1 00:00:05,005 --> 00:00:10,010 ♪~ 2 00:02:42,363 --> 00:02:47,368 ~♪ 3 00:03:22,369 --> 00:03:23,671 (語り)天正19年 4 00:03:24,705 --> 00:03:26,874 関白秀吉(ひでよし)の息子 捨(すて)は— 5 00:03:27,107 --> 00:03:29,877 鶴松(つるまつ)と名を改め 3歳となっていた 6 00:03:31,445 --> 00:03:34,949 秀吉の期待を 一身に背負った 鶴松であったが… 7 00:03:45,259 --> 00:03:49,063 (荒い息遣い) 8 00:03:49,129 --> 00:03:50,831 (石田三成(いしだみつなり)) 見舞いの者たちが後を絶たぬ 9 00:03:51,932 --> 00:03:54,468 ここぞとばかりに 殿下に取り入ろうと必死なのだ 10 00:03:56,270 --> 00:03:58,439 鶴松様へのお目通りは かなわぬが— 11 00:03:58,806 --> 00:04:01,642 それでもよいという者のみ 次の間に通せ 12 00:04:02,443 --> 00:04:03,277 (平野長泰(ひらのながやす))かしこまりました 13 00:04:05,312 --> 00:04:06,580 (真田信繁(さなだのぶしげ))ご容体は いかがですか? 14 00:04:09,283 --> 00:04:11,986 (大谷吉継(おおたによしつぐ))この者たちに隠していても しかたなかろう 15 00:04:13,921 --> 00:04:14,955 (三成)極めて よくない 16 00:04:16,256 --> 00:04:17,358 今夜が山だそうだ 17 00:04:19,360 --> 00:04:24,531 (長泰)利休(りきゅう)殿の祟(たた)りではないかと ひそかに噂(うわさ)する者がおるようで 18 00:04:26,367 --> 00:04:31,305 利休殿が あのような最期を 遂げられたので その怨念が… 19 00:04:56,930 --> 00:05:00,300 (吉継)これが何か もちろん ご存じであろうな? 20 00:05:03,404 --> 00:05:08,642 (千(せんの)利休)鉄砲玉をこさえる 鉛でございますな 21 00:05:09,476 --> 00:05:11,612 (吉継)源次郎(げんじろう)が 小田原(おだわら)城内で見つけた 22 00:05:12,846 --> 00:05:15,916 ここに そなたの刻印が打たれている 23 00:05:17,851 --> 00:05:19,019 ほんまでんな 24 00:05:19,319 --> 00:05:23,190 これを北条(ほうじょう)に売りつけたとなると ゆゆしき事じゃ 25 00:05:23,824 --> 00:05:27,661 小田原城の蔵の中には これが山ほど積まれておりました 26 00:05:29,196 --> 00:05:30,731 あんさんの話を— 27 00:05:32,199 --> 00:05:38,238 どれだけ 殿下が お信じになりはるか でんなあ 28 00:05:39,473 --> 00:05:42,409 (吉継)殿下は 利休の事を信じておられます 29 00:05:43,110 --> 00:05:47,014 我らが何を申し上げようと 恐らく 聞く耳を持たれません 30 00:05:49,249 --> 00:05:50,517 (豊臣秀長(とよとみひでなが))まことに これが— 31 00:05:52,519 --> 00:05:54,755 小田原城の蔵の中にあったのだな 32 00:05:55,622 --> 00:05:56,290 はい 33 00:05:56,457 --> 00:06:00,861 利休は 敵味方構わず 鉄砲や玉薬(たまぐすり)を売っていたのです 34 00:06:01,729 --> 00:06:02,696 大納言様 35 00:06:05,032 --> 00:06:09,536 どうやら これが 最後のご奉公になりそうだ 36 00:06:10,370 --> 00:06:11,138 (豊臣秀吉)利休が? 37 00:06:12,539 --> 00:06:15,209 (秀長)あの者は 茶人であると同時に— 38 00:06:15,943 --> 00:06:17,611 堺(さかい)の商人(あきんど)なのです 39 00:06:18,278 --> 00:06:19,513 (秀吉)そんな事は 承知しておる 40 00:06:20,247 --> 00:06:24,852 堺衆に利があると見れば 北条と取り引きをする事も厭(いと)わぬ 41 00:06:26,520 --> 00:06:28,722 志を同じくする者と信じては— 42 00:06:29,590 --> 00:06:31,925 利休を見誤ります 43 00:06:34,762 --> 00:06:37,798 利休は 力を持ち過ぎました 44 00:06:46,206 --> 00:06:48,709 (秀吉)ひとまず 預からせてくれ 45 00:06:51,445 --> 00:06:52,379 兄上は! 46 00:06:53,313 --> 00:06:55,382 あと何年 生きられるおつもりですか? 47 00:07:00,521 --> 00:07:01,355 何だ? いきなり 48 00:07:07,027 --> 00:07:11,365 もちろん 兄上が いなくなっても 私がいれば— 49 00:07:12,299 --> 00:07:15,736 鶴松様を お守りして なんとか やっていけるでしょう 50 00:07:18,071 --> 00:07:22,209 気がかりなのは 兄上も私も いなくなった時— 51 00:07:23,343 --> 00:07:26,580 誰が 鶴松様をお支えしていくか 52 00:07:28,248 --> 00:07:28,916 ああ 53 00:07:33,287 --> 00:07:39,126 力のある大名たちが 皆で 鶴松様をお守りしていく 54 00:07:40,661 --> 00:07:41,495 これしかありません 55 00:07:44,164 --> 00:07:46,233 今後は くれぐれも— 56 00:07:46,867 --> 00:07:49,670 誰か一人に 力が集まるような事が あってはなりませぬ 57 00:07:55,342 --> 00:07:56,643 鶴松様のため! 