1 00:00:33,527 --> 00:00:57,327 ♬~ 2 00:01:01,588 --> 00:03:07,388 ♬~ 3 00:03:31,572 --> 00:03:35,909 ♬~ 4 00:03:35,909 --> 00:03:37,844 (薫)松! 5 00:03:37,844 --> 00:03:42,583 (松)母上! ばば様~! 6 00:03:42,583 --> 00:03:46,253 母上 ばば様~! 7 00:03:46,253 --> 00:03:49,156 母上~! 8 00:03:49,156 --> 00:03:53,856 (こう)また みんなで一緒に暮らせるのですね。 9 00:03:56,964 --> 00:04:00,801 (信幸)おこう…。 10 00:04:00,801 --> 00:04:04,271 すまん! お手をお上げ下さい。 11 00:04:04,271 --> 00:04:07,174 私が頭を下げる事はあっても➡ 12 00:04:07,174 --> 00:04:11,144 あなた様が下げる事など ございません。 13 00:04:11,144 --> 00:04:16,783 たとえ 離縁だとしても 頭を下げる事は…。 14 00:04:16,783 --> 00:04:18,983 え…? 15 00:04:20,621 --> 00:04:23,290 離縁 ですか…? 16 00:04:23,290 --> 00:04:25,290 すまん! 17 00:04:27,160 --> 00:04:30,160 かしこまりました。 18 00:04:35,869 --> 00:04:39,773 驚いたり➡ 19 00:04:39,773 --> 00:04:43,910 怒ったりはせんのか? 20 00:04:43,910 --> 00:04:48,415 驚きはしましたが➡ 21 00:04:48,415 --> 00:04:53,253 お考えがあっての事でしょうし➡ 22 00:04:53,253 --> 00:04:57,924 悩み抜かれた末の事と 存じますし…。 23 00:04:57,924 --> 00:05:01,924 ただ 私としては…。 24 00:05:05,265 --> 00:05:10,937 一体… 何がいけなかったのでしょうか? 25 00:05:10,937 --> 00:05:13,840 そうではないのだ! では…? 26 00:05:13,840 --> 00:05:17,277 徳川から➡ 27 00:05:17,277 --> 00:05:21,148 本多忠勝の娘を➡ 28 00:05:21,148 --> 00:05:25,952 嫁にもらうようにとの話が来た。 29 00:05:25,952 --> 00:05:30,952 今の真田は 徳川に逆らっては 生きてはいけぬ。 30 00:05:33,226 --> 00:05:36,129 そういう事ならば…。 31 00:05:36,129 --> 00:05:39,900 おこう! 32 00:05:39,900 --> 00:05:41,835 (泣き声) 33 00:05:41,835 --> 00:05:46,835 長い間 お世話になりました。 34 00:05:48,575 --> 00:05:54,448 (とり)これは ひどい。 ひどすぎる…。 35 00:05:54,448 --> 00:05:59,920 (昌幸)実は… わしも断るつもりでおったのじゃ。 36 00:05:59,920 --> 00:06:05,592 しかし 源三郎が どうしてもと。 37 00:06:05,592 --> 00:06:07,928 なっ? 38 00:06:07,928 --> 00:06:12,599 これも 真田の家のためでございます。 39 00:06:12,599 --> 00:06:14,799 これ… やめるか? 40 00:06:18,271 --> 00:06:22,609 いえ。 もはや 腹は決まっております! 41 00:06:22,609 --> 00:06:27,948 (昌幸)源三郎を お許し下され。 42 00:06:27,948 --> 00:06:30,283 これから どうされるのです? 43 00:06:30,283 --> 00:06:34,154 ひとまず 里へ戻ります。 44 00:06:34,154 --> 00:06:39,454 事の次第を文にしたためて 佐助に託す。 45 00:06:41,228 --> 00:06:43,228 頼んだぞ。 46 00:06:47,100 --> 00:06:49,100 佐助 わきまえよ! 47 00:06:51,938 --> 00:06:53,940 (佐助)はっ。 48 00:06:53,940 --> 00:07:02,516 ♬~ 49 00:07:02,516 --> 00:07:06,753 おこうさん。 はい。 50 00:07:06,753 --> 00:07:11,925 あなたの事は 正直 ほとんど覚えていません。 51 00:07:11,925 --> 00:07:14,594 あえて言わなくても ようございます。 52 00:07:14,594 --> 00:07:18,465 でも めげずに生きていて下さいね。 53 00:07:18,465 --> 00:07:23,603 生きてさえいれば きっと よい事があります。 54 00:07:23,603 --> 00:07:33,213 ♬~ 55 00:07:33,213 --> 00:07:36,116 体だけは 大事にしなさいね。 56 00:07:36,116 --> 00:07:38,084 はい。 57 00:07:38,084 --> 00:07:54,501 ♬~ 58 00:07:54,501 --> 00:07:56,501 おこう。 59 00:07:59,906 --> 00:08:07,906 (泣き声) 60 00:08:26,600 --> 00:08:33,206 ♬~ 61 00:08:33,206 --> 00:08:37,077 本多忠勝の娘 稲。 62 00:08:37,077 --> 00:08:42,215 家康の養女となっての 輿入れである。 63 00:08:42,215 --> 00:08:55,228 ♬~ 64 00:08:55,228 --> 00:08:59,900 後に 小松姫の名で 知られるようになる この女性は➡ 65 00:08:59,900 --> 00:09:05,572 やがて 真田家に 大きな影響を及ぼす事となる。 66 00:09:05,572 --> 00:09:20,587 ♬~ 67 00:09:20,587 --> 00:09:24,925 (泣き声) 68 00:09:24,925 --> 00:09:30,597 (薫)新しい嫁は 随分と 家来衆に慕われているのですね。 69 00:09:30,597 --> 00:09:34,868 あれは 父親じゃ。 70 00:09:34,868 --> 00:09:37,370 (薫)お呼びしなくて よろしいんですか? 71 00:09:37,370 --> 00:09:41,875 せっかく化けておるのじゃ。 そっとしておこう。 72 00:09:41,875 --> 00:09:52,575 ♬~ 73 00:10:01,895 --> 00:10:06,566 不思議な縁で こういう事に相なった。 74 00:10:06,566 --> 00:10:09,903 よろしく頼む。 75 00:10:09,903 --> 00:10:12,203 (稲)はい。 76 00:10:13,773 --> 00:10:19,245 ここからは ここが そなたの家じゃ。 77 00:10:19,245 --> 00:10:23,945 不便があれば 何でも申してくれ。 