1 00:00:35,733 --> 00:00:44,733 (映写機の音) 2 00:00:51,549 --> 00:00:54,886 ♬~ 3 00:00:54,886 --> 00:01:01,759 四国は 伊予松山に 3人の男がいた。 4 00:01:01,759 --> 00:01:06,898 この ふるい城下町にうまれた 秋山真之は➡ 5 00:01:06,898 --> 00:01:09,400 日露戦争がおこるにあたって➡ 6 00:01:09,400 --> 00:01:11,335 勝利は 不可能に ちかいといわれた➡ 7 00:01:11,335 --> 00:01:15,206 バルチック艦隊を ほろぼすにいたる 作戦をたて➡ 8 00:01:15,206 --> 00:01:19,110 それを実施した。 9 00:01:19,110 --> 00:01:25,850 その兄の秋山好古は 日本の騎兵を育成し➡ 10 00:01:25,850 --> 00:01:29,787 史上最強の騎兵といわれる コサック師団をやぶるという➡ 11 00:01:29,787 --> 00:01:33,524 奇蹟を遂げた。 12 00:01:33,524 --> 00:01:37,395 もうひとりは 俳句 短歌といった➡ 13 00:01:37,395 --> 00:01:40,398 日本のふるい短詩型に 新風を入れて➡ 14 00:01:40,398 --> 00:01:46,398 その中興の祖となった 俳人 正岡子規である。 15 00:01:48,372 --> 00:01:52,810 かれらは 明治という時代人の体質で➡ 16 00:01:52,810 --> 00:01:56,747 前をのみ見つめながら あるく。 17 00:01:56,747 --> 00:02:01,385 のぼってゆく坂の上の青い天に➡ 18 00:02:01,385 --> 00:02:05,256 もし一朶の白い雲が かがやいているとすれば➡ 19 00:02:05,256 --> 00:02:10,728 それのみをみつめて 坂をのぼってゆくであろう。 20 00:02:10,728 --> 00:02:21,928 ♬~ 21 00:02:24,909 --> 00:02:30,247 (東郷)このたびは 艦隊の編成を更新し➡ 22 00:02:30,247 --> 00:02:36,053 君を参謀に挙げることに なりもした。 23 00:02:36,053 --> 00:02:39,953 作戦参謀を お願いしたい。 24 00:02:44,328 --> 00:02:46,964 (せきこみ) 25 00:02:46,964 --> 00:02:52,370 東郷は 対露作戦の立案者として 秋山真之を選び➡ 26 00:02:52,370 --> 00:02:59,143 日本海軍の命運の一端を 真之が背負うことになった。 27 00:02:59,143 --> 00:03:02,143 (真之)おう! (与志子)信好! 勇ましいのう。 28 00:03:13,224 --> 00:03:15,893 (貞)分かりました。 29 00:03:15,893 --> 00:03:23,768 季子さんのことは ウチらに任せて しっかり おやんなさい。 30 00:03:23,768 --> 00:03:32,468 後顧の憂いがあるようじゃ お前の覚悟が鈍るけんな。 31 00:03:34,378 --> 00:03:39,517 (季子) お母様 ありがとうございます。 32 00:03:39,517 --> 00:03:46,817 でも 私は大丈夫。 しっかり 留守を守らせていただきます。 33 00:03:49,193 --> 00:03:53,864 (好古) あっ 万年筆と名刺は どこじゃ? 34 00:03:53,864 --> 00:03:55,800 (多美)あちらでございます。 35 00:03:55,800 --> 00:03:59,537 ほうか。 健ちゃん 頼むぞね。 36 00:03:59,537 --> 00:04:01,537 (健子)はい! 37 00:04:04,408 --> 00:04:08,879 淳 作戦参謀いうことは➡ 38 00:04:08,879 --> 00:04:12,750 対ロシア作戦は お前の肩に かかっとるいうことじゃな。 39 00:04:12,750 --> 00:04:15,753 あまりに身に過ぎた お役目です。 40 00:04:15,753 --> 00:04:20,224 お前らしゅうもない。 喧嘩は 得意中の得意じゃろ。 41 00:04:20,224 --> 00:04:23,561 戦は 喧嘩とは違います。 命が懸かっとる。 42 00:04:23,561 --> 00:04:26,464 お前はアホか! 43 00:04:26,464 --> 00:04:29,764 はい。 だんだん。 44 00:04:44,515 --> 00:04:53,215 淳 これを お前にやる。 