1 00:00:33,666 --> 00:00:52,685 ♬~ 2 00:00:52,685 --> 00:00:54,685 (佐々木)おはようございます。 3 00:00:56,689 --> 00:00:59,692 おはようございます。 (女性)おはようございます。 4 00:00:59,692 --> 00:01:02,692 あっ… あっ うっ…。 5 00:01:04,697 --> 00:01:06,699 あっ あっ…。 6 00:01:06,699 --> 00:01:09,702 あっ…。 7 00:01:09,702 --> 00:01:11,704 (男性)佐々木さん? 佐々木さん?➡ 8 00:01:11,704 --> 00:01:13,706 大丈夫…。 誰か救急車を!➡ 9 00:01:13,706 --> 00:01:15,706 早く! 10 00:01:24,717 --> 00:01:28,721 (櫻子)生物は 死ねば 肉は朽ちる。 11 00:01:28,721 --> 00:01:31,741 だが 骨は残る。 12 00:01:31,741 --> 00:01:36,663 まるで この世に存在したことを 声高に宣言するように。 13 00:01:36,663 --> 00:01:40,667 (櫻子)骨と聞いて 敬遠する人間は 多いが➡ 14 00:01:40,667 --> 00:01:44,671 普段から われわれは 自然に骨と接している。 15 00:01:44,671 --> 00:01:47,674 フライドチキンの ファストフード店を➡ 16 00:01:47,674 --> 00:01:50,674 知らぬ人間は いないだろ? 17 00:01:53,680 --> 00:01:55,682 これはキールだ。 18 00:01:55,682 --> 00:01:58,685 叉骨 烏口骨 胸骨の 部分。 19 00:01:58,685 --> 00:02:00,687 (子供たち)へ~。 20 00:02:00,687 --> 00:02:02,689 そして これはリブ。 21 00:02:02,689 --> 00:02:06,693 肩甲骨 胸椎 肋骨の 部分だ。 22 00:02:06,693 --> 00:02:09,696 そして これはドラム。 23 00:02:09,696 --> 00:02:12,699 脚だ。 (子供たちの笑い声) 24 00:02:12,699 --> 00:02:15,702 大腿骨 脛骨 腓骨。 25 00:02:15,702 --> 00:02:18,705 (子供たちの笑い声) 何が おかしい。 26 00:02:18,705 --> 00:02:21,708 イノシシの頭蓋だ。 27 00:02:21,708 --> 00:02:24,711 骨は 鉄よりも強度がある。 28 00:02:24,711 --> 00:02:26,713 触ってみろ。 (男の子)触る! 29 00:02:26,713 --> 00:02:28,715 (女の子)私も触りたい! (男の子)触る 触る! 30 00:02:28,715 --> 00:02:30,717 (男の子)かった。 31 00:02:30,717 --> 00:02:34,717 (女の子)ねえ これ 本物? 本物のイノシシだ。 32 00:02:36,656 --> 00:02:39,659 (女性)楽しかった? (男の子)楽しかった。 33 00:02:39,659 --> 00:02:42,662 ≪(小雪)九条さん。➡ 34 00:02:42,662 --> 00:02:46,666 本日は 兄の代わりに どうも ありがとうございました。 35 00:02:46,666 --> 00:02:51,671 いや。 佐々木先生には 生前 世話になった。 36 00:02:51,671 --> 00:02:54,674 (小雪)ホントに急で。 心筋梗塞でした。 37 00:02:54,674 --> 00:02:57,677 苦しまなかったのが救いです。➡ 38 00:02:57,677 --> 00:03:02,682 実は 九条さんに ご相談がありまして。 39 00:03:02,682 --> 00:03:05,685 兄が 生前 もし 自分に何かあったら➡ 40 00:03:05,685 --> 00:03:09,689 倉庫の物を 九条さんに託したいと 遺言を。 41 00:03:09,689 --> 00:03:11,691 (杉森)標本 寄贈してもらえるんですか?➡ 42 00:03:11,691 --> 00:03:13,693 喜んで。➡ 43 00:03:13,693 --> 00:03:15,695 あっ 分かりました。 はい。➡ 44 00:03:15,695 --> 00:03:17,697 はい では あした。 はい。➡ 45 00:03:17,697 --> 00:03:19,699 皆さん➡ 46 00:03:19,699 --> 00:03:24,704 九条さんの高校時代の恩師が お亡くなりになられたそうで➡ 47 00:03:24,704 --> 00:03:30,710 その方が所有していた標本を 譲ってくれることになりました。➡ 48 00:03:30,710 --> 00:03:34,647 あした 九条さんの家で 仕分け整理するそうなんですが➡ 49 00:03:34,647 --> 00:03:37,650 磯崎君と谷上君 お願いできますか? 50 00:03:37,650 --> 00:03:41,654 植物や岩の標本なんかもあって 結構な数だそうで。 51 00:03:41,654 --> 00:03:44,657 (谷上)ちょっと あしたは 親戚に不幸が…。 52 00:03:44,657 --> 00:03:46,659 (愛理)不幸予知できるんですか? 53 00:03:46,659 --> 00:03:50,663 (磯崎)うわ! 抱え込んでいた 膝の爆弾が…。 54 00:03:50,663 --> 00:03:52,665 いや プロレスラーじゃないんだから。 (杉森)館脇君も➡ 55 00:03:52,665 --> 00:03:54,667 お願いできますか? (正太郎)えっ? 56 00:03:54,667 --> 00:03:56,669 (杉森)人数 多い方が 楽しいでしょ? 57 00:03:56,669 --> 00:03:58,671 あっ! ちょちょっ… ちょっと…。 (杉森)よし。 58 00:03:58,671 --> 00:04:00,671 (谷上)OK。 59 00:04:03,676 --> 00:04:07,680 あ~… やられた。 60 00:04:07,680 --> 00:04:10,683 こういうの ホントやだ。 61 00:04:10,683 --> 00:04:12,683 (梅)どうぞ。 62 00:04:19,692 --> 00:04:21,694 何で 僕まで。 63 00:04:21,694 --> 00:04:24,697 標本のことなんか 全然 知りませんよ? 64 00:04:24,697 --> 00:04:27,700 緩衝材? 潤滑油。 65 00:04:27,700 --> 00:04:29,702 (正太郎)えっ? 66 00:04:29,702 --> 00:04:32,638 (谷上)あの2人の間で 1人で 長時間いられる気がしない。 67 00:04:32,638 --> 00:04:34,640 俺 まだ 辛うじて➡ 68 00:04:34,640 --> 00:04:36,642 あっちサイドの 人間じゃないんだよね。 69 00:04:36,642 --> 00:04:40,646 (磯崎)お~。 ナガバカラマツに出合えるとは。 70 00:04:40,646 --> 00:04:45,651 お~。 エボシカメレオンに 出合えるとは。 71 00:04:45,651 --> 00:05:05,671 ♬~ 72 00:05:05,671 --> 00:05:07,671 ♬~ 73 00:05:09,675 --> 00:05:13,679 佐々木先生って 教えてたの生物でしたっけ? 74 00:05:13,679 --> 00:05:17,683 ずっと 旭川の高校で 教鞭を執っていた。 75 00:05:17,683 --> 00:05:20,686 10年ほど前に こっちに移ってきて➡ 76 00:05:20,686 --> 00:05:22,688 都内の私立高校で 非常勤をしながら➡ 77 00:05:22,688 --> 00:05:25,688 講演やフィールドワークを していたようだ。 78 00:05:30,696 --> 00:05:34,634 何だ? いや 当たり前ですけど➡ 79 00:05:34,634 --> 00:05:37,637 櫻子さんにも 高校時代が あったんだなあって思って。 80 00:05:37,637 --> 00:05:40,640 どういう意味だ? あっ いや あの 意味っていうか➡ 81 00:05:40,640 --> 00:05:42,640 どんな生徒だったのかなあって。 82 00:05:44,644 --> 00:05:47,647 佐々木先生にもらった 骨格標本図鑑を➡ 83 00:05:47,647 --> 00:05:49,649 ず~っと眺めていた。 84 00:05:49,649 --> 00:05:52,652 《そんな女子高生 会いたくね~》 85 00:05:52,652 --> 00:05:55,652 いいですね。 