1 00:00:33,803 --> 00:00:57,803 ♬~ 2 00:01:00,897 --> 00:03:07,897 ♬~ 3 00:03:43,359 --> 00:03:47,530 兄上 十石峠を通った方が 近道なのでは? 4 00:03:47,530 --> 00:03:49,465 山道は危なすぎる。 5 00:03:49,465 --> 00:03:51,400 盗賊どもに囲まれたら 身動きがとれなくなる。 6 00:03:51,400 --> 00:03:54,871 しかし この道だと 今日中には着きませんよ。 7 00:03:54,871 --> 00:03:57,773 今夜は 軽井沢に1泊する。 そうなんですか? 8 00:03:57,773 --> 00:04:00,209 岩櫃には 明日の夕刻 到着だ。 9 00:04:00,209 --> 00:04:03,880 少しでも早く着いた方が よくはないかなあ。 10 00:04:03,880 --> 00:04:07,550 源次郎 焦りは禁物だ。 分かってますけど。 11 00:04:07,550 --> 00:04:12,221 俺には 一族皆を 無事に岩櫃に 送り届けるという務めがある。 12 00:04:12,221 --> 00:04:15,892 無理はしたくない。 フッ…。 13 00:04:15,892 --> 00:04:19,562 何だ? 兄上は 慎重ですね。 14 00:04:19,562 --> 00:04:23,900 悪いか。 全て 兄上に お任せ致します。 15 00:04:23,900 --> 00:04:29,772 ♬~ 16 00:04:29,772 --> 00:04:32,708 様子は どうですか? 怪しい人影なし! 17 00:04:32,708 --> 00:04:34,844 今のうちに さっさと参りましょう。 18 00:04:34,844 --> 00:04:39,182 姉上 焦りは禁物ですよ。 本日は 途中で泊まります。 19 00:04:39,182 --> 00:04:41,117 えっ? 嫌だ そうなの? 20 00:04:41,117 --> 00:04:45,521 到着は 明日の夕刻。 のんびりと参りましょう。 21 00:04:45,521 --> 00:04:49,859 母上 あともう少しで 今宵の宿に着きます。 22 00:04:49,859 --> 00:04:52,559 そこまで頑張りましょう。 23 00:04:54,730 --> 00:04:59,368 母上! (薫)よい景色じゃ。 24 00:04:59,368 --> 00:05:01,304 まことでございますね~。 25 00:05:01,304 --> 00:05:03,706 信州の景色は どこも似たり寄ったりですよ。 26 00:05:03,706 --> 00:05:05,641 そういう事を言うな。 27 00:05:05,641 --> 00:05:08,377 京から参った時は とんでもない田舎に➡ 28 00:05:08,377 --> 00:05:14,183 来たもんだと気落ちしましたが 今では ここが 私のふるさと。 29 00:05:14,183 --> 00:05:17,086 母上は 立派な信濃の女子でございます。 30 00:05:17,086 --> 00:05:21,891 さあ 参りましょう。 私には構わんでよい。 31 00:05:21,891 --> 00:05:25,761 何を仰せですか。 もう疲れました! 32 00:05:25,761 --> 00:05:29,565 あなたたち 先に行きなさい。 33 00:05:29,565 --> 00:05:32,168 母上を 置いていける訳がありませぬ! 34 00:05:32,168 --> 00:05:34,837 何で こんな思いをしなくては ならないのです! 35 00:05:34,837 --> 00:05:37,673 私は 真田安房守の妻ですよ! 36 00:05:37,673 --> 00:05:41,844 母上… 真田安房守の妻だから こんな思いをしてるんですよ。 37 00:05:41,844 --> 00:05:43,779 口ばっかり達者になって! 38 00:05:43,779 --> 00:05:47,717 母上! 何 だだ こねてるんですか? 39 00:05:47,717 --> 00:05:49,719 うるさい! 40 00:05:49,719 --> 00:05:52,419 皆が迷惑します。 41 00:05:54,190 --> 00:05:57,526 (とり)何をしてるのですか? 42 00:05:57,526 --> 00:05:59,862 何ですか みんなで 寄ってたかって! 43 00:05:59,862 --> 00:06:02,765 母上が いけないのですよ。 わがままばっかりおっしゃるから。 44 00:06:02,765 --> 00:06:06,369 放っておおき! あ~ 参りましょう。 45 00:06:06,369 --> 00:06:09,872 しかし ばば様 母上を残していく訳には。 46 00:06:09,872 --> 00:06:11,807 あっ? 母上を残して…。 47 00:06:11,807 --> 00:06:14,210 お前の声は 耳に入ってこん! 48 00:06:14,210 --> 00:06:17,246 母上を置いていく訳には いきませんよ。 49 00:06:17,246 --> 00:06:23,219 口先だけじゃ。 皆が行けば ついてくる。 50 00:06:23,219 --> 00:06:26,889 もういい! 母上! 51 00:06:26,889 --> 00:06:29,225 (松)母上! (薫)ほっといて! 52 00:06:29,225 --> 00:06:32,128 ひっ! 母上! 53 00:06:32,128 --> 00:06:35,498 (女たちの悲鳴) 54 00:06:35,498 --> 00:06:37,798 (薫)ああ~! 55 00:06:41,370 --> 00:06:43,839 (三十郎)囲まれたようです。 56 00:06:43,839 --> 00:06:47,510 一体 何を探ってきたんですか? 57 00:06:47,510 --> 00:06:49,445 きっと 隠れてたのよ。 58 00:06:49,445 --> 00:06:53,382 隠れているのを見つけるのが 物見の役目でしょう。 59 00:06:53,382 --> 00:06:55,685 隠れてるのに 見つけられる訳ないでしょ。 60 00:06:55,685 --> 00:06:58,354 だって 隠れてるんだから。 母上たちを お守りせよ。 61 00:06:58,354 --> 00:07:00,289 はい! 62 00:07:00,289 --> 00:07:10,533 ♬~ 63 00:07:10,533 --> 00:07:13,202 無礼者! 64 00:07:13,202 --> 00:07:24,213 ♬~ 65 00:07:24,213 --> 00:07:27,049 狙いは 兵糧だな。 (三十郎)皆 飢えておるのです。 66 00:07:27,049 --> 00:07:31,220 しかし 今 我らの兵糧を くれてやる訳にはいかん。 67 00:07:31,220 --> 00:07:35,220 そうだ! 母上 御免! 68 00:07:37,026 --> 00:07:39,495 (薫)何をするのです! 69 00:07:39,495 --> 00:07:42,495 三十郎! 70 00:07:44,367 --> 00:07:48,838 よろしいのですか? よろしい訳ないでしょう! 71 00:07:48,838 --> 00:07:51,138 構わん! 72 00:07:52,708 --> 00:07:55,511 持っていけ! 73 00:07:55,511 --> 00:07:59,382 あああああ! 74 00:07:59,382 --> 00:08:01,851 今のうちに! (松)離しなさい! 75 00:08:01,851 --> 00:08:04,186 離しなさい! 源次郎! 76 00:08:04,186 --> 00:08:06,122 姉上! (松)離しなさい! 77 00:08:06,122 --> 00:08:08,057 うお~! 78 00:08:08,057 --> 00:08:17,733 ♬~ 79 00:08:17,733 --> 00:08:19,735 でや~! 80 00:08:19,735 --> 00:08:26,876 ♬~ 81 00:08:26,876 --> 00:08:29,545 うう…。 82 00:08:29,545 --> 00:08:33,816 うわ~! 83 00:08:33,816 --> 00:08:37,653 ためらうな! お前のためではない。 84 00:08:37,653 --> 00:08:42,453 一族のためだ! そう思え。 85 00:08:45,828 --> 00:08:48,164 一方 勝頼が➡ 86 00:08:48,164 --> 00:08:50,833 岩殿城に 向かったという知らせが➡ 87 00:08:50,833 --> 00:08:55,133 岩櫃城の昌幸のもとに届いた。 88 00:09:01,844 --> 00:09:05,844 (内記)なぜ 御屋形様は 殿の事をお信じになられぬのか…。 89 00:09:08,517 --> 00:09:11,020 (内記)殿が 北条と 通じているなどという事が➡ 90 00:09:11,020 --> 00:09:13,055 あろうはずがございません。 91 00:09:13,055 --> 00:09:17,193 落ち着いて考えれば 分かりそうな事。 92 00:09:17,193 --> 00:09:19,128 (昌幸)それより…。 93 00:09:19,128 --> 00:09:23,065 わしが気になるのは 小山田信茂じゃ。 94 00:09:23,065 --> 00:09:25,901 実は 私も引っかかっておりました。 95 00:09:25,901 --> 00:09:30,206 岩殿は この岩櫃に比べて 守りも十分ではない。 96 00:09:30,206 --> 00:09:33,906 どういうつもりで あの男は…。 97 00:09:35,811 --> 00:09:37,746 佐助。 (佐助)はっ。 98 00:09:37,746 --> 00:09:41,684 岩殿の様子を見てきてくれ。 御屋形様のご無事を確かめよ。 99 00:09:41,684 --> 00:09:43,684 はっ! 100 00:09:45,821 --> 00:09:47,756 まさか…。 101 00:09:47,756 --> 00:09:52,056 小山田信茂 寝返ったか。 102 00:09:53,696 --> 00:09:56,165 甲州 木賊山。 103 00:09:56,165 --> 00:10:02,505 その麓の田野村に 今 武田勝頼一行は いる。 104 00:10:02,505 --> 00:10:07,376 (跡部)甲府が 織田勢の手に 落ちた由にございます。 105 00:10:07,376 --> 00:10:10,379 いよいよ 行き場が なくなったな。 106 00:10:10,379 --> 00:10:13,516 (跡部)申し訳ございません! 107 00:10:13,516 --> 00:10:18,854 あの時 真田安房守の言葉を信じ 岩櫃へ向かっていれば…。 108 00:10:18,854 --> 00:10:21,190 もうよい! 109 00:10:21,190 --> 00:10:24,490 これも 天命である。 110 00:10:29,532 --> 00:10:36,232 (勝頼)確か ここは 木賊山の麓であったな。 111 00:10:37,873 --> 00:10:40,209 (跡部)さようでございます。 112 00:10:40,209 --> 00:10:45,548 我が先祖 武田信満公が追い詰められ➡ 113 00:10:45,548 --> 00:10:50,219 自害なされたのも この山と聞いておる。 114 00:10:50,219 --> 00:10:57,219 因縁というものは 実に面白いものじゃ。 115 00:11:02,798 --> 00:11:05,768 どうして このような格好を しなければならないのですか? 116 00:11:05,768 --> 00:11:07,770 源次郎の思いつきです。 117 00:11:07,770 --> 00:11:10,906 百姓に化けた方が 目立ちにくいではないですか。 118 00:11:10,906 --> 00:11:15,077 確かに これで 無駄な斬り合いを 避けられるかもしれぬ。 119 00:11:15,077 --> 00:11:17,112 (松)どこから このようなものを? 120 00:11:17,112 --> 00:11:19,248 私が 近くの村で 集めてまいりました。 121 00:11:19,248 --> 00:11:21,917 でもなあ…。 何ですか? 122 00:11:21,917 --> 00:11:26,217 どこか まだ なじんでないんですよねえ。 123 00:11:27,790 --> 00:11:31,427 もう少し 汚してみるか。 何を言ってるのです? 124 00:11:31,427 --> 00:11:33,862 そうですね! 何を言ってるのです! 125 00:11:33,862 --> 00:11:36,765 顔に 泥を塗りましょう。 面白そう! 126 00:11:36,765 --> 00:11:41,203 皆の者 顔に泥を。 (一同)はっ! 127 00:11:41,203 --> 00:11:47,076 ♬~ 128 00:11:47,076 --> 00:11:49,078 さあ 母上も! 129 00:11:49,078 --> 00:11:52,548 私は 御免です! ばば様も嫌だと言ってます! 