1 00:00:33,498 --> 00:00:35,901 ♬~ 2 00:00:35,901 --> 00:00:37,836 (児玉)命令!➡ 3 00:00:37,836 --> 00:00:41,573 秋山支隊は 臨時に 乃木軍に合すべし。 4 00:00:41,573 --> 00:00:48,914 乃木軍北進の先駆けとなり 遠く奉天北方の鉄道を破壊せよ。 5 00:00:48,914 --> 00:00:55,787 秋山 神速をもって行動せよ。 騎兵の本領じゃろう。 6 00:00:55,787 --> 00:00:59,258 存分に やれ! 7 00:00:59,258 --> 00:01:01,193 (好古)はっ! 8 00:01:01,193 --> 00:01:08,493 ♬~ 9 00:01:15,607 --> 00:01:19,611 (映写機の音) 10 00:01:19,611 --> 00:01:25,284 四国は 伊予松山に 3人の男がいた。 11 00:01:25,284 --> 00:01:30,689 この ふるい城下町にうまれた 秋山真之は➡ 12 00:01:30,689 --> 00:01:33,325 日露戦争がおこるにあたって➡ 13 00:01:33,325 --> 00:01:35,327 勝利は 不可能に ちかいといわれた➡ 14 00:01:35,327 --> 00:01:38,530 バルチック艦隊を ほろぼすにいたる 作戦をたて➡ 15 00:01:38,530 --> 00:01:43,268 それを実施した。 16 00:01:43,268 --> 00:01:49,675 その兄の秋山好古は 日本の騎兵を育成し➡ 17 00:01:49,675 --> 00:01:52,644 史上最強の騎兵といわれる コサック師団をやぶるという➡ 18 00:01:52,644 --> 00:01:56,915 奇蹟を遂げた。 19 00:01:56,915 --> 00:02:01,486 もうひとりは 俳句 短歌といった➡ 20 00:02:01,486 --> 00:02:04,389 日本のふるい短詩型に 新風を入れて➡ 21 00:02:04,389 --> 00:02:10,289 その中興の祖となった 俳人 正岡子規である。 22 00:02:12,197 --> 00:02:16,768 かれらは 明治という時代人の体質で➡ 23 00:02:16,768 --> 00:02:20,706 前をのみ見つめながら あるく。 24 00:02:20,706 --> 00:02:24,843 のぼってゆく坂の上の青い天に➡ 25 00:02:24,843 --> 00:02:29,815 もし一朶の白い雲が かがやいているとすれば➡ 26 00:02:29,815 --> 00:02:36,221 それのみをみつめて 坂をのぼってゆくであろう。 27 00:02:36,221 --> 00:02:46,921 ♬~ 28 00:02:48,567 --> 00:02:51,470 撃て! (砲撃音) 29 00:02:51,470 --> 00:03:11,256 ♬~ 30 00:03:11,256 --> 00:03:13,191 撃て! (砲撃音) 31 00:03:13,191 --> 00:03:45,891 ♬~ 32 00:03:45,891 --> 00:03:48,226 戦術の原則として➡ 33 00:03:48,226 --> 00:03:52,564 小部隊が 大部隊を包囲する ということは ありえない。 34 00:03:52,564 --> 00:03:58,264 ところが 大山・児玉は その原則を 無視して やってのけた。 35 00:03:59,905 --> 00:04:04,776 このため クロパトキンは 日本が包囲作戦に出た以上➡ 36 00:04:04,776 --> 00:04:07,779 よほど大きな予備隊を 隠しているにちがいないと➡ 37 00:04:07,779 --> 00:04:10,248 錯覚した。 38 00:04:10,248 --> 00:04:45,083 ♬~ 39 00:04:45,083 --> 00:04:50,889 大山・児玉がやってのけた この奉天包囲作戦は➡ 40 00:04:50,889 --> 00:04:54,226 日本軍としては やむをえない 冒険であったにせよ➡ 41 00:04:54,226 --> 00:04:58,096 危険きわまりないものであった。 42 00:04:58,096 --> 00:05:45,396 ♬~ 43 00:05:54,553 --> 00:05:57,889 北進する秋山騎兵団の数は➡ 44 00:05:57,889 --> 00:06:01,889 2倍の 6,000と 拡大されて伝わった。 45 00:06:03,562 --> 00:06:09,562 日露戦争を通じての最大のなぞが このときから はじまる。 46 00:07:39,858 --> 00:07:44,529 (風の音) 47 00:07:44,529 --> 00:07:47,866 3月9日 朝。 48 00:07:47,866 --> 00:07:52,203 異様な気象現象が 満州の野をおおい➡ 49 00:07:52,203 --> 00:07:56,074 この会戦を いっそう 劇的なものにさせた。 