1 00:00:04,972 --> 00:00:09,977 ♪~ 2 00:02:42,396 --> 00:02:47,401 ~♪ 3 00:03:06,854 --> 00:03:09,857 (語り)真田信繁(さなだのぶしげ)は 秀吉(ひでよし)の肝煎りで 4 00:03:10,090 --> 00:03:13,961 大谷吉継(おおたによしつぐ)の娘 春(はる)を 正室として迎えた 5 00:03:17,831 --> 00:03:22,570 (真田昌幸(さなだまさゆき))これで 本多忠勝(ほんだただかつ)と 大谷刑部(ぎょうぶ)が身内になった 6 00:03:23,270 --> 00:03:25,773 (真田信幸(のぶゆき)) まことに 心強うございますな 7 00:03:27,241 --> 00:03:31,312 (昌幸)今 真田が戦をすれば 必ず勝てる 8 00:03:31,912 --> 00:03:35,583 (真田信繁)春の支度が整い次第 皆様に お引き合わせ致します 9 00:03:36,784 --> 00:03:41,021 その前に 父上 一つ 伺っておきたい事がございます 10 00:03:41,288 --> 00:03:42,156 (昌幸)どうした? 11 00:03:43,157 --> 00:03:45,759 母上のご出自の事です 12 00:03:47,227 --> 00:03:53,634 私たちは 菊亭晴季卿(きくていはるすえきょう)の娘だと ずっと聞かされておりましたが— 13 00:03:54,702 --> 00:03:57,037 それは 間違いなのでしょうか? 14 00:04:06,814 --> 00:04:11,685 薫(かおる)は 菊亭晴季卿の娘ではない 15 00:04:14,922 --> 00:04:15,689 侍女だ 16 00:04:15,889 --> 00:04:16,624 侍女!? 17 00:04:16,690 --> 00:04:17,358 まさか… 18 00:04:18,092 --> 00:04:20,127 (昌幸)大昔の話じゃ 19 00:04:21,328 --> 00:04:25,466 信玄(しんげん)公に倣い わしも 公家の娘を娶(めと)ろうと— 20 00:04:26,200 --> 00:04:29,903 いろいろ掛け合ったが 相手にされず— 21 00:04:32,306 --> 00:04:35,476 ただ一人 食いついたのが— 22 00:04:36,343 --> 00:04:40,581 晴季卿の母御に仕えておった 薫じゃ 23 00:04:42,483 --> 00:04:43,417 なんと… 24 00:04:46,887 --> 00:04:50,057 決して 人に明かしてはならんぞ 25 00:04:51,692 --> 00:04:54,895 私たちが知っていると 母上のお耳に入ったら— 26 00:04:55,329 --> 00:04:57,197 母上も居たたまれないでしょうね 27 00:04:58,198 --> 00:05:00,034 その前に わしが殺される 28 00:05:01,802 --> 00:05:03,604 (春) ふつつか者ではございますが— 29 00:05:04,104 --> 00:05:07,374 行く末長く よろしくお願い申し上げます 30 00:05:11,612 --> 00:05:15,816 (薫)源次郎(げんじろう) まことに よき嫁御を 頂きましたね 31 00:05:16,483 --> 00:05:19,620 あなた 春殿の事 お気に入りでしょう 32 00:05:20,287 --> 00:05:21,355 分かりますよ 33 00:05:21,922 --> 00:05:23,824 (昌幸)ん? なぜ 分かるのじゃ? 34 00:05:23,891 --> 00:05:28,595 だって… まあ ようございますが 35 00:05:28,662 --> 00:05:31,165 (こう)確かに お梅(うめ)様に似てらっしゃいますね 36 00:05:31,231 --> 00:05:34,001 おこう! (せきばらい) 37 00:05:34,068 --> 00:05:35,202 (春)お梅様というのは? 38 00:05:35,269 --> 00:05:36,236 後で ゆっくり 39 00:05:36,570 --> 00:05:40,607 (信幸)春殿 妻の稲(いな)じゃ 40 00:05:42,676 --> 00:05:45,846 稲様 よしなに お願い申します 41 00:05:48,082 --> 00:05:49,583 (稲)ちなみに 私は— 42 00:05:50,517 --> 00:05:52,820 前の奥方様に似ているのですか? 43 00:06:00,828 --> 00:06:03,530 母上は お公家の出と お伺いしました 44 00:06:04,164 --> 00:06:06,400 父は 菊亭晴季です 45 00:06:06,900 --> 00:06:08,235 (春)晴季卿は流罪— 46 00:06:08,569 --> 00:06:12,039 親類縁者に至るまで ことごとく 罰せられたと聞きました 47 00:06:12,606 --> 00:06:13,607 よくぞ ご無事で 48 00:06:14,341 --> 00:06:16,944 早く 嫁に出されたのが よかったようじゃな 49 00:06:19,046 --> 00:06:20,314 今日は飲みましょう 50 00:06:20,380 --> 00:06:21,048 飲みましょう! 51 00:06:21,482 --> 00:06:22,416 (昌幸)よし 飲もう! 52 00:06:22,850 --> 00:06:24,785 (薫)源次郎 きりは呼ばなかったのですか? 53 00:06:25,052 --> 00:06:26,320 声はかけたのですが… 54 00:06:37,498 --> 00:06:38,866 (ため息) 55 00:06:41,101 --> 00:06:44,972 私には 以前 妻がいた 56 00:06:46,373 --> 00:06:47,374 それが お梅だ 57 00:06:49,710 --> 00:06:51,945 徳川(とくがわ)との戦で 命を落とした 58 00:06:53,747 --> 00:06:56,750 むろん そなたの事は 大切に致す 59 00:06:58,418 --> 00:07:01,755 しかし 私は お梅の事を— 60 00:07:04,124 --> 00:07:05,592 決して忘れる事はない 61 00:07:07,694 --> 00:07:11,632 つらい事かもしれぬが それは承知してほしい 62 00:07:15,302 --> 00:07:19,840 正直に お打ち明け下さり うれしゅうございます 63 00:07:22,376 --> 00:07:25,345 では 寝ようか 64 00:07:26,680 --> 00:07:27,347 はい 65 00:07:45,599 --> 00:07:47,701 手を つないでも よろしいでしょうか? 