130 00:11:52,548 --> 00:11:55,217 こんなまねができますか。 ねえ? 131 00:11:55,217 --> 00:11:58,120 しょうがない。 やるか。 132 00:11:58,120 --> 00:12:00,389 ばば様…。 生きるためじゃ。 133 00:12:00,389 --> 00:12:03,892 (松)ばば様 私がやってあげる! 134 00:12:03,892 --> 00:12:11,767 ♬~ 135 00:12:11,767 --> 00:12:16,767 さあ 母上 私が お塗り致しましょう。 136 00:12:18,907 --> 00:12:24,246 母上は 誰よりも 気品が 顔に にじみ出ていますから➡ 137 00:12:24,246 --> 00:12:28,117 誰よりも 泥を多く塗りませんと。 138 00:12:28,117 --> 00:12:30,919 あら…。 139 00:12:30,919 --> 00:12:32,919 (いななき) 140 00:12:35,524 --> 00:12:38,193 皆 伏せるんだ! (一同)はっ! 141 00:12:38,193 --> 00:12:41,893 母上! ばば様! 142 00:12:43,532 --> 00:12:48,704 そこの百姓ども 何をやっている? 143 00:12:48,704 --> 00:12:50,639 手前どもは…。 144 00:12:50,639 --> 00:12:53,876 隣村の寄り合いからの 帰り道にごぜえます! 145 00:12:53,876 --> 00:12:58,876 ふむ。 女子もおるのか。 146 00:13:08,424 --> 00:13:10,893 気を付けて 帰るのだぞ。 147 00:13:10,893 --> 00:13:14,763 はい ありがとうごぜえます。 148 00:13:14,763 --> 00:13:19,068 まあ その出で立ちでは 襲われる事もあるまいが。 149 00:13:19,068 --> 00:13:24,268 (笑い声) 150 00:13:29,578 --> 00:13:33,182 危なかった…。 なかなか うまくいきましたね。 151 00:13:33,182 --> 00:13:36,085 (薫)死ぬかと思った…。 152 00:13:36,085 --> 00:13:38,520 わしの芝居 どうじゃった? 153 00:13:38,520 --> 00:13:40,856 よかったですよ。 あん? 154 00:13:40,856 --> 00:13:45,156 見事でございました おばば様。 フフフ! 155 00:13:47,730 --> 00:13:50,866 姉上 どうされました? 156 00:13:50,866 --> 00:13:55,866 茂誠様の事 ふと 思い出して。 157 00:13:59,875 --> 00:14:03,875 今頃 どうされてるんだろう…。 158 00:14:07,549 --> 00:14:21,897 ♬~ 159 00:14:21,897 --> 00:14:25,567 (小山田八左衛門)御屋形様は 田野村に潜まれているとの事。 160 00:14:25,567 --> 00:14:28,237 ここからは 目と鼻の先です。 161 00:14:28,237 --> 00:14:31,573 捕らえて 織田方に引き渡しましょう。 162 00:14:31,573 --> 00:14:34,176 よき手土産になるかと。 それはならん! 163 00:14:34,176 --> 00:14:39,476 しかし…。 小山田信茂 そこまで落ちとうはない。 164 00:14:42,050 --> 00:14:45,187 真田の人質たちは どうなった? 165 00:14:45,187 --> 00:14:49,858 岩櫃へ向かったはずですが。 そうか…。 166 00:14:49,858 --> 00:15:01,870 ♬~ 167 00:15:01,870 --> 00:15:04,206 (三十郎)真田の兵でしょうか? 168 00:15:04,206 --> 00:15:07,109 まだ分からん。 織田勢かもしれません。 169 00:15:07,109 --> 00:15:09,809 伏せろ。 (松)ばば様。 170 00:15:20,756 --> 00:15:24,593 (薫)ありがてえ ありがてえ。 やめて下さい。 やめ…! 171 00:15:24,593 --> 00:15:30,432 ♬~ 172 00:15:30,432 --> 00:15:36,138 (八左衛門)それは 扇か? 似合わぬ品じゃのう。 173 00:15:36,138 --> 00:15:43,045 ♬~ 174 00:15:43,045 --> 00:15:49,518 おぬしら まことに百姓か? 175 00:15:49,518 --> 00:15:54,356 おっかあ! いつの間に こんなものを! 176 00:15:54,356 --> 00:15:57,392 どこで拾った? ひょっとして盗んだんか? 177 00:15:57,392 --> 00:16:00,392 え…。 (八左衛門)怪しい! 178 00:16:05,701 --> 00:16:08,201 (松)あれ? 179 00:16:12,474 --> 00:16:15,410 八左衛門? 180 00:16:15,410 --> 00:16:18,280 お… お松様!? 181 00:16:18,280 --> 00:16:21,049 この人たちは 小山田様の家来衆です。 182 00:16:21,049 --> 00:16:24,887 大丈夫よ みんな! (八左衛門)そのお出で立ちは? 183 00:16:24,887 --> 00:16:28,223 (松)分からなかったでしょ? 弟たちです。 184 00:16:28,223 --> 00:16:33,061 こちらは母。 祖母もいます。 (八左衛門)真田の方々…。 185 00:16:33,061 --> 00:16:35,964 (松)皆さんは こんな所で 何を? 186 00:16:35,964 --> 00:16:40,168 もちろん あなた方を お助けに参ったのです。 187 00:16:40,168 --> 00:16:44,840 聞きましたか? それは かたじけのうございます。 188 00:16:44,840 --> 00:16:47,743 皆様を 無事に 岩櫃まで お連れせよと➡ 189 00:16:47,743 --> 00:16:52,180 我が主 小山田出羽守の命を受けました。 190 00:16:52,180 --> 00:16:55,851 (松)これで もう安心ですよ 母上。 ばば様も! 191 00:16:55,851 --> 00:16:57,786 輿は ありますか? 192 00:16:57,786 --> 00:17:00,355 お疲れのようなら 家来に背負わせます。 