58 00:07:58,378 --> 00:07:59,613 豊臣家のため! 59 00:08:17,798 --> 00:08:22,402 (語り)秀吉を支え続けた 大和(やまと)大納言 豊臣秀長は— 60 00:08:22,803 --> 00:08:25,672 天正19年1月22日— 61 00:08:26,240 --> 00:08:30,043 秀吉を残して 52歳で この世を去った 62 00:08:33,513 --> 00:08:38,418 (吉継)では 鶴松様のお亡骸(なきがら)は まず 聚楽第(じゅらくてい)に お移しして— 63 00:08:38,919 --> 00:08:41,054 ご葬儀は 妙心寺(みょうしんじ)という事で よろしいな 64 00:08:42,556 --> 00:08:46,493 (三成)その話は 早くはないか 鶴松様は まだ… 65 00:08:46,560 --> 00:08:47,995 明日の朝までは もたぬ 66 00:08:49,830 --> 00:08:51,632 今のうちに 手を打っておくべきだろう 67 00:08:54,968 --> 00:08:56,069 誰かを使いに行かせる 68 00:09:07,714 --> 00:09:08,882 (僧侶) これでございますが 69 00:09:10,183 --> 00:09:13,320 (三成)これは 利休を かたどったものだ 70 00:09:14,421 --> 00:09:17,291 あの者が ここに飾るように言ったのか? 71 00:09:18,258 --> 00:09:21,628 正直 持て余しておるのでございます 72 00:09:27,868 --> 00:09:31,538 (吉継)追い落とせるなら 多少 手荒な事をしても構わぬな? 73 00:09:34,908 --> 00:09:36,109 それを聞いておきたかった 74 00:09:38,879 --> 00:09:43,350 (三成)私とて きれい事だけでは 生きていけぬ事ぐらい知っておる 75 00:09:43,717 --> 00:09:47,587 (吉継)いや 本当に手を汚すとは どういう事か— 76 00:09:48,588 --> 00:09:49,690 まだ分かっておらぬ 77 00:09:51,959 --> 00:09:55,662 利休は おのが姿に似せた木像を作り— 78 00:09:56,396 --> 00:09:58,799 それを 大徳寺(だいとくじ)の山門に飾らせました 79 00:10:00,267 --> 00:10:00,934 だから? 80 00:10:01,702 --> 00:10:04,738 木像があるのは 山門の真上でございます 81 00:10:05,472 --> 00:10:08,408 つまり 殿下が山門をくぐる時— 82 00:10:09,309 --> 00:10:12,446 知らぬ間に 利休の足の下を 通っていた事になりまする 83 00:10:14,548 --> 00:10:15,816 利休が置かせたのか? 84 00:10:16,450 --> 00:10:20,721 (吉継)全て あの者の仕組んだ事 決して許してはなりませぬ 85 00:10:23,156 --> 00:10:23,824 (秀吉)どうすればいい? 86 00:10:24,958 --> 00:10:28,261 堺の屋敷に蟄居(ちっきょ)させるのが よろしいかと 87 00:10:33,700 --> 00:10:34,668 よきようにせよ 88 00:10:36,436 --> 00:10:40,140 (三成)千 利休 その方の振る舞い許し難く— 89 00:10:40,907 --> 00:10:46,113 よって 本日をもって 京から追放 堺にて 蟄居を命じる 90 00:10:46,747 --> 00:10:49,883 そら ご無体とちゃいますか 91 00:10:53,553 --> 00:10:54,654 そや 92 00:10:55,689 --> 00:11:01,795 これは 鶴松様ご病気の平癒を 93 00:11:02,796 --> 00:11:07,034 念じましての献上金でございます 94 00:11:09,102 --> 00:11:13,940 ありがたく頂戴するが それと これとは 話が別 95 00:11:14,207 --> 00:11:16,143 殿下のお達しは まだある 96 00:11:16,676 --> 00:11:18,545 まだ ございますか? 97 00:11:19,146 --> 00:11:22,049 おぬしには 蟄居半月の後— 98 00:11:23,216 --> 00:11:24,851 切腹を申しつける 99 00:11:26,987 --> 00:11:30,590 使者が着くまで 堺の屋敷からは出てはならん 100 00:11:31,858 --> 00:11:34,327 源次郎 そなたは 利休を見張っておれ 101 00:11:35,896 --> 00:11:36,663 かしこまりました 102 00:11:39,599 --> 00:11:41,635 という事でしたら… 103 00:11:44,471 --> 00:11:46,973 引き取らせて頂きます 104 00:11:49,476 --> 00:11:54,881 世の中を動かす事に 使(つこ)うてこその金(かね)や 105 00:11:57,317 --> 00:11:58,618 無駄にしたら— 106 00:12:01,588 --> 00:12:03,990 罰が当たりますさかいに 107 00:12:11,098 --> 00:12:12,699 (吉継)利休の事は忘れろ 108 00:12:14,434 --> 00:12:15,869 祟りなど あるはずがない 109 00:12:17,170 --> 00:12:20,874 もし あるならば 真っ先に祟られるのは— 110 00:12:21,875 --> 00:12:22,642 このわしだ 111 