1 00:00:33,459 --> 00:00:57,459 ♬~ 2 00:01:03,389 --> 00:03:07,389 ♬~ 3 00:03:33,839 --> 00:03:37,709 紀州 紀ノ川の奥 高野山の山裾に➡ 4 00:03:37,709 --> 00:03:41,179 その小さな村は あった。 5 00:03:41,179 --> 00:03:44,082 (竹本義太夫) お屋敷の隣に番所を設けた。➡ 6 00:03:44,082 --> 00:03:46,852 お手前方が 村から 一歩でも出れば➡ 7 00:03:46,852 --> 00:03:49,521 こちらに 知らせが来る事になっておる。 8 00:03:49,521 --> 00:03:53,859 抜け出す事など考えずに ごゆるりと余生を送られよ。 9 00:03:53,859 --> 00:03:55,794 (昌幸)承知致した。 10 00:03:55,794 --> 00:03:59,197 九度山村のおさは長兵衛という男。 11 00:03:59,197 --> 00:04:01,533 挨拶に参るよう 申しつけておるが➡ 12 00:04:01,533 --> 00:04:06,233 いっそ こちらから出向かれては いかがかな。 13 00:04:08,407 --> 00:04:10,876 お前 行ってこい。 14 00:04:10,876 --> 00:04:16,048 (信繁)父上が参られた方が よろしいのでは? 15 00:04:16,048 --> 00:04:18,048 任せる。 16 00:04:26,224 --> 00:04:29,524 行ってまいる。 (春)お気を付けて。 17 00:04:32,497 --> 00:04:35,167 何だ? その姿は。 18 00:04:35,167 --> 00:04:37,836 (内記)ぐるりと 辺りを見て回りました。 19 00:04:37,836 --> 00:04:40,505 山菜が こんなに! 20 00:04:40,505 --> 00:04:43,805 いずれ ゆっくりと 周囲を歩いてみよう。 ええ。 21 00:04:45,377 --> 00:04:47,846 (きり)あっ! 22 00:04:47,846 --> 00:04:49,781 はい! 23 00:04:49,781 --> 00:04:53,719 村おさに会いに行くんでしょ。 手ぶらは まずいと思うの。 24 00:04:53,719 --> 00:04:58,719 大坂から持ってきたの。 何かの役に立つかなって。 25 00:05:04,029 --> 00:05:07,065 ボーロと申す南蛮菓子でござる。 26 00:05:07,065 --> 00:05:12,204 これから 世話になる。 よしなに頼みます。 27 00:05:12,204 --> 00:05:18,076 何で ここに来なすった? 何で この村に? 28 00:05:18,076 --> 00:05:21,546 こっちだって すき好んで…。 迷惑をかけて すまぬ。 29 00:05:21,546 --> 00:05:27,886 一日も早う ご赦免となって ここを去って頂きたいと➡ 30 00:05:27,886 --> 00:05:32,724 皆 祈っております。 そうだ! 31 00:05:32,724 --> 00:05:34,693 我らも それは望むところ。 32 00:05:34,693 --> 00:05:38,497 (長兵衛)でなければ 一日も早う➡ 33 00:05:38,497 --> 00:05:41,797 あの世へ行って下され。 34 00:05:43,368 --> 00:05:45,370 どのくらい ここにいるんでしょうね? 35 00:05:45,370 --> 00:05:49,141 それは 兄上次第。 1年くらい? 36 00:05:49,141 --> 00:05:52,844 私は もっと長くなると 踏んでいる。 37 00:05:52,844 --> 00:05:54,780 蟄居って 縛られたり➡ 38 00:05:54,780 --> 00:05:57,349 牢屋に入れられたりするのかと 思ってた。 39 00:05:57,349 --> 00:06:01,186 村からは出られないが それでも 山歩きはできる。 40 00:06:01,186 --> 00:06:04,222 一日 何もせずに ぼ~っと過ごせると思うと➡ 41 00:06:04,222 --> 00:06:08,860 むしろ 楽しみだ。 そこまではないかな。 42 00:06:08,860 --> 00:06:12,531 真田の郷で駆け回っていた頃を 思い出した。 43 00:06:12,531 --> 00:06:17,531 楽しかったね…。 お梅ちゃんも いたしね。 44 00:06:20,872 --> 00:06:25,872 お前は いっつもいるな。 45 00:06:30,215 --> 00:06:37,022 ♬~ 46 00:06:37,022 --> 00:06:41,022 歩いてこよう。 ふふ~ん。 47 00:06:43,161 --> 00:06:47,833 真田の郷の話をしていた。 一度 行ってみたいものです。 