それも青春…。 86 00:05:57,657 --> 00:06:01,661 何か 九条さん 館脇君に 対応 丸くないですか? 87 00:06:01,661 --> 00:06:04,664 少年 手を貸せ。 あっ はい。 88 00:06:04,664 --> 00:06:06,666 そこを持て。 はい。 89 00:06:06,666 --> 00:06:09,669 いくぞ。 はい。 90 00:06:09,669 --> 00:06:11,669 お~。 91 00:06:14,674 --> 00:06:16,676 これ 犬ですか? 92 00:06:16,676 --> 00:06:18,678 シバイヌだ。 93 00:06:18,678 --> 00:06:22,678 あっ 僕 昔 豆柴 飼ってたんですよ。 94 00:06:24,684 --> 00:06:27,687 それが何だ? えっ? 95 00:06:27,687 --> 00:06:31,707 あっ いや その子 中学のときに死んじゃったんで➡ 96 00:06:31,707 --> 00:06:33,626 「シバイヌ」って言ったから➡ 97 00:06:33,626 --> 00:06:35,628 悲しかったの 思い出したっていうか。 98 00:06:35,628 --> 00:06:39,632 なぜだ? これは お前の犬じゃないだろ? 99 00:06:39,632 --> 00:06:42,635 あっ それは そうですけど。 100 00:06:42,635 --> 00:06:45,638 あれ? 何か 雲行き 怪しくなってきた。 101 00:06:45,638 --> 00:06:47,640 んっ…。 豚の頭蓋だ。 102 00:06:47,640 --> 00:06:50,643 これを見て 悲しいと思うか? あっ いや…。 103 00:06:50,643 --> 00:06:53,646 なぜだ? この豚も このシバイヌも➡ 104 00:06:53,646 --> 00:06:55,648 同じ家畜に変わりはない。 105 00:06:55,648 --> 00:06:57,650 食用か愛玩かの違いだけだ。 106 00:06:57,650 --> 00:07:00,653 その 愛玩の 愛の部分じゃないですか? 107 00:07:00,653 --> 00:07:02,655 重要なのは。 食も大事だ。 108 00:07:02,655 --> 00:07:04,657 愛で 腹は満たせん。 109 00:07:04,657 --> 00:07:06,659 《へっ へ理屈》 110 00:07:06,659 --> 00:07:09,662 《標本コレクション 全部 燃えろ!》 111 00:07:09,662 --> 00:07:13,666 館脇君 これ以上 敵地に 一人 突っ込んでいくことはない。 112 00:07:13,666 --> 00:07:15,666 よく頑張った。 113 00:07:20,673 --> 00:07:25,678 あれ? これは猫? 114 00:07:25,678 --> 00:07:28,681 「Patella」 名前? そうだ。 115 00:07:28,681 --> 00:07:31,651 へ~。 カワイイ名前。 116 00:07:31,651 --> 00:07:34,520 しつ蓋骨という意味だ。 《かわいくね~!》 117 00:07:34,520 --> 00:07:36,522 いわゆる 膝の皿だな。 118 00:07:36,522 --> 00:07:40,526 あっ もしかして➡ 119 00:07:40,526 --> 00:07:44,530 櫻子さんが飼ってた猫? 120 00:07:44,530 --> 00:07:46,532 17のときに死んだ。 121 00:07:46,532 --> 00:07:49,535 えっ それを標本にしたんですか? 122 00:07:49,535 --> 00:07:52,538 佐々木先生に手伝ってもらった。 当時 まだ 私は➡ 123 00:07:52,538 --> 00:07:54,540 そこまでの技術は なかったからな。 124 00:07:54,540 --> 00:07:58,544 自分のペットを 自分で解剖して 標本に? 125 00:07:58,544 --> 00:08:02,548 急死だった。 なぜ死んだのか 興味があってな。 126 00:08:02,548 --> 00:08:06,548 興味って そんな軽い感じ…。 127 00:08:08,554 --> 00:08:10,556 軽い? 128 00:08:10,556 --> 00:08:12,558 かわいがってたんですよね? 129 00:08:12,558 --> 00:08:14,560 ずっと一緒にいたんですよね? 130 00:08:14,560 --> 00:08:19,565 それを 興味で切り刻むなんて できませんよ 普通! 131 00:08:19,565 --> 00:08:21,567 思い出さなかったんですか? 132 00:08:21,567 --> 00:08:24,570 あの手で 猫パンチしてたなとか。 133 00:08:24,570 --> 00:08:27,573 されたでしょ? 猫パンチ! 何の話だ? 134 00:08:27,573 --> 00:08:29,575 えっ…。 135 00:08:29,575 --> 00:08:33,612 《飼い猫ですら 研究の対象でしかないんだ》 136 00:08:33,612 --> 00:08:35,614 《人間の感情とか ないんだ》 137 00:08:35,614 --> 00:08:38,617 《やっぱり この人 普通じゃない》 138 00:08:38,617 --> 00:08:49,617 ♬~ 139 00:09:20,659 --> 00:09:22,661 (愛理)はい。 皆さん いいですか? 次はですね➡ 140 00:09:22,661 --> 00:09:25,664 こちらが 森の生態系のコーナーです。 141 00:09:25,664 --> 00:09:28,667 姉ちゃん 美人だな~。 142 00:09:28,667 --> 00:09:31,654 本物の方がいいよ。 (男性)そうだよね。 奇麗だよね。 143 00:09:31,654 --> 00:09:33,606 ありがとうございま~す。 (男性たち)お~! 144 00:09:33,606 --> 00:09:35,608 (男性)そうだ。 このポーズがいい。 145 00:09:35,608 --> 00:09:37,608 (男性)カワイイな~ 本当に。 146 00:09:43,616 --> 00:09:47,620 何か 変な人いたんですけど。 ずっと こっち見てて。 147 00:09:47,620 --> 00:09:52,625 (杉森)えっ? 美人過ぎる学芸員効果かな? 148 00:09:52,625 --> 00:09:56,629 芸能人って大変ですねえ。 149 00:09:56,629 --> 00:09:58,631 ≪(男性)すみません。 (愛理)すみません。 150 00:09:58,631 --> 00:10:02,635 写真は 一枚 撮ったら 切りがないんで…。 151 00:10:02,635 --> 00:10:04,637 (男性)いや あの お弁当です。 152 00:10:04,637 --> 00:10:06,639 (杉森)そんなの 注文してないですよ。 153 00:10:06,639 --> 00:10:09,642 (男性)こちらの 九条さんという方から。 154 00:10:09,642 --> 00:10:12,645 (愛理)まさか 魚の骨 欲しさに➡ 155 00:10:12,645 --> 00:10:14,647 お弁当 頼んだわけじゃないですよね? 156 00:10:14,647 --> 00:10:17,650 いや~。 157 00:10:17,650 --> 00:10:19,652 ☎ 158 00:10:19,652 --> 00:10:21,654 はい。 ☎(女性)お宅は どういう神経➡ 159 00:10:21,654 --> 00:10:24,657 してるんですか? (愛理)はい? 160 00:10:24,657 --> 00:10:27,660 苦情電話? (愛理)そうなんですよ。 161 00:10:27,660 --> 00:10:30,663 で その人が言うように ネット見てみたら➡ 162 00:10:30,663 --> 00:10:33,666 「九条 櫻子は 保健所で保護してる動物を➡ 163 00:10:33,666 --> 00:10:36,669 引き取っては 殺して 標本にしている」って➡ 164 00:10:36,669 --> 00:10:38,671 書き込みがあって。➡ 165 00:10:38,671 --> 00:10:41,674 あっ あと お弁当30個 どうするんだって➡ 166 00:10:41,674 --> 00:10:43,676 聞いてくださ~い。 167 00:10:43,676 --> 00:10:46,676 弁当? そんな物 知らん! 168 00:10:49,682 --> 00:10:52,685 保健所のことも くだらん でたらめだ。 