1 00:00:01,135 --> 00:00:03,135 ご覧になりたい方は…> 2 00:00:08,142 --> 00:00:11,142 <お客様総合窓口まで お電話ください> 3 00:01:57,251 --> 00:01:58,118 4 00:01:58,118 --> 00:02:03,123 ・~ 5 00:02:03,123 --> 00:02:06,126 (砲声) 6 00:02:06,126 --> 00:02:08,128 (指揮官)ファイア! 7 00:02:08,128 --> 00:02:10,130 (砲声) 8 00:02:10,130 --> 00:02:12,132 (ナレーター)<19世紀の中ごろ> 9 00:02:12,132 --> 00:02:16,136 <白人の世界侵略が アジア全域から東洋に・ 10 00:02:16,136 --> 00:02:22,136 そして 阿片戦争を発端にして 中国にまで及んだ> 11 00:02:24,144 --> 00:02:28,148 <そのころ 300年 国を閉ざしてきた日本は 12 00:02:28,148 --> 00:02:32,152 世界の果ての空白でした> 13 00:02:32,152 --> 00:02:40,160 (オランダ語) 14 00:02:40,160 --> 00:02:46,166 <だが オランダと中国以外の 交易を固く拒んでいた日本にも・ 15 00:02:46,166 --> 00:02:51,171 開国を迫る外国船が あちこちに現れ始める> 16 00:02:51,171 --> 00:02:57,110 <時代の波は ひたひたと 寄せてきていたのです> 17 00:02:57,110 --> 00:03:02,110 (麟太郎)へえ… これが日本ですか 18 00:03:08,121 --> 00:03:11,121 (笑い声) 19 00:03:15,128 --> 00:03:17,130 ンンッ! (殴る音) 20 00:03:17,130 --> 00:03:22,135 <この若者こそ 幕末 西郷隆盛との談合により・ 21 00:03:22,135 --> 00:03:26,139 江戸を無血開城 近代日本の あけぼのを開いた・ 22 00:03:26,139 --> 00:03:31,144 勝海舟の若き日 麟太郎なのであります> 23 00:03:31,144 --> 00:03:43,156 ・~ 24 00:03:43,156 --> 00:03:55,168 ・~ 25 00:03:55,168 --> 00:04:00,107 <しかし 江戸は ペリーの黒船渡来を前にしても・ 26 00:04:00,107 --> 00:04:03,110 300年の太平に酔い・ 27 00:04:03,110 --> 00:04:08,115 戦のない平和は 徳川家親衛隊の旗本 御家人に・ 28 00:04:08,115 --> 00:04:12,119 役職に就けない自宅待機者を生み 29 00:04:12,119 --> 00:04:18,125 殊に 年収100石以下 今の金にして 250万円以下の連中は・ 30 00:04:18,125 --> 00:04:21,128 役職手当なしの生活難> 31 00:04:21,128 --> 00:04:28,135 <内職なしでは やっていけず 一生 いや 先祖代々 内職ばかり> 32 00:04:28,135 --> 00:04:30,137 (殴る音) 33 00:04:30,137 --> 00:04:32,137 (男衆)この どさんぴん! 34 00:04:35,142 --> 00:04:37,144 (男衆)何だ? この野郎! 35 00:04:37,144 --> 00:04:39,146 ウワッ! (男衆)野郎! 36 00:04:39,146 --> 00:04:43,150 (男衆)くそ! (お大尽)待ちなさい 待ちなさい! 37 00:04:43,150 --> 00:04:47,154 こりゃ どうも 気づきませんで (幇間)とんだご無礼を ヘヘッ… 38 00:04:47,154 --> 00:04:49,156 (男性)誰だい? 39 00:04:49,156 --> 00:04:52,159 (男性) 入江町の暴れ旦那でござんすよ 40 00:04:52,159 --> 00:05:08,108 ・~ 41 00:05:08,108 --> 00:05:10,110 ・(栄助)駒津屋さんが1両… 42 00:05:10,110 --> 00:05:13,113 (御家人)どけどけ! (御家人)どけ! 43 00:05:13,113 --> 00:05:15,115 (御家人)堀川国助! (御家人)井上真改! 44 00:05:15,115 --> 00:05:17,115 (御家人)さあ 見てもらおうか! 45 00:05:19,119 --> 00:05:22,122 (栄助)へいへいへい… 46 00:05:22,122 --> 00:05:26,126 (栄助)堀川国助 井上真改 いかがなもので? 47 00:05:26,126 --> 00:05:29,129 殿さま お仕事でございます 48 00:05:29,129 --> 00:05:32,132 <勝小吉 御家人> 49 00:05:32,132 --> 00:05:37,137 <禄は41石 すなわち 100万円ほどの年収> 50 00:05:37,137 --> 00:05:44,144 <江戸有数の剣術の使い手ながら 内職は古道具市での刀の目利き> 51 00:05:44,144 --> 00:05:47,147 <これが麟太郎の親父です> 52 00:05:47,147 --> 00:05:49,149 (御家人) 大名道具だぞ 100両はつけろ 53 00:05:49,149 --> 00:05:51,151 (栄助)お大切になさいまし 54 00:05:51,151 --> 00:05:54,154 手前どもでは お引き受けいたしかねます 55 00:05:54,154 --> 00:05:56,156 (御家人)うぬは疑っておるな? (栄助)えっ? 56 00:05:56,156 --> 00:05:59,092 よし… 斬れ味を見せてやる! (栄助)アアッ! 57 00:05:59,092 --> 00:06:01,094 (小吉)まあまあ… 「ご大切になさい」ってのはね 58 00:06:01,094 --> 00:06:03,096 恥をさらさないうちに そんなガセネタは・ 59 00:06:03,096 --> 00:06:06,099 持って帰れってことでやんすよ おのれ… 60 00:06:06,099 --> 00:06:10,103 道具屋に雇われている端くれに 侍の表道具が分かるか! 61 00:06:10,103 --> 00:06:12,105 うぬの体で とくと目利きしてみい! 62 00:06:12,105 --> 00:06:14,105 (斬る音) 63 00:06:16,109 --> 00:06:20,113 (御家人)アアッ… (御家人)アアッ… 64 00:06:20,113 --> 00:06:22,115 (折れる音) 65 00:06:22,115 --> 00:06:25,118 これが俺の目利きだ 帰れ! 66 00:06:25,118 --> 00:06:28,121 (御家人たち)アア… アアーッ! 67 00:06:28,121 --> 00:06:33,126 ・~ 68 00:06:33,126 --> 00:06:35,128 (笑い声) (男性)ざまあみろ 69 00:06:35,128 --> 00:06:38,131 ハァ… たまげたな もう 70 00:06:38,131 --> 00:06:40,133 殿さま どうなさいました? 何が? 71 00:06:40,133 --> 00:06:44,137 いやいや ありがとうは存じますが 銭でも片のついたこと 72 00:06:44,137 --> 00:06:47,140 あそこまでおやりになって ご身分に障っちゃ… 73 00:06:47,140 --> 00:06:52,145 家を継いで以来 無役 これより下へ落ちようはねえよ 74 00:06:52,145 --> 00:06:55,148 うん? 今日は 何か気がめいっておいでのようで 75 00:06:55,148 --> 00:06:59,085 あっ! 今日は 若さまの麟太郎さまの・ 76 00:06:59,085 --> 00:07:01,087 免許皆伝を お取りになる試合の日では? 77 00:07:01,087 --> 00:07:04,090 俺は行かねえよ 男谷道場 出入り止めだからな 78 00:07:04,090 --> 00:07:06,092 甥御さまの道場でござんしょう? 79 00:07:06,092 --> 00:07:10,096 ああ あれの親父がうるせえのさ 俺の兄貴がね はぁ… 80 00:07:10,096 --> 00:07:14,100 俺が やくざ並みの喧嘩剣法 道場の格が下がるとさ 81 00:07:14,100 --> 00:07:18,104 いや それはそれ これはこれ 父親の あなたさまが・ 82 00:07:18,104 --> 00:07:20,106 若さまの一世一代を見ないで どうなさいます 83 00:07:20,106 --> 00:07:24,110 だから 兄貴に叱られるよ 麟に恥をかかせたくねえんだよ 84 00:07:24,110 --> 00:07:28,114 それとなく見る それとなく? 