1 00:00:05,366 --> 00:00:09,170 [ 回想 ] (内蔵助)赤穂武士の 面目を保つには・ 2 00:00:09,170 --> 00:00:13,508 一人だけでも 生き証人を残しておきたい。 3 00:00:13,508 --> 00:00:16,410 (儀兵衛)大目付に 名乗り出たら どないやろか? 4 00:00:16,410 --> 00:00:19,380 (源四郎) 命は捨ててかからねばならぬ。 5 00:00:19,380 --> 00:00:23,518 (吉右衛門)この身は どうなろうと 悔いはござりませぬ。 6 00:00:23,518 --> 00:00:29,390 (篠)私は 弱い女です。 一人では生きていけませぬ。 7 00:00:29,390 --> 00:00:31,859 ・~(テーマ音楽) 8 00:00:31,859 --> 00:01:04,559 ・~ 9 00:01:06,494 --> 00:01:09,997 私は しばらく 京を離れます。 10 00:01:09,997 --> 00:01:11,933 (小雪)どちらへ? 11 00:01:11,933 --> 00:01:17,738 それは言えませんが 篠を預かって頂きたいんです。 12 00:01:17,738 --> 00:01:23,844 お安い御用やけど… お帰りは いつ? 13 00:01:23,844 --> 00:01:27,515 それが 何とも…。 14 00:01:27,515 --> 00:01:30,184 この人は 帰ってきません。 15 00:01:30,184 --> 00:01:34,522 そんなアホな…。 命を捨てに行くのです。 16 00:01:34,522 --> 00:01:38,392 ほんまどすか? そうではない。 17 00:01:38,392 --> 00:01:43,864 私は待ちません。 どうぞ勝手に死んで下さい。 18 00:01:43,864 --> 00:01:46,767 おやおや…。 19 00:01:46,767 --> 00:01:54,208 じっと待つのが どんなに辛いか あなたには分からないのです。 20 00:01:54,208 --> 00:01:56,908 男は 皆 そうや。 21 00:01:58,546 --> 00:02:02,817 でも 私は待ちません。 22 00:02:02,817 --> 00:02:06,517 待つのは もう こりごりです。 23 00:02:15,396 --> 00:02:18,165 では ここで。 24 00:02:18,165 --> 00:02:22,036 負けたら あきまへんで。 25 00:02:22,036 --> 00:02:29,510 単身 江戸に乗り込んで 柳沢吉保に喧嘩を仕掛けるんや。 26 00:02:29,510 --> 00:02:35,383 男として これほど晴れがましい 花道は おまへん。・ 27 00:02:35,383 --> 00:02:41,522 気後れせんと 大芝居 打っとくなはれや。 28 00:02:41,522 --> 00:02:46,394 あんたには 五摂家筆頭の 近衛様がついてはる。 29 00:02:46,394 --> 00:02:49,864 進藤源四郎様が ついてはる。 30 00:02:49,864 --> 00:02:58,539 そして 切腹しはった46人の霊魂が 乗り移ってますんや。 31 00:02:58,539 --> 00:03:03,144 相分かった。 はばかりながら この天川屋儀兵衛も・ 32 00:03:03,144 --> 00:03:06,047 しっかり 後押しさしてもらいまっせ。 33 00:03:06,047 --> 00:03:10,017 しからば 御免。 34 00:03:10,017 --> 00:03:46,317 ・~ 35 00:03:48,189 --> 00:03:52,526 (きよ)此度は 何事ですか? 36 00:03:52,526 --> 00:03:56,864 討ち入りの時と同じ目を なさってますよ。 37 00:03:56,864 --> 00:04:01,135 うん? 大石様も そうでした。 38 00:04:01,135 --> 00:04:06,435 清らかで雄々しくて はかない目。 39 00:04:08,476 --> 00:04:12,176 分かるか。 はい。 40 00:04:14,348 --> 00:04:21,822 大石様は こうおっしゃった。 「人は生まれ やがて死ぬる。・ 41 00:04:21,822 --> 00:04:26,494 死ぬるからには 生き甲斐を尽くして死ね」と。 42 00:04:26,494 --> 00:04:30,194 生き甲斐を尽くして…。 43 00:04:32,366 --> 00:04:39,066 一つ 女将に聞きたい。 女の生き甲斐とは何だ? 44 00:04:42,510 --> 00:04:48,182 私は 京に 篠という女を置いてきた。 45 00:04:48,182 --> 00:04:54,054 討ち入り前夜に逃亡した 瀬尾孫左衛門の妹だ。 46 00:04:54,054 --> 00:04:57,525 篠とは 祝言を挙げるはずだったが・ 47 00:04:57,525 --> 00:05:03,225 浅野家の断絶と討ち入りのため 赤穂に置き去りにした。 48 00:05:06,333 --> 00:05:12,033 そして また巡り会い 京で共に暮らしてきた。 49 00:05:14,809 --> 00:05:21,148 惚れた女と 2度も別れるのは 辛かった。 50 00:05:21,148 --> 00:05:24,051 可哀想に…。 51 00:05:24,051 --> 00:05:31,792 いかに お家のためとはいえ 私は罪深い男だ。 52 00:05:31,792 --> 00:05:40,167 心残りがあるとすれば 篠を泣かせた事だ。 53 00:05:40,167 --> 00:05:47,041 私の胸の中には 今も 大石様が 生きておいでです。 