50 00:07:56,074 --> 00:07:59,878 「大風塵 起ル」という意味の 表現が➡ 51 00:07:59,878 --> 00:08:03,578 あらゆる戦闘報告や 記録に出てくる。 52 00:08:07,552 --> 00:08:12,424 この狂風と黄塵が 天地を昏くしつづける前➡ 53 00:08:12,424 --> 00:08:18,196 未明から ロシア軍の退却が始まっていた。 54 00:08:18,196 --> 00:08:35,896 ♬~ 55 00:08:39,484 --> 00:08:44,189 (汽笛) 56 00:08:44,189 --> 00:08:47,525 (中屋)ロシア軍が 退却しゆう。 57 00:08:47,525 --> 00:08:50,825 (清岡)勝っておるのに なぜ 下がる? 58 00:08:55,400 --> 00:08:57,400 見よ。 59 00:09:04,876 --> 00:09:07,545 奉天じゃ。 60 00:09:07,545 --> 00:09:26,898 ♬~ 61 00:09:26,898 --> 00:09:31,503 (津野田)奉天じゃ! (兼松)奉天じゃ! 62 00:09:31,503 --> 00:09:54,192 ♬~ 63 00:09:54,192 --> 00:10:00,064 (大山)ここら辺りが キリじゃな。 はい。 64 00:10:00,064 --> 00:10:07,064 三月もたてば ロシアは 更に 巨大になって 攻めてきましょう。 65 00:10:09,207 --> 00:10:12,507 東京へ帰ります。 66 00:10:16,881 --> 00:10:24,556 講和工作を急がせまんそか。 はい。 67 00:10:24,556 --> 00:10:30,061 火を付けた以上は 消さねばなりません。 68 00:10:30,061 --> 00:10:48,446 ♬~ 69 00:10:48,446 --> 00:10:56,087 そいなら 児玉さあ よかふうに お願いしもす。 70 00:10:56,087 --> 00:10:58,022 はい。 71 00:10:58,022 --> 00:11:05,263 ♬~ 72 00:11:05,263 --> 00:11:11,936 秋山支隊による行動は クロパトキンを おびえさせ 思考を狂わせ➡ 73 00:11:11,936 --> 00:11:16,808 ついには 決戦への気持ちを萎えさせた。 74 00:11:16,808 --> 00:11:23,548 奉天会戦は どうみても ロシア軍が 負けるべき戦いではなかった。 75 00:11:23,548 --> 00:11:29,487 兵力 火力ともに 日本軍よりも 格段の差で優位に立っていた。 76 00:11:29,487 --> 00:11:33,892 が 作戦で敗れた。 77 00:11:33,892 --> 00:11:39,564 それも 徹頭徹尾 作戦で惨敗した。 78 00:11:39,564 --> 00:11:46,905 秋山閣下 バルチック艦隊を相手に 海軍は どの程度に勝ちましょう? 79 00:11:46,905 --> 00:11:52,605 そうじゃのう 淳は…。 80 00:11:55,914 --> 00:12:01,252 海軍は たとえ 泳いででも ロシアの軍艦に たどりつくじゃろう。 81 00:12:01,252 --> 00:12:05,924 我らは ただ それだけを期待しておればよい。 82 00:12:05,924 --> 00:12:07,859 はい! 83 00:12:07,859 --> 00:12:25,859 ♬~ 84 00:12:30,114 --> 00:12:32,550 バルチック艦隊が➡ 85 00:12:32,550 --> 00:12:37,889 極東への最後の曲り角とも いうべき シンガポール沖に達したのは➡ 86 00:12:37,889 --> 00:12:40,589 4月8日であった。 87 00:13:18,262 --> 00:13:24,135 バルチック艦隊が目指す ウラジオストクまでの 航路は 2通りある。 88 00:13:24,135 --> 00:13:29,607 対馬海峡をとおって 日本海コースを とってくれれば もっともよい。 89 00:13:29,607 --> 00:13:31,876 しかし 太平洋をまわって➡ 90 00:13:31,876 --> 00:13:37,548 津軽海峡や 宗谷海峡を経る公算も 大である。 91 00:13:37,548 --> 00:13:39,884 が 日本としては➡ 92 00:13:39,884 --> 00:13:41,819 これを 迎撃する 艦隊を➡ 93 00:13:41,819 --> 00:13:43,755 1セットしか もっていないため➡ 94 00:13:43,755 --> 00:13:46,758 太平洋と日本海の 2か所で待ち伏せることは➡ 95 00:13:46,758 --> 00:13:48,893 できないのである。 96 00:13:48,893 --> 00:14:13,584 ♬~ 97 00:14:13,584 --> 00:14:18,923 真之は バルチック艦隊が 対馬海峡を通ると想定して➡ 98 00:14:18,923 --> 00:14:23,594 哨戒計画を立案している。 