,099 喜右衛門は 秀吉の国書に 己の自己宣伝を加えたのである> 40 00:06:06,099 --> 00:06:10,437 (喜右衛門)「余は ここに再び 原田喜右衛門を派遣する。➡ 41 00:06:10,437 --> 00:06:13,106 それは 彼が 聡明な人物であり➡ 42 00:06:13,106 --> 00:06:15,775 呂宋に関する報告 その他において➡ 43 00:06:15,775 --> 00:06:19,646 余の臣下に与えられた厚遇を 知らせたからである。➡ 44 00:06:19,646 --> 00:06:23,450 余が希望するところは 金銀にあらず。➡ 45 00:06:23,450 --> 00:06:25,785 貴国との友好なり。➡ 46 00:06:25,785 --> 00:06:30,457 余の兵は 既に 朝鮮国を攻略し 国王を捕らえ➡ 47 00:06:30,457 --> 00:06:35,328 更に 明国を征伐せんがため 目下 進軍中なり。➡ 48 00:06:35,328 --> 00:06:40,133 本状のほか 貴地において 余の記憶が とどめられるように➡ 49 00:06:40,133 --> 00:06:43,470 1ふりの刀を贈る。➡ 50 00:06:43,470 --> 00:06:48,341 この旨を貴国王に申し送り 余に回答されよ。➡ 51 00:06:48,341 --> 00:06:52,812 文禄元年9月1日 日本国太閤➡ 52 00:06:52,812 --> 00:06:57,817 マニラ総督 ゴメス・ペレス・ダス・マリーニヤス殿」。 53 00:07:11,298 --> 00:07:13,433 うん? 54 00:07:13,433 --> 00:07:15,769 <漢文を解せないゴメスは➡ 55 00:07:15,769 --> 00:07:20,774 喜右衛門の解読を 鵜呑みにするよりほかはなかった> 56 00:07:24,110 --> 00:07:27,447 <文禄2年7月。➡ 57 00:07:27,447 --> 00:07:33,453 マニラ総督の親書を携えた2度目の使節が 日本へ渡る> 58 00:07:38,458 --> 00:07:43,797 <使節団は 遭難を考慮して 2隻の船に分乗した。➡ 59 00:07:43,797 --> 00:07:49,102 第1の船には 使節と副使が乗り…> 60 00:07:52,138 --> 00:07:59,479 <第2の船には 原田喜右衛門と 通訳のゴンザーロ・ガルシーアが乗った> 61 00:07:59,479 --> 00:08:02,182 (銃声) 62 00:08:09,756 --> 00:08:14,627 <その2隻を追って バシー海峡の荒波を乗り越えていく➡ 63 00:08:14,627 --> 00:08:17,630 もう一隻の船がある> 64 00:08:24,104 --> 00:08:26,773  回想 五右衛門に伝えてくれ。 65 00:08:26,773 --> 00:08:33,446 マニラ総督の親書 決して 太閤殿下に渡してはならんと。 66 00:08:33,446 --> 00:08:36,149 (小太郎)伝えます。 67 00:08:40,320 --> 00:08:44,457 黒潮丸を預ける。 68 00:08:44,457 --> 00:08:48,161 見事 大海を乗り切ってみよ。 69 00:08:50,130 --> 00:08:52,132 はい! 70 00:08:55,001 --> 00:08:57,470 帆は下ろすな! (一同)お~! 71 00:08:57,470 --> 00:09:00,073 嵐に向かって走れ! (一同)お~! 72 00:09:00,073 --> 00:09:04,411 負けずに 風に乗れ! それ 走れ~! 73 00:09:04,411 --> 00:09:06,413 (一同)お~! 74 00:09:22,762 --> 00:09:29,436 <1番目の船は 39日で 肥前国 平戸に着いた。➡ 75 00:09:29,436 --> 00:09:34,774 バプチスタらの使節は 後続の原田船の到着を待たずに➡ 76 00:09:34,774 --> 00:09:38,478 名護屋の秀吉の本営へ向かう> 77 00:09:40,113 --> 00:09:44,984 <原田喜右衛門の船は それより3日遅れて到着し➡ 78 00:09:44,984 --> 00:09:48,988 一行は 名護屋への道を急いだ> 79 00:09:50,757 --> 00:09:53,660 (百足)来ました。 