193 00:17:00,355 --> 00:17:03,258 いかがなされますか? 歩きます! 194 00:17:03,258 --> 00:17:05,227 参りましょう。 195 00:17:05,227 --> 00:17:08,530 (八左衛門)さあ どうぞ。 さあ 行きましょう。 196 00:17:08,530 --> 00:17:12,200 よい所で出会えたな。 気になります。 197 00:17:12,200 --> 00:17:16,071 今は 岩殿城の守りを固める時。 198 00:17:16,071 --> 00:17:22,071 わざわざ 小山田様が我らのために 兵を割くとは思えません。 199 00:17:27,749 --> 00:17:32,154 甲州 田野村に身を潜めていた 武田勝頼に➡ 200 00:17:32,154 --> 00:17:36,024 最期の時が迫っている。 201 00:17:36,024 --> 00:17:42,497 新府を出た時は 600以上いた兵士も既に40人余り。 202 00:17:42,497 --> 00:17:46,668 攻めるは 織田家重臣 滝川一益。 203 00:17:46,668 --> 00:17:49,168 もうよい。 204 00:18:03,518 --> 00:18:06,318 (勝頼)もはや これまで。 205 00:18:11,860 --> 00:18:15,530 父上…。 206 00:18:15,530 --> 00:18:20,230 申し訳ございませぬ! 207 00:18:35,817 --> 00:18:38,720 父上! 208 00:18:38,720 --> 00:18:46,161 ♬~ 209 00:18:46,161 --> 00:18:48,861 お怒りでございますか? 210 00:18:52,034 --> 00:18:54,334 父上! 211 00:18:58,173 --> 00:19:02,044 (勝頼)何か 仰せ下さりませ…。 212 00:19:02,044 --> 00:19:30,105 ♬~ 213 00:19:30,105 --> 00:19:34,405 (勝頼)今から そちらへ参ります。 214 00:19:42,484 --> 00:19:44,784 四郎を…。 215 00:19:46,354 --> 00:19:50,826 たっぷり叱って下さりませ。 216 00:19:50,826 --> 00:19:54,526 う~! 217 00:19:56,164 --> 00:19:59,501 武田四郎勝頼。 218 00:19:59,501 --> 00:20:05,801 父 信玄を超える事だけを 夢みて生きた人生であった。 219 00:20:08,176 --> 00:20:11,876 享年 37。 220 00:20:13,515 --> 00:20:18,815 甲斐武田家は これをもって 滅亡する。 221 00:20:27,529 --> 00:20:29,529 (くるみが割れる音) 222 00:20:42,077 --> 00:21:02,230 ♬~ 223 00:21:02,230 --> 00:21:05,567 御屋形様…。 224 00:21:05,567 --> 00:21:20,115 ♬~ 225 00:21:20,115 --> 00:21:23,919 御屋形様! 226 00:21:23,919 --> 00:21:33,728 ♬~ 227 00:21:33,728 --> 00:21:36,428 佐助か? (佐助)はっ。 228 00:21:45,540 --> 00:21:47,840 悪い知らせか? 229 00:21:56,551 --> 00:21:59,551 大儀であった。 230 00:22:16,871 --> 00:22:24,871 わしの言う事を聞いて ここへ来て下されば…。 231 00:22:38,860 --> 00:22:42,160 御屋形様…。 232 00:22:44,733 --> 00:22:48,433 わしに何を託された…? 233 00:22:53,408 --> 00:22:56,708 わしに何を…。 234 00:23:03,885 --> 00:23:07,185 わしに何を…。 235 00:23:13,228 --> 00:23:20,101 さて 焼け落ちた新府城の跡に 一人の男がいる。 236 00:23:20,101 --> 00:23:23,238 徳川家康。 237 00:23:23,238 --> 00:23:30,111 後に乱世を治め 250年に及ぶ 徳川幕府の礎を築く この男も➡ 238 00:23:30,111 --> 00:23:35,517 今は まだ 三河 遠江を領する 一大名にすぎない。 239 00:23:35,517 --> 00:23:39,387 武田が滅びたは めでたい事じゃが➡ 240 00:23:39,387 --> 00:23:44,192 ちっとも うれしゅうないのは なぜだ? 241 00:23:44,192 --> 00:23:50,065 信玄入道には あれほど 苦しめられたというのに…。 242 00:23:50,065 --> 00:24:01,209 ♬~ 243 00:24:01,209 --> 00:24:06,381 (家康)勝頼は 決して愚鈍な男ではなかった。 244 00:24:06,381 --> 00:24:10,552 むしろ 武勇には秀でておりました。 245 00:24:10,552 --> 00:24:14,222 なぜじゃ…。 246 00:24:14,222 --> 00:24:17,892 信玄が偉大すぎたか? 247 00:24:17,892 --> 00:24:21,229 取り巻きが まぬけすぎたか? 248 00:24:21,229 --> 00:24:24,566 正信…。 249 00:24:24,566 --> 00:24:29,904 何が 一体 人を滅ぼすのか…。 250 00:24:29,904 --> 00:24:37,011 ♬~ 251 00:24:37,011 --> 00:24:40,048 あっ! 252 00:24:40,048 --> 00:24:42,517 熱っ! 253 00:24:42,517 --> 00:24:45,186 穴が開いた! 焼け焦げた! 254 00:24:45,186 --> 00:24:48,223 弓懸越しゆえ 心配ございませぬ。 255 00:24:48,223 --> 00:24:53,061 大丈夫かな… 火膨れにならんかのう? 256 00:24:53,061 --> 00:24:59,734 まあ ご心配なら ふきの葉を用意させましょう。 257 00:24:59,734 --> 00:25:03,204 やけどには ふきの葉が効くのか? 258 00:25:03,204 --> 00:25:09,878 はい。 痛む所に貼っておくだけで たちまち治ります。 259 00:25:09,878 --> 00:25:13,748 おぬしは 何でも よう知っておるのう。 