00:12:25,245 --> 00:12:27,514 このとおり 何事もない 112 00:12:31,551 --> 00:12:36,690 (利休)表に 3,000人の兵がおるそうやな 113 00:12:41,361 --> 00:12:42,896 わて一人のために 114 00:12:43,497 --> 00:12:48,101 私には 北条の一件 いまだ信じられませぬ 115 00:12:51,738 --> 00:12:56,810 (利休)わては 商人の街に生まれ— 116 00:12:58,778 --> 00:13:00,780 金が人の心を— 117 00:13:01,748 --> 00:13:06,553 そして 国を動かす事を学びました 118 00:13:07,120 --> 00:13:09,156 そして 知ったんや 119 00:13:10,724 --> 00:13:13,493 戦は もうかりまっせ 120 00:13:17,697 --> 00:13:18,999 しかし… 121 00:13:20,333 --> 00:13:22,903 人の心を 命を— 122 00:13:25,272 --> 00:13:27,107 金で操るは— 123 00:13:28,875 --> 00:13:31,678 業の深~い事や 124 00:13:34,114 --> 00:13:36,850 それゆえ わては 茶をたてる 125 00:13:38,885 --> 00:13:43,957 ここまで 茶の道を 極める事ができたのも— 126 00:13:44,624 --> 00:13:47,194 それだけ わての業が— 127 00:13:49,296 --> 00:13:51,298 深~いゆえ 128 00:13:56,603 --> 00:14:01,174 どうぞ 利休の業がたてた茶… 129 00:14:07,681 --> 00:14:09,416 味おうて下され 130 00:14:53,827 --> 00:14:54,761 お見事 131 00:14:56,329 --> 00:14:59,099 利休様 一つだけ教えて下さい 132 00:15:01,568 --> 00:15:04,337 何ゆえ あのような像を こしらえたのですか? 133 00:15:07,574 --> 00:15:14,314 あれで 足 すくわれましたな 134 00:15:15,715 --> 00:15:17,651 ひと言で言えば… 135 00:15:23,223 --> 00:15:24,858 宿命(さだめ)や 136 00:15:25,925 --> 00:15:26,626 宿命? 137 00:15:27,727 --> 00:15:30,063 (利休)フッフッフッフッ… 138 00:15:32,165 --> 00:15:37,737 ハハハハハ… ハハハハ… 139 00:15:41,074 --> 00:15:43,510 (信繁)失礼致します (襖(ふすま)が開く音) 140 00:15:43,576 --> 00:15:46,012 (真田昌幸(まさゆき))おっ! これは これは 片桐(かたぎり)殿 141 00:15:46,279 --> 00:15:47,314 (片桐且元(かつもと))安房守(あわのかみ)殿 142 00:15:50,317 --> 00:15:53,620 わざわざのお見舞い ご苦労に存じまする 143 00:15:53,687 --> 00:15:58,925 (昌幸)いえいえ …で 鶴松様のお加減は? 144 00:16:00,160 --> 00:16:02,662 (且元)今のところ ご平穏でござる 145 00:16:02,729 --> 00:16:04,431 ああ それは 何より 146 00:16:04,898 --> 00:16:06,800 (薫(かおる))胸をなで下ろしました 147 00:16:06,866 --> 00:16:11,738 (昌幸)実は 片桐殿 妻の薫は公家の出でござってな— 148 00:16:12,639 --> 00:16:13,740 そのつてで— 149 00:16:15,008 --> 00:16:19,612 明国(みんこく)より 効き目あらたかな薬草を 手に入れ申した 150 00:16:20,780 --> 00:16:23,149 是非とも 鶴松様に 151 00:16:24,084 --> 00:16:25,418 (且元)これは かたじけない 152 00:16:25,685 --> 00:16:29,322 煎じ方が難しいのですけれど 一緒に参りましょうか 153 00:16:30,690 --> 00:16:32,792 どなたか ご家来にさせないのですか? 154 00:16:33,526 --> 00:16:36,029 (且元)鶴松様のお口に 入るものでござる 155 00:16:37,664 --> 00:16:40,567 この片桐且元が自ら致さねば 156 00:16:41,935 --> 00:16:42,802 まずは 何を? 157 00:16:43,803 --> 00:16:44,804 表の様子は どうじゃ? 158 00:16:45,305 --> 00:16:48,742 (出浦昌相(いでうらまさすけ))続々と 大名たちが集まってきている 159 00:16:50,043 --> 00:16:51,678 (昌幸)慌ただしくなってきたな 160 00:16:54,047 --> 00:16:56,649 で 実のところは どうなのじゃ? 