99 00:14:23,594 --> 00:14:28,933 哨戒には 非決戦用の艦船が動員された。 100 00:14:28,933 --> 00:14:34,933 その数は 73隻という おびただしさであった。 101 00:14:38,743 --> 00:14:42,480 (真之) もし ここに居座っておって➡ 102 00:14:42,480 --> 00:14:48,419 敵が太平洋を迂回して 津軽海峡に 出現したと 無電が入るとする。 103 00:14:48,419 --> 00:14:53,558 なんぼ走っても ウラジオストクの手前で 捕まえる事は できんだろう。 104 00:14:53,558 --> 00:14:56,394 津軽海峡の西口で待てば➡ 105 00:14:56,394 --> 00:14:59,430 太平洋から来ようが 対馬から来ようが➡ 106 00:14:59,430 --> 00:15:02,900 バルチック艦隊と 顔を合わさんという事はない。 107 00:15:02,900 --> 00:15:05,570 しかし 秋山➡ 108 00:15:05,570 --> 00:15:10,441 津軽で決戦では 一 二度 戦ってる間に➡ 109 00:15:10,441 --> 00:15:14,912 敵の何隻かは ウラジオストクに取り逃がしてしまう。 110 00:15:14,912 --> 00:15:18,583 そこです。 ウラジオに引っ込まれては➡ 111 00:15:18,583 --> 00:15:21,486 旅順の二の舞になる。 (佐藤)いっそ➡ 112 00:15:21,486 --> 00:15:24,922 能登の沖で待っては どうか? 能登か…。 113 00:15:24,922 --> 00:15:27,825 (森山)これだけの哨戒網に かからんのだから➡ 114 00:15:27,825 --> 00:15:32,196 太平洋を回ってくると 決めてかかればよい。 115 00:15:32,196 --> 00:15:37,869 津軽海峡の出口で待ち受け 一隻残らず沈める。 116 00:15:37,869 --> 00:15:40,771 能登から追いかけて 間に合わんかったら どうする? 117 00:15:40,771 --> 00:15:43,207 ならば 津軽へ行くか。 118 00:15:43,207 --> 00:15:45,877 早計すぎる。 まだ 対馬で待つべきだ。 119 00:15:45,877 --> 00:15:47,812 賭けるか! 賭けましょう! 120 00:15:47,812 --> 00:15:50,112 博打じゃなかろう! 121 00:16:00,424 --> 00:16:03,424 (鈴木)秋山! 122 00:16:08,566 --> 00:16:12,904 随分 浮かない様子じゃないか。 123 00:16:12,904 --> 00:16:17,775 バルチック艦隊は 太平洋に 行ってしまったのじゃないか。 124 00:16:17,775 --> 00:16:23,475 …とでも 考えてるのだろうが そいつは どうかね。 125 00:16:25,249 --> 00:16:29,921 けど 対馬コースなら もう 姿を見せても ええはずでしょう。 126 00:16:29,921 --> 00:16:32,823 この湾で 待ち伏せしておるのは➡ 127 00:16:32,823 --> 00:16:34,759 よほどの まぬけでは ないでしょうか。 128 00:16:34,759 --> 00:16:41,199 しかし 秋山 バルチック艦隊は 万里の波濤を越えてくるんだぜ。 129 00:16:41,199 --> 00:16:47,538 不測の事態も起こるだろうし 途中 石炭も積まねばならぬ。 130 00:16:47,538 --> 00:16:52,238 我らの予想より 足が遅い事もあるさ。 131 00:16:55,880 --> 00:17:00,551 ともかく この場で その顔は よくないなあ。 132 00:17:00,551 --> 00:17:05,423 作戦参謀の顔色は 全ての乗組員に見られておるぞ。 133 00:17:05,423 --> 00:17:17,568 ♬~ 134 00:17:17,568 --> 00:17:21,906 (子規)軍人が 戦場で散らす命と…➡ 135 00:17:21,906 --> 00:17:28,579 こんな狭い病床で 散っていく命は➡ 136 00:17:28,579 --> 00:17:31,482 どう違うんじゃろうな? 137 00:17:31,482 --> 00:17:34,852 ちぃとも 違わんじゃろう。 138 00:17:34,852 --> 00:17:42,526 違わんか。 どっちも ちっぽけな命じゃからのう。 139 00:17:42,526 --> 00:17:46,826 どっちも 掛けがえのない命じゃ。 140 00:17:49,867 --> 00:17:54,538 アシは 絶対 謝らんけんな。 141 00:17:54,538 --> 00:17:57,441 (久敬)淳。 はい。 142 00:17:57,441 --> 00:18:03,547 肝心の戦まで 勝ちは取っとけ。 143 00:18:03,547 --> 00:18:09,420 「短気は損気」「急がば回れ」。 