260 00:25:13,748 --> 00:25:17,048 すぐに 取りに行かせます。 261 00:25:18,887 --> 00:25:20,887 正信…。 262 00:25:24,559 --> 00:25:28,430 これから どうなる? 263 00:25:28,430 --> 00:25:35,130 信長公の力は ますます 強大になってまいりましょうなあ。 264 00:25:37,505 --> 00:25:41,376 わしは どうすればよい? 265 00:25:41,376 --> 00:25:49,517 それは 殿が どうなされたいかによりまする。 266 00:25:49,517 --> 00:25:55,817 生き延びられれば それで十分じゃ。 267 00:25:58,526 --> 00:26:03,198 フッ… ハハハハハ! フフフフ。 268 00:26:03,198 --> 00:26:13,842 ♬~ 269 00:26:13,842 --> 00:26:16,544 おかしい…。 270 00:26:16,544 --> 00:26:21,216 もし! 方角が違うように思うのですが。 271 00:26:21,216 --> 00:26:25,887 これでは 甲斐に戻ってしまう。 272 00:26:25,887 --> 00:26:27,887 それでよいのだ。 273 00:26:37,165 --> 00:26:40,835 謀られました。 その場を動かぬよう。 274 00:26:40,835 --> 00:26:44,172 (松)ばば様! 275 00:26:44,172 --> 00:26:47,075 殺すな! 生け捕るのじゃ! 276 00:26:47,075 --> 00:26:49,511 (家来たち)はっ! 277 00:26:49,511 --> 00:27:04,025 ♬~ 278 00:27:04,025 --> 00:27:07,862 あっ! 押せ~! 279 00:27:07,862 --> 00:27:25,880 ♬~ 280 00:27:25,880 --> 00:27:30,552 (八左衛門)捕らえよ! 281 00:27:30,552 --> 00:27:32,487 うう~! 282 00:27:32,487 --> 00:27:34,487 (いななき) 283 00:27:39,360 --> 00:27:42,830 父上! 284 00:27:42,830 --> 00:27:44,766 迎えに参ったぞ! 285 00:27:44,766 --> 00:27:46,701 (家来たち)うお~! 286 00:27:46,701 --> 00:28:06,521 ♬~ 287 00:28:06,521 --> 00:28:09,190 (女たちの悲鳴) (松)離して! 288 00:28:09,190 --> 00:28:16,864 ♬~ 289 00:28:16,864 --> 00:28:20,864 ううっ! あっ! 290 00:28:26,207 --> 00:28:30,878 ああああ~! 291 00:28:30,878 --> 00:28:34,482 引け~! 292 00:28:34,482 --> 00:28:37,819 姉上! 母上! 293 00:28:37,819 --> 00:28:41,489 追うな! もうよい! 294 00:28:41,489 --> 00:28:44,826 母上 ばば様 おけがはございませんか? 295 00:28:44,826 --> 00:28:48,496 私は大事ない。 いくら 命があっても足りませぬ! 296 00:28:48,496 --> 00:28:51,165 よう戻った。 297 00:28:51,165 --> 00:28:53,501 殿~! (松)父上! 298 00:28:53,501 --> 00:28:56,004 (泣き声) これこれ 皆が見ておる。 299 00:28:56,004 --> 00:29:00,508 いい加減にせんか。 怖かった…。 300 00:29:00,508 --> 00:29:04,345 みんな よう似合うとるのう。 えっ? ハハハハ! 301 00:29:04,345 --> 00:29:08,516 おっ ばば様! ばば様も ご無事でござったか。 302 00:29:08,516 --> 00:29:11,419 何のこれしき。 303 00:29:11,419 --> 00:29:14,389 楽しき旅でありました。 304 00:29:14,389 --> 00:29:17,859 さすが 我が母上。 肝が据わっておられる。 305 00:29:17,859 --> 00:29:20,859 ハハハハ! ハハハハ! 306 00:29:22,530 --> 00:29:26,401 さっきのやつらは? 小山田信茂の手の者でございます。 307 00:29:26,401 --> 00:29:28,403 やはりな。 308 00:29:28,403 --> 00:29:31,205 一刻も早く着替えたいのですが お城は遠いのでございましょうか。 309 00:29:31,205 --> 00:29:34,475 父上 こんな所にいて よいのですか? 310 00:29:34,475 --> 00:29:37,311 いかにも! この危急の時に岩櫃を離れては…。 311 00:29:37,311 --> 00:29:39,247 助けてやったのに 文句ばかりだな おい。 312 00:29:39,247 --> 00:29:42,150 ありがたいとは思っておりますが。 313 00:29:42,150 --> 00:29:46,821 わしにとって 最も大事なのは 真田の一族じゃ。 314 00:29:46,821 --> 00:29:49,490 あの 一刻も早く 着替えを…。 315 00:29:49,490 --> 00:29:53,690 父上 御屋形様は…? 316 00:30:02,503 --> 00:30:04,803 おいたわしや…。 317 00:30:10,845 --> 00:30:13,748 御屋形様…。 318 00:30:13,748 --> 00:30:26,194 ♬~ 319 00:30:26,194 --> 00:30:31,065 (鷹の鳴き声) 320 00:30:31,065 --> 00:30:38,206 ♬~ 321 00:30:38,206 --> 00:30:41,542 (石川数正)勝頼の首は 織田信忠様のもとへ➡ 322 00:30:41,542 --> 00:30:44,212 届けられたとの事でございます。 323 00:30:44,212 --> 00:30:49,884 なんまんだぶ なんまんだぶ。 324 00:30:49,884 --> 00:30:55,757 (数正)穴山梅雪殿が 殿に お会いしたいと待っております。 325 00:30:55,757 --> 00:31:00,228 いま一服 所望じゃ。 326 00:31:00,228 --> 00:31:02,897 十分でございます。 