80 00:09:53,660 --> 00:09:57,130 (五右衛門)原田喜右衛門は? います! 81 00:09:57,130 --> 00:10:03,002 よ~し。 国使の連中は やり過ごしちまったが➡ 82 00:10:03,002 --> 00:10:06,806 喜右衛門が残ってたのは 上出来だった。 83 00:10:06,806 --> 00:10:09,142 加津佐での恨み 晴らしてやろうぜ。 84 00:10:09,142 --> 00:10:12,145 (一同)おう! 85 00:10:18,151 --> 00:10:22,021 小太郎。 ぬしは ここから帰れ。 86 00:10:22,021 --> 00:10:24,324 嫌だ! 87 00:10:39,839 --> 00:10:42,742 (銃声) 88 00:10:42,742 --> 00:10:47,447 (喚声) 89 00:10:53,186 --> 00:10:56,489 喜右衛門! 喜右衛門は どこだ! 90 00:11:41,501 --> 00:11:43,503 喜右衛門! 91 00:12:18,338 --> 00:12:31,150 ♬~ 92 00:12:31,150 --> 00:12:33,086 (銃声) 93 00:12:33,086 --> 00:12:46,165 ♬~ 94 00:12:46,165 --> 00:12:48,835 平気 平気…。 95 00:12:48,835 --> 00:13:03,349 ♬~ 96 00:13:03,349 --> 00:13:08,054 (蛇千代)頭! どこにも 国書らしきもんは 見当たりませんぜ。 97 00:13:09,789 --> 00:13:14,794 やはり 先の連中が持ってっちまったんだな。 98 00:13:20,433 --> 00:13:35,014 (イスパニア語) 99 00:13:35,014 --> 00:13:38,151 おお… まあまあ 待て待て。 100 00:13:38,151 --> 00:13:43,022 余の言葉が分からんのか! もう イライラするのう! 101 00:13:43,022 --> 00:13:46,826 日本語 分からんのか! 日本語が! 102 00:13:46,826 --> 00:13:51,497 おいおい 治部! 通事はおらんのか! 通事は! 103 00:13:51,497 --> 00:13:54,167 はっ…。 イスパニア語の通事は➡ 104 00:13:54,167 --> 00:13:57,070 原田喜右衛門と 同行いたしおる由にございまするが➡ 105 00:13:57,070 --> 00:14:01,974 その原田めが 平戸へ着きしより以後 行き方知れずとなっております。 106 00:14:01,974 --> 00:14:04,444 ただいま 探索を急がせておりますれば➡ 107 00:14:04,444 --> 00:14:07,346 今しばらく お待ちくださりますよう。 108 00:14:07,346 --> 00:14:14,787 (イスパニア語) 109 00:14:14,787 --> 00:14:17,123 あ~! もう 待ち切れんわ! 110 00:14:17,123 --> 00:14:21,427 ああ… 頭が カ~ンと痛うなってきた! 111 00:14:22,995 --> 00:14:25,465 (イスパニア語で) 112 00:14:25,465 --> 00:14:28,367 <この日 8月3日。➡ 113 00:14:28,367 --> 00:14:35,074 秀吉の最後の理性を奪い去ることになる 一つの命が誕生する> 114 00:14:38,478 --> 00:14:41,380 <大坂城 二の丸において➡ 115 00:14:41,380 --> 00:14:44,150 秀吉の愛妾 淀殿が➡ 116 00:14:44,150 --> 00:14:49,155 拾丸こと 後の秀頼を産む> 117 00:14:52,825 --> 00:14:54,761 <淀殿…➡ 118 00:14:54,761 --> 00:14:58,698 元近江国の覇者 浅井長政を父とし➡ 119 00:14:58,698 --> 00:15:03,770 織田信長の妹 お市の方を母として 生を受け➡ 120 00:15:03,770 --> 00:15:10,643 落城の戦火の下を 2度までも かいくぐってきた戦国の女。