169 00:10:52,685 --> 00:10:54,687 生きて動く物を見て 骨を想像するのも➡ 170 00:10:54,687 --> 00:10:56,689 また 楽しみの一つだ。 171 00:10:56,689 --> 00:11:00,693 なぜ わざわざ その楽しみを放棄する必要がある。 172 00:11:00,693 --> 00:11:03,696 えっ その楽しみについては 知らなかったので…。 173 00:11:03,696 --> 00:11:07,696 はい。 すいません。 お邪魔しました。 174 00:11:09,702 --> 00:11:14,707 ネットの書き込みも お弁当も 九条さん 心当たり ないそうです。 175 00:11:14,707 --> 00:11:17,710 ただの いたずら? 176 00:11:17,710 --> 00:11:23,716 でも 九条さん ピンポイントで 狙ってきてるって➡ 177 00:11:23,716 --> 00:11:26,719 これ 嫌がらせですかね? 178 00:11:26,719 --> 00:11:28,721 (杉森)えっ? 179 00:11:28,721 --> 00:11:31,657 九条さんを恨む 誰かが…。 180 00:11:31,657 --> 00:11:33,659 誰? 181 00:11:33,659 --> 00:11:35,661 いや わりと いそう。 182 00:11:35,661 --> 00:11:37,663 (梅)さあ 皆さん➡ 183 00:11:37,663 --> 00:11:40,666 息抜きに スープでも いかがですか?➡ 184 00:11:40,666 --> 00:11:45,671 北海道名産のジャガイモ キタアカリの ビシソワーズです。 185 00:11:45,671 --> 00:11:47,673 (谷上)わ~ ありがとうございます~。 186 00:11:47,673 --> 00:11:49,675 すみません。 ありがとうございます。 187 00:11:49,675 --> 00:11:52,675 (磯崎)へ~。 188 00:11:54,680 --> 00:11:56,682 んっ おいし~。 189 00:11:56,682 --> 00:11:58,682 (梅)よかった。 190 00:12:02,688 --> 00:12:04,690 (谷上)うわ。 191 00:12:04,690 --> 00:12:07,693 もっと 味わった方がいいんじゃ…。 192 00:12:07,693 --> 00:12:11,697 さすがキタアカリだ。 うまい! 193 00:12:11,697 --> 00:12:13,697 ちゃんと味わってた。 194 00:12:22,708 --> 00:12:25,711 んっ? 195 00:12:25,711 --> 00:12:27,711 何だ これ。 196 00:12:31,717 --> 00:12:33,652 何の動物? 197 00:12:33,652 --> 00:12:36,655 えっ? 何で これだけ こんな箱に…。 198 00:12:36,655 --> 00:12:38,657 当たりだな。 えっ? 199 00:12:38,657 --> 00:12:41,660 これは 人の骨だ。 えっ… えっ! 200 00:12:41,660 --> 00:12:43,660 えっ 本物? 面白い。 201 00:14:21,560 --> 00:14:24,563 (磯崎)どうして 人の骨だって分かるの? 202 00:14:24,563 --> 00:14:27,566 頤だ。 これがあるのは人間だけだ。 203 00:14:27,566 --> 00:14:30,569 解剖学を 少し かじった者なら➡ 204 00:14:30,569 --> 00:14:33,572 すぐに分かる。 (磯崎)あっ… けっ 結構。 205 00:14:33,572 --> 00:14:36,575 これは 火葬された骨のようだ。 206 00:14:36,575 --> 00:14:38,577 これだけ 粉々になってるということは➡ 207 00:14:38,577 --> 00:14:40,579 骨が もろくなっていた証拠。 208 00:14:40,579 --> 00:14:45,584 高齢者か 病を患っていた可能性が 考えられる。 209 00:14:45,584 --> 00:14:48,584 で 誰の骨なんですか? 210 00:14:53,592 --> 00:14:55,592 (せき) 211 00:14:57,596 --> 00:15:02,601 「蝋燭の炎の中に立つ私➡ 212 00:15:02,601 --> 00:15:07,606 腸は業火に焼かれても 龍の口にヤマザクラ咲く」 213 00:15:07,606 --> 00:15:09,608 「ヤマザクラ」 214 00:15:09,608 --> 00:15:12,611 えっ… 気になるの そこですか? 215 00:15:12,611 --> 00:15:15,631 いや 「腸」とか「業火」とか 何か 気味悪いんですけど。 216 00:15:15,631 --> 00:15:18,550 骨は この 「玲子」って人の物ってことかな?➡ 217 00:15:18,550 --> 00:15:20,552 奥さん? いや 先生は➡ 218 00:15:20,552 --> 00:15:22,554 一度も結婚はしていない。 219 00:15:22,554 --> 00:15:41,573 ♬~ 220 00:15:41,573 --> 00:15:43,575 (愛理)あの…。 221 00:15:43,575 --> 00:15:47,579 ちょっと あなた… うわ~! 222 00:15:47,579 --> 00:15:49,581 (山路)しっかし まあ➡ 223 00:15:49,581 --> 00:15:53,585 毎回 毎回 死体を引き当てるね ちみたちも! 224 00:15:53,585 --> 00:15:55,587 すいません。 (谷上)「ちみたち」っつった? 225 00:15:55,587 --> 00:15:57,589 あっ… たぶん。 (山路)で 何か分かりました?➡ 226 00:15:57,589 --> 00:16:00,592 先生。 何も分からん。 227 00:16:00,592 --> 00:16:03,595 (山路)またまた~。 その骨は 火葬されている。 228 00:16:03,595 --> 00:16:06,598 1, 000℃以上で焼かれた骨は 性別すら分からん。 229 00:16:06,598 --> 00:16:08,600 DNAも採れない。 230 00:16:08,600 --> 00:16:13,605 (山路)そういうの 一番 困んだよな~。 231 00:16:13,605 --> 00:16:15,574 身元の心当たり ないの? ない。 232 00:16:15,574 --> 00:16:17,442 (山路)あなたの 高校のときの先生なんでしょ? 233 00:16:17,442 --> 00:16:20,445 私生活のことは ほとんど知らない。 234 00:16:20,445 --> 00:16:23,448 骨のこと以外に興味ないですから。 235 00:16:23,448 --> 00:16:25,450 (近藤)ちゃんと 火葬されているということは➡ 236 00:16:25,450 --> 00:16:27,452 法的手続きが 全て 終了しているということなので➡ 237 00:16:27,452 --> 00:16:29,454 事件性はないと思います。➡ 238 00:16:29,454 --> 00:16:34,459 一応 紛失や盗難の届け出がないか 確認してみますね。➡ 239 00:16:34,459 --> 00:16:37,462 九条さんは 先生のご遺族に 心当たりがないか➡ 240 00:16:37,462 --> 00:16:39,464 聞いてもらえますか? 241 00:16:39,464 --> 00:16:41,466 うん。 (近藤)お願いします。 242 00:16:41,466 --> 00:16:46,466 お願いしますよ こないだの件も。 243 00:16:48,473 --> 00:16:51,476 近藤。 (近藤)はい。➡ 244 00:16:51,476 --> 00:16:54,479 失礼します。 (ドアの開く音) 245 00:16:59,484 --> 00:17:02,487 はい。 (愛理)もう やだ ホント! 246 00:17:02,487 --> 00:17:04,489 えっ 何? 247 00:17:04,489 --> 00:17:06,491 怪しい人がいると思って 捕まえたら➡ 248 00:17:06,491 --> 00:17:08,493 「九条 櫻子 出せ」とか 訳 分かんないこと 言ってるし➡ 249 00:17:08,493 --> 00:17:13,498 私 顔 真っ黒だし! (杉森)落書きは困るな~。 250 00:17:13,498 --> 00:17:15,500 何て書こうとしてたの? 251 00:17:15,500 --> 00:17:18,537 (入山)九条 櫻子は もぐりの標本士だ。 252 00:17:18,537 --> 00:17:20,539 (杉森)もぐりって…。 