161 00:16:58,284 --> 00:16:59,486 鶴松様のご様子は 162 00:17:00,954 --> 00:17:04,557 お許しを 石田様が 申してはならぬと 163 00:17:04,624 --> 00:17:06,292 (昌幸)ちょっとくらい いいではないか 164 00:17:07,060 --> 00:17:07,761 そればかりは 165 00:17:08,161 --> 00:17:12,098 (昌相)口が堅くなくては 殿下のお側衆(そばしゅう)は務まらん 166 00:17:12,932 --> 00:17:13,733 (信繁)申し訳ありません 167 00:17:13,933 --> 00:17:14,901 誰にも言わんから 168 00:17:14,968 --> 00:17:15,635 父上! 169 00:17:16,436 --> 00:17:17,237 佐助(さすけ) 170 00:17:20,306 --> 00:17:21,141 (信繁)来ておったのか 171 00:17:22,409 --> 00:17:25,512 (昌相)鶴松の容体 探ってまいれ 172 00:17:26,346 --> 00:17:27,013 (佐助)はっ 173 00:17:29,048 --> 00:17:30,583 (昌幸)まあ これぐらいは許せ 174 00:17:33,086 --> 00:17:33,753 (語り)さて 175 00:17:33,987 --> 00:17:36,222 沼田(ぬまた)城主となった 真田信幸(のぶゆき)は 176 00:17:36,823 --> 00:17:38,925 2万7000石の 大名として 177 00:17:39,058 --> 00:17:40,960 領地の経営に 追われている 178 00:17:42,328 --> 00:17:44,564 (信幸) この沼田城の城主は 私です 179 00:17:45,498 --> 00:17:46,433 (矢沢頼綱(やざわよりつな))分かっておる 180 00:17:47,467 --> 00:17:52,205 ならば 私の申す事を 守って頂かなくては困ります 181 00:17:52,672 --> 00:17:55,542 (頼綱) 不行き届きでもあったかな? 182 00:17:57,811 --> 00:18:00,413 (信幸)勝手に濠(ほり)を 広げられたそうではないですか 183 00:18:01,514 --> 00:18:05,118 そのような事は あらかじめ 知らせて頂かないと 184 00:18:07,253 --> 00:18:10,824 今は 城の守りを固めるより する事があるのです! 185 00:18:15,795 --> 00:18:17,864 その金と暇(いとま)があるなら— 186 00:18:19,833 --> 00:18:21,868 私は 領民のために使いたい! 187 00:18:23,303 --> 00:18:25,839 (扉が閉まる音) 188 00:18:27,106 --> 00:18:31,711 (たたく音) (信幸)大叔父上! 大叔父上! 189 00:18:36,749 --> 00:18:39,352 大叔父上にも困ったものだ 190 00:18:43,857 --> 00:18:44,624 一緒に飲むか? 191 00:18:44,757 --> 00:18:45,592 (稲(いな))結構です 192 00:18:47,894 --> 00:18:51,064 明日 名胡桃(なぐるみ)まで 足を のばしてみないか? 193 00:18:51,764 --> 00:18:53,766 そろそろ 紅葉が色づく頃じゃ 194 00:18:54,567 --> 00:18:55,401 結構です 195 00:18:59,138 --> 00:19:00,573 不思議なものだな 196 00:19:01,975 --> 00:19:06,379 おぬしの仏頂面も 近頃は 愛くるしく思えてきた 197 00:19:15,955 --> 00:19:17,123 人を呼びますよ 198 00:19:18,625 --> 00:19:20,126 夫婦(めおと)ではないか 199 00:19:30,303 --> 00:19:34,207 無性に おぬしの笑った顔が 見とうなった 200 00:19:36,009 --> 00:19:39,178 どうか 笑ってみてはもらえぬか? 201 00:19:41,114 --> 00:19:43,182 笑える事がなければ 笑えませぬ 202 00:19:50,156 --> 00:19:52,191 こしょこしょ こしょこしょ こしょこしょ 203 00:19:54,360 --> 00:19:57,196 こしょこしょ こしょこしょこしょ こしょこしょ こしょ… 204 00:20:07,173 --> 00:20:10,043 (こう)あっ 旦那様! (障子が閉まる音) 205 00:20:18,051 --> 00:20:18,718 (信幸)おこう… 206 00:20:21,988 --> 00:20:22,655 あ… 207 00:20:23,823 --> 00:20:26,025 (語り) 一方 ここ 上田(うえだ)城では… 208 00:20:27,427 --> 00:20:31,297 (とり)こうして また お前たち2人に会えて— 209 00:20:32,298 --> 00:20:34,334 夢のようじゃ 210 00:20:36,469 --> 00:20:38,237 (小山田茂誠(おやまだしげまさ))私も夢のようでございます 211 00:20:40,073 --> 00:20:41,107 松(まつ)! 212 00:20:57,557 --> 00:20:58,725 (松)茂誠様! 213 00:20:59,459 --> 00:21:00,126 うんうん! 214 00:21:01,794 --> 00:21:04,464 (2人)ああ~! 215 00:21:04,530 --> 00:21:08,167 (松)不思議なもので 茂誠様のお顔を見たら— 216 00:21:09,469 --> 00:21:12,538 昔の事が 全て よみがえってきたのです 217 00:21:14,073 --> 00:21:16,676 そういう事もあるのだねえ 218 00:21:21,114 --> 00:21:23,549 松… あの事を 219 00:21:27,053 --> 00:21:32,759 ばば様 実は 私たち 岩櫃(いわびつ)へ参る事になったんです 220 00:21:33,159 --> 00:21:34,327 岩櫃へ? 221 00:21:35,628 --> 00:21:40,266 (高梨内記(たかなしないき))岩櫃は 源三郎様のおられる 沼田に次いで— 222 00:21:40,933 --> 00:21:42,502 我が真田には 大事な城 223 00:21:43,069 --> 00:21:46,572 (内記)娘婿の茂誠様が お守りするのが 一番だと— 224 00:21:47,373 --> 00:21:49,308 殿が