85 00:07:28,114 --> 00:07:31,117 ねっ? おいらたちも のぞかせていただきやす 86 00:07:31,117 --> 00:07:33,119 その中にお交じりになったら 大丈夫 さあさあさあ… 87 00:07:33,119 --> 00:07:35,121 いや 行かない行かない… おう みんな ちょっと 88 00:07:35,121 --> 00:07:37,123 これから 若さまの後押しに行くぞ 89 00:07:37,123 --> 00:07:39,125 (男性たち) 行きましょう 行きましょう 90 00:07:39,125 --> 00:07:41,125 いや 行かない… 91 00:07:43,129 --> 00:07:46,132 (門人)おう! (門人)おう! 92 00:07:46,132 --> 00:07:48,132 (気合い声) 93 00:07:51,137 --> 00:07:54,140 (門人)エイッ! (門人)まいった! 94 00:07:54,140 --> 00:07:56,140 (精一郎)よし 次! はっ! 95 00:07:58,078 --> 00:08:00,080 <小吉の息子の麟太郎> 96 00:08:00,080 --> 00:08:04,084 <これが小吉にとっての うれしい悩みでした> 97 00:08:04,084 --> 00:08:07,087 <学問にも武芸にも優れ・ 98 00:08:07,087 --> 00:08:12,092 貧乏御家人の家で育てきれるか? 世に出せるか?> 99 00:08:12,092 --> 00:08:15,095 <果たして とんびの生んだ鷹なのか?> 100 00:08:15,095 --> 00:08:18,098 よし 101 00:08:18,098 --> 00:08:22,098 では 次は私が立ち合おう はい 102 00:08:36,116 --> 00:08:39,119 (お順)母上 いよいよ 精一郎さまとですわ 103 00:08:39,119 --> 00:08:41,121 お兄さま しっかり! (お信)しっ! 104 00:08:41,121 --> 00:08:43,121 伯父さまに見つかります 105 00:08:52,132 --> 00:08:54,134 ハアッ! 106 00:08:54,134 --> 00:08:57,070 ヤッ! 107 00:08:57,070 --> 00:09:00,073 (栄助)ごめんよ! ごめん! ごめん ごめん ごめん 108 00:09:00,073 --> 00:09:03,076 (お信)押さないでくださいまし 女の来るとこじゃねえよ 109 00:09:03,076 --> 00:09:05,078 すみません 気になって… 110 00:09:05,078 --> 00:09:09,078 父上の代わりに来ました 父上は出入りお止めだから 111 00:09:12,085 --> 00:09:16,089 ンンッ! ンンッ… 112 00:09:16,089 --> 00:09:19,089 ンンッ… 113 00:09:21,094 --> 00:09:24,097 ターッ! 114 00:09:24,097 --> 00:09:26,099 トーッ! 115 00:09:26,099 --> 00:09:28,101 (打ち込む音) ウウッ! 116 00:09:28,101 --> 00:09:30,103 (栄助)アアッ! アアッ! 馬鹿野郎! 117 00:09:30,103 --> 00:09:34,107 (栄助)若さま! 麟太郎さま! (男性)どうした? しっかりしろ! 118 00:09:34,107 --> 00:09:36,107 (男性)頑張れ! (男性)オッ… 119 00:09:39,112 --> 00:09:41,114 ンッ… 120 00:09:41,114 --> 00:09:44,117 フンッ! ハァ! 121 00:09:44,117 --> 00:09:49,122 (2人)ハァハァ ハァハァ… 122 00:09:49,122 --> 00:09:51,124 ハァハァ… 123 00:09:51,124 --> 00:09:55,128 し… 死んでいたんですか? 124 00:09:55,128 --> 00:09:58,064 放っておいたらな 125 00:09:58,064 --> 00:10:01,067 ど… どんな顔でした? 126 00:10:01,067 --> 00:10:03,069 ハァハァ… 127 00:10:03,069 --> 00:10:06,072 怖くはないのか? 128 00:10:06,072 --> 00:10:13,072 ハァハァ… 知りたいんです 己の死に顔 129 00:10:15,081 --> 00:10:17,081 よく言った! 130 00:10:19,085 --> 00:10:22,085 その根性 褒めて… 131 00:10:25,091 --> 00:10:27,093 免許皆伝! 132 00:10:27,093 --> 00:10:29,095 (門人)おお… ・(拍手) 133 00:10:29,095 --> 00:10:32,098 やった! やった! おめでとう! 134 00:10:32,098 --> 00:10:35,101 やった やった ウワーッ! 135 00:10:35,101 --> 00:10:43,109 ・~ 136 00:10:43,109 --> 00:10:46,112 (彦四郎)本日は まず めでたい 137 00:10:46,112 --> 00:10:49,115 ありがとう存じます お師匠さま 138 00:10:49,115 --> 00:10:51,117 ありがとう存じます! 139 00:10:51,117 --> 00:10:55,121 さて これで次は 世に出る思案だな 140 00:10:55,121 --> 00:11:01,061 免許皆伝 あしたからでも 私の代稽古が務まる腕だ 141 00:11:01,061 --> 00:11:04,064 必ず名が出ますさ あ~ そのお言葉は ありがてえが 142 00:11:04,064 --> 00:11:07,067 身内だから 点が甘えんだ まだまだ なっちゃねえ ハハッ… 143 00:11:07,067 --> 00:11:12,072 「己の死に顔 見たかった」 あのひと言 度胸ができてます 144 00:11:12,072 --> 00:11:14,074 父親似だね 145 00:11:14,074 --> 00:11:17,077 いかん! 父親などに似ては いかん! 146 00:11:17,077 --> 00:11:19,079 仰せのとおりだ 147 00:11:19,079 --> 00:11:22,082 俺になんぞ似ちゃいけねえよ (彦四郎)当たり前だ! 148 00:11:22,082 --> 00:11:27,087 一度も お役に就いたことが ない父親が 手本になるか! 149 00:11:27,087 --> 00:11:29,089 お役に就けよ 麟太郎 150 00:11:29,089 --> 00:11:32,092 男子と生まれて ご奉公もできんでは・ 151 00:11:32,092 --> 00:11:37,097 将軍家に不忠 家に不孝だぞ 励めよ 152 00:11:37,097 --> 00:11:42,102 武芸だけでは駄目だ 学問だ 学問がなければ世に立てんぞ 153 00:11:42,102 --> 00:11:44,104 ああ ごもっとも ごもっとも ごもっとも 154 00:11:44,104 --> 00:11:46,106 あっ 精一郎さん どうか仕込んでやっておくんない 155 00:11:46,106 --> 00:11:49,109 わしが仕込む! えっ? 156 00:11:49,109 --> 00:11:52,112 麟太郎を明日からでも引き取って わしが仕込んでやる 157 00:11:52,112 --> 00:11:54,114 あ… 兄さん 麟は うちの跡取りでやんす 158 00:11:54,114 --> 00:11:58,118 そいつはなりません なりませんだと・ 159 00:11:58,118 --> 00:12:00,120 それこそ ならんわ! 160 00:12:00,120 --> 00:12:04,124 親のお前が 遊び人同様に日を送り いかがわしい町人どもと交わる 161 00:12:04,124 --> 00:12:07,127 そんな中に置いては 麟太郎が腐る! 162 00:12:07,127 --> 00:12:10,130 そりゃ 無役だから家におりやんす 町人ともつきあいます 163 00:12:10,130 --> 00:12:13,133 だが いかがわしい奴と つきあっちゃおりません 164 00:12:13,133 --> 00:12:15,135 (彦四郎) ならば お役に就いてみい! 165 00:12:15,135 --> 00:12:18,138 今まで何度も しくじりおったが もう一度だけ・ 166 00:12:18,138 --> 00:12:20,140 面倒みてやってもいい 兄さん お言葉でやんすがね… 167 00:12:20,140 --> 00:12:23,143 (彦四郎) おっとっと 軽々しく返答するな 168 00:12:23,143 --> 00:12:27,147 勝家の 麟太郎の 行く末が懸かっておるのよ 169 00:12:27,147 --> 00:12:31,151 よう考え 性根を据えて返答せい 170 00:12:31,151 --> 00:12:35,151 ンンッ… 今夜のところは これで帰る! 171 00:12:38,158 --> 00:12:40,160 ・(戸の開く音) 172 00:12:40,160 --> 00:12:42,162 (お信)旦那さま 173 00:12:42,162 --> 00:12:44,164 あなた! 174 00:12:44,164 --> 00:12:48,168 麟太郎 伯父さまを お送りしなさい お屋敷まで 175 00:12:48,168 --> 00:12:50,170 はい 176 00:12:50,170 --> 00:12:56,176 ・~ 177 00:12:56,176 --> 00:12:59,112 おう そりゃ麟太郎のかい? 