肌身離さず 持っておれ。 45 00:04:57,094 --> 00:05:01,866 「這囘の役 即ち 今回の戦➡ 46 00:05:01,866 --> 00:05:06,537 一家全滅すとも怨みなし」と 書いてある。 47 00:05:06,537 --> 00:05:09,537 アシは この覚悟でやる。 48 00:05:13,410 --> 00:05:19,116 縁あって 皆 この秋山の家の人間になった。 49 00:05:19,116 --> 00:05:27,416 皆と暮らした月日は アシにとって 宝じゃ。 50 00:05:34,165 --> 00:05:39,865 アシの人生 一切の悔いはない。 51 00:05:42,039 --> 00:05:44,039 兄さん。 52 00:05:51,515 --> 00:05:54,852 まあ 珍しい。 主人から こんな言葉➡ 53 00:05:54,852 --> 00:05:59,552 初めて聞きました。 で 何と書いたのです? 54 00:06:03,527 --> 00:06:09,727 淳 読んでおくれんかなもし。 55 00:06:13,537 --> 00:06:18,876 いつもの兄さんの口癖じゃ。 56 00:06:18,876 --> 00:06:22,213 「単純明快にあれ」いうことです。 57 00:06:22,213 --> 00:06:28,085 単純明快か。 淳 たまには ええこと言うのう。 58 00:06:28,085 --> 00:06:30,554 兄さんが書いたんじゃろが。 59 00:06:30,554 --> 00:06:34,254 ああ そうじゃったの。 こりゃ いかん。 60 00:06:37,361 --> 00:06:40,361 (信好)ぶぶぶぶ~。 61 00:06:43,834 --> 00:06:46,170 さあ 腕に よりをかけて➡ 62 00:06:46,170 --> 00:06:48,839 松山の もぶり飯でも 作りましょうか。 63 00:06:48,839 --> 00:06:53,139 与志子 健子 お手伝いして。 (2人)は~い! 64 00:06:58,182 --> 00:07:01,085 信好。 はい! 65 00:07:01,085 --> 00:07:04,855 これを片づけてくれ。 はい! 66 00:07:04,855 --> 00:07:08,555 そっちじゃない。 そっちじゃ。 はい! 67 00:07:13,864 --> 00:07:18,736 (季子)お姉さん。 私 魚をさばくのが苦手で…。 68 00:07:18,736 --> 00:07:21,605 (多美)誰だって 最初はそうよ。 あのヌルヌルが➡ 69 00:07:21,605 --> 00:07:24,842 どうしても なじまなくて。 そうでしょ? 70 00:07:24,842 --> 00:07:35,152 ♬~ 71 00:07:35,152 --> 00:07:37,488 淳…➡ 72 00:07:37,488 --> 00:07:44,361 好物の炒り豆 ぎょうさん作っといたけん➡ 73 00:07:44,361 --> 00:07:46,830 持っておいき。 74 00:07:46,830 --> 00:07:49,733 だんだん。 75 00:07:49,733 --> 00:07:57,433 母さん。 アシが帰ってくるまで 元気にしとるんじゃぞ。 76 00:07:59,843 --> 00:08:02,746 ああ。 77 00:08:02,746 --> 00:08:08,519 ♬~ 78 00:08:08,519 --> 00:08:10,854 (信好)ぶぶぶぶぶ~! 79 00:08:10,854 --> 00:08:13,190 手帳発見! おお こらこら! 80 00:08:13,190 --> 00:08:18,062 触ったら いかん。 これは 爆弾じゃ。 81 00:08:18,062 --> 00:08:33,143 ♬~ 82 00:08:33,143 --> 00:08:35,443 ハハッ。 83 00:08:37,014 --> 00:08:41,018 今夜は とことん いくぞ! 84 00:08:41,018 --> 00:08:49,693 ♬~ 85 00:08:49,693 --> 00:08:51,993 あ~。 86 00:08:55,833 --> 00:08:59,133 (酒をつぐ音) 87 00:09:01,505 --> 00:09:05,376 飲め。 相変わらず 割れ茶碗1つですか。 88 00:09:05,376 --> 00:09:07,845 ええから 早う 空け。 89 00:09:07,845 --> 00:09:17,187 ♬~ 90 00:09:17,187 --> 00:09:20,090 おばあちゃん 泣いてる。 