1 00:00:03,671 --> 00:00:05,606 (唯幸)記憶喪失っちゅうんは 嘘と違うか? 2 00:00:05,673 --> 00:00:08,609 (唯幸)何の魂胆で 記憶喪失のまねをしとるんじゃ。 3 00:00:08,676 --> 00:00:11,612 (桜子)もういいの。 そんな芝居はもういいの。 4 00:00:11,679 --> 00:00:15,616 (桜子)わたしが愛した 比呂人でいいのよ。 5 00:00:15,683 --> 00:00:18,619 (比呂人)いいのかな。 6 00:00:18,686 --> 00:00:20,621 (比呂人)桜子。 7 00:00:20,688 --> 00:00:23,691 (桜子)比呂人。 (比呂人)桜子。 8 00:00:56,724 --> 00:00:58,659 \(ふすまの開く音) (仲居)おいでましたよ。 9 00:00:58,726 --> 00:01:00,728 (唯幸)おお。 10 00:01:03,664 --> 00:01:06,600 (明美)社長さん その節はお世話になりまして。 11 00:01:06,667 --> 00:01:11,605 {\an8}(唯幸)ああ まあまあおいこっち来い。 12 00:01:11,672 --> 00:01:16,610 {\an8}(明美)きっとそのうちに 呼んでくださると思ってましたわ。 13 00:01:16,677 --> 00:01:20,614 {\an8}(唯幸)女将から聞いたけど お前結構売れとるそうやないか。 14 00:01:20,681 --> 00:01:23,617 {\an8}おかげさまで何とか。 15 00:01:23,684 --> 00:01:26,620 {\an8}コンパニオン始めて まだそんなに間がないけど→ 16 00:01:26,687 --> 00:01:30,624 {\an8}二度三度と呼んでくださる お客さんもあります。 17 00:01:30,691 --> 00:01:34,628 {\an8}もうなじみ客ができとるんか。 18 00:01:34,695 --> 00:01:39,633 {\an8}一度お前と寝たら 忘れられんのじゃな。 19 00:01:39,700 --> 00:01:42,636 {\an8}嫌ね。→ 20 00:01:42,703 --> 00:01:44,638 {\an8}そんなら今晩はゆっくり→ 21 00:01:44,705 --> 00:01:47,641 {\an8}わたしのテクニック 味わってってください。 22 00:01:47,708 --> 00:01:50,644 {\an8}もう年じゃからな あっちの方は駄目なんじゃ。 23 00:01:50,711 --> 00:01:53,647 {\an8}そういうこと言う人にかぎって まだまだ大丈夫や。 24 00:01:53,714 --> 00:01:57,651 {\an8}刺激が強過ぎてお前 腹上死でもしたら困るやないか。 25 00:01:57,718 --> 00:01:59,653 わたしはそれでもいいわ。 26 00:01:59,720 --> 00:02:01,655 社長ほどの古つわものを 死なせたいうて→ 27 00:02:01,722 --> 00:02:03,591 箔が付くかもしれへんし。 28 00:02:03,657 --> 00:02:05,593 それこそ大往生じゃわな。 29 00:02:05,659 --> 00:02:09,597 (唯幸・明美の笑い声) 30 00:02:09,663 --> 00:02:14,602 わたし社長のこと 後で聞いてびっくりしたんです。 31 00:02:14,668 --> 00:02:16,604 (唯幸)んっ? 32 00:02:16,670 --> 00:02:19,607 ずいぶん若い奥さん お持ちやそうやけど→ 33 00:02:19,673 --> 00:02:22,610 それが桜子さんやったやなんて。 34 00:02:22,676 --> 00:02:25,613 そうや桜子や。 35 00:02:25,679 --> 00:02:29,617 お前の亭主と 心中までしでかした女や。 36 00:02:29,683 --> 00:02:31,619 そういう因縁もあるし→ 37 00:02:31,685 --> 00:02:35,623 必ず社長がわたしを 呼んでくれると思って→ 38 00:02:35,689 --> 00:02:39,627 待ってましたわ。 (唯幸)俺も会いたかったんじゃ。→ 39 00:02:39,693 --> 00:02:43,631 どういう女か じっくり見たかった。 40 00:02:43,697 --> 00:02:46,634 こういう女ですわ。 (唯幸)お前の亭主は→ 41 00:02:46,700 --> 00:02:49,637 お前が体売っとることまで 知っとるんか? 42 00:02:49,703 --> 00:02:52,640 そんなこと 口が裂けても言いませんもん。 43 00:02:52,706 --> 00:02:57,645 それに彼記憶喪失やから のんびりした性格っていうんか。 44 00:02:57,711 --> 00:03:00,648 記憶喪失やないぞ。 45 00:03:00,714 --> 00:03:03,584 えっ? (唯幸)わしが見たところ→ 46 00:03:03,651 --> 00:03:07,588 あの男は過去のことは ちゃんと覚えとるわ。 47 00:03:07,655 --> 00:03:11,592 けど何を聞いてもあやふやで。 48 00:03:11,659 --> 00:03:15,596 一度桜子さんに会わせたけど 何にも思い出さへんのよ。 49 00:03:15,663 --> 00:03:19,667 それは違う絶対に違う。 50 00:03:21,669 --> 00:03:26,607 (比呂人)最初さくらが俺の前に 桜子を連れてきたときは→ 51 00:03:26,674 --> 00:03:30,611 ただ さくらのお母さんやいうだけで→ 52 00:03:30,678 --> 00:03:33,614 誰やら分からんかった。→ 53 00:03:33,681 --> 00:03:39,620 けど桜子が言ったんや。→ 54 00:03:39,687 --> 00:03:46,627 いさみ酒造の裏庭にある 桜の木を見てくれって。 55 00:03:46,694 --> 00:03:49,630 (桜子)ええ言いました。 56 00:03:49,697 --> 00:03:54,635 (比呂人)あの言葉が頭から こびりついて離れんかった。 57 00:03:54,702 --> 00:03:58,639 そして俺は この木の下に来たんや。 58 00:03:58,706 --> 00:04:04,578 誘われるように この木の下に立つと→ 59 00:04:04,645 --> 00:04:06,647 不思議なことが起こったんや。 60 00:04:06,647 --> 00:04:33,674 ♪~ 61 00:04:33,674 --> 00:04:35,609 (比呂人)俺は思い出した。 62 00:04:35,676 --> 00:04:40,681 10年前の記憶全てが 次々と蘇ってきたんや。 63 00:04:42,683 --> 00:04:48,689 初めて桜子と出会ったときのこと。 64 00:04:50,691 --> 00:04:54,628 初めて体を許し合ったこと。 65 00:04:54,695 --> 00:04:56,630 この木の下で→ 66 00:04:56,697 --> 00:05:00,634 桜子と一緒に農薬を飲んで 心中しようとしたことも。 67 00:05:00,701 --> 00:05:06,573 《桜子さんだけ死なせて 俺だけ生き残ってどうするんや》 68 00:05:06,640 --> 00:05:11,578 《頼む死なせてくれ》 69 00:05:11,645 --> 00:05:13,647 (勝)《比呂人》 70 00:05:17,651 --> 00:05:21,655 (桜子)それから?それからあなたは? 71 00:05:23,657 --> 00:05:28,662 (比呂人)死に場所を探して 歩き回っとった。 72 00:05:32,666 --> 00:05:37,671 (比呂人)山道を 犬山の方へ向かって歩いていった。 73 00:05:40,674 --> 00:05:42,609 (比呂人)夜通し歩いて→ 74 00:05:42,676 --> 00:05:46,680 木曽川の渓谷に渡した つり橋を見つけたんや。 75 00:05:46,680 --> 00:06:08,635 ♪~ 76 00:06:08,635 --> 00:06:13,640 (比呂人)ここから飛び降りれば 間違いなく死ねると思った。 77 00:06:21,648 --> 00:06:26,653 \(水音) 78 00:06:34,661 --> 00:06:39,600 \(男性)《おい。おい》→ 79 00:06:39,666 --> 00:06:41,668 《おい聞こえるか?》 80 00:06:43,670 --> 00:06:47,608 \(男性)《動けるか? 大丈夫か?》 81 00:06:47,674 --> 00:06:50,611 (比呂人)気が付いたときは→ 82 00:06:50,677 --> 00:06:54,615 川の中に体半分浸したまま 横たわってた。 