1 00:00:03,671 --> 00:00:05,606 (郁造)お前と比呂人は 同じ父親の子や。→ 2 00:00:05,673 --> 00:00:07,608 お前たちは結婚はできんのじゃ。 (桜子)雄一さんと結婚すれば→ 3 00:00:07,675 --> 00:00:09,610 酒蔵は つぶさなくて済むんですね? 4 00:00:09,677 --> 00:00:11,612 (郁造)むごいことを 言うてしもうた。 5 00:00:11,679 --> 00:00:15,616 (郁造)わしは地獄に落ちるわ。 (秀ふじ)一緒に死にましょ。 6 00:00:15,683 --> 00:00:17,618 (まりえ)心中って どういうことなんや! 7 00:00:17,685 --> 00:00:19,620 (勝)女の人と死んだんじゃ。 (比呂人)相手の人も→ 8 00:00:19,687 --> 00:00:22,690 死んだんですか? (桜子)比呂人さん待って。 9 00:00:24,692 --> 00:00:27,628 (桜子)お母さんは無事です。 10 00:00:27,695 --> 00:00:30,631 (比呂人)桜子さん。 11 00:00:30,698 --> 00:00:33,701 (桜子)無事なのよ助かったのよ。 12 00:00:33,701 --> 00:00:45,713 ♪~ 13 00:01:10,671 --> 00:01:13,607 {\an8}\(ノック) (駒吉)お姉さん。 14 00:01:13,674 --> 00:01:15,609 {\an8}(秀ふじ)駒ちゃん。 (駒吉)もうお姉さんのことが→ 15 00:01:15,676 --> 00:01:18,612 {\an8}気になって気になって。 (唯幸)秀ふじ→ 16 00:01:18,679 --> 00:01:22,616 {\an8}アハハ生き返ったんじゃてな。 よかったよかった。 17 00:01:22,683 --> 00:01:26,620 {\an8}もうわたしがお姉さんのところ お見舞いに行くって言ったら→ 18 00:01:26,687 --> 00:01:29,623 {\an8}どうしてもってついておいでに。 19 00:01:29,690 --> 00:01:31,625 {\an8}めでたいことじゃ。 20 00:01:31,692 --> 00:01:36,630 {\an8}しかしまああの間の悪い話やな 心中で生き残るっちゅうのは。 21 00:01:36,697 --> 00:01:39,633 {\an8}まだ秀ふじを死なすのは もったいないっちゅうことか。 22 00:01:39,700 --> 00:01:41,635 {\an8}アハハハハハハなあ。 23 00:01:41,702 --> 00:01:45,639 {\an8}わたしが生きようと死のうと あなたには関係のないことです。 24 00:01:45,706 --> 00:01:47,641 {\an8}そんなことはないやろ。 25 00:01:47,708 --> 00:01:50,644 {\an8}桜子がうちに嫁に来たら お前は雄一の義理の母や。 26 00:01:50,711 --> 00:01:52,646 {\an8}生きててもらわんといかんわ。 27 00:01:52,713 --> 00:01:57,651 {\an8}そうやわお姉さん。これも 運命いうもんやないんかしら。 28 00:01:57,718 --> 00:02:01,655 これから生き恥さらして 生きんといかんのやわ。 29 00:02:01,722 --> 00:02:03,591 せっかく生き残ったんやから→ 30 00:02:03,657 --> 00:02:06,594 まだ一花も二花も 咲かせてもらわんと。→ 31 00:02:06,660 --> 00:02:08,662 アハハハハハハハ。 32 00:02:12,666 --> 00:02:16,604 (まりえ)勝 ホンマにまくんかいな。 33 00:02:16,670 --> 00:02:18,672 (勝)親父の遺言やないか。 34 00:02:20,674 --> 00:02:23,611 (まりえ)心中相手の骨 一緒にまくことにならんで→ 35 00:02:23,677 --> 00:02:26,614 まあ不幸中の幸いやけど。 