1 00:02:03,478 --> 00:02:06,478 ≪すみません。 (さくら)はい。 2 00:02:11,536 --> 00:02:14,536 (峰子)御代川と 申します。 3 00:02:16,524 --> 00:02:19,524 (さくら)さっきまで お嬢さん 来てたんですよ。 ここに。 4 00:02:25,516 --> 00:02:27,568 (さくら)ああ。 5 00:02:27,568 --> 00:02:29,520 (峰子)あのう。 (さくら)はい。 6 00:02:29,520 --> 00:02:31,522 (峰子)娘のクラスの 子供たちは? 7 00:02:31,522 --> 00:02:33,474 (さくら)今日は 来てませんよ。 8 00:02:33,474 --> 00:02:36,461 (峰子)じゃあ 何で 娘は ここに? 9 00:02:36,461 --> 00:02:39,480 (さくら)ただ 親子丼 食べに来ただけですよ。 10 00:02:39,480 --> 00:02:45,470 親子丼を? どうして? ああ。 さあ? 11 00:02:45,470 --> 00:02:47,472 (峰子)あの子ったら➡ 12 00:02:47,472 --> 00:02:50,491 どうして こんな 吹きだまりみたいなところに。 13 00:02:50,491 --> 00:02:52,477 吹きだまり? あの子から 聞いたんです。 14 00:02:52,477 --> 00:02:58,483 この辺の 不良とか 落ちこぼれが 集まる場所だって。 15 00:02:58,483 --> 00:03:04,489 (玄)吹きだまりだよ。 ここは 吹きだまりだよ。 16 00:03:04,489 --> 00:03:06,491 (峰子)えっ? (雅弘)ばばあ。➡ 17 00:03:06,491 --> 00:03:08,509 調子 乗ってんじゃねえぞ。 こら。 (峰子)ばばあ? 18 00:03:08,509 --> 00:03:10,511 (あざみ)すげえ ムカつくんだけど。 19 00:03:10,511 --> 00:03:12,497 (あざみ)この くそばばあ。 まあ 嫌ですわ。 20 00:03:12,497 --> 00:03:14,515 あざみちゃんったら。 冗談ばっかり 言っちゃってね。 21 00:03:14,515 --> 00:03:16,517 ≪(龍生・大樹・春彦)こんばんは! はい。 22 00:03:16,517 --> 00:03:19,487 (春彦)さくらさん。 聞いてよ。 御代川 最悪。 23 00:03:19,487 --> 00:03:21,539 御代川? (龍生)マジ くそだぜ。 御代川。 24 00:03:21,539 --> 00:03:24,525 (大樹)あいつ マジで アホ。 あれ? それ 何の話でしょう? 25 00:03:24,525 --> 00:03:27,512 (大樹)担任だよ。 俺たちの。 (春彦)あいつ 教師 失格じゃね? 26 00:03:27,512 --> 00:03:30,515 (龍生)首だよ。 首。 あの どブス。 (峰子)どブス? 27 00:03:30,515 --> 00:03:32,466 何を しゃべってんの? ねえねえ。 手 洗った? 28 00:03:32,466 --> 00:03:37,455 (由希)九十九堂に 行ったの? (峰子)ええ。 29 00:03:37,455 --> 00:03:42,460 (由希)どうして? (峰子)ちょっと 気になってね。➡ 30 00:03:42,460 --> 00:03:46,480 親子丼 食べてるそうね。 31 00:03:46,480 --> 00:03:49,467 (由希)クラスの生徒が 食べに 行ってるから➡ 32 00:03:49,467 --> 00:03:51,469 どんな感じか 確かめようと 思って。 33 00:03:51,469 --> 00:03:53,469 (峰子)そう。 34 00:03:56,490 --> 00:04:00,478 (峰子)もう 行っちゃ 駄目よ。 あそこには。 35 00:04:00,478 --> 00:04:06,478 分かったわね? (由希)はい。 36 00:04:08,486 --> 00:04:11,505 (由希)ママ。 (峰子)うん? 37 00:04:11,505 --> 00:04:15,509 トイレ 行っていい? (峰子)どうぞ。 38 00:04:15,509 --> 00:04:28,506 ♬~ 39 00:04:28,506 --> 00:04:30,506 (鍵を掛ける音) 40 00:04:37,465 --> 00:04:41,469 (俊太)ちわ! 鳥八っす! はい。 ご苦労さん。 41 00:04:41,469 --> 00:04:43,471 (俊太)冷蔵庫 入れとくよ。 ありがとね。 42 00:04:43,471 --> 00:04:45,456 いつも 悪いわね。 (俊太)いやいや いやいや。➡ 43 00:04:45,456 --> 00:04:47,475 大変でしょう。 44 00:04:47,475 --> 00:04:49,477 おっ? 何 これ? (俊太)あっ。 ちょっと。 駄目駄目。 45 00:04:49,477 --> 00:04:51,479 あら。 やだ。 俊太。 エッチな本でしょ? 46 00:04:51,479 --> 00:04:53,481 (俊太)いや。 違うって。 ちょっ ちょっ。 いいから。 47 00:04:53,481 --> 00:04:56,484 いいから いいから。 48 00:04:56,484 --> 00:05:00,471 あら。 これ 恭子んとこの 雑誌じゃない。 49 00:05:00,471 --> 00:05:04,471 (俊太)うん。 へえー。 50 00:05:14,468 --> 00:05:22,510 ハァー。 きつい話ね。 胸が 苦しくなるわ。 51 00:05:22,510 --> 00:05:35,439 ♬~ 52 00:05:35,439 --> 00:05:38,459 ≪(ドアの開く音) 53 00:05:38,459 --> 00:05:46,450 ♬~ 54 00:05:46,450 --> 00:05:48,436 リエ。 55 00:05:48,436 --> 00:05:59,463 ♬~ 56 00:05:59,463 --> 00:06:04,463 (リエ)うちさ どうしたらいい? 