0 00:00:02,202 --> 00:00:09,776 ♬~ 1 00:00:09,776 --> 00:00:18,118 ♬「言葉足らずの愛を 愛を貴方へ」 2 00:00:18,118 --> 00:00:21,988 ♬「私は決して今を」 3 00:00:21,988 --> 00:00:27,627 ♬「今を憎んではいない」 4 00:00:27,627 --> 00:00:40,140 ♬「命ある日々 静かに誰かを 愛した日々」 5 00:00:40,140 --> 00:00:48,448 ♬「空が晴れたら 愛を、愛を伝えて」 6 00:00:48,448 --> 00:00:52,318 ♬「涙は明日の為」 7 00:00:52,318 --> 00:00:57,157 ♬「新しい花の種」 8 00:00:57,157 --> 00:01:01,394 ♬「空が晴れたら」 9 00:01:01,394 --> 00:01:05,598 ♬「逢いに、 逢いに来て欲しい」 10 00:01:05,598 --> 00:01:15,075 ♬「涙は枯れないわ 明日へと繋がる輪」 11 00:01:20,613 --> 00:01:23,950 (万太郎) こちらは「日本植物学雑誌」に掲載したく➡ 12 00:01:23,950 --> 00:01:26,753 執筆いたしました。 13 00:01:29,823 --> 00:01:32,625 そして…➡ 14 00:01:32,625 --> 00:01:38,431 こちらは 紀州熊野 神社の森のfloraです。 15 00:01:38,431 --> 00:01:42,735 伐採で これだけの植物が 失われようとしています。 16 00:01:45,972 --> 00:01:50,443 (徳永)それで? どうしろと? 17 00:01:50,443 --> 00:01:53,980 この教室の立場は 説明したはずだ。 18 00:01:53,980 --> 00:01:56,883 南方は 暴行で収監された。 19 00:01:56,883 --> 00:02:01,387 お前にも はっきり禁じた! 南方さんには➡ 20 00:02:01,387 --> 00:02:05,091 お会いしていません。 21 00:02:05,091 --> 00:02:07,994 大学の身分がありました。 22 00:02:07,994 --> 00:02:13,266 南方さんには 一切 お目にかからず帰ってきました。 23 00:02:15,735 --> 00:02:22,509 だが お前が これを発刊するなら 世間の目に どう映るか…。 24 00:02:22,509 --> 00:02:27,347 言ったはずだ。 もうかばえないと。 25 00:02:27,347 --> 00:02:30,283 はい。 26 00:02:30,283 --> 00:02:34,787 槙野 残念だが 今学期限りで…。 27 00:02:34,787 --> 00:02:36,789 教授。 28 00:02:42,295 --> 00:02:47,767 これまで 大変お世話になりました。 29 00:02:51,804 --> 00:02:55,975 このツチトリモチがいた森は➡ 30 00:02:55,975 --> 00:03:00,146 年明けには 伐採が始まります。 31 00:03:00,146 --> 00:03:08,254 私は 明日以降 「日本植物志図譜」と そして 紀州熊野のfloraを➡ 32 00:03:08,254 --> 00:03:11,090 各所に 送り始めます。 33 00:03:11,090 --> 00:03:19,566 これは 大学には 関わりはありません。 私一人の行動です。 34 00:03:23,803 --> 00:03:31,978 教授 私の勝手を お許しください。 35 00:03:33,947 --> 00:03:35,982 本当に いいのか? 36 00:03:35,982 --> 00:03:39,118 合祀令から 目を背ければいい。 37 00:03:39,118 --> 00:03:42,622 植物学者として働きたいなら 今は満州がある! 38 00:03:42,622 --> 00:03:46,125 大陸の大地が…! 私は…➡ 39 00:03:46,125 --> 00:03:48,628 もう決めました。 40 00:03:50,997 --> 00:03:57,136 大変 お世話になりました。 41 00:03:57,136 --> 00:04:03,610 私に 声をかけていただき ありがとうございました。 42 00:04:05,845 --> 00:04:12,619 このご恩は 一生忘れません。 43 00:04:18,758 --> 00:04:29,102 「この雪の 消残る時に いざ行かな」…。 44 00:04:29,102 --> 00:04:36,409 「山橘の 実の照るも見む」。 45 00:04:36,409 --> 00:04:47,153 ♬~ 46 00:04:47,153 --> 00:04:49,956 よく描けている。 47 00:04:49,956 --> 00:04:53,426 こんな植物画…➡ 48 00:04:53,426 --> 00:04:56,629 お前だけだ。 49 00:04:56,629 --> 00:05:46,779 ♬~ 50 00:05:46,779 --> 00:05:50,950 回想 (田邊)Mr.MAKINO.