54 00:05:47,041 --> 00:05:54,515 たった1夜ですが 私は 大石様のお情けを受けました。 55 00:05:54,515 --> 00:05:59,815 その思い出が 私の一生の支えです。 56 00:06:02,323 --> 00:06:04,325 そうか…。 57 00:06:04,325 --> 00:06:11,465 人は死んでも 誰かの中で 生き続ける事ができるのです。 58 00:06:11,465 --> 00:06:17,338 女将の その言葉 あの世で大石様にお伝えしよう。 59 00:06:17,338 --> 00:06:20,975 それには及びませぬ。 60 00:06:20,975 --> 00:06:22,910 なぜだ? 61 00:06:22,910 --> 00:06:27,748 大石様には ほかにも思い人が たくさんおいででしたから。 62 00:06:27,748 --> 00:06:33,048 (笑い声) 63 00:06:35,823 --> 00:06:42,123 かたじけない… おかげで吹っ切れた。 64 00:07:55,502 --> 00:08:28,402 ・~ 65 00:08:28,402 --> 00:08:31,402 待てい! 待て 待てい! 66 00:08:34,141 --> 00:08:38,479 卒爾ながら お尋ね申す。 何用か? 67 00:08:38,479 --> 00:08:43,150 こなたは 大目付 仙石伯耆守様の お屋敷にござりましょうか? 68 00:08:43,150 --> 00:08:46,987 いかにも。 しからば お取り次ぎ願いたい。 69 00:08:46,987 --> 00:08:50,491 手前は 播州赤穂 浅野家の旧臣・ 70 00:08:50,491 --> 00:08:54,161 寺坂吉右衛門と申す。 何? 71 00:08:54,161 --> 00:08:57,498 寺坂吉右衛門じゃと? 72 00:08:57,498 --> 00:09:01,101 はっ。 吉良邸討ち入りの 残党にござりまする。 73 00:09:01,101 --> 00:09:03,771 本人に相違ないか? 恐れながら・ 74 00:09:03,771 --> 00:09:07,107 近衛家の道中手形を 所持致しており・ 75 00:09:07,107 --> 00:09:12,407 本人に相違なきものと心得ます。 近衛家? 76 00:09:16,450 --> 00:09:19,787 神妙にせい。 大目付様じゃ。 77 00:09:19,787 --> 00:09:21,787 ははっ。 78 00:09:25,459 --> 00:09:27,459 面を上げい。 79 00:09:30,330 --> 00:09:34,468 よい面構えじゃ。 恐れ入ります。 80 00:09:34,468 --> 00:09:38,338 吉良邸討ち入りの後 雲隠れした男じゃな? 81 00:09:38,338 --> 00:09:42,142 恐れながら 子細あって 一統を抜け・ 82 00:09:42,142 --> 00:09:44,478 諸国を放浪し 今日に至りました。 83 00:09:44,478 --> 00:09:48,982 それが なぜ 今頃 のこのこ現れた? 84 00:09:48,982 --> 00:09:54,154 顧みれば 天下の大法に背きし罪 何とも恐れ多く・ 85 00:09:54,154 --> 00:09:58,826 神妙に お裁きを受けんがため 自首つかまつりました。 86 00:09:58,826 --> 00:10:02,696 フフフ…。 されば 式法に照らして・ 87 00:10:02,696 --> 00:10:05,165 存分に お仕置き下さりますよう・ 88 00:10:05,165 --> 00:10:09,165 謹んで願い上げ奉りまする。 89 00:10:11,839 --> 00:10:18,178 そちの一存ではあるまい。 誰に唆された? 90 00:10:18,178 --> 00:10:24,518 恐れながら 同志一統に対し 死に後れし事 遺憾に堪えず・ 91 00:10:24,518 --> 00:10:28,188 手前の一存にて まかり越しました。 92 00:10:28,188 --> 00:10:33,188 フフフ… まあ よかろう。 93 00:10:40,534 --> 00:10:42,870 武右衛門。 はっ。 94 00:10:42,870 --> 00:10:45,539 この者 当分 屋敷に とどめおけ。 95 00:10:45,539 --> 00:10:51,411 かしこまりました。 身分低しとて粗略に扱うなよ。 96 00:10:51,411 --> 00:10:58,411 世上名高い赤穂義士じゃぞ。 ハハハハハ。 97 00:11:04,491 --> 00:11:07,828 (吉保)近衛家の道中手形か…。 98 00:11:07,828 --> 00:11:13,500 御当主 家熈様の諸大夫は 浅野家の旧臣・ 99 00:11:13,500 --> 00:11:17,371 進藤源四郎にござります。 進藤源四郎…。 100 00:11:17,371 --> 00:11:23,010 大石内蔵助の一族にて なかなかの才人とか。 101 00:11:23,010 --> 00:11:24,945 なるほど。 102 00:11:24,945 --> 00:11:30,517 赤穂の旧臣を60人ほど 公卿侍に取り立てたとも・ 103 00:11:30,517 --> 00:11:33,187 聞き及んでおります。 104 00:11:33,187 --> 00:11:38,525 さては 仕掛けられたか。 は? 105 00:11:38,525 --> 00:11:43,397 勘ぐる訳ではないが お世継ぎ様の御簾中は・ 106 00:11:43,397 --> 00:11:50,871 近衛家熈公の妹君なるぞ。 