57 00:06:06,487 --> 00:06:10,491 (リエ)少年院 行って➡ 58 00:06:10,491 --> 00:06:14,512 あのことは もう 終わったんだと 思ってた。 59 00:06:14,512 --> 00:06:28,492 ♬~ 60 00:06:28,492 --> 00:06:30,511 (リエ)知らなかったんだよ。➡ 61 00:06:30,511 --> 00:06:35,433 相手の子が まだ こんなんだなんて。➡ 62 00:06:35,433 --> 00:06:40,433 もう 元気になって 普通にしてんだと 思ってた。 63 00:06:45,459 --> 00:06:50,498 リエの気持ち 分かるよ。 64 00:06:50,498 --> 00:06:53,467 (リエ)分かる? 分かる。 65 00:06:53,467 --> 00:06:56,487 (リエ)何が 分かんだよ? だから…。 66 00:06:56,487 --> 00:06:59,457 (リエ)終わってんなら 何で こんなん なってんだよ? 67 00:06:59,457 --> 00:07:01,475 (リエ)やっちまったもんは しょうがねえじゃねえか! 68 00:07:01,475 --> 00:07:03,477 リエ。 分かってんなら 何か 答えろよ。 69 00:07:03,477 --> 00:07:06,480 どうすりゃ いいんだよ! 70 00:07:06,480 --> 00:07:11,469 うちの気持ち 分かんねえくせに 言ってんじゃねえよ! 71 00:07:11,469 --> 00:07:13,471 リエ! 放せよ! 72 00:07:13,471 --> 00:07:16,471 やめろ。 やめろ…。 73 00:07:18,509 --> 00:07:20,509 分かるんだよ。 74 00:07:23,497 --> 00:07:29,497 うちの母親 人 殺したんだ。 75 00:07:33,424 --> 00:07:38,429 殺された人の家族 恨んでる。 76 00:07:38,429 --> 00:07:48,456 私の母親も。 私のことも。 77 00:07:48,456 --> 00:07:51,456 何で 生きてんだよって。 78 00:07:54,512 --> 00:08:03,454 だからさ 私は 絶対に➡ 79 00:08:03,454 --> 00:08:09,493 幸せになっちゃ いけないって そう 決めて 生きてきた。 80 00:08:09,493 --> 00:08:13,464 いつ 死んでも いいって。 81 00:08:13,464 --> 00:08:22,464 だから リエの気持ち 分かるんだよ。 82 00:08:32,416 --> 00:08:38,439 (玄)いらない色は ありません。 みんな 大事です。 83 00:08:38,439 --> 00:08:42,426 いらない色か…。 84 00:08:42,426 --> 00:08:46,426 あるんじゃない? いらない色って。 85 00:08:48,449 --> 00:08:50,449 ほら。 86 00:08:52,453 --> 00:08:55,453 例えば これ。 87 00:08:58,442 --> 00:09:05,442 塗っても 意味ないじゃん。 ねっ。 いらない色って あるんだよ。 88 00:09:10,471 --> 00:09:12,456 あっ…。 89 00:09:12,456 --> 00:09:21,465 (玄)いらない色は ありません。 みんな 大事です。 90 00:09:21,465 --> 00:09:24,468 みんな 大事か。 91 00:09:24,468 --> 00:09:26,468 (恭子)こんにちは。 92 00:09:28,489 --> 00:09:30,491 (恭子)正木リエの 居場所 教えてよ。 93 00:09:30,491 --> 00:09:32,409 知らない。 (恭子)待って。 94 00:09:32,409 --> 00:09:35,412 あんたさ リエに どうしろって いうんだよ? 95 00:09:35,412 --> 00:09:37,412 死ねとでも いうのかよ? 96 00:09:42,436 --> 00:09:45,436 待って。 (恭子)分かった。 97 00:09:48,442 --> 00:09:54,448 知ってても 教えないわよ。 あんな記事 見たら。 98 00:09:54,448 --> 00:09:58,435 (恭子)読んだんだ? うん。 99 00:09:58,435 --> 00:10:03,440 (恭子)どうだった? そうね…。 100 00:10:03,440 --> 00:10:08,445 私も あざみちゃんと 同じかな。 101 00:10:08,445 --> 00:10:10,464 いや。 恭子は➡ 102 00:10:10,464 --> 00:10:14,464 あの加害者の 女の子に どうしろって 言いたいの? 103 00:10:16,470 --> 00:10:20,470 (恭子)人生を懸けて 罪を 償うべきよ。 104 00:10:23,494 --> 00:10:27,494 今度の事件 取材してて 思ったの。 105 00:10:29,466 --> 00:10:35,466 「お兄ちゃんを 殺した女 今 何やってるんだろう?」って。 106 00:10:39,426 --> 00:10:45,432 (恭子)きっと 楽しく やってるんじゃないかなって。 107 00:10:45,432 --> 00:10:51,438 もしかして 再婚とかして 新しい家庭を 持って。 108 00:10:51,438 --> 00:10:55,442 あのときの 赤ちゃんだって もう 大きくなってるわよね。 109 00:10:55,442 --> 00:11:00,447 私 そんなの 絶対 許せない。 だからって➡ 110 00:11:00,447 --> 00:11:03,434 加害者を 不幸にする権利は 私たちには ないのよ。 111 00:11:03,434 --> 00:11:06,437 分かってるよ。 そんなこと。 112 00:11:06,437 --> 00:11:13,460 悠平の命を奪った 犯人は 許せないわよ。 113 00:11:13,460 --> 00:11:16,463 一生 許すこと ないと思う。 114 00:11:16,463 --> 00:11:26,463 だけどね 犯人を憎んで 生きていくのは 苦し過ぎるわ。 