➡ 121 00:15:10,643 --> 00:15:14,413 彼女が産み落とす新しい生命が➡ 122 00:15:14,413 --> 00:15:17,784 豊臣家の人々の運命を狂わせ➡ 123 00:15:17,784 --> 00:15:24,791 やがて 天下を二分する 一大決戦の火種となっていく> 124 00:15:27,126 --> 00:15:33,132 <聚楽第の天上に 不吉な暗雲が立ちこめる> 125 00:15:34,801 --> 00:15:39,472 <秀吉の養子であり 次の天下人の座を約束されていた➡ 126 00:15:39,472 --> 00:15:41,808 関白 秀次。➡ 127 00:15:41,808 --> 00:15:47,480 その土台が 今 足元から音を立てて崩れ始める> 128 00:15:47,480 --> 00:15:52,785 (男)お助けえ! うう…。 129 00:15:54,353 --> 00:15:58,124 お助けえ! お助けえ~! 130 00:15:58,124 --> 00:16:00,760 (秀次)フフフフ…。 131 00:16:00,760 --> 00:16:03,429 もがけ もがけ。 132 00:16:03,429 --> 00:16:07,300 おとなしゅうされていても 面白うないわ。 133 00:16:07,300 --> 00:16:10,303 (男)お助けえ! 134 00:16:10,303 --> 00:16:13,773 もっと暴れろ! 135 00:16:13,773 --> 00:16:17,109 わめけ!(男)お助けえ! 泣け! 136 00:16:17,109 --> 00:16:19,812 (桔梗)おやめくださりませ! 137 00:16:23,983 --> 00:16:27,453 これ以上のご無体は おやめくださりませ! 138 00:16:27,453 --> 00:16:33,793 桔梗 そこをどけ。 けがをするぞ。 139 00:16:33,793 --> 00:16:36,696 どきませぬ。 140 00:16:36,696 --> 00:16:41,133 その男は 聚楽第に忍び入ったる盗賊ぞ。 141 00:16:41,133 --> 00:16:44,136 情けをかけるには及ばぬ。 142 00:16:45,805 --> 00:16:47,740 さあ どけ! 143 00:16:47,740 --> 00:16:51,477 賊ならば 役人に お引き渡しなさいませ。 144 00:16:51,477 --> 00:16:56,182 人の命を遊戯の道具になされては なりませぬ! 145 00:17:00,286 --> 00:17:03,289 どかんと お許を撃つぞ。 146 00:17:07,760 --> 00:17:10,763 3つ数えるうちに そこをどけ。 147 00:17:16,102 --> 00:17:18,404 ひとつ…。 148 00:17:21,774 --> 00:17:23,776 ふたつ! 149 00:17:29,115 --> 00:17:31,117 みっつ。 150 00:17:35,988 --> 00:17:38,291 桔梗! 151 00:17:44,463 --> 00:17:47,166 (銃声) あうっ! 152 00:18:05,418 --> 00:18:07,353 桔梗様! 153 00:18:07,353 --> 00:18:09,288 桔梗様! 桔梗様! 154 00:18:09,288 --> 00:18:11,290 桔梗様! 155 00:18:15,094 --> 00:18:19,765 桔梗! 桔梗! 156 00:18:19,765 --> 00:18:22,468 桔梗~! 157 00:19:17,757 --> 00:19:20,092 (イスパニア語) 158 00:19:20,092 --> 00:19:24,964 <1593年10月28日。➡ 159 00:19:24,964 --> 00:19:29,969 マニラ総督 ゴメス・マリーニヤスが 殺害される> 160 00:19:34,640 --> 00:19:38,778 ハギビスが 総督を…!? 161 00:19:38,778 --> 00:19:42,448 ハギビスは捕まったそうです。 162 00:19:42,448 --> 00:19:45,451 また戦が始まりますぜ。 163 00:19:52,458 --> 00:19:56,328 ハギビスは 間違いをしでかした。 164 00:19:56,328 --> 00:20:00,332 総督一人を殺して 何の解決になる! 