178 00:12:59,112 --> 00:13:02,115 (お信)はい 汗だけ振り出しておきませんと 179 00:13:02,115 --> 00:13:06,119 麟に洗わせろ てめえの稽古着だ 180 00:13:06,119 --> 00:13:08,119 甘やかすな! 181 00:13:11,124 --> 00:13:15,128 俺のような 無役な はぐれ者が親じゃ・ 182 00:13:15,128 --> 00:13:17,130 並の苦労じゃ世に出られねえ 183 00:13:17,130 --> 00:13:21,134 あっ 仕込むんだ 仕込むんだよ (お信)はい 184 00:13:21,134 --> 00:13:25,138 分かってらっしゃるんですね (お信)お順 185 00:13:25,138 --> 00:13:28,141 うん? いや 分かっているよ 186 00:13:28,141 --> 00:13:31,144 よ~く分かっているよ (煙管をたたく音) 187 00:13:31,144 --> 00:13:35,148 兄さんの仰せは 身にしみて ありがてえ 188 00:13:35,148 --> 00:13:41,154 だがな お信 俺は無学なうえに 理不尽なことは大嫌えなんだ 189 00:13:41,154 --> 00:13:44,157 上に へいこら 下々には威張りくさって・ 190 00:13:44,157 --> 00:13:47,160 己大切に勤め上げる 191 00:13:47,160 --> 00:13:53,166 しかもだよ もらう俸禄は 百姓 町人から搾り取った汗と涙 192 00:13:53,166 --> 00:13:59,105 それじゃ まるで俸禄盗っ人だよ それは あなたしだいでございます 193 00:13:59,105 --> 00:14:01,107 うん… 194 00:14:01,107 --> 00:14:06,112 けど お前 そりゃ大変だぜ 195 00:14:06,112 --> 00:14:11,117 御番入りにゃ 袖の下と ごますりだ 196 00:14:11,117 --> 00:14:16,122 まあ ごまは すってみようよ だが 金は… 197 00:14:16,122 --> 00:14:23,129 金は 兄さんに借りることになるが 返すのに20年30年がかりだぜ 198 00:14:23,129 --> 00:14:28,134 それは私しだいでございます うん? 199 00:14:28,134 --> 00:14:32,138 オッ… こいつは おっかねえ ハハハハッ… 200 00:14:32,138 --> 00:14:34,140 こいつは おっかねえ おっかねえ 201 00:14:34,140 --> 00:14:36,140 ハハハハッ… 202 00:14:38,144 --> 00:14:44,150 だが お前が そう覚悟してくれるんなら… 203 00:14:44,150 --> 00:14:47,150 腹決めるか 204 00:14:49,155 --> 00:14:52,155 麟は兄上に預けよう 205 00:14:55,161 --> 00:15:02,101 ・~ 206 00:15:02,101 --> 00:15:05,104 (彦四郎) 至って武骨ながら 至って正直者 207 00:15:05,104 --> 00:15:09,108 よろしくお引き立てのほどを (金子上)うむ… 208 00:15:09,108 --> 00:15:12,108 (彦四郎) これは お駕籠料でございます 209 00:15:15,114 --> 00:15:18,117 ええい しっかりせい 覚悟を決めたうえは・ 210 00:15:18,117 --> 00:15:21,120 泥でも なめる気でやれ それが世の中だ 211 00:15:21,120 --> 00:15:24,123 では 私は これで 212 00:15:24,123 --> 00:15:32,131 ・~ 213 00:15:32,131 --> 00:15:34,133 はい… 214 00:15:34,133 --> 00:15:38,137 え~ これは 誠に些少ではございますが… 215 00:15:38,137 --> 00:15:43,142 ・~ 216 00:15:43,142 --> 00:15:47,146 水をくれ 下戸で座持ちは こたえる 217 00:15:47,146 --> 00:15:49,148 (君江)まあ おつろうござんしょう アア… 218 00:15:49,148 --> 00:15:52,151 さあ これをどうぞ 私の持薬でござんす 219 00:15:52,151 --> 00:15:54,153 うん? 私も御酒に弱くって 220 00:15:54,153 --> 00:15:56,155 かたじけない 221 00:15:56,155 --> 00:15:59,092 (金子上) おい 鯛のうしおは まだか? 222 00:15:59,092 --> 00:16:01,094 (大舘)早く出せ ここの名物だろう 223 00:16:01,094 --> 00:16:05,098 (君江)料理は順に出てまいります もう少々お待ちを 224 00:16:05,098 --> 00:16:07,100 いや 待たん 待たんが・ 225 00:16:07,100 --> 00:16:11,104 その間 お前が 相手をしてくれるなら待つぞ 226 00:16:11,104 --> 00:16:13,106 ご冗談を (金子上)そりゃいい 227 00:16:13,106 --> 00:16:16,109 どうだ? 別に ひと間借りて 3人で しっぽりと… 228 00:16:16,109 --> 00:16:18,111 (笑い声) 229 00:16:18,111 --> 00:16:21,114 いたずらは おやめくださいまし ご身分に障りましょう 230 00:16:21,114 --> 00:16:25,118 (金子上)客だぞ 客に逆らうか? (君江)おやめくださいませ 231 00:16:25,118 --> 00:16:28,121 客に逆らうとは けしからん芸者だ ねえ? 232 00:16:28,121 --> 00:16:30,123 こんな野暮な芸者は捨て置いて・ 233 00:16:30,123 --> 00:16:32,125 主の私が さあ お相手つかまつります 234 00:16:32,125 --> 00:16:35,128 (金子上)よ~し! 貴様 見事 相手するか? いかにも 235 00:16:35,128 --> 00:16:37,130 (金子上)飲め まあまあ まず… 236 00:16:37,130 --> 00:16:39,132 まず まず ご同役 まず… ハハハハッ… 237 00:16:39,132 --> 00:16:41,134 さあ まいりましょう さあさあ さあ まいりましょう 238 00:16:41,134 --> 00:16:43,136 ハハハハッ… 239 00:16:43,136 --> 00:16:45,136 (金子上)飲め飲め いやぁ… 240 00:16:47,140 --> 00:16:49,142 (女将) よくご辛抱あそばしましたね 241 00:16:49,142 --> 00:16:53,146 ハハッ… 俺だって いつまでも 無役じゃいられねえからな 242 00:16:53,146 --> 00:16:56,149 ハハハハッ… いいえ 存じていますよ 243 00:16:56,149 --> 00:16:59,085 麟太郎さまのため こうして… (泣き声) 244 00:16:59,085 --> 00:17:03,089 お… おい とんだ世話婆だな ハハハハッ… 245 00:17:03,089 --> 00:17:09,095 あっ 女将 あの… これは今日の 勘定だがな 取っといてくんな 246 00:17:09,095 --> 00:17:12,098 あの… 残りの はしたは みんなに分けてやってくんな 247 00:17:12,098 --> 00:17:14,100 ありがとう存じます 248 00:17:14,100 --> 00:17:18,104 まとめて 節度に いただきに上がりますのに 249 00:17:18,104 --> 00:17:21,107 家になんぞ置いといたら すぐに 羽が生えて どっか行っちまぁわな 250 00:17:21,107 --> 00:17:24,110 それよりも さっき 酔い止めをくれた若い奴に・ 251 00:17:24,110 --> 00:17:27,113 礼を言っといてくんな 君江でござんしょう? 252 00:17:27,113 --> 00:17:30,116 呼び直して お気晴らしにお遊びになれば 253 00:17:30,116 --> 00:17:34,120 馬鹿言っちゃいけない 俺は今 謹慎中の身だ ハハハッ… 254 00:17:34,120 --> 00:17:37,123 あっ 裃は預けておくぜ 255 00:17:37,123 --> 00:17:40,126 2~3日うちに またご接待だ フフッ… 256 00:17:40,126 --> 00:17:43,129 頼んだぜ よろしゅうございます 257 00:17:43,129 --> 00:17:47,133 よう来た… 258 00:17:47,133 --> 00:17:52,138 うむ! 