66 00:07:49,436 --> 00:07:50,103 もちろん 67 00:08:05,085 --> 00:08:08,288 (豊臣(とよとみ)秀吉)う~ん う~ん…— 68 00:08:08,455 --> 00:08:12,960 う~ん う~ん… 69 00:08:27,274 --> 00:08:29,710 (石田三成(いしだみつなり))殿下 左衛門佐(さえもんのすけ)が参りました 70 00:08:31,678 --> 00:08:34,882 あとは 左衛門佐と私で なんとか致します 71 00:08:35,849 --> 00:08:36,583 (秀吉)すまぬ 72 00:08:45,525 --> 00:08:48,095 今夜は 久々に お酒も召し上がったので— 73 00:08:48,395 --> 00:08:52,566 つい やってしまわれたのだろう 城内に詰めておってよかった 74 00:08:52,633 --> 00:08:54,334 このおしとね いかがなさいます? 75 00:09:01,575 --> 00:09:02,309 考えがある 76 00:09:08,048 --> 00:09:09,783 (片桐且元(かたぎりかつもと))こんな夜中に どうした? 77 00:09:09,850 --> 00:09:13,854 (信繁)片桐様が 今夜は 宿直(とのい)でおられると聞きまして 78 00:09:16,423 --> 00:09:20,160 私は どうすればよいのです? 秀次(ひでつぐ)様の一件があってから— 79 00:09:20,394 --> 00:09:22,729 さきざきの事が 不安で たまらないのです 80 00:09:24,298 --> 00:09:26,366 そんなのは 誰しも そうだ 81 00:09:26,566 --> 00:09:30,437 それを考えると 胃が痛んで 一睡もできませぬ 82 00:09:31,004 --> 00:09:33,540 厨(くりや)に置かれている片桐様の胃薬— 83 00:09:34,274 --> 00:09:36,610 少し分けて頂く訳には まいりませぬか? 84 00:09:37,244 --> 00:09:40,280 よう分かった 分けてしんぜよう 85 00:09:40,881 --> 00:09:42,449 かたじけのうございます 86 00:09:43,617 --> 00:09:44,284 参ろう 87 00:09:51,258 --> 00:09:54,728 そうか 胃が痛むか… 88 00:10:17,517 --> 00:10:18,719 (三成)殿下のお顔だが 89 00:10:20,420 --> 00:10:22,089 お髭(ひげ)がございませんでした 90 00:10:23,156 --> 00:10:25,659 お年を召されて めっきり お髭が薄くなり— 91 00:10:26,326 --> 00:10:28,028 先月から 付け髭にされた 92 00:10:31,865 --> 00:10:36,336 殿下が心配です 近頃 同じ事を何度も言われる 93 00:10:36,770 --> 00:10:37,671 (三成)昔からだ 94 00:10:38,005 --> 00:10:40,507 お怒りになると ご自分を制する事ができなくなる 95 00:10:40,574 --> 00:10:43,410 それも 今に始まった事ではない 96 00:10:44,911 --> 00:10:48,648 私は おぬしより ずっと長く 殿下に お仕えしている 97 00:10:49,716 --> 00:10:52,219 変わりようは 誰よりも分かっておる 98 00:10:53,453 --> 00:10:54,488 さようでございました 99 00:10:57,557 --> 00:10:59,159 新しい妻は どうじゃ? 100 00:10:59,993 --> 00:11:01,795 なかなかよい女子(おなご)でございます 101 00:11:02,796 --> 00:11:07,367 春は 悪い娘ではないが あれは 苦労するぞ 102 00:11:08,368 --> 00:11:09,369 どういう事ですか? 103 00:11:11,204 --> 00:11:12,205 今に分かる 104 00:11:16,043 --> 00:11:18,278 (秀吉) 死んだあとの事を考えていた 105 00:11:19,679 --> 00:11:21,181 ご用意のよろしい事で 106 00:11:23,450 --> 00:11:25,218 拾(ひろい)が元服するまで— 107 00:11:26,620 --> 00:11:28,255 関白は置かぬと決めた 108 00:11:30,123 --> 00:11:32,159 それまでは お前たち奉行衆が— 109 00:11:33,226 --> 00:11:35,762 相談の上 政を行え 110 00:11:37,898 --> 00:11:38,865 かしこまりました 111 00:11:40,267 --> 00:11:40,967 (秀吉)石田治部(じぶ) 112 00:11:42,669 --> 00:11:48,442 日の本の事 豊臣の事 拾の事— 113 00:11:49,576 --> 00:11:50,544 よろしく頼む 114 00:11:53,313 --> 00:11:57,317 寝小便ぐらいで 弱気になられては 困ります 115 00:12:03,190 --> 00:12:05,959 左衛門佐 治部の力になってやれ 116 00:12:07,227 --> 00:12:08,061 かしこまりました 117 00:12:14,734 --> 00:12:18,004 (寧(ねい))生せんべいなんて 知らんでしょう 118 00:12:18,772 --> 00:12:21,141 うちの人が大好きでね 119 00:12:22,042 --> 00:12:25,078 近頃 しょぼくれとるで— 120 00:12:25,479 --> 00:12:28,949 これでも食べて 元気出してまおう思ってね 121 00:12:29,015 --> 00:12:31,017 (息を吹き込む音) 122 00:12:32,786 --> 00:12:36,022 元気のにゃあ人が ここにもおるがね 123 00:12:40,760 --> 00:12:45,966 あんた 孫七郎(まごしちろう)には 目をかけられとったもんね 124 00:12:47,300 --> 00:12:49,536 ほりゃ 元気もなくなるわね 125 00:12:53,540 --> 00:12:57,344 わくさが あなたに頼み事があるらしいに 126 00:12:58,078 --> 00:13:02,182 聞いてやってちょ 私は 手を洗ってきます 127 00:13:10,490 --> 00:13:13,226 細川越中守(ほそかわえっちゅうのかみ)様を ご存じですか? 