165 00:20:00,332 --> 00:20:06,806 ゴメスが死んでも また すぐに 別の新しい総督が出てくるだけだ。 166 00:20:06,806 --> 00:20:11,677 ハギビスが処刑されれば 呂宋全島のタガログ人が蜂起して➡ 167 00:20:11,677 --> 00:20:15,481 マニラに攻め込んでくるでしょう。 168 00:20:15,481 --> 00:20:18,384 呂宋全島を戦火にさらすのか。 169 00:20:18,384 --> 00:20:21,353 アゴーの村の女や子供たちを➡ 170 00:20:21,353 --> 00:20:26,125 殺戮と飢えの地獄に 放り出そうというのか…。 171 00:20:26,125 --> 00:20:31,030 望むことではないが やむをえません。 172 00:20:31,030 --> 00:20:56,021 ♬~ 173 00:20:59,992 --> 00:21:02,795 <マニラ総督の後任には➡ 174 00:21:02,795 --> 00:21:07,800 ゴメスの息子 ルイス・マリーニヤスが 任命された> 175 00:21:10,136 --> 00:21:15,808 ハギビスを 釈放していただきたいのでございます。 176 00:21:15,808 --> 00:21:17,743 (イスパニア語で) 177 00:21:17,743 --> 00:21:22,047 はい。 日本から参りました者でございます。 178 00:21:26,152 --> 00:21:34,493 呂宋は 手前どもにとりまして 大事な交易の相手国でございます。 179 00:21:34,493 --> 00:21:40,199 その国で戦が起こっては 我々の死活に関わります。 180 00:21:44,837 --> 00:21:50,843 呂宋全島のタガログ人が マニラに攻めだすでございましょう。 181 00:21:52,511 --> 00:21:58,818 いいえ。 たとえ 勝敗のいかんを問わず 戦は無益でございます。 182 00:22:08,460 --> 00:22:14,333 呂宋で戦を起こしてほしくない訳に もう一つございます。 183 00:22:14,333 --> 00:22:19,471 それは もし 呂宋 この地で内乱が起きれば➡ 184 00:22:19,471 --> 00:22:26,779 それに乗じて 日本より 太閤殿下の軍勢が遠征してまいりますぞ。 185 00:22:35,821 --> 00:22:41,493 呂宋征伐を企てておられるのは 太閤殿下 ただお一人でございます。 186 00:22:41,493 --> 00:22:48,167 我らの望みは 征服ではなく 交易です。 187 00:22:48,167 --> 00:22:54,173 どうか 内乱だけは 避けていただきたい。 188 00:22:55,841 --> 00:22:57,843 どうぞ。 189 00:23:05,117 --> 00:23:07,119 いいえ。 190 00:23:14,460 --> 00:23:20,466 総督の本音が分かっておりましたので。 191 00:23:24,803 --> 00:23:35,447 今 マニラの港には 明国より来た生糸が 行き場を失って 有り余っております。 192 00:23:35,447 --> 00:23:39,351 本来ならば 既に 積み荷をされて➡ 193 00:23:39,351 --> 00:23:45,491 マニラから アカプルコへ向けて 船出をしているはずの生糸が➡ 194 00:23:45,491 --> 00:23:49,795 いまだに 港に 置きっ放しになっております。 195 00:23:52,364 --> 00:23:57,369 理由は 銀でございましょう。 196 00:24:30,469 --> 00:24:34,139 おかげで 生糸が あぶれてしまった。 197 00:24:34,139 --> 00:24:37,810 どこか買い手を探して 送り出さなければ。 198 00:24:37,810 --> 00:24:42,147 それは 日本です。 199 00:24:42,147 --> 00:24:44,817 しかも 日本には 銀がございます。 200 00:24:44,817 --> 00:24:50,823 総督は 日本との交易を お望みでございましょう? 201 00:24:52,691 --> 00:24:59,398 報復より 共存の道を考えるべきでございましょう。 202 00:25:06,772 --> 00:25:09,475 どうあっても? 