お決めになられたのです 225 00:21:49,642 --> 00:21:52,645 せっかく ばば様に また お会いできたのに— 226 00:21:53,346 --> 00:21:56,149 ここを離れるのは 心苦しいのですが 227 00:22:03,456 --> 00:22:08,928 これからも 真田のために 存分に働いて下され 228 00:22:12,899 --> 00:22:17,937 たとえ 住む所は違っても 心は 常に一つ 229 00:22:19,472 --> 00:22:22,108 一家とは そういうものです 230 00:22:24,644 --> 00:22:25,378 はい 231 00:22:27,113 --> 00:22:33,419 おとり様は この高梨内記が 命に代えても お守り致します 232 00:22:49,335 --> 00:22:51,971 (長泰)俺 夜になると 目が かすんでくるんだ 233 00:22:54,507 --> 00:22:56,509 ここ 任せてもよいかな? (扉が開く音) 234 00:22:59,245 --> 00:23:04,350 (長泰)中納言様! 夜中(やちゅう)のお渡り かたじけなき限りでございます 235 00:23:08,054 --> 00:23:09,122 (豊臣秀次(ひでつぐ))どんなご様子だ? 236 00:23:09,222 --> 00:23:11,924 今は 少し 落ち着いていらっしゃいます 237 00:23:13,326 --> 00:23:14,293 (長泰)ご案内つかまつる 238 00:23:19,065 --> 00:23:21,701 (きり)北政所(きたのまんどころ)様のお申しつけで これを 239 00:23:22,168 --> 00:23:22,969 (でんでん太鼓の音) 240 00:23:26,606 --> 00:23:27,840 (きり)お持ち致しました! 241 00:23:28,441 --> 00:23:30,543 (寧(ねい))わざわざ すまん事でしたね 242 00:23:31,644 --> 00:23:36,449 (寧)お捨が これを気に入って よう遊んどったもんで 243 00:23:37,350 --> 00:23:38,818 喜ばれると存じます 244 00:23:41,854 --> 00:23:42,789 北政所様 245 00:23:44,123 --> 00:23:44,791 はい? 246 00:23:45,258 --> 00:23:48,427 (信繁)例の落首(らくしゅ)の一件を考えると 心配でなりませぬ 247 00:23:51,030 --> 00:23:54,634 ここだけの話 鶴松様に もしもの事があったら— 248 00:23:55,001 --> 00:23:57,036 立ち会った医者たちに どんな災いが… 249 00:23:57,937 --> 00:23:59,405 (寧)それは 大丈夫(でゃーじょうぶ) 250 00:24:00,339 --> 00:24:02,141 お捨が病がちになったのは— 251 00:24:02,441 --> 00:24:05,478 あんたが罪のない人たちを 苦しめたからやって— 252 00:24:06,045 --> 00:24:07,346 きつう言うといたで 253 00:24:17,256 --> 00:24:18,524 うちは部屋におるで— 254 00:24:18,825 --> 00:24:20,359 何かあったら 呼んでちょうでゃあせ 255 00:24:20,927 --> 00:24:21,894 (きり)かしこまりました 256 00:24:30,403 --> 00:24:33,172 (大蔵卿局(おおくらきょうのつぼね))何かあったらなどと 縁起でもない 257 00:24:33,439 --> 00:24:34,607 特に含みはないかと 258 00:24:34,674 --> 00:24:35,408 (大蔵卿局)源次郎殿 259 00:24:36,509 --> 00:24:40,279 此度(こたび)の事 利休殿の祟りと 言われてるとかいないとか 260 00:24:40,346 --> 00:24:41,214 それは ないでしょう 261 00:24:41,280 --> 00:24:43,349 (大蔵卿局)姫様も心配されていました 262 00:24:44,784 --> 00:24:49,755 あの方の死に ご自分も いささか 関わっておられましたから 263 00:24:50,790 --> 00:24:51,791 茶々(ちゃちゃ)様がですか? 264 00:24:54,160 --> 00:24:55,695 (大蔵卿局)姫様は ここのところ— 265 00:24:56,429 --> 00:24:59,465 利休殿を 父親のように慕(しと)うておりました 266 00:25:00,800 --> 00:25:02,435 (利休)お持ち下さいませ 267 00:25:03,903 --> 00:25:05,104 (茶々)私は… 268 00:25:05,471 --> 00:25:10,676 あんさんが欲しいと言うから わざわざ作ってもろたんです 269 00:25:12,812 --> 00:25:15,982 私が欲しかったのは もう少し小さめのものです 270 00:25:16,382 --> 00:25:18,584 お茶をたてる時に そばに置いておこうと思って 271 00:25:22,555 --> 00:25:28,761 実は 注文の時 寸法を間違えましてな 272 00:25:30,229 --> 00:25:33,165 お気持ちだけ ありがたく頂戴します 273 00:25:33,466 --> 00:25:37,470 (利休)けど 捨てるのも不憫(ふびん)やし— 274 00:25:38,371 --> 00:25:39,839 どうしたもんか… 275 00:25:40,940 --> 00:25:41,607 (茶々)ふむ… 276 00:25:45,244 --> 00:25:49,181 そういえば 最近 きれいな山門の修繕に— 277 00:25:49,448 --> 00:25:51,450 利休様が 随分 寄進されましたね 278 00:25:52,551 --> 00:25:54,420 大徳寺の事でっか 279 00:25:54,987 --> 00:25:58,791 そうそう あのお寺に 預かってもらえばよいのでは? 