128 00:13:13,560 --> 00:13:15,629 (きり)お城で 何度か お見かけした事が 129 00:13:16,329 --> 00:13:17,964 大坂(おおさか)の屋敷に行って— 130 00:13:18,465 --> 00:13:21,334 奥方様に お渡ししてほしいものが あるのです 131 00:13:22,869 --> 00:13:27,874 (蝉(せみ)の鳴き声) 132 00:13:30,343 --> 00:13:31,178 (信幸)父上は? 133 00:13:31,811 --> 00:13:33,413 (河原綱家(かわらつないえ)) 今日も 出浦(いでうら)様と 134 00:13:33,480 --> 00:13:34,714 お出かけになられました 135 00:13:35,315 --> 00:13:37,284 (信幸)毎日 どこへ 行っておられるのだ! 136 00:13:38,151 --> 00:13:39,553 (綱家)それが… 137 00:13:41,988 --> 00:13:44,691 (綱家)遊郭に入っていかれるのを 見た者が 138 00:13:45,258 --> 00:13:46,259 何だと… 139 00:13:47,460 --> 00:13:51,097 (きり)源三郎(げんざぶろう)様! お仕事 はかどっていますか? 140 00:13:51,464 --> 00:13:53,867 (信幸)どう見ても はかどっておらぬだろう! 141 00:13:54,768 --> 00:13:56,069 名護屋(なごや)城の絵図面を! 142 00:13:56,436 --> 00:13:57,103 はっ 143 00:13:57,771 --> 00:13:59,506 殿様は ご不在ですか? 144 00:14:01,141 --> 00:14:01,975 ここにはおらぬ 145 00:14:03,610 --> 00:14:06,279 難攻不落の城塞にしろと 言われたが— 146 00:14:06,846 --> 00:14:08,782 今から 何ができるというのだ? 147 00:14:11,685 --> 00:14:16,189 さまざまな城の絵図面を取り寄せ 自分なりに考えてはいるが— 148 00:14:18,225 --> 00:14:20,093 なかなか 道が定まらん 149 00:14:25,565 --> 00:14:26,566 何をしに来た? 150 00:14:26,900 --> 00:14:29,603 大工の吉蔵(きちぞう)とやらを 探しているのですが 151 00:14:30,270 --> 00:14:31,004 知っておるか? 152 00:14:31,438 --> 00:14:34,140 我が方で雇った 大工の頭(かしら)です 153 00:14:35,175 --> 00:14:35,942 (吉蔵)わくさ? 154 00:14:36,610 --> 00:14:39,879 (きり)小西摂津守(こにしせっつのかみ)様の 母上にあたるお方です 155 00:14:40,714 --> 00:14:42,716 ああ マグダレナ様 156 00:14:42,949 --> 00:14:46,253 細川越中守様の奥方様に お渡しするものを— 157 00:14:46,319 --> 00:14:48,488 あなたから受け取るようにと 言われたのですが 158 00:14:57,530 --> 00:14:59,666 ガラシャ様に よしなに 159 00:15:00,467 --> 00:15:01,268 ガラシャ? 160 00:15:03,270 --> 00:15:05,705 私は使いを頼まれただけですから 161 00:15:06,439 --> 00:15:11,478 これは あなたが作ったんですか? お見事ね 162 00:15:13,213 --> 00:15:14,848 これは 何? 163 00:15:17,317 --> 00:15:18,985 フランシスコっていうんですか? 164 00:15:20,020 --> 00:15:23,189 (吉蔵)フランシスコ吉蔵 165 00:15:27,027 --> 00:15:30,063 (きり)源次郎様のご祝言の折は ご無礼致しました 166 00:15:30,297 --> 00:15:33,833 あの日も 北政所(きたのまんどころ)様から 急用を仰せつかりまして 167 00:15:34,367 --> 00:15:36,636 (薫)あの子も 寂しがっていましたよ 168 00:15:37,437 --> 00:15:39,873 新しい奥方様は どんなお方ですか? 169 00:15:40,073 --> 00:15:44,344 それがね どことなく お梅に似ているのです 170 00:15:44,411 --> 00:15:45,478 お梅ちゃんに? 171 00:15:46,313 --> 00:15:48,415 よいご縁だったと思いますよ 172 00:15:50,617 --> 00:15:51,918 殿様にも ご挨拶を 173 00:15:52,285 --> 00:15:56,323 まだ お帰りになりませぬ 普請場におられたでしょう? 174 00:15:56,790 --> 00:15:59,259 いえ 源三郎様だけでございました 175 00:16:03,430 --> 00:16:05,332 そんなはずは… 176 00:16:06,499 --> 00:16:11,571 (琴の音) 177 00:16:27,354 --> 00:16:28,588 (吉野太夫(よしのだゆう))安房守(あわのかみ)様… 178 00:16:29,656 --> 00:16:32,625 まだ 日ぃも高(たこ)うございます 179 00:16:34,227 --> 00:16:34,894 あっ… 180 00:16:37,197 --> 00:16:39,165 おてんと様が なんぼのもんじゃい 181 00:16:41,668 --> 00:16:44,137 (出浦昌相(まさすけ))殿のお気持ちは 分かる 182 00:16:46,005 --> 00:16:47,006 しかし… 183 00:16:49,642 --> 00:16:54,481 (昌相)昼間から 太夫と遊びふける殿を わしは 見とうない 184 00:16:57,117 --> 00:17:02,055 昔の殿は どこへ行かれた? 185 00:17:14,667 --> 00:17:17,036 (きり)ひょっとして 源次郎様の… 186 00:17:17,771 --> 00:17:20,373 真田左衛門佐は 私の夫ですが 187 00:17:21,608 --> 00:17:22,842 春様! 188 00:17:23,643 --> 00:17:24,711 きりさんですね! 189 00:17:25,211 --> 00:17:26,312 よくお分かりで 190 00:17:26,379 --> 00:17:28,948 源次郎様から よく お話は伺ってます 191 00:17:29,015 --> 00:17:31,651 どこへ行っても うっとうしいと 言われる きりさんですね 192 00:17:34,120 --> 00:17:34,921 ごめんなさい 193 00:17:36,156 --> 00:17:37,624 何だか お似合い 194 00:17:38,091 --> 00:17:41,194 きりさんに そう言ってもらえると すごくうれしい 195 00:17:41,661 --> 00:17:43,496 いずれ また ゆっくり お話し致しましょう 196 00:17:43,563 --> 00:17:44,364 もちろん! 197 00:17:46,566 --> 00:17:47,300 では また 198 00:17:54,707 --> 00:17:59,212 私と お梅ちゃんのいいところを 全て兼ね備えている 199 00:18:01,948 --> 00:18:04,884 (薫)父上は ご一緒ではなかったのですか? 