1 00:00:02,202 --> 00:00:09,776 ♬~ 2 00:00:09,776 --> 00:00:18,118 ♬「言葉足らずの愛を 愛を貴方へ」 3 00:00:18,118 --> 00:00:21,989 ♬「私は決して今を」 4 00:00:21,989 --> 00:00:27,127 ♬「今を憎んではいない」 5 00:00:27,127 --> 00:00:40,140 ♬「命ある日々 静かに誰かを 愛した日々」 6 00:00:40,140 --> 00:00:48,448 ♬「空が晴れたら 愛を、愛を伝えて」 7 00:00:48,448 --> 00:00:52,319 ♬「涙は明日の為」 8 00:00:52,319 --> 00:00:56,990 ♬「新しい花の種」 9 00:00:56,990 --> 00:01:01,395 ♬「空が晴れたら」 10 00:01:01,395 --> 00:01:05,599 ♬「逢いに、 逢いに来て欲しい」 11 00:01:05,599 --> 00:01:15,108 ♬「涙は枯れないわ 明日へと繋がる輪」 12 00:01:16,944 --> 00:01:19,980 (万太郎) わし 飛びっ切りの才があるがよ! 13 00:01:19,980 --> 00:01:26,119 植物が好き。 本が好き。 植物の絵を描くがも好き。 14 00:01:26,119 --> 00:01:31,425 好きゆう才が! この才は わしが峰屋に生まれたきこそ➡ 15 00:01:31,425 --> 00:01:35,796 育ててもろうたもんじゃ。 16 00:01:35,796 --> 00:01:42,569 ほんじゃき わしは…➡ 17 00:01:42,569 --> 00:01:46,306 何者かに なりたいがよ。 18 00:01:46,306 --> 00:02:03,090 ♬~ 19 00:02:03,090 --> 00:02:09,963 (タキ)おまんの言う 植物の道らあ 仕事になるかも分からん。 20 00:02:09,963 --> 00:02:13,266 一生を棒に振るかもしれん。 21 00:02:13,266 --> 00:02:17,771 そのために 生きてえいがかえ? 22 00:02:20,607 --> 00:02:23,110 何ちゃあならんかもしれん。 23 00:02:23,110 --> 00:02:27,280 けんど 呼ばれちゅうがよ。 24 00:02:27,280 --> 00:02:32,619 この日本に どればあの種類の植物があるか。 25 00:02:32,619 --> 00:02:40,127 まだ名前も付けられちゃあせん草花の 本当の素性を明かして➡ 26 00:02:40,127 --> 00:02:43,964 名付け親になりたいがよ。 27 00:02:43,964 --> 00:03:02,916 ♬~ 28 00:03:02,916 --> 00:03:07,587 高知におったら 守っちゃれる。 29 00:03:07,587 --> 00:03:13,293 わしの目が黒いうちは 不自由させん。 30 00:03:16,096 --> 00:03:21,268 けんど 行くがか? 31 00:03:21,268 --> 00:03:25,138 峰屋を捨てて。 32 00:03:25,138 --> 00:03:28,141 はい。 33 00:03:28,141 --> 00:03:32,145 おばあちゃん ごめんなさい。 34 00:03:35,415 --> 00:03:40,620 けんど わしは…➡ 35 00:03:40,620 --> 00:03:46,126 槙野万太郎は…➡ 36 00:03:46,126 --> 00:03:49,429 おばあちゃんの孫と生まれて…➡ 37 00:03:49,429 --> 00:03:56,303 ホンマに… ホンマに➡ 38 00:03:56,303 --> 00:03:59,005 幸せでした! 39 00:04:07,748 --> 00:04:13,253 わしは 許さんぞね。 40 00:04:13,253 --> 00:04:21,762 わしは 決して おまんを許さんぞね。 41 00:04:21,762 --> 00:04:25,265 許さんぞね…。 42 00:04:25,265 --> 00:05:04,905 ♬~ 43 00:05:04,905 --> 00:05:08,575  回想 (ヒサ)お母ちゃんが一番好きな花。 44 00:05:08,575 --> 00:05:36,269 ♬~ 45 00:05:36,269 --> 00:05:40,106 おばあちゃん…。 46 00:05:40,106 --> 00:05:43,143 おばあちゃん…。 47 00:05:43,143 --> 00:05:57,958 ♬~ 48 00:05:57,958 --> 00:06:03,763 そうして 今年も また峰屋に 秋がやって来ました。 49 00:06:03,763 --> 00:06:09,903 (寅松)大奥様 今年も参りました。 ああ よろしゅう頼む。 50 00:06:09,903 --> 00:06:13,573 みんなあ 元気かえ? (一同)はい! 51 00:06:13,573 --> 00:06:19,913 今年は 幸吉が所帯持ちとなりました。 (幸吉)ますます気張らせていただきます。 52 00:06:19,913 --> 00:06:24,751 (綾)幸吉 おめでとう。 これからも よろしゅうね。 53 00:06:24,751 --> 00:06:27,254 はい。 54 00:06:27,254 --> 00:06:32,125 (竹雄)若 そろそろ切り上げませんと。 ああ もうちっと…。 55 00:06:32,125 --> 00:06:38,398 土佐の植物目録は 何としてでも完成させたいき。 56 00:06:38,398 --> 00:06:40,400 うん? 57 00:06:42,936 --> 00:06:48,441 これ… ちっと変わっちょりませんか? えっ? どれ? 58 00:06:51,611 --> 00:06:56,483 あ~ これは ツクバネソウじゃけんど➡ 59 00:06:56,483 --> 00:06:58,952 葉の上に 実が出来ちゅうのう。 60 00:06:58,952 --> 00:07:01,554 こりゃ まだ標本にしちゃあせん。 61 00:07:01,554 --> 00:07:04,057 おおっ! 62 00:07:04,057 --> 00:07:07,560 竹雄…。 若! 63 00:07:07,560 --> 00:07:10,363 わし やりましたき! 64 00:07:10,363 --> 00:07:12,866 褒めて えいですよ。 65 00:07:21,107 --> 00:07:23,243 かわいい…。 66 00:07:23,243 --> 00:07:25,178 若 行きましょう! 時間ですき。 67 00:07:25,178 --> 00:07:27,247 もうちょい…。 若 行きましょう! 68 00:07:27,247 --> 00:07:29,749 いや… あ… 竹雄! 69 00:07:39,092 --> 00:07:43,596 (市蔵)ほんなら 今年の酒造りも うもういくよう➡ 70 00:07:43,596 --> 00:07:47,300 ご祈とういただきます。 はあ…。 71 00:07:56,776 --> 00:08:02,215 皆の衆 集まってもろうて ありがとう。 72 00:08:02,215 --> 00:08:07,721 今年の仕込みを始めるにあたり みんなあに話がある。 73 00:08:09,356 --> 00:08:16,129 わしは 春になったら 峰屋を出ていく。 74 00:08:16,129 --> 00:08:18,732 (市蔵)えっ!? (伸治)えっ?(豊治)はあ? 75 00:08:18,732 --> 00:08:22,068 東京に行きますき。 (一同)東京!? 76 00:08:22,068 --> 00:08:26,740 そりゃあ 東京に 峰屋の出店を作るゆうことですろうか? 77 00:08:26,740 --> 00:08:31,578 いや… 植物学の道に 進みますき。 78 00:08:31,578 --> 00:08:34,247 何じゃ? それ。 何…? 植物学…? 79 00:08:34,247 --> 00:08:37,250 植物学の道ゆうがは 何じゃ? 80 00:08:37,250 --> 00:08:42,389 わしが出たあと 峰屋のことは 全て➡ 81 00:08:42,389 --> 00:08:45,759 姉ちゃんに任せますき。 82 00:08:45,759 --> 00:08:49,095 あ… ま ま 待ちや。 (紀平)ちょ… 待ちやあ! 83 00:08:49,095 --> 00:08:54,401 こんな若い女が 蔵元になって 腐造を出したら どうするがじゃ!? 84 00:08:54,401 --> 00:08:57,303 女は 汚れちゅうきのう! 85 00:08:57,303 --> 00:09:00,874 当主は 草の道に進むと言いゆう! 86 00:09:00,874 --> 00:09:05,545 あげく 蔵元を女に任せると言いゆう! 87 00:09:05,545 --> 00:09:09,716 何 考えちゅうがじゃ! そんなところに 道らあ ない! 88 00:09:09,716 --> 00:09:12,352 道がのうても 進むがじゃ。 89 00:09:12,352 --> 00:09:15,054 わしらが道をつくりますき。 90 00:09:18,158 --> 00:09:22,996 綾! 腐造を出したら おまんのせいじゃぞ! 91 00:09:22,996 --> 00:09:26,699 おい! 何とか 言え! 92 00:09:29,369 --> 00:09:33,173 私は…。 93 00:09:35,074 --> 00:09:39,746 大変なことやとは 重々 分かっちょります。 94 00:09:39,746 --> 00:09:46,252 けんど… 正直…➡ 95 00:09:46,252 --> 00:09:49,456 涙が出るほど うれしゅうございます。 96 00:09:58,598 --> 00:10:09,109 幼い頃 蔵に入った日から 私は酒造りに みいられてしまいました。 97 00:10:11,111 --> 00:10:19,285 酒造りに触れてみとうて 憧れ続けてまいりました。 98 00:10:19,285 --> 00:10:27,994 男の身で生まれてきたらよかったと 何べんも自分を恨みました。 