➡ 51 00:05:50,950 --> 00:05:53,419 君を歓迎する。 52 00:05:53,419 --> 00:05:55,355 きょ… 教授! 53 00:05:55,355 --> 00:05:58,124 (3人)目次は 出来た~! 54 00:05:58,124 --> 00:06:02,362 (大窪)植物学雑誌の新刊です。 (藤丸)おお~! (波多野)ハハハ…。 55 00:06:02,362 --> 00:06:04,897 (大窪)この図と説明から 違いを 探せば…! 56 00:06:04,897 --> 00:06:07,233 うお~! うおお~! 57 00:06:07,233 --> 00:06:09,902 (波多野)野宮さんが 見つけたんだ! 58 00:06:09,902 --> 00:06:14,374 おめでとうございます! (波多野 野宮)ありがとう! 59 00:06:14,374 --> 00:06:34,861 ♬~ 60 00:06:42,101 --> 00:06:45,972 槙野さん。 いらして よかった。 お客様ですよ。 61 00:06:45,972 --> 00:06:49,976 わしに? 来年度から工科大学に着任される➡ 62 00:06:49,976 --> 00:06:52,779 広瀬教授です。 63 00:06:56,416 --> 00:06:58,418 (佑一郎)万太郎。 64 00:07:00,119 --> 00:07:03,089 そうか… 大学を去るがか。 65 00:07:03,089 --> 00:07:08,728 ああ。 せっかく 佑一郎君と 一緒の場所に 通えるところじゃったけんど。 66 00:07:08,728 --> 00:07:13,232 えいき。 おまんが 自分で出した答えながじゃろう。 67 00:07:13,232 --> 00:07:20,106 わしは ただの植物学者でありたい。 68 00:07:20,106 --> 00:07:22,742 フフッ…。 うん? 69 00:07:22,742 --> 00:07:27,914 いや… 似いちゅうのう思うて。 70 00:07:27,914 --> 00:07:32,585 わしも さっき それを言うてきた。 えっ? 71 00:07:32,585 --> 00:07:36,088 これから着任する挨拶に 行ったがじゃけんど➡ 72 00:07:36,088 --> 00:07:41,260 工科大学側は 派閥が うるさそうでのう。 73 00:07:41,260 --> 00:07:44,597 ホンマは 派閥の人間を増やしたいところを➡ 74 00:07:44,597 --> 00:07:49,402 何ちゃあ関わりもない わしが 北海道から呼ばれたじゃろう? うん。 75 00:07:49,402 --> 00:07:54,941 「今から食事を」だの もう 煩うて 全部断ってきてしもうた。 76 00:07:54,941 --> 00:07:58,611 あ… そりゃ 面倒くさいのう。 77 00:07:58,611 --> 00:08:05,885 いや~ 佑一郎君は 小樽の港も防波堤も 完成させたき 呼ばれたがじゃに。 78 00:08:05,885 --> 00:08:11,691 あの工事も 戦争のせいで あおりを食ろうてのう。 79 00:08:11,691 --> 00:08:16,596 途中から 予算を大幅に減らされてしもうたき。 80 00:08:16,596 --> 00:08:20,366 けんど 途中でやめるわけには いかんじゃろう? 81 00:08:20,366 --> 00:08:26,172 ああ。 それでのうても 小樽は 11月から4月まで➡ 82 00:08:26,172 --> 00:08:29,075 海が氷に閉ざされる。 83 00:08:29,075 --> 00:08:33,579 予算が減らされたら工期も延びる。 84 00:08:35,248 --> 00:08:40,386 ほんで 思い出したがじゃ。 85 00:08:40,386 --> 00:08:43,756 アメリカで 読んだ文献。 86 00:08:43,756 --> 00:08:50,096 ドイツの学者が海中工事に使うセメントに 火山灰を混ぜて➡ 87 00:08:50,096 --> 00:08:52,398 コンクリートブロックを作ったゆうて。 88 00:08:52,398 --> 00:08:55,935 火山灰? 北海道にも 火山灰は多いき。 89 00:08:55,935 --> 00:09:01,207 予算と工期を考えたら それしか手はないき。 90 00:09:01,207 --> 00:09:03,709 ほんじゃき 自分でも実験して➡ 91 00:09:03,709 --> 00:09:07,346 かえって海中での耐久性が上がることを 証明したがじゃ。 92 00:09:07,346 --> 00:09:09,715 フフ…。 93 00:09:09,715 --> 00:09:13,553 いや~ さすがじゃのう 佑一郎君は。 94 00:09:13,553 --> 00:09:19,358 港も防波堤も完成させたき。 いや~ すごいのう。 95 00:09:19,358 --> 00:09:27,099 それもこれも 普請場の皆が 一生懸命 支えてくれたき。 96 00:09:27,099 --> 00:09:30,102 なんぼ大学教授ゆうても➡ 97 00:09:30,102 --> 00:09:33,940 わしらの仕事は 教授室では できん。 