200 00:18:09,389 --> 00:18:12,492 まだ 普請場に お残りです 201 00:18:13,526 --> 00:18:14,994 正直に おっしゃい 202 00:18:17,130 --> 00:18:19,165 どういう事でございましょう? 203 00:18:20,934 --> 00:18:21,768 女でしょ? 204 00:18:23,403 --> 00:18:24,070 えっ? 205 00:18:24,437 --> 00:18:25,972 私には 分かるのです 206 00:18:26,473 --> 00:18:29,075 あの人は 女のところに 行っておるのでしょ! 207 00:18:29,576 --> 00:18:30,677 きりから聞きました 208 00:18:30,743 --> 00:18:33,379 普請場には あなたしか いなかったと! 209 00:18:33,813 --> 00:18:34,481 いや… 210 00:18:35,482 --> 00:18:39,819 申し訳ないが 一日 働き通しで 疲れておるのです! 211 00:18:40,753 --> 00:18:41,421 これにて! 212 00:18:41,488 --> 00:18:42,422 (薫)戻ってきなさい! 213 00:18:43,356 --> 00:18:45,124 逃げるのですか!? (障子を閉める音) 214 00:18:53,466 --> 00:18:54,767 う~! 215 00:18:57,670 --> 00:18:58,805 (ため息) 216 00:19:03,943 --> 00:19:06,646 そのまま そのまま 217 00:19:11,184 --> 00:19:12,852 (こう)いかがされました…? あっ! 218 00:19:23,930 --> 00:19:24,697 (稲)お話が 219 00:19:29,269 --> 00:19:31,437 おこうのところへ 行かれていたのですか? 220 00:19:34,007 --> 00:19:35,975 私が何も知らぬとでも? 221 00:19:37,377 --> 00:19:39,746 噂話(うわさばなし)は 嫌でも耳に入ります 222 00:19:44,651 --> 00:19:48,821 これほどの辱めはありません! 父に全てを伝えます 223 00:19:52,025 --> 00:19:54,527 もし 伝えてほしくなければ 224 00:20:01,167 --> 00:20:02,335 (信幸)何でも言うてみよ 225 00:20:08,541 --> 00:20:09,208 稲… 226 00:20:23,356 --> 00:20:27,594 (徳川家康(いえやす))太閤(たいこう)殿下が わしに直々(じきじき)に相談とは— 227 00:20:28,561 --> 00:20:30,363 いかなる事でござるかな? 228 00:20:30,964 --> 00:20:32,999 私には分かりかねます 229 00:20:35,301 --> 00:20:36,536 (秀吉)生せんべい? 230 00:20:38,037 --> 00:20:40,440 昔 よう 食べとりゃあしたでしょう 231 00:20:41,507 --> 00:20:43,443 何べんも作り直して— 232 00:20:44,444 --> 00:20:47,547 ようやく この味に たどりつきました 233 00:20:48,014 --> 00:20:48,681 (秀吉)それで? 234 00:20:49,916 --> 00:20:53,753 (三成)徳川様には 今後の政の仕組みについては— 235 00:20:54,120 --> 00:20:55,722 まだ お話ししておりませぬ 236 00:20:56,656 --> 00:20:59,025 我ら奉行衆が政を担う事— 237 00:20:59,859 --> 00:21:02,261 早めに お伝えしておかれた方が よろしいかと 238 00:21:02,729 --> 00:21:04,864 (秀吉)まずい! 何だ これ! 239 00:21:05,798 --> 00:21:08,501 昔は好きで よう食べておられましたよ 240 00:21:08,568 --> 00:21:09,802 (秀吉)こんなもん食うた事ない! 241 00:21:23,683 --> 00:21:25,952 徳川殿を呼んだのは ほかでもない 242 00:21:27,687 --> 00:21:32,725 わしは 政の仕組みを 考え直す時が来たと思っておる 243 00:21:33,259 --> 00:21:36,396 この内大臣 徳川家康— 244 00:21:37,430 --> 00:21:42,268 豊臣家のため この命 捧(ささ)げる所存でございます 245 00:21:43,236 --> 00:21:44,604 わしが隠居したあとも— 246 00:21:45,605 --> 00:21:49,409 拾が元服するまで 関白は置かぬつもりだ 247 00:21:50,410 --> 00:21:54,347 政は 徳川殿を要とした— 248 00:21:54,647 --> 00:21:57,483 大名たちの合議で 進めていってほしい 249 00:22:00,620 --> 00:22:02,088 かしこまりました 250 00:22:10,563 --> 00:22:15,068 (秀吉)拾の これからは 徳川殿 そなたに懸かっておる 251 00:22:15,501 --> 00:22:17,804 どうか 頼みますぞ 252 00:22:20,540 --> 00:22:21,741 (家康)はは~っ 253 00:22:25,144 --> 00:22:27,547 (大谷吉継)太閤殿下も お疲れなのだろう 254 00:22:27,680 --> 00:22:29,716 (信繁)石田様は 困り果てておられます 255 00:22:29,849 --> 00:22:31,784 (吉継)まあ そうであろうな 256 00:22:39,792 --> 00:22:42,495 舅(しゅうと)殿は お体の具合は いかがですか? 