91 00:09:20,090 --> 00:09:25,863 ♬~ 92 00:09:25,863 --> 00:09:35,163 (泣き声) 93 00:09:38,809 --> 00:09:42,312 遅れに遅れていた ロシア側の回答が➡ 94 00:09:42,312 --> 00:09:48,118 12月11日になって やっと 日本の外務省に渡された。 95 00:09:48,118 --> 00:09:51,822 ロシア側は妥協するどころではなく➡ 96 00:09:51,822 --> 00:09:57,122 最初の回答よりも さらに強硬なものであった。 97 00:10:00,831 --> 00:10:05,169 (小村)ローゼン閣下 何度でも言う。 98 00:10:05,169 --> 00:10:09,673 貴国の改定案は 逆に➡ 99 00:10:09,673 --> 00:10:16,373 韓国の独立 領土保全を 危うくするものと考える。 100 00:10:21,852 --> 00:10:29,726 ロシアは すさまじい勢いで 極東の軍事力を増大させた。 101 00:10:29,726 --> 00:10:33,864 極東における皇帝の代行者 アレクセーエフは➡ 102 00:10:33,864 --> 00:10:37,534 対日作戦計画を本国に提出し➡ 103 00:10:37,534 --> 00:10:41,205 陸軍大臣 クロパトキンのもとで それが成案になり➡ 104 00:10:41,205 --> 00:10:44,875 それを 皇帝は裁可した。 105 00:10:44,875 --> 00:10:55,219 ♬~ 106 00:10:55,219 --> 00:11:00,090 12月 連合艦隊は出撃態勢を整え➡ 107 00:11:00,090 --> 00:11:06,230 乗員と その家族の 別れの会を催すこととなった。 108 00:11:06,230 --> 00:11:11,930 真之も 妻 季子を佐世保に呼び寄せた。 109 00:11:23,247 --> 00:11:27,117 佐世保市内の宿は どこも いっぱいみたいですね。 110 00:11:27,117 --> 00:11:31,117 海軍士官の夫人たちが 大勢 来たけんのう。 111 00:11:32,856 --> 00:11:41,031 私 箱根を越えて 西に来たのは これが初めてなんです。 112 00:11:41,031 --> 00:11:48,772 関門海峡を連絡船で渡る時は ちょっと心細くて…。 113 00:11:48,772 --> 00:11:51,772 よう来た。 114 00:11:53,544 --> 00:11:55,544 はい。 115 00:11:57,214 --> 00:12:00,551 待ちかねたぞ。 116 00:12:00,551 --> 00:12:03,251 お変わりなく。 117 00:12:05,889 --> 00:12:11,762 よう 一人で縫えたのう。 帯も アシに ぴったりじゃ。 118 00:12:11,762 --> 00:12:14,898 ノボさんの形見の下駄 どうじゃ? 119 00:12:14,898 --> 00:12:16,833 よく お似合いです。 120 00:12:16,833 --> 00:12:18,833 ほうか。 121 00:12:23,073 --> 00:12:27,073 まだ新しいけん きつい。 122 00:12:32,516 --> 00:12:35,419 季子が こんなに 裁縫が得意じゃとは➡ 123 00:12:35,419 --> 00:12:37,387 知らんかったぞな。 124 00:12:37,387 --> 00:12:43,087 さすが 良妻賢母を目指す 華族女学校じゃね。 125 00:12:45,095 --> 00:12:47,795 だんだん。 126 00:12:51,201 --> 00:12:55,201 律さんに手伝ってもらいました。 127 00:12:56,873 --> 00:13:03,213 真之さんには内緒で 律さんに お針を教わっていたんです。 128 00:13:03,213 --> 00:13:07,084 私 失敗ばかりしてしまって➡ 129 00:13:07,084 --> 00:13:11,888 この着物も 何回 縫い直しをさせられたか。 130 00:13:11,888 --> 00:13:15,759 でも 苦労した甲斐がありました。 131 00:13:15,759 --> 00:13:19,763 (汽笛) 132 00:13:19,763 --> 00:13:21,898 ああ…。 133 00:13:21,898 --> 00:13:42,185 ♬~ 134 00:13:42,185 --> 00:13:45,885 旗艦 三笠じゃ。 135 00:13:48,859 --> 00:13:51,762 アシが乗っとる艦じゃ。 136 00:13:51,762 --> 00:14:00,203 ♬~ 137 00:14:00,203 --> 00:14:05,075 三笠… 美しい。 