1 00:00:37,116 --> 00:00:42,104 〈この宇宙には 会いたくても 会う事の かなわない➡ 2 00:00:42,104 --> 00:00:45,608 たくさんの「二人」がいます。➡ 3 00:00:45,608 --> 00:00:51,680 そんな二人が 一度だけ 再会を許されるレストラン。➡ 4 00:00:51,680 --> 00:00:55,668 これは そんな不思議なレストランの➡ 5 00:00:55,668 --> 00:00:58,168 一夜の物語です〉 6 00:01:17,606 --> 00:01:19,608 (老紳士)あの…。 7 00:01:19,608 --> 00:01:21,610 (ウエイター)はい? 8 00:01:21,610 --> 00:01:24,110 おかしくないですか? 私。 9 00:01:26,682 --> 00:01:30,682 いえ とても立派でございますよ。 10 00:01:32,621 --> 00:01:34,607 ご安心ください。 11 00:01:34,607 --> 00:01:39,107 こんな すてきな場所に 招かれたのは 初めてでして…。 12 00:01:43,616 --> 00:01:47,186 あっ お預かり致します。 13 00:01:47,186 --> 00:01:50,186 (茉莉子)お願いします。 どうぞ。 14 00:01:58,180 --> 00:02:00,180 あの…。 15 00:02:02,201 --> 00:02:06,622 本当に コタロウよね? 16 00:02:06,622 --> 00:02:09,622 ホントの本当に? ホントの本当に。 17 00:02:12,611 --> 00:02:17,616 まさか… こんな形で会えるなんて 思わなかった。 18 00:02:17,616 --> 00:02:19,618 私もです。 19 00:02:19,618 --> 00:02:21,618 どうぞ。 20 00:02:26,675 --> 00:02:30,129 あの日以来だから。 18年ぶりです。 21 00:02:30,129 --> 00:02:33,682 あなた まだ高校生だった。 22 00:02:33,682 --> 00:02:38,621 卒業式の前の晩。 はい。 23 00:02:38,621 --> 00:02:42,625 思い切った事をしたものです。 24 00:02:42,625 --> 00:02:45,110 ウフフフ。 25 00:02:45,110 --> 00:02:49,114 何か おかしいですか? ううん うれしいの。 26 00:02:49,114 --> 00:02:53,619 コタが こんなに立派になって。 アハハハ。 27 00:02:53,619 --> 00:02:58,619 茉莉子。 あなたも すてきな女性になられた。 28 00:03:00,609 --> 00:03:04,613 イラストレーター されてるとか? 29 00:03:04,613 --> 00:03:09,113 うん。 夢が かなったのですね。 30 00:03:11,120 --> 00:03:14,120 そうね。 すばらしい。 31 00:03:16,108 --> 00:03:23,666 ねえ… 本当に コタよね? まだ疑ってらっしゃる? 32 00:03:23,666 --> 00:03:29,121 そうじゃないけど… 多分 まだ慣れてないだけ。 33 00:03:29,121 --> 00:03:33,108 それは 私も同じです。 34 00:03:33,108 --> 00:03:37,630 ねえ 今日は 好きな物 何でも頼んでいいのよ。 35 00:03:37,630 --> 00:03:40,666 コタ お肉 好きだったもんね。 36 00:03:40,666 --> 00:03:43,168 茉莉子 そんな 気を遣わなくて 大丈夫です。 37 00:03:43,168 --> 00:03:46,171 今日は 茉莉子と 話をしに来たんですから。 38 00:03:46,171 --> 00:03:51,671 それに 私は もう昔のように 食欲旺盛じゃない。 39 00:03:55,714 --> 00:03:58,167 それに 今は もう…➡ 40 00:03:58,167 --> 00:04:02,671 あなたたちとは 別の世界に 住んでるわけですから。 41 00:04:02,671 --> 00:04:06,175 幸せに やってるの? とても。 42 00:04:06,175 --> 00:04:10,679 生きていた時間よりも こちらに来てからの方が➡ 43 00:04:10,679 --> 00:04:16,135 長くなってしまいましたけれど。 