257 00:22:44,097 --> 00:22:47,700 よくもならず 悪くもならずといったところじゃ 258 00:22:48,935 --> 00:22:51,771 何の病かも さっぱり分からんのだ 259 00:22:54,707 --> 00:22:59,712 (信者の歌声) 260 00:23:16,696 --> 00:23:19,098 (語り) 細川忠興(ただおき)の妻 玉(たま)は 261 00:23:19,398 --> 00:23:21,134 明智光秀(あけちみつひで)の娘である 262 00:23:22,235 --> 00:23:23,202 一般には 263 00:23:23,269 --> 00:23:25,538 洗礼名 ガラシャで 知られている 264 00:23:26,506 --> 00:23:31,511 (信者の歌声) 265 00:23:35,114 --> 00:23:35,815 (きり)どうぞ 266 00:23:42,155 --> 00:23:44,390 (玉)フランシスコは 細工の名人で— 267 00:23:45,124 --> 00:23:47,560 頼めば どんなものでも 作ってくれるのです 268 00:23:49,662 --> 00:23:51,430 わざわざ 届けてくれて ありがとう 269 00:23:54,634 --> 00:23:57,470 (きり)一つ 伺いたい事があるのですが 270 00:23:58,371 --> 00:23:59,105 何でしょう? 271 00:23:59,272 --> 00:24:01,741 さる方から これを頂きまして— 272 00:24:02,608 --> 00:24:06,112 ここに描かれている方が どなたか ご存じありませんか? 273 00:24:07,880 --> 00:24:10,116 これは 神の母 マリア様です 274 00:24:11,450 --> 00:24:15,721 マリア様が 私たちの救いのために 祈って下さるお姿 275 00:24:16,589 --> 00:24:19,659 神の母なのに 神に祈るのですか? 276 00:24:20,059 --> 00:24:23,729 マリア様は 救い主 キリシトの母であるとともに— 277 00:24:24,530 --> 00:24:26,632 全ての民の母でもあるのです 278 00:24:28,601 --> 00:24:32,605 そのお方が あなたの守りにと 下さったのでしょう 279 00:24:35,441 --> 00:24:36,742 ありがとうございます 280 00:24:45,618 --> 00:24:48,054 (寧) 私は 切支丹(キリシタン)ではありませんが— 281 00:24:48,888 --> 00:24:51,924 あの者たちの 質素を尊(たっと)ぶ暮らしぶりには— 282 00:24:51,991 --> 00:24:53,593 えろう惹(ひ)かれます 283 00:24:54,961 --> 00:25:00,166 それに あのお祈りの節の なんと美しいこと 284 00:25:04,070 --> 00:25:05,605 実は この3日間— 285 00:25:06,305 --> 00:25:10,243 普請の場に家の者をやり 様子を探らせておりました 286 00:25:11,444 --> 00:25:15,982 殿は 朝 お見えになられたあと すぐ どこかへ行かれ— 287 00:25:16,048 --> 00:25:20,119 そのあとは 全く お顔を お出しにならなかったと 288 00:25:20,820 --> 00:25:23,422 大坂に行っておったのじゃ 289 00:25:23,489 --> 00:25:25,858 よい材木が ちと足りなくなってな 290 00:25:26,025 --> 00:25:27,093 連日? 291 00:25:30,263 --> 00:25:35,268 源三郎 母上は 何が言いたいのじゃ? 292 00:25:36,369 --> 00:25:38,204 父上が仕事もせず— 293 00:25:38,704 --> 00:25:42,608 女のところへ通っていると 思ってらっしゃるのです 294 00:25:42,675 --> 00:25:45,544 アハハハ! くだらん 295 00:25:46,012 --> 00:25:47,747 出浦殿に尋ねます 296 00:25:48,648 --> 00:25:50,950 殿の言葉に 相違ございませんか? 297 00:25:53,319 --> 00:25:56,856 毎日 大坂まで行かれていた というのは まことですか? 298 00:25:59,191 --> 00:26:00,693 お答え下さい! 299 00:26:08,501 --> 00:26:09,168 ん? 300 00:26:13,639 --> 00:26:15,908 (蝉の鳴き声) 301 00:26:15,975 --> 00:26:19,045 あ~! 戻ってきなさい! 302 00:26:19,578 --> 00:26:21,514 出浦殿 逃げるのですか! 303 00:26:21,580 --> 00:26:23,082 伊豆守(いずのかみ) 絵図面を 304 00:26:23,749 --> 00:26:24,417 はっ 305 00:26:24,784 --> 00:26:26,886 (薫)出浦殿~! 306 00:26:28,154 --> 00:26:29,188 出てきなさい! 307 00:26:31,190 --> 00:26:32,291 戻ってきなさい! 308 00:26:40,166 --> 00:26:43,269 (薫)お帰りが遅いので おかしいとは思っていたのです 309 00:26:43,602 --> 00:26:45,972 たまに お酒くさいのは しょうがないにしても— 310 00:26:46,172 --> 00:26:49,442 ほのかに香る白粉(おしろい)の匂いは 何ですか 311 00:26:49,508 --> 00:26:52,778 それでも 私は信じていたのです にもかかわらず… 312 00:26:52,845 --> 00:26:53,779 (昌幸)うるさい! 313 00:26:56,415 --> 00:26:57,616 何だ これは 314 00:26:57,984 --> 00:27:00,286 伏見(ふしみ)城周りの絵図面ですが 315 00:27:00,353 --> 00:27:04,590 このような平城 一気に 攻め潰されてしまうではないか 316 00:27:04,757 --> 00:27:07,526 (薫)初めて ご覧に なっているようでございますね 317 00:27:07,593 --> 00:27:09,628 お前の目は どこに ついておるのじゃ? 318 00:27:10,262 --> 00:27:12,531 この高台に出城を造るのよ 319 00:27:12,832 --> 00:27:13,566 出城? 320 00:27:14,100 --> 00:27:15,167 なるほど 321 00:27:15,234 --> 00:27:16,268 (薫)いつの間に!? 322 00:27:16,335 --> 00:27:19,305 これで東と北の敵は寄せつけん 323 00:27:19,572 --> 00:27:24,076 西と南は 宇治川(うじがわ)が 天然の濠(ほり)となって 敵を防げる 324 00:27:24,477 --> 00:27:25,878 なぜ そこに気が付かん 325 00:27:27,179 --> 00:27:29,482 明日から わしが 自ら 普請場に立つ 326 00:27:30,116 --> 00:27:32,418 やっぱり 立ってなかったではないですか! 