138 00:14:05,075 --> 00:14:12,215 ♬~ 139 00:14:12,215 --> 00:14:15,118 (水兵)表 構え! 140 00:14:15,118 --> 00:14:25,228 ♬~ 141 00:14:25,228 --> 00:14:27,928 どうした? 142 00:14:32,836 --> 00:14:37,174 真之さんが戻ってくるまでに➡ 143 00:14:37,174 --> 00:14:42,174 一人で 着物を縫えるようにしておきます。 144 00:14:44,848 --> 00:14:49,720 元気で帰ってきてください。 145 00:14:49,720 --> 00:15:36,833 ♬~ 146 00:15:36,833 --> 00:15:50,380 (鐘の音) 147 00:15:50,380 --> 00:15:55,185 開戦の直前 東京の児玉源太郎は➡ 148 00:15:55,185 --> 00:16:01,858 ペテルブルクにいる明石元二郎に 電報による秘密命令を発した。 149 00:16:01,858 --> 00:16:07,531 「ロシアにおいて革命指導せよ」という 内容であったことは➡ 150 00:16:07,531 --> 00:16:10,531 ほぼ まちがいない。 151 00:17:14,865 --> 00:17:17,565 (明石)ヘイ! ヘイ! 152 00:17:21,204 --> 00:17:23,504 (ドアの開閉音) 153 00:17:29,880 --> 00:17:36,486 (栗野)お久しぶりです 明石さん。 相変わらず 臭いますな。 154 00:17:36,486 --> 00:17:41,358 そげんですか? わしは 臭いませんばってん。 155 00:17:41,358 --> 00:17:44,160 参謀本部からは? (秋月)いえ。 156 00:17:44,160 --> 00:17:49,499 ロシア貴婦人は みんな 君を嫌うとる。 157 00:17:49,499 --> 00:17:51,434 (物が落ちる音) 158 00:17:51,434 --> 00:18:00,510 ♬~ 159 00:18:00,510 --> 00:18:05,181 ばってん 栗野さん 革命以外に 日本の勝つ道は なかですばい! 160 00:18:05,181 --> 00:18:09,853 帝政ロシアの官僚の腐敗と 専制に対する人民の怨嗟の声は➡ 161 00:18:09,853 --> 00:18:13,189 その内情ば 知れば知るほど 深刻っちゅうこつが分かります! 162 00:18:13,189 --> 00:18:15,859 これを扇動したら 帝政は その内部から➡ 163 00:18:15,859 --> 00:18:18,762 確実に崩壊する…。 (ドアの開閉音) 164 00:18:18,762 --> 00:18:29,205 ♬~ 165 00:18:29,205 --> 00:18:33,076 こん国は 近隣の植民地からも 憎しみば受けとる。 166 00:18:33,076 --> 00:18:37,076 ポーランドやフィンランドのこつですか? そげんたい。 167 00:18:39,816 --> 00:18:43,816 ロシアは 長い間 それらの国ば 押さえつけてきた。 168 00:18:46,156 --> 00:18:50,156 その憎しみを利用しない手はなか。 169 00:18:51,828 --> 00:18:55,699 ロシア側によって書かれた いかなる革命史にも➡ 170 00:18:55,699 --> 00:18:58,702 明石元二郎の名は でていない。 171 00:18:58,702 --> 00:19:03,340 が ロシア革命は 明石が出現する時期から➡ 172 00:19:03,340 --> 00:19:05,842 くっきりと時期を劃して激化し➡ 173 00:19:05,842 --> 00:19:09,713 各地に暴動と破壊事件が 頻発したということは➡ 174 00:19:09,713 --> 00:19:12,716 だれも 曲げることは できないであろう。 175 00:19:12,716 --> 00:19:18,416 ♬~ 176 00:19:26,863 --> 00:19:29,532 1月12日➡ 177 00:19:29,532 --> 00:19:34,804 元老 閣僚 陸海軍高官らが 召集され➡ 178 00:19:34,804 --> 00:19:38,104 御前会議が開かれた。 179 00:19:55,492 --> 00:19:58,395 (伊藤)恐れながら申し上げます。 180 00:19:58,395 --> 00:20:05,168 不肖伊藤 一昨年から ロシアとの協商を目指して➡ 181 00:20:05,168 --> 00:20:10,040 粉骨砕身 協議に努めてまいりました。 