36 00:02:26,680 --> 00:02:31,619 ちょっと全部まくんやないよ お墓にも入れるんやからね。 37 00:02:31,685 --> 00:02:33,687 (勝)分かっとる。 38 00:02:38,692 --> 00:02:40,628 (まりえ)なんまんだぶ なんまんだぶ→ 39 00:02:40,694 --> 00:02:45,633 なんまんだぶなんまんだぶ。 なんまんだぶなんまんだぶ。 40 00:02:45,699 --> 00:02:47,701 (勝)桜子も。 41 00:02:54,708 --> 00:02:57,711 (まりえ)なんまんだぶ なんまんだぶなんまんだぶ…。 42 00:03:05,653 --> 00:03:07,588 (勝)お母さんも。 (まりえ)あっ→ 43 00:03:07,655 --> 00:03:09,590 わたしは遠慮しとくわ。 44 00:03:09,657 --> 00:03:11,592 いくらお父さんの骨やいうても 気色が悪い。 45 00:03:11,659 --> 00:03:14,595 死に方が死に方やでな。→ 46 00:03:14,662 --> 00:03:19,667 それに相手の芸者 生き残っとるいうやないの。 47 00:03:29,677 --> 00:03:31,679 (勝)気にせんとけよ。 48 00:03:33,681 --> 00:03:37,618 (桜子)相手がわたしの母親だって→ 49 00:03:37,685 --> 00:03:39,620 お母さんが知ったら どう思うかしら。 50 00:03:39,687 --> 00:03:43,624 (勝)俺たちさえ黙っとったら 誰にも分からんことや。→ 51 00:03:43,691 --> 00:03:45,626 その秀ふじさんいう人も→ 52 00:03:45,693 --> 00:03:49,630 わざわざそんなこと 言いふらす人やないやろし。 53 00:03:49,697 --> 00:03:52,633 (桜子)お兄ちゃんは わたしの母親だっていう→ 54 00:03:52,700 --> 00:03:56,637 その芸者さんのこと 全然知らなかったの? 55 00:03:56,704 --> 00:03:59,707 (勝)親父は何も言わんしな。 56 00:04:02,643 --> 00:04:05,579 (勝)けど今思えば。 57 00:04:05,646 --> 00:04:07,648 (桜子)知ってるの? 58 00:04:10,651 --> 00:04:13,587 あの人やないかと思う。→ 59 00:04:13,654 --> 00:04:16,590 高校生のころに見たあの人が。→ 60 00:04:16,657 --> 00:04:20,594 あの人がきっと桜子の。 61 00:04:20,661 --> 00:04:23,597 (桜子)わたし分からないのお兄ちゃん。 62 00:04:23,664 --> 00:04:27,601 お父さまはどうして よりによってわたしの母親と? 63 00:04:27,668 --> 00:04:31,605 さあどういうことで そんなことになったんか。 64 00:04:31,672 --> 00:04:35,609 秀ふじさんは生きてるんやから いつか会って聞いてみたらいい。 65 00:04:35,676 --> 00:04:38,679 (桜子)嫌会いたくないわ。 66 00:04:44,685 --> 00:04:48,689 そんならこの桜に聞いてみるか? 67 00:04:50,691 --> 00:04:52,626 (桜子)この桜に? 68 00:04:52,693 --> 00:04:56,630 俺たちが知らんことでも きっとこの桜は知ってるんや。 69 00:04:56,697 --> 00:05:01,635 桜子あの手まり歌 今でも覚えてるやろ? 70 00:05:01,702 --> 00:05:04,571 (桜子)ええ。 >>歌ってやって。 71 00:05:04,638 --> 00:05:07,641 親父に聞かしてやって。 72 00:05:12,646 --> 00:05:25,592 ♪「一かけ二かけ三かけて (桜子)四かけて五かけて六かけて」 73 00:05:25,659 --> 00:05:32,599 ♪「橋の欄干腰をかけ 遥か向う…」 74 00:05:32,666 --> 00:05:36,603 (勝)それが 桜子を見た最初やった。