144 00:18:09,420 --> 00:18:28,706 ♬~ 145 00:18:28,706 --> 00:18:32,706 急げ! 急げ! 146 00:18:34,512 --> 00:18:40,851 1 2 3 4。 2 2 3 4。 147 00:18:40,851 --> 00:18:46,524 3 2 3 4。 4 2 3 4。 148 00:18:46,524 --> 00:18:52,396 1 2 3 4。 2 2 3 4。➡ 149 00:18:52,396 --> 00:18:59,103 3 2 3 4。 2 2 3 4…。 150 00:18:59,103 --> 00:19:11,215 ♬~ 151 00:19:11,215 --> 00:19:14,215 もう待てん! 152 00:19:19,557 --> 00:19:24,257 封密命令を出して下さい。 153 00:19:28,566 --> 00:19:31,235 (東郷)内容は? 154 00:19:31,235 --> 00:19:35,506 今に至るまで 当方面に敵影を見ざるより➡ 155 00:19:35,506 --> 00:19:39,844 敵艦隊は 北海方面に 迂航したるものと推断す。 156 00:19:39,844 --> 00:19:48,185 連合艦隊は 会敵の目的をもって 今より 北海方面に移動せんとす。 157 00:19:48,185 --> 00:19:51,522 対馬を捨てるち 言うとな? 158 00:19:51,522 --> 00:19:56,394 いえ そうではありません。 しかし 万が一の場合に備えて➡ 159 00:19:56,394 --> 00:20:00,531 北上の準備も しておくべきと考えます。 160 00:20:00,531 --> 00:20:07,872 参謀長。 おはんも 同じ意見か? 161 00:20:07,872 --> 00:20:10,541 (加藤)はい。 162 00:20:10,541 --> 00:20:15,880 開封日時は? 明後日。 163 00:20:15,880 --> 00:20:18,580 26日。 164 00:20:22,553 --> 00:20:28,225 分かいもした。 用意しやんせ。 165 00:20:28,225 --> 00:20:30,225 はっ。 166 00:20:34,565 --> 00:20:39,236 (財部)どけ! どけ どけ どけ! どかんか!➡ 167 00:20:39,236 --> 00:20:44,536 どけ! どけ! どけ! どけ どけ どけ どけ! 168 00:20:49,580 --> 00:20:51,880 ≪財部 入ります! 169 00:20:53,451 --> 00:20:56,921 一大事です! 大臣 連合艦隊は 北上して➡ 170 00:20:56,921 --> 00:21:01,592 津軽海峡での待ち伏せ態勢に 切り替えるつもりですぞ! 171 00:21:01,592 --> 00:21:03,928 (山本)東郷が? 172 00:21:03,928 --> 00:21:07,798 直ちに 思いとどまらせねば なりませぬ。 173 00:21:07,798 --> 00:21:10,801 先ほど 伊東軍令部長とも相談し➡ 174 00:21:10,801 --> 00:21:13,938 「連合艦隊は 鎮海湾に待機し続けるべし」➡ 175 00:21:13,938 --> 00:21:16,273 という命令書の決裁を頂きました。 176 00:21:16,273 --> 00:21:18,943 大臣に お見せするように との事でしたので…。 177 00:21:18,943 --> 00:21:23,280 こいは ならん! は? 178 00:21:23,280 --> 00:21:28,619 対露作戦の全ては 東郷どんに任せてある。 179 00:21:28,619 --> 00:21:34,425 そいに対して 後方から容喙する ようなこつがあっては ならん。 180 00:21:34,425 --> 00:21:38,429 そんな原則など! 今は 非常の場合です。 181 00:21:38,429 --> 00:21:40,898 後方にいる 我ら大本営の方が➡ 182 00:21:40,898 --> 00:21:45,236 眼前の現象に惑わされず 情報を 正確に判断できます! 183 00:21:45,236 --> 00:21:49,907 敵は 必ず 対馬から来ます! 財部! 184 00:21:49,907 --> 00:21:56,780 お前の勝手な話なんど 戦の役に立つはずがなか! 185 00:21:56,780 --> 00:22:01,519 戦は 東郷らがすっとじゃ。 186 00:22:01,519 --> 00:22:05,923 任せておくのが お前の立場じゃ。 187 00:22:05,923 --> 00:22:08,592 財部 帰れ! 188 00:22:08,592 --> 00:22:15,933 ♬~ 189 00:22:15,933 --> 00:22:18,269 はっ。 