115 00:11:28,459 --> 00:11:35,466 だから 私は あの事件を 引きずって 生きるのは やめたの。 116 00:11:35,466 --> 00:11:38,466 じゃあ この部屋は 何? 117 00:11:41,488 --> 00:11:43,474 お母さんだって➡ 118 00:11:43,474 --> 00:11:46,474 めちゃくちゃ お兄ちゃんのこと 引きずってるじゃない。 119 00:11:48,495 --> 00:11:50,481 私だって➡ 120 00:11:50,481 --> 00:11:54,485 何度も お兄ちゃんのこと 忘れようとしたわ。 121 00:11:54,485 --> 00:12:01,475 小さいときから あの事件のこと 何度も 忘れようとしたの。 122 00:12:01,475 --> 00:12:10,517 でもね この家に 帰ってきて この部屋を 見ると➡ 123 00:12:10,517 --> 00:12:13,520 どうしても 忘れられなかった。 124 00:12:13,520 --> 00:12:21,528 この部屋 見るたびに 苦しかった。 125 00:12:21,528 --> 00:12:24,498 お母さんはさ➡ 126 00:12:24,498 --> 00:12:28,535 死んだ お兄ちゃんのことばっかり 見てたのよ。 127 00:12:28,535 --> 00:12:32,473 私のことなんか 何も 見てなかったじゃない。 128 00:12:32,473 --> 00:12:36,473 それが 嫌で お父さん 出てったんだよ。 129 00:12:41,465 --> 00:12:45,465 ごめん。 言い過ぎた。 130 00:12:49,506 --> 00:12:57,498 でも 私には 重過ぎるわ。 この部屋。 131 00:12:57,498 --> 00:13:15,498 ♬~ 132 00:13:35,452 --> 00:13:37,452 こんにちは。 133 00:15:42,462 --> 00:15:45,465 (由希)奇麗な お花ね。 玄さん。 134 00:15:45,465 --> 00:15:52,489 (玄)花。 花。 花。➡ 135 00:15:52,489 --> 00:15:58,489 花は 誰のために 咲きますか? 136 00:16:00,464 --> 00:16:03,464 誰のため…。 137 00:16:06,486 --> 00:16:11,491 お待ち遠さま。 (由希)ありがとうございます。➡ 138 00:16:11,491 --> 00:16:14,478 いただきます。 どうぞ。 139 00:16:14,478 --> 00:16:32,446 ♬~ 140 00:16:32,446 --> 00:16:34,431 (由希)ごちそうさまでした。➡ 141 00:16:34,431 --> 00:16:37,431 お手洗い お借りします。 142 00:16:42,422 --> 00:16:44,474 吐いちゃ 駄目。 143 00:16:44,474 --> 00:16:48,445 えっ? 駄目。 144 00:16:48,445 --> 00:16:52,449 どいてください。 駄目。 145 00:16:52,449 --> 00:16:55,469 (由希)どうして? 146 00:16:55,469 --> 00:17:03,477 花は 自分のために 咲くのよ。 お母さんのためじゃないわ。 147 00:17:03,477 --> 00:17:08,465 これ以上 自分を 傷つけちゃ 駄目。 148 00:17:08,465 --> 00:17:11,468 どいて。 駄目! 149 00:17:11,468 --> 00:17:14,488 (由希)どいてください! 我慢できるって。 150 00:17:14,488 --> 00:17:16,473 (俊太)さくらさん? 151 00:17:16,473 --> 00:17:18,475 (由希)ほっといて! (俊太)ちょっと。 どうしたの?➡ 152 00:17:18,475 --> 00:17:20,494 ちょっと。 何? 落ち着いて。 153 00:17:20,494 --> 00:17:23,494 あっ。 由希さん。 大丈夫? 154 00:17:27,501 --> 00:17:30,501 (俊太)どしたの? どしたの? 由希さん。 155 00:17:34,441 --> 00:17:36,443 (俊太)摂食障がい? うん。 156 00:17:36,443 --> 00:17:39,429 きっかけは 人それぞれみたいね。 157 00:17:39,429 --> 00:17:44,451 食べる快感で 嫌なことを 忘れる。 158 00:17:44,451 --> 00:17:48,438 吐く快感で その瞬間だけ ストレスを 忘れる。 159 00:17:48,438 --> 00:17:52,438 そうやって 自分を痛めつけて 壊そうとするのね。 160 00:17:54,461 --> 00:18:01,461 そうすることで 誰かの気を 引こうとするのかも。 161 00:18:07,457 --> 00:18:13,480 《花は 自分のために 咲くのよ。 お母さんのためじゃないわ》 162 00:18:13,480 --> 00:18:15,465 《これ以上 自分を 傷つけちゃ 駄目よ》 163 00:18:15,465 --> 00:18:17,467 (峰子)由希ちゃん? 由希ちゃん?➡ 164 00:18:17,467 --> 00:18:19,469 どうしたの? ぼうっとしちゃって。 165 00:18:19,469 --> 00:18:22,456 (由希)えっ? (峰子)何か あった? 166 00:18:22,456 --> 00:18:25,525 (由希)ううん。 (峰子)そういえば。➡ 167 00:18:25,525 --> 00:18:29,529 今日の授業中も 何か 元気 なかったわね。 168 00:18:29,529 --> 00:18:31,465 (由希)えっ? 169 00:18:31,465 --> 00:18:33,433 廊下から 見てたのよ。➡ 170 00:18:33,433 --> 00:18:37,421 校長先生に ご挨拶に 行ったついでに ちょっとだけね。 171 00:18:37,421 --> 00:18:40,457 校長先生に? 172 00:18:40,457 --> 00:18:43,427 (峰子)校長先生が 前に あなたに お話があるって 言ってたでしょ。 