→ 75 00:05:36,670 --> 00:05:41,608 そのときの桜子は何ていうか 神々しい光に包まれてて→ 76 00:05:41,675 --> 00:05:46,680 桜の精霊やろか 桜の生まれ変わりやろかって。 77 00:05:48,682 --> 00:05:51,618 (桜子)桜の生まれ変わり? 78 00:05:51,685 --> 00:05:54,621 俺も親父もそう思ったくらいや。 79 00:05:54,688 --> 00:05:59,626 親父はそんな桜子に引かれて 放っておけんようになったんやろ。 80 00:05:59,693 --> 00:06:05,566 住職に頼み込んで話をつけて 引き取ることにしたんや。 81 00:06:05,632 --> 00:06:08,569 (桜子)わたし少しも覚えてないの。 82 00:06:08,635 --> 00:06:12,573 まだ3歳やったんやから 記憶にないのも無理はない。 83 00:06:12,639 --> 00:06:16,577 けど手まり歌だけは 忘れとらんやないか。 84 00:06:16,643 --> 00:06:21,582 (桜子)そう不思議ね。 85 00:06:21,648 --> 00:06:23,584 親父にとって桜子は→ 86 00:06:23,650 --> 00:06:29,656 大きくなって成長しても 桜の精霊みたいなもんやったんや。 87 00:06:32,659 --> 00:06:36,663 (桜子)そういえばお父さま 言っておいでだった。 88 00:06:38,665 --> 00:06:42,603 この桜はわたしそのものだって。 89 00:06:42,669 --> 00:06:44,605 そうや。 90 00:06:44,671 --> 00:06:50,611 親父にとってこの桜と桜子は ほとんど同一や。 91 00:06:50,677 --> 00:06:55,616 だからこの桜がダムの水底に 沈んでしまうって聞いて→ 92 00:06:55,682 --> 00:06:58,619 どうしても 見殺しにはできなかったんや。 93 00:06:58,685 --> 00:07:04,625 それほど桜子を愛しとったんや。 94 00:07:06,627 --> 00:07:08,629 (桜子)ええ。 95 00:07:10,631 --> 00:07:15,636 これで親父も満足やろ。 成仏できるやろ。 96 00:07:26,647 --> 00:07:33,654 (桜子)休んでねお父さまありがとう。 97 00:07:39,660 --> 00:07:43,597 (勝)⟨初七日が済み 年が明けて間もなく→ 98 00:07:43,664 --> 00:07:47,601 債権者たちが申し合わせたように 続々と押し掛けてきた⟩ 99 00:07:47,668 --> 00:07:49,603 (唯幸)ひどいもんじゃ。→ 100 00:07:49,670 --> 00:07:53,607 いさみ酒造いうたら有力な親戚が ないわけじゃないのに→ 101 00:07:53,674 --> 00:07:55,609 1人も顔出さんと。 102 00:07:55,676 --> 00:07:58,612 (債権者)そんなもんですわ いざとなったらどこでも。 103 00:07:58,679 --> 00:08:02,549 (唯幸)こんな若造と未亡人じゃ 話の詰めようもないけど。 104 00:08:02,616 --> 00:08:06,553 いや承ります。俺が対応します。 105 00:08:06,620 --> 00:08:12,559 (唯幸)ハハ聞いたか? これでも一応跡取りだからな。 106 00:08:12,626 --> 00:08:14,561 ああ財産のめぼしいところは→ 107 00:08:14,628 --> 00:08:17,564 ほとんど 銀行が押さえてしまっとる。 108 00:08:17,631 --> 00:08:20,567 わしらが取り戻せる分は わずかやろ。 109 00:08:20,634 --> 00:08:23,570 (債権者)どうするつもりです 櫛山さん。 110 00:08:23,637 --> 00:08:26,573 (唯幸)うん。 