48 00:06:47,833 --> 00:06:50,669 私が生まれ育った土地を お前にも見せてやりたい。 49 00:06:50,669 --> 00:06:53,705 すえちゃんにも会いたいです。 50 00:06:53,705 --> 00:06:56,842 いずれ。 51 00:06:56,842 --> 00:07:00,712 父上様が お呼びですよ。 52 00:07:00,712 --> 00:07:02,712 よっこいしょ。 53 00:07:05,851 --> 00:07:08,186 (佐助)きり様! 落ち着きましたか? 54 00:07:08,186 --> 00:07:11,857 なんとか 住めるようにはなりました。 55 00:07:11,857 --> 00:07:16,528 これ 一日で作ってしまうんだから びっくり。 56 00:07:16,528 --> 00:07:18,463 何でもできるんですね。 57 00:07:18,463 --> 00:07:20,699 素っ破ですから! 58 00:07:20,699 --> 00:07:24,499 佐助さんって 頼りになるわよね。 59 00:07:26,505 --> 00:07:30,205 あの これ…。 60 00:07:36,648 --> 00:07:38,848 私? 61 00:07:41,820 --> 00:07:44,820 絵も上手…。 62 00:07:47,325 --> 00:07:49,261 素っ破ですから。 63 00:07:49,261 --> 00:07:55,061 先ほど 浅野の番人が届けてきた。 兄上から! 64 00:08:00,839 --> 00:08:04,709 兄上 名前を変えられたのですね。 65 00:08:04,709 --> 00:08:08,180 わしが与えた「幸」の字を 捨ておった。 66 00:08:08,180 --> 00:08:12,180 徳川に対する忠義を 示したのでしょう。 67 00:08:15,053 --> 00:08:18,824 源次郎…。 はい。 68 00:08:18,824 --> 00:08:25,530 源三郎が捨てた「幸」の字 もろうてくれんか? 69 00:08:25,530 --> 00:08:27,730 私がですか? うん。 70 00:08:29,401 --> 00:08:32,337 真田…。 71 00:08:32,337 --> 00:08:37,642 幸信繁…。 72 00:08:37,642 --> 00:08:39,642 考えておきます。 73 00:08:41,313 --> 00:08:43,815 (三十郎)九度山という所は 寒いのでしょうか? 74 00:08:43,815 --> 00:08:46,151 (信之)紀伊の国だからな。 75 00:08:46,151 --> 00:08:48,653 むしろ ここよりは暖かいのではないか。 76 00:08:48,653 --> 00:08:52,490 大殿や源次郎様は そこで 何をしておられるのですか? 77 00:08:52,490 --> 00:08:55,393 何もせず ゆっくりしておられるようだ。 78 00:08:55,393 --> 00:08:58,163 (茂誠) よい事ずくめではないですか。 79 00:08:58,163 --> 00:09:03,835 丸一日 誰かに見張られておるのだぞ。 80 00:09:03,835 --> 00:09:07,172 とにかく 今は 内府様に➡ 81 00:09:07,172 --> 00:09:10,075 ご赦免を願い続けるよりほかに 道はない。 82 00:09:10,075 --> 00:09:13,511 すぐに 伏見へ届けまする。 83 00:09:13,511 --> 00:09:15,847 母上のご様子は? 84 00:09:15,847 --> 00:09:19,517 相変わらず 伏せっておられます。 85 00:09:19,517 --> 00:09:24,189 母上 召し上がらねば お元気になりませんよ。 86 00:09:24,189 --> 00:09:27,859 (薫)何も食べたいとは 思わないのです。 87 00:09:27,859 --> 00:09:30,528 早う お元気になって下され。 88 00:09:30,528 --> 00:09:33,798 母上には 父上たちが戻ってこられた時に➡ 89 00:09:33,798 --> 00:09:38,098 元気なお姿で お迎えする役目がございますゆえ。 90 00:09:39,671 --> 00:09:44,671 新しいかゆを持ってきてやれ。 (こう)かしこまりました。 91 00:09:46,378 --> 00:09:49,678 (松)行かれましたよ。 92 00:09:56,488 --> 00:10:01,159 何か おなかに入れておかないと 死んでしまうから。 93 00:10:01,159 --> 00:10:03,194 甘いものばかり 召し上がってるから➡ 94 00:10:03,194 --> 00:10:06,694 お食事がとれないのでは? 95 00:10:11,169 --> 00:10:13,204 (薪を割る音) 96 00:10:13,204 --> 00:10:16,041 う~! う~ん! 97 00:10:16,041 --> 00:10:18,043 (きり) 源次郎様にやって頂いたら? 