ははあ…。 107 00:11:50,871 --> 00:11:56,743 正月早々 とんだ火種を 抱え込んだものよのう。 108 00:11:56,743 --> 00:12:00,981 寺坂を問いただして 後ろ盾を あぶり出しますか? 109 00:12:00,981 --> 00:12:03,483 その儀に及ばず。 は? 110 00:12:03,483 --> 00:12:07,821 下手に動くと 火の粉をかぶる。 111 00:12:07,821 --> 00:12:14,494 さればこそ 未然に捕らえて 口を封じよと申したではないか。 112 00:12:14,494 --> 00:12:18,494 いっそ 追い腹を 切らせますか。 既に遅し! 113 00:12:22,369 --> 00:12:26,106 赤穂浪士の人気が いや増すばかりの今・ 114 00:12:26,106 --> 00:12:31,845 寺坂を切腹させれば どうなる? 侍といわず 町人といわず・ 115 00:12:31,845 --> 00:12:38,518 ここぞとばかり騒ぎ立て 公儀の威信は地に落ちようぞ。 116 00:12:38,518 --> 00:12:40,454 ははっ。 117 00:12:40,454 --> 00:12:46,393 …というて 罪を許せば 大石ら46人の処分は・ 118 00:12:46,393 --> 00:12:52,065 柳沢の落ち度ではないかと 議論が蒸し返される。 119 00:12:52,065 --> 00:12:54,534 弱りましたな…。 120 00:12:54,534 --> 00:13:00,807 誰の差し金か知らぬが うまく 急所を突いてきたものよのう。 121 00:13:00,807 --> 00:13:05,479 して 寺坂吉右衛門は いかが致しましょうか? 122 00:13:05,479 --> 00:13:08,382 閉じ込めておけ。 は? 123 00:13:08,382 --> 00:13:15,489 仕掛けた相手が じれて馬脚を 現すまで しばらく模様見じゃ。 124 00:13:15,489 --> 00:13:17,424 はあ…。 125 00:13:17,424 --> 00:13:52,392 ・~ 126 00:13:52,392 --> 00:13:55,529 (綱吉)吉保。 はっ。 127 00:13:55,529 --> 00:14:01,335 47人目の男は どうなった? はあ…。 128 00:14:01,335 --> 00:14:03,804 うん? 129 00:14:03,804 --> 00:14:10,143 ああ… 寺坂吉右衛門は 大目付屋敷に留め置き・ 130 00:14:10,143 --> 00:14:13,480 処分を吟味中にござります。 131 00:14:13,480 --> 00:14:19,152 この処分 なかなか 容易ではないぞ。 御意。 132 00:14:19,152 --> 00:14:22,489 江戸市中は その男の噂で 持ちきりじゃそうな。 133 00:14:22,489 --> 00:14:25,993 奥向きでも 女連中が やれ打ち首じゃの・ 134 00:14:25,993 --> 00:14:30,864 無罪放免じゃのと かまびすしく 言い立てておるわ。・ 135 00:14:30,864 --> 00:14:35,168 判断を誤れば そちに傷がつく。・ 136 00:14:35,168 --> 00:14:39,039 ひいては 将軍家の体面にも係わる。 137 00:14:39,039 --> 00:14:41,041 御意。 138 00:14:41,041 --> 00:14:46,341 広く意見を求めて 慎重に論議を尽くさねばならんな。 139 00:14:48,515 --> 00:14:53,186 どうじゃ 吉保。 はあ。 140 00:14:53,186 --> 00:15:00,060 浅野内匠頭の切腹は 早きに失したのではないか? 141 00:15:00,060 --> 00:15:05,832 恐れながら 殿中の刃傷は 大罪にござりますれば…。 142 00:15:05,832 --> 00:15:08,969 大石らの切腹は どうじゃ? 143 00:15:08,969 --> 00:15:13,473 吉良邸への討ち入りは 御公儀への反逆にござります。 144 00:15:13,473 --> 00:15:19,473 ところが 世の中は 義士じゃ 忠臣じゃと持ち上げておる。 145 00:15:21,348 --> 00:15:23,348 これは 御無礼を…。 146 00:15:25,485 --> 00:15:27,985 そちが食え! 147 00:15:31,358 --> 00:15:37,831 泉岳寺では この武右衛門が 差し出された連名帳をもとに・ 148 00:15:37,831 --> 00:15:41,501 浪士一同の数合わせをした。 149 00:15:41,501 --> 00:15:45,172 ところが 47人目にして 返事がない。 150 00:15:45,172 --> 00:15:50,043 寺坂吉右衛門の姿が 見当たらん。 そうじゃな? 151 00:15:50,043 --> 00:15:54,181 ははっ。 大石内蔵助は 何と言うた? 152 00:15:54,181 --> 00:15:58,051 「軽き身分の者ゆえ うろたえての仕儀・ 153 00:15:58,051 --> 00:16:03,457 是非なき次第にござりまする。 重ねての御詮議は御無用に」と。 154 00:16:03,457 --> 00:16:06,793 そうじゃ。 155 00:16:06,793 --> 00:16:13,133 そこで わしは お前の名を削って 討ち入りの人数を46人とした。 156 00:16:13,133 --> 00:16:17,003 公儀にも そう届けた。 そうじゃな? 157 00:16:17,003 --> 00:16:19,005 ははっ。 