190 00:22:18,269 --> 00:22:26,143 ♬~ 191 00:22:26,143 --> 00:22:32,216 (笛の音) 192 00:22:32,216 --> 00:22:36,887 島村は 東郷の参謀長を つとめていたが➡ 193 00:22:36,887 --> 00:22:39,790 いまは 加藤友三郎に 後をゆずって➡ 194 00:22:39,790 --> 00:22:43,561 第二艦隊 第二戦隊司令官になっている。 195 00:22:43,561 --> 00:22:45,861 (島村)遅うなりました。 196 00:22:48,232 --> 00:22:53,103 (島村)雨に降られた上に 途中で 汽艇が故障してのう➡ 197 00:22:53,103 --> 00:22:58,242 しかたのう カッターでやって来た次第じゃき。 198 00:22:58,242 --> 00:23:04,915 軍議に遅参するとは… 一生の不覚ぜよ。 199 00:23:04,915 --> 00:23:11,255 (加藤)意見は 出そろいました。➡ 200 00:23:11,255 --> 00:23:18,596 明日 午後3時をもって 連合艦隊は北上。 201 00:23:18,596 --> 00:23:23,596 津軽海峡西方に 移動する予定です。 202 00:23:28,606 --> 00:23:33,444 時期尚早ではないだろうか。 203 00:23:33,444 --> 00:23:41,885 この時点に至りましても バルチック艦隊の情報がない。 204 00:23:41,885 --> 00:23:48,225 よって この対馬には来ないと 判断をしました。 205 00:23:48,225 --> 00:23:52,525 秋山 おまんも その意見かえ? 206 00:23:54,098 --> 00:23:56,098 はい。 207 00:24:00,237 --> 00:24:07,578 その結論は… いかがなものかのう。 208 00:24:07,578 --> 00:24:13,917 敵が いくらかでも 航海いうものを知っちょったら➡ 209 00:24:13,917 --> 00:24:17,788 対馬海峡を 必ず通る。 210 00:24:17,788 --> 00:24:21,258 それは 道理じゃ。 211 00:24:21,258 --> 00:24:27,131 その敵が 遅い遅いと キリキリするがは…➡ 212 00:24:27,131 --> 00:24:32,870 まるで 巌流島じゃき。 213 00:24:32,870 --> 00:24:40,570 (笑い声) 214 00:24:44,481 --> 00:24:49,219 ≪第二艦隊 島村です。 ≪秋山です。 215 00:24:49,219 --> 00:24:51,219 入りやんせ。 216 00:25:01,231 --> 00:25:09,231 長官は バルチック艦隊は どの海峡を 通ってくると お思いですか? 217 00:25:15,779 --> 00:25:19,583 そいは 対馬海峡じゃ。 218 00:25:19,583 --> 00:25:24,455 東郷が 世界の戦史に 不動の位置をしめるに至るのは➡ 219 00:25:24,455 --> 00:25:28,755 この一言によってで あるかもしれない。 220 00:25:32,162 --> 00:25:35,162 何で…。 221 00:25:37,000 --> 00:25:40,537 敵が ここを…➡ 222 00:25:40,537 --> 00:25:43,537 通るっちゅうで 通る。 223 00:25:46,410 --> 00:25:51,882 では… 封密命令の開封は? 224 00:25:51,882 --> 00:25:57,755 いざ動く時には 封密命令のとおりでよか。 225 00:25:57,755 --> 00:26:04,228 じゃっどん 動くのは 新たな情報が入ってからじゃ。 226 00:26:04,228 --> 00:26:06,228 はい。 227 00:26:08,098 --> 00:26:10,567 まだ 待つ。 228 00:26:10,567 --> 00:26:13,267 はっ。 229 00:26:15,239 --> 00:26:19,109 長官が ああ言うてくれた以上➡ 230 00:26:19,109 --> 00:26:24,581 あとは 安心して 思い切りやったら ええがじゃき。 231 00:26:24,581 --> 00:26:26,581 秋山。 232 00:26:29,253 --> 00:26:32,856 気張りよ。 233 00:26:32,856 --> 00:26:43,500 ♬~ 234 00:26:43,500 --> 00:26:50,407 対馬を… 来るというから 来るんじゃろう。 235 00:26:50,407 --> 00:26:55,045 通るというから… 通るんじゃろう! 236 00:26:55,045 --> 00:27:29,246 ♬~ 237 00:27:29,246 --> 00:27:31,181 (成川)もう少し 近づけ。 238 00:27:31,181 --> 00:27:35,181 (丸橋)航海長 もう少し 近づけ。 239 00:27:37,521 --> 00:27:41,391 艦長 敵かもしれません。 240 00:27:41,391 --> 00:27:44,091 病院船のようだが…。 