253 00:17:20,539 --> 00:17:23,542 (磯崎)ただいま。 (谷上)戻りました~。 254 00:17:23,542 --> 00:17:25,544 (愛理)あれ? 磯崎さん 谷上さんまで。 255 00:17:25,544 --> 00:17:28,547 (磯崎)作業は いったん中断。 色々あってね。 256 00:17:28,547 --> 00:17:31,550 (女性)おかえりなさい。 (杉森)あっ おかえりなさい。 257 00:17:31,550 --> 00:17:34,550 あっ… この子が? 258 00:17:38,557 --> 00:17:41,560 (入山)僕は あんたを認めない。 259 00:17:41,560 --> 00:17:43,562 誰だ? 佐々木先生は➡ 260 00:17:43,562 --> 00:17:46,565 あんたは 日本で有数の 標本士だって 言ってたけど➡ 261 00:17:46,565 --> 00:17:49,568 そんなの でたらめだ! 会話になってない。 262 00:17:49,568 --> 00:17:53,572 どうせ 佐々木先生と できてたんだろ!? 263 00:17:53,572 --> 00:17:55,574 えっ? (入山)だから 先生は➡ 264 00:17:55,574 --> 00:17:58,577 事あるごとに あんたを持ち上げてたんだ! 265 00:17:58,577 --> 00:18:00,579 君 佐々木先生の生徒さん? 266 00:18:00,579 --> 00:18:03,582 (入山)僕が どんなに うまく 標本を組み立てても➡ 267 00:18:03,582 --> 00:18:06,585 「九条君の高校時代は…」って ふざけんな! 知るか! 268 00:18:06,585 --> 00:18:08,587 (愛理)あれ? 九条さんにジェラシー? 269 00:18:08,587 --> 00:18:12,591 (杉森)あっ もしかして 弁当 注文したの 君?➡ 270 00:18:12,591 --> 00:18:14,593 掲示板に 九条さんの 悪口 書いたのも? 271 00:18:14,593 --> 00:18:17,529 くだらん。 そんなことして何になる。 272 00:18:17,529 --> 00:18:19,531 うるさい! 僕は あんたの化けの皮を➡ 273 00:18:19,531 --> 00:18:22,534 剥いでやろうと思ったんだ。 この偽標本士! 274 00:18:22,534 --> 00:18:27,539 何で 僕じゃなくて あんたなんだ…。 275 00:18:27,539 --> 00:18:30,542 つらいんだね。 276 00:18:30,542 --> 00:18:32,544 佐々木先生が亡くなって 悲しくて…。 277 00:18:32,544 --> 00:18:35,547 悲しくなんかない! 僕は ただ 証明したいだけだ!➡ 278 00:18:35,547 --> 00:18:37,549 僕の方が 優秀な生徒だということを! 279 00:18:37,549 --> 00:18:41,553 そんなことして いったい 何になる。 280 00:18:41,553 --> 00:18:44,556 どっちが優秀な生徒か。 281 00:18:44,556 --> 00:18:46,558 くだらん。 282 00:18:46,558 --> 00:18:49,561 佐々木先生は死んだんだ。 283 00:18:49,561 --> 00:18:53,565 ちょっ ちょっと その言い方 ひどくないですか? 284 00:18:53,565 --> 00:18:58,570 お前は 最低な生徒だな。 何も分かっていない。 285 00:18:58,570 --> 00:19:00,572 何で あんたに そんなこと 言われなきゃいけないんだよ。 286 00:19:00,572 --> 00:19:02,574 あんたに何が分かる! 287 00:19:02,574 --> 00:19:04,576 こんな所に来ている 暇があったら➡ 288 00:19:04,576 --> 00:19:07,579 一冊でも多くの本を読んで 勉強しろ! 289 00:19:07,579 --> 00:19:09,579 うるさい! 290 00:19:12,584 --> 00:19:16,584 ほう。 イルカの耳石か。 291 00:19:26,531 --> 00:19:28,533 あんな言い方ないですよ。 (磯崎)館脇君。 292 00:19:28,533 --> 00:19:30,535 あの子の気持ち 分かりませんか? 293 00:19:30,535 --> 00:19:32,537 ちょっと考えたら分かるでしょ? 294 00:19:32,537 --> 00:19:36,537 情とか ないんですか? あなたはロボットですか? 295 00:19:38,543 --> 00:19:40,545 ロボットではない。 296 00:19:40,545 --> 00:19:42,547 そんなの分かってますよ! 297 00:19:42,547 --> 00:19:46,551 いや やっぱり➡ 298 00:19:46,551 --> 00:19:49,551 全然 櫻子さんのこと よく分かりません。 299 00:19:55,560 --> 00:19:57,560 待って。 300 00:20:00,565 --> 00:20:03,568 (入山)何ですか? 301 00:20:03,568 --> 00:20:07,572 あの人が言ったこと あんま気にしないでよ。 302 00:20:07,572 --> 00:20:10,572 大事な先生だったんでしょ? 303 00:20:12,577 --> 00:20:15,597 (入山)いや 別に そういう同情いらないです。 304 00:20:15,597 --> 00:20:17,516 えっ? 305 00:20:17,516 --> 00:20:19,518 (入山)もう いいんです 別に。 306 00:20:19,518 --> 00:20:24,518 あの人の言うとおり 佐々木先生は もう いないんだし。 307 00:20:26,525 --> 00:20:30,529 だから➡ 308 00:20:30,529 --> 00:20:32,529 もう どうでもいいんです。 309 00:20:35,534 --> 00:20:37,534 いいわけないよ! 310 00:20:40,539 --> 00:20:43,542 佐々木先生が 帰ってこないからこそ➡ 311 00:20:43,542 --> 00:20:45,544 大事な人が 帰ってこないからこそ➡ 312 00:20:45,544 --> 00:20:47,546 どうでもよくしちゃ 駄目なんだよ! 313 00:20:47,546 --> 00:20:50,546 えっ? 何で そんな 熱くなってるんですか? 314 00:20:52,551 --> 00:20:55,554 もう分かってるんで。 315 00:20:55,554 --> 00:20:58,557 佐々木先生が➡ 316 00:20:58,557 --> 00:21:02,561 僕のこと ただの一生徒としか 見てなかったことは。 317 00:21:02,561 --> 00:21:04,561 何で そんなふうに言うの? 318 00:21:06,565 --> 00:21:10,569 僕には 何も言ってくれなかったんで。 319 00:21:10,569 --> 00:21:15,540 先生が亡くなる2日くらい前に ケンカしたんです。 320 00:21:15,540 --> 00:21:18,410 (入山)《僕の夢とか どうでも いいんですよ あの人たちは》➡ 321 00:21:18,410 --> 00:21:21,413 《ただ 自分たちの 思いどおりにできれば》 322 00:21:21,413 --> 00:21:23,415 《そういう言い方を するんじゃない》 323 00:21:23,415 --> 00:21:25,417 《どうせ ホントの親じゃないから》 324 00:21:25,417 --> 00:21:27,419 《入山!》 325 00:21:27,419 --> 00:21:29,421 (入山)《みんな 僕のことなんか どうでもいいんだ》 326 00:21:29,421 --> 00:21:33,425 《今の親も 僕を捨てた親も》 327 00:21:33,425 --> 00:21:36,428 《やめなさい》 328 00:21:36,428 --> 00:21:38,430 《先生だって 僕より➡ 329 00:21:38,430 --> 00:21:40,432 九条 櫻子の方が いいんでしょ?》 330 00:21:40,432 --> 00:21:43,435 《いっつも 九条 櫻子と 比べて ホントうんざりなんですよ!》 331 00:21:43,435 --> 00:21:45,437 (佐々木)《何を言ってるんだ》 332 00:21:45,437 --> 00:21:48,440 《お前のことは 大事に思ってる》 333 00:21:48,440 --> 00:21:51,443 (入山)《嘘だ! 