158 00:16:19,005 --> 00:16:23,477 ところが いつの間にやら お前の名が世間に漏れ・ 159 00:16:23,477 --> 00:16:28,348 討ち入ったのは 47人ではないかと ささやかれた。 160 00:16:28,348 --> 00:16:31,351 しかも こうして 本人が自首してくれば・ 161 00:16:31,351 --> 00:16:35,088 わしの立場が ないではないか。 162 00:16:35,088 --> 00:16:39,493 折角 目こぼししてやったのに この恩知らずが。 163 00:16:39,493 --> 00:16:41,828 申し訳ござりませぬ。 164 00:16:41,828 --> 00:16:45,699 ハハハハ! まあ飲まんか。 かたじけのうござります。 165 00:16:45,699 --> 00:16:48,702 おかげで 御公儀は お前の扱いを巡って・ 166 00:16:48,702 --> 00:16:54,174 右往左往のありさまじゃ。 とうとう 上様のお声がかりで・ 167 00:16:54,174 --> 00:16:58,845 五手掛かり評定となった。 五手掛かり? 168 00:16:58,845 --> 00:17:05,118 目付 大目付の他に 勘定奉行 寺社奉行 町奉行の総がかりじゃ。 169 00:17:05,118 --> 00:17:07,787 処分は いつになりましょうか? 170 00:17:07,787 --> 00:17:11,124 分からん。 恐れながら 手前は・ 171 00:17:11,124 --> 00:17:16,463 46士と同じく 切腹の御下命を 切に望んでおりまする。 172 00:17:16,463 --> 00:17:21,334 フフフフ… 嫌がらせを申すな。 173 00:17:21,334 --> 00:17:25,634 公儀には公儀の都合がある。 174 00:17:44,491 --> 00:17:52,165 (吉保)御側御用人を務めて18年 これほど奇妙な事態は初めてじゃ。 175 00:17:52,165 --> 00:17:57,837 たかが 足軽一人を裁くのに 五手掛かりとは・ 176 00:17:57,837 --> 00:18:01,708 ハハハ… 大仰な事よのう。 177 00:18:01,708 --> 00:18:07,447 (徂来)足軽一人にあらず 陰で操る御仁がござりましょう。 178 00:18:07,447 --> 00:18:09,783 徂来も そう思うか? 179 00:18:09,783 --> 00:18:15,455 さればこそ 評定所のお歴々も 決着をつけかねております。 180 00:18:15,455 --> 00:18:17,958 陰の者とは 誰ぞ? 181 00:18:17,958 --> 00:18:23,129 まずは 察するに 赤穂浅野の旧家中。 182 00:18:23,129 --> 00:18:27,801 田舎侍とて ご油断は なりませぬ。 他には? 183 00:18:27,801 --> 00:18:32,138 はあ…。 腹蔵なく申すがよい。 184 00:18:32,138 --> 00:18:40,480 昨今は 御重役の方々 ごぞりて 西の丸詣でに ご執心とか。 185 00:18:40,480 --> 00:18:48,355 さもありなん。 次なる将軍の み代を見越してのゴマすりじゃ。 186 00:18:48,355 --> 00:18:52,092 (徂来)その家宣公の信任厚く・ 187 00:18:52,092 --> 00:18:58,031 西の丸を差配するのが 間部詮房殿。 188 00:18:58,031 --> 00:19:04,437 あれは 利口者よ。 能役者上がりと聞いたが? 189 00:19:04,437 --> 00:19:10,310 (徂来)やがて 六代将軍の 御側御用人と相なりましょう。 190 00:19:10,310 --> 00:19:15,081 そうか。 わしが邪魔か。 191 00:19:15,081 --> 00:19:18,785 杞憂に過ぎれば よろしゅうござりまするが・ 192 00:19:18,785 --> 00:19:20,720 ひとまず御用心を。 193 00:19:20,720 --> 00:19:23,456 いまひとつ 尋ねる。 はっ。 194 00:19:23,456 --> 00:19:27,794 徂来は 赤穂浪士の断罪を 強く訴えたが・ 195 00:19:27,794 --> 00:19:33,466 あれは 正しかったのか? 正しい処置と心得ます。 196 00:19:33,466 --> 00:19:36,466 それが いまだに祟っておる。 197 00:19:38,338 --> 00:19:44,110 恐れながら 「非理法権天」という 言葉がございます。 198 00:19:44,110 --> 00:19:46,479 非理法権天…。 199 00:19:46,479 --> 00:19:50,984 すなわち 非道は道理にしかず・ 200 00:19:50,984 --> 00:19:55,488 道理は法にしかず。 しかして法を運用致すは・ 201 00:19:55,488 --> 00:19:59,359 権力にござりまする。 御公儀の権力をもって・ 202 00:19:59,359 --> 00:20:05,498 裁きをつけたものに くちばしを挟むは許されざる事。 203 00:20:05,498 --> 00:20:10,370 ただし いかなる権力も・ 204 00:20:10,370 --> 00:20:14,507 天には かないませぬ。 205 00:20:14,507 --> 00:20:21,381 よもや 鶴姫様と紀州綱教様が 御他界あそばし・ 206 00:20:21,381 --> 00:20:26,519 甲州様が お世継ぎに おなりあそばすとは・ 207 00:20:26,519 --> 00:20:30,390 人知をもって はかるすべとて これなく…。 