327 00:31:02,897 --> 00:31:06,768 今日は 特に疲れた。 ほれ。 328 00:31:06,768 --> 00:31:10,404 量を飲めばいいというものでは ございませぬ。 329 00:31:10,404 --> 00:31:14,204 いいから 用意せい。 330 00:31:17,912 --> 00:31:19,847 梅雪は 好かん。 331 00:31:19,847 --> 00:31:23,584 (数正)今回の武田攻め 一の手柄でございます。 332 00:31:23,584 --> 00:31:27,255 信玄入道の娘婿でありながら➡ 333 00:31:27,255 --> 00:31:33,060 我が身かわいさに 武田家を裏切った薄汚い男じゃ。 334 00:31:33,060 --> 00:31:36,864 その薄汚い男に 餌を与えて➡ 335 00:31:36,864 --> 00:31:41,164 我が方に引き込んだのは どなたでございましたか? 336 00:31:44,539 --> 00:31:49,210 我が家臣からは くれぐれも あのような者を出さぬよう➡ 337 00:31:49,210 --> 00:31:51,879 心がけたいものじゃ。 のう。 338 00:31:51,879 --> 00:31:58,553 徳川家中は 一心同体。 心配ご無用でございます。 339 00:31:58,553 --> 00:32:04,253 まあ 駿河が落ち着くまでは むげにもできまい。 340 00:32:06,227 --> 00:32:09,897 もう…。 341 00:32:09,897 --> 00:32:11,833 (家康)梅雪殿! 342 00:32:11,833 --> 00:32:16,404 この度は お骨折り頂き まことに感謝しておりますぞ! 343 00:32:16,404 --> 00:32:19,440 そのようなお言葉 もったいのうございます。 344 00:32:19,440 --> 00:32:23,177 貴殿のおかげで 戦わずして 勝てたようなものでござる! 345 00:32:23,177 --> 00:32:28,115 まあ まあ お座り下され。 さあ! さあ さあ さあ さあ! 346 00:32:28,115 --> 00:32:34,789 ♬~ 347 00:32:34,789 --> 00:32:38,726 (家康)いやいや いやいや~! お疲れでござろう。➡ 348 00:32:38,726 --> 00:32:41,726 ごゆるりとなされませ。 349 00:32:45,199 --> 00:32:49,537 武田の領国は ほぼ 織田の手に落ちた。 350 00:32:49,537 --> 00:32:54,876 甲府に入ったのは 織田信長の嫡男 信忠である。 351 00:32:54,876 --> 00:33:00,214 甲斐岩殿城主 小山田信茂にござります。➡ 352 00:33:00,214 --> 00:33:07,722 我が岩殿城と 兵2,000 信長公に差し上げまする。 353 00:33:07,722 --> 00:33:11,225 この小山田信茂 身命を賭して➡ 354 00:33:11,225 --> 00:33:16,225 信長公に お仕えする事 お誓い致しまする。 355 00:33:24,238 --> 00:33:27,538 な… 何をなさる! 356 00:33:29,911 --> 00:33:35,182 長年の恩を恩とも思わず 主君を裏切った逆賊。 357 00:33:35,182 --> 00:33:38,519 我らに そのような不忠者は いらぬ。 358 00:33:38,519 --> 00:33:40,855 即刻 首をはねよ。 359 00:33:40,855 --> 00:33:43,524 お待ち下さい! 目障りだ! 連れていけ! 360 00:33:43,524 --> 00:33:46,861 ならば 木曽義昌も 穴山梅雪も 同じでございます! 361 00:33:46,861 --> 00:33:48,796 何ゆえ 私のみが このような! 362 00:33:48,796 --> 00:33:53,734 (滝川一益)小山田とやら。 分かっておらぬようだな。 363 00:33:53,734 --> 00:34:00,408 木曽も穴山も 我らの調略によって こちらについたのだ。 364 00:34:00,408 --> 00:34:03,210 おぬしは どうだ。 365 00:34:03,210 --> 00:34:06,881 勝頼のそば近くにおりながら 一時の恐れに負けて➡ 366 00:34:06,881 --> 00:34:10,751 主君を見捨てた ただの卑怯者じゃ。➡ 367 00:34:10,751 --> 00:34:14,755 比ぶべくもない。 いや しかし! 368 00:34:14,755 --> 00:34:20,895 戦は終わったのじゃ。 見よ。 369 00:34:20,895 --> 00:34:25,595 ♬~ 370 00:34:33,174 --> 00:34:37,845 (信忠)おぬしが見限った 勝頼の首ぞ。 371 00:34:37,845 --> 00:34:40,748 ひゃ… ひゃ~ ひゃ~! 372 00:34:40,748 --> 00:34:45,720 (信忠)連れていけ! うわ~! うわっ うわ~!➡ 373 00:34:45,720 --> 00:34:50,191 うわ~! 374 00:34:50,191 --> 00:34:53,191 (茂誠)あ… あ…! 375 00:34:55,529 --> 00:34:58,432 (内記) 織田勢は 既に甲斐を押さえた。 376 00:34:58,432 --> 00:35:02,203 いずれ この岩櫃まで 押し寄せてくるは必定。➡ 377 00:35:02,203 --> 00:35:07,074 となれば 打って出るか 城に籠もって迎え撃つか➡ 378 00:35:07,074 --> 00:35:10,077 道は 二つに一つ。➡ 379 00:35:10,077 --> 00:35:15,216 殿は お前たちの考えを聞きたいと 仰せである。 380 00:35:15,216 --> 00:35:18,886 (三十郎)どうなりますかねえ? さあな。 381 00:35:18,886 --> 00:35:24,225 城に籠もって戦いとうはないなあ。 どうして? 382 00:35:24,225 --> 00:35:27,895 どうせなら 戦場で 華々しく戦って死にたい。 383 00:35:27,895 --> 00:35:30,231 どうせ死ぬと なぜ思う? 384 00:35:30,231 --> 00:35:33,134 なぜって 織田勢が攻めてくるのでしょう? 385 00:35:33,134 --> 00:35:35,069 来ない。 