173 00:18:43,427 --> 00:18:46,430 (峰子)ママ。 ちょっと 気になっちゃってね。 174 00:18:46,430 --> 00:18:50,434 (由希)《お願い。 誰か 助けて》 175 00:18:50,434 --> 00:18:52,452 (峰子)でも 何にも 心配いらないわ。➡ 176 00:18:52,452 --> 00:18:55,455 子供たちなんてね ちょっとぐらい 怒鳴りつけたり➡ 177 00:18:55,455 --> 00:18:58,425 体罰が あるくらいで ちょうどいいの。➡ 178 00:18:58,425 --> 00:19:02,446 大丈夫だからね。 ママが ちゃんと フォローしておきました。 179 00:19:02,446 --> 00:19:05,449 (由希)《助けて》 180 00:19:05,449 --> 00:19:09,469 (峰子)駄目じゃないの。 修学旅行の積立金。➡ 181 00:19:09,469 --> 00:19:11,455 集金したら ちゃんと 経理に 渡しておかないと。➡ 182 00:19:11,455 --> 00:19:14,491 ママが お支払いしておきました。➡ 183 00:19:14,491 --> 00:19:18,478 じゃあ いただきましょうか。 いただき…。 184 00:19:18,478 --> 00:19:31,508 ♬~ 185 00:19:31,508 --> 00:19:46,423 ♬~ 186 00:19:46,423 --> 00:19:57,434 ♬~ 187 00:20:01,454 --> 00:20:03,456 (由希)ママ?➡ 188 00:20:03,456 --> 00:20:06,443 うん。 校長先生も 分かってくださったわ。➡ 189 00:20:06,443 --> 00:20:10,443 ママの おかげ。 ありがとう。 190 00:20:12,465 --> 00:20:15,435 (由希)ママ。 授業 始まっちゃうから。 191 00:20:15,435 --> 00:20:18,435 電話 切るね。 192 00:22:08,465 --> 00:22:11,484 (峰子)カードローン。➡ 193 00:22:11,484 --> 00:22:13,484 120万円!? 194 00:22:15,488 --> 00:22:18,475 ☎ 195 00:22:18,475 --> 00:22:21,494 (峰子)はい。 御代川でございます。 196 00:22:21,494 --> 00:22:24,497 ☎(松山)ニチマルローンの 松山と 申します。 197 00:22:24,497 --> 00:22:27,484 ニチマルローン? 198 00:22:27,484 --> 00:22:41,431 ♬~ 199 00:22:41,431 --> 00:22:58,465 ♬~ 200 00:22:58,465 --> 00:23:01,434 (由希)ただいま。 (峰子)座りなさい。 201 00:23:01,434 --> 00:23:03,434 (由希)はい。 202 00:23:13,496 --> 00:23:17,484 (峰子)これは 何?➡ 203 00:23:17,484 --> 00:23:24,491 120万も 銀行から借りて。 何に使ったの? あなた。 204 00:23:24,491 --> 00:23:31,481 大丈夫よ。 心配しないで。 ママ。 205 00:23:31,481 --> 00:23:33,416 (峰子)待ちなさい。➡ 206 00:23:33,416 --> 00:23:35,435 他の ローン会社からも 電話があったのよ。➡ 207 00:23:35,435 --> 00:23:39,456 由希ちゃん。 ママ 心配で 今日 学校に 電話したの。➡ 208 00:23:39,456 --> 00:23:41,424 そしたら あなた 学校 休んでるっていうじゃない。 209 00:23:41,424 --> 00:23:46,446 (由希)お願い。 私に 構わないで。 210 00:23:46,446 --> 00:23:50,446 (峰子)由希ちゃん? (由希)私の好きに させてよ! 211 00:23:52,452 --> 00:23:55,452 ≪(ドアの開閉音) 212 00:23:58,475 --> 00:24:01,461 無断欠勤? 由希先生が? 213 00:24:01,461 --> 00:24:04,464 (大樹)よく 分かんないけど ずっと 来ない。 214 00:24:04,464 --> 00:24:06,449 そう。 215 00:24:06,449 --> 00:24:08,468 (龍生)まっ その方が 平和で いいけどね。 216 00:24:08,468 --> 00:24:10,487 (春彦)このまま 来ないと 超 うれしいよな。 217 00:24:10,487 --> 00:24:13,456 (一同)いただきます。 218 00:24:13,456 --> 00:24:31,474 ♬~ 219 00:24:31,474 --> 00:24:33,426 (俊太)いつも ありがとうございます。 220 00:24:33,426 --> 00:24:38,426 (女性)ありがとう。 (俊太)また お願いします。 221 00:24:44,454 --> 00:24:47,440 よっ! 222 00:24:47,440 --> 00:24:49,426 (恭子)うん。 223 00:24:49,426 --> 00:24:51,444 (俊太)恭子ちゃんが 言いたいことは 分かるよ。➡ 224 00:24:51,444 --> 00:24:54,414 「人を 傷つけちゃったやつが 楽しく やってて➡ 225 00:24:54,414 --> 00:24:58,435 それで いいのか?」って。 だけどさ…。➡ 226 00:24:58,435 --> 00:25:00,453 だから どうしろっていうの?➡ 227 00:25:00,453 --> 00:25:02,439 その加害者の子を もっと 重い罪にすれば➡ 228 00:25:02,439 --> 00:25:05,442 それで いいのか? 死刑にするとか? 229 00:25:05,442 --> 00:25:09,462 みんな おんなじこと 言う。 230 00:25:09,462 --> 00:25:13,462 母さんも あの あざみって子も。 