241 00:27:46,196 --> 00:27:49,533 (丸橋)信号です。 こっちを呼んでいます。 242 00:27:49,533 --> 00:27:53,403 (成川)辺りに 艦隊がおるかもしれん。 243 00:27:53,403 --> 00:28:01,144 ♬~ 244 00:28:01,144 --> 00:28:04,882 白んできたな。 敵船を確認する。 245 00:28:04,882 --> 00:28:09,219 臨検隊 用意。 了解。 臨検隊 用意!➡ 246 00:28:09,219 --> 00:28:13,090 第二カッター 降ろし方 短艇軍装 用意! 247 00:28:13,090 --> 00:28:17,090 左艦首 ロシア艦隊 視認! 248 00:28:19,229 --> 00:28:23,100 (成川)敵発見報告を打電せよ! 了解! 249 00:28:23,100 --> 00:28:35,712 ♬~ 250 00:28:35,712 --> 00:28:39,712 (受信ベルの音) 251 00:28:42,853 --> 00:28:45,553 厳島から 連隊長官宛て! 252 00:28:50,193 --> 00:28:52,493 タ連送です! 253 00:28:54,698 --> 00:28:56,633 急いで届けよ! はい! 254 00:28:56,633 --> 00:29:01,471 3 2 3 4。 2 2 3 4。 255 00:29:01,471 --> 00:29:06,410 1 2 3 4。 2 2 3 4…。 256 00:29:06,410 --> 00:29:08,545 (加瀬)来たぞ~!➡ 257 00:29:08,545 --> 00:29:11,448 来たぞ~! 来たぞ 来たぞ 来たぞ!➡ 258 00:29:11,448 --> 00:29:15,419 来たぞ 来たぞ 来たぞ! 259 00:29:15,419 --> 00:29:19,919 来たぞ~! (一同)よっしゃ~! 260 00:29:28,231 --> 00:29:31,134 シメタ! シメタ! 261 00:29:31,134 --> 00:29:36,134 ♬~ 262 00:29:49,519 --> 00:29:54,519 (加藤)艦隊に 出港を命じます。 うん。 263 00:30:10,807 --> 00:30:14,544 どこにおる? 午前5時 二〇三地点です。 264 00:30:14,544 --> 00:30:16,880 二〇三…。 (飯田)大本営への電文です。➡ 265 00:30:16,880 --> 00:30:18,815 これで どうでしょう? 266 00:30:18,815 --> 00:30:22,753 「敵艦 見ユトノ警報ニ接シ 連合艦隊ハ 直チニ出動。➡ 267 00:30:22,753 --> 00:30:26,223 之ヲ撃滅セントス」。 よろしい。 268 00:30:26,223 --> 00:30:29,126 (飯田)では 参謀長のところへ 持っていきます。 269 00:30:29,126 --> 00:30:31,126 待て! 270 00:30:33,563 --> 00:30:59,256 ♬~ 271 00:30:59,256 --> 00:31:06,930 「本日 天気晴朗ナレドモ 浪 高シ」。 272 00:31:06,930 --> 00:31:10,230 急げ。 はっ。 273 00:31:15,272 --> 00:31:18,942 出港用意! 錨を上げ! 274 00:31:18,942 --> 00:31:22,279 出港用意! 錨を上げ! 275 00:31:22,279 --> 00:31:28,085 (ラッパの音) 276 00:31:28,085 --> 00:31:30,620 総員 石炭 捨て方! 277 00:31:30,620 --> 00:31:33,223 総員 石炭 捨て方! 早くしろ! 278 00:31:33,223 --> 00:31:37,561 どの艦も 甲板まで 石炭を積みあげていたが➡ 279 00:31:37,561 --> 00:31:39,496 戦闘の邪魔となるので➡ 280 00:31:39,496 --> 00:31:43,900 石炭庫に入りきらないものは 迅速に捨てねばならなかった。 281 00:31:43,900 --> 00:31:49,773 これで 天丼 何杯 食えるかのう? (笑い声) 282 00:31:49,773 --> 00:32:00,917 ♬~ 283 00:32:00,917 --> 00:32:02,917 (一同)せ~の。 284 00:32:07,257 --> 00:32:10,557 あと1分! (一同)はい! 285 00:32:15,599 --> 00:32:20,270 入浴後 「消毒済」の戦闘服に着がえた。 286 00:32:20,270 --> 00:32:24,608 外傷をうけた場合の 化膿を防ぐためである。 287 00:32:24,608 --> 00:32:28,478 さらに 甲板を洗い 砂を撒いた。 288 00:32:28,478 --> 00:32:31,281 戦闘で 血みどろになった場合に➡ 289 00:32:31,281 --> 00:32:35,886 兵員が 足を すべらさないように するためであった。 