勝家のこれからは おぬしに望みを懸けておるぞ 259 00:17:52,138 --> 00:17:55,141 いやのぅ おぬしの父の小吉は・ 260 00:17:55,141 --> 00:17:59,078 この男谷家から 勝家に入って家を継いだ 261 00:17:59,078 --> 00:18:02,081 それが生涯 一度もお役に就かなんだのでは・ 262 00:18:02,081 --> 00:18:04,083 誠に 勝家に相すまん 263 00:18:04,083 --> 00:18:09,088 死んだ親父どのも わしも それが苦の種だったのよ 264 00:18:09,088 --> 00:18:13,092 小吉めはな 養子であることに耐えられず・ 265 00:18:13,092 --> 00:18:16,095 家出をするわ ぐれるわ 266 00:18:16,095 --> 00:18:20,099 親父どのや わしが 何度 御番入りを世話しても・ 267 00:18:20,099 --> 00:18:25,104 人に頭を下げるが耐えられず これも ことごとく しくじる 268 00:18:25,104 --> 00:18:27,106 聞け 麟太郎 269 00:18:27,106 --> 00:18:32,111 耐えることができずして お役は務まらん 270 00:18:32,111 --> 00:18:37,116 侍と生まれて お役が務まらいでは くず! 人として くずだぞよ 271 00:18:37,116 --> 00:18:40,119 伯父上! もう それ以上は… うん? 272 00:18:40,119 --> 00:18:45,124 ご訓戒 身にしみますが 親の悪口 子として聞きづろうございます 273 00:18:45,124 --> 00:18:51,130 悪口? 悪口など わしは言わん 事実を言っておる 274 00:18:51,130 --> 00:18:53,132 事実でも 親への蔑みでございます 275 00:18:53,132 --> 00:18:58,070 親への蔑みを子に広言される そのような… 276 00:18:58,070 --> 00:19:03,075 申せ 何が言いたい? はっきり申せ! 277 00:19:03,075 --> 00:19:06,078 そのような人から 学問は学びたくございません! 278 00:19:06,078 --> 00:19:09,081 おのれ 悪く絡みおって! 279 00:19:09,081 --> 00:19:13,085 それよ! それが小吉の筋よ それを たたき直してやる 280 00:19:13,085 --> 00:19:16,088 その小吉の悪い筋を! まだ申されますか! 281 00:19:16,088 --> 00:19:18,090 お取り消しください! 282 00:19:18,090 --> 00:19:21,093 黙れ… 無礼な! 283 00:19:21,093 --> 00:19:23,093 黙れ! 284 00:19:29,101 --> 00:19:32,104 失礼します! 285 00:19:32,104 --> 00:19:36,108 待て! お… おのれ 待たぬか! (精一郎)いけませんよ 286 00:19:36,108 --> 00:19:40,112 あ… あいつめ あいつめ! (精一郎)父上がいけません 287 00:19:40,112 --> 00:19:44,116 私だって 父上の 悪口を言われたら ああですよ 288 00:19:44,116 --> 00:19:47,119 わ… わしに 斬りつけようとしよった! 289 00:19:47,119 --> 00:19:49,121 根性があるんです 290 00:19:49,121 --> 00:19:52,121 ンンッ… (精一郎)ハハハハッ… 291 00:20:00,066 --> 00:20:11,077 ・~ 292 00:20:11,077 --> 00:20:14,080 <人前では見せないものの・ 293 00:20:14,080 --> 00:20:18,084 この年になっての 求職活動は疲れます> 294 00:20:18,084 --> 00:20:22,088 <昔 何度も失敗したという 苦い思いも込み上げ・ 295 00:20:22,088 --> 00:20:25,091 そんな顔を家族に見せたくなく・ 296 00:20:25,091 --> 00:20:29,095 なんとなく 帰りそびれている小吉でした> 297 00:20:29,095 --> 00:20:34,100 ・~ 298 00:20:34,100 --> 00:20:37,103 <麟太郎もまた 伯父の所を飛び出し・ 299 00:20:37,103 --> 00:20:40,106 家へは帰りにくい状況でした> 300 00:20:40,106 --> 00:20:46,112 <これが思いも寄らないトラブルに 親子を巻き込んだのです> 301 00:20:46,112 --> 00:20:59,058 ・~ 302 00:20:59,058 --> 00:21:02,061 (お六)そりゃさ 栄助さん 頼まなくちゃ駄目だよ ねえ? 303 00:21:02,061 --> 00:21:04,063 いやいや おいら 駄目だって 駄目だよ おいらじゃ 304 00:21:04,063 --> 00:21:08,067 (お糸)あら! 勝さま アハハッ… いいところで 305 00:21:08,067 --> 00:21:11,070 よかねえよ そんな大きな声出しやがって 306 00:21:11,070 --> 00:21:13,072 みんな 勘違えするじゃねえかよ 307 00:21:13,072 --> 00:21:15,074 でも 旦那にお願いするしかないんだ 308 00:21:15,074 --> 00:21:18,077 悪いお侍衆が のさばって 垢離場のみんなが泣いています 309 00:21:18,077 --> 00:21:21,080 そりゃ 盛り場だ 悪も出るだろうよ 310 00:21:21,080 --> 00:21:24,083 俺 今 謹慎中なんだ 駄目だ駄目だ (栄助)だから言ったろう 311 00:21:24,083 --> 00:21:27,086 ほら お取り次ぎできねえって 312 00:21:27,086 --> 00:21:29,088 冷たいねえ 旦那 313 00:21:29,088 --> 00:21:32,091 あたしゃ 旦那に 惚れ抜いてる女でござんすよ 314 00:21:32,091 --> 00:21:36,095 野暮な声 出すんじゃねえよ おい 思いを遂げられずに・ 315 00:21:36,095 --> 00:21:41,100 せめて近くでと 東両国で 女ひとりの所帯を張ってるんです 316 00:21:41,100 --> 00:21:45,104 それをお見捨てになるんですか? (お篠)お助けくださいまし 317 00:21:45,104 --> 00:21:48,107 そんなこと言ったって お前 困るじゃねえかよ お前 318 00:21:48,107 --> 00:21:50,109 (お六) こりゃ旦那の負けでござんすね 319 00:21:50,109 --> 00:21:53,112 あ~ 埒もねえやな よし 行ってやる 行ってやる 320 00:21:53,112 --> 00:21:56,115 その代わりな 遊びに行って ただ座ってるだけだよ 321 00:21:56,115 --> 00:21:58,117 それでもいいのかい? (お糸)うれしい! 322 00:21:58,117 --> 00:22:01,117 (お六)ああ いいねえ ハハハッ… (栄助)はいはい 323 00:22:16,135 --> 00:22:20,139 (板木をたたく音) (男性)お~い! 来たぞ! 324 00:22:20,139 --> 00:22:24,143 (騒ぎ声) 325 00:22:24,143 --> 00:22:31,150 ・~ 326 00:22:31,150 --> 00:22:34,153 (悲鳴) 327 00:22:34,153 --> 00:22:39,158 姉さん 来たよ 来た! よそは みんな店を閉めるよ 328 00:22:39,158 --> 00:22:43,162 うちは閉めないよ 怖きゃ隠れといで 329 00:22:43,162 --> 00:22:47,166 (手下)ここの仕切り代だ ここは今日向 俺たちが仕切る 330 00:22:47,166 --> 00:22:49,168 (手下)ゆすり たかり やくざから 守ってやるんだよ 331 00:22:49,168 --> 00:22:52,171 さあ よこせ (店主)へ… へい 332 00:22:52,171 --> 00:23:01,113 ・~ 333 00:23:01,113 --> 00:23:03,115 (小林)ヘヘヘヘッ… 334 00:23:03,115 --> 00:23:06,118 (お糸)いらっしゃいまし 335 00:23:06,118 --> 00:23:10,122 おや… うちは小店なんです こんな大勢さん 無理… 336 00:23:10,122 --> 00:23:12,124 (小野)とぼけるな! 337 00:23:12,124 --> 00:23:16,128 先夜来 触れておいたとおり これからは ここは俺たちが仕切る 338 00:23:16,128 --> 00:23:19,131 (小林)居店は日に100文 屋台が50文 冥加金を… 339 00:23:19,131 --> 00:23:21,133 おい (小林)うん? 340 00:23:21,133 --> 00:23:23,135 ンンッ… 341 00:23:23,135 --> 00:23:27,139 オッ? これは おそろいだね お歴々 342 00:23:27,139 --> 00:23:30,142 (小林)オッ… こちら 勝さんの行きつけかね? 343 00:23:30,142 --> 00:23:32,144 あい さようで (小林)ヘヘヘヘッ… 344 00:23:32,144 --> 00:23:34,146 この垢離場を仕切るの何のと・ 345 00:23:34,146 --> 00:23:37,149 地回りのようなこと おぬしらが言うはずはねえ 346 00:23:37,149 --> 00:23:40,152 ええ? そうでござんしょう? 