280 00:25:59,292 --> 00:26:01,794 お世話したのですから きっと 大事にしてくれましょう 281 00:26:09,402 --> 00:26:10,803 これで つながりました 282 00:26:11,504 --> 00:26:14,540 (大蔵卿局)祟りでなければ よいのですが 283 00:26:22,715 --> 00:26:26,852 私 お茶々様が怖い 皆を不幸にしている 284 00:26:26,919 --> 00:26:28,688 悪気はないんだ あの方には 285 00:26:28,988 --> 00:26:30,623 だから 余計怖いの 286 00:26:35,394 --> 00:26:36,829 (薫)そろそろ よろしいかと 287 00:26:37,296 --> 00:26:38,497 (且元)だいぶ 煮えてきましたな 288 00:26:38,831 --> 00:26:40,266 これを ざるで漉(こ)します 289 00:26:40,333 --> 00:26:41,534 下がっていて下され 290 00:26:42,501 --> 00:26:43,169 よっ! 291 00:26:53,879 --> 00:26:55,348 このようになりましたが 292 00:26:55,414 --> 00:26:57,616 (薫)ああ よい具合ですね 293 00:26:59,652 --> 00:27:00,319 次は? 294 00:27:00,619 --> 00:27:02,655 煎じた汁を冷まします 295 00:27:05,191 --> 00:27:05,858 ん? 296 00:27:11,564 --> 00:27:13,032 流してしまいました 297 00:27:16,369 --> 00:27:17,870 そっちでしたか… 298 00:27:18,371 --> 00:27:24,143 (汁が垂れる音) 299 00:27:29,048 --> 00:27:30,349 まだ これがある! 300 00:27:31,550 --> 00:27:37,189 まず 東福寺(とうふくじ)にて 夜を明かし そこから 妙心寺へと お亡骸を 301 00:27:37,923 --> 00:27:38,591 (加藤清正(かとうきよまさ))入るぞ 302 00:27:42,328 --> 00:27:43,629 (三成)こっちに帰っておったのか 303 00:27:43,963 --> 00:27:45,731 (清正)知らせを聞いて 肥後(ひご)から飛んできた 304 00:27:45,798 --> 00:27:47,099 (福島正則(ふくしままさのり))鶴松様のご様子は? 305 00:27:47,533 --> 00:27:48,734 わしらにも分からぬ 306 00:27:49,835 --> 00:27:52,338 (吉継)すぐに どうこうという訳では なさそうだ 307 00:27:53,005 --> 00:27:53,806 安心されよ 308 00:27:55,574 --> 00:27:56,242 (清正)参るぞ 309 00:27:56,709 --> 00:27:57,376 (正則)おう 310 00:27:57,610 --> 00:27:59,545 (清正)佐吉(さきち) つきあえ 311 00:28:00,613 --> 00:28:01,280 (三成)どこへ? 312 00:28:01,847 --> 00:28:03,449 わしらにできる事をするのだ 313 00:28:04,316 --> 00:28:05,484 願かけで水ごりをする 314 00:28:09,021 --> 00:28:09,688 断る 315 00:28:12,058 --> 00:28:13,592 誘ったのが 間違いだった 316 00:28:18,998 --> 00:28:20,199 (乱暴に障子を閉める音) 317 00:28:29,308 --> 00:28:30,142 徳川(とくがわ)様! 318 00:28:33,979 --> 00:28:37,650 (本多正信(ほんだまさのぶ))お付きの皆様も さぞ お疲れと思いまして— 319 00:28:38,350 --> 00:28:41,620 お夜食を 馳走(ちそう)致したいと存じました 320 00:28:58,270 --> 00:29:04,910 (長泰)おお~ これは 痛み入りまする 321 00:29:08,714 --> 00:29:13,018 (徳川家康(いえやす))一体 秀吉は いくつ 城を持つつもりなのじゃ 322 00:29:18,591 --> 00:29:23,095 (正信)淀(よど)城にちなんで 茶々様の事を— 323 00:29:23,929 --> 00:29:28,634 淀殿といわれる方も おられるとか 324 00:29:29,635 --> 00:29:31,370 (家康)淀殿… 325 00:29:32,671 --> 00:29:35,141 茶々様も言いにくいが— 326 00:29:36,342 --> 00:29:39,011 淀殿も舌を噛(か)みそうだな 327 00:29:49,788 --> 00:29:50,556 佐吉… 328 00:30:11,677 --> 00:30:12,912 こやつめが… 329 00:30:27,793 --> 00:30:28,561 (宇喜多(うきた)秀家(ひでいえ)) 助かる見込みは 330 00:30:28,627 --> 00:30:29,295 ないのか? 331 00:30:30,729 --> 00:30:33,299 明日の朝まで もつかどうか 332 00:30:34,266 --> 00:30:35,434 (秀次)そんなに早くか? 333 00:30:36,769 --> 00:30:38,237 それゆえ 今宵(こよい)のうちに— 334 00:30:39,238 --> 00:30:41,340 御一門の皆様に お集まり頂きました 335 00:30:41,740 --> 00:30:44,376 (すすり泣き) 336 00:30:44,443 --> 00:30:45,311 (秀家) 泣いてはならん! 