1 00:00:02,202 --> 00:00:05,405 ♬~ 2 00:00:05,405 --> 00:00:09,776 ♬~ 3 00:00:09,776 --> 00:00:18,118 ♬「言葉足らずの愛を 愛を貴方へ」 4 00:00:18,118 --> 00:00:21,989 ♬「私は決して今を」 5 00:00:21,989 --> 00:00:27,628 ♬「今を憎んではいない」 6 00:00:27,628 --> 00:00:40,140 ♬「命ある日々 静かに誰かを 愛した日々」 7 00:00:40,140 --> 00:00:48,448 ♬「空が晴れたら 愛を、愛を伝えて」 8 00:00:48,448 --> 00:00:52,319 ♬「涙は明日の為」 9 00:00:52,319 --> 00:00:57,157 ♬「新しい花の種」 10 00:00:57,157 --> 00:01:01,395 ♬「空が晴れたら」 11 00:01:01,395 --> 00:01:05,599 ♬「逢いに、 逢いに来て欲しい」 12 00:01:05,599 --> 00:01:15,108 ♬「涙は枯れないわ 明日へと繋がる輪」 13 00:01:20,614 --> 00:01:23,951 (万太郎) こちらは「日本植物学雑誌」に掲載したく➡ 14 00:01:23,951 --> 00:01:26,753 執筆いたしました。 15 00:01:29,823 --> 00:01:32,626 そして…➡ 16 00:01:32,626 --> 00:01:38,432 こちらは 紀州熊野 神社の森のfloraです。 17 00:01:38,432 --> 00:01:42,736 伐採で これだけの植物が 失われようとしています。 18 00:01:45,973 --> 00:01:50,444 (徳永)それで? どうしろと? 19 00:01:50,444 --> 00:01:53,981 この教室の立場は 説明したはずだ。 20 00:01:53,981 --> 00:01:56,883 南方は 暴行で収監された。 21 00:01:56,883 --> 00:02:01,388 お前にも はっきり禁じた! 南方さんには➡ 22 00:02:01,388 --> 00:02:05,092 お会いしていません。 23 00:02:05,092 --> 00:02:07,995 大学の身分がありました。 24 00:02:07,995 --> 00:02:13,300 南方さんには 一切 お目にかからず帰ってきました。 25 00:02:15,736 --> 00:02:22,509 だが お前が これを発刊するなら 世間の目に どう映るか…。 26 00:02:22,509 --> 00:02:27,347 言ったはずだ。 もうかばえないと。 27 00:02:27,347 --> 00:02:30,283 はい。 28 00:02:30,283 --> 00:02:34,788 槙野 残念だが 今学期限りで…。 29 00:02:34,788 --> 00:02:36,790 教授。 30 00:02:42,295 --> 00:02:47,801 これまで 大変お世話になりました。 31 00:02:51,805 --> 00:02:55,976 このツチトリモチがいた森は➡ 32 00:02:55,976 --> 00:03:00,147 年明けには 伐採が始まります。 33 00:03:00,147 --> 00:03:08,255 私は 明日以降 「日本植物志図譜」と そして 紀州熊野のfloraを➡ 34 00:03:08,255 --> 00:03:11,091 各所に 送り始めます。 35 00:03:11,091 --> 00:03:19,599 これは 大学には 関わりはありません。 私一人の行動です。 36 00:03:23,804 --> 00:03:32,012 教授 私の勝手を お許しください。 37 00:03:33,947 --> 00:03:35,982 本当に いいのか? 38 00:03:35,982 --> 00:03:39,119 合祀令から 目を背ければいい。 39 00:03:39,119 --> 00:03:42,622 植物学者として働きたいなら 今は満州がある! 40 00:03:42,622 --> 00:03:46,126 大陸の大地が…! 私は…➡ 41 00:03:46,126 --> 00:03:48,628 もう決めました。 42 00:03:50,997 --> 00:03:57,137 大変 お世話になりました。 43 00:03:57,137 --> 00:04:03,643 私に 声をかけていただき ありがとうございました。 44 00:04:05,846 --> 00:04:12,652 このご恩は 一生忘れません。 45 00:04:18,759 --> 00:04:29,102 「この雪の 消残る時に いざ行かな」…。 46 00:04:29,102 --> 00:04:36,409 「山橘の 実の照るも見む」。 47 00:04:36,409 --> 00:04:47,154 ♬~ 48 00:04:47,154 --> 00:04:49,956 よく描けている。 49 00:04:49,956 --> 00:04:53,426 こんな植物画…➡ 50 00:04:53,426 --> 00:04:56,630 お前だけだ。 51 00:04:56,630 --> 00:05:46,780 ♬~ 52 00:05:46,780 --> 00:05:50,951  回想 (田邊)Mr.MAKINO.