111 00:08:26,640 --> 00:08:29,576 んなもん個別に交渉しとっても らちが明かんじゃろ。 112 00:08:29,643 --> 00:08:32,579 町金融の中で わしが一番の被害額じゃ。→ 113 00:08:32,646 --> 00:08:38,652 わしが話まとめるから 任せてくれんじゃろか。 114 00:08:41,655 --> 00:08:43,590 (トミ)昨日取り立て来たのよ。 115 00:08:43,657 --> 00:08:45,592 (深浦)だろ? (トミ)そうよだって相手すんの→ 116 00:08:45,659 --> 00:08:47,594 わたしなんだから。 (深浦)ひどいらしいぞ。 117 00:08:47,661 --> 00:08:49,663 (トミ)どうなるのかしらね これから。 118 00:08:56,670 --> 00:08:59,606 (郁造)《お前と比呂人が 引かれ合うのも→ 119 00:08:59,673 --> 00:09:02,609 桜の縁が あってのことかもしれんな》→ 120 00:09:02,676 --> 00:09:06,613 《けどそれは兄と妹の血が 呼び合っとるだけで→ 121 00:09:06,680 --> 00:09:09,683 男女の恋にはならんのや》 122 00:09:18,692 --> 00:09:22,629 (桜子)比呂人さんも小さいころ この桜の下で遊んだんでしょ? 123 00:09:22,696 --> 00:09:24,631 (比呂人)うん。 (桜子)わたしも→ 124 00:09:24,698 --> 00:09:27,634 まりつきなんかして 遊んだんですって3歳のころ。 125 00:09:27,701 --> 00:09:31,638 (比呂人)それは俺が寺を出てからや。 126 00:09:31,705 --> 00:09:34,641 (桜子)そうやわね。 127 00:09:34,708 --> 00:09:40,714 その後でわたしが生まれたのね 秀ふじさんから。 128 00:09:44,718 --> 00:09:49,723 (比呂人)俺たちやっぱり どっかでつながってるんやな。 129 00:09:53,727 --> 00:09:59,666 (桜子)比呂人さん 永久に秘密にしましょうね。 130 00:09:59,733 --> 00:10:01,601 (比呂人)永久に? 131 00:10:01,668 --> 00:10:05,672 (桜子)わたしたちの恋は 誰の目にもつかない方がいいの。 132 00:10:07,674 --> 00:10:11,678 誰にも知られず誰にも悟られず。 133 00:10:13,680 --> 00:10:17,617 (比呂人)ああ。 (桜子)会いたいときに会えなくても→ 134 00:10:17,684 --> 00:10:20,620 心さえつながってれば。 135 00:10:20,687 --> 00:10:23,623 (比呂人)秘密の手紙が欲しい。 136 00:10:23,690 --> 00:10:25,692 (桜子)秘密の手紙? 137 00:10:27,694 --> 00:10:32,633 (比呂人)俺たちの部屋に 桜のカレンダーがあるやろ? 138 00:10:32,699 --> 00:10:39,706 その下に隠して 紙のポストを壁にはり付けとく。 139 00:10:41,708 --> 00:10:43,643 (桜子)紙のポスト? 140 00:10:43,710 --> 00:10:48,715 (比呂人)そこに手紙入れて。そこへ。 141 00:10:51,718 --> 00:10:53,720 (桜子)分かった。 142 00:10:58,725 --> 00:11:01,662 \(まりえ)桜子。 143 00:11:05,665 --> 00:11:08,668 桜子あんたもちょっと来なさい。 144 00:11:11,671 --> 00:11:14,608 (唯幸)ああ 来てくれたんか桜子さん。→ 145 00:11:14,674 --> 00:11:16,610 あんたにも よう聞いてもらいたいんじゃ。→ 146 00:11:16,676 --> 00:11:19,679 なっ座りなさい。 