231 00:25:15,452 --> 00:25:22,492 (俊太)でも 恭子ちゃんの気持ち 俺は分かる。 232 00:25:22,492 --> 00:25:28,465 悠平のこと。 やっぱ 引きずっちゃうよ。 誰だって。 233 00:25:28,465 --> 00:25:41,478 ♬~ 234 00:25:41,478 --> 00:25:56,459 ♬~ 235 00:25:56,459 --> 00:25:58,428 (恭子)《お母さんはさ➡ 236 00:25:58,428 --> 00:26:02,448 死んだ お兄ちゃんのことばっかり 見てたのよ》➡ 237 00:26:02,448 --> 00:26:06,448 《私のことなんか 何も 見てなかったじゃない》 238 00:26:10,456 --> 00:26:12,425 ≪(ノック) ≪さくらさん? 239 00:26:12,425 --> 00:26:14,444 どうぞ。 240 00:26:14,444 --> 00:26:17,444 電話。 警察から。 241 00:26:21,467 --> 00:26:25,488 あのう。 どうして 私の名前を? 242 00:26:25,488 --> 00:26:29,459 (刑事)さあ? 九十九堂の さくらさんに 連絡してほしい。➡ 243 00:26:29,459 --> 00:26:32,478 それだけしか 言わんのです。 はあ。 244 00:26:32,478 --> 00:26:35,415 (刑事)最近 風営法に 違反する 行為をさせる➡ 245 00:26:35,415 --> 00:26:37,417 デリヘル業者が 増えてましてね。➡ 246 00:26:37,417 --> 00:26:41,404 そこで 摘発した中に 彼女が いたわけです。 247 00:26:41,404 --> 00:26:44,424 あっ。 あのう。 それで 彼女は? 248 00:26:44,424 --> 00:26:47,424 (刑事)今日のところは 証拠不十分と いうことで。 249 00:29:07,450 --> 00:29:13,473 (由希)母は 私を産んだ後に 体調 崩して➡ 250 00:29:13,473 --> 00:29:21,481 そのまま 教師を 辞めたんです。 お父さまは? 251 00:29:21,481 --> 00:29:27,487 ≪(由希)教師でしたけど 退職して トラックの運転手に。➡ 252 00:29:27,487 --> 00:29:31,474 保護者や 同僚との 人間関係が うまくいかなくて。 253 00:29:31,474 --> 00:29:40,474 だから 母は 私を どうしても 教師にしたかった。 254 00:29:43,436 --> 00:29:48,458 小さいころから ありと あらゆる 習い事を やらされてました。➡ 255 00:29:48,458 --> 00:29:54,447 分刻みの スケジュールで 毎日毎日 急いでいました。➡ 256 00:29:54,447 --> 00:29:58,434 雑踏の中を 何も考えず 何も見ず➡ 257 00:29:58,434 --> 00:30:02,438 ただ ひたすら 習い事を こなすために➡ 258 00:30:02,438 --> 00:30:05,441 私は 急いでいました。 259 00:30:05,441 --> 00:30:09,462 で ご飯は? どうしてたの? 260 00:30:09,462 --> 00:30:13,449 ほとんど コンビニの お弁当でした。 261 00:30:13,449 --> 00:30:16,436 それを 母と 2人で➡ 262 00:30:16,436 --> 00:30:20,436 夜の公園の ベンチとかに座って 食べました。 263 00:30:22,492 --> 00:30:31,492 気が付くと 母は 私の中に 完全に 忍び込んでいました。 264 00:30:35,404 --> 00:30:41,410 私の生活の 全てを 母が 決めていたんです。 265 00:30:41,410 --> 00:30:50,410 食べるもの。 着るもの。 読む本。 聴く音楽。 266 00:30:52,405 --> 00:30:55,441 そして 未来まで。 267 00:30:55,441 --> 00:30:57,460 (由希)《私 決めたの》➡ 268 00:30:57,460 --> 00:31:00,429 《大きくなったら イラストレーターになる》 269 00:31:00,429 --> 00:31:03,449 (峰子)《由希ちゃんは 学校の先生になるの》 270 00:31:03,449 --> 00:31:08,454 (由希)いつしか 私自身も➡ 271 00:31:08,454 --> 00:31:10,439 母の決めたとおりに していれば 安心と➡ 272 00:31:10,439 --> 00:31:13,439 思うように なっていたんです。 273 00:31:15,444 --> 00:31:25,444 だから トイレに行くことさえ 母に 決めてもらっていました。 274 00:31:27,507 --> 00:31:33,507 私は それが 母の愛だと思って 育った。 275 00:31:35,464 --> 00:31:38,484 母に言われたとおりの 大学に入り➡ 276 00:31:38,484 --> 00:31:43,489 言われたとおりに 教員になった。 277 00:31:43,489 --> 00:31:49,478 あるとき 母が 私を見て 言ったんです。 278 00:31:49,478 --> 00:31:54,483 (峰子)《由希ちゃん。 ちょっと 太ったんじゃない?》 279 00:31:54,483 --> 00:31:57,503 その 一言で ダイエットを 始めました。 280 00:31:57,503 --> 00:32:01,507 太ると 母に 叱られる。 281 00:32:01,507 --> 00:32:04,527 思ったとおり 体重は 落ちたけど➡ 282 00:32:04,527 --> 00:32:08,514 拒食症に なってました。 すると 今度は…。 283 00:32:08,514 --> 00:32:13,519 (峰子)《由希ちゃん。 大丈夫? そんなに 痩せて》 284 00:32:13,519 --> 00:32:17,540 《どこか 具合 悪いんじゃない?》 285 00:32:17,540 --> 00:32:23,496 母に 心配をかけては いけない。 