83 00:06:54,681 --> 00:06:59,620 入り江に流されて 助かったらしいんや。 84 00:06:59,686 --> 00:07:04,558 (桜子)ケガは?ケガはなかったの? 85 00:07:04,625 --> 00:07:06,627 (比呂人)擦り傷だけやった。 86 00:07:09,630 --> 00:07:14,568 (比呂人)何が何やら分からんまま→ 87 00:07:14,635 --> 00:07:18,572 そんときには 記憶喪失になってたんやろな。 88 00:07:18,639 --> 00:07:24,578 自分が何者かも 分からんようになってしまった。 89 00:07:24,645 --> 00:07:30,584 (桜子)でも生きててくれてよかった。 90 00:07:30,651 --> 00:07:34,655 (比呂人)記憶を取り戻せたんは この桜の木のおかげや。 91 00:07:37,658 --> 00:07:43,664 (比呂人)桜子がこの桜を見に行けって 言ってくれたからや。 92 00:07:48,669 --> 00:07:52,673 (比呂人)《おっ俺は死ななかったんや》 93 00:07:56,677 --> 00:08:02,549 (比呂人)《桜子。桜子》 94 00:08:02,616 --> 00:08:09,623 (桜子)比呂人比呂人 よく帰ってきてくれたわ。 95 00:08:12,626 --> 00:08:19,566 (比呂人)この桜の木が10年ぶりに 俺の過去を取り戻してくれたんや。 96 00:08:19,633 --> 00:08:23,570 (桜子)この桜の木に 誓い合ったんですもの。 97 00:08:23,637 --> 00:08:30,644 何もかも知ってるわ あなたのこともわたしのことも。 98 00:08:32,646 --> 00:08:35,582 (比呂人)そうや。 99 00:08:35,649 --> 00:08:41,588 桜子は この桜の申し子なんやからな。 100 00:08:41,655 --> 00:08:44,591 (桜子)あのときと変わらない。 101 00:08:44,658 --> 00:08:49,663 比呂人あなたは ちっとも変わってないんよ。 102 00:08:51,665 --> 00:08:59,606 (比呂人)けど正直怖かった。 103 00:08:59,673 --> 00:09:04,544 記憶が戻らないふりでも してないと→ 104 00:09:04,611 --> 00:09:07,547 過去に一挙に引き戻される。 105 00:09:07,614 --> 00:09:09,616 同じように燃え上がってしまう。 106 00:09:11,618 --> 00:09:14,554 (桜子)しかたがないやないの。 107 00:09:14,621 --> 00:09:19,626 あのときと変わらない あなたが目の前にいるんやもの。 108 00:09:21,628 --> 00:09:24,631 (比呂人)桜子。 (桜子)比呂人。 109 00:09:24,631 --> 00:09:41,648 ♪~ 110 00:09:41,648 --> 00:09:43,583 そんなら社長さんは比呂人が→ 111 00:09:43,650 --> 00:09:45,585 記憶喪失のふりをしてるとでも 言うんですか? 112 00:09:45,652 --> 00:09:47,587 (唯幸)そういうことじゃ。 113 00:09:47,654 --> 00:09:51,591 あいつは全て思い出した上で わしの家に来たとしか思えん。 114 00:09:51,658 --> 00:09:53,593 社長の家に? 115 00:09:53,660 --> 00:09:56,596 わしの目は節穴やないぞ。 116 00:09:56,663 --> 00:09:58,598 それぐらい見抜けんで どうすんじゃ。 117 00:09:58,665 --> 00:10:04,604 お前は まんまとだまされとるんじゃ。 118 00:10:04,671 --> 00:10:09,676 比呂人が記憶喪失のふり。 119 00:10:11,678 --> 00:10:13,613 けど何のために? 120 00:10:13,680 --> 00:10:15,615 (唯幸)とろいなお前も。 121 00:10:15,682 --> 00:10:17,617 周りの目をごまかして→ 122 00:10:17,684 --> 00:10:20,620 桜子とよりを戻そうっちゅう 魂胆やないか。 123 00:10:20,687 --> 00:10:22,689 そうなんか。 