➡ 53 00:05:50,951 --> 00:05:53,420 君を歓迎する。 54 00:05:53,420 --> 00:05:55,355 きょ… 教授! 55 00:05:55,355 --> 00:05:58,124 (3人)目次は 出来た~! 56 00:05:58,124 --> 00:06:02,362 (大窪)植物学雑誌の新刊です。 (藤丸)おお~!(波多野)ハハハ…。 57 00:06:02,362 --> 00:06:04,898 (大窪)この図と説明から 違いを 探せば…! 58 00:06:04,898 --> 00:06:07,234 うお~! うおお~! 59 00:06:07,234 --> 00:06:09,903 (波多野)野宮さんが 見つけたんだ! 60 00:06:09,903 --> 00:06:14,374 おめでとうございます! (波多野 野宮)ありがとう! 61 00:06:14,374 --> 00:06:34,861 ♬~ 62 00:06:42,102 --> 00:06:45,972 槙野さん。 いらして よかった。 お客様ですよ。 63 00:06:45,972 --> 00:06:49,976 わしに? 来年度から工科大学に着任される➡ 64 00:06:49,976 --> 00:06:52,779 広瀬教授です。 65 00:06:56,416 --> 00:06:58,418 (佑一郎)万太郎。 66 00:07:00,120 --> 00:07:03,089 そうか… 大学を去るがか。 67 00:07:03,089 --> 00:07:08,728 ああ。 せっかく 佑一郎君と 一緒の場所に 通えるところじゃったけんど。 68 00:07:08,728 --> 00:07:13,233 えいき。 おまんが 自分で出した答えながじゃろう。 69 00:07:13,233 --> 00:07:20,106 わしは ただの植物学者でありたい。 70 00:07:20,106 --> 00:07:22,742 フフッ…。 うん? 71 00:07:22,742 --> 00:07:27,914 いや… 似いちゅうのう思うて。 72 00:07:27,914 --> 00:07:32,585 わしも さっき それを言うてきた。 えっ? 73 00:07:32,585 --> 00:07:36,089 これから着任する挨拶に 行ったがじゃけんど➡ 74 00:07:36,089 --> 00:07:41,261 工科大学側は 派閥が うるさそうでのう。 75 00:07:41,261 --> 00:07:44,597 ホンマは 派閥の人間を増やしたいところを➡ 76 00:07:44,597 --> 00:07:49,402 何ちゃあ関わりもない わしが 北海道から呼ばれたじゃろう?うん。 77 00:07:49,402 --> 00:07:54,941 「今から食事を」だの もう 煩うて 全部断ってきてしもうた。 78 00:07:54,941 --> 00:07:58,611 あ… そりゃ 面倒くさいのう。 79 00:07:58,611 --> 00:08:05,885 いや~ 佑一郎君は 小樽の港も防波堤も 完成させたき 呼ばれたがじゃに。 80 00:08:05,885 --> 00:08:11,691 あの工事も 戦争のせいで あおりを食ろうてのう。 81 00:08:11,691 --> 00:08:16,596 途中から 予算を大幅に減らされてしもうたき。 82 00:08:16,596 --> 00:08:20,367 けんど 途中でやめるわけには いかんじゃろう? 83 00:08:20,367 --> 00:08:26,172 ああ。 それでのうても 小樽は 11月から4月まで➡ 84 00:08:26,172 --> 00:08:29,075 海が氷に閉ざされる。 85 00:08:29,075 --> 00:08:33,580 予算が減らされたら工期も延びる。 86 00:08:35,248 --> 00:08:40,387 ほんで 思い出したがじゃ。 87 00:08:40,387 --> 00:08:43,757 アメリカで 読んだ文献。 88 00:08:43,757 --> 00:08:50,096 ドイツの学者が海中工事に使うセメントに 火山灰を混ぜて➡ 89 00:08:50,096 --> 00:08:52,399 コンクリートブロックを作ったゆうて。 90 00:08:52,399 --> 00:08:55,935 火山灰? 北海道にも 火山灰は多いき。 91 00:08:55,935 --> 00:09:01,207 予算と工期を考えたら それしか手はないき。 92 00:09:01,207 --> 00:09:03,710 ほんじゃき 自分でも実験して➡ 93 00:09:03,710 --> 00:09:07,347 かえって海中での耐久性が上がることを 証明したがじゃ。 94 00:09:07,347 --> 00:09:09,716 フフ…。 95 00:09:09,716 --> 00:09:13,553 いや~ さすがじゃのう 佑一郎君は。 96 00:09:13,553 --> 00:09:19,359 港も防波堤も完成させたき。 いや~ すごいのう。 97 00:09:19,359 --> 00:09:27,100 それもこれも 普請場の皆が 一生懸命 支えてくれたき。 98 00:09:27,100 --> 00:09:30,103 なんぼ大学教授ゆうても➡ 99 00:09:30,103 --> 00:09:33,940 わしらの仕事は 教授室では できん。 