98 00:09:33,940 --> 00:09:41,247 普請場に出て 工事の施工に立ち会い 完成させることが使命じゃ。 99 00:09:41,247 --> 00:09:50,957 派閥じゃ何じゃと争うより わしは ただのエンジニアでありたいき。 100 00:09:50,957 --> 00:09:53,593 うん。 101 00:09:53,593 --> 00:09:56,395 フッ…。 102 00:10:02,602 --> 00:10:07,940 これから着任するまでは 満州に行ってくるき。 満州? 103 00:10:07,940 --> 00:10:13,112 満鉄に頼まれて 大連や旅順の港を 視察してくるき。 104 00:10:13,112 --> 00:10:15,615 あ… そうか。 105 00:10:15,615 --> 00:10:19,118 佑一郎君も 行くがか。 106 00:10:19,118 --> 00:10:23,789 くれぐれも 体には気を付けて。 107 00:10:23,789 --> 00:10:30,329 わしは こっちじゃ。 108 00:10:30,329 --> 00:10:35,968 のう 佑一郎君 わしらは 別の道を行くけんど➡ 109 00:10:35,968 --> 00:10:41,140 目指す場所は おんなじじゃろうか? 110 00:10:41,140 --> 00:10:44,810 ああ。 わしも そう思いよった。 111 00:10:44,810 --> 00:10:51,083 わしらは あの仁淀川から ずっと並んで走りゆうきのう。 112 00:10:54,153 --> 00:10:58,824 ほんならのう。 万太郎。 113 00:10:58,824 --> 00:11:02,261 ほんなら。 佑一郎君。 114 00:11:02,261 --> 00:11:21,947 ♬~ 115 00:11:21,947 --> 00:11:26,819 (野宮)槙野さん すごいな…。➡ 116 00:11:26,819 --> 00:11:31,290 生きてるみたいだ。 117 00:11:31,290 --> 00:11:37,797 年が明けると ついに合祀令の反対運動は 世論を動かし➡ 118 00:11:37,797 --> 00:11:43,769 神社の森の一部は 保全されることになりました。 119 00:11:45,671 --> 00:11:50,810 そして 明治という時代の終わり…。 120 00:11:50,810 --> 00:11:54,447 (寿恵子)うん。 いいわ。 121 00:11:54,447 --> 00:11:58,651 (千歳)ありがとう お母ちゃん。 122 00:11:58,651 --> 00:12:44,630 ♬~ 123 00:12:44,630 --> 00:12:47,133 (千鶴)お姉ちゃん きれい! 124 00:12:47,133 --> 00:12:49,635 うん。 125 00:12:49,635 --> 00:12:53,973 (虎鉄)先生… いけません。 うん? 126 00:12:53,973 --> 00:12:58,310 やっぱり ちぃちゃんには もっと若うて ふさわしい人が…! 127 00:12:58,310 --> 00:13:02,748 虎鉄にい まだ そんなこと言ってんの? 128 00:13:02,748 --> 00:13:08,020 私が 虎鉄にいの お嫁さんになりたいのに? 129 00:13:11,390 --> 00:13:15,094 うん。 あ…。 130 00:13:20,399 --> 00:13:22,334 はい。 131 00:13:22,334 --> 00:13:26,105 これ…。 ちぃちゃんに。 でも 私…。 132 00:13:26,105 --> 00:13:30,943 知っちゅうき。 ちぃちゃんが 花は要らんゆうことは。 133 00:13:30,943 --> 00:13:36,715 それでも 花を見たら 笑いゆうことも。 134 00:13:40,653 --> 00:13:44,490 千歳 今日まで ありがとう。 135 00:13:44,490 --> 00:13:48,961 お父ちゃん? それは 私が言うことでしょ? 136 00:13:48,961 --> 00:13:55,734 いや… ここまで 健やかに生きてくれて。 137 00:13:55,734 --> 00:13:59,138 千歳が生まれた時は…➡ 138 00:13:59,138 --> 00:14:06,245 はあ… ただ 生きてくれ 生きてくれ ゆうて。 139 00:14:06,245 --> 00:14:12,051 「千歳」と名付けるだけで 精いっぱいじゃった。 140 00:14:12,051 --> 00:14:17,389 それが 一番の贈り物です。 141 00:14:17,389 --> 00:14:23,162 名付けてくださって ありがとう お父ちゃん。 142 00:14:33,973 --> 00:14:36,275 うん いいですね。 143 00:14:36,275 --> 00:14:38,777 はい。 じゃ 動かないでくださいね。 144 00:14:38,777 --> 00:14:40,713 いきますよ。 145 00:14:40,713 --> 00:14:42,948 (シャッター音) 146 00:14:42,948 --> 00:14:55,127 ♬~