78 00:10:25,585 --> 00:10:28,488 よろしいのですか? 79 00:10:28,488 --> 00:10:31,188 構わぬ。 80 00:10:32,926 --> 00:10:36,226 よろしいのですね。 81 00:10:39,799 --> 00:10:41,799 寒うございます。 82 00:10:53,246 --> 00:10:56,149 誰か おらぬか? 83 00:10:56,149 --> 00:10:59,619 奥が寒いと申しておる。 何か羽織るものを。 84 00:10:59,619 --> 00:11:02,319 かしこまりました。 85 00:11:03,957 --> 00:11:05,892 おい! 86 00:11:05,892 --> 00:11:07,827 おい…。 87 00:11:07,827 --> 00:11:11,631 おい おいおいおい! 88 00:11:11,631 --> 00:11:13,967 お前! 89 00:11:13,967 --> 00:11:18,304 薫様のお情けにより こちらで ご厄介になる事に。 90 00:11:18,304 --> 00:11:23,643 無理だ! 無理だ 無理だ 無理だ! 91 00:11:23,643 --> 00:11:27,147 いくら何でも ありえませぬ! (薫)離縁されても なんとか➡ 92 00:11:27,147 --> 00:11:30,183 源三郎のそば近く仕える手だては ないものかと➡ 93 00:11:30,183 --> 00:11:33,420 おこうが それは熱心に望みましたのでね。 94 00:11:33,420 --> 00:11:37,090 ほんに お前は 出来た嫁じゃのう。 95 00:11:37,090 --> 00:11:41,261 もう 嫁ではありませぬが。 (とり)そうじゃった。 96 00:11:41,261 --> 00:11:43,196 父上は ご存じだったのですか? 97 00:11:43,196 --> 00:11:46,896 いや 今 聞いた。 そういう事になりました。 98 00:11:48,601 --> 00:11:50,637 いいだろう。 父上! 99 00:11:50,637 --> 00:11:53,473 わしも 心を痛めておったのじゃ。 100 00:11:53,473 --> 00:11:56,276 源三郎も おこうを そばに置けるのじゃ。 101 00:11:56,276 --> 00:11:58,945 素直に喜べ。 102 00:11:58,945 --> 00:12:04,818 若殿様 遠慮なく 何でも お申しつけ下さいませ。 103 00:12:04,818 --> 00:12:07,518 できる訳ないだろ! 104 00:12:09,289 --> 00:12:13,960 天正16年4月14日。 105 00:12:13,960 --> 00:12:18,832 後陽成天皇が聚楽第を訪れた。 106 00:12:18,832 --> 00:12:41,121 ♬~ 107 00:12:41,121 --> 00:12:48,421 大名たちは 帝の前で 秀吉に忠誠を誓う形となった。 108 00:12:51,798 --> 00:12:56,536 (秀吉)いや~ さすがに疲れたわ。 109 00:12:56,536 --> 00:12:59,472 (家康) 信長公ですら なしえなかった事。 110 00:12:59,472 --> 00:13:01,474 おめでとうございまする。 111 00:13:01,474 --> 00:13:05,945 なぎゃー事 気ぃ張っとったで 肩が かっちんこっちんだわ。 112 00:13:05,945 --> 00:13:10,617 ヘヘヘ! 佐吉 風呂にでも ひゃあるか? 113 00:13:10,617 --> 00:13:13,286 (三成)風呂に ひゃあるが よろしいかと。 114 00:13:13,286 --> 00:13:18,625 おお~! ハハハハ! ハハハハハ! 115 00:13:18,625 --> 00:13:20,560 すぐに支度を。 116 00:13:20,560 --> 00:13:23,296 おもろいのう 佐吉! ハハハハ! 117 00:13:23,296 --> 00:13:29,636 (家康)まさに 我が世の春といった 様子であったわ。 118 00:13:29,636 --> 00:13:32,336 ハハハハ…。 119 00:13:35,241 --> 00:13:41,114 あとは 北条と伊達が従えば➡ 120 00:13:41,114 --> 00:13:45,885 この日の本は あやつのもの。 121 00:13:45,885 --> 00:13:50,790 (正信)絵空事では のうなってまいりましたな。 122 00:13:50,790 --> 00:13:58,932 だが 秀吉には 大きな悩みがある。 123 00:13:58,932 --> 00:14:00,932 さて? 124 00:14:02,802 --> 00:14:07,273 あれには 子がおらん。 125 00:14:07,273 --> 00:14:11,945 ようやく手に入れた天下➡ 126 00:14:11,945 --> 00:14:19,245 誰に継がせるか さぞ 頭が痛い事であろう。 127 00:14:20,954 --> 00:14:24,824 そして 年が変わり 天正17年。 128 00:14:24,824 --> 00:14:26,826 (阿茶局)新年早々➡ 129 00:14:26,826 --> 00:14:29,629 公家衆のところへ お礼に回られたそうで➡ 130 00:14:29,629 --> 00:14:31,898 ご苦労さまでございます。 131 00:14:31,898 --> 00:14:34,801 (寧)それが 私の仕事ですから。 132 00:14:34,801 --> 00:14:38,571 (阿茶局)尾張の小さなお武家の 出でいらっしゃるのに➡ 133 00:14:38,571 --> 00:14:43,443 関白殿下の奥方様として 見事に治めていらっしゃいます。 134 00:14:43,443 --> 00:14:46,913 なかなかできる事では ございませぬ。 135 00:14:46,913 --> 00:14:48,848 (茶々)私も そう存じます。 136 00:14:48,848 --> 00:14:53,786 そんな事ないですよ。 帝が お見えになられた時も➡ 137 00:14:53,786 --> 00:14:56,589 何を どうしたものか よう分からんと➡ 138 00:14:56,589 --> 00:14:58,925 気が遠くなりました。 139 00:14:58,925 --> 00:15:04,797 亭主が出世するというのも まあ 善し悪しだわね。 140 00:15:04,797 --> 00:15:08,497 お気持ち よう分かります。 141 00:15:11,504 --> 00:15:15,775 いつも 何のお役にも立てず。 (寧)ええのよ 気にせんで。 142 00:15:15,775 --> 00:15:19,975 これは 私のつとめ。 143 00:15:21,581 --> 00:15:26,286 次に帝が行幸される時は 私も何か お手伝い致します。 144 00:15:26,286 --> 00:15:29,622 また お見えになられるのですか? 145 00:15:29,622 --> 00:15:32,225 さて ねえ…。 146 00:15:32,225 --> 00:15:34,560 殿下が そのように おっしゃってましたよ。