347 00:23:40,152 --> 00:23:44,156 まあ 飲むときは お互い関わりなし 野暮は よそう 348 00:23:44,156 --> 00:23:46,158 (小野)勝… 349 00:23:46,158 --> 00:23:52,164 一度 立ち合いたいのぅ 俺が差料 見ておけ 350 00:23:52,164 --> 00:23:56,168 ふ~ん… 長えねえ ええ? 351 00:23:56,168 --> 00:24:00,105 おぬし 強そうだねえ ハハハッ… 352 00:24:00,105 --> 00:24:04,109 ウッ… アッ! 相州物か 353 00:24:04,109 --> 00:24:09,109 貴様! まず 2尺9寸てとこか 354 00:24:11,116 --> 00:24:14,119 小野さん… 小野さん! (小野)ンンッ… 355 00:24:14,119 --> 00:24:17,122 ハハハハッ… おととい来いってんだ 356 00:24:17,122 --> 00:24:20,125 お篠 塩まきな おお よせよせよせ 357 00:24:20,125 --> 00:24:26,131 大体 垢離場ってのはな 六根清浄 水垢離取る清めの場だ なっ? 358 00:24:26,131 --> 00:24:31,136 そこへ茶屋 見せ物屋 食い物屋 それに夜鷹もはびこる 悪もたかる 359 00:24:31,136 --> 00:24:34,139 大体 世の中 もう狂ってるんだよ 360 00:24:34,139 --> 00:24:36,141 侍だって 食っちゃいけねえご時世だ 361 00:24:36,141 --> 00:24:39,144 まあまあまあ 見逃してやんな 旦那もですね 362 00:24:39,144 --> 00:24:41,146 えっ? いい気風なのにねえ 363 00:24:41,146 --> 00:24:45,150 ハハッ… さあ お役目は終わった 俺は もう帰るぜ 364 00:24:45,150 --> 00:24:48,153 いけません ご膳お出しします ンン… 365 00:24:48,153 --> 00:24:52,157 旦那 ひと口 上がってっておくんなさいまし 366 00:24:52,157 --> 00:24:54,159 私に恥をかかせる気? 367 00:24:54,159 --> 00:25:13,112 ・~ 368 00:25:13,112 --> 00:25:15,114 あっ! すまん すまん 369 00:25:15,114 --> 00:25:18,117 お武家さまのですか? ああ おいらのだ 370 00:25:18,117 --> 00:25:21,120 まあ どうなすったんです? ああ… ほんの はずみで 371 00:25:21,120 --> 00:25:25,124 まあ… はずみで ハハッ… 馬鹿だなぁ おいら 372 00:25:25,124 --> 00:25:27,126 (笑い声) 373 00:25:27,126 --> 00:25:32,126 さあ お当てなすって ありがとうよ 374 00:25:34,133 --> 00:25:37,136 (手下)ようよう 色男 (小林)男か? 375 00:25:37,136 --> 00:25:39,138 (手下)陰間だろう (笑い声) 376 00:25:39,138 --> 00:25:45,144 (小野)芸者! 俺も鼻緒が損じた 直せ! 直せ! 377 00:25:45,144 --> 00:25:47,146 (手下)直せ (手下)俺もだ 378 00:25:47,146 --> 00:25:49,148 (笑い声) 379 00:25:49,148 --> 00:25:54,153 お行きなさいまし 私が目当てでござんすから 380 00:25:54,153 --> 00:25:57,089 女を おからかいになっちゃいけません 381 00:25:57,089 --> 00:25:59,091 ご身分に障りましょう 382 00:25:59,091 --> 00:26:01,093 (小林)おのれ 舌長いことを 芸者のぶんざいで 383 00:26:01,093 --> 00:26:04,096 よし 鼻緒が立てられずば 酌をせい 384 00:26:04,096 --> 00:26:07,099 おいおい よせよ 嫌がってるだろう! 385 00:26:07,099 --> 00:26:10,102 オオッ? やるか? このひよっこが! 386 00:26:10,102 --> 00:26:14,102 お武家さま… あ~… お前は帰れ 387 00:26:16,108 --> 00:26:20,112 (小野)よし こうなったら お前だ 388 00:26:20,112 --> 00:26:22,112 ヤーッ! 389 00:26:29,121 --> 00:26:31,121 ヤーッ! 390 00:26:37,129 --> 00:26:39,131 (小野)ンンッ! 391 00:26:39,131 --> 00:26:41,131 (手下)おのれ! 392 00:26:51,143 --> 00:26:53,143 (蹴る音) 393 00:26:56,148 --> 00:26:58,148 (殴る音) 394 00:27:00,085 --> 00:27:02,087 ごちになった ありがとうよ 395 00:27:02,087 --> 00:27:04,089 (お糸) もっとゆっくり なさればいいのに 396 00:27:04,089 --> 00:27:06,091 今夜は あの連中が のさばっているから・ 397 00:27:06,091 --> 00:27:09,094 暇だよ きっと 398 00:27:09,094 --> 00:27:11,096 (お篠)ウワッ! 399 00:27:11,096 --> 00:27:13,098 (お糸) アッ! 危ないから中に入って 400 00:27:13,098 --> 00:27:17,102 (騒ぎ声) 401 00:27:17,102 --> 00:27:21,106 あれ? 麟太郎さんみたい えっ? 402 00:27:21,106 --> 00:27:23,108 まずいぜ こんなとこで おい 403 00:27:23,108 --> 00:27:25,110 どこだ? どこだよ? いや 今の喧嘩 404 00:27:25,110 --> 00:27:27,112 今の喧嘩? ええ 405 00:27:27,112 --> 00:27:30,115 人違いだよ あいつはこんなとこで 喧嘩なんぞ するわけがねえ 406 00:27:30,115 --> 00:27:33,118 (騒ぎ声) 407 00:27:33,118 --> 00:27:35,118 (殴る音) 408 00:27:37,122 --> 00:27:40,125 麟だ! あの野郎 こんなとこで 喧嘩なんぞしやがって 409 00:27:40,125 --> 00:27:42,127 馬鹿野郎め 410 00:27:42,127 --> 00:27:44,127 (悲鳴) 411 00:27:46,131 --> 00:27:48,131 (殴る音) 412 00:27:50,135 --> 00:27:52,137 (殴る音) 413 00:27:52,137 --> 00:28:00,079 ・~ 414 00:28:00,079 --> 00:28:02,079 (小野)おのれ! 415 00:28:05,084 --> 00:28:07,086 おのれ! 416 00:28:07,086 --> 00:28:09,088 (突く音) 417 00:28:09,088 --> 00:28:19,098 ・~ 418 00:28:19,098 --> 00:28:23,102 ちきしょう… あっ 父上! 馬鹿! 勝の家はご直参だぞ! 419 00:28:23,102 --> 00:28:25,104 ごろつきと喧嘩なんぞしやがって 420 00:28:25,104 --> 00:28:28,107 すいません 男として… いや 侍として見逃せなくて 421 00:28:28,107 --> 00:28:32,111 お前は出世前の身だ 馬鹿! 馬鹿には違いありませんが・ 422 00:28:32,111 --> 00:28:34,113 今 父上がなさったのも ごろつきとの 喧嘩沙汰 423 00:28:34,113 --> 00:28:39,118 お前を助けただけだ 馬鹿! 今までも随分 ごろつき相手に… 424 00:28:39,118 --> 00:28:43,122 だから いつも言ってるだろう 俺を手本にするな! 馬鹿! 425 00:28:43,122 --> 00:28:45,124 ・(小野)火をつけろ! 426 00:28:45,124 --> 00:28:47,126 (小林) 囲んで火をつけて いぶり出せ 427 00:28:47,126 --> 00:28:51,130 夜鷹のしくじり火 大掃除になって奉行所も喜ぶ 428 00:28:51,130 --> 00:28:53,132 (笑い声) 429 00:28:53,132 --> 00:28:55,134 さあ 行け! ここは俺が引き受けた 430 00:28:55,134 --> 00:28:59,071 嫌です! 事の起こりは私です 分からねえ奴だなぁ 431 00:28:59,071 --> 00:29:02,074 町方が乗り込んでくれば お前の名が出る なっ? 432 00:29:02,074 --> 00:29:04,076 ごろつき相手に喧嘩して 自分の名前に泥を塗る気か? 