182 00:20:10,040 --> 00:20:16,513 しかし ロシアは 一部の強硬派が政権を牛耳り➡ 183 00:20:16,513 --> 00:20:23,186 我が国の交渉案を一顧だにせず 回答を引き延ばしたうえ➡ 184 00:20:23,186 --> 00:20:27,857 みじんの誠意をも 見せようとしません。➡ 185 00:20:27,857 --> 00:20:33,663 先の6日にあった ロシアの回答を見れば➡ 186 00:20:33,663 --> 00:20:39,202 満州は むろん 傍若無人にも 朝鮮の半分をも➡ 187 00:20:39,202 --> 00:20:45,542 その支配下に収めんとする ロシア側の意図は明白。 188 00:20:45,542 --> 00:20:51,214 残念ながら もはや 協商の余地はなく➡ 189 00:20:51,214 --> 00:20:55,085 談判を中止し 干戈に訴える以外に➡ 190 00:20:55,085 --> 00:20:58,785 道は なきものと考えます。 191 00:21:04,227 --> 00:21:10,900 (伊藤)皇祖が国をはじめて以来 二千有余年➡ 192 00:21:10,900 --> 00:21:18,241 最大の難局であり 実に 国家存亡の危機であります。➡ 193 00:21:18,241 --> 00:21:24,914 陛下に おかせられましては 慎重 深慮を巡らし➡ 194 00:21:24,914 --> 00:21:31,214 聖断を下したまわんことを 願い奉ります。 195 00:21:39,562 --> 00:21:42,398 (山県) ロシアに 誠意は ございませぬ。➡ 196 00:21:42,398 --> 00:21:45,869 一方では 交渉を 延ばしに延ばしておきながら➡ 197 00:21:45,869 --> 00:21:49,539 一方では 軍事行動を 着々と進めております。 198 00:21:49,539 --> 00:21:54,210 荏苒 このままにして 時機を逸することを恐れます。 199 00:21:54,210 --> 00:21:57,881 よって 断固 国交を断絶し➡ 200 00:21:57,881 --> 00:22:03,581 自由行動を執られんことの聖裁を 仰ぐ次第でございます。 201 00:22:05,221 --> 00:22:08,892 (松方)戦費は もちろん 十分ではございません。➡ 202 00:22:08,892 --> 00:22:12,762 しかし あらかじめ 十分な戦費を用意して➡ 203 00:22:12,762 --> 00:22:17,233 開戦に取りかかる国など 存在しません。➡ 204 00:22:17,233 --> 00:22:20,533 日清戦役の時の経験…。 205 00:22:32,182 --> 00:22:38,521 (明治天皇)修正案について 詳しく説明してみよ。 206 00:22:38,521 --> 00:22:46,821 ロシア側が修正案に妥協してくる 可能性は どれくらいあるか。 207 00:22:49,532 --> 00:22:52,832 (山本)小村外務大臣。 208 00:22:56,406 --> 00:23:03,880 6日のロシアの回答に対する 我が修正案の主な点は➡ 209 00:23:03,880 --> 00:23:09,219 ロシアの対案第5条から 日本が…。 210 00:23:09,219 --> 00:23:13,556 日本政府は 外交交渉による前途に絶望し➡ 211 00:23:13,556 --> 00:23:20,230 何度か断交しようとしたが そのつど 明治帝は許さなかった。 212 00:23:20,230 --> 00:23:25,902 明治帝に最も近しい元老 伊藤博文は➡ 213 00:23:25,902 --> 00:23:30,773 終始 日露開戦に消極的であった。 214 00:23:30,773 --> 00:23:34,177 日本宮廷は 公家的な伝統からして➡ 215 00:23:34,177 --> 00:23:37,847 きわめて非軍事的な 性格と思想をもっており➡ 216 00:23:37,847 --> 00:23:42,147 明治帝も その例外ではなかった。 217 00:23:47,857 --> 00:23:56,532 しかしながら この修正案をもって ロシア側と交渉を重ねても➡ 218 00:23:56,532 --> 00:24:03,232 もはや 彼らに応じさせるのは すこぶる困難と思われます。 219 00:24:04,874 --> 00:24:08,211 もし 難しいなら➡ 220 00:24:08,211 --> 00:24:10,880 どうして この修正案を➡ 221 00:24:10,880 --> 00:24:15,180 ロシア側に提出する必要があるのか。 