290 00:32:35,886 --> 00:32:54,905 ♬~ 291 00:32:54,905 --> 00:32:57,240 何だ? その格好は。 292 00:32:57,240 --> 00:32:59,176 臍下丹田 引き締めて➡ 293 00:32:59,176 --> 00:33:01,578 胆力を発揮するためです! 294 00:33:01,578 --> 00:33:04,247 剣帯は 褌ではないぞ。 295 00:33:04,247 --> 00:33:07,150 (笑い声) 296 00:33:07,150 --> 00:33:10,850 霧が濃ゆかようじゃなあ。 297 00:33:12,756 --> 00:33:19,262 大丈夫です。 この霧は きっと晴れます。 298 00:33:19,262 --> 00:33:21,765 うん。 299 00:33:21,765 --> 00:33:25,101 「天気晴朗」というのは➡ 300 00:33:25,101 --> 00:33:27,137 視界が 遠くまでとどくため➡ 301 00:33:27,137 --> 00:33:29,606 とりにがしは すくない ということを➡ 302 00:33:29,606 --> 00:33:32,876 濃厚に暗示している。 303 00:33:32,876 --> 00:33:37,380 さらに 「浪 高シ」という 物理的状況は➡ 304 00:33:37,380 --> 00:33:41,218 ロシアの軍艦において 大いに不利であった。 305 00:33:41,218 --> 00:33:44,554 敵味方の艦が 波で動揺するとき➡ 306 00:33:44,554 --> 00:33:48,391 波は 射撃訓練の充分な 日本側のほうに利し➡ 307 00:33:48,391 --> 00:33:52,729 ロシア側に 不利をもたらす。 308 00:33:52,729 --> 00:33:56,900 「天気晴朗ナレドモ 浪 高シ」。 309 00:33:56,900 --> 00:34:00,237 「きわめて わが方に有利である」 ということを➡ 310 00:34:00,237 --> 00:34:05,408 真之は この一句で象徴したのである。 311 00:34:05,408 --> 00:34:23,608 (祈りの声) 312 00:34:50,553 --> 00:34:52,489 ウラー! 313 00:34:52,489 --> 00:35:00,489 (一同)ウラー! ウラー! ウラー! 314 00:35:02,899 --> 00:35:11,899 (鳥の鳴き声) 315 00:35:19,916 --> 00:35:23,787 市五郎 見ゆるか? 316 00:35:23,787 --> 00:35:26,423 西南の方角じゃけん。➡ 317 00:35:26,423 --> 00:35:30,927 ロシアん艦隊は 西南から来るそうじゃ! 318 00:35:30,927 --> 00:35:32,862 (市五郎)お~ 見ゆるばい!➡ 319 00:35:32,862 --> 00:35:35,899 まるで 碁石んごつ 隊列ば作っちょる!➡ 320 00:35:35,899 --> 00:35:38,201 ぎょうさんな数じゃ! 321 00:35:38,201 --> 00:35:40,537 大神の敷坐せる➡ 322 00:35:40,537 --> 00:35:47,877 此の玄界灘の大海原に 今し ロシア国の艦隊 現れ…。 323 00:35:47,877 --> 00:35:58,521 ♬~ 324 00:35:58,521 --> 00:36:02,225 戦闘を開始します。 325 00:36:02,225 --> 00:36:04,160 よし。 326 00:36:04,160 --> 00:36:08,732 (伊地知)戦闘旗を揚げ! 327 00:36:08,732 --> 00:36:13,903 (加藤)2列縦陣というのでは ないな。➡ 328 00:36:13,903 --> 00:36:16,940 ダンゴになってる。 329 00:36:16,940 --> 00:36:19,576 妙な形じゃな。 330 00:36:19,576 --> 00:36:24,414 (長谷川)距離 1万2,000! (野口)距離 1万2,000! 331 00:36:24,414 --> 00:36:38,414 ♬~ 332 00:36:48,738 --> 00:36:53,209 旗旒 用意! Z 揚げ! 333 00:36:53,209 --> 00:36:59,015 ♬~ 334 00:36:59,015 --> 00:37:05,388 各部へ伝え! 長官より 「皇国の興廃 此の一戦に在り。➡ 335 00:37:05,388 --> 00:37:08,291 各員 一層 奮励努力せよ」! 336 00:37:08,291 --> 00:37:12,896 「皇国の興廃 此の一戦に在り」! 「皇国の興廃 此の一戦に在り」! 337 00:37:12,896 --> 00:37:16,766 「各員 一層 奮励努力せよ」! 「皇国の興廃 此の一戦に在り。➡ 338 00:37:16,766 --> 00:37:19,569 各員 一層 奮励努力せよ」! 「此の一戦に在り」! 339 00:37:19,569 --> 00:37:24,908 「皇国の興廃 此の一戦に在り。 