147 00:11:24,684 --> 00:11:30,624 町金融の連中の借金は まとめてわしが肩代わりした。→ 148 00:11:30,690 --> 00:11:34,628 連中から文句が出んように わしが奇麗にけりをつける。 149 00:11:34,694 --> 00:11:37,631 そんなことは桜子に…。 (唯幸)その代わりやなっ→ 150 00:11:37,697 --> 00:11:41,635 この酒蔵の経営権は わしに譲り渡してもらう。 151 00:11:41,701 --> 00:11:45,639 桜子こんなご託を お前が聞くことはないんや。 152 00:11:45,705 --> 00:11:47,641 黙れ若造!→ 153 00:11:47,707 --> 00:11:50,644 桜子さんしだいじゃな→ 154 00:11:50,710 --> 00:11:54,648 お前もおふくろさんも この酒蔵から追い出されて→ 155 00:11:54,714 --> 00:11:59,653 路頭に迷うことになるんじゃぞ。→ 156 00:11:59,719 --> 00:12:05,592 なあ桜子さん あんたと雄一の縁談は→ 157 00:12:05,659 --> 00:12:11,598 ここの宗形社長が 生前了解したことなんじゃから→ 158 00:12:11,665 --> 00:12:13,600 あんたもそれでいいじゃろな。 159 00:12:13,667 --> 00:12:15,602 (桜子)了解ってわたしは。 160 00:12:15,669 --> 00:12:20,607 (唯幸)ああ正式に見合いをした 翌日に死んだんじゃから→ 161 00:12:20,674 --> 00:12:23,610 あれは宗形社長の 遺言みたいなもんじゃ。→ 162 00:12:23,677 --> 00:12:26,613 なっ雄一と結婚するようにと 言い残して死んだんじゃ。 163 00:12:26,680 --> 00:12:29,616 (勝)桜子嫁になんか行くな。 俺たちは何とでもなる。 164 00:12:29,683 --> 00:12:31,618 (唯幸)ハハハハハ。→ 165 00:12:31,685 --> 00:12:34,621 苦労知らずで ひよひよに育った若造が→ 166 00:12:34,688 --> 00:12:38,625 世の中放り出されたら 惨めなもんじゃぞ。→ 167 00:12:38,692 --> 00:12:40,627 それに奥さん→ 168 00:12:40,694 --> 00:12:44,631 他人の子をここまでに育てて 恩返しもせんとなったら→ 169 00:12:44,698 --> 00:12:47,634 そらもう 畜生と同じことと違いますか? 170 00:12:47,701 --> 00:12:51,638 なあ桜子頼むわ 結婚するって決めてちょうだい。 171 00:12:51,705 --> 00:12:53,640 (勝)やめろ。 (まりえ)なあ桜子頼む。 172 00:12:53,707 --> 00:12:55,642 なっ わたしたち助けると思って。→ 173 00:12:55,709 --> 00:12:57,644 なあ桜子頼む。→ 174 00:12:57,711 --> 00:13:00,647 お願いします頼むわ。 (桜子)お母さん。 175 00:13:00,714 --> 00:13:03,583 (唯幸)ホンマ 考えたら奇妙きてれつな話や。→ 176 00:13:03,650 --> 00:13:10,590 ああ宗形の心中相手は よりにもよって桜子の母親。→ 177 00:13:10,657 --> 00:13:16,663 血を分けた実の母親なんだから ホント訳が分からん。 178 00:13:18,665 --> 00:13:21,601 それどういうことなの。 (唯幸)おっ→ 179 00:13:21,668 --> 00:13:26,606 しかも 生き残って今ぴんぴんしとる。 180 00:13:26,673 --> 00:13:28,608 秀ふじのことですか? 181 00:13:28,675 --> 00:13:31,611 (唯幸)奥さんは 心が広い人じゃな。→ 182 00:13:31,678 --> 00:13:34,614 だんなの心中相手は 桜子の母親なんじゃ。