203 00:25:14,113 --> 00:25:16,115 脱獄!? 204 00:25:19,451 --> 00:25:21,754 脱獄をせよと? 205 00:25:28,460 --> 00:26:13,172 ♬~ 206 00:26:18,110 --> 00:26:20,813 ハギビス! 207 00:26:22,781 --> 00:26:24,783 (ハギビス)スケザ! 208 00:26:32,458 --> 00:26:35,360 鍵が外されていた。 209 00:26:35,360 --> 00:26:40,332 番兵が掛け忘れたとは考えられない。 210 00:26:40,332 --> 00:26:42,801 見張りもいなかった。 211 00:26:42,801 --> 00:26:47,673 誰にも見つからなかったのか? 誰もいなかった。 212 00:26:47,673 --> 00:26:52,678 不思議だ…。 こんなことは なかったことだ。 213 00:26:54,813 --> 00:26:58,484 あの総督…。 214 00:26:58,484 --> 00:27:16,768 ♬~ 215 00:27:16,768 --> 00:27:19,771 あっ! しっかりしろ! 216 00:27:22,641 --> 00:27:28,380 <明くる1594年 文禄3年の春。➡ 217 00:27:28,380 --> 00:27:36,788 日本に渡っていたバプチスタの使節団が 太閤の書状と共に マニラへ帰ってきた。➡ 218 00:27:36,788 --> 00:27:41,460 秀吉の書状は 相変わらず 高圧的であった。➡ 219 00:27:41,460 --> 00:27:45,330 自分に服従しない者は 皆殺しにすること➡ 220 00:27:45,330 --> 00:27:48,333 朝鮮を征服したこと➡ 221 00:27:48,333 --> 00:27:54,473 明国を征した後は 呂宋へも 兵を差し向ける意志のあることなどを➡ 222 00:27:54,473 --> 00:27:56,808 一方的に並べ立て➡ 223 00:27:56,808 --> 00:28:04,416 イスパニア国王は 遠方にあっても 余の言を軽視するなかれと結ぶ。➡ 224 00:28:04,416 --> 00:28:11,290 外交書としては 甚だ礼を逸した 低級この上ないものであった。➡ 225 00:28:11,290 --> 00:28:15,060 秀吉のこの時の書状は 今も➡ 226 00:28:15,060 --> 00:28:19,064 ベニスのマルチャーナ図書館に 保存されている> 227 00:28:23,435 --> 00:28:29,775 <新総督 ルイスは あくまでも 柔軟な外交姿勢を崩さなかった。➡ 228 00:28:29,775 --> 00:28:34,446 7月。 ルイスは 日本との友好を望む親書を➡ 229 00:28:34,446 --> 00:28:40,118 再び フランシスコ会の遣日宣教団に託した> 230 00:28:40,118 --> 00:30:46,511 ♬~ 231 00:30:46,511 --> 00:30:48,513 (タガログ語で) 232 00:31:01,026 --> 00:31:03,995 <闘争から共存へ…。➡ 233 00:31:03,995 --> 00:31:09,301 呂宋の歴史も 新たな方向へ向かいつつあった> 234 00:31:26,485 --> 00:31:28,420 (ため息) 235 00:31:28,420 --> 00:31:33,358 (宗薫)黄金100枚 忠興が貸せと言うてきた。 236 00:31:33,358 --> 00:31:36,495 (美緒)細川様が? 237 00:31:36,495 --> 00:31:41,366 そのような大金を 何に ご使用あそばされるのでございましょう。 238 00:31:41,366 --> 00:31:44,836 借金を返したいのだそうな。 239 00:31:44,836 --> 00:31:50,509 関白 秀次殿に借りていた銭をの。 240 00:31:50,509 --> 00:31:56,381 そんな大金を 関白様より 借用あそばされていたのでございますか。 241 00:31:56,381 --> 00:32:04,055 秀吉百歳の後をおもんぱかって 秀次に取り入っていた大名は多い。 242 00:32:04,055 --> 00:32:07,759 忠興なども その一人だ。 