どうして? 386 00:35:35,069 --> 00:35:37,038 武田を滅ぼしたあと➡ 387 00:35:37,038 --> 00:35:39,507 織田が真っ先に やらねばならない事は 何だ? 388 00:35:39,507 --> 00:35:43,010 え…? 甲斐を治める事。 389 00:35:43,010 --> 00:35:46,847 武田という主を失って 甲斐の領民たちは ばらばらだ。 390 00:35:46,847 --> 00:35:50,718 まず それを治める。 攻めてくるのは そのあとだ。 391 00:35:50,718 --> 00:35:54,522 結局は 攻めてくるんだ。 でも 多少は 時を稼げる。 392 00:35:54,522 --> 00:35:58,192 だから 父上は 今 策を練っておられるんだ。 393 00:35:58,192 --> 00:36:02,863 武田家が終わってしまったのに 策とか言ってる場合かなあ…。 394 00:36:02,863 --> 00:36:05,863 真田は まだ終わってない。 395 00:36:08,536 --> 00:36:12,406 昌幸は 考えている。 396 00:36:12,406 --> 00:36:15,876 武田家滅亡という 未曽有の出来事を前に➡ 397 00:36:15,876 --> 00:36:18,779 今 何をなすべきか。 398 00:36:18,779 --> 00:36:25,079 真田家当主として 人生最大の岐路に立たされていた。 399 00:36:31,425 --> 00:36:34,425 武田は滅んだ。 400 00:36:36,831 --> 00:36:40,701 わしは 己のふがいなさを 責めるのみじゃ。 401 00:36:40,701 --> 00:36:44,505 何を おっしゃいます。 父上に非はございません! 402 00:36:44,505 --> 00:36:47,341 いや わしも そう思うんだ。 え…? 403 00:36:47,341 --> 00:36:50,377 私も そう思います。 404 00:36:50,377 --> 00:36:53,848 乱世 ここに極まれり。 405 00:36:53,848 --> 00:36:56,183 これからは 一つ 打つ手を誤ると➡ 406 00:36:56,183 --> 00:36:59,854 それは 即座に真田の滅亡につながる。 407 00:36:59,854 --> 00:37:03,724 心して掛からねばならん。 分かるな? 408 00:37:03,724 --> 00:37:06,727 はい! 409 00:37:06,727 --> 00:37:09,196 道は二つ。 410 00:37:09,196 --> 00:37:11,866 籠城か 打って出るか。 411 00:37:11,866 --> 00:37:14,201 あほ。 え…? 412 00:37:14,201 --> 00:37:19,073 今 織田と一戦交えても 勝てる見込みは 万に一つもない。 413 00:37:19,073 --> 00:37:23,878 御屋形様は わしを見放された。 414 00:37:23,878 --> 00:37:29,550 この上は 織田と戦ういわれはない。 415 00:37:29,550 --> 00:37:33,154 戦うおつもりは ないのですか? ない。 416 00:37:33,154 --> 00:37:36,056 では 二つの道というのは? 417 00:37:36,056 --> 00:37:39,827 北の上杉景勝のもとへ 身を寄せるか➡ 418 00:37:39,827 --> 00:37:44,165 はたまた 東の北条氏政のもとへ行くか。 419 00:37:44,165 --> 00:37:46,667 上杉か 北条か。 420 00:37:46,667 --> 00:37:50,838 上杉とは 領地も近く 今や 武田とも親しい。➡ 421 00:37:50,838 --> 00:37:54,175 弱き者に手を貸す 上杉家の家風からしても➡ 422 00:37:54,175 --> 00:37:58,846 温かく迎えてくれるであろう。➡ 423 00:37:58,846 --> 00:38:03,184 一方 北条とは➡ 424 00:38:03,184 --> 00:38:08,522 かねてより 気脈を通じておる。 何度も文のやり取りをしておった。 425 00:38:08,522 --> 00:38:12,860 さようでしたか! 存じませんでした…。 426 00:38:12,860 --> 00:38:17,198 断っておくが 武田を裏切っていた訳ではないぞ。 427 00:38:17,198 --> 00:38:19,198 これは間違えるな。 428 00:38:21,535 --> 00:38:23,871 何だ? 429 00:38:23,871 --> 00:38:27,541 何だ 文句あるかい。 ございません。 430 00:38:27,541 --> 00:38:31,045 上杉か 北条か。 答えは 出たのですか? 431 00:38:31,045 --> 00:38:33,314 ここに 2本の こよりがある。 432 00:38:33,314 --> 00:38:37,151 一方の端には朱が もう一方の端には墨が塗ってある。 433 00:38:37,151 --> 00:38:40,851 赤が上杉 黒が北条。 434 00:38:45,025 --> 00:38:48,162 選べ。 435 00:38:48,162 --> 00:38:51,198 ひょっとして 答えは まだ? 436 00:38:51,198 --> 00:38:54,335 あ~ 選べ。 面白い! 437 00:38:54,335 --> 00:38:58,505 いずれか一本を引くがよい。 438 00:38:58,505 --> 00:39:01,505 いや それは…。 439 00:39:04,378 --> 00:39:07,848 早く 早く! 440 00:39:07,848 --> 00:39:11,685 そのように大事な事を くじで決めてよいのですか? 441 00:39:11,685 --> 00:39:14,355 兄上 大事な事だから くじで決めるんですよ。 442 00:39:14,355 --> 00:39:16,690 わしは 八百万の神に託したのだ。 443 00:39:16,690 --> 00:39:19,193 さあ 兄上! ほれほれ。 444 00:39:19,193 --> 00:39:21,493 ほれ! 445 00:39:27,067 --> 00:39:30,204 赤が上杉…。 446 00:39:30,204 --> 00:39:33,904 黒が北条…。 447 00:39:41,482 --> 00:39:43,782 父上…。 448 00:40:09,176 --> 00:40:11,512 何をしておられるのですか? 449 00:40:11,512 --> 00:40:14,812 いや 父上が…。 450 00:40:25,859 --> 00:40:30,197 どういうおつもりですか? 