先生には 全部 話してきたのに》 334 00:21:51,443 --> 00:21:53,445 《分かり合えてると 思ってたのに》 335 00:21:53,445 --> 00:21:55,447 《分かり合ってるつもりだ》 336 00:21:55,447 --> 00:21:57,447 《たくさん 話も してきたじゃないか》 337 00:22:00,452 --> 00:22:02,454 (入山)《じゃあ この骨 何なんですか?》➡ 338 00:22:02,454 --> 00:22:06,458 《中に入ってるの 人の骨ですよね?》 339 00:22:06,458 --> 00:22:10,462 《頤があった。 それくらい 僕でも分かります》 340 00:22:10,462 --> 00:22:15,467 《お前には 関係ない》 341 00:22:15,467 --> 00:22:17,502 《これ 誰の骨ですか?》➡ 342 00:22:17,502 --> 00:22:19,504 《いったい 何のために持ってるんですか?》 343 00:22:19,504 --> 00:22:21,504 (佐々木)《関係ないと 言ってるだろ!》 344 00:22:24,509 --> 00:22:29,509 (入山)《やっぱり 僕のこと 何も 信用してないじゃないですか》 345 00:22:31,516 --> 00:22:33,516 《気持ち悪いんですよ! 人の骨 持ってるとか》 346 00:22:35,520 --> 00:22:38,523 (入山)先生は➡ 347 00:22:38,523 --> 00:22:42,527 九条さんに あの倉庫の遺品整理を 依頼したんですよね?➡ 348 00:22:42,527 --> 00:22:47,532 あの骨だって 僕には 何か言わなかったのに➡ 349 00:22:47,532 --> 00:22:49,532 九条さんには託した。 350 00:22:51,536 --> 00:22:54,536 もう いいんです だから。 351 00:23:04,549 --> 00:23:06,549 お疲れさまでした。 352 00:23:15,543 --> 00:23:17,495 (磯崎)大丈夫~? 353 00:23:17,495 --> 00:23:20,498 えっ? ああ…。 354 00:23:20,498 --> 00:23:25,503 あの子 結構 複雑みたいで…。 355 00:23:25,503 --> 00:23:27,505 (磯崎)うん。 356 00:23:27,505 --> 00:23:30,508 で 君は? 357 00:23:30,508 --> 00:23:32,508 えっ? 358 00:23:37,515 --> 00:23:40,518 別に もう いいんです。 359 00:23:40,518 --> 00:23:53,518 ♬~ 360 00:24:05,543 --> 00:24:07,545 (ノック) 361 00:24:07,545 --> 00:24:09,547 (梅)櫻子お嬢さま。 362 00:24:09,547 --> 00:24:14,547 櫻子お嬢さま お客さまです。 363 00:24:17,555 --> 00:24:20,558 (山路)骨の件だけどな➡ 364 00:24:20,558 --> 00:24:24,562 紛失届も盗難届も 出てなかったそうだ。➡ 365 00:24:24,562 --> 00:24:26,564 家族に連絡は? 366 00:24:26,564 --> 00:24:29,567 したが 心当たりは ないそうだ。 367 00:24:29,567 --> 00:24:31,569 (山路)そっか…。 368 00:24:31,569 --> 00:24:34,572 で…。 369 00:24:34,572 --> 00:24:36,574 で…。 何だ? 370 00:24:36,574 --> 00:24:38,576 いや こないだのことだよ。 371 00:24:38,576 --> 00:24:40,578 まだ 答え 聞いてねえだろ。 372 00:24:40,578 --> 00:24:44,578 手 貸してくれんのか くれねえのか。 373 00:24:46,584 --> 00:24:48,584 目的は何だ? 374 00:24:51,589 --> 00:24:54,592 正義? 375 00:24:54,592 --> 00:24:57,595 警察でやれ。 ほらほら ちょちょ ちょちょっ…。 376 00:24:57,595 --> 00:24:59,597 上には知られたくねえことだって あんだよ~。 377 00:24:59,597 --> 00:25:02,600 興味ない。 おっ。 378 00:25:02,600 --> 00:25:05,603 じゃあ 興味がありゃ 乗ってくれるってことだな? 379 00:25:05,603 --> 00:25:09,603 よし 言ったぞ。 聞いたからな。 380 00:25:12,610 --> 00:25:14,610 ポジティブだな。 381 00:25:21,553 --> 00:25:23,555 《もう いいんです》 382 00:25:23,555 --> 00:25:25,555 《別に もう いいんです》 383 00:25:27,559 --> 00:25:29,559 いいわけねえだろ。 384 00:27:50,568 --> 00:27:53,571 自然の森博物館の館脇と申します。 突然 すいません。 385 00:27:53,571 --> 00:27:57,575 あの 先日 亡くなられた 佐々木先生のことで➡ 386 00:27:57,575 --> 00:27:59,577 お伺いしたいことがありまして。 387 00:27:59,577 --> 00:28:01,579 (谷上)地質標本の整理 終わりました~。 388 00:28:01,579 --> 00:28:03,581 (杉森)お疲れさま。 389 00:28:03,581 --> 00:28:05,583 (愛理)あれ? じゃあ 今 九条さんの所➡ 390 00:28:05,583 --> 00:28:07,585 九条さんと磯崎さん 2人っきりですか。 391 00:28:07,585 --> 00:28:11,589 (谷上)濃密ですよ~ オタク度が。 392 00:28:11,589 --> 00:28:13,591 (一同の笑い声) 393 00:28:13,591 --> 00:28:17,595 (磯崎)珍しい。 テシオコザクラじゃないか。➡ 394 00:28:17,595 --> 00:28:20,598 いや しかし すごいよね。➡ 395 00:28:20,598 --> 00:28:25,603 骨格標本だけじゃなくて 植物にも 詳しかったなんて。➡ 396 00:28:25,603 --> 00:28:28,606 しかも 生徒にも慕われてた。➡ 397 00:28:28,606 --> 00:28:31,609 理想のオタクって感じだよね。➡ 398 00:28:31,609 --> 00:28:36,614 同じ 元生物教師として 嫉妬しちゃうよ。 399 00:28:36,614 --> 00:28:41,614 なぜ 嫉妬する。 お前と佐々木先生は 別の人間だ。 400 00:28:43,621 --> 00:28:48,621 何か 心残りでもあるのか? 401 00:28:51,562 --> 00:28:53,562 ないよ。 402 00:28:56,567 --> 00:28:59,570 一緒に解剖した猫 死因は 分かったの? 403 00:28:59,570 --> 00:29:02,573 脳に腫瘍ができていた。 404 00:29:02,573 --> 00:29:06,573 標本にしたのは 先生の勧めで? 405 00:29:08,579 --> 00:29:10,579 そうだ。 406 00:29:14,585 --> 00:29:18,589 (佐々木)《飼っていたペットが 死んだとき➡ 407 00:29:18,589 --> 00:29:21,592 悲しみに ただただ 打ちひしがれる人が➡ 408 00:29:21,592 --> 00:29:23,594 ほとんどだ》➡ 409 00:29:23,594 --> 00:29:25,596 《でも 君は知ろうとした》➡ 410 00:29:25,596 --> 00:29:29,600 《死に立ち向かった》➡ 411 00:29:29,600 --> 00:29:33,604 《それも また 愛するものへの敬意だと➡ 412 00:29:33,604 --> 00:29:35,604 僕は思うよ》 413 00:29:43,614 --> 00:29:48,614 《ほら この方が 生き生きとして見えるだろ》 414 00:29:52,557 --> 00:29:59,564 知ろうとすること 死に立ち向かうことも 敬意か。 415 00:29:59,564 --> 00:30:03,568 うん 素晴らしい言葉だね。 416 00:30:03,568 --> 00:30:05,570 昨日の高校生➡ 417 00:30:05,570 --> 00:30:09,574 先生とは 擦れ違ったまま 別れてしまったそうだよ。➡ 418 00:30:09,574 --> 00:30:13,578 あの骨のことを 偶然 知ってしまった。