100 00:09:33,940 --> 00:09:41,247 普請場に出て 工事の施工に立ち会い 完成させることが使命じゃ。 101 00:09:41,247 --> 00:09:50,957 派閥じゃ何じゃと争うより わしは ただのエンジニアでありたいき。 102 00:09:50,957 --> 00:09:53,593 うん。 103 00:09:53,593 --> 00:09:56,396 フッ…。 104 00:10:02,602 --> 00:10:07,941 これから着任するまでは 満州に行ってくるき。満州? 105 00:10:07,941 --> 00:10:13,112 満鉄に頼まれて 大連や旅順の港を 視察してくるき。 106 00:10:13,112 --> 00:10:15,615 あ… そうか。 107 00:10:15,615 --> 00:10:19,119 佑一郎君も 行くがか。 108 00:10:19,119 --> 00:10:23,790 くれぐれも 体には気を付けて。 109 00:10:23,790 --> 00:10:27,427 わしは こっちじゃ。 110 00:10:27,427 --> 00:10:30,330 わしは こっちじゃ。 111 00:10:30,330 --> 00:10:35,969 のう 佑一郎君 わしらは 別の道を行くけんど➡ 112 00:10:35,969 --> 00:10:41,140 目指す場所は おんなじじゃろうか? 113 00:10:41,140 --> 00:10:44,811 ああ。 わしも そう思いよった。 114 00:10:44,811 --> 00:10:51,117 わしらは あの仁淀川から ずっと並んで走りゆうきのう。 115 00:10:54,154 --> 00:10:58,825 ほんならのう。 万太郎。 116 00:10:58,825 --> 00:11:02,262 ほんなら。 佑一郎君。 117 00:11:02,262 --> 00:11:21,948 ♬~ 118 00:11:21,948 --> 00:11:26,819 (野宮)槙野さん すごいな…。➡ 119 00:11:26,819 --> 00:11:31,291 生きてるみたいだ。 120 00:11:31,291 --> 00:11:37,797 年が明けると ついに合祀令の反対運動は 世論を動かし➡ 121 00:11:37,797 --> 00:11:43,803 神社の森の一部は 保全されることになりました。 122 00:11:45,672 --> 00:11:50,810 そして 明治という時代の終わり…。 123 00:11:50,810 --> 00:11:54,447 (寿恵子)うん。 いいわ。 124 00:11:54,447 --> 00:11:58,651 (千歳)ありがとう お母ちゃん。 125 00:11:58,651 --> 00:12:44,631 ♬~ 126 00:12:44,631 --> 00:12:47,133 (千鶴)お姉ちゃん きれい! 127 00:12:47,133 --> 00:12:49,636 うん。 128 00:12:49,636 --> 00:12:53,973 (虎鉄)先生… いけません。 うん? 129 00:12:53,973 --> 00:12:58,311 やっぱり ちぃちゃんには もっと若うて ふさわしい人が…! 130 00:12:58,311 --> 00:13:02,749 虎鉄にい まだ そんなこと言ってんの? 131 00:13:02,749 --> 00:13:08,054 私が 虎鉄にいの お嫁さんになりたいのに? 132 00:13:11,391 --> 00:13:15,094 うん。 あ…。 133 00:13:20,400 --> 00:13:22,335 はい。 134 00:13:22,335 --> 00:13:26,105 これ…。ちぃちゃんに。 でも 私…。 135 00:13:26,105 --> 00:13:30,943 知っちゅうき。 ちぃちゃんが 花は要らんゆうことは。 136 00:13:30,943 --> 00:13:36,749 それでも 花を見たら 笑いゆうことも。 137 00:13:40,653 --> 00:13:44,490 千歳 今日まで ありがとう。 138 00:13:44,490 --> 00:13:48,961 お父ちゃん? それは 私が言うことでしょ? 139 00:13:48,961 --> 00:13:55,735 いや… ここまで 健やかに生きてくれて。 140 00:13:55,735 --> 00:13:59,138 千歳が生まれた時は…➡ 141 00:13:59,138 --> 00:14:06,245 はあ… ただ 生きてくれ 生きてくれ ゆうて。 142 00:14:06,245 --> 00:14:12,051 「千歳」と名付けるだけで 精いっぱいじゃった。 143 00:14:12,051 --> 00:14:17,390 それが 一番の贈り物です。 144 00:14:17,390 --> 00:14:23,196 名付けてくださって ありがとう お父ちゃん。 145 00:14:33,973 --> 00:14:36,275 うん いいですね。 146 00:14:36,275 --> 00:14:38,778 はい。 じゃ 動かないでくださいね。 147 00:14:38,778 --> 00:14:40,713 いきますよ。 148 00:14:40,713 --> 00:14:42,949 (シャッター音) 149 00:14:42,949 --> 00:14:55,161 ♬~