433 00:29:04,076 --> 00:29:07,079 しかし 父上のお名にだって 泥を塗ることになる… 434 00:29:07,079 --> 00:29:09,081 俺の名は もう どろどろの泥だらけだ 435 00:29:09,081 --> 00:29:12,084 放っといてくれ! 早く行け! 早く行け! 436 00:29:12,084 --> 00:29:14,084 行けったら 行かねえか この野郎! ぶっ飛ばすぞ 437 00:29:20,092 --> 00:29:22,094 (小林)勝・ 火をつけるだと? 438 00:29:22,094 --> 00:29:24,096 夜鷹のせいにするだと? 439 00:29:24,096 --> 00:29:27,099 ハン… 大掃除になって 奉行所が喜ぶだと? 440 00:29:27,099 --> 00:29:31,103 (小野)何だ 貴様 出しゃばるな! ああ 出しゃばる 441 00:29:31,103 --> 00:29:34,103 人間を 虫けら扱いする奴は許せねえや 442 00:29:36,108 --> 00:29:38,110 (殴る音) 443 00:29:38,110 --> 00:29:43,115 ・~ 444 00:29:43,115 --> 00:29:45,117 (蹴る音) 445 00:29:45,117 --> 00:29:47,117 (殴る音) 446 00:29:51,123 --> 00:29:54,126 おのれ! 447 00:29:54,126 --> 00:29:56,126 (蹴る音) 448 00:30:00,065 --> 00:30:02,065 (手下)ウワーッ! 449 00:30:06,071 --> 00:30:08,073 (殴る音) 450 00:30:08,073 --> 00:30:12,077 (騒ぎ声) 451 00:30:12,077 --> 00:30:16,077 (お糸)玉屋! (お篠)鍵屋! 452 00:30:19,084 --> 00:30:23,088 (彦四郎)喧嘩ですな 侍同士らしい 嘆かわしいことだ 453 00:30:23,088 --> 00:30:25,090 士道の退廃… 454 00:30:25,090 --> 00:30:27,090 アアッ! 455 00:30:31,096 --> 00:30:34,099 (男性)暴れ旦那! しっかり! (男性)いいぞ! 入江町! 456 00:30:34,099 --> 00:30:37,102 (お糸)アハハハッ… (肝煎)入江町? 457 00:30:37,102 --> 00:30:40,105 入江町といえば ご直参だ 458 00:30:40,105 --> 00:30:43,108 けしからん! 名前を調べなきゃならん! 459 00:30:43,108 --> 00:30:47,112 おや お侍さん ご存じないんですか? 460 00:30:47,112 --> 00:30:51,116 あの方こそ 本所の花 勝小吉旦那 アハハハッ… 461 00:30:51,116 --> 00:30:55,120 旦那! しっかり! ウフフフッ… 462 00:30:55,120 --> 00:31:02,060 ・~ 463 00:31:02,060 --> 00:31:04,060 (棒の落ちる音) 464 00:31:06,064 --> 00:31:08,066 ヤーッ! 465 00:31:08,066 --> 00:31:21,079 ・~ 466 00:31:21,079 --> 00:31:24,079 ウワーッ! アアッ! 467 00:31:27,085 --> 00:31:29,087 お前たちも せっかく出てきて・ 468 00:31:29,087 --> 00:31:32,090 からっけつで帰るも つらかろう なっ? 469 00:31:32,090 --> 00:31:36,094 これは膏薬代と洗濯代だ 取っとけ なっ? 470 00:31:36,094 --> 00:31:38,096 ・(呼子の音) 471 00:31:38,096 --> 00:31:40,098 俺も すぐに消えなくっちゃいけねえな 472 00:31:40,098 --> 00:31:44,098 父上! こっち! こっち! 473 00:31:49,107 --> 00:31:53,111 いや お前 それで 結局 どうしたんだよ? 474 00:31:53,111 --> 00:31:55,113 我慢ができないんで 伯父上のとこを出てきました 475 00:31:55,113 --> 00:31:57,115 なんだと? もういっぺん言ってみろ 476 00:31:57,115 --> 00:31:59,117 ハハッ… 伯父上の所を出てきました 477 00:31:59,117 --> 00:32:02,120 なに? お前 兄貴ん所 出てきた… 478 00:32:02,120 --> 00:32:04,122 オッ… ちょ… 479 00:32:04,122 --> 00:32:06,124 何でもいいから おい 岸着けろよ あっ はい 480 00:32:06,124 --> 00:32:08,126 早く ああ… はい 481 00:32:08,126 --> 00:32:10,126 早く 岸着けろ 482 00:32:12,130 --> 00:32:14,132 (ぶつかる音) こっち来て座れ 483 00:32:14,132 --> 00:32:17,135 はい ほら 座れ! 484 00:32:17,135 --> 00:32:20,138 いいか? 戻れ 謝って すぐに戻れ! 485 00:32:20,138 --> 00:32:23,141 人として 耐え難いことがありました 486 00:32:23,141 --> 00:32:26,144 戻りません 俺の悪口でも出たか? 487 00:32:26,144 --> 00:32:30,148 子が父に似るのは当たり前 何がいけませんか? 488 00:32:30,148 --> 00:32:32,150 この馬鹿野郎! 489 00:32:32,150 --> 00:32:34,152 俺になんぞ 決して似ちゃならないって・ 490 00:32:34,152 --> 00:32:36,154 いつも言ってるだろう! 491 00:32:36,154 --> 00:32:38,156 お前は まだ修行中のひよっこだ 492 00:32:38,156 --> 00:32:40,158 二度と 喧嘩なんぞしちゃならねえ! 493 00:32:40,158 --> 00:32:44,158 ひよっこにも意地があります! なに・ 494 00:32:47,165 --> 00:32:55,173 ・~ 495 00:32:55,173 --> 00:32:59,111 しかし 父上の あの喧嘩の 収め方には まいりました 496 00:32:59,111 --> 00:33:03,115 悪たちに膏薬代 洗濯代 有り金はたいて 497 00:33:03,115 --> 00:33:07,119 おいおい お信には内緒だぞ いいか? 498 00:33:07,119 --> 00:33:10,122 喧嘩の収め方は教わりました 499 00:33:10,122 --> 00:33:12,124 今度は 喧嘩のしかたを教えてください 500 00:33:12,124 --> 00:33:16,128 喧嘩のしかた? 喧嘩のしかたか 501 00:33:16,128 --> 00:33:20,132 よ~し 喧嘩にはな 手順ってものがあんだ なっ? 502 00:33:20,132 --> 00:33:22,134 まず 喧嘩… 馬鹿 503 00:33:22,134 --> 00:33:24,136 喧嘩なんか しちゃいけねえって あれほど言ったじゃねえか 504 00:33:24,136 --> 00:33:27,139 分かんねえ野郎だな お前は まだ出世前だぞ 505 00:33:27,139 --> 00:33:29,141 とんちきめ もう… それよりも・ 506 00:33:29,141 --> 00:33:32,144 このこと お前 お信に どう話すか… 507 00:33:32,144 --> 00:33:35,147 考えたのか? おい いや まだです 508 00:33:35,147 --> 00:33:37,149 チッ… しょうがねえなぁ もう 509 00:33:37,149 --> 00:33:40,152 だから なっ? 俺はな 黙っててやる なっ? 510 00:33:40,152 --> 00:33:42,154 俺が黙ってるから お前も黙ってろ いいか? 511 00:33:42,154 --> 00:33:45,157 兄貴のことは 俺が よ~く 2~3日考えたうえで・ 512 00:33:45,157 --> 00:33:47,159 それで俺が返事をするから なっ? 513 00:33:47,159 --> 00:33:50,162 それまで黙ってろ! 何も言っちゃ駄目だぞ はい 514 00:33:50,162 --> 00:33:56,168 …たく もう 本当に だんだん俺に似てきやがる 515 00:33:56,168 --> 00:33:59,104 似ちゃいけねえって言ってるのに 516 00:33:59,104 --> 00:34:03,108 ハハハハッ… 517 00:34:03,108 --> 00:34:11,116 (笑い声) 518 00:34:11,116 --> 00:34:25,130 ・~ 519 00:34:25,130 --> 00:34:39,144 ・~ 520 00:34:39,144 --> 00:34:41,146 いってらっしゃいませ 521 00:34:41,146 --> 00:34:48,153 ・~ 522 00:34:48,153 --> 00:34:51,153 何のお召し出しでしょう? 