→ 183 00:13:34,681 --> 00:13:39,619 いや~ それも認めるなんてすごいわ。 184 00:13:39,686 --> 00:13:45,625 本当なんか秀ふじが桜子の母親… 本当なんか? 185 00:13:45,692 --> 00:13:48,628 (唯幸)あっ 知らんかったんですか。 186 00:13:48,695 --> 00:13:50,630 そりゃそうじゃろうなアハハハ。 187 00:13:50,697 --> 00:13:55,702 知っとったらいっくら奥さんでも 鬼にならん方がおかしい。 188 00:14:03,643 --> 00:14:06,580 あんたら知っとったんか?→ 189 00:14:06,646 --> 00:14:09,583 うちの人が心中したのは 桜子の母親いうの知っとったんか。 190 00:14:09,649 --> 00:14:11,651 (勝)お母さん落ち着けよ。 191 00:14:13,653 --> 00:14:15,589 あんたらだけが知ってて わたしだけが→ 192 00:14:15,655 --> 00:14:18,592 知らんかったいうんか? 193 00:14:18,658 --> 00:14:22,596 なあ桜子 どういうことなんやなあ→ 194 00:14:22,662 --> 00:14:26,600 何とか言うてなあ。 (桜子)お母さん。 195 00:14:26,666 --> 00:14:30,604 まあゆっくり 家族会議でも開いてくれや。→ 196 00:14:30,670 --> 00:14:32,606 いよっ。→ 197 00:14:32,672 --> 00:14:34,674 ええ返事待っとるからな。 198 00:14:36,676 --> 00:14:42,616 \(唯幸の笑い声) 199 00:14:42,682 --> 00:14:47,687 \(良太)勝さん勝さん勝さん 親方が来てくれ言うてます。 200 00:14:49,689 --> 00:14:51,625 (良太)あの。 201 00:14:51,691 --> 00:14:53,627 親方がどうしたって? 202 00:14:53,693 --> 00:14:57,631 あの搾りたての生酒 利き酒してくれって。 203 00:14:57,697 --> 00:15:02,636 そっか酒ができたんか。 204 00:15:29,663 --> 00:15:34,534 まろやかや。 それにしゃきっとしてる。 205 00:15:34,601 --> 00:15:38,538 濃厚で 口いっぱいに香りが広がって。 206 00:15:38,605 --> 00:15:41,541 (平岡)精米歩合50%にとどめて→ 207 00:15:41,608 --> 00:15:43,543 米のうま味が 引き出せたんです。→ 208 00:15:43,610 --> 00:15:47,547 ようやっと この味に到達できたんです。 209 00:15:47,614 --> 00:15:51,618 すごい。すごい。 210 00:15:56,623 --> 00:15:59,626 親父に飲ませたかった。 211 00:16:02,629 --> 00:16:06,566 ⟨搾りたての新酒の すがすがしさと芳醇な香り⟩ 212 00:16:06,633 --> 00:16:12,572 ⟨それが今この酒蔵中に におっているのです⟩ 213 00:16:12,639 --> 00:16:16,576 ⟨同じ屋根の下で 生々しい人間の愛憎は→ 214 00:16:16,643 --> 00:16:20,580 どこまで 果てしなく続いていくのか⟩ 215 00:16:20,647 --> 00:16:27,587 そうか あんた悪魔が産んだ子やったんや。 216 00:16:27,654 --> 00:16:32,525 やっぱりあんた うちの疫病神やったんや。ハハ。 217 00:16:32,592 --> 00:16:38,531 あんた引き取ったおかげで 桜移植することになり→ 218 00:16:38,598 --> 00:16:42,535 とどのつまりはすってんてんに 財産すり減らしてこの始末。 219 00:16:42,602 --> 00:16:44,537 アハハハ。 