451 00:40:30,197 --> 00:40:35,035 このように大事な事を 本当に くじで決めていいのか…。 452 00:40:35,035 --> 00:40:39,235 父上! すまん。 453 00:40:53,220 --> 00:40:58,092 私の考えを申し上げても 構いませぬか? 454 00:40:58,092 --> 00:41:01,095 申してみよ。 455 00:41:01,095 --> 00:41:03,864 上杉を選びましょう。 456 00:41:03,864 --> 00:41:07,768 上杉にしてみれば 信濃は 決して織田には渡したくないはず。 457 00:41:07,768 --> 00:41:11,572 となれば 真田が味方につくのは 願ってもない事。 458 00:41:11,572 --> 00:41:13,907 喜んで迎え入れてくれると 思います。 459 00:41:13,907 --> 00:41:17,578 しかし 源次郎 上杉につけば 真っ先に織田と戦いになるぞ。 460 00:41:17,578 --> 00:41:20,247 そうですね。 下手をすると 捨て石にされるおそれもある。 461 00:41:20,247 --> 00:41:22,916 はい だったら 北条にしましょう。 真面目に考えろ! 462 00:41:22,916 --> 00:41:25,252 だから どっちもありだと 言ってるんです。 463 00:41:25,252 --> 00:41:28,155 北条は 既に織田への臣従を誓っている。 464 00:41:28,155 --> 00:41:30,424 北条につけば すぐさま 織田に突き出されても➡ 465 00:41:30,424 --> 00:41:32,359 おかしくはない。 はい。 466 00:41:32,359 --> 00:41:35,262 つまりは いいか? 武田が滅ぼされた以上➡ 467 00:41:35,262 --> 00:41:37,231 どの道を選ぼうと➡ 468 00:41:37,231 --> 00:41:39,867 織田の脅威からは 逃れられないという事なのだ! 469 00:41:39,867 --> 00:41:42,369 はい。 お前 本当に分かっているのか!? 470 00:41:42,369 --> 00:41:46,206 織田って そんなに怖いですかね。 ちゃかすな! 471 00:41:46,206 --> 00:41:49,877 源三郎 源次郎。 はい 父上。 472 00:41:49,877 --> 00:41:53,547 わしは 決めたぞ。 473 00:41:53,547 --> 00:41:56,450 わしは決めたぞ 息子たち。 474 00:41:56,450 --> 00:41:58,886 わしは決めた! 475 00:41:58,886 --> 00:42:03,886 上杉と北条 どちらにつくのですか? 476 00:42:07,895 --> 00:42:13,895 (こよりが燃える音) 477 00:42:16,904 --> 00:42:19,807 どちらにもつかん。 まさか…。 478 00:42:19,807 --> 00:42:21,775 我らだけで 織田を迎え撃つのですか? 479 00:42:21,775 --> 00:42:24,778 織田も迎え撃たん。 480 00:42:24,778 --> 00:42:27,278 では? 真田は…。 481 00:42:33,854 --> 00:42:36,757 織田につく事にする。 482 00:42:36,757 --> 00:42:40,527 織田に!? 483 00:42:40,527 --> 00:42:44,227 あえて 火中に身を投じてみるのだ。 484 00:42:46,400 --> 00:42:50,871 真田は 織田につく! 485 00:42:50,871 --> 00:42:53,774 信長に会うてくるぞ! 486 00:42:53,774 --> 00:43:11,892 ♬~ 487 00:43:11,892 --> 00:43:14,561 (昌幸)真田の命運が懸かった 書状である。➡ 488 00:43:14,561 --> 00:43:16,497 おぬしが じかに届けるのじゃ。 489 00:43:16,497 --> 00:43:20,197 それが信長に渡れば 真田は終わりだ。 490 00:43:22,236 --> 00:43:25,572 源次郎様が ご無事で よかった。 491 00:43:25,572 --> 00:43:28,075 うわっ! 佐助~! 492 00:43:28,075 --> 00:43:31,575 ここは 真田の郷だ。 私が守らなくて どうする! 493 00:43:33,046 --> 00:43:36,517 <群馬県東吾妻町。➡ 494 00:43:36,517 --> 00:43:42,217 上州にも広がる 真田領 要の地です> 495 00:43:46,193 --> 00:43:50,063 <上田から続く この道は 地元の人々から➡ 496 00:43:50,063 --> 00:43:54,063 真田道と親しまれています> 497 00:43:55,869 --> 00:43:59,706 <この地にそそり立つ 岩櫃山。➡ 498 00:43:59,706 --> 00:44:03,210 厳しい岩肌に守られた 天然の要塞は➡ 499 00:44:03,210 --> 00:44:07,510 今も その姿を とどめています> 500 00:44:13,854 --> 00:44:21,554 <昌幸は 劣勢となった勝頼に この城に籠もるよう 進言します> 501 00:44:23,530 --> 00:44:30,230 <しかし 勝頼は 岩櫃ではなく 岩殿城へと向かいます> 502 00:44:32,372 --> 00:44:36,677 <そして 織田勢に追い詰められた勝頼は➡ 503 00:44:36,677 --> 00:44:41,877 ついに この地に来る事なく 自害します> 504 00:44:43,850 --> 00:44:47,187 <甲斐の名門 武田家の滅亡は➡ 505 00:44:47,187 --> 00:44:52,187 真田家の運命を 大きく動かす事となるのです> 506 00:45:38,538 --> 00:45:41,875 (一同)おめでとうございます。 507 00:45:41,875 --> 00:45:45,212 いや めでてえ めでてえ! 508 00:45:45,212 --> 00:45:49,883 ハッハッハッハ… いや おめでとう。 509 00:45:49,883 --> 00:45:53,754 おめでとうございます。 (忠高)おう ご祝儀 ご祝儀。 510 00:45:53,754 --> 00:45:57,224 (妙)今年も 顔なじみの万歳の皆さんに➡ 511 00:45:57,224 --> 00:45:59,893 初春を祝って頂いて…。