各員 一層 奮励努力せよ」! 340 00:37:24,908 --> 00:37:30,079 やるぞ~! (一同)オ~! 341 00:37:30,079 --> 00:37:35,351 (長谷川)距離 1万! (野口)距離 1万! 342 00:37:35,351 --> 00:37:38,688 長官 そろそろ 司令塔の中へ入って下さい。 343 00:37:38,688 --> 00:37:40,623 ここにおる。 344 00:37:40,623 --> 00:37:44,494 砲撃が始まれば ここは危険です! 何とぞ 中へ! 345 00:37:44,494 --> 00:37:50,300 おいは 老人じゃ。 今日は この位置は離れん。 346 00:37:50,300 --> 00:37:56,105 おはんたち 若か者こそ 将来のご奉公が大切じゃ。 347 00:37:56,105 --> 00:37:58,708 おはんたちが入れ。 348 00:37:58,708 --> 00:38:01,611 アシは残ります。 349 00:38:01,611 --> 00:38:06,911 秋山と俺とが おそばに残る。 お前らは 中へ入れ。 350 00:38:09,419 --> 00:38:12,119 分かりました。 351 00:38:18,728 --> 00:38:25,068 (長谷川)距離 8,500! (野口)距離 8,500! 352 00:38:25,068 --> 00:38:28,571 (安保)もう 8,500です! 353 00:38:28,571 --> 00:38:30,507 砲術長。 (安保)はっ。 354 00:38:30,507 --> 00:38:32,542 君が ひとつ スワロフを測ってくれんか? 355 00:38:32,542 --> 00:38:36,312 (安保)はあ!? 今 報告したばかりですが…。➡ 356 00:38:36,312 --> 00:38:38,312 はっ! 357 00:38:44,521 --> 00:38:48,521 うおっ! もはや 8,000! 358 00:38:51,694 --> 00:38:56,394 どちら側で 戦をなさるんですか! 359 00:39:14,551 --> 00:39:19,722 ♬~ 360 00:39:19,722 --> 00:39:25,895 このとき 世界の海軍戦術の常識を 打ち破ったところの➡ 361 00:39:25,895 --> 00:39:28,731 異様な陣形が指示された。 362 00:39:28,731 --> 00:39:32,702 艦長 取り舵 いっぱい。 363 00:39:32,702 --> 00:39:36,539 (伊地知) は!? 取り舵になさいもんすか? 364 00:39:36,539 --> 00:39:39,039 さよう。 取り舵だ! 365 00:39:43,012 --> 00:39:48,351 と~りか~じ いっぱい! 366 00:39:48,351 --> 00:39:53,856 と~りか~じ いっぱい! 367 00:39:53,856 --> 00:40:25,856 ♬~ 368 00:40:47,410 --> 00:41:05,428 ♬~ 369 00:41:05,428 --> 00:41:10,933 この敵前回頭という 捨て身の運動中➡ 370 00:41:10,933 --> 00:41:18,107 三笠以下は 艦隊の ありたけの速力を だしていた。 371 00:41:18,107 --> 00:41:21,978 味方にとっては 射撃が不可能にちかく➡ 372 00:41:21,978 --> 00:41:29,118 敵にとっては 極端にいえば 静止目標を射つほどに たやすい。 373 00:41:29,118 --> 00:41:36,225 ♬~ 374 00:41:36,225 --> 00:41:41,064 これに要した 10分という時間は➡ 375 00:41:41,064 --> 00:41:47,264 生と死を分ける 魔の時間として 無限に 永いようにおもわれた。 376 00:41:50,740 --> 00:41:59,248 三笠は 一個のドラムに化したように ロシア製の砲弾に 叩かれつづけた。 377 00:41:59,248 --> 00:42:19,268 ♬~ 378 00:42:19,268 --> 00:42:23,439 丁字戦法の始まりである。 379 00:42:23,439 --> 00:42:27,439 (砲撃音) 380 00:42:30,613 --> 00:42:34,383 離せ! 嫌です。 381 00:42:34,383 --> 00:42:41,557 アシは 世の中のお役に 少しは立てたんじゃろうか。 382 00:42:41,557 --> 00:42:47,063 淳… お前は ようやった。 383 00:42:47,063 --> 00:42:50,566 ようやったよ。 384 00:42:50,566 --> 00:44:25,566 ♬~ 385 00:45:34,463 --> 00:45:40,763 細い物干しざお。 その上を すいすいと…。 386 00:45:46,575 --> 00:45:50,375 ネコのバランス歩き。 387 00:45:53,449 --> 00:45:57,219 (岩合) あっ すごい! うわ~。