220 00:16:44,604 --> 00:16:47,540 江戸時代から続いた 名家やいうのに→ 221 00:16:47,607 --> 00:16:55,548 あんたのおかげで 他人に家も酒蔵も乗っ取られて。 222 00:16:55,615 --> 00:17:00,553 それどころか 心中相手があんたの母親やて。 223 00:17:00,620 --> 00:17:03,556 何ちゅう恥知らずな。 224 00:17:03,623 --> 00:17:05,625 何ちゅうおぞましい! 225 00:17:08,628 --> 00:17:12,565 出ていけ!今すぐ出ていけ! (桜子)お母さんやめて。 226 00:17:12,632 --> 00:17:16,569 あんたにお母さん呼ばわりされる いわれはないわ。 227 00:17:16,636 --> 00:17:22,642 出てくとこがないんやったらな 櫛山に嫁に行け早く嫁に行け! 228 00:17:31,651 --> 00:17:35,588 (沙也香)桜子大丈夫? 229 00:17:35,655 --> 00:17:37,590 (桜子)ええ。 230 00:17:37,657 --> 00:17:39,659 (沙也香)大変やったわね色々と。 231 00:17:41,661 --> 00:17:44,597 (桜子)ありがとう沙也香。 232 00:17:44,664 --> 00:17:47,600 (沙也香)お父さん 大きな借金残して→ 233 00:17:47,667 --> 00:17:50,603 亡くなりなさったってね。 234 00:17:50,670 --> 00:17:53,606 (桜子)それだけやったらいいんやけど。 235 00:17:53,673 --> 00:17:57,610 (沙也香)あんな大きな酒蔵の 屋台骨支えてた人が亡くなると→ 236 00:17:57,677 --> 00:18:00,613 色々あるでしょうそれはね。 237 00:18:00,680 --> 00:18:06,619 (桜子)わたし もらい子やって分かってたけど→ 238 00:18:06,686 --> 00:18:12,625 それがこんなに心細いものだって 初めて分かった。 239 00:18:12,692 --> 00:18:14,627 桜子。 240 00:18:14,694 --> 00:18:18,631 (桜子)お父さまが亡くなった途端→ 241 00:18:18,698 --> 00:18:23,703 辺りはもう地獄みたいな風景に 変わってしまったんやわ。 242 00:18:26,706 --> 00:18:29,642 頑張らんといかんわよあんた。 243 00:18:29,709 --> 00:18:31,578 (桜子)うん。 244 00:18:31,644 --> 00:18:33,580 (店員)いらっしゃいませ。 245 00:18:33,646 --> 00:18:37,584 (雄一)あらこんな所に 来とったんか桜子さん。→ 246 00:18:37,650 --> 00:18:41,588 いや~これも何かの導きやろか。 (沙也香)ちょっと困ります。→ 247 00:18:41,654 --> 00:18:43,590 勝手に座ってもらったら 困るんです。 248 00:18:43,656 --> 00:18:45,592 (雄一)どうしてや。 (沙也香)桜子は→ 249 00:18:45,658 --> 00:18:47,594 まだショックから 立ち直ってないんやし。 250 00:18:47,660 --> 00:18:52,599 (雄一)わしかて桜子さんを 慰めてあげたいと思っとるのに。→ 251 00:18:52,665 --> 00:18:55,602 ホンマ えらいことなってしもて→ 252 00:18:55,668 --> 00:18:58,605 悔やみを言わしてもらうわな。 (沙也香)あっちへ行ってください→ 253 00:18:58,671 --> 00:19:00,607 あっちへ。 (雄一)追い払うなよ客を。 254 00:19:00,673 --> 00:19:02,609 けどあんたがここに来たら ぶち壊しなんやから。 255 00:19:02,675 --> 00:19:06,613 何がぶち壊しなんじゃ。 (桜子)いいのよ沙也香。いいの。 256 00:19:06,679 --> 00:19:11,618 何がいいのよ。 