➡ 147 00:15:34,560 --> 00:15:36,896 ご存じでは? 148 00:15:36,896 --> 00:15:46,906 ♬~ 149 00:15:46,906 --> 00:15:50,243 一人で食べてしまいました。 持ってこさせます。 150 00:15:50,243 --> 00:15:52,543 (きり)かしこまりました。 151 00:15:55,114 --> 00:15:57,583 私も行こう。 別の菓子もあるやもしれぬ。 152 00:15:57,583 --> 00:16:00,253 別にございませぬが。 この目で確かめる。 153 00:16:00,253 --> 00:16:11,864 ♬~ 154 00:16:11,864 --> 00:16:16,803 お茶々様の事でございますが…。 155 00:16:16,803 --> 00:16:21,641 ひょっとして おなかに ややこがおられるのでは? 156 00:16:21,641 --> 00:16:24,944 はっ? あのお召し上がりぶりは➡ 157 00:16:24,944 --> 00:16:26,879 尋常ではございませぬ。 158 00:16:26,879 --> 00:16:31,284 子を はらんですぐは とかく おなかがすきます。 159 00:16:31,284 --> 00:16:35,555 殿下は ようけ 女子と仲よくなりましたけど➡ 160 00:16:35,555 --> 00:16:39,425 子を はらませた事は ただの一度も…。 161 00:16:39,425 --> 00:16:46,899 私 そういう勘は 働きます。 162 00:16:46,899 --> 00:16:49,899 まさか~。 163 00:16:51,771 --> 00:16:55,575 ハハハハ! アハハハ! 164 00:16:55,575 --> 00:17:00,246 ♬~ 165 00:17:00,246 --> 00:17:02,181 (秀吉)まことか? 166 00:17:02,181 --> 00:17:04,117 はい。 間違いではないのか? 167 00:17:04,117 --> 00:17:07,920 (大蔵[外:1E3E86471108B07367CC8A2EE651BA7D]局) 間違いではございません。 168 00:17:07,920 --> 00:17:13,259 茶々! でかした~! 169 00:17:13,259 --> 00:17:17,130 でかした 茶々! アハハハハ! 170 00:17:17,130 --> 00:17:21,430 この時 秀吉 54歳。 171 00:17:25,271 --> 00:17:28,941 (三成)茶々様のご懐妊は 既に知れ渡っている。 172 00:17:28,941 --> 00:17:32,812 石清水八幡に安産祈願をした事が 漏れたらしい。 173 00:17:32,812 --> 00:17:36,749 (信繁)めでたい事ですから よいではないですか。 174 00:17:36,749 --> 00:17:40,219 それが そうでもないのだ。 (長泰)…と申しますと? 175 00:17:40,219 --> 00:17:45,519 今宵 ここの裏門の白壁に 落書きをした者がいる。 176 00:17:50,563 --> 00:17:53,232 (三成)ご高齢の殿下に お子が授かる事を➡ 177 00:17:53,232 --> 00:17:55,568 揶揄する落首であった。 178 00:17:55,568 --> 00:17:57,904 うわ~! 179 00:17:57,904 --> 00:17:59,839 (三成)殿下のお耳に入れば➡ 180 00:17:59,839 --> 00:18:03,242 激しく お怒りになられるのは 目に見えている。➡ 181 00:18:03,242 --> 00:18:06,913 一刻も早く消してしまうようにと 門番に命じた。➡ 182 00:18:06,913 --> 00:18:10,249 だが…。➡ 183 00:18:10,249 --> 00:18:13,920 たまたま通りかかった片桐殿が 落首を見つけ…。 184 00:18:13,920 --> 00:18:16,823 誰が そのようなものを! (三成)殿下のお耳に入れた。 185 00:18:16,823 --> 00:18:19,523 早く行け! (且元)はっ! 186 00:18:23,262 --> 00:18:27,600 (且元)早まった事をした… 私とした事が。 187 00:18:27,600 --> 00:18:29,535 (三成)殿下は その不埒者を➡ 188 00:18:29,535 --> 00:18:33,406 すぐに捕らえるようにと お命じになられた。 189 00:18:33,406 --> 00:18:39,879 私は 別の仕事で忙しいゆえ この一件 おぬしらに任せる。 190 00:18:39,879 --> 00:18:41,814 (2人)かしこまりました! 191 00:18:41,814 --> 00:18:44,750 (長泰)何で 俺たちが こんな事せにゃならんのだ。 192 00:18:44,750 --> 00:18:47,220 消すな! 193 00:18:47,220 --> 00:18:51,057 (長泰) 我々は 石田治部少輔様より➡ 194 00:18:51,057 --> 00:18:52,992 この件を調べるように 言われておる。 195 00:18:52,992 --> 00:18:55,192 すぐに済む。 196 00:18:58,231 --> 00:19:02,068 (長泰)どういう意味だ? 要は 茶々様のおなかの子は➡ 197 00:19:02,068 --> 00:19:05,104 本当に殿下の子なのかと からかっているんです。 198 00:19:05,104 --> 00:19:07,874 うまく出来てます。 199 00:19:07,874 --> 00:19:15,248 ♬~ 200 00:19:15,248 --> 00:19:18,918 消し炭で書いてますね。 持ち歩くものではないので➡ 201 00:19:18,918 --> 00:19:21,254 わざわざ これを書くために 持ってきたんでしょう。 202 00:19:21,254 --> 00:19:23,189 なるほどね。 203 00:19:23,189 --> 00:19:26,592 この高さですから きっと はしごも用意してあったはずです。 204 00:19:26,592 --> 00:19:30,263 それから やったのは 一人ではなさそうですよ。 205 00:19:30,263 --> 00:19:32,198 何で分かる? 206 00:19:32,198 --> 00:19:34,867 今夜は曇り空で 月は出ていません。 207 00:19:34,867 --> 00:19:36,802 はしごに登って➡ 208 00:19:36,802 --> 00:19:40,540 一人で松明を持ちながら 落書きするのは まず無理です。 209 00:19:40,540 --> 00:19:44,043 何だか お前 すごいな。 210 00:19:44,043 --> 00:19:47,880 はしごを持ち歩いていたら かなり目立っていたはず。 211 00:19:47,880 --> 00:19:50,550 どうやって 人目を かいくぐったのか…。 212 00:19:50,550 --> 00:19:54,420 明日の朝一番で 門番たちに聞いてみましょう。 