太らなくては。 286 00:32:23,496 --> 00:32:29,496 今度は 食べて 食べて 食べまくりました。 287 00:32:33,472 --> 00:32:37,460 そして 食べ吐き…。 288 00:32:37,460 --> 00:32:41,480 そうすることで 安心感を 得ることが できたんです。 289 00:32:41,480 --> 00:32:45,468 どうしてだか 分かりません。 290 00:32:45,468 --> 00:32:49,468 もう 私が 私で なくなってしまったんです。 291 00:32:52,491 --> 00:32:56,479 私は ホントは…。 292 00:32:56,479 --> 00:33:00,499 教師になんか なりたくなかった。 293 00:33:00,499 --> 00:33:06,505 母は 私を支配し 私の人生に 乗り移ったんです。 294 00:33:06,505 --> 00:33:12,511 自分が挫折した 教師という夢を 私を使って 果たそうとした。 295 00:33:12,511 --> 00:33:14,511 だから…。 296 00:33:17,516 --> 00:33:23,516 だから 私は 母を裏切りたかった。 297 00:33:25,541 --> 00:33:28,511 あの人を 失望させたかった。 298 00:33:28,511 --> 00:33:31,530 だから 私は…。 もう いいわ。 299 00:33:31,530 --> 00:33:39,455 もう いい。 まだ あなた 若いんだから。 ねっ。 300 00:33:39,455 --> 00:33:42,455 これから やり直せるわよ。 301 00:33:47,463 --> 00:33:53,469 お母さんから 離れて 一人で やり直すの。 302 00:33:53,469 --> 00:33:56,469 母と? ええ。 303 00:34:00,459 --> 00:34:06,499 そんなの 無理です。 えっ? 304 00:34:06,499 --> 00:34:09,485 母が いないと 生きていけないんです。 305 00:34:09,485 --> 00:34:13,522 ねえ。 しっかりして。 由希さん。 306 00:34:21,530 --> 00:34:23,532 駄目。 出ちゃ。 でも…。 307 00:34:23,532 --> 00:34:25,501 今 お母さん 断ち切らないと➡ 308 00:34:25,501 --> 00:34:28,504 あなた 一生 人生 駄目になるわよ。 ねっ。 309 00:34:28,504 --> 00:34:30,523 返して! 駄目! 310 00:34:30,523 --> 00:34:32,441 返して! 311 00:34:32,441 --> 00:34:35,444 ちょっと 離して。 駄目! 312 00:34:39,465 --> 00:34:41,450 由希さん。 何…。 313 00:34:41,450 --> 00:34:45,471 助けて。 お願い。 314 00:35:14,500 --> 00:35:19,500 (由希)あざみちゃん。 何? 315 00:35:21,490 --> 00:35:25,490 あなたの お母さん。 どんな人? 316 00:35:29,498 --> 00:35:32,498 優しい人? 317 00:35:37,440 --> 00:35:44,480 <正直 言って 私は この人の 気持ちが よく 分からなかった> 318 00:35:44,480 --> 00:35:46,465 <だけど…> 319 00:35:46,465 --> 00:35:49,468 <下で 酔っぱらっている さくらさんの気持ちは➡ 320 00:35:49,468 --> 00:35:51,437 何となく 分かった> 321 00:35:51,437 --> 00:36:02,481 ♬「狭いながらも 楽しい 我が家」 322 00:36:02,481 --> 00:36:08,481 ♬「愛の火影の さすところ」 323 00:36:11,490 --> 00:36:18,481 ♬「恋しい家こそ」 324 00:36:18,481 --> 00:36:21,481 ♬「私の」 325 00:36:26,505 --> 00:36:31,494 (打つ音) 326 00:36:31,494 --> 00:36:46,458 ♬~ 327 00:36:46,458 --> 00:36:48,427 何 これ? 328 00:36:48,427 --> 00:36:50,429 ≪(チャイム) 329 00:36:50,429 --> 00:36:52,448 (峰子)由希ちゃん! 330 00:36:52,448 --> 00:36:54,466 突然 お邪魔して 申し訳ありません。 あのう。 331 00:36:54,466 --> 00:36:56,485 いいとこで 会った。 手伝って。 は… はい。 332 00:36:56,485 --> 00:36:58,454 (峰子)娘が 昨日から 帰ってこないんです。 333 00:36:58,454 --> 00:37:00,472 電話にも 全然 出てくれないし。 334 00:37:00,472 --> 00:37:02,474 どこか 立ち寄りそうなところ 捜してるんです。 335 00:37:02,474 --> 00:37:04,476 手伝ってください。 336 00:37:04,476 --> 00:37:12,468 ♬~ 337 00:37:12,468 --> 00:37:15,468 あのう。 これ。 338 00:37:17,489 --> 00:37:20,476 これ 幼稚園のときの 記録です。 339 00:37:20,476 --> 00:37:24,480 お友達の名前とか 電話番号とか あと 連絡網とか 捜してください。 340 00:37:24,480 --> 00:37:27,483 あのう。 お母さま。 実は…。 341 00:37:27,483 --> 00:37:30,502 私は 小学校時代を 捜しますから。 342 00:37:30,502 --> 00:37:41,447 ♬~ 343 00:37:41,447 --> 00:37:55,461 ♬~ 344 00:37:55,461 --> 00:38:01,467 (由希)《分刻みの スケジュールで 毎日毎日 急いでいました》 345 00:38:01,467 --> 00:38:08,440 ♬~ 346 00:38:08,440 --> 00:38:13,479 そっか。 