➡ 419 00:30:13,578 --> 00:30:18,583 でも 先生は そのことについて 何も教えてくれなかった。➡ 420 00:30:18,583 --> 00:30:22,583 知りたかったのに 知ることができなかった。 421 00:30:24,589 --> 00:30:27,589 (磯崎)それが つらかったんだろうね。 422 00:30:30,595 --> 00:30:34,599 (政美)佐々木先生は 生物部の顧問をやってらして➡ 423 00:30:34,599 --> 00:30:36,601 私が 副顧問だったんです。 424 00:30:36,601 --> 00:30:39,604 入山君は 相当 佐々木先生のことを➡ 425 00:30:39,604 --> 00:30:41,606 慕ってたみたいですね。 (政美)ええ。 426 00:30:41,606 --> 00:30:43,608 あの子が中学生のころ➡ 427 00:30:43,608 --> 00:30:47,612 市の公民館の図書室で よく勉強してたそうなんですが➡ 428 00:30:47,612 --> 00:30:51,549 そこで 佐々木先生と 偶然 出会ったそうです。 429 00:30:51,549 --> 00:30:53,551 (佐々木)《奇麗な耳石だね》➡ 430 00:30:53,551 --> 00:30:57,555 《イルカの耳石か~》 431 00:30:57,555 --> 00:30:59,555 《珍しいね》 432 00:31:03,561 --> 00:31:08,566 (政美)入山君は なかなか 同級生に なじめないようで➡ 433 00:31:08,566 --> 00:31:12,570 いつも 理科室の 佐々木先生の所に 来てましたね。 434 00:31:12,570 --> 00:31:14,572 (佐々木)《おっ うまいな》 435 00:31:14,572 --> 00:31:16,574 《筋がいい》 436 00:31:16,574 --> 00:31:18,576 (政美)先生に褒めてもらうと➡ 437 00:31:18,576 --> 00:31:20,578 ホントに うれしそうにしてました。 438 00:31:20,578 --> 00:31:23,581 そうだったんですね。 439 00:31:23,581 --> 00:31:26,584 (政美)佐々木先生が亡くなって➡ 440 00:31:26,584 --> 00:31:28,584 相当 ショックを受けてると思います。 441 00:31:30,588 --> 00:31:34,592 あの それで 佐々木先生のことなんですが➡ 442 00:31:34,592 --> 00:31:37,595 先生には その 何というか➡ 443 00:31:37,595 --> 00:31:39,597 親しい女性というか➡ 444 00:31:39,597 --> 00:31:41,599 そういった方が いらしたという話は➡ 445 00:31:41,599 --> 00:31:43,601 聞いてませんか? 446 00:31:43,601 --> 00:31:49,540 たぶん 4~5年前に その方と会ってたと思うんですが。 447 00:31:49,540 --> 00:31:52,543 (政美)4~5年前…。➡ 448 00:31:52,543 --> 00:31:54,545 あっ。 449 00:31:54,545 --> 00:31:56,547 あっ 何か 思い出しましたか? 450 00:31:56,547 --> 00:31:59,550 (政美)あっ いや 全然 関係ないんですけど➡ 451 00:31:59,550 --> 00:32:02,553 5年前の秋ごろですかね。 452 00:32:02,553 --> 00:32:05,556 先生に 骨拾いに 海岸に連れていかれて➡ 453 00:32:05,556 --> 00:32:07,558 そこで 先生 足 滑らして➡ 454 00:32:07,558 --> 00:32:09,560 足首 骨折しちゃって。 えっ? 455 00:32:09,560 --> 00:32:11,562 で 私が病院まで連れてって➡ 456 00:32:11,562 --> 00:32:15,566 即 入院で もう 大変だったんですよ。 457 00:32:15,566 --> 00:32:19,570 あっ 全然 関係なかったですね。 458 00:32:19,570 --> 00:32:24,570 いや その話 詳しく 聞かしていただけませんか? 459 00:32:28,579 --> 00:32:33,579 (磯崎)よし。 こっちは あらかた片付いたよ。 460 00:32:55,540 --> 00:32:59,544 玲子という女は ケルト型の足をしていたようだな。 461 00:32:59,544 --> 00:33:02,547 ケルト? 足の骨格の形だ。 462 00:33:02,547 --> 00:33:04,549 日本人の8割は➡ 463 00:33:04,549 --> 00:33:08,553 親指が 一番 長く 順番に下がっていく エジプト型だが➡ 464 00:33:08,553 --> 00:33:14,559 まれに 人さし指が 一番 長く 足の幅が広い ケルト型もいる。 465 00:33:14,559 --> 00:33:16,561 これが 何かの手掛かりになるの? 466 00:33:16,561 --> 00:33:19,564 分からん。 だが 珍しい骨格だ。 467 00:33:19,564 --> 00:33:21,566 面白い。 468 00:33:21,566 --> 00:33:24,569 実は 僕も 昨日から ちょっと考えててね。 469 00:33:24,569 --> 00:33:26,571 あの和歌のこと。 470 00:33:26,571 --> 00:33:28,573 「ヤマザクラ」って あったでしょ? 471 00:33:28,573 --> 00:33:32,577 あれ 鎌倉市の花なんだよね。 472 00:33:32,577 --> 00:33:34,579 鎌倉? 473 00:33:34,579 --> 00:33:36,581 それと 「龍」 474 00:33:36,581 --> 00:33:39,584 鎌倉には 竜にまつわる伝説も 残されているし➡ 475 00:33:39,584 --> 00:33:42,587 何か関係あるんじゃないかなと 思ってねえ。 476 00:33:42,587 --> 00:34:02,540 ♬~ 477 00:34:02,540 --> 00:34:08,546 ♬~ 478 00:34:08,546 --> 00:34:12,550 《えっ? えっ ちょっと 何で?》 479 00:34:12,550 --> 00:34:15,550 《櫻子さんたちも ここが分かっ…》 480 00:34:17,555 --> 00:34:19,557 (磯崎)どうして ここに? 481 00:34:19,557 --> 00:34:22,560 骨のことが気になって…。 482 00:34:22,560 --> 00:34:26,564 あの骨の方 病気だった可能性が あるんですよね? 483 00:34:26,564 --> 00:34:30,568 佐々木先生が 5年前ぐらいに ここで入院してたって聞いて➡ 484 00:34:30,568 --> 00:34:32,570 もしかしたらって…。 485 00:34:32,570 --> 00:34:35,570 (磯崎)僕らも 理由は おんなじ。 486 00:34:37,575 --> 00:34:41,579 興味なかったんじゃ ないんですか? 487 00:34:41,579 --> 00:34:44,582 まあ まあ まあ 目的は おんなじなんだから➡ 488 00:34:44,582 --> 00:34:48,603 仲良く 仲良く。 489 00:34:48,603 --> 00:34:51,522 (看護師)患者さんの個人情報は お答えできないんです。➡ 490 00:34:51,522 --> 00:34:53,522 すみません。 491 00:34:57,528 --> 00:35:00,531 やっぱ そっか…。 492 00:35:00,531 --> 00:35:02,533 (やよい)あの➡ 493 00:35:02,533 --> 00:35:04,535 あの すいません。➡ 494 00:35:04,535 --> 00:35:07,538 お話 してるのが 聞こえてしまって。➡ 495 00:35:07,538 --> 00:35:09,540 玲子さんと佐々木さんって おっしゃいました? 496 00:35:09,540 --> 00:35:11,542 えっ 何か ご存じなんですか? 497 00:35:11,542 --> 00:35:14,545 (やよい)私 昔 ここに入院してまして➡ 498 00:35:14,545 --> 00:35:17,548 そのとき 戸川 玲子さんという方と➡ 499 00:35:17,548 --> 00:35:19,548 同室だったんです。 500 00:35:22,553 --> 00:35:25,556 (やよい)玲子さん 骨折で入院されていた➡ 501 00:35:25,556 --> 00:35:28,559 佐々木さんと 親しくされていましたよ。 