213 00:19:54,420 --> 00:20:03,563 ♬~ 214 00:20:03,563 --> 00:20:08,234 という訳で 今朝ほど 門番たちに 話を聞いてまいりました。 215 00:20:08,234 --> 00:20:11,137 かの者らの話では…。 (三成)ちょっと待っててくれ。 216 00:20:11,137 --> 00:20:15,575 (吉継)ここの鍛冶屋は 刀20本から 1万本の釘を作れるという。 217 00:20:15,575 --> 00:20:19,445 こちらの鍛冶屋は 2万。 どちらも 値は変わらず。 218 00:20:19,445 --> 00:20:22,248 安いのは こっちだが 銭を惜しんでも しかたがない。 219 00:20:22,248 --> 00:20:24,917 (吉継)では こちらで。 何です? 220 00:20:24,917 --> 00:20:27,253 刀狩りの事は知っておるだろう。 221 00:20:27,253 --> 00:20:30,590 えっ? 殿下が始められた新しい定めです。 222 00:20:30,590 --> 00:20:34,927 百姓たちに 刀を差し出させ 勝手な争いを禁じるのです。 223 00:20:34,927 --> 00:20:37,430 殿下は いろいろ 考えなさるのだな。 224 00:20:37,430 --> 00:20:39,365 …で 釘というのは? 225 00:20:39,365 --> 00:20:43,102 集めた刀を どうするか考えた。 溶かして 釘を作る。 226 00:20:43,102 --> 00:20:45,605 そんな大量の釘…。 方広寺の大仏用だ。 227 00:20:45,605 --> 00:20:48,107 これなら 百姓たちも 刀を出しやすい。 228 00:20:48,107 --> 00:20:50,142 確かに 御利益ありそうですからね。 229 00:20:50,142 --> 00:20:53,913 そんな事は いいのだ。 そちらの話を。 230 00:20:53,913 --> 00:20:57,817 番人たちの話では 昨夜は 小半時に一度➡ 231 00:20:57,817 --> 00:21:00,286 見回りで あそこを通っていたそうです。 232 00:21:00,286 --> 00:21:04,624 恐らく賊は いつ見回りが来るかを はかっていたと思われます。 233 00:21:04,624 --> 00:21:06,559 なるほど。 234 00:21:06,559 --> 00:21:09,259 実は 一つ 気になる事があります。 235 00:21:11,297 --> 00:21:13,633 [ 回想 ] こちらに詰めている番人の数は? 236 00:21:13,633 --> 00:21:15,668 18人でございます。 237 00:21:15,668 --> 00:21:19,438 そのうち 昨日の夜の当番は? 半分の9人。 238 00:21:19,438 --> 00:21:22,308 お申しつけで 皆 呼び出しております。 239 00:21:22,308 --> 00:21:25,211 お会いになりますか? 別に いいんじゃねえか。 240 00:21:25,211 --> 00:21:31,584 一応 話を聞いておきましょう。 何か見た者がおるかもしれません。 241 00:21:31,584 --> 00:21:37,923 そうだ! 一人だけ 体の調子が 悪いと来ていない者がおりました。 242 00:21:37,923 --> 00:21:41,260 その男は 見回り中に 転んで 背中を打ったらしく➡ 243 00:21:41,260 --> 00:21:43,929 ゆうべは 早めに帰ったというのです。 244 00:21:43,929 --> 00:21:50,269 ♬~ 245 00:21:50,269 --> 00:21:53,606 恐らく はしごの段の部分だと 思われます。 246 00:21:53,606 --> 00:21:55,541 賊は 地面に落ちたらしい。 247 00:21:55,541 --> 00:21:59,945 その時 けがをしたとしても 不思議はありません。 248 00:21:59,945 --> 00:22:01,881 休んでいる男の名は? 249 00:22:01,881 --> 00:22:04,617 尾藤道休。 だらしない男で➡ 250 00:22:04,617 --> 00:22:08,487 先日は お役目の最中に こっそり酒を飲んでいたそうです。 251 00:22:08,487 --> 00:22:11,490 かなり怪しゅうござる。 252 00:22:11,490 --> 00:22:13,626 住まいは? 留守でした。 253 00:22:13,626 --> 00:22:16,962 居場所は見当がつく。 恐らく 本願寺。 254 00:22:16,962 --> 00:22:19,465 本願寺? (三成)道休は法名だろう。 255 00:22:19,465 --> 00:22:23,965 坊主が紛れ込むなら 大寺のあそこが一番だ。 256 00:22:25,638 --> 00:22:27,973 話は伺いました。 257 00:22:27,973 --> 00:22:31,577 確かに 道休は 我らのもとにおります。 258 00:22:31,577 --> 00:22:36,415 本人を問いただしたく存じます。 259 00:22:36,415 --> 00:22:39,615 それは かないませぬ。 260 00:22:41,754 --> 00:22:43,689 何ゆえ? 261 00:22:43,689 --> 00:22:48,527 御仏を頼ってまいった者を 守らぬ訳にはいきません。 262 00:22:48,527 --> 00:22:50,463 まだ 賊と決まった訳ではありませぬ。 263 00:22:50,463 --> 00:22:54,763 会うて 確かめたい事が…。 これにて 御免こうむります。 264 00:22:56,936 --> 00:23:02,636 無用の疑いを招きますぞ。 よろしゅうござるか。 265 00:23:06,612 --> 00:23:10,950 十中八九 道休の仕業ですな! 266 00:23:10,950 --> 00:23:13,619 決めつけるのは 早うございます。 267 00:23:13,619 --> 00:23:17,319 とにかく 本人に会って 聞いてみない事には。 268 00:23:21,293 --> 00:23:25,593 石田様のお力で なんとかなりませぬか? 269 00:23:27,166 --> 00:23:30,636 (秀長)本願寺も 殿下に刃向かうが 得にならぬ事は➡ 270 00:23:30,636 --> 00:23:32,836 よう分かっておるはずだ。 271 00:23:34,407 --> 00:23:37,743 わしが一筆書けば 折れてくれるであろう。 272 00:23:37,743 --> 00:23:43,249 お力添え ありがたく存じます。 273 00:23:43,249 --> 00:23:48,921 (秀長)それにしても 兄上にも困ったものだな。➡ 274 00:23:48,921 --> 00:23:52,792 近頃 とみに怒りやすくなられた。 275 00:23:52,792 --> 00:23:55,094 さようでございますな。 276 00:23:55,094 --> 00:23:57,930 (秀長) 少しでも わしが肩代わりして➡ 277 00:23:57,930 --> 00:24:03,269 兄上の重荷を 分かち合えればよいのだが…。 