327 00:27:32,485 --> 00:27:34,020 この真田安房守が— 328 00:27:34,920 --> 00:27:37,023 難攻不落の城を造ってみせる! 329 00:27:59,412 --> 00:28:01,547 徳川殿を呼んだのは ほかでもない 330 00:28:02,615 --> 00:28:07,853 わしは 拾が元服するまで 関白は置かぬつもりだ 331 00:28:08,587 --> 00:28:13,626 わしが隠居したら 政は 徳川殿を要とした— 332 00:28:13,692 --> 00:28:16,562 大名たちの合議で 進めていってほしい 333 00:28:27,373 --> 00:28:28,374 いかが致した? 334 00:28:30,109 --> 00:28:34,747 身命を賭して 拾様を もり立ててまいりまする 335 00:28:42,421 --> 00:28:47,293 (家康)何ゆえ 殿下は 同じ事を 2度 お命じになられる? 336 00:28:49,328 --> 00:28:50,696 わしは せかされておるのか? 337 00:28:51,430 --> 00:28:54,300 豊臣家の行く末が懸かった 大事な用件ゆえ— 338 00:28:54,867 --> 00:28:56,168 念を押されたのでしょう 339 00:29:00,406 --> 00:29:03,309 殿下は 大丈夫か? 340 00:29:04,777 --> 00:29:07,880 近頃 お痩せになられたような… 341 00:29:07,947 --> 00:29:09,548 いつものとおりでございます 342 00:29:10,282 --> 00:29:13,285 体力 気力とも みなぎっておられます 343 00:29:16,489 --> 00:29:17,223 片桐殿 344 00:29:19,792 --> 00:29:22,428 殿下より むしろ 私の方が 345 00:29:24,663 --> 00:29:29,635 先日 生まれて初めて 寝小便をしまして 346 00:29:29,702 --> 00:29:30,369 (家康)何? 347 00:29:30,436 --> 00:29:31,804 この件は これまで 348 00:29:35,574 --> 00:29:37,776 これから 我らは 何をすれば… 349 00:29:39,445 --> 00:29:43,549 殿下が危うい事 決して 誰にも悟らしてはならん 350 00:29:44,517 --> 00:29:45,184 はい 351 00:29:45,885 --> 00:29:49,522 そして 殿下から 目を離さぬ事じゃ 352 00:29:51,290 --> 00:29:54,460 私が おそばにいられれば よいのだが 353 00:29:57,596 --> 00:30:00,232 治部殿に 覚書を届けよう 354 00:30:00,299 --> 00:30:01,333 かたじけのうございます 355 00:30:12,545 --> 00:30:13,212 痛っ… 356 00:30:13,279 --> 00:30:13,946 父上! 357 00:30:14,947 --> 00:30:15,614 くっ! 358 00:30:20,085 --> 00:30:22,821 (寧)バテレンたちが食べとった びすけいと 359 00:30:23,689 --> 00:30:26,358 殿下も “うんみゃあ”言うとったでしょ 360 00:30:32,231 --> 00:30:35,501 臭い! こんなの 食えるか! 361 00:30:41,307 --> 00:30:42,341 (秀吉)臭い… 362 00:30:46,078 --> 00:30:47,279 見事です 363 00:30:47,613 --> 00:30:52,451 (信繁)守りの要を本丸でなく 木幡山(こはたやま)の出城に置く 364 00:30:52,651 --> 00:30:54,253 父上にしか 思いつかぬ事 365 00:30:54,520 --> 00:30:57,756 いずれは この出城に 真田が入る 366 00:30:59,225 --> 00:31:01,560 こっから 逆に 本丸を攻めれば— 367 00:31:02,861 --> 00:31:06,732 伏見城は 一日で我らのもの 368 00:31:08,767 --> 00:31:12,137 わしは ただ 城を築いてみたくなったのじゃ 369 00:31:13,239 --> 00:31:14,173 完璧な城を 370 00:31:15,908 --> 00:31:17,743 誰が守ろうと そんな事は どうでもよい 371 00:31:22,248 --> 00:31:23,115 すまぬな 372 00:31:23,682 --> 00:31:24,650 構わぬ 373 00:31:26,218 --> 00:31:29,355 わしが惚(ほ)れたのは そんなおぬしだ 374 00:31:34,860 --> 00:31:38,397 久しぶりに 父上の 生き生きとしたお姿を見ました 375 00:31:42,334 --> 00:31:44,236 源次郎 ちとよいか? 376 00:31:46,038 --> 00:31:49,341 まだ 誰にも言うておらぬが 実は… 377 00:31:51,176 --> 00:31:52,077 子ができた 378 00:31:54,013 --> 00:31:55,114 おめでとうございます! 379 00:31:55,180 --> 00:31:58,617 それが 子を はらんだのは— 380 00:32:00,386 --> 00:32:01,387 おこうなのだ 381 00:32:03,088 --> 00:32:03,756 え…? 382 00:32:05,524 --> 00:32:07,326 分かったのは 先月の事 383 00:32:08,627 --> 00:32:11,263 これが 舅殿の耳に入れば 俺の命はない 384 00:32:12,064 --> 00:32:13,532 だから 誰にも言わなかった 385 00:32:15,834 --> 00:32:18,370 だが ここへ来て 話が変わった 386 00:32:19,071 --> 00:32:20,706 稲にも 子ができたのだ! 387 00:32:22,341 --> 00:32:23,809 兄上! 388 00:32:23,876 --> 00:32:26,278 いきなり 2人の子持ちだ! 389 00:32:27,279 --> 00:32:31,150 おめでとうございます! 390 00:32:31,517 --> 00:32:35,187 (2人)アハハハハ! 391 00:32:35,521 --> 00:32:37,122 早速 もろもろの用意せよ 392 00:32:37,656 --> 00:32:38,324 (一同)へい! 393 00:32:39,024 --> 00:32:42,828 (信幸)何はともあれ あれこそ 父上のあるべきお姿 394 00:32:47,499 --> 00:32:48,167 どうした? 395 00:32:48,801 --> 00:32:51,170 (吉蔵)へい 畳を替えるので 396 00:32:52,171 --> 00:32:55,574 ここは昨日敷いたばかりであろう 父上の命か? 