337 00:30:47,012 --> 00:30:50,416 殿下のお悲しみは 尋常ではございませぬ 338 00:30:52,518 --> 00:30:54,053 中納言様におかれましては— 339 00:30:54,954 --> 00:30:57,990 これまで以上に 殿下の 支えになって頂きとうございます 340 00:30:59,425 --> 00:31:00,226 承知した 341 00:31:02,127 --> 00:31:05,464 (三成)方々には 中納言様をお助けし 342 00:31:06,899 --> 00:31:08,267 豊臣家の繁栄に 343 00:31:09,101 --> 00:31:10,669 お尽くし頂きとう ございます 344 00:31:12,338 --> 00:31:13,105 心得た! 345 00:31:13,539 --> 00:31:16,675 (三成) 何とぞ よろしくお願い致します 346 00:31:20,179 --> 00:31:22,214 (荒い息遣い) 347 00:31:27,653 --> 00:31:30,022 (昌幸) 秀吉は 今年で いくつじゃ? 348 00:31:30,823 --> 00:31:32,758 確か 55になられたかと 349 00:31:34,193 --> 00:31:36,395 もう 子はできまいな 350 00:31:36,996 --> 00:31:38,764 鶴松の死が— 351 00:31:39,465 --> 00:31:42,701 どれだけの意味を持つか 分かるか? 352 00:31:43,369 --> 00:31:49,208 跡継ぎがいる事で これからも 豊臣の世が続くと— 353 00:31:49,775 --> 00:31:52,011 誰もが思っておった 354 00:31:52,077 --> 00:31:56,749 (昌幸)ところが 鶴松が死ぬ事で 流れが変わった 355 00:31:59,151 --> 00:32:06,058 ひょっとしたら 豊臣は 秀吉一代で終わるのではないか 356 00:32:07,393 --> 00:32:09,128 人は そう思い始める 357 00:32:11,063 --> 00:32:12,698 (家康)見方によっては— 358 00:32:13,465 --> 00:32:17,303 鶴松が生まれる前に 戻っただけとも言える 359 00:32:19,004 --> 00:32:22,341 しかし 本当に そうか 360 00:32:27,813 --> 00:32:32,217 秀吉は 年々 老いている 361 00:32:33,619 --> 00:32:39,458 今のところ 後を継ぐのは 近江(おうみ)中納言秀次 362 00:32:42,461 --> 00:32:46,031 決して 愚鈍な男ではなさそうだが… 363 00:32:46,565 --> 00:32:51,103 秀吉に比べれば ひ弱に過ぎる 364 00:32:52,538 --> 00:32:55,040 さぞ 荷が重い事であろう 365 00:32:55,641 --> 00:33:00,679 わしの読みどおりになりそうだ 豊臣の世は… 366 00:33:01,246 --> 00:33:04,083 そう長くは続かぬぞ 367 00:33:07,953 --> 00:33:10,556 もう 間もなくじゃ 368 00:33:16,895 --> 00:33:18,130 これから忙しくなる 369 00:33:19,898 --> 00:33:23,369 殿下をお支えするのは 私だ 370 00:33:25,304 --> 00:33:27,539 いずれ 叔父上の跡を継いで 関白になる 371 00:33:29,108 --> 00:33:30,376 そう遠い先ではない 372 00:33:33,912 --> 00:33:34,580 きり 373 00:33:36,148 --> 00:33:36,815 はい 374 00:33:39,985 --> 00:33:44,223 この先ずっと 私のそばにいてはくれぬか? 375 00:33:46,258 --> 00:33:46,925 え…? 376 00:33:47,559 --> 00:33:48,861 私は 殿下を支え— 377 00:33:50,429 --> 00:33:53,465 豊臣家を支え この国を支える 378 00:33:55,134 --> 00:33:58,337 その私を 支えてくれ 379 00:34:05,611 --> 00:34:08,313 このような場で お話しすべき事では… 380 00:34:09,581 --> 00:34:13,752 私が関白になった時 いま一度 尋ねる 381 00:34:20,626 --> 00:34:23,896 お気持ち うれしゅうございました 382 00:34:30,102 --> 00:34:31,603 (昌幸)お~ 出来たか 383 00:34:32,404 --> 00:34:33,071 はい 384 00:34:35,941 --> 00:34:38,210 (且元)あっ! (噛む音) 385 00:34:38,911 --> 00:34:40,813 (昌幸)うむ 苦くない 386 00:34:41,480 --> 00:34:44,116 これなら 鶴松様も お口に入れて下さるだろう 387 00:34:45,184 --> 00:34:49,588 (薫)殿… 今 食べたのが全てでございます 388 00:34:49,721 --> 00:34:50,389 えっ? 389 00:34:51,156 --> 00:34:52,558 (薫)いろいろございまして 390 00:34:54,860 --> 00:34:56,261 わしが元気になって どうするんじゃ! 391 00:34:58,363 --> 00:35:00,966 手に入り次第 改めて参りましょう 392 00:35:08,140 --> 00:35:08,907 帰るか 393 00:35:09,475 --> 00:35:11,543 (正信)殿下には お会いにならぬので? 