278 00:24:03,269 --> 00:24:07,606 病なんぞに かかっている場合ではないな。 279 00:24:07,606 --> 00:24:13,479 ♬~ 280 00:24:13,479 --> 00:24:17,283 道休は もともと ここにおったのですが➡ 281 00:24:17,283 --> 00:24:23,956 根っからの乱暴者で 1年ほど前に追い出されましてな。 282 00:24:23,956 --> 00:24:28,256 国に帰ったと 思っておったのですが…。 283 00:24:32,765 --> 00:24:35,568 では 背中を痛めたのは➡ 284 00:24:35,568 --> 00:24:38,404 酔って 高みから 落ちたせいだというのだな。 285 00:24:38,404 --> 00:24:40,339 そうだ。 286 00:24:40,339 --> 00:24:44,743 お前の前に見回った者によれば その時 落書きはなく➡ 287 00:24:44,743 --> 00:24:47,780 落書きを見つけたのは お前の後の番だ。 288 00:24:47,780 --> 00:24:52,485 つまり お前が見回っていた 小半時の間に書かれた事になる。 289 00:24:52,485 --> 00:24:55,454 落首を書いたのは お前だ! 違うね。 290 00:24:55,454 --> 00:25:00,926 見回りなんか やってねえ。 ずっと 番小屋で飲んでたんだ。 291 00:25:00,926 --> 00:25:03,829 昨日に限って 酒を飲んでいたというのか? 292 00:25:03,829 --> 00:25:08,100 いや いつもだ。 いつも? 293 00:25:08,100 --> 00:25:11,136 そうだよ。 いつもだ。 294 00:25:11,136 --> 00:25:13,906 (長泰)それでも 番人か! 295 00:25:13,906 --> 00:25:18,611 こちとら 好きでやってんじゃねえや。 296 00:25:18,611 --> 00:25:21,311 開き直ったぞ。 297 00:25:22,948 --> 00:25:30,122 百姓に戻ったところで 野良仕事は もともと苦手だ。 298 00:25:30,122 --> 00:25:36,562 槍を担いで 隣村の連中と戦うしか 能がねえ男さ。 299 00:25:36,562 --> 00:25:42,434 ところが 刀狩りが始まって 刀を奪われた上に➡ 300 00:25:42,434 --> 00:25:48,908 喧嘩もしちゃならねえとなったら あとは 何すりゃいいんだ! 301 00:25:48,908 --> 00:25:51,810 やっと ありついたのが 番人の仕事って訳だ。 302 00:25:51,810 --> 00:25:55,781 だったら なおの事 きちんと こなさねばならぬだろう。 303 00:25:55,781 --> 00:26:01,487 だって やる事なんぞ ありゃしねえ。 304 00:26:01,487 --> 00:26:05,257 誰かが攻めてくる訳でもなし。 305 00:26:05,257 --> 00:26:08,160 そうだろ。➡ 306 00:26:08,160 --> 00:26:12,131 よう ちょっと 手ぇ貸してくれ。 307 00:26:12,131 --> 00:26:14,831 うう…。 308 00:26:18,804 --> 00:26:24,610 仕事の合間に 酒を飲んだのは 間違いない。 309 00:26:24,610 --> 00:26:31,283 おかげで 背中を痛めちまって 俺は もう長くは生きられねえ。 310 00:26:31,283 --> 00:26:33,218 まあ いい。 311 00:26:33,218 --> 00:26:39,892 どうせ 生きてても 何の役にも立たねえ男だ。 312 00:26:39,892 --> 00:26:44,192 だがな これだけは誓う。 313 00:26:46,231 --> 00:26:51,570 落書きしたのは 俺じゃねえ。 俺には そもそも 無理なんだ。 314 00:26:51,570 --> 00:26:53,870 なぜなら…。 315 00:26:55,441 --> 00:26:59,141 俺は 字が書けねえのさ。 316 00:27:02,581 --> 00:27:05,417 ヘヘヘ…。 317 00:27:05,417 --> 00:27:07,417 いたたた…。 318 00:27:09,588 --> 00:27:12,257 坊主だったのに 字が書けんのか? 319 00:27:12,257 --> 00:27:17,930 (長泰)顔にも 刀傷がありました。 まことに坊主なのやら。 320 00:27:17,930 --> 00:27:20,599 賊は 道休が 毎晩 見回りを すっぽかして➡ 321 00:27:20,599 --> 00:27:22,534 酒を飲んでいるのを嗅ぎつけ➡ 322 00:27:22,534 --> 00:27:25,938 その間に落書きに及んだものと 思われます。 323 00:27:25,938 --> 00:27:28,607 (吉継)余計な口を挟んですまんが。 324 00:27:28,607 --> 00:27:30,542 何か? 325 00:27:30,542 --> 00:27:33,212 たかだか いたずら書きではないか。 326 00:27:33,212 --> 00:27:37,082 上に立つ者が いちいち 目くじらを立てて どうする。 327 00:27:37,082 --> 00:27:39,551 (三成) 同じ事を殿下の前で言えますか? 328 00:27:39,551 --> 00:27:41,487 もちろん。 329 00:27:41,487 --> 00:27:46,187 申すべき時が来れば 私が申し上げます。 330 00:27:47,893 --> 00:27:51,230 この件 決して うやむやには終わらせんぞ!➡ 331 00:27:51,230 --> 00:27:53,899 書いたやつは必ず 厳罰に処す!➡ 332 00:27:53,899 --> 00:27:57,236 わしを侮ったら どんな目に遭うか 思い知らせてやるのだ。 333 00:27:57,236 --> 00:27:59,171 かしこまりました。 334 00:27:59,171 --> 00:28:02,107 そもそも 門番たちが悪い! 335 00:28:02,107 --> 00:28:08,847 門番全て その役を免じ 今すぐ 牢へつなげ。 336 00:28:08,847 --> 00:28:11,583 門番皆でございますか? そうじゃ! 337 00:28:11,583 --> 00:28:16,088 明日の夜 ことごとく 磔にする。 お待ち下さい。 338 00:28:16,088 --> 00:28:19,888 わしが本気で怒っている事を 世に知らしめるのだ! 339 00:28:24,263 --> 00:28:27,599 出せ! 出して下さい! 出して下さい! 340 00:28:27,599 --> 00:28:32,871 ♬~ 341 00:28:32,871 --> 00:28:34,807 どうすんだよ! 342 00:28:34,807 --> 00:28:37,743 犯人を見つけ出さなきゃ 次は 俺たちが捕まる番だぞ! 343 00:28:37,743 --> 00:28:40,746 さようですね。 344 00:28:40,746 --> 00:28:44,046 何としても見つけ出すんだ! 