そう… そうか。 44 00:04:16,135 --> 00:04:18,671 そうよね。 45 00:04:18,671 --> 00:04:23,671 (匂いをかぐ コタ) 46 00:04:26,679 --> 00:04:31,684 やっぱり いただきましょうか。 うん? 47 00:04:31,684 --> 00:04:37,122 サーロインステーキ それも 極上の物を。 48 00:04:37,122 --> 00:04:40,609 アハハハ! えっ 何か? 49 00:04:40,609 --> 00:04:44,179 だって やっぱり 食いしん坊なんだもん。 50 00:04:44,179 --> 00:04:48,617 よかった! コタ 全然 変わってない! 51 00:04:48,617 --> 00:04:52,187 食いしん坊のところも 思ってる事が 全部➡ 52 00:04:52,187 --> 00:04:57,609 顔に出るところも。 ウフフ うれしい。 何だか すごく うれしい! 53 00:04:57,609 --> 00:05:10,189 ♬~ 54 00:05:10,189 --> 00:05:12,608 おいしい? 55 00:05:12,608 --> 00:05:17,613 この世の 至福です。 56 00:05:17,613 --> 00:05:20,613 至福…。 ええ。 57 00:05:23,118 --> 00:05:25,118 お代わりは? 58 00:05:28,107 --> 00:05:32,611 分かった。 でも 少しだけよ。 59 00:05:32,611 --> 00:05:36,682 おなか壊しても いけないから。 はい。 60 00:05:36,682 --> 00:05:40,682 同じ物を あと少しだけ。 かしこまりました。 61 00:05:43,672 --> 00:05:47,172 至福です。 ありがとうございます。 62 00:05:49,178 --> 00:05:53,678 しかし どうして 急に 私の事を? 63 00:05:59,171 --> 00:06:04,176 行ってきたのよ 実家へ。 18年ぶりに。 64 00:06:04,176 --> 00:06:09,681 本当ですか!? 正確には 実家のあった場所かな。 65 00:06:09,681 --> 00:06:12,681 すっかり さら地になってた。 66 00:06:18,607 --> 00:06:26,181 門の前の 古い松の木だけが 残っていて➡ 67 00:06:26,181 --> 00:06:29,181 それで やっと 実家だって分かった。 68 00:06:32,171 --> 00:06:36,675 先月 お兄ちゃんから 連絡があったの。 69 00:06:36,675 --> 00:06:43,182 お父さんの具合が悪くて あの家に 独りで居るのは 無理だから➡ 70 00:06:43,182 --> 00:06:48,682 施設に入るために あの土地を売る事にしたって…。 71 00:06:50,606 --> 00:06:56,612 迷ってたの。 今更 私が行っても どうなるものでもないし。 72 00:06:56,612 --> 00:07:03,135 でも やっぱり… 無くなる前に見ておきたくて。 73 00:07:03,135 --> 00:07:06,121 でも 遅かった。 74 00:07:06,121 --> 00:07:09,121 跡形もなかった。 75 00:07:11,110 --> 00:07:17,610 な~んにも無い ただの四角い 空き地を見ていたら…。 76 00:07:20,119 --> 00:07:25,619 急に あのころの事を知っている 誰かに会いたくなって…。 77 00:07:27,676 --> 00:07:30,612 お願いしたの。 78 00:07:30,612 --> 00:07:33,615 ね? はい。 79 00:07:33,615 --> 00:07:38,620 一番 会いたい人に 1人だけ 会わせてくれるって。 80 00:07:38,620 --> 00:07:41,623 一番 会いたい… 人? 81 00:07:41,623 --> 00:07:44,109 私は さみしそうな人を見ると➡ 82 00:07:44,109 --> 00:07:47,112 声をかけずには いられないんです。 83 00:07:47,112 --> 00:07:49,112 さみしそう? 84 00:07:51,133 --> 00:07:53,619 失礼。 