99 00:10:27,994 --> 00:10:35,135 「女は 汚れちゅうき 入ったらいかん」 と言われたち➡ 100 00:10:35,135 --> 00:10:38,338 自分じゃ どうしようもないことで…。 101 00:10:39,973 --> 00:10:44,777 何でじゃろうって ずっと苦しかった。 102 00:10:46,646 --> 00:10:49,682 この世に 男と女がおって➡ 103 00:10:49,682 --> 00:10:54,988 どういて女ばっかりが そう言われんと いかんがじゃろうと! 104 00:10:54,988 --> 00:11:03,296 この先 未来永劫 「女は汚れちゅう」と言われ続けるがか? 105 00:11:04,797 --> 00:11:10,103 「立ち入ったらいかん」と 言われ続けるがか? 106 00:11:10,103 --> 00:11:19,112 けんど 万太郎は このままの私に任せると 言うてくれました。 107 00:11:19,112 --> 00:11:22,615 大好きな酒造りに近づいても えいと。 108 00:11:25,418 --> 00:11:30,256 ほんなら 私は 思う存分 働きたい! 109 00:11:30,256 --> 00:11:34,460 峰屋のために働きたいがです! 110 00:11:37,797 --> 00:11:46,306 私の願いは 峰屋で うまい酒を造り 店を もっと大きゅうすること。 111 00:11:47,974 --> 00:11:51,010 そのために 力を尽くしますき。 112 00:11:51,010 --> 00:11:56,516 皆の衆 どうか よろしゅうお願いいたします! 113 00:12:04,924 --> 00:12:10,730 (たま) 綾様! 私は 綾様についていきますき! 114 00:12:12,398 --> 00:12:18,938 (ふじ)綾様の酒好きは よう分かっちょりますき! 115 00:12:18,938 --> 00:12:22,809 (市蔵)わしらを大切にしてくださり➡ 116 00:12:22,809 --> 00:12:26,813 峰屋のために 身を粉にして働いてくださる! 117 00:12:26,813 --> 00:12:30,116 何の不満が ありますろう? 118 00:12:30,116 --> 00:12:35,622 綾様は 若旦那より よっぽど働き者ですきね! 119 00:12:35,622 --> 00:12:37,657 (笑い声) 120 00:12:37,657 --> 00:12:43,796 ほうじゃ! わしの 自慢の姉様じゃ。 121 00:12:43,796 --> 00:12:47,667 (寅松)綾様。 122 00:12:47,667 --> 00:12:52,138 蔵人一同に代わり 申し上げます。 123 00:12:52,138 --> 00:12:56,976 今後とも どうぞ よろしゅうお願いいたします! 124 00:12:56,976 --> 00:13:00,013 (蔵人たち)よろしゅうお願いいたします! 125 00:13:00,013 --> 00:13:06,319 (市蔵)峰屋の衆も もちろん…。 (一同)よろしゅうお頼申します! 126 00:13:10,523 --> 00:13:13,526 よろしゅうお願いいたします! 127 00:13:15,461 --> 00:13:18,264 (豊治)ばあ様…。 128 00:13:18,264 --> 00:13:35,114 ♬~ 129 00:13:35,114 --> 00:13:42,422 年が明け 万太郎の土佐植物目録作りは 佳境を迎えていました。 130 00:13:42,422 --> 00:13:50,296 この半年 万太郎は 竹雄と共に 精力的に土佐を歩き回ってきたのです。 131 00:13:50,296 --> 00:13:55,435 万太郎の旅立ちが いよいよ 近づいていました。 132 00:13:55,435 --> 00:13:58,337 あ~ だいぶ 分からんもんじゃのう。 133 00:13:58,337 --> 00:14:03,242 名前が分からんもんは 東京で調べたらえいでしょう。 134 00:14:03,242 --> 00:14:06,579 おっ… これ 乾いちょります。 135 00:14:06,579 --> 00:14:08,514 標本に できますよ。 136 00:14:08,514 --> 00:14:10,516 はい。 137 00:14:13,252 --> 00:14:20,927 標本が出来たら 土佐の植物目録も うん… 完成じゃのう。 138 00:14:20,927 --> 00:14:26,399 ええ ついに。 139 00:14:26,399 --> 00:14:30,103 ほんなら の…。 140 00:14:33,172 --> 00:14:37,410 竹雄。 うん? 141 00:14:37,410 --> 00:14:40,713 今まで ありがとう。 142 00:14:42,949 --> 00:14:44,884 えっ…。 143 00:14:44,884 --> 00:14:47,687 お別れじゃのう。