345 00:28:45,884 --> 00:28:49,555 いつも お聞き届け下さり ありがとうございます。 346 00:28:49,555 --> 00:28:52,224 (秀次)きりの役に立てるなら 何でもしてやろう。 347 00:28:52,224 --> 00:28:55,894 …で 今日は 一体 何じゃ? 348 00:28:55,894 --> 00:28:58,194 源次郎殿。 349 00:29:00,566 --> 00:29:03,902 殿下の事でございます。 350 00:29:03,902 --> 00:29:06,572 落首の件で 門番たちが責めを負わされ➡ 351 00:29:06,572 --> 00:29:10,909 このままでは 今宵 皆 磔にされてしまいます。 352 00:29:10,909 --> 00:29:13,812 いたずら書きくらいで 何で人が死なねばならないのです。 353 00:29:13,812 --> 00:29:17,249 皆 申しています。 どうしたって おかしいって。 354 00:29:17,249 --> 00:29:21,120 殿下を お諫め頂けませぬか? 355 00:29:21,120 --> 00:29:25,924 確かに 此度の事は 行き過ぎだと思うが➡ 356 00:29:25,924 --> 00:29:28,827 しかし どう申せば…。 357 00:29:28,827 --> 00:29:33,198 「ばかな事は やめろ!」で よろしいのでは。 358 00:29:33,198 --> 00:29:35,134 さて それは…。 359 00:29:35,134 --> 00:29:37,870 そもそも 落首が書かれるのは➡ 360 00:29:37,870 --> 00:29:41,540 殿下が 下々からも 慕われているという事。 361 00:29:41,540 --> 00:29:44,209 殿下は 万民に愛されておいでです。 362 00:29:44,209 --> 00:29:46,545 それを 御自ら裏切ってはなりませぬ。 363 00:29:46,545 --> 00:29:49,845 そんなふうに お願いします! 364 00:29:51,416 --> 00:29:56,221 お前は 何も分かってない! 申し訳ございません! 365 00:29:56,221 --> 00:29:58,557 (秀吉)わしの事は 何と言われようが構わん!➡ 366 00:29:58,557 --> 00:30:00,492 サルだとか ハゲネズミだとか➡ 367 00:30:00,492 --> 00:30:02,427 若い頃から さんざん言われてきた! 368 00:30:02,427 --> 00:30:04,429 今度の事が許せんのは➡ 369 00:30:04,429 --> 00:30:08,567 どこの誰ぞは わしの息子を こけにしおったんじゃ! 370 00:30:08,567 --> 00:30:10,903 よく分かりました! 371 00:30:10,903 --> 00:30:13,806 書いたやつを見つけ出し➡ 372 00:30:13,806 --> 00:30:19,244 耳と鼻を削ぎ 磔にした上で 首をはねる! 373 00:30:19,244 --> 00:30:22,147 いや それでも許せん! 374 00:30:22,147 --> 00:30:25,447 そいつの親類縁者 ことごとく 磔じゃ! 375 00:30:27,586 --> 00:30:31,456 2月25日の夜。 376 00:30:31,456 --> 00:30:36,261 17人の門番たちは 磔にされた。 377 00:30:36,261 --> 00:30:39,932 こんな事があってよいのですか! 378 00:30:39,932 --> 00:30:43,632 彼らには 何の罪もない。 ひどすぎます! 379 00:30:46,605 --> 00:31:02,955 ♬~ 380 00:31:02,955 --> 00:31:05,290 御免。 381 00:31:05,290 --> 00:31:07,226 (うた)旦那様は➡ 382 00:31:07,226 --> 00:31:10,926 ずっと一人で お酒を飲んでらっしゃいます。 383 00:31:12,631 --> 00:31:16,969 今夜は いくら飲んでも酔えないと。 384 00:31:16,969 --> 00:31:35,921 ♬~ 385 00:31:35,921 --> 00:31:38,590 (茶々)いくら何でも早すぎますよ。 386 00:31:38,590 --> 00:31:40,926 これに乗れるようになるのは いくつぐらいなのか? 387 00:31:40,926 --> 00:31:44,796 歩き始めてからですから まだ だいぶ先でございますよ。 388 00:31:44,796 --> 00:31:48,267 産まれたら すぐ 馬の稽古をさせたいな。 389 00:31:48,267 --> 00:31:51,937 女の子だったら どうするんです? それはない。 390 00:31:51,937 --> 00:31:54,606 どうどう どうどうどう! ハハハハ! 391 00:31:54,606 --> 00:31:57,276 殿下が分からない…。 392 00:31:57,276 --> 00:31:59,945 ひどい話。 393 00:31:59,945 --> 00:32:04,616 門番の人たちが 何をしたっていうんですか。 394 00:32:04,616 --> 00:32:06,616 北政所様。 395 00:32:10,289 --> 00:32:15,160 殿下のせいで 皆さんに 迷惑をかけているみたいですね。 396 00:32:15,160 --> 00:32:18,163 ほんに申し訳ない事だわ。 397 00:32:18,163 --> 00:32:21,633 とんでもない事でございます。 398 00:32:21,633 --> 00:32:26,505 人は 痛いところをつかれた時に 一番 腹が立つもの。 399 00:32:26,505 --> 00:32:28,507 あの落首が きっかけで➡ 400 00:32:28,507 --> 00:32:31,443 産まれるお子が 殿下の子ではないのではと➡ 401 00:32:31,443 --> 00:32:35,180 噂が立ったでしょう。 402 00:32:35,180 --> 00:32:38,083 誰よりも疑ってるのは➡ 403 00:32:38,083 --> 00:32:41,920 ひょっとしたら 殿下ご自身かもしれませぬ。 404 00:32:41,920 --> 00:32:43,855 (きり)まさか。 405 00:32:43,855 --> 00:32:50,555 ほりゃねえ あの年になるまで 子宝に恵まれんかった人だで。 406 00:32:52,264 --> 00:32:55,934 正直に申して 殿下が恐ろしゅうございます。 407 00:32:55,934 --> 00:32:58,971 こら! すみません。 408 00:32:58,971 --> 00:33:02,171 いいですよ 遠慮のう。 409 00:33:03,809 --> 00:33:09,481 殿下は お変わりになられたと 皆さん おっしゃっています。 410 00:33:09,481 --> 00:33:13,781 (寧)みんな あの人の事 分かっとらんの。 411 00:33:15,620 --> 00:33:20,292 殿下は 昔と少しも変わっとらん。 