85 00:07:53,619 --> 00:07:56,171 あの… それは…。 えっ? 86 00:07:56,171 --> 00:08:00,175 いや… 会いたかったのは➡ 87 00:08:00,175 --> 00:08:04,680 お父さんや 亡くなった お母さんでもなく➡ 88 00:08:04,680 --> 00:08:08,667 おじいちゃんでも…。 おばあちゃんでもなく。 89 00:08:08,667 --> 00:08:11,667 私? そう。 90 00:08:14,223 --> 00:08:16,608 光栄だ。 91 00:08:16,608 --> 00:08:21,613 ねえ コタ。 あの日の事 覚えてる? 92 00:08:21,613 --> 00:08:24,616 あの日の事? 93 00:08:24,616 --> 00:08:33,675 私が コタと別れた… あの朝の事。 18年前の。 94 00:08:33,675 --> 00:08:36,175 忘れるわけがない。 95 00:08:38,113 --> 00:08:41,613 今でも はっきりと覚えてます。 96 00:08:45,137 --> 00:08:50,626 ♬~ 97 00:08:50,626 --> 00:08:57,683 3月だというのに 寒い夜でした。 98 00:08:57,683 --> 00:09:01,670 家の人は みんな 寝てしまい 家の中は➡ 99 00:09:01,670 --> 00:09:06,174 やけに し~んと 静まり返っていた。 100 00:09:06,174 --> 00:09:12,114 私は 夜中に 雪の気配で 目を覚まし➡ 101 00:09:12,114 --> 00:09:16,614 そのまま眠れずに 窓の外を眺めていました。 102 00:09:19,171 --> 00:09:26,178 曇った窓ガラスの向こう 闇の中で 白い 大きな雪が 舞い始めた。 103 00:09:26,178 --> 00:09:30,178 大きな 大きな 白い塊。 104 00:09:33,185 --> 00:09:38,185 コタ… 雪を見るのが 好きだったもんね。 105 00:09:41,176 --> 00:09:47,115 明け方 その雪が 雨に変わったころに➡ 106 00:09:47,115 --> 00:09:50,669 2階で 音が しました。 107 00:09:50,669 --> 00:09:55,691 音? あなたの足音です。 108 00:09:55,691 --> 00:09:59,111 階段を そっと下りてくる。 聞こえてたんだ…。 109 00:09:59,111 --> 00:10:02,111 私の耳を バカにしちゃいけません。 110 00:10:04,116 --> 00:10:06,116 それで…。 111 00:10:08,670 --> 00:10:14,109 玄関まで 出てきてくれたの? 驚きました。 112 00:10:14,109 --> 00:10:18,113 あなた どこかへ出かけようとしてる。 113 00:10:18,113 --> 00:10:22,613 それも 何か いつもと違う様子で。 114 00:10:26,121 --> 00:10:28,674 もう どこか遠くへ➡ 115 00:10:28,674 --> 00:10:32,174 行ってしまうんじゃ ないかっていう気がして…。 116 00:10:35,180 --> 00:10:42,621 コタ 私のそばに来て 顔をなめてくれた。 117 00:10:42,621 --> 00:10:45,121 それから ハグ。 118 00:10:51,113 --> 00:10:54,633 あれから 家の中 大騒ぎだったんですから! 119 00:10:54,633 --> 00:10:57,669 えっ? 考えてもみてください。 120 00:10:57,669 --> 00:11:01,173 高校生の卒業式の前の晩に 18歳のお嬢さんが➡ 121 00:11:01,173 --> 00:11:04,676 家出をしてしまったんです 突然。 お父さんは まるで もう➡ 122 00:11:04,676 --> 00:11:08,180 頭から 湯気でも出さんばかりに プリプリ怒りだし➡ 123 00:11:08,180 --> 00:11:14,186 おばあちゃんは オロオロ泣きだすし。 誘拐か 失踪か 何かの事件か。 124 00:11:14,186 --> 00:11:18,623 警察に届けた方がいいのか。 それとも このまま➡ 125 00:11:18,623 --> 00:11:23,678 帰ってくるのを待つべきなのか。 