124 00:10:24,691 --> 00:10:26,626 (明美)死ぬほど愛した記憶が 戻ってきて→ 125 00:10:26,693 --> 00:10:29,629 心も体も抑えきれんようになって。 126 00:10:29,696 --> 00:10:35,635 わしは若い女房を あんまり構ってやれんのじゃ。→ 127 00:10:35,702 --> 00:10:39,639 2人が燃え上がったとしても→ 128 00:10:39,706 --> 00:10:42,642 指をくわえて 見とるしかないんじゃ。 129 00:10:42,709 --> 00:10:46,646 社長さんそんな情けないこと 言わんといてよ。→ 130 00:10:46,713 --> 00:10:48,648 このまま 放っておいてもいいんか? 131 00:10:48,715 --> 00:10:50,650 ひょっとしたら今ごろは→ 132 00:10:50,717 --> 00:10:53,720 焼けぼっくいに 火が付いとるかもしれんわな。 133 00:10:55,722 --> 00:10:59,659 一番恐れてたことや。 134 00:10:59,726 --> 00:11:02,662 わたしが一番恐れてたことやわ。 135 00:11:12,672 --> 00:11:15,609 (桜子)比呂人。 136 00:11:15,676 --> 00:11:22,616 (比呂人)愛してるあのときと同じように。 137 00:11:22,682 --> 00:11:25,686 (桜子)わたしもわたしもよ。 138 00:11:34,694 --> 00:11:38,632 (勝)⟨信じられなかった⟩ 139 00:11:38,698 --> 00:11:43,637 ⟨けど あり得ることには違いなかった⟩ 140 00:11:43,703 --> 00:11:45,639 ⟨10年余り前と同じように→ 141 00:11:45,705 --> 00:11:50,710 わたしは今度も 単なる目撃者でしかなかった⟩ 142 00:11:58,718 --> 00:12:00,654 (運送員)どうも ありがとうございました。 143 00:12:00,720 --> 00:12:02,656 (運送員)ありがとうございました。 (陸雄)ありがとうございました。 144 00:12:07,661 --> 00:12:09,663 よいしょ。 145 00:12:12,666 --> 00:12:14,601 (陸雄)おっ。 (健)何だよこれ。 146 00:12:14,668 --> 00:12:18,605 あっ駅の坂道上がった所に 古道具屋があるんやけど→ 147 00:12:18,672 --> 00:12:21,675 そこで買ったんや。 (健)ひどい机だな。 148 00:12:23,677 --> 00:12:25,612 (陸雄)よいしょ。 (健)なあ陸雄→ 149 00:12:25,679 --> 00:12:27,614 こんな安っぽい机で 小説書けるのか? 150 00:12:27,681 --> 00:12:31,618 (陸雄)いや別にミカン箱でも 書こうと思ったら書けるんやから。 151 00:12:31,685 --> 00:12:34,621 (健)何だか 安っぽい机に向かって書いても→ 152 00:12:34,688 --> 00:12:37,624 安っぽい小説しか 書けん気がするな。 153 00:12:37,691 --> 00:12:40,694 そんなことないわ やる気しだいや。 154 00:12:44,698 --> 00:12:48,635 うわ~いいな。 155 00:12:48,702 --> 00:12:53,640 東京タワーが見えるとこに 住めると思わんかった。 156 00:12:53,707 --> 00:12:55,642 (健)金貸しのじいさまが 請け合ってるんだからな。 157 00:12:55,709 --> 00:13:01,581 陸雄は余計なこと考えずに 小説に専念してればいいんだから。 158 00:13:01,648 --> 00:13:03,583 (陸雄)ありがたいと思っとるよ。 159 00:13:03,650 --> 00:13:06,586 やがては梓川賞榎賞の作家やな。 160 00:13:06,653 --> 00:13:11,591 やめてくれマイペースで しこしこやるしかないんやから。 161 00:13:11,658 --> 00:13:14,594 当面書きたいもんがあるんだろ? 162 00:13:14,661 --> 00:13:20,600 あっ僕な どうしてもさくらのお母さんと→ 163 00:13:20,667 --> 00:13:22,602 君のおじいさんのことが 気になって。 