397 00:32:56,075 --> 00:32:57,142 太閤様でございます 398 00:32:57,576 --> 00:32:58,243 殿下? 399 00:32:58,577 --> 00:33:03,382 今朝ほど 部屋を見に来られて そこの敷居で つまずかれまして 400 00:33:04,683 --> 00:33:06,051 殿下が転ばれた? 401 00:33:06,285 --> 00:33:08,921 …で 危ないので 畳を厚くせよと 402 00:33:10,989 --> 00:33:13,192 (昌相)ここで転ばれたのか… 403 00:33:13,525 --> 00:33:15,794 太閤様は お加減が よろしくないようでした 404 00:33:15,861 --> 00:33:18,163 そのような事 口にするでない 405 00:33:19,198 --> 00:33:19,865 (吉蔵)へい 406 00:33:25,871 --> 00:33:27,039 徳川殿を呼べ 407 00:33:29,641 --> 00:33:34,079 いろいろ 考えたのだが わしが隠居したあと— 408 00:33:34,847 --> 00:33:39,718 拾が元服するまで 政は 徳川を要とした— 409 00:33:39,785 --> 00:33:42,121 大名たちの合議で 進めていく事にした 410 00:33:43,956 --> 00:33:49,194 殿下 その旨は 既に 徳川殿には伝わっております 411 00:33:50,429 --> 00:33:51,296 どういう事だ? 412 00:33:51,797 --> 00:33:53,932 (三成)殿下が 既に お命じになられました 413 00:33:55,200 --> 00:33:58,303 更に申せば 殿下は それ以前に— 414 00:33:59,104 --> 00:34:04,276 政は 大名たちには任せず 奉行で取りまとめるようにと— 415 00:34:04,343 --> 00:34:06,011 私に お命じになられました 416 00:34:12,117 --> 00:34:12,951 下がってよい 417 00:34:15,687 --> 00:34:16,622 源次郎は残れ 418 00:34:17,656 --> 00:34:18,424 はっ 419 00:34:30,469 --> 00:34:32,070 昔の事は覚えていても— 420 00:34:33,372 --> 00:34:35,441 近頃の事になると てんでいかん 421 00:34:37,776 --> 00:34:38,944 お疲れなのです 422 00:34:39,778 --> 00:34:43,782 楽しい事だけを お考えになって しばし お休みなされませ 423 00:35:00,466 --> 00:35:03,602 わしは 壊れてしもうたのか? 424 00:35:04,636 --> 00:35:05,537 まさか! 425 00:35:08,640 --> 00:35:09,908 わしは 死んでまうのか? 426 00:35:10,108 --> 00:35:11,577 ご心配が過ぎまする 427 00:35:13,145 --> 00:35:16,648 捨(すて)が 元服するまでは 生きていたいんじゃ 428 00:35:18,350 --> 00:35:19,618 ただ 生きているだけではいかん 429 00:35:20,252 --> 00:35:24,723 捨が わしのようになりたいと思う そんな父親であらねばならん 430 00:35:25,123 --> 00:35:26,425 ご案じなされますな 431 00:35:27,259 --> 00:35:31,864 拾様は 殿下のお背中を見ながら すくすくと お育ちでございます 432 00:35:39,404 --> 00:35:40,639 死にとうない… 433 00:35:40,806 --> 00:35:41,473 殿下… 434 00:35:43,976 --> 00:35:46,044 死にとうない! 435 00:35:46,111 --> 00:35:51,116 (泣き声) 436 00:35:58,090 --> 00:36:03,061 年を取るいうのは そういう事じゃにゃあのかねえ 437 00:36:03,729 --> 00:36:06,598 (三成)しかし 日に日に 殿下のご様子は— 438 00:36:06,665 --> 00:36:08,634 悪くなっているように お見受けします 439 00:36:09,601 --> 00:36:10,602 あなたたちが— 440 00:36:11,737 --> 00:36:14,406 何もかも 押しつけとるからで にゃあですか! 441 00:36:19,177 --> 00:36:19,978 すまぬ… 442 00:36:22,114 --> 00:36:23,315 つい 大声を 443 00:36:25,717 --> 00:36:30,088 医者によれば 今後は ぼんやりなさる事が多くなり— 444 00:36:30,789 --> 00:36:34,793 転んだり 頭をぶつけたりする事も 増えるそうです 445 00:36:35,727 --> 00:36:39,932 それが きっかけで 寝込んでしまう場合もあるとの事 446 00:36:42,568 --> 00:36:44,369 十分 注意します 447 00:36:48,206 --> 00:36:49,007 (茶々(ちゃちゃ))確かに— 448 00:36:50,008 --> 00:36:52,611 このところ 老け込まれたようには 思っていました 449 00:36:53,579 --> 00:36:57,416 今後は できるだけ 拾様と ご一緒の折を— 450 00:36:57,849 --> 00:36:59,818 多くしてさしあげたいと 存じまする 451 00:37:01,720 --> 00:37:03,088 (茶々)それは どうでしょう 452 00:37:04,489 --> 00:37:07,893 できれば あの子からは遠ざけたいのですが 453 00:37:09,861 --> 00:37:10,896 その訳は? 454 00:37:13,065 --> 00:37:17,369 拾に 太閤殿下の老いた姿を 見せたくないのです 455 00:37:18,537 --> 00:37:21,573 拾にとって 思い出の中の父親は— 456 00:37:21,807 --> 00:37:24,343 威厳に満ちた天下人でなければ ならないのです 457 00:37:25,243 --> 00:37:28,280 老いさらばえた惨めな姿など 見せたくありません 458 00:37:28,647 --> 00:37:31,950 お気持ちは ごもっともながら 殿下のお心を お察し下さ… 459 00:37:32,017 --> 00:37:33,619 察した上で 申しておるのです! 