あんたこんな人嫌いでしょ? 257 00:19:11,684 --> 00:19:15,688 (桜子)わたし雄一さんに 聞きたいことがあるから。 258 00:19:20,693 --> 00:19:22,629 そう。 259 00:19:22,695 --> 00:19:25,632 そんならわたしが 出しゃばることやないけど。 260 00:19:25,698 --> 00:19:28,635 ウイスキー持ってこい! 261 00:19:28,701 --> 00:19:31,571 はいはい。 262 00:19:31,638 --> 00:19:34,574 ホンマに食えん女やで。 263 00:19:34,641 --> 00:19:37,577 あんな女には絶対 嫁入りの口はないと思うわなあ。 264 00:19:37,644 --> 00:19:39,579 (桜子)雄一さん。 (雄一)はい。 265 00:19:39,646 --> 00:19:43,583 (桜子)わたしあなたのことが嫌いです。 266 00:19:43,650 --> 00:19:45,585 そうやろな。 267 00:19:45,652 --> 00:19:47,587 (桜子)それが分かってるんだったら→ 268 00:19:47,654 --> 00:19:50,590 どうして縁談なんか 持ち掛けてくるんです? 269 00:19:50,657 --> 00:19:52,592 いくら お父さまが勧めるからって→ 270 00:19:52,659 --> 00:19:55,595 嫌われてる相手と結婚したって うまくいくはずがないでしょ。 271 00:19:55,662 --> 00:19:57,597 けど結婚してみんことには。 272 00:19:57,664 --> 00:20:01,668 (桜子)あなたのことが 心底嫌いなんです。 273 00:20:07,674 --> 00:20:12,679 そんなこと言われたら わし悲しなる。 274 00:20:15,682 --> 00:20:20,620 あんたのことが 好きで好きでたまらんのや。 275 00:20:20,687 --> 00:20:23,623 30も過ぎた子持ちの男が→ 276 00:20:23,690 --> 00:20:26,626 あんたみたいな奇麗な子に 好かれるはずないけど→ 277 00:20:26,693 --> 00:20:28,628 好きなんやからわしは。 278 00:20:28,695 --> 00:20:30,563 (桜子)嫌いです。 279 00:20:30,630 --> 00:20:34,567 悲しいな。悲しいな。→ 280 00:20:34,634 --> 00:20:37,570 嫌われても仕方ない。→ 281 00:20:37,637 --> 00:20:40,573 嫌われてるんは 覚悟しとるんじゃ。→ 282 00:20:40,640 --> 00:20:44,577 わしがあんたを好きなんやから それでいいんじゃ。 283 00:20:44,644 --> 00:20:49,582 (桜子)雄一さん結婚って そういうものじゃないでしょ? 284 00:20:49,649 --> 00:20:54,587 お互いが愛と尊敬を感じて 初めて成立するものでしょ? 285 00:20:54,654 --> 00:20:59,592 (雄一)分かっとらんのや あんた若いから。 286 00:20:59,659 --> 00:21:04,597 わしが一方的に好きなんやから この関係はわしに負い目がある。 287 00:21:04,664 --> 00:21:06,599 その分償っていかんならん。 288 00:21:06,666 --> 00:21:10,603 そういうつらい気持ちで 人を好きになるっていうのもな→ 289 00:21:10,670 --> 00:21:13,606 恋愛なんや。 290 00:21:13,673 --> 00:21:15,608 (桜子)でも。 291 00:21:15,675 --> 00:21:21,681 デートしてくれ桜子さん 頼むデートしてほしい。 292 00:21:21,681 --> 00:21:57,650 ♪~ 293 00:21:57,650 --> 00:22:04,657 (桜子)「比呂人さん好きでもない人と デートします。桜子」