164 00:13:22,669 --> 00:13:24,604 えっ? 165 00:13:24,671 --> 00:13:29,609 この間の僕たちの壮行会のとき 君は席を外しとったけど→ 166 00:13:29,676 --> 00:13:32,612 君のおじいさんがあまりに露骨に セックスのことしゃべるんで→ 167 00:13:32,679 --> 00:13:34,614 びっくりしたわ。 168 00:13:34,681 --> 00:13:36,616 そんなこと。 169 00:13:36,683 --> 00:13:38,618 若いころの桜子さんと→ 170 00:13:38,685 --> 00:13:41,621 比呂人さんが交わってるのを 目撃したらしい。 171 00:13:41,688 --> 00:13:44,624 (健)へえおじいちゃんが? 172 00:13:44,691 --> 00:13:50,630 老人の屈折した欲望いうんかな すごいなと思って。 173 00:13:50,697 --> 00:13:53,633 まさかそれを 小説にするわけやないだろ? 174 00:13:53,700 --> 00:13:55,635 ヒントになるかもしれんな。 175 00:13:55,702 --> 00:13:58,638 おいお母さん薄汚く書いたら 承知しないぞ。 176 00:13:58,705 --> 00:14:00,640 汚い小説は僕も嫌いや。 177 00:14:00,707 --> 00:14:03,577 明窓浄机こつこつと書く。 178 00:14:03,643 --> 00:14:06,580 明窓浄机だって? 179 00:14:06,646 --> 00:14:12,586 (陸雄)明るい窓と清らかな机。 落ち着いて書けるってことや。 180 00:14:12,652 --> 00:14:16,656 \(チャイム) (健)あっ来たのかな。 181 00:14:27,667 --> 00:14:30,604 (涼子)ずいぶん 田舎にゆっくりしてたのね。 182 00:14:30,670 --> 00:14:32,606 よっぽど面白いことが あったのかしら。 183 00:14:32,672 --> 00:14:34,608 退屈さ。することないから→ 184 00:14:34,674 --> 00:14:36,610 ステンドグラス いじり回してたけど→ 185 00:14:36,676 --> 00:14:38,612 涼ちゃんがいないと うまくできないよ。 186 00:14:38,678 --> 00:14:42,616 だったら早く東京に 戻ってくればよかったのに。→ 187 00:14:42,682 --> 00:14:46,620 わたしゆうべ踊りに行ってて 全然眠ってないのよ。→ 188 00:14:46,686 --> 00:14:49,623 少し眠らせてもらうわね。 (健)ああ俺の部屋で。 189 00:14:49,689 --> 00:14:51,625 やだわたしの部屋がいい。 190 00:14:51,691 --> 00:14:53,693 あっちょっと待って。 191 00:14:56,696 --> 00:15:00,634 (涼子)あら。 (健)友達なんだ。 192 00:15:00,700 --> 00:15:04,571 嫌だわたしの荷物は? 服なんかどこにやったのよ。 193 00:15:04,638 --> 00:15:07,574 (健)あっ それは全部俺の部屋に。→ 194 00:15:07,641 --> 00:15:10,644 陸雄紹介するよ。こっち来いよ。 195 00:15:12,646 --> 00:15:15,582 (健)ガールフレンドの 鮫島涼子だよ。 196 00:15:15,649 --> 00:15:19,586 幼なじみの友人押川陸雄。 197 00:15:19,653 --> 00:15:21,588 (陸雄)どうも。 (涼子)初めまして。 198 00:15:21,655 --> 00:15:25,592 陸雄は小説家志望なんだよ。 そのために東京に出てきたんだ。 199 00:15:25,659 --> 00:15:27,594 じゃずっといらっしゃるの? 200 00:15:27,661 --> 00:15:30,597 (健)あの部屋で 傑作を書くんだって。 201 00:15:30,664 --> 00:15:32,666 あらそう。 202 00:15:36,670 --> 00:15:40,607 (陸雄)なあ あの部屋僕が使っていいんやろ? 203 00:15:40,674 --> 00:15:42,609 もちろんだよ。 204 00:15:42,676 --> 00:15:45,612 彼女世田谷で 家族と一緒に住んでるんだ。→ 205 00:15:45,679 --> 00:15:47,614 まあ 時々ここへ遊びには来るけど→ 206 00:15:47,681 --> 00:15:51,618 そんときは 俺の部屋に泊まればいいんだから。 