460 00:37:36,555 --> 00:37:37,789 さあ 拾… 461 00:37:38,690 --> 00:37:40,926 (大蔵卿局(おおくらきょうのつぼね)) お方様が お大事にされるのは— 462 00:37:41,860 --> 00:37:46,031 何より 拾様のお気持ちにございます 463 00:37:54,339 --> 00:37:57,943 (信幸)どうなのだ? 太閤殿下のご様子は 464 00:38:01,179 --> 00:38:03,415 別段 変わったところはございませぬ 465 00:38:06,852 --> 00:38:10,088 俺にくらい まことの事を言ってもよいだろう 466 00:38:12,624 --> 00:38:15,994 殿下のご様子を聞いて どうされようというのです? 467 00:38:18,397 --> 00:38:21,767 俺は 先の事を考えておる 468 00:38:23,568 --> 00:38:24,269 先とは? 469 00:38:27,572 --> 00:38:30,876 殿下が亡くなられた その先だ 470 00:38:32,844 --> 00:38:34,046 何も変わりませぬ 471 00:38:35,414 --> 00:38:38,550 殿下が亡くなられても 石田様をはじめとした— 472 00:38:38,617 --> 00:38:42,120 直臣(じきしん)の方々が 拾様を お守りしていかれます 473 00:38:43,088 --> 00:38:44,556 俺には そうは思えぬ 474 00:38:45,290 --> 00:38:46,792 では 兄上は どうなると? 475 00:38:49,661 --> 00:38:50,362 (信幸)分からぬ 476 00:38:52,931 --> 00:38:56,702 分からぬが 俺は徳川の婿だ 477 00:38:58,336 --> 00:38:59,638 もし 世が乱れて— 478 00:39:00,238 --> 00:39:05,177 その時 徳川につく事が 真田を利するならば… 479 00:39:09,014 --> 00:39:11,116 俺は 迷う事なく 徳川につく 480 00:39:18,757 --> 00:39:19,558 源次郎 481 00:39:20,659 --> 00:39:24,730 お前は いささか 豊臣家に深入りし過ぎたようだ 482 00:39:26,665 --> 00:39:31,269 お前は 真田家のために 太閤殿下のおそばに いるのだぞ 483 00:39:33,371 --> 00:39:34,573 それを忘れるな 484 00:39:39,911 --> 00:39:40,779 かしこまりました 485 00:39:44,082 --> 00:39:45,217 もう一度 尋ねる 486 00:39:47,152 --> 00:39:48,754 殿下のお具合は どうだ? 487 00:39:52,090 --> 00:39:54,259 何も変わったところは ございません 488 00:39:58,530 --> 00:40:00,132 今後も 殿下のご様子— 489 00:40:01,166 --> 00:40:02,868 逐一 俺に伝えるように 490 00:40:05,303 --> 00:40:08,573 全ては 真田のためだ 491 00:40:14,913 --> 00:40:19,918 (信者の歌声) 492 00:40:43,208 --> 00:40:46,211 (語り)文禄5年6月27日 493 00:40:47,112 --> 00:40:51,783 京 大坂 堺(さかい)一帯に 原因不明の灰が降った 494 00:40:54,519 --> 00:40:57,789 人々は 天変地異の 前触れではないかと恐れた 495 00:40:58,824 --> 00:40:59,658 そして… 496 00:41:08,166 --> 00:41:10,235 あ… あ…! (揺れる音) 497 00:41:11,169 --> 00:41:13,672 (語り)閏(うるう)7月13日未明 498 00:41:14,206 --> 00:41:17,843 マグニチュード8ともいわれる大地震が 伏見を襲った 499 00:41:19,244 --> 00:41:19,911 (三成)殿下! 500 00:41:21,913 --> 00:41:23,548 殿下! 殿下! 501 00:41:25,317 --> 00:41:29,754 (秀吉)誰か 誰か おらぬか… 誰か 誰か 誰か… 502 00:41:30,488 --> 00:41:31,156 (信幸)稲! 503 00:41:34,860 --> 00:41:35,627 稲! 504 00:41:37,729 --> 00:41:40,398 もう大丈夫! もう大丈夫じゃ! 505 00:41:46,638 --> 00:41:47,405 おこう! 506 00:41:47,472 --> 00:41:48,874 (こう)ああっ! 507 00:41:48,940 --> 00:41:50,976 大丈夫! もう大丈夫じゃ! 508 00:41:51,610 --> 00:41:54,346 殿下のご無事を確かめたら すぐ戻る 509 00:41:54,412 --> 00:41:56,514 (春)まだ 揺れが続いております お気を付けて 510 00:41:56,581 --> 00:41:58,350 殿下に 何もなければよいが 511 00:41:59,684 --> 00:42:01,920 こんな時に どこに行かれるのですか! 512 00:42:03,088 --> 00:42:06,791 そんなに その女子の事が心配ですか! 513 00:42:07,225 --> 00:42:08,627 支度は整った 514 00:42:24,476 --> 00:42:29,014 (語り)この地震によって 完成間近の伏見城は 天守が倒壊 515 00:42:29,514 --> 00:42:31,349 一から 造り直しとなった 516 00:42:33,718 --> 00:42:36,121 文禄5年 閏7月 517 00:42:37,088 --> 00:42:40,558 太閤秀吉の最期が近づいている 518 00:42:43,528 --> 00:42:44,229 もしや… 519 00:42:45,063 --> 00:42:45,931 秀吉じゃ 520 00:42:45,997 --> 00:42:49,267 (信幸)殿下が亡くなれば 世の中は 必ず揺れる 521 00:42:49,501 --> 00:42:50,201 揺れませぬ 522 00:42:50,268 --> 00:42:51,403 いや 揺れる! 523 00:42:52,003 --> 00:42:55,106 (昌幸)よう気付いたのう 524 00:42:55,507 --> 00:42:57,375 (本多正信(ほんだまさのぶ))役立たずめが 525 00:42:57,442 --> 00:42:58,109 (秀吉)枯れ木に花を… 526 00:42:58,176 --> 00:43:00,345 (寧)あんた いい加減にしやあよ! 527 00:43:00,912 --> 00:43:02,147 (一同)あっ!