そうやって➡ 126 00:11:23,678 --> 00:11:29,134 雨の中を みんなで必死に 茉莉子の事を捜し回りました。 127 00:11:29,134 --> 00:11:32,170 私まで駆り出された。 128 00:11:32,170 --> 00:11:35,674 笑い事じゃありません! だって➡ 129 00:11:35,674 --> 00:11:39,678 よく あんな大それた事を したもんだなと思って。 130 00:11:39,678 --> 00:11:43,615 もちろん 18歳の私には 決死の覚悟だったけど。 131 00:11:43,615 --> 00:11:48,170 でも 18歳だったから あんな事が できたのかもね。 132 00:11:48,170 --> 00:11:52,674 (笑い声) そんなに 嫌だったんですか? 133 00:11:52,674 --> 00:11:56,678 あの家に居るのが。 あのころはね。 134 00:11:56,678 --> 00:12:01,183 私が 年中 お父さんと 喧嘩してたの 知ってるでしょう? 135 00:12:01,183 --> 00:12:06,171 ねえ コタ。 どうして あのころ お父さんは あんなに 私を➡ 136 00:12:06,171 --> 00:12:09,674 自分の思いどおりにさせようと したんだろう? 137 00:12:09,674 --> 00:12:13,178 美大に行くのもダメ。 東京に出るのもダメ。 138 00:12:13,178 --> 00:12:17,182 家に居て 地元の短大に行くか 就職しろ。 139 00:12:17,182 --> 00:12:20,669 あげくの果てに 仕事まで 見つけてきちゃって。 140 00:12:20,669 --> 00:12:22,669 信じらんない! 141 00:12:27,175 --> 00:12:31,680 結局 ユウコが 私の行き先 告げちゃって➡ 142 00:12:31,680 --> 00:12:35,684 お父さんと お母さんが 東京まで 連れ戻しに来た。 143 00:12:35,684 --> 00:12:39,688 でも 茉莉子は 帰ってこなかった。 144 00:12:39,688 --> 00:12:42,188 待っていたのに。 145 00:12:44,709 --> 00:12:48,180 だって そこで帰ったら 意味が無いじゃない。 146 00:12:48,180 --> 00:12:53,185 何のために 家出をしたのか…。 それに➡ 147 00:12:53,185 --> 00:12:56,685 あの日 お父さんに言われたんだもん。 148 00:13:01,126 --> 00:13:04,613 「二度と帰ってくるな」って。 149 00:13:04,613 --> 00:13:11,186 ♬~ 150 00:13:11,186 --> 00:13:15,186 あれから 私も お酒を覚えましてね。 151 00:13:17,676 --> 00:13:20,679 え? 東京から帰った日➡ 152 00:13:20,679 --> 00:13:26,117 お母さんが 夜中に 台所で お酒 飲んでたんです。 153 00:13:26,117 --> 00:13:31,106 お母さんが お酒を? 初めて 見ました。 154 00:13:31,106 --> 00:13:34,676 お母さんが泣いてるのも お酒を飲むのも。 155 00:13:34,676 --> 00:13:40,676 そして 私にも飲ませようとして。 うそ…。 156 00:13:42,617 --> 00:13:45,620 そして 言うんですよ。 157 00:13:45,620 --> 00:13:50,175 「コタは いいね。 コタだけだね 私のそばに居てくれるのは。➡ 158 00:13:50,175 --> 00:13:52,675 コタしか いない」って。 159 00:13:55,614 --> 00:13:59,618 あ~ それから お母さん 時々 やりきれない事があると➡ 160 00:13:59,618 --> 00:14:04,172 台所で お酒を飲んでいました。 161 00:14:04,172 --> 00:14:07,676 まあ 私も つきあってましたけどね。 何せ➡ 162 00:14:07,676 --> 00:14:12,614 おつまみに 肉の佃煮なんか 出してくれるんですから➡ 163 00:14:12,614 --> 00:14:15,617 たまりません。 164 00:14:15,617 --> 00:14:19,617 お父さんは? お父さんは 何か 言ってた? 165 00:14:21,606 --> 00:14:28,606 いいえ。 