222 00:24:28,231 --> 00:24:34,837 我が国が 談判中止を 通告する時期については➡ 223 00:24:34,837 --> 00:24:41,177 おのずから 軍事計画と 緊密な関係がありますので➡ 224 00:24:41,177 --> 00:24:46,477 軍事計画と照らし合わせて 決定しなければなりません。 225 00:24:48,851 --> 00:24:53,189 (小村) 清国に兵隊を運ぶ輸送船が➡ 226 00:24:53,189 --> 00:24:57,860 日本全国から 佐世保に集合し終えるのは➡ 227 00:24:57,860 --> 00:25:05,535 この20日の予定で それ以前に 談判中止を通告するのは➡ 228 00:25:05,535 --> 00:25:08,235 とても危険です。 229 00:25:13,209 --> 00:25:19,082 (小村)この際 それまでは 日露友好を訴え➡ 230 00:25:19,082 --> 00:25:25,555 ロシアが 修正案に 誠意をもって答えてくるのを➡ 231 00:25:25,555 --> 00:25:30,226 我慢強く待つ必要があります。 232 00:25:30,226 --> 00:25:41,504 ♬~ 233 00:25:41,504 --> 00:25:47,176 もう一度 ロシアに返答を催促してみよ。➡ 234 00:25:47,176 --> 00:25:53,049 その返答が もし多少なりとも 我が要求を入れ➡ 235 00:25:53,049 --> 00:25:55,051 それを条件として➡ 236 00:25:55,051 --> 00:25:59,522 我が方が 忍びうる程度のものであるなら➡ 237 00:25:59,522 --> 00:26:05,862 重ねて議論を尽くす必要があろう。 238 00:26:05,862 --> 00:26:08,197 ははっ。 239 00:26:08,197 --> 00:26:13,536 ♬~ 240 00:26:13,536 --> 00:26:17,206 (山本)天命は下りました。 241 00:26:17,206 --> 00:26:23,079 会議は これによって 閉会といたします。 242 00:26:23,079 --> 00:26:26,215 権兵衛は落胆した。 243 00:26:26,215 --> 00:26:33,915 山県有朋は 聖断の背後に 伊藤の存在を感じた。 244 00:26:59,515 --> 00:27:03,853 ロシア皇帝 ニコライ2世は迷っていた。 245 00:27:03,853 --> 00:27:09,353 日本側からの修正案が 最後通牒の 響きを持っていたからである。 246 00:30:01,831 --> 00:30:14,831 ♬~ 247 00:30:25,855 --> 00:30:29,191 ♬~ 248 00:30:29,191 --> 00:30:34,191 皇帝は聖断を下した。 249 00:30:49,512 --> 00:30:52,415 1月28日➡ 250 00:30:52,415 --> 00:30:58,554 ニコライ2世は 極東総督 アレクセーエフに電訓をうった。 251 00:30:58,554 --> 00:31:05,254 その内容は 日本に対する 全面譲歩の回答であった。 252 00:31:14,103 --> 00:31:22,803 ♬~ 253 00:31:47,069 --> 00:31:51,207 その電報が 東京のローゼンに届いたのは➡ 254 00:31:51,207 --> 00:31:54,907 10日後の2月7日であった。 255 00:31:57,079 --> 00:32:02,218 皇帝の電報が 旅順総督府に 留め置かれている間に➡ 256 00:32:02,218 --> 00:32:07,890 英国外務省より ロシア皇帝による 対日作戦計画の裁可という➡ 257 00:32:07,890 --> 00:32:12,190 1か月前の情報が 日本に伝えられた。 258 00:32:15,765 --> 00:32:19,235 陸軍は 断交を決意し➡ 259 00:32:19,235 --> 00:32:22,905 大山 巌は この日 いそぎ参内して➡ 260 00:32:22,905 --> 00:32:27,576 開戦を決すべき事態であることを 奏上した。 261 00:32:27,576 --> 00:32:36,852 ♬~ 262 00:32:36,852 --> 00:32:39,188 更に 2月3日➡ 263 00:32:39,188 --> 00:32:45,888 海軍省に ロシア旅順艦隊が 大挙出港したという急報が入った。 264 00:33:01,210 --> 00:33:03,546 (山本)残念ながら➡ 265 00:33:03,546 --> 00:33:06,882 はっきりしたこつは 分かりもはん。