412 00:33:20,292 --> 00:33:25,163 昔から 怖い人でした。 413 00:33:25,163 --> 00:33:32,571 明るく振る舞ってはいるけど 実は そりゃあ冷たいお人。 414 00:33:32,571 --> 00:33:38,443 信長公より ず~っと怖いお人。 415 00:33:38,443 --> 00:33:43,215 そうでなきゃ 天下など取れません。 416 00:33:43,215 --> 00:33:49,755 ♬~ 417 00:33:49,755 --> 00:33:51,790 殿下は何と? 418 00:33:51,790 --> 00:33:54,259 科人が名乗り出るまで➡ 419 00:33:54,259 --> 00:33:59,931 町人たちを一人ずつ くじで選んで 磔にすると仰せだ。 420 00:33:59,931 --> 00:34:02,231 ありえぬ! 421 00:34:04,269 --> 00:34:07,939 ≪(うた)旦那様。 どうした? 422 00:34:07,939 --> 00:34:21,953 ♬~ 423 00:34:21,953 --> 00:34:25,824 本願寺から 知らせが来た。 424 00:34:25,824 --> 00:34:28,727 尾藤道休が死んだそうだ。 道休が…。 425 00:34:28,727 --> 00:34:32,898 (吉継) 17人の門番が磔となった夜に➡ 426 00:34:32,898 --> 00:34:37,598 もう一人の門番も 世を去ったか…。 427 00:34:42,240 --> 00:34:47,112 思いつきなのですが 聞いて頂けますか。 何だ? 428 00:34:47,112 --> 00:34:51,583 これ以上 無駄な死者を 出さないための策でございます。 429 00:34:51,583 --> 00:34:54,283 聞こう。 430 00:34:57,255 --> 00:35:02,594 この際 尾藤道休に 罪を かぶってもらいましょう。 431 00:35:02,594 --> 00:35:05,430 落首を書いたのは 道休ではありません。 432 00:35:05,430 --> 00:35:08,333 しかし あの男が落首をしたとしても➡ 433 00:35:08,333 --> 00:35:10,302 誰も疑いませぬ。 434 00:35:10,302 --> 00:35:13,939 (三成)やつは死んだ。 だから 好都合なのです。 435 00:35:13,939 --> 00:35:16,842 生きていても 何の役にも立たないと➡ 436 00:35:16,842 --> 00:35:21,279 道休は申しておりましたが この際 役に立ってもらいましょう。 437 00:35:21,279 --> 00:35:24,950 つまり 落首の科人として 首を差し出すのか。 438 00:35:24,950 --> 00:35:27,285 はい。 439 00:35:27,285 --> 00:35:30,188 殿下を欺こうというのか。 そうです。 440 00:35:30,188 --> 00:35:33,888 確かに妙案だ。 どうだ? 441 00:35:35,894 --> 00:35:38,594 治部殿 腹をくくられよ。 442 00:35:42,767 --> 00:35:47,239 露見すれば 命がないぞ。 443 00:35:47,239 --> 00:35:51,109 露見しなければ よいのです。 444 00:35:51,109 --> 00:36:06,925 ♬~ 445 00:36:06,925 --> 00:36:08,860 わしが やろう。 446 00:36:08,860 --> 00:36:28,860 ♬~ 447 00:36:36,888 --> 00:36:39,224 (三成)落首を書いたのは➡ 448 00:36:39,224 --> 00:36:43,224 門番の尾藤道休という男で ございました。 449 00:36:44,896 --> 00:36:47,232 誰が首をはねた? 450 00:36:47,232 --> 00:36:50,902 (三成)道休は 本願寺に身を寄せておりました。➡ 451 00:36:50,902 --> 00:36:53,805 我らが 引き渡すように申し出たところ➡ 452 00:36:53,805 --> 00:36:57,805 本願寺から これが届いたという次第です。 453 00:37:01,546 --> 00:37:03,546 (秀吉)うむ。 454 00:37:05,250 --> 00:37:07,586 六条河原にさらせ。 455 00:37:07,586 --> 00:37:10,886 (三成)かしこまりました。 456 00:37:22,133 --> 00:37:27,906 こやつの一家親類 ことごとく 探し出し その首もはねよ。 457 00:37:27,906 --> 00:37:32,544 家を焼き払い 隣近所の住人も 根こそぎ 磔にしてしまえ。 458 00:37:32,544 --> 00:37:35,447 お待ち下さい! お願いでございます。 459 00:37:35,447 --> 00:37:40,218 どうか この首をもって 此度の事 終わりとなされませ。 460 00:37:40,218 --> 00:37:42,518 これ以上の殺生は 無用でございます。 461 00:37:45,890 --> 00:37:48,226 血迷うたか 佐吉。 462 00:37:48,226 --> 00:37:50,562 私からも申し上げます! 口を出すな! 463 00:37:50,562 --> 00:37:53,465 お前は 下がってろ! 464 00:37:53,465 --> 00:37:58,236 ♬~ 465 00:37:58,236 --> 00:38:02,107 ご立腹は ごもっともなれど➡ 466 00:38:02,107 --> 00:38:06,578 これでは あまりにも度が過ぎまする! 467 00:38:06,578 --> 00:38:11,916 自分の言うてる事が 分かっとるのか。 468 00:38:11,916 --> 00:38:15,253 佐吉は 正気でございます。 469 00:38:15,253 --> 00:38:19,253 乱心されているのは 殿下の方! 470 00:38:22,927 --> 00:38:27,098 石田治部少輔 切腹を申しつけ…。 471 00:38:27,098 --> 00:38:29,601 あんた! 472 00:38:29,601 --> 00:38:33,872 いい加減にしときゃーよ! お前は出てくるな! 473 00:38:33,872 --> 00:38:39,172 私が出んと あんたも収まらんでしょうが。 474 00:38:41,746 --> 00:38:44,883 落ち着いて よう考えやぁ。 475 00:38:44,883 --> 00:38:50,221 あんたが怒れば怒るほど 噂が本当に思えてくるんだに。 476 00:38:50,221 --> 00:38:52,891 そうでしょ! 477 00:38:52,891 --> 00:38:55,560 みんな 言うてますよ。 478 00:38:55,560 --> 00:38:59,431 本当の事だで 殿下が お怒りになられたんだって。 479 00:38:59,431 --> 00:39:03,435 ばか申せ! 人は皆 そんなふうに勘ぐるの。 480 00:39:03,435 --> 00:39:05,904 それが分からん あんたじゃないでしょう。 