243 00:32:09,995 --> 00:32:14,699 ちまたでは 太閤様と関白様との間に➡ 244 00:32:14,699 --> 00:32:20,138 今にも 戦が始まるような流言が 飛び交うておりますが➡ 245 00:32:20,138 --> 00:32:23,809 噂は まことでございますか? 246 00:32:23,809 --> 00:32:28,146 ああ 本当だとも。 247 00:32:28,146 --> 00:32:33,485 あの家康公までが 京都滞留の秀忠様に対し➡ 248 00:32:33,485 --> 00:32:37,489 こう言い残して 三河へ引き揚げてゆかれたそうだ。 249 00:32:39,825 --> 00:32:45,497 太閤 関白の間に兵戦あれば➡ 250 00:32:45,497 --> 00:32:49,167 一議なく 太閤に味方せよ。 251 00:32:49,167 --> 00:32:54,506 太閤に 万一のことあれば 速やかに 大坂に下り➡ 252 00:32:54,506 --> 00:32:57,809 北政所を警護せよ。 253 00:33:02,781 --> 00:33:07,652 桔梗の身は どうなるのでございますか? 254 00:33:07,652 --> 00:33:11,790 ああ 桔梗か…。 255 00:33:11,790 --> 00:33:14,459 わしも とんだ気早者だった。 256 00:33:14,459 --> 00:33:20,799 秀次のようなアホに 大事な妹を 無駄に差し出してしもうて。 257 00:33:20,799 --> 00:33:26,137 すぐにも 宿下がりを願い出ましょう。 258 00:33:26,137 --> 00:33:29,474 聚楽第より 便りはあるのか? 259 00:33:29,474 --> 00:33:33,345 一度 病に伏しているという知らせを 受けたきり➡ 260 00:33:33,345 --> 00:33:37,148 もう 1年も消息がありません。 261 00:33:37,148 --> 00:33:40,051 それも気になっておりました。 262 00:33:40,051 --> 00:33:47,492 こういう時勢だ。 宿下がりも うかつには 願い出られまいぞ。 263 00:33:47,492 --> 00:33:53,164 願い出て かなわなければ かっさろうてでも。 264 00:33:53,164 --> 00:33:55,467 さらい出す? 265 00:33:57,836 --> 00:34:01,439 私に お任せください。 266 00:34:01,439 --> 00:34:05,143 お前様に ご迷惑はかけませぬ。 267 00:34:12,784 --> 00:34:17,656 <7月8日。 秀吉より 秀次のもとへ➡ 268 00:34:17,656 --> 00:34:22,360 伏見へ伺候せよとの布令が届く> 269 00:34:24,396 --> 00:34:28,333 伏見のお城へ…。 270 00:34:28,333 --> 00:34:32,337 これより 行ってまいる。 271 00:34:34,072 --> 00:34:40,478 太閤殿下とも じかに お会いをし 腹を割って話し合えば そこは…➡ 272 00:34:40,478 --> 00:34:43,782 おじ 甥の間柄だ。 273 00:34:45,350 --> 00:34:48,153 誤解も解けよう。 274 00:34:48,153 --> 00:34:52,857 謀反の風説も 吹き飛ぼう。 275 00:34:54,826 --> 00:35:01,132 もっと早くに行っておれば どうということはなかったのだ。 276 00:35:03,435 --> 00:35:08,306 (不破)出立の支度 整いましてございます。 277 00:35:08,306 --> 00:35:11,009 行こうか。 はっ。 278 00:35:14,779 --> 00:35:21,453 桔梗。 早う 元の体に戻って➡ 279 00:35:21,453 --> 00:35:25,156 また 鉄砲の指南をしてくれよ。 280 00:35:30,462 --> 00:35:36,468 わざわざのお見舞い ありがとうございました。 281 00:35:39,471 --> 00:35:45,143 数々の行状… 許せ。 282 00:35:45,143 --> 00:35:47,479 殿下…。 283 00:35:47,479 --> 00:35:51,182 なに じき戻る。 