523 00:34:56,161 --> 00:35:01,099 お昼過ぎからのお召し出しは 凶事だそうですね 524 00:35:01,099 --> 00:35:05,103 ゆうべ 変でしたわ お父さまも お兄さまも 525 00:35:05,103 --> 00:35:09,107 お兄さまは なぜ伯父さまの所から お戻りになったのか 526 00:35:09,107 --> 00:35:13,111 夜遅くまで 2人で何をしてたのか 527 00:35:13,111 --> 00:35:17,115 着物に泥や血が… 528 00:35:17,115 --> 00:35:21,119 お父さまは 「今は何も聞くな」と おっしゃったはずでしょう 529 00:35:21,119 --> 00:35:26,124 そんなの横暴ですわ 心配事なら一緒に心配したい 530 00:35:26,124 --> 00:35:28,126 なぜ女は のけ者なのですか? 531 00:35:28,126 --> 00:35:33,131 おっしゃる時が来たら おっしゃるはずよ 532 00:35:33,131 --> 00:35:38,131 そんなに とんがると だから女は困るって言われますよ 533 00:35:43,141 --> 00:35:46,144 ゆうべの喧嘩沙汰が 原因ではありませんか? 534 00:35:46,144 --> 00:35:48,146 それなら 事の起こりは私です 責めは私が 535 00:35:48,146 --> 00:35:52,150 一家の主は俺だ 俺がさばく! お前は黙ってろ! 536 00:35:52,150 --> 00:35:56,154 ただし もし俺が帰らなかったら… 537 00:35:56,154 --> 00:35:58,089 「これ」かもしれない 538 00:35:58,089 --> 00:36:02,089 そのときは お前が一家を束ねて 事をさばけ いいな? 539 00:36:08,099 --> 00:36:12,103 じゃ ゆうべの喧嘩が もうお耳に? 540 00:36:12,103 --> 00:36:15,106 (小普請支配役人) 今までの行状が悪すぎた 541 00:36:15,106 --> 00:36:19,110 厳しいご処分となる 覚悟をしておけ 542 00:36:19,110 --> 00:36:23,114 じゃ また 押し込め座敷牢か何かで? 543 00:36:23,114 --> 00:36:27,118 もっと重い お取り潰しとの声が出た 544 00:36:27,118 --> 00:36:31,122 勝家 お取り潰し・ 親子2人での喧嘩沙汰だ 545 00:36:31,122 --> 00:36:33,124 当然だろう いや ちょ… 待ってくださいよ 546 00:36:33,124 --> 00:36:35,126 麟には関わりのねえこって ございましょう 547 00:36:35,126 --> 00:36:37,128 お調べでは 親子2人でと 548 00:36:37,128 --> 00:36:39,130 いや 麟には 関わりのねえこってございますよ 549 00:36:39,130 --> 00:36:42,133 言い張るだけでは通らぬぞ 証拠は? 550 00:36:42,133 --> 00:36:44,135 しょ… 証拠は だから… 551 00:36:44,135 --> 00:36:48,139 ご支配のあんたが あ~ いろいろ取り調べたが・ 552 00:36:48,139 --> 00:36:51,142 そういう事実は全然ないとか 何とか おっしゃってください 553 00:36:51,142 --> 00:36:53,144 無理を申すな 554 00:36:53,144 --> 00:36:57,082 ねえ 幼なじみじゃねえですか なんとか ひとつお願いしますよ 555 00:36:57,082 --> 00:37:00,085 子供のころから おぬしの悪さの・ 556 00:37:00,085 --> 00:37:02,087 とばっちりばかり かぶっておったわ! 557 00:37:02,087 --> 00:37:04,089 ハァ… そりゃそうかもしれませんが… 558 00:37:04,089 --> 00:37:09,094 あっ でも いつだったか あの… 火消しのせがれと 喧嘩して・ 559 00:37:09,094 --> 00:37:11,096 あなたは ええ? 腕1本 へし折っちまった 560 00:37:11,096 --> 00:37:14,099 あれは おいらが尻を拭いましたぜ よく覚えておるわ 561 00:37:14,099 --> 00:37:17,102 なあ ご支配 そのときのことに免じて・ 562 00:37:17,102 --> 00:37:20,105 どうか ひとつ頼みます お願いしますよ ねっ? 563 00:37:20,105 --> 00:37:26,105 しかし 筋の通らぬことは… いや 筋は通します 564 00:37:28,113 --> 00:37:33,113 この勝小吉 今から その覚悟を申し述べます 565 00:37:35,120 --> 00:37:38,123 勝家 お取り潰し… 566 00:37:38,123 --> 00:37:42,127 (精一郎)なんとか穏便にと 父と走り回りましたが… 567 00:37:42,127 --> 00:37:47,132 士風引き締めのお達しが 出たばかりで厳しいのです 568 00:37:47,132 --> 00:37:50,135 成り行きが… (お信)申し訳ございません 569 00:37:50,135 --> 00:37:54,139 御番入りのお世話に重ねまして そのようなご心労を 570 00:37:54,139 --> 00:37:56,141 ・(戸の開く音) ・ 帰ったぞ 571 00:37:56,141 --> 00:37:58,076 (お信)おかえりなさいまし おう 572 00:37:58,076 --> 00:38:01,079 ああ これは 兄上 精一郎どの 573 00:38:01,079 --> 00:38:06,084 いや ご心痛のほど 誠に申し訳ござらん 574 00:38:06,084 --> 00:38:10,088 (精一郎)それで ご処分は? はぁ? 575 00:38:10,088 --> 00:38:14,092 いや 別に何も 576 00:38:14,092 --> 00:38:17,095 (彦四郎)何もない? はい 577 00:38:17,095 --> 00:38:22,100 え~ 実は私 家督を麟太郎に譲り 578 00:38:22,100 --> 00:38:26,100 隠居いたす旨 お届け申しました 579 00:38:30,108 --> 00:38:32,110 隠居… 580 00:38:32,110 --> 00:38:35,110 その若さで 父上! 581 00:38:37,115 --> 00:38:42,120 よし! うむ… よし! 582 00:38:42,120 --> 00:38:45,123 事と次第によっては おぬしを乱心者として・ 583 00:38:45,123 --> 00:38:48,126 手討ちにしてでも 勝家を守るつもりでおったが… 584 00:38:48,126 --> 00:38:53,131 よし! 自らを この世から 葬った その潔さは買おう 585 00:38:53,131 --> 00:38:58,069 愚か者だが 筋だけは通しおったな 586 00:38:58,069 --> 00:39:02,073 私にはできません! 家督を継ぐことなど できません! 587 00:39:02,073 --> 00:39:07,078 いやいや 昨日 父親のことで 怒った あの気性の激しさ 588 00:39:07,078 --> 00:39:12,083 わしに詰め寄った面魂 もう立派に男よ 589 00:39:12,083 --> 00:39:15,086 さすが小吉がせがれよ 590 00:39:15,086 --> 00:39:21,086 ただしな その激しさは 小吉のように はぐれて曲がるなよ 591 00:39:24,095 --> 00:39:31,102 兄上のお心尽くしに応えられず いつも尻を割ってきた はぐれ鳥 592 00:39:31,102 --> 00:39:34,105 だが この勝小吉も 侍の端くれ 593 00:39:34,105 --> 00:39:39,110 世に立って 家名を現したい夢はございました 594 00:39:39,110 --> 00:39:45,116 そのうたかたの夢を… 麟に 595 00:39:45,116 --> 00:39:48,119 兄上 精一郎どの 596 00:39:48,119 --> 00:39:53,124 どうか 麟太郎をよろしくお願い申しやす 597 00:39:53,124 --> 00:40:01,124 ・~ 598 00:40:07,071 --> 00:40:13,077 麟太郎 しっかりやれよ 主は おぬし 小吉は もう隠居だ 599 00:40:13,077 --> 00:40:17,081 身性が悪ければ 叱って抑えよ 遠慮は要らん 600 00:40:17,081 --> 00:40:21,085 父上 まだ若い主に そう重い荷を下ろしては… 601 00:40:21,085 --> 00:40:23,087 うむ… (精一郎)ハハッ… 602 00:40:23,087 --> 00:40:28,092 じゃ 麟太郎さん 明日中に 家督相続の挨拶回りを 603 00:40:28,092 --> 00:40:30,092 はぁ… (彦四郎)では 604 00:40:34,098 --> 00:40:40,104 お信… この貧乏勝家を預かって 俺一代 605 00:40:40,104 --> 00:40:45,109 とうとう うずもれっぱなしだった すまねえ 606 00:40:45,109 --> 00:40:50,114 お返し申すよ 麟太郎という跡取りをつけてな 607 00:40:50,114 --> 00:40:52,116 なあ? お信 ヘヘッ… 608 00:40:52,116 --> 00:40:55,119 どうか ひとつ それで あの… ハハッ… 609 00:40:55,119 --> 00:40:57,055 チャラにしてくんねえか? 