208 00:20:30,390 --> 00:20:33,193 思惑が外れたと申すか? 209 00:20:33,193 --> 00:20:36,493 いえ…。 相分かった。 210 00:21:01,354 --> 00:21:05,125 おい。 あっ これは…。 211 00:21:05,125 --> 00:21:09,496 よほど暇らしいな。 体が なまっておりますので。 212 00:21:09,496 --> 00:21:12,399 汗を拭け。 はっ。 213 00:21:12,399 --> 00:21:18,505 評定所の意見がまとまった。 知りたいか? 214 00:21:18,505 --> 00:21:20,440 はあ…。 215 00:21:20,440 --> 00:21:27,180 ないしょで教えてやる。 腹は切らんでよい。 216 00:21:27,180 --> 00:21:32,519 罪一等を減じて遠島じゃ。 えっ!? 217 00:21:32,519 --> 00:21:35,519 伊豆大島へ流される。 218 00:21:37,390 --> 00:21:42,862 わしは 無罪を申し立てたが 力及ばずじゃ。 219 00:21:42,862 --> 00:21:47,534 御高配 恐れ入り奉りまする。 220 00:21:47,534 --> 00:21:54,407 明日にも 大老 柳沢様が 上様の決裁を仰ぐ。 221 00:21:54,407 --> 00:22:02,707 やがて 上使が来て そちに処分を申し渡す。 ははっ。 222 00:22:04,484 --> 00:22:11,357 今のうちに せいぜい うまいものを食うておけ。 223 00:22:11,357 --> 00:22:14,357 ありがとうござりまする。 224 00:22:24,170 --> 00:22:26,506 お役目 大儀。 225 00:22:26,506 --> 00:22:32,378 此度は 寺坂吉右衛門の一件 わざわざの お知らせを頂き・ 226 00:22:32,378 --> 00:22:35,849 西の丸様の御感 殊の外 めでたく。 227 00:22:35,849 --> 00:22:38,184 そは ありがたき事。 228 00:22:38,184 --> 00:22:40,854 ただちに 御存念を お伝え致すべきところ・ 229 00:22:40,854 --> 00:22:46,526 一昨日より 御簾中様 御兄君 京より御出府これあり・ 230 00:22:46,526 --> 00:22:50,029 御対面の儀 執り行わせられました。 231 00:22:50,029 --> 00:22:54,200 ほう 近衛家熈公が。 232 00:22:54,200 --> 00:22:59,072 なお 近衛様は 将軍家に お目通り願うとの御事・ 233 00:22:59,072 --> 00:23:02,008 されば 西の丸様ともども・ 234 00:23:02,008 --> 00:23:05,812 お支度に 忙殺されておいであそばします。 235 00:23:05,812 --> 00:23:11,150 よって 寺坂吉右衛門の一件は しばらくの間・ 236 00:23:11,150 --> 00:23:16,022 御返答を御猶予願いたしとの 御口上にござります。 237 00:23:16,022 --> 00:23:19,826 すると…。 は? 238 00:23:19,826 --> 00:23:26,499 西の丸様は 寺坂の処分に 御異議ありと仰せか? 239 00:23:26,499 --> 00:23:32,199 御返答を御猶予願いたしと 申し上げました。 240 00:23:46,519 --> 00:23:49,519 遠島では 話にならん。 241 00:23:52,392 --> 00:23:56,863 [ 回想 ] 私は 夢を 見ているのでしょうか。 242 00:23:56,863 --> 00:24:01,163 まさか こうして 寺坂様と…。 243 00:24:07,473 --> 00:24:10,473 篠と呼んで下さりませ。 244 00:24:16,149 --> 00:24:18,849 もう離しはせぬ。 245 00:24:24,490 --> 00:24:27,994 女を泣かせる事が 大義でしょうか!? 篠…。 246 00:24:27,994 --> 00:24:32,865 断って下さい! あなたは 十分に忠節を尽くしました! 247 00:24:32,865 --> 00:24:36,502 侍は嫌いです! 何をする! 248 00:24:36,502 --> 00:24:40,173 江戸へは行かせませぬ。 どうしても行くと言うなら・ 249 00:24:40,173 --> 00:24:45,511 あなたを殺して私も死にます! 篠! 250 00:24:45,511 --> 00:24:50,850 うそつき! もう離さないと 言うたではありませんか! 251 00:24:50,850 --> 00:24:53,150 落ち着け! 252 00:24:59,525 --> 00:25:06,525 私は 弱い女です。 一人では生きていけませぬ。 253 00:25:09,335 --> 00:25:12,472 [ 心の声 ] 篠…。 254 00:25:12,472 --> 00:25:26,472 ・~ 255 00:25:31,157 --> 00:25:39,457 摂家 近衛家熈様 お成り~! 256 00:25:41,167 --> 00:25:43,836 前関白 基熈公には・ 257 00:25:43,836 --> 00:25:48,174 多年にわたり 公武調和の お骨折りを願うたが・ 258 00:25:48,174 --> 00:25:53,980 かくも頼もしき跡取りに恵まれ 早くも御隠居とは羨ましい。 259 00:25:53,980 --> 00:25:56,049 恐れ入ります。 