そうだったのね。 347 00:38:13,479 --> 00:38:17,466 何か 分かりました? いえ。 348 00:38:17,466 --> 00:38:19,485 やっぱり 警察に 電話します。 349 00:38:19,485 --> 00:38:21,470 何か 事件に 巻き込まれたのかも しれない。 350 00:38:21,470 --> 00:38:23,472 あのう。 ごめんなさい。 351 00:38:23,472 --> 00:38:28,477 由希さん。 うちに いるんです。 352 00:38:28,477 --> 00:38:30,477 えっ!? 353 00:40:04,456 --> 00:40:07,459 (峰子)売春? ええ。 354 00:40:07,459 --> 00:40:15,451 嘘です。 あの子が そんな。 汚らわしい。 355 00:40:15,451 --> 00:40:19,455 そうね。 由希さんは 自分を 汚してしまったわ。 356 00:40:19,455 --> 00:40:23,459 何て バカなことを。 357 00:40:23,459 --> 00:40:26,462 でもね お母さん。 358 00:40:26,462 --> 00:40:31,467 そうさせてしまったのは あなたなんですよ。 359 00:40:31,467 --> 00:40:35,404 私が? 由希さんは➡ 360 00:40:35,404 --> 00:40:41,443 小さなときから 何でも あなたに 決められてきた。 361 00:40:41,443 --> 00:40:49,435 食べるもの。 着るもの。 トイレ。 そして 未来まで。 362 00:40:49,435 --> 00:40:52,438 それが 母親の愛って いうもんです。 363 00:40:52,438 --> 00:40:55,407 愛? 母親の愛は➡ 364 00:40:55,407 --> 00:40:58,410 子供にとって 空気みたいなもんなんです。 365 00:40:58,410 --> 00:41:02,464 目には 見えないけど いつでも 子供を包んで➡ 366 00:41:02,464 --> 00:41:05,434 なくては 生きては いけないようなものなんです。 367 00:41:05,434 --> 00:41:10,456 その空気が 濃過ぎたら 子供は 息が詰まるわ。 368 00:41:10,456 --> 00:41:13,459 息が詰まる? だから 由希さんは➡ 369 00:41:13,459 --> 00:41:18,447 食べては吐き 食べては吐き➡ 370 00:41:18,447 --> 00:41:21,467 そうやって 自分を 壊そうとしてるんです。 371 00:41:21,467 --> 00:41:24,486 あなたに 何が分かるの? 私と 由希ちゃんはね…。 372 00:41:24,486 --> 00:41:27,486 分かってないのは あなたでしょ! 373 00:41:32,478 --> 00:41:36,465 あなた 由希さんの手首に➡ 374 00:41:36,465 --> 00:41:42,488 一筋の傷痕が あるのは 知ってますか? 375 00:41:42,488 --> 00:41:44,488 傷? 376 00:41:46,508 --> 00:41:50,479 そんなに 古くない傷よ。 377 00:41:50,479 --> 00:41:53,482 まさか…。 あなた。 378 00:41:53,482 --> 00:41:57,486 ねえ? 由希さんの 何 見てきたの? 379 00:41:57,486 --> 00:42:00,506 あなたは 由希さんの全てを 知ってる。 380 00:42:00,506 --> 00:42:03,509 ありと あらゆることを 知ってる。 381 00:42:03,509 --> 00:42:09,498 こうやって 彼女の人生を 狭い部屋の中に 閉じ込めて➡ 382 00:42:09,498 --> 00:42:12,501 全てを 分かってるつもりでいる。 383 00:42:12,501 --> 00:42:19,491 でも 誰でも 気が付くような傷を あなた 見てない。 384 00:42:19,491 --> 00:42:25,514 そんな人間に 由希さんの 心の傷が 見えるはずが ないわ。 385 00:42:25,514 --> 00:42:32,454 何度も 死のうって 考えてたそうよ。 386 00:42:32,454 --> 00:42:34,473 でも 死ねなかった。 387 00:42:34,473 --> 00:42:39,461 だって そんなことしたら あなたが 悲しむから。 388 00:42:39,461 --> 00:42:42,464 「お母さんを 悲しませたくない」 389 00:42:42,464 --> 00:42:49,488 だから 由希さんは 必死で 生きてきたんです。 390 00:42:49,488 --> 00:42:54,476 死なないために。 自分を 死に追い込まないために。 391 00:42:54,476 --> 00:42:59,476 彼女は 摂食障がいに なったんです。 392 00:43:02,484 --> 00:43:05,521 あのう。 393 00:43:05,521 --> 00:43:08,521 これ 見てください。 394 00:43:13,529 --> 00:43:16,498 私の息子です。 395 00:43:16,498 --> 00:43:22,504 この写真を撮った 次の日に…。 もう。 死んじゃったんですよ。 396 00:43:22,504 --> 00:43:25,504 バイト先で 事件に遭ってね。 397 00:43:27,526 --> 00:43:32,526 明るくて 正義感の強い子でした。 398 00:43:36,451 --> 00:43:44,493 この子の部屋 16年前のまんまなんです。 399 00:43:44,493 --> 00:43:49,481 そうしておけば いつも 息子と 生きてるような気がして。 400 00:43:49,481 --> 00:43:56,471 いやぁ。 でも この前 娘に 言われちゃったんです。 401 00:43:56,471 --> 00:44:00,471 それが 自分には とっても 重かったって。 