お父さんは 何も。 そう…。 166 00:14:32,183 --> 00:14:36,605 ただ… あの日から 茉莉子に代わって 毎日➡ 167 00:14:36,605 --> 00:14:40,609 散歩に 一緒に行ってくれました。 168 00:14:40,609 --> 00:14:45,109 (波の音) 169 00:14:47,182 --> 00:14:49,682 お父さんが? 170 00:14:53,672 --> 00:14:55,674 (波の音) 171 00:14:55,674 --> 00:15:00,679 毎朝 同じ時間に ふたりで歩きました。 172 00:15:00,679 --> 00:15:09,179 海沿いの道。 国道。 時々 あの高台に上って 海を眺めた。 173 00:15:11,172 --> 00:15:18,672 (波の音とカモメの鳴き声) 174 00:15:24,669 --> 00:15:26,669 何も言わずに? 175 00:15:28,673 --> 00:15:31,673 何も。 ひと言も。 176 00:15:36,181 --> 00:15:40,702 あなたたちは よく似ている。 頑固なところも➡ 177 00:15:40,702 --> 00:15:43,202 意地っ張りなところも。 178 00:15:45,607 --> 00:15:49,607 でも その意地っ張りが よかったのかもしれませんね。 179 00:15:52,614 --> 00:15:55,183 えっ? だって 茉莉子は➡ 180 00:15:55,183 --> 00:15:59,683 夢をかなえて 立派な イラストレーターになった。 181 00:16:01,606 --> 00:16:06,678 お父さんに あんなに反対されて 家出までして。 182 00:16:06,678 --> 00:16:10,632 それも あなたが 意地っ張りだったからだ。 183 00:16:10,632 --> 00:16:14,185 全然 立派なんかじゃないけどね。 184 00:16:14,185 --> 00:16:18,106 それに 立派に 結婚もした。 とっくに別れた。 185 00:16:18,106 --> 00:16:25,613 今は 1人で あ…。 食べていくのが ギリギリのカツカツ。 186 00:16:25,613 --> 00:16:30,118 彼氏も いないし 事務所も つぶしちゃったし➡ 187 00:16:30,118 --> 00:16:36,675 もう 36だし 将来の事 考えると 時々 すごく不安になる。 188 00:16:36,675 --> 00:16:41,680 このまま 独りで ちゃんと やっていけるのかなって。 189 00:16:41,680 --> 00:16:46,184 あのころと逆よね。 どんどん 臆病になる。 190 00:16:46,184 --> 00:16:49,621 茉莉子 そんな事 思っちゃいけません。 191 00:16:49,621 --> 00:16:55,621 ギリギリのカツカツでも 茉莉子は立派に 独りで生きてる。 そこが偉い。 192 00:16:58,680 --> 00:17:04,202 アハッ… コタに そんな事 言われるなんて➡ 193 00:17:04,202 --> 00:17:07,672 思ってもいなかった。 おかしいわね➡ 194 00:17:07,672 --> 00:17:13,678 コタ そんな事 思ってたんだ。 コタって 案外 ちゃんと…。 195 00:17:13,678 --> 00:17:17,178 お父さんに お会いにならないんですか? 196 00:17:20,618 --> 00:17:26,118 体の具合が お悪いんでしょ? 今 どこに いらっしゃるんです? 197 00:17:31,129 --> 00:17:34,182 高台の病院。 198 00:17:34,182 --> 00:17:36,682 入院してるって。 199 00:17:48,680 --> 00:17:53,680 いいのよ。 今日 ここで コタに会えたから。 200 00:17:56,671 --> 00:18:03,111 懐かしかった。 コタ ありがとう。 201 00:18:03,111 --> 00:18:05,680 茉莉子。 だって➡ 202 00:18:05,680 --> 00:18:10,680 あのころの うちの家族の事 全部 知ってるのは コタだけだもん。 203 00:18:13,171 --> 00:18:17,171 最近 よく思い出すの。 