260 00:25:56,049 --> 00:26:00,453 わしも あやかりたいものよの。 フフフフ…。 261 00:26:00,453 --> 00:26:04,323 未熟者にて汗顔の至り。 家宣の取り柄は・ 262 00:26:04,323 --> 00:26:07,794 家熈殿の妹君を 正室に迎えた事じゃ。・ 263 00:26:07,794 --> 00:26:12,131 近衛家のお血筋だけあって 兄君と同じく 学問に優れ・ 264 00:26:12,131 --> 00:26:19,472 詩歌をよくすると聞く。 せいぜい 見習うて 精進するがよかろう。 265 00:26:19,472 --> 00:26:22,141 しかと承りました。 266 00:26:22,141 --> 00:26:26,479 お言葉ながら 家宣殿の博学ぶりは・ 267 00:26:26,479 --> 00:26:29,382 並の学者の 及ぶところにあらず。 268 00:26:29,382 --> 00:26:32,351 いやいや なかなか…。 269 00:26:32,351 --> 00:26:36,489 学者といえば 我が母じゃ。 生まれは卑賤なれど・ 270 00:26:36,489 --> 00:26:40,993 向学の志あつく 晩年には 「論語」を講ずるまでに至った。 271 00:26:40,993 --> 00:26:45,832 しかも 信心深く 生類を憐れみ 民を思う慈悲の心には・ 272 00:26:45,832 --> 00:26:50,503 今も頭が下がるばかり…。 273 00:26:50,503 --> 00:26:55,007 (家熈)桂昌院様の菩提寺は 護持院と伺いましたが…。 274 00:26:55,007 --> 00:26:57,043 (吉保)護国寺も ござります。 275 00:26:57,043 --> 00:27:01,447 2つでは足りん! もっともっと 大伽藍を建てたいが・ 276 00:27:01,447 --> 00:27:05,318 幕府の勘定が ままならんとかで 吉保が 「うん」と言わん。 277 00:27:05,318 --> 00:27:10,318 (吉保)お戯れを。 ハハハハハ! 278 00:27:12,091 --> 00:27:17,463 寺院の建立も さる事ながら 将軍家にふさわしい御供養は・ 279 00:27:17,463 --> 00:27:19,966 他にもござりましょう。 280 00:27:19,966 --> 00:27:23,803 ほう。 他の供養とは? 281 00:27:23,803 --> 00:27:27,473 官位の御追贈にござります。 282 00:27:27,473 --> 00:27:31,144 それは どういう事か? 283 00:27:31,144 --> 00:27:33,813 源四郎。 ははっ。 284 00:27:33,813 --> 00:27:37,483 恐れながら 言上つかまつります。 285 00:27:37,483 --> 00:27:43,156 東照大権現 家康公は 御逝去の後 朝廷より・ 286 00:27:43,156 --> 00:27:45,825 正一位を追贈されました。 287 00:27:45,825 --> 00:27:51,497 台徳院 秀忠公 大猷院 家光公も同じく正一位。 288 00:27:51,497 --> 00:27:58,371 先代 厳有院 家綱公 以降は 末代まで正二位と決まりました。 289 00:27:58,371 --> 00:28:00,306 うむ。 290 00:28:00,306 --> 00:28:06,779 桂昌院様の御功績は 三代様までの正一位に・ 291 00:28:06,779 --> 00:28:10,116 劣らぬものと存じ奉ります。 292 00:28:10,116 --> 00:28:12,451 うむ うむ。 293 00:28:12,451 --> 00:28:16,122 されば 朝廷に奏請し・ 294 00:28:16,122 --> 00:28:19,025 女人としては例のない・ 295 00:28:19,025 --> 00:28:22,795 従一位の追贈を おはかりなされては・ 296 00:28:22,795 --> 00:28:25,698 いかがかと存じ奉ります。 297 00:28:25,698 --> 00:28:28,668 従一位! 298 00:28:28,668 --> 00:28:30,670 それは 名案! 299 00:28:30,670 --> 00:28:35,808 どうじゃ 吉保! 官位の追贈とは気付かなんだの! 300 00:28:35,808 --> 00:28:40,680 さすがは 大石内蔵助の御一族。 301 00:28:40,680 --> 00:28:44,150 又従兄弟でござる。 302 00:28:44,150 --> 00:28:48,020 されど 御葬儀から 既に とつきが過ぎました故・ 303 00:28:48,020 --> 00:28:52,491 朝廷への奏請は いささか手遅れかと。 304 00:28:52,491 --> 00:28:57,163 さにあらず。 御葬儀に勝る 盛大な一周忌を催し・ 305 00:28:57,163 --> 00:29:02,969 併せて勅使を御差し遣わし 官位御追贈でよい。 306 00:29:02,969 --> 00:29:04,969 ふむ ふむ。 307 00:29:06,973 --> 00:29:10,109 大赦令は いかがでござりましょう。 308 00:29:10,109 --> 00:29:13,012 大赦令? 309 00:29:13,012 --> 00:29:19,785 万民の罪 科を 二等 三等と減じ 桂昌院様の御遺徳を広めれば・ 310 00:29:19,785 --> 00:29:25,658 御一周期の法要は 更に 意義深きものと相なりましょう。 