394 00:35:12,211 --> 00:35:15,781 見舞いに来た事 それが伝われば 十分じゃ 395 00:35:19,618 --> 00:35:20,786 これは 徳川殿 396 00:35:21,920 --> 00:35:22,788 (家康)お~ 397 00:35:23,822 --> 00:35:25,090 (昌幸)お見えでございましたか 398 00:35:26,258 --> 00:35:30,562 なんとか 持ちこたえて下さると よろしいが 399 00:35:32,097 --> 00:35:35,934 必ず ご全快されると 信じております 400 00:35:36,568 --> 00:35:39,938 わしらには 祈る事しかできん 401 00:35:41,306 --> 00:35:42,641 さようですな 402 00:35:43,408 --> 00:35:44,142 ああ 403 00:35:47,045 --> 00:35:51,750 (語り)その日の夜遅く 鶴松の容体が急変した 404 00:35:58,790 --> 00:36:00,792 (立ち上がる音) 405 00:36:12,871 --> 00:36:13,972 (信繁)この場は お願いします 406 00:36:39,965 --> 00:36:40,732 教えてくれ 407 00:36:43,502 --> 00:36:48,707 鶴松は 何のために生を受け 何のために死んでいくんじゃ 408 00:36:52,678 --> 00:36:56,481 もっと もっと いい衣を着せ— 409 00:36:58,417 --> 00:36:59,851 おいしいものを食べさせ— 410 00:37:01,420 --> 00:37:03,455 楽しい思いを させてやるつもりでいた 411 00:37:03,522 --> 00:37:04,189 殿下 412 00:37:09,161 --> 00:37:13,131 よくない事を口にすると そのとおりになると申します 413 00:37:14,232 --> 00:37:17,102 今は よい事だけを考えましょう 414 00:37:21,039 --> 00:37:25,310 鶴松様は 元服されると 何という御名(おな)になるのですか? 415 00:37:31,283 --> 00:37:33,485 まだ考えておらぬ 416 00:37:34,886 --> 00:37:36,722 やはり 藤吉郎(とうきちろう)でございますか? 417 00:37:38,690 --> 00:37:39,458 そうするか 418 00:37:42,160 --> 00:37:43,595 奥方は どうされるのです? 419 00:37:50,168 --> 00:37:55,607 秀次に娘がおる あれと一緒にさせよう 420 00:37:56,274 --> 00:37:57,342 よきお考えです 421 00:38:01,546 --> 00:38:05,817 ゆくゆくは 鶴松は 関白となり— 422 00:38:07,319 --> 00:38:08,687 そして この国を治める 423 00:38:11,323 --> 00:38:12,991 (信繁)殿下は どうされるのです? 424 00:38:19,698 --> 00:38:24,436 海を渡って 明国でも攻め下すか 425 00:38:30,609 --> 00:38:32,911 (足音) 426 00:38:32,978 --> 00:38:35,480 (且元)殿下! すぐに お戻り下さい! 427 00:38:54,132 --> 00:38:59,538 (すすり泣き) 428 00:39:09,181 --> 00:39:12,117 (語り)天正19年8月5日未明 429 00:39:13,051 --> 00:39:17,222 鶴松は 2年2か月の短い一生を終えた 430 00:39:37,275 --> 00:39:39,511 (障子が閉まる音) 431 00:39:52,057 --> 00:39:55,460 (でんでん太鼓の音) 432 00:39:57,863 --> 00:39:59,798 (でんでん太鼓の音) 433 00:40:07,706 --> 00:40:10,742 (でんでん太鼓の音) 434 00:40:29,795 --> 00:40:32,430 (信繁)鶴松様のおそばに いてさしあげなくて— 435 00:40:33,598 --> 00:40:34,466 よろしいのですか? 436 00:40:42,340 --> 00:40:43,275 (茶々)だって… 437 00:40:45,210 --> 00:40:46,912 死んでしまったんですもの 438 00:40:49,748 --> 00:40:52,017 横にいたって しかたがないでしょう 439 00:41:02,360 --> 00:41:03,395 皆 死んでしまう 440 00:41:06,264 --> 00:41:08,366 私の大切な人たち… 441 00:41:57,349 --> 00:42:03,955 (泣き声) 442 00:42:09,461 --> 00:42:11,096 ああ~! 443 00:42:12,964 --> 00:42:18,336 (泣き声) 444 00:42:28,380 --> 00:42:32,417 (語り)鶴松の死は 豊臣家に大きな影を落とした 445 00:42:34,719 --> 00:42:39,591 だが それは 更なる悲劇の序章にすぎない 446 00:42:43,295 --> 00:42:47,032 (秀吉)朝鮮と明を従えて わしは 大王になるぞ~ 447 00:42:47,098 --> 00:42:48,199 (清正)お待たせ致した! 448 00:42:49,968 --> 00:42:51,503 (信繁)刑部(ぎょうぶ)様のご息女ですか? 449 00:42:51,870 --> 00:42:52,938 春(はる)と申します 450 00:42:53,805 --> 00:42:56,207 (昌幸)これも戦じゃ! 真田ここにありと— 451 00:42:56,274 --> 00:42:58,476 居並ぶ大名たちに 見せつけてやるのよ! 452 00:42:58,610 --> 00:43:00,779 見ておるぞ ばばは 453 00:43:01,279 --> 00:43:02,714 怠るな