204 00:18:19,177 --> 00:18:21,677 一番 楽しかったころの事。 205 00:18:23,681 --> 00:18:31,172 でも 私が 家出して おばあちゃんが 亡くなって➡ 206 00:18:31,172 --> 00:18:38,179 コタが… コタが死んじゃって。 207 00:18:38,179 --> 00:18:44,702 お母さんが逝って… そうやって 少しずつ➡ 208 00:18:44,702 --> 00:18:48,623 うちは 解散していったのかもね。 209 00:18:48,623 --> 00:18:52,110 そして 完全解散。 210 00:18:52,110 --> 00:18:55,110 あの家は もう無いんだもん。 211 00:18:57,115 --> 00:19:04,622 ほんと… 親不孝だよね。 みんなに 心配かけて。 212 00:19:04,622 --> 00:19:08,176 お母さんが 早くに死んじゃったのも➡ 213 00:19:08,176 --> 00:19:11,179 きっと 私のせいだね。 茉莉子。 214 00:19:11,179 --> 00:19:18,179 私の… 一番 楽しかったころの 思い出って 何だと思う? 215 00:19:20,121 --> 00:19:22,121 何です? 216 00:19:24,108 --> 00:19:29,108 本当に 何でもないような事なの。 217 00:19:33,117 --> 00:19:37,605 (幼い茉莉子の笑い声) 218 00:19:37,605 --> 00:19:44,105 子どもだった 私と お兄ちゃんが 庭で遊んでるの。 219 00:19:48,182 --> 00:19:55,690 うちの中には おばあちゃんも お父さんも居て…。 220 00:19:55,690 --> 00:20:00,612 2人が どうでもいい事で もめてるのを➡ 221 00:20:00,612 --> 00:20:03,615 お母さんが たしなめて。 222 00:20:03,615 --> 00:20:06,618 (幼い茉莉子の声で) 嫌だ コタ くすぐったい!➡ 223 00:20:06,618 --> 00:20:09,118 コタ こっち こっち。 224 00:20:11,606 --> 00:20:21,106 時々 はしゃぎ過ぎた私たちに お母さんの雷が落ちて…。 225 00:20:24,619 --> 00:20:27,605 そして そこには…。 226 00:20:27,605 --> 00:20:31,109 (幼い茉莉子の笑い声) 227 00:20:31,109 --> 00:20:33,109 いつも コタがいた。 228 00:20:35,179 --> 00:20:39,667 ワン! ワン ワン! 229 00:20:39,667 --> 00:20:42,167 (コタの遠ぼえ) 230 00:20:47,675 --> 00:20:50,178 ねえ コタ。 231 00:20:50,178 --> 00:20:54,182 コタは あの時 私に 何て 言ってくれたの? 232 00:20:54,182 --> 00:20:57,619 えっ? 私が 家出をした あの朝➡ 233 00:20:57,619 --> 00:21:03,174 玄関まで出てきて 私の顔をペロッて なめた時。 今でも覚えてるよ➡ 234 00:21:03,174 --> 00:21:07,679 あの時の感触。 コタの ぬくもりも。 ねえ コタ 教えて。 235 00:21:07,679 --> 00:21:10,679 何が 言いたくて 出てきてくれたの? 236 00:21:12,684 --> 00:21:17,672 もしも あの時 私が 出ていかなかったら➡ 237 00:21:17,672 --> 00:21:20,172 うちは もっと別の…。 238 00:21:35,106 --> 00:21:38,106 ハグしていいですか? 昔みたいに。 239 00:21:41,129 --> 00:22:14,178 ♬~ 240 00:22:14,178 --> 00:22:19,178 あったかくって 大きくって…。 241 00:22:24,605 --> 00:22:27,108 昔のままだ。 242 00:22:27,108 --> 00:22:36,617 ♬~ 243 00:22:36,617 --> 00:22:40,117 思い出は 永遠です 茉莉子。 244 00:22:45,610 --> 00:22:50,181 家は 無くなってしまっても 私が 居なくても➡ 245 00:22:50,181 --> 00:22:57,181 お母さんが 居なくても 思い出は 永遠に消えない。 