311 00:29:25,658 --> 00:29:28,127 それでよい それでよい。 312 00:29:28,127 --> 00:29:31,998 禁裏への奏請は 某が お取り次ぎ致します。 313 00:29:31,998 --> 00:29:35,468 かたじけのうござる。 314 00:29:35,468 --> 00:29:41,807 フフフフ… 従一位とは恐れ入った! 315 00:29:41,807 --> 00:29:44,710 詮房。 ははっ。 316 00:29:44,710 --> 00:29:50,483 寺坂吉右衛門の一件は 大赦令によって帳消しじゃの。 317 00:29:50,483 --> 00:29:54,353 ははっ。 返答致すまでもあるまい。 318 00:29:54,353 --> 00:29:56,355 (詮房)御意にござります。 319 00:29:56,355 --> 00:30:01,055 今日は よき日であった。 320 00:30:03,829 --> 00:30:08,501 ハハハハハ! 321 00:30:08,501 --> 00:30:20,501 ・~ 322 00:30:22,848 --> 00:30:26,519 まあ 座れ。 座っております。 323 00:30:26,519 --> 00:30:30,856 近う寄れと申しておる。 ははっ。 324 00:30:30,856 --> 00:30:38,531 なんと 驚くなかれ 評定所は大恥をかいたぞ。 325 00:30:38,531 --> 00:30:43,202 上様の一声で裁決が覆った。 326 00:30:43,202 --> 00:30:48,541 お前の遠島は差し戻しじゃ。 えっ!? 327 00:30:48,541 --> 00:30:55,214 6月には 桂昌院様の一周忌法要が 行われ 大赦令が発せられる。 328 00:30:55,214 --> 00:31:00,086 先に 連座の罪で 大島へ流された面々も・ 329 00:31:00,086 --> 00:31:03,386 帰国を許される見込みとなった。 330 00:31:07,493 --> 00:31:11,493 どうじゃ うれしいか? 331 00:31:14,367 --> 00:31:17,367 ありがたき幸せ…。 332 00:31:19,505 --> 00:31:23,376 大した男じゃのう。 333 00:31:23,376 --> 00:31:28,848 一介の足軽風情が 幕府を相手に事を構え・ 334 00:31:28,848 --> 00:31:32,718 評定所を手玉に取った。 335 00:31:32,718 --> 00:31:39,859 一体 どういう からくりじゃ? 絵図を描いたのは 誰じゃ? 336 00:31:39,859 --> 00:31:43,559 わしにだけ そ~っと 教えてくれんか? 337 00:31:46,532 --> 00:31:50,403 手前の一存にござります。 338 00:31:50,403 --> 00:31:54,407 アホ! 誰が信じるか。 339 00:31:54,407 --> 00:32:05,818 ・~ 340 00:32:05,818 --> 00:32:16,829 (鐘の音) 341 00:32:16,829 --> 00:32:25,171 (読経) 342 00:32:25,171 --> 00:32:29,842 (読経) 343 00:32:29,842 --> 00:32:44,542 (読経) 344 00:33:00,473 --> 00:33:03,809 恐れながら…・ 345 00:33:03,809 --> 00:33:07,480 寺坂吉右衛門を いかが致しましょうか? 346 00:33:07,480 --> 00:33:10,149 まだ預かっておるのか? 347 00:33:10,149 --> 00:33:13,052 お指図が ござりませんので。 348 00:33:13,052 --> 00:33:18,352 わしは知らん。 そちの 好きなようにすればよかろう。 349 00:33:25,498 --> 00:33:28,000 おかまいなしとは? 350 00:33:28,000 --> 00:33:31,504 「おかまいなし」は 「おかまいなし」じゃ。 351 00:33:31,504 --> 00:33:33,439 そちを 放免致す。 352 00:33:33,439 --> 00:33:37,009 討ち入りの罪は 許されたのですか? 353 00:33:37,009 --> 00:33:41,809 それは わしに聞くな。 うっかりした事は言えん。 354 00:33:44,517 --> 00:33:48,387 仙石様には 大層 御迷惑を おかけ致しました。 355 00:33:48,387 --> 00:33:52,858 謹んで お詫び申し上げまする。 356 00:33:52,858 --> 00:33:57,530 これから どうする? さて…。 357 00:33:57,530 --> 00:34:02,134 わしに 仕える気はないか? は? 358 00:34:02,134 --> 00:34:04,470 知行 百石でどうじゃ? 359 00:34:04,470 --> 00:34:09,341 家臣に 忠義の何たるかを 指南してくれればよい。 360 00:34:09,341 --> 00:34:13,479 ありがたい お話では ござりまするが…。 361 00:34:13,479 --> 00:34:16,148 (伯耆守)嫌なのか? 362 00:34:16,148 --> 00:34:20,819 恐れながら 赤穂の旧臣として やり残した事が…。 363 00:34:20,819 --> 00:34:24,690 欲をかくな。 腹を切るつもりでいたくせに。 364 00:34:24,690 --> 00:34:27,693 助けて頂いたからには・ 365 00:34:27,693 --> 00:34:30,829 生き甲斐を全うして 死にとうござりまする。 