502 00:35:28,559 --> 00:35:30,561 やはり そうか。 503 00:35:30,561 --> 00:35:33,564 (やよい)佐々木さんは 退院後も➡ 504 00:35:33,564 --> 00:35:35,566 玲子さんのお見舞いに よく来られてました。 505 00:35:35,566 --> 00:35:38,569 (玲子)《身寄りのない私を ふびんに思ってくれてるんだと➡ 506 00:35:38,569 --> 00:35:40,571 思います》 507 00:35:40,571 --> 00:35:42,573 (やよい)《優しい方ですね》 508 00:35:42,573 --> 00:35:45,576 (玲子)《このまま 一人で死んでいくのかなって➡ 509 00:35:45,576 --> 00:35:47,578 思ってたんですけどね》 510 00:35:47,578 --> 00:35:49,513 (やよい)一度 春先でしたかね。➡ 511 00:35:49,513 --> 00:35:52,516 1日外泊で 佐々木さん➡ 512 00:35:52,516 --> 00:35:55,519 玲子さんの行きたい場所に 連れていってあげたようです。➡ 513 00:35:55,519 --> 00:35:58,522 本当に家族のようでした。 514 00:35:58,522 --> 00:36:01,525 戸川 玲子は 鎌倉に住んでいたのか? 515 00:36:01,525 --> 00:36:05,525 ええ。 確か 腰越に。 516 00:36:09,533 --> 00:36:12,536 あの骨が 戸川 玲子って人の 物だったこと➡ 517 00:36:12,536 --> 00:36:14,538 入山君に伝えてきます。 知りたがってたんで。 518 00:36:14,538 --> 00:36:17,541 ああ ここは いいよ。 519 00:36:17,541 --> 00:36:20,544 あっ ありがとうございます。 520 00:36:20,544 --> 00:36:22,546 (ドアの開く音) 521 00:36:22,546 --> 00:36:25,549 まだだ。 んっ? 522 00:36:25,549 --> 00:36:28,552 まだ 骨が つながらない。 523 00:36:28,552 --> 00:36:31,555 なぜ 佐々木先生は➡ 524 00:36:31,555 --> 00:36:34,558 戸川 玲子のことを 誰にも打ち明けなかったんだ? 525 00:36:34,558 --> 00:36:37,558 う~ん 確かに。 526 00:36:42,566 --> 00:36:46,570 蝋燭 龍の口…。 527 00:36:46,570 --> 00:36:53,570 腰越と その歌と 何か関係があるのかな? 528 00:36:55,513 --> 00:36:58,516 九条さん…。 529 00:36:58,516 --> 00:37:00,516 九条さん。 530 00:37:04,522 --> 00:37:17,535 ♬~ 531 00:37:17,535 --> 00:37:19,537 見つけた。 532 00:37:19,537 --> 00:37:21,537 龍の口。 533 00:37:25,543 --> 00:37:30,543 (住職)戸川 玲子さんから これを預かっておりました。 534 00:37:33,551 --> 00:37:37,555 (住職)亡くなられたとは 知りませんでした。 535 00:37:37,555 --> 00:37:40,555 埋葬は どちらへ? 536 00:37:45,563 --> 00:37:47,565 九条さん。 537 00:37:47,565 --> 00:38:06,584 ♬~ 538 00:38:06,584 --> 00:38:08,586 ♬~ 539 00:38:08,586 --> 00:38:11,589 骨が 全て つながった。 540 00:38:11,589 --> 00:38:14,592 骨? 541 00:38:14,592 --> 00:38:16,592 ちょっ…。 542 00:41:06,563 --> 00:41:09,566 ≪(ドアの開く音) 543 00:41:09,566 --> 00:41:11,568 何ですか? 話って。 544 00:41:11,568 --> 00:41:14,571 (磯崎)まあまあ 立ち話も何だから こっちへ どうぞ。➡ 545 00:41:14,571 --> 00:41:17,571 館脇君も。 あっ すいません。 546 00:41:22,579 --> 00:41:29,586 お前が知りたがっていた あの骨は 戸川 玲子という 女性の物だった。 547 00:41:29,586 --> 00:41:33,590 (入山)それは この人から聞きましたけど。 548 00:41:33,590 --> 00:41:36,593 ずっと分からなかった。 549 00:41:36,593 --> 00:41:38,595 なぜ 佐々木先生が➡ 550 00:41:38,595 --> 00:41:41,598 戸川 玲子のことを 誰にも話さずにいたのか。 551 00:41:41,598 --> 00:41:46,603 2人に恋心があったとして 佐々木先生には 妻はいない。 552 00:41:46,603 --> 00:41:49,606 何も 隠し立てすることもない。 553 00:41:49,606 --> 00:41:53,610 にもかかわらず なぜ? 554 00:41:53,610 --> 00:41:57,614 佐々木先生は 死が迫った 戸川 玲子を➡ 555 00:41:57,614 --> 00:42:00,617 1日だけ 病院から連れ出した。 556 00:42:00,617 --> 00:42:06,557 その際 戸川 玲子に 靴をプレゼントした。 557 00:42:06,557 --> 00:42:11,562 長期 入院している 彼女への 先生なりの優しさだったんだろう。 558 00:42:11,562 --> 00:42:16,567 だが 彼女には なかなか 合う靴がなかった。 559 00:42:16,567 --> 00:42:19,570 えっ? そこで 先生は➡ 560 00:42:19,570 --> 00:42:23,574 特注で靴を作った。 561 00:42:23,574 --> 00:42:27,578 これは 戸川 玲子の 足型だ。 562 00:42:27,578 --> 00:42:31,578 戸川 玲子は ケルト型の足をしていた。 563 00:42:33,584 --> 00:42:36,587 (入山)僕と同じだ。 564 00:42:36,587 --> 00:42:41,592 ところで お前の持っている イルカの耳石だが➡ 565 00:42:41,592 --> 00:42:45,596 耳石は 骨の中でも 歯と並んで 最も硬く➡ 566 00:42:45,596 --> 00:42:50,601 どんな波に もまれようと 崩れることなく 岸に たどりつく。 567 00:42:50,601 --> 00:42:53,604 故に 海辺の地域では➡ 568 00:42:53,604 --> 00:42:58,609 無事を祈る お守りとして 用いられるそうだ。 569 00:42:58,609 --> 00:43:01,612 16年前➡ 570 00:43:01,612 --> 00:43:06,612 戸川 玲子が 最後に息子と撮った写真だ。 571 00:43:11,555 --> 00:43:13,555 これ…。 572 00:43:16,560 --> 00:43:23,567 彼女は 息子の無事を祈り イルカの耳石を託した。 573 00:43:23,567 --> 00:43:26,567 その子供は お前だ。 574 00:43:36,580 --> 00:43:42,580 佐々木先生と 戸川 玲子の 出会いは 偶然だった。 575 00:43:46,590 --> 00:43:50,594 《これ 耳石っていうんですよね?》 576 00:43:50,594 --> 00:43:53,597 《よく ご存じで》 577 00:43:53,597 --> 00:43:58,602 最初 佐々木先生が 戸川 玲子に 抱いていたのは➡ 578 00:43:58,602 --> 00:44:02,606 身寄りのないことや 余命いくばくもないことへの➡ 579 00:44:02,606 --> 00:44:04,625 同情だったのかもしれない。 580 00:44:04,625 --> 00:44:08,545 だが いつしか 佐々木先生には➡ 581 00:44:08,545 --> 00:44:11,545 恋にも似た思いが 芽生えたんだろう。 582 00:44:13,550 --> 00:44:18,555 そんなとき 佐々木先生は 彼女から聞かされたんだ。 583 00:44:18,555 --> 00:44:25,562 最後の心残り… 捨ててしまった息子のことを。 584 00:44:25,562 --> 00:44:28,565 彼女は 佐々木先生に頼み➡ 585 00:44:28,565 --> 00:44:33,570 死ぬ間際に 龍口寺へ 連れていってもらった。 