207 00:15:51,685 --> 00:15:55,622 なっその方がいいよな。 208 00:15:55,689 --> 00:15:59,626 それならそうともう少し早く 言っといてくれたらよかったのに。 209 00:15:59,693 --> 00:16:03,563 わたし徹夜で作品 仕上げることもあるんですからね。 210 00:16:03,630 --> 00:16:05,565 邪魔になったって知らないわよ。 211 00:16:05,632 --> 00:16:07,567 (健)平気さそんなこと。 212 00:16:07,634 --> 00:16:09,569 彼女芸大卒業して→ 213 00:16:09,636 --> 00:16:11,571 ステンドグラスとか ガラス工芸やってんだ。 214 00:16:11,638 --> 00:16:16,576 まあ俺もちょっと影響されて まね事やってみたんだけど→ 215 00:16:16,643 --> 00:16:18,578 才能があるんだよ。 216 00:16:18,645 --> 00:16:20,580 そう。 217 00:16:20,647 --> 00:16:22,582 小説って 東京舞台に書くんですか? 218 00:16:22,649 --> 00:16:26,586 あっまあ当面は田舎の話やけど。 219 00:16:26,653 --> 00:16:28,588 これからは東京生活を経験して→ 220 00:16:28,655 --> 00:16:31,658 都会的なストーリーも 書くんだよな。 221 00:16:33,660 --> 00:16:35,595 悪いけど あまりシティーロマンって→ 222 00:16:35,662 --> 00:16:38,598 感じじゃないわね。 223 00:16:38,665 --> 00:16:41,601 眠いわ わたし失礼してもいいかしら。 224 00:16:41,668 --> 00:16:45,672 (健)あっうんなら行こう。 部屋少し片付けなきゃ。 225 00:16:53,680 --> 00:16:57,617 (涼子)あの人小説家志望にしては 芋っぽ過ぎない? 226 00:16:57,684 --> 00:17:01,554 (健)芋でもカボチャでもいいさ。 小説書く分には関係ないだろ。 227 00:17:01,621 --> 00:17:03,556 (涼子)そんなことないわよ。→ 228 00:17:03,623 --> 00:17:07,560 小説家だってテレビに出て 顔売らなきゃいけないし。 229 00:17:07,627 --> 00:17:10,563 あんまりださいと 売れっ子にはなれないわ。 230 00:17:10,630 --> 00:17:13,633 まあ その分頑張るんじゃないか? 231 00:17:15,635 --> 00:17:17,637 ああもう我慢できない。 232 00:17:23,643 --> 00:17:25,578 (涼子)駄目あれして。 233 00:17:25,645 --> 00:17:27,647 大丈夫だよまだ大丈夫だから。 234 00:17:38,658 --> 00:17:40,593 \(涼子)あっ。 235 00:17:40,660 --> 00:17:42,595 \(健)なあここ? \(涼子)ウフフやだ。 236 00:17:42,662 --> 00:17:46,666 \(涼子・健の笑い声) 237 00:17:46,666 --> 00:18:08,621 ♪~ 238 00:18:08,621 --> 00:18:13,626 (涼子)《あっウフあっ》 239 00:18:24,637 --> 00:18:27,574 (秀ふじ)まさか。 (勝)俺見たんですわ→ 240 00:18:27,640 --> 00:18:29,576 2人が抱き合っとるのを。 241 00:18:29,642 --> 00:18:32,512 でも比呂人は記憶がないんじゃ。 242 00:18:32,579 --> 00:18:35,515 あの桜の下で抱き合っとった。 243 00:18:35,582 --> 00:18:37,517 あの桜の下で。 244 00:18:37,584 --> 00:18:43,523 あの桜がまた2人を 導き寄せたんやないやろか。 245 00:18:43,590 --> 00:18:49,529 それにしても 桜子も性懲りもない。 246 00:18:49,596 --> 00:18:52,532 またえらいことに なってしまうんやないやろか。 247 00:18:52,599 --> 00:18:58,605 大人の男と女のすることやしな そっとしとくしかないんやろな。 