284 00:35:55,820 --> 00:36:01,426 <しかし 秀次は 二度と戻ってはこない> 285 00:36:01,426 --> 00:36:08,767 ♬~ 286 00:36:08,767 --> 00:36:12,437 <秀次を乗せて 聚楽第を出た輿は➡ 287 00:36:12,437 --> 00:36:15,774 秀吉のもとへは行かない。➡ 288 00:36:15,774 --> 00:36:19,644 行列は そのまま高野山への道を上り➡ 289 00:36:19,644 --> 00:36:24,949 山中の青巌寺に 秀次を閉じ込めてしまう> 290 00:36:28,353 --> 00:36:32,791 <これより7日後の7月15日。➡ 291 00:36:32,791 --> 00:36:39,664 豊臣秀次 切腹。 享年28歳。➡ 292 00:36:39,664 --> 00:36:46,137 殺生関白の汚名を残して 慌ただしく この世を去る。➡ 293 00:36:46,137 --> 00:36:53,144 幸も不幸も 秀吉にもてあそばれた 悲運の生涯であった> 294 00:37:19,771 --> 00:37:21,773 誰!? 295 00:37:27,445 --> 00:37:30,448 五右衛門! 黙って。 296 00:37:32,784 --> 00:37:34,786 支度を。 297 00:37:46,798 --> 00:37:48,800 桔梗? 298 00:37:52,470 --> 00:37:54,472 義姉様! 299 00:37:59,144 --> 00:38:02,046 さあ 五右衛門殿…。 300 00:38:02,046 --> 00:38:04,749 船へ。 えっ? 301 00:38:06,417 --> 00:38:09,420 呂宋へ お渡りなさい。 302 00:38:11,289 --> 00:38:15,760 呂宋には 助左が待ってる。 303 00:38:15,760 --> 00:38:18,763 助左が? 304 00:38:26,771 --> 00:38:29,474 義姉様…! 305 00:38:32,644 --> 00:38:41,653 呂宋へ着いたら もう 決して あの方のそばを離れてはなりませんよ。 306 00:38:47,458 --> 00:38:51,796 (すすり泣き) 307 00:38:51,796 --> 00:38:54,799 夜が明けぬうちに…。 308 00:39:09,080 --> 00:39:12,383 船出だ。 錨を上げろ。 309 00:39:15,753 --> 00:39:19,424 義姉様! 義姉様も来て! 310 00:39:19,424 --> 00:40:00,064 ♬~ 311 00:40:00,064 --> 00:40:07,138 <桔梗を乗せた船が 堺の港を出て数日後の8月2日。➡ 312 00:40:07,138 --> 00:40:13,811 京都 三条河原において 関白 秀次の子女 妻妾 三十余人が➡ 313 00:40:13,811 --> 00:40:18,149 秀吉の命によって 処刑される> 314 00:40:18,149 --> 00:40:36,501 ♬~ 315 00:40:36,501 --> 00:40:38,836 <関白 秀次の死は➡ 316 00:40:38,836 --> 00:40:44,175 日本在住の宣教師 ジェロニモによって マニラに報告される。➡ 317 00:40:44,175 --> 00:40:46,844 ジェロニモは その書翰の中で➡ 318 00:40:46,844 --> 00:40:50,715 太閤 秀吉の死が そう遠い日でないこと➡ 319 00:40:50,715 --> 00:40:58,456 太閤が死ねば 世継ぎ争いで 日本中に 内紛が起こるであろうことを予言する。➡ 320 00:40:58,456 --> 00:41:01,793 書翰は語っている。➡ 321 00:41:01,793 --> 00:41:09,133 「太閤が死ねば 甥の秀次も亡き今 幼い息子しか 相続人がおらず➡ 322 00:41:09,133 --> 00:41:11,469 このために 分裂が起こり➡ 323 00:41:11,469 --> 00:41:16,140 マニラは 危機から免れるに至るであろう。➡ 324 00:41:16,140 --> 00:41:21,479 願わくば 太閤の死の早からんことを」と…> 325 00:41:21,479 --> 00:41:33,491 ♬~