402 00:44:07,499 --> 00:44:13,488 私 息子から 巣立とうと 思います。 403 00:44:13,488 --> 00:44:20,529 巣立つ? よかったら 一緒に どうです? 404 00:44:20,529 --> 00:44:25,517 私も? はい。 405 00:44:25,517 --> 00:44:36,461 ♬~ 406 00:44:36,461 --> 00:44:40,465 (カヨ子・キミ子)ちょっと ちょっと…。 ちょっと待って。 407 00:44:40,465 --> 00:44:43,452 (キミ子)あの人 あれ 学校の先生よね?➡ 408 00:44:43,452 --> 00:44:45,470 いつか 補導に 来てたわよね? 409 00:44:45,470 --> 00:44:49,474 (カヨ子)朝から ずっと この家に いるわよね? どういうこと? 410 00:44:49,474 --> 00:44:53,474 うるせえ。 死ね。 この どブス。 411 00:44:56,481 --> 00:45:00,481 (由希)いただきます。 いただきます。 412 00:45:12,464 --> 00:45:14,499 これ…。 413 00:45:14,499 --> 00:45:19,504 何か いつもと 味が違う。 そう? 414 00:45:19,504 --> 00:45:23,504 いつもより 甘い。 そう? 415 00:45:27,496 --> 00:45:31,500 ずっと 疑問に思ってたの。 416 00:45:31,500 --> 00:45:37,456 何で 由希さん。 ここの親子丼 食べに来たのかって。 417 00:45:37,456 --> 00:45:44,463 初めは クラスの子供たちを 見張るためかなと 思った。 418 00:45:44,463 --> 00:45:48,463 その理由が やっと 分かったの。 419 00:45:55,440 --> 00:45:58,460 これ…。 420 00:45:58,460 --> 00:46:03,460 あなたの 子供のころの 予定表よ。 421 00:46:05,467 --> 00:46:14,509 ホント 毎日毎日 過密スケジュールだったわね。 422 00:46:14,509 --> 00:46:20,509 でもね ここ。 見て。 423 00:46:22,484 --> 00:46:26,488 毎日 習い事で 晩ご飯は コンビニ弁当だったけど➡ 424 00:46:26,488 --> 00:46:30,509 水曜の夜だけは 塾に行くまでに 時間があって➡ 425 00:46:30,509 --> 00:46:34,446 おうちで 晩ご飯 食べてたの。 426 00:46:34,446 --> 00:46:40,446 その ご飯が いつも 親子丼だった。 427 00:46:42,437 --> 00:46:45,424 お母さん 言ってたわ。 428 00:46:45,424 --> 00:46:52,464 短い時間で 作れるから いつも 親子丼にしてたって。 429 00:46:52,464 --> 00:46:54,464 母が? 430 00:46:56,468 --> 00:47:06,478 週に一度の お母さんの味。 それが 親子丼だったのね。 431 00:47:06,478 --> 00:47:10,478 あなたは それが とっても 楽しみだった。 432 00:47:18,490 --> 00:47:23,478 あのう。 もしかして これ…。 433 00:47:23,478 --> 00:47:29,468 お母さんに 作り方 教わったの。 どう? 434 00:47:29,468 --> 00:47:46,468 ♬~ 435 00:47:46,468 --> 00:48:01,466 ♬~ 436 00:48:01,466 --> 00:48:08,466 母の味です。 あのときの 母の。 437 00:48:12,444 --> 00:48:14,479 (由希)《おいしい》 438 00:48:14,479 --> 00:48:29,477 ♬~ 439 00:48:29,477 --> 00:48:32,430 ≪ゆっくり食べて ゆっくり。 ≪(由希)はい。 440 00:48:32,430 --> 00:48:46,411 ♬~ 441 00:48:46,411 --> 00:49:01,459 ♬~ 442 00:49:01,459 --> 00:49:15,490 ♬~ 443 00:49:15,490 --> 00:49:20,490 これで 最後だけど。 ありがとう。 444 00:49:23,465 --> 00:49:28,465 ホントに いいの? お願い。 445 00:50:03,438 --> 00:50:05,457 さくらさん。 446 00:50:05,457 --> 00:50:14,466 ♬~ 447 00:50:14,466 --> 00:50:16,466 来たわね。 448 00:50:18,470 --> 00:50:20,470 大丈夫? 449 00:50:22,457 --> 00:50:24,476 たぶん。 450 00:50:24,476 --> 00:50:35,420 ♬~ 451 00:50:35,420 --> 00:50:42,460 <2人の母親は 何も話さずに ずっと 炎を見ていた> 452 00:50:42,460 --> 00:50:47,432 <子供から 離れることは とても 難しい> 453 00:50:47,432 --> 00:50:51,432 <母親にとって 一番の試練なのかもしれない> 454 00:50:55,440 --> 00:51:00,440 <私の母親は どうだったのだろう?> 455 00:51:02,430 --> 00:51:07,452 <由希さんが 家に帰ると お母さんは いなかった> 456 00:51:07,452 --> 00:51:13,458 <「お父さんと 2人で 古里の新潟で 暮らす」> 457 00:51:13,458 --> 00:51:17,462 <そんな 書き置きが あったそうだ> 458 00:51:17,462 --> 00:51:20,465 <由希さんは 教師を辞めて➡ 459 00:51:20,465 --> 00:51:25,470 小さいころの夢だった イラストレーターを 目指すらしい> 460 00:51:25,470 --> 00:51:41,469 ♬~ 461 00:51:41,469 --> 00:51:47,469 ♬~