➡ 266 00:33:06,882 --> 00:33:12,755 じゃっどん 我が国の最終修正案に対して➡ 267 00:33:12,755 --> 00:33:20,229 ロシア側からは 何の回答も よこしちょいもはん。 268 00:33:20,229 --> 00:33:27,903 最悪 ロシアの旅順艦隊は 海を渡り 長駆➡ 269 00:33:27,903 --> 00:33:32,903 佐世保 竹敷に 攻撃を 仕掛けてくるかもしれもはん。 270 00:33:36,712 --> 00:33:40,012 (大砲の音) 271 00:33:42,418 --> 00:33:46,856 (山本)港湾の要所には 水雷を敷設するよう➡ 272 00:33:46,856 --> 00:33:49,758 既に命じてありもす。 273 00:33:49,758 --> 00:33:54,730 こんまま ほっておったら➡ 274 00:33:54,730 --> 00:33:59,730 千載に 悔いを残すことに なりもんそ。 275 00:34:02,204 --> 00:34:08,544 既に 戦機は迫りたり。 276 00:34:08,544 --> 00:34:14,544 いや 既に 熟したり。 277 00:34:21,123 --> 00:34:26,823 (犬の鳴き声) 278 00:34:28,864 --> 00:34:35,564 (せきこみ) 279 00:34:42,845 --> 00:34:46,845 (犬の鳴き声) 280 00:34:59,862 --> 00:35:02,862 ジュン。 281 00:35:18,213 --> 00:35:23,913 陛下。 不肖伊藤は…。 282 00:35:28,223 --> 00:35:30,893 今や 決然と➡ 283 00:35:30,893 --> 00:35:35,731 陛下の処断を 下したもうべき時機なりと➡ 284 00:35:35,731 --> 00:35:39,431 存じ奉ります。 285 00:35:43,839 --> 00:35:46,175 (せきこみ) 286 00:35:46,175 --> 00:35:49,211 明治帝が聖断を下したのは➡ 287 00:35:49,211 --> 00:35:55,711 明治37年2月4日 最後の御前会議であった。 288 00:35:57,519 --> 00:36:02,858 会議がおわると 枢密院議長 伊藤博文が➡ 289 00:36:02,858 --> 00:36:06,729 金子堅太郎を よび出した。 290 00:36:06,729 --> 00:36:11,867 金子は 伊藤博文と共に 憲法起草に参加し➡ 291 00:36:11,867 --> 00:36:15,167 伊藤の懐刀と呼ばれていた。 292 00:36:32,488 --> 00:36:36,158 (金子)すぐ来いとの電話ば 頂きましたもんで➡ 293 00:36:36,158 --> 00:36:41,858 まかり出ましたばってん。 どげなことで? 294 00:36:43,499 --> 00:36:46,168 開戦に決まった。 295 00:36:46,168 --> 00:36:48,504 えっ? 296 00:36:48,504 --> 00:36:52,174 お主には アメリカへ行ってもらいたい。 297 00:36:52,174 --> 00:36:54,843 アメリカ。 298 00:36:54,843 --> 00:37:02,518 お主は ルーズベルト大統領と ハーバードで同窓生だそうじゃな。 299 00:37:02,518 --> 00:37:04,818 はぁ。 300 00:37:08,190 --> 00:37:17,866 特使として アメリカへ赴き アメリカの世論を 有利な方向に導く。 301 00:37:17,866 --> 00:37:23,739 そして ほどよきところで 大統領に仲介を頼み➡ 302 00:37:23,739 --> 00:37:27,876 講和に持ち込む。 ちょっと待ってください。 303 00:37:27,876 --> 00:37:33,876 お主以外に この仕事を 全うできる者は おらん。 304 00:37:39,154 --> 00:37:44,026 金子 隠し立てのない 正直なところを➡ 305 00:37:44,026 --> 00:37:46,829 お前には言う。 306 00:37:46,829 --> 00:37:52,501 陸軍も 海軍も 金の工面をする大蔵省も➡ 307 00:37:52,501 --> 00:37:57,840 誰も ロシアに勝つという 見込みを持っておらん。 308 00:37:57,840 --> 00:38:01,540 頼みの綱は アメリカじゃ。 