366 00:34:30,829 --> 00:34:36,168 ハハハ! 8か月も ただ飯 ただ酒を 食らいおって! 367 00:34:36,168 --> 00:34:40,468 御恩は 生涯 忘れませぬ。 368 00:34:43,042 --> 00:34:46,178 武右衛門! ははっ。 369 00:34:46,178 --> 00:34:50,516 吉良邸に討ち入った赤穂浪士は 47人じゃ。・ 370 00:34:50,516 --> 00:34:53,852 書きつけを すべて 書き改めよ。 371 00:34:53,852 --> 00:34:55,852 心得ました。 372 00:34:57,523 --> 00:34:59,523 仙石様…。 373 00:35:01,393 --> 00:35:04,330 どこへでも 行け。 374 00:35:04,330 --> 00:35:31,390 ・~ 375 00:35:31,390 --> 00:35:35,361 お世話になりました。 お達者で。 376 00:35:35,361 --> 00:35:50,361 ・~ 377 00:35:56,181 --> 00:35:58,881 (かしわ手) 378 00:36:07,459 --> 00:36:10,362 (新八郎)寺坂吉右衛門殿か? 379 00:36:10,362 --> 00:36:12,331 いかにも。 380 00:36:12,331 --> 00:36:16,802 お主が解き放たれる日を ひたすら待っていた。 381 00:36:16,802 --> 00:36:19,705 さては 幕府の回し者か? 382 00:36:19,705 --> 00:36:26,478 さにあらず。 元 吉良家の 中小姓 山吉新八郎と申す。 383 00:36:26,478 --> 00:36:28,414 吉良家の…。 384 00:36:28,414 --> 00:36:31,817 4年間は 図らずも 夜討ちをかけられ不覚をとった。 385 00:36:31,817 --> 00:36:35,487 その無念 この場にて晴らしたい。 386 00:36:35,487 --> 00:36:40,359 討ち入りの次第は 御公儀の お裁きで決着がついたはずだ。 387 00:36:40,359 --> 00:36:43,162 浅野の旧臣は それでよかろうがのう・ 388 00:36:43,162 --> 00:36:45,097 ぶざまに主君を討ち取られ・ 389 00:36:45,097 --> 00:36:51,503 敵役にされた我らは 生涯 肩身の狭い思いをせねばならぬ。 390 00:36:51,503 --> 00:36:58,010 負け犬の遠吠えかもしれんが せめて 恨みの一太刀を返したい。 391 00:36:58,010 --> 00:37:04,116 なるほど。 立ち合うてくれるか? 392 00:37:04,116 --> 00:37:06,785 やむをえまい。 393 00:37:06,785 --> 00:37:09,485 いざ…。 394 00:37:42,488 --> 00:37:44,423 待った! 395 00:37:44,423 --> 00:37:47,423 これまでにしてくれぬか? 396 00:37:50,362 --> 00:37:52,862 おかげで 気が晴れた。 397 00:38:13,452 --> 00:38:18,323 かたじけない。 その手は? 398 00:38:18,323 --> 00:38:23,462 あの日 堀部安兵衛に 切り落とされた。 399 00:38:23,462 --> 00:38:28,333 分かっておる。 侍ならば 命のやり取りは しかたがない。 400 00:38:28,333 --> 00:38:32,471 お主は 浅野家に仕え 私は 吉良家に仕えた。 401 00:38:32,471 --> 00:38:34,406 ただ それだけだ。 402 00:38:34,406 --> 00:38:40,345 だが この手を見るにつけ 無性に腹が立ってな。 403 00:38:40,345 --> 00:38:56,495 ・~ 404 00:38:56,495 --> 00:39:02,301 すまん。 やっと すっきりした。 これで終わりだ。 405 00:39:02,301 --> 00:39:17,449 ・~ 406 00:39:17,449 --> 00:39:22,321 りんどうか。 では これにて。 407 00:39:22,321 --> 00:40:18,844 ・~ 408 00:40:18,844 --> 00:40:23,515 これを。 はい かしこまりました。 409 00:40:23,515 --> 00:40:56,215 ・~ 410 00:41:20,505 --> 00:42:54,505 ・~ 411 00:45:03,395 --> 00:45:09,201 中国東北地方を 100年以上 走り続ける鉄道。 412 00:45:09,201 --> 00:45:12,537 つくったのは ロシア人。 413 00:45:12,537 --> 00:45:17,337 川を渡れば ハルビンの街。 414 00:45:20,745 --> 00:45:23,415 かつては ロシア人をはじめ・ 415 00:45:23,415 --> 00:45:26,318 欧米人 日本人も多く暮らす・ 416 00:45:26,318 --> 00:45:29,318 国際都市だったんですって。 417 00:45:35,994 --> 00:45:39,264 うわ~! 北国の光。 418 00:45:39,264 --> 00:45:43,869 ハルビンは ロシア風の建物が すばらしいって聞いたんだけど・ 419 00:45:43,869 --> 00:45:46,669 どっちに行けばいいんだろう? 420 00:45:51,243 --> 00:45:54,643 あれ なんだろう? タクシーかしら。