586 00:44:33,570 --> 00:44:37,574 そこで その写真を預けた。 587 00:44:37,574 --> 00:44:41,574 永遠に息子と別れるために。 588 00:44:43,580 --> 00:44:48,585 そして その後 2人は ある場所へ 立ち寄った。 589 00:44:48,585 --> 00:44:52,589 歌にある 「蝋燭の炎の中」 590 00:44:52,589 --> 00:44:55,592 江の島のシーキャンドルだ。 591 00:44:55,592 --> 00:44:57,594 そして➡ 592 00:44:57,594 --> 00:45:04,568 「腸は業火に焼かれても 龍の口にヤマザクラ咲く」 593 00:45:04,568 --> 00:45:08,438 これは 息子と死別する 断腸の思いと➡ 594 00:45:08,438 --> 00:45:14,444 花が咲くように 息子の人生が 実りあるものであるようにとの➡ 595 00:45:14,444 --> 00:45:16,444 願いだったんだろう。 596 00:45:19,449 --> 00:45:27,449 《元気に育ってくれると いいな…》 597 00:45:29,459 --> 00:45:34,459 (玲子の泣き声) 598 00:45:36,466 --> 00:45:42,466 佐々木先生は 彼女の死後 骨を引き取った。 599 00:45:44,474 --> 00:45:48,474 そして 彼女の息子を捜し始めた。 600 00:45:56,486 --> 00:45:59,489 偶然じゃなかった…。 601 00:45:59,489 --> 00:46:04,494 先生は そばで お前の成長を見守り続けた。 602 00:46:04,494 --> 00:46:08,532 そして いつか 時が来たら➡ 603 00:46:08,532 --> 00:46:12,536 本当の母親のことを 話そうと思っていた。 604 00:46:12,536 --> 00:46:19,543 だが 言えぬまま亡くなった。 605 00:46:19,543 --> 00:46:21,545 僕のせいだ。 606 00:46:21,545 --> 00:46:23,547 えっ? 607 00:46:23,547 --> 00:46:29,553 先生が言えなかったのは きっと 僕の…。 608 00:46:29,553 --> 00:46:33,553 (佐々木)《本当の ご両親のことは?》 609 00:46:35,559 --> 00:46:38,562 《何とも思いません》 610 00:46:38,562 --> 00:46:41,565 《実の親のことなんて 知りたくもないです》 611 00:46:41,565 --> 00:46:44,565 《僕を捨てた人のことなんて》 612 00:46:46,570 --> 00:46:48,572 (佐々木)《そうか》 613 00:46:48,572 --> 00:46:51,575 僕が強がったから…。 614 00:46:51,575 --> 00:46:54,578 ホントは知りたかったのに。 615 00:46:54,578 --> 00:46:59,583 それでも 佐々木先生が 骨を持っていたのは…。 616 00:46:59,583 --> 00:47:04,571 一つには おそらく 戸川 玲子への 愛故だろう。 617 00:47:04,571 --> 00:47:08,525 骨になっても そばに置いておきたかった。 618 00:47:08,525 --> 00:47:10,527 もう一つは➡ 619 00:47:10,527 --> 00:47:15,532 いつか お前に 彼女の骨を 託そうとしていたんだろう。 620 00:47:15,532 --> 00:47:17,532 母の骨を。 621 00:47:22,539 --> 00:47:25,542 僕は 何も分かってなかった。 622 00:47:25,542 --> 00:47:28,542 勝手な思いだけ 先生に ぶつけて…。 623 00:47:31,548 --> 00:47:36,553 佐々木先生は 君の思いを ちゃんと受け止めた上で➡ 624 00:47:36,553 --> 00:47:41,553 君のために何ができるのか 考えていたと思うよ。 625 00:47:48,565 --> 00:47:50,567 先生は もう いない。 626 00:47:50,567 --> 00:47:55,572 だが それが何だ。 627 00:47:55,572 --> 00:47:59,576 先生の 教えや 思い 優しさは➡ 628 00:47:59,576 --> 00:48:03,580 お前の中に ちゃんと残っているはずだ。 629 00:48:03,580 --> 00:48:07,580 そして 戸川 玲子の 思いも。 630 00:48:13,523 --> 00:48:18,528 お前は 愛されていたんだ。 631 00:48:18,528 --> 00:48:36,546 ♬~ 632 00:48:36,546 --> 00:48:39,549 (佐々木)《九条》➡ 633 00:48:39,549 --> 00:48:41,551 《この先 もしかしたら➡ 634 00:48:41,551 --> 00:48:48,558 自分は 人とは違うんじゃないかと 迷うことが あるかもしれない》 635 00:48:48,558 --> 00:48:52,562 《でも そんなことで悩む必要はない》 636 00:48:52,562 --> 00:48:55,565 《私も 相当 変わってる》➡ 637 00:48:55,565 --> 00:48:57,567 《ハハ》 638 00:48:57,567 --> 00:49:03,573 《君は 決して 一人じゃない》 639 00:49:03,573 --> 00:49:06,573 《そのことを思い出しなさい》 640 00:49:13,517 --> 00:49:16,517 お前は一人じゃない! 641 00:49:18,522 --> 00:49:21,525 迷うだけ無駄だ。 642 00:49:21,525 --> 00:49:26,525 お前は お前の信じる道を行け。 643 00:49:31,535 --> 00:49:33,537 ありがとうございました。 644 00:49:33,537 --> 00:49:47,551 ♬~ 645 00:49:47,551 --> 00:49:50,554 骨でも そばに置いておきたいくらい➡ 646 00:49:50,554 --> 00:49:54,558 猫のこと 好きだったんですね。 647 00:49:54,558 --> 00:49:56,560 それじゃあ やっぱり➡ 648 00:49:56,560 --> 00:49:59,560 興味って言葉は ちょっと 違うと思います。 649 00:50:01,565 --> 00:50:05,565 お前のせいで パテラのことを 思い出してしまった。 650 00:50:09,506 --> 00:50:11,506 (磯崎)今の 猫パンチかな? 651 00:50:13,510 --> 00:50:18,515 ♬~ 652 00:50:18,515 --> 00:50:35,532 ♬~ 653 00:50:35,532 --> 00:50:39,536 (梅)また 眺めてらっしゃるんですか? 654 00:50:39,536 --> 00:50:43,536 祥太郎もパテラが大好きだった。 655 00:50:45,542 --> 00:50:49,546 どっちも救えなかった。 656 00:50:49,546 --> 00:50:51,546 (梅)お嬢さま…。 657 00:50:54,551 --> 00:50:59,556 祥太郎坊ちゃまは 事故だったんです。 658 00:50:59,556 --> 00:51:01,556 どうしようもなかったんですよ。 659 00:51:10,567 --> 00:51:13,570 (磯崎)《一重とは まだ 連絡 取り合ってるのか?》 660 00:51:13,570 --> 00:51:15,572 (三奈美)《そんなわけないでしょ。 あのときのことなんて➡ 661 00:51:15,572 --> 00:51:17,572 思い出したくもない》 662 00:51:27,584 --> 00:51:30,587 もしもし? 663 00:51:30,587 --> 00:51:32,589 一重か? 664 00:51:32,589 --> 00:51:34,589 どうかした…。 (通話の切れる音) 665 00:51:38,595 --> 00:51:40,597 (呼び出し音) 666 00:51:40,597 --> 00:51:42,597 (アナウンス) 留守番電話に接続します。 667 00:51:49,606 --> 00:51:51,606 また お前か。 668 00:51:53,610 --> 00:52:00,610 (山路)興味あったら 協力してくれんだよな? 669 00:52:10,560 --> 00:52:16,560 (山路)お前の叔父さんの 設楽教授が 関わってた事件だよ。 670 00:52:36,586 --> 00:52:39,586 <このドラマは FODで配信中。 詳しくは FODを検索>