246 00:22:59,140 --> 00:23:05,613 思い出は… 心の中にある。 247 00:23:05,613 --> 00:23:19,610 ♬~ 248 00:23:19,610 --> 00:23:21,612 コタ…。 249 00:23:21,612 --> 00:23:41,232 ♬~ 250 00:23:41,232 --> 00:23:44,732 茉莉子。 今なら まだ間に合います。 251 00:23:48,122 --> 00:23:52,126 お父さんのところに 行ってあげてください。 252 00:23:52,126 --> 00:23:55,179 コタ。 253 00:23:55,179 --> 00:23:59,684 会いに行こうと思えば 会える人のところに➡ 254 00:23:59,684 --> 00:24:02,184 なぜ 行かないんです? 255 00:24:04,605 --> 00:24:10,605 何を どう話していいか 分からない。 私 分からないのよ。 256 00:24:12,680 --> 00:24:15,680 あんなに強かった人が…。 257 00:24:21,122 --> 00:24:27,111 話なんか しなくていい。 言葉なんか 無くても➡ 258 00:24:27,111 --> 00:24:31,666 通じ合える事は たくさん あります。 259 00:24:31,666 --> 00:24:34,666 茉莉子と私が そうだったように。 260 00:24:38,673 --> 00:24:43,173 ただ寄り添って そこに いれば…。 261 00:24:49,116 --> 00:24:51,686 家族なんですから。 262 00:24:51,686 --> 00:24:56,674 ♬~(「朝陽の中で微笑んで」) 263 00:24:56,674 --> 00:25:06,184 ♬~ 264 00:25:06,184 --> 00:25:22,183 (平原綾香) ♬「朝陽の中で微笑んで」 265 00:25:22,183 --> 00:25:38,115 ♬「金のヴェールのむこうから」 266 00:25:38,115 --> 00:25:54,682 ♬「夜明けの霧が溶けはじめ」 267 00:25:54,682 --> 00:26:10,631 ♬「ざわめく街が 夢をさます」 268 00:26:10,631 --> 00:26:26,631 ♬「朝陽の中で ふりむいて」 269 00:26:26,631 --> 00:26:43,180 ♬「どうぞ その手をさしのべて」 270 00:26:43,180 --> 00:26:59,130 ♬「薔薇の色さえ うつろわす」 271 00:26:59,130 --> 00:27:15,112 ♬「時の流れが とてもこわい」 272 00:27:15,112 --> 00:27:28,175 ♬「宇宙の片隅で めぐり逢えた喜びは」 273 00:27:28,175 --> 00:27:43,107 ♬「うたかたでも 身をやつすの」 274 00:27:43,107 --> 00:27:59,123 ♬「朝陽の中で 抱きしめて」 275 00:27:59,123 --> 00:28:14,688 ♬「形のない愛を包み込んで」 276 00:28:14,688 --> 00:28:27,184 ♬「宇宙の片隅で つぶやき合う永遠は」 277 00:28:27,184 --> 00:28:42,616 ♬「幻だと 知っていても」 278 00:28:42,616 --> 00:28:58,182 ♬「朝陽の中で微笑んで」 279 00:28:58,182 --> 00:29:13,614 ♬「形のない愛を つなぎとめて」 280 00:29:13,614 --> 00:29:20,114 ♬「つなぎとめて」 281 00:30:33,611 --> 00:30:39,611 (河了貂)<俺の名は 河了貂なり~!> 282 00:30:42,336 --> 00:30:45,406 (壁)魏の兵の血で 平原を赤く染めよ! 283 00:30:45,406 --> 00:30:47,675 (河了貂) <壁 気合 入ってんな~!➡ 284 00:30:47,675 --> 00:30:51,111 なんたって 今や 千人将様だかんな。➡ 285 00:30:51,111 --> 00:30:54,515 信のやつ 失礼な事 言ってなきゃいいけど~> 286 00:30:54,515 --> 00:30:57,518 また少し たくましく なったようだな。 287 00:30:57,518 --> 00:31:00,454 (信)壁のあんちゃんこそ 見違えたぜ!