610 00:40:57,055 --> 00:40:59,057 (笑い声) 611 00:40:59,057 --> 00:41:04,062 ご隠居なさって これからは お気まま 私は気が楽 612 00:41:04,062 --> 00:41:08,066 あなたも そのほうが およろしいんじゃありませんか? 613 00:41:08,066 --> 00:41:10,068 あっ 図星だ ハハッ… 614 00:41:10,068 --> 00:41:15,073 こいつは まいったな… お父さまは勝手すぎます 615 00:41:15,073 --> 00:41:17,075 喧嘩沙汰で 御番入りを投げ出して 616 00:41:17,075 --> 00:41:19,077 それは お心ざまです 617 00:41:19,077 --> 00:41:23,081 でも 使ったお金は借金として お母さまの肩にかかるのですよ! 618 00:41:23,081 --> 00:41:26,084 お順 喧嘩したのは俺だ! 619 00:41:26,084 --> 00:41:28,086 父上が 罪をかぶさってくだすったんだ! 620 00:41:28,086 --> 00:41:31,089 いや お前は人助けをしたんだ 喧嘩広めたのは俺だよ 621 00:41:31,089 --> 00:41:33,091 なんで… なんでお母さまや私にも 622 00:41:33,091 --> 00:41:35,093 打ち明けて くださらなかったんです・ 623 00:41:35,093 --> 00:41:37,095 心配をかけまいとしての お心ですよ 624 00:41:37,095 --> 00:41:40,098 はしたないことを 申してはなりません 625 00:41:40,098 --> 00:41:45,103 順は… 順は お母さまのご苦労が おいたわしいのです 626 00:41:45,103 --> 00:41:50,108 ゆうべの喧嘩のことといい… お父さまは勝手すぎます! 627 00:41:50,108 --> 00:42:00,118 (泣き声) 628 00:42:00,118 --> 00:42:05,123 あっ… いや こいつは 1本取られたな ハハハハッ… 629 00:42:05,123 --> 00:42:07,125 ゆうべの喧嘩も 今日のご支配も 630 00:42:07,125 --> 00:42:09,127 うまく収めたつもりだったんだが ハハハハッ… 631 00:42:09,127 --> 00:42:12,130 みんな ばれちまってたんだな どうも ハハッ… 632 00:42:12,130 --> 00:42:16,134 いや どうも すまなかった 633 00:42:16,134 --> 00:42:21,139 お順… すまねえ 634 00:42:21,139 --> 00:42:24,142 すいませんでした 635 00:42:24,142 --> 00:42:26,142 父上 636 00:42:28,146 --> 00:42:31,149 すいませんが 喧嘩 教えてください 637 00:42:31,149 --> 00:42:33,149 なっ… うん? 638 00:42:36,154 --> 00:42:39,157 貧乏勝家を背負って意地を立てる 639 00:42:39,157 --> 00:42:41,159 喧嘩ができなきゃ やっていけやせん 640 00:42:41,159 --> 00:42:45,163 教えてください 父上の喧嘩剣法を 641 00:42:45,163 --> 00:42:48,166 よ~し! 来い! 642 00:42:48,166 --> 00:42:51,169 ちょ… あの… (お順)お兄… 643 00:42:51,169 --> 00:42:53,169 あっ… (お信)ハァ… 644 00:43:04,115 --> 00:43:06,117 エイッ! 645 00:43:06,117 --> 00:43:09,120 <思いもかけず 家督を譲ることになった・ 646 00:43:09,120 --> 00:43:14,125 息子のさまざまな思い出が 父親の胸をよぎりました> 647 00:43:14,125 --> 00:43:20,131 <中でも 危うく 命を落としかけた あの大難> 648 00:43:20,131 --> 00:43:22,133 (麟太郎)アア… アア… 649 00:43:22,133 --> 00:43:24,135 (ほえる声) アアーッ! 650 00:43:24,135 --> 00:43:26,137 <塾帰りを犬に襲われ・ 651 00:43:26,137 --> 00:43:31,142 下腹部に かみつかれて ひどい傷を負った麟太郎を・ 652 00:43:31,142 --> 00:43:35,146 懸命の手当てで蘇生させ…> 653 00:43:35,146 --> 00:43:40,146 死ぬな! 麟 死ぬな… 死ぬな! 654 00:43:44,155 --> 00:43:48,159 (読経) 655 00:43:48,159 --> 00:43:51,162 <なお 生死の境をさまよう麟太郎を・ 656 00:43:51,162 --> 00:43:58,102 水をかぶって体を冷やしては しっかり抱き締めて 熱を取る> 657 00:43:58,102 --> 00:44:01,105 <それを続けること50日> 658 00:44:01,105 --> 00:44:04,108 (読経) 659 00:44:04,108 --> 00:44:08,112 おい! 頼む 麟を殺さないでくれ 660 00:44:08,112 --> 00:44:11,115 麟を殺さないでくれ (泣き声) 661 00:44:11,115 --> 00:44:17,115 <ついに 本復させた思い出が しみじみと よみがえるのでした> 662 00:44:19,123 --> 00:44:21,125 ンンッ! 663 00:44:21,125 --> 00:44:35,139 ・~ 664 00:44:35,139 --> 00:44:38,142 では いってまいります 665 00:44:38,142 --> 00:44:50,142 ・~ 666 00:44:58,096 --> 00:45:04,102 「俺は駕籠に乗る人間じゃない 担ぐほうの人間だ」 667 00:45:04,102 --> 00:45:07,105 そうおっしゃったことが ありましたね 668 00:45:07,105 --> 00:45:11,109 ああ いつも 人のために尽くして… 669 00:45:11,109 --> 00:45:14,109 それが あなたのご性分なのですね 670 00:45:17,115 --> 00:45:23,121 これからは もう のんびりと 長生きしてくださいまし 671 00:45:23,121 --> 00:45:26,124 そいつは請け合えねえ 672 00:45:26,124 --> 00:45:30,128 請け合っていただきます 673 00:45:30,128 --> 00:45:36,134 麟太郎が世に出るのを 2人で見届けとうございます 674 00:45:36,134 --> 00:45:38,136 そうだな 675 00:45:38,136 --> 00:45:42,140 あいつが雲の上に乗るのを 見届けねえうちは・ 676 00:45:42,140 --> 00:45:46,144 死ねねえな なっ? 677 00:45:46,144 --> 00:45:51,149 ・『新しい静けさ』 678 00:45:51,149 --> 00:46:07,098 ・~ 679 00:46:07,098 --> 00:46:10,101 ・ 何気なく流れる時が 680 00:46:10,101 --> 00:46:14,105 ・ 幾つもの時代を壊し 681 00:46:14,105 --> 00:46:20,111 ・ 新しい静けさ 解き明かす 682 00:46:20,111 --> 00:46:24,115 ・ 有り余る幸せよりも 683 00:46:24,115 --> 00:46:27,118 ・ たどり着かない幸せを 684 00:46:27,118 --> 00:46:31,122 ・ 慎ましく 途切れなく 685 00:46:31,122 --> 00:46:35,126 ・ あなたのそばで感じたい 686 00:46:35,126 --> 00:46:42,133 ・ 何にもない空から 687 00:46:42,133 --> 00:46:49,140 ・ こぼれる雪のように 688 00:46:49,140 --> 00:46:55,146 ・ 何気ない日々の中の 689 00:46:55,146 --> 00:47:02,086 ・ どこかで生まれる 690 00:47:02,086 --> 00:47:09,093 ・ 時には時間の裏側で 691 00:47:09,093 --> 00:47:15,099 ・ 時には愛の真ん中で 692 00:47:15,099 --> 00:47:23,107 ・ Woo… Woo… 693 00:47:23,107 --> 00:47:30,114 ・ 心に光がある限り 694 00:47:30,114 --> 00:47:36,120 ・ やさしい涙がある限り 695 00:47:36,120 --> 00:47:44,120 ・ Woo… Woo…