309 00:38:03,712 --> 00:38:11,386 もし ロシア軍が 海陸から この国に迫った場合➡ 310 00:38:11,386 --> 00:38:20,863 わしは往年 長州の力士隊を率いて 幕府と戦ったことを思い➡ 311 00:38:20,863 --> 00:38:26,535 銃を取り 兵卒になって ロシア上陸軍を防ぎ➡ 312 00:38:26,535 --> 00:38:31,807 砲火の中で死ぬつもりじゃ。 313 00:38:31,807 --> 00:38:34,507 閣下。 314 00:38:36,145 --> 00:38:38,445 (カラスの鳴き声) 315 00:38:48,724 --> 00:38:51,493 かれのカバンのなかには➡ 316 00:38:51,493 --> 00:38:56,365 海軍の用語でいう 「封密命令」が入っている。 317 00:38:56,365 --> 00:39:02,504 連合艦隊司令長官 東郷平八郎に 対する命令書であり➡ 318 00:39:02,504 --> 00:39:04,840 ことばの本来の意味からいえば➡ 319 00:39:04,840 --> 00:39:10,540 指定の時期に 指定の場所で 封を切るべきものであった。 320 00:39:12,714 --> 00:39:14,714 (水兵)表 構え! 321 00:39:59,494 --> 00:40:02,164 (山下)封密命令を 持参いたしました。 322 00:40:02,164 --> 00:40:04,464 ご苦労。 323 00:40:10,505 --> 00:40:37,733 ♬~ 324 00:40:37,733 --> 00:40:41,870 (永田) 「発 海軍大臣 宛 連隊長官➡ 325 00:40:41,870 --> 00:40:48,210 2月5日午後5時をもって 緊要封書を開封されたし」 以上。 326 00:40:48,210 --> 00:41:06,561 ♬~ 327 00:41:06,561 --> 00:41:12,261 でてきたのは 大海令第1号であった。 328 00:41:13,902 --> 00:41:20,575 「連合艦隊司令長官ならびに 第三艦隊司令長官は➡ 329 00:41:20,575 --> 00:41:26,448 東洋にある露国艦隊の全滅を 図るべし」➡ 330 00:41:26,448 --> 00:41:31,219 「連合艦隊司令長官は すみやかに発進し➡ 331 00:41:31,219 --> 00:41:38,527 まず 黄海方面にある 露国艦隊を撃破すべし」。 332 00:41:38,527 --> 00:41:48,870 ♬~ 333 00:41:48,870 --> 00:41:53,542 各隊の指揮官と艦長を 旗艦に集めよ。 334 00:41:53,542 --> 00:41:55,477 はっ! 335 00:41:55,477 --> 00:42:10,559 ♬~ 336 00:42:10,559 --> 00:42:16,259 日本は 存亡の崖っぷちに たっていた。 337 00:42:18,233 --> 00:42:27,242 日本の運命を決する海上作戦が 今まさに はじまろうとしていた。 338 00:42:27,242 --> 00:42:30,942 ♬~ 339 00:42:32,848 --> 00:42:34,783 いざ! (一同)いざ! 340 00:42:34,783 --> 00:42:37,783 やれば 必ず ぎょうさんの兵が死にます。 341 00:42:41,023 --> 00:42:45,527 (律)愛する人が戦争に行ったら 誰だって 尋常じゃおれんけん。 342 00:42:45,527 --> 00:42:48,196 生還できないような作戦は 初めから立てません。 343 00:42:48,196 --> 00:42:50,866 目指すんは 全員生還です。 344 00:42:50,866 --> 00:42:53,769 ♬「希望のつぼみが」 345 00:42:53,769 --> 00:43:00,942 ♬「遠くを見つめていた」 346 00:43:00,942 --> 00:43:08,116 ♬「迷い悩むほど」 347 00:43:08,116 --> 00:43:15,457 ♬「人は強さを掴むから」 348 00:43:15,457 --> 00:43:18,360 ♬「夢をみる」 349 00:43:18,360 --> 00:43:25,467 ♬「凛として旅立つ」 350 00:43:25,467 --> 00:43:33,275 ♬「一朶の雲を目指し」 351 00:43:33,275 --> 00:44:01,636 ♬~ 352 00:44:01,636 --> 00:44:08,276 ♬「凛として旅立つ」 353 00:44:08,276 --> 00:44:21,223 ♬「一朶の雲を目指し」 354 00:44:21,223 --> 00:44:25,923 ♬~