248 00:19:03,610 --> 00:19:06,546 何じゃ いらっしゃいませとも言わんと。 249 00:19:06,613 --> 00:19:08,548 あっいや社長→ 250 00:19:08,615 --> 00:19:11,551 ちょうど明かりの影に なってたもんやったから→ 251 00:19:11,618 --> 00:19:14,554 誰かと思って。 (唯幸)幽霊みたいに言うな。 252 00:19:14,621 --> 00:19:16,556 (秀ふじ)しばらくでしたわね。 253 00:19:16,623 --> 00:19:21,561 (唯幸)常務 2人で何の相談じゃ?→ 254 00:19:21,628 --> 00:19:25,565 桜子と比呂人を かばおうとしとるんか? 255 00:19:25,632 --> 00:19:27,567 (秀ふじ)お酒でよろしい? 256 00:19:27,634 --> 00:19:30,503 (唯幸)今度不倫したら厄介やぞ。 257 00:19:30,570 --> 00:19:32,505 前は息子の嫁じゃったが→ 258 00:19:32,572 --> 00:19:35,508 今はれっきとした わしのかみさんじゃからな。 259 00:19:35,575 --> 00:19:38,511 何の話か知らんけど 若い妻を持つと→ 260 00:19:38,578 --> 00:19:42,515 色々気がもめることが あるらしいですな。 261 00:19:42,582 --> 00:19:44,584 どうぞ。 (唯幸)ついでくれ。 262 00:19:46,586 --> 00:19:49,522 (唯幸)言うとくけどな→ 263 00:19:49,589 --> 00:19:54,527 今度ここで2人を 密会させるようなまねしたら→ 264 00:19:54,594 --> 00:19:57,530 わしの子分が たたき壊しに来るぞ。 265 00:19:57,597 --> 00:20:01,534 社長来て早々 物騒なこと言わんといてください。 266 00:20:01,601 --> 00:20:06,539 心中した相手が 生きて目の前に現れたら→ 267 00:20:06,606 --> 00:20:10,543 秀ふじ お前じゃったらどうする?→ 268 00:20:10,610 --> 00:20:17,550 もし宗形が現れて しかも記憶喪失になっとったら→ 269 00:20:17,617 --> 00:20:19,552 たまらんじゃろうが。 270 00:20:19,619 --> 00:20:22,555 嫌やわ うちの話にせんといてください。 271 00:20:22,622 --> 00:20:25,558 お前らは似た者親子じゃ。 272 00:20:25,625 --> 00:20:28,561 桜子が比呂人にめらめら 燃え上がっとる気持ちは→ 273 00:20:28,628 --> 00:20:31,497 手に取るように 分かるんやないか? 274 00:20:31,564 --> 00:20:36,502 社長そんなに 疑っとられるんやったら→ 275 00:20:36,569 --> 00:20:39,505 体張って 止めたらいいやないですか。 276 00:20:39,572 --> 00:20:41,507 いくら年いったかて→ 277 00:20:41,574 --> 00:20:44,510 それぐらいの馬力は 残ってますやろ? 278 00:20:44,577 --> 00:20:47,513 わしはうらやましいんじゃ。 279 00:20:47,580 --> 00:20:49,515 (秀ふじ)うらやましい。 280 00:20:49,582 --> 00:20:51,517 そんなこと言ってて どうするんですか。 281 00:20:51,584 --> 00:20:53,519 止める気ないんですか? 282 00:20:53,586 --> 00:20:56,522 めったなことでは 止めることはできん。 283 00:20:56,589 --> 00:21:01,594 けどもあいつらは地獄へ行く。 284 00:21:05,598 --> 00:21:09,602 間違いなく地獄へ行く。 285 00:21:15,608 --> 00:21:17,610 (桜子)比呂人。 286 00:21:17,610 --> 00:21:39,565 ♪~ 287 00:21:39,565 --> 00:21:43,569 (桜子)もう離れない。今度は離れないわ。 288 00:21:45,571 --> 00:21:47,573 (比呂人)桜子。 289 00:21:47,573 --> 00:22:12,598 ♪~