481 00:39:05,904 --> 00:39:07,839 それとも 何? 482 00:39:07,839 --> 00:39:14,579 そんな道理も のみ込めんほど 秀吉様は 耄碌なさったんか!➡ 483 00:39:14,579 --> 00:39:17,916 誰が何と言おうと➡ 484 00:39:17,916 --> 00:39:21,252 産まれてくる子は あなた様の子! 485 00:39:21,252 --> 00:39:24,952 で~んと構えとりゃええんです! 486 00:39:27,125 --> 00:39:30,595 どうしても ご心配なら➡ 487 00:39:30,595 --> 00:39:34,866 いっその事 茶々殿に聞いてみりゃあせ。 488 00:39:34,866 --> 00:39:37,769 そんな恐ろしい事できるか! 489 00:39:37,769 --> 00:39:40,769 聞いてみて下さいな。 490 00:39:47,879 --> 00:39:50,548 聞かないのですか? 491 00:39:50,548 --> 00:39:53,451 殿下。 492 00:39:53,451 --> 00:39:56,888 大体 聞いたところで 違うと言う訳がない。 493 00:39:56,888 --> 00:40:00,888 (茶々)まあ。 そんな事はありませんよ。 494 00:40:03,228 --> 00:40:07,899 では 私の口から申し上げます。➡ 495 00:40:07,899 --> 00:40:11,199 この子どもの父親は…。 496 00:40:12,771 --> 00:40:14,773 源次郎です。 497 00:40:14,773 --> 00:40:17,242 お待ち下さい! 498 00:40:17,242 --> 00:40:21,112 (茶々) フフフ! そんな訳ないでしょう。 499 00:40:21,112 --> 00:40:23,412 殿下のお子に 決まっておりまする! 500 00:40:26,918 --> 00:40:31,256 おかしな殿下。 フフフフ! 501 00:40:31,256 --> 00:40:56,481 ♬~ 502 00:40:56,481 --> 00:41:00,285 ありがとうございました。 503 00:41:00,285 --> 00:41:03,955 せめてもの罪滅ぼしです。 504 00:41:03,955 --> 00:41:07,826 京と大坂の人たちが 喜んでくれる事を➡ 505 00:41:07,826 --> 00:41:12,630 何でもよい 考えて下さいな。 506 00:41:12,630 --> 00:41:14,930 かしこまりました。 507 00:41:16,501 --> 00:41:20,505 思い切って 金をばらまく というのは いかがですか? 508 00:41:20,505 --> 00:41:22,974 いささか 品がないな。 509 00:41:22,974 --> 00:41:27,312 いや それぐらいやった方がええ。 510 00:41:27,312 --> 00:41:32,312 殿下の子どもが産まれるんです。 派手にまいりましょう。 511 00:41:33,918 --> 00:41:36,218 直ちに手配を。 512 00:41:37,789 --> 00:41:39,791 頼んだで! 513 00:41:39,791 --> 00:42:07,619 ♬~ 514 00:42:07,619 --> 00:42:12,957 実のところ あの落首は 誰の仕業だったのでしょう。 515 00:42:12,957 --> 00:42:15,994 決まっておるではないか。 えっ? 516 00:42:15,994 --> 00:42:20,298 民の仕業だ。 民…。 517 00:42:20,298 --> 00:42:26,170 大勢の民が 殿下に対して 同じ思いを抱いた。 518 00:42:26,170 --> 00:42:30,642 それが あの落首になったのだ。 519 00:42:30,642 --> 00:42:35,480 だから 殿下は あれほど 恐れたのかもしれませんね。 520 00:42:35,480 --> 00:42:40,919 ♬~ 521 00:42:40,919 --> 00:42:47,592 それより 3か月後 茶々は 男児を出産した。 522 00:42:47,592 --> 00:42:51,930 一度 捨てられた子は 元気に育つという言い伝えから➡ 523 00:42:51,930 --> 00:42:56,267 彼は 捨と名付けられた。 524 00:42:56,267 --> 00:42:59,170 そして 捨が産まれた事が➡ 525 00:42:59,170 --> 00:43:05,276 やがて 多くの人々の人生の歯車を 狂わせていく。 526 00:43:05,276 --> 00:43:07,576 お捨。 527 00:43:09,147 --> 00:43:11,616 お捨。 528 00:43:11,616 --> 00:43:14,285 (氏政)秀吉を倒す。 529 00:43:14,285 --> 00:43:18,156 (利休)北条 潰しなはれ。 (家康)どう出るかのう。 530 00:43:18,156 --> 00:43:22,627 戦えば 未曽有の大戦になる。 乱世に逆戻りするだけだ! 531 00:43:22,627 --> 00:43:25,296 (昌幸) 決して 沼田を北条に渡すな。 532 00:43:25,296 --> 00:43:29,634 かしこまりました。 これは 戦じゃ。 533 00:43:29,634 --> 00:43:31,634 (せきこみ) 534 00:43:33,905 --> 00:43:37,205 <京都府京都市> 535 00:43:38,776 --> 00:43:44,248 <戦国時代 戦乱で荒れ果てた 京の都を復興したのが➡ 536 00:43:44,248 --> 00:43:46,948 豊臣秀吉でした> 537 00:43:50,922 --> 00:43:56,922 <関白の政治の場として 築かれたのが 聚楽第です> 538 00:43:59,263 --> 00:44:02,934 <天正17年 聚楽第の壁に➡ 539 00:44:02,934 --> 00:44:07,934 秀吉を批判する落書きが あったといいます> 540 00:44:10,808 --> 00:44:18,282 <2012年に発見された 聚楽第の巨大な石垣。➡ 541 00:44:18,282 --> 00:44:23,955 最近の調査では 聚楽第は 従来 推定されていた面積の➡ 542 00:44:23,955 --> 00:44:29,655 およそ6割も大きかった事が 明らかになってきました> 543 00:44:34,565 --> 00:44:40,565 <聚楽第への 天皇行幸を描いた屏風絵> 544 00:44:42,240 --> 00:44:46,911 <秀吉の乗った牛車を警備する 武士たち。➡ 545 00:44:46,911 --> 00:44:53,611 若き日の信繁の姿も 描かれているのかもしれません> 546 00:45:39,263 --> 00:45:45,937 <小伝馬町の牢屋敷は 敷地2,677坪。➡ 547 00:45:45,937 --> 00:45:50,608 牢奉行は 石出帯刀が 代々 世襲しており➡ 548 00:45:50,608 --> 00:45:53,511 拷問蔵や処刑場のほか➡ 549 00:45:53,511 --> 00:45:56,981 侍のための揚がり座敷や 揚がり屋➡