98 00:10:18,043 --> 00:10:21,813 (春)これは 私の仕事です。 99 00:10:21,813 --> 00:10:24,182 (きり)あっ ちょっと ちょっと…。 100 00:10:24,182 --> 00:10:28,482 私もね そんなに知らないんだけど 腰がね 腰が大事! 101 00:10:30,855 --> 00:10:33,155 頑張って。 102 00:10:36,194 --> 00:10:38,129 きりさん。 うん。 103 00:10:38,129 --> 00:10:42,067 これからも 源次郎様の事 よろしくお願いしますね。 104 00:10:42,067 --> 00:10:44,869 それは あなたの役目でしょ。 105 00:10:44,869 --> 00:10:49,207 不安なんです。 一緒にいられて うれしいけど➡ 106 00:10:49,207 --> 00:10:52,043 いつか 嫌われてしまうんじゃないかって。 107 00:10:52,043 --> 00:10:56,243 大丈夫! あの人は あなたの事 大好きだから。 108 00:10:59,551 --> 00:11:03,221 お梅さんに似ているからですか? 109 00:11:03,221 --> 00:11:06,891 似てるっていうか… お梅ちゃんも あなたも➡ 110 00:11:06,891 --> 00:11:10,228 こう 私みたいに 垢抜けていないでしょう。 111 00:11:10,228 --> 00:11:13,928 源次郎さんは そういう人が好みなの。 112 00:11:15,567 --> 00:11:18,567 自信 持ちなさい。 113 00:11:30,915 --> 00:11:33,518 (春)悔しいんです。 悔しい? 114 00:11:33,518 --> 00:11:36,187 源次郎様は 私の夫です。 115 00:11:36,187 --> 00:11:39,090 私は 源次郎様の妻です。 116 00:11:39,090 --> 00:11:44,090 きりに 何か言われたのか? 気にする事は全くないから。 117 00:11:46,197 --> 00:11:48,533 きりには 上田に帰ってもらおう。 118 00:11:48,533 --> 00:11:50,568 内記の世話のために いてもらおうと思ったが➡ 119 00:11:50,568 --> 00:11:52,704 お前の気持ちの方が大事だ。 120 00:11:52,704 --> 00:11:59,210 あの人は どうでもいいんです。 私 負ける気がしないから。 121 00:11:59,210 --> 00:12:01,210 では…? 122 00:12:06,551 --> 00:12:09,888 お梅さんです。 お梅? 123 00:12:09,888 --> 00:12:14,759 源次郎様の心の中で 今でも お梅さんは生きている。 124 00:12:14,759 --> 00:12:19,230 勝てる訳がありませぬ。 125 00:12:19,230 --> 00:12:21,900 (破る音) 126 00:12:21,900 --> 00:12:23,835 や… やめなさい 隙間風が。 127 00:12:23,835 --> 00:12:28,573 (破る音) 128 00:12:28,573 --> 00:12:40,273 ♬~ 129 00:12:42,120 --> 00:12:46,858 一方 上杉景勝は 徳川家康に謝罪し➡ 130 00:12:46,858 --> 00:12:53,558 会津120万石から 米沢30万石に 減封される事となった。 131 00:12:55,867 --> 00:13:02,167 いずれは 上杉を頼るつもりだった 昌幸の思いは 潰えた。 132 00:13:23,094 --> 00:13:28,233 この年 春は 信繁との最初の子を みごもっている。 133 00:13:28,233 --> 00:13:31,136 源次郎様。 ん? 134 00:13:31,136 --> 00:13:35,039 もし この子が女の子なら➡ 135 00:13:35,039 --> 00:13:38,510 名は 私が付けても ようございますか? 136 00:13:38,510 --> 00:13:41,179 もう決めてあるのか? 137 00:13:41,179 --> 00:13:43,179 お梅。 138 00:13:44,849 --> 00:13:51,723 そうすれば この先 源次郎様が お梅の名を口にする時➡ 139 00:13:51,723 --> 00:13:55,423 それは この子の事になるから。 140 00:13:59,397 --> 00:14:05,537 慶長8年 家康は 征夷大将軍に任ぜられた。 141 00:14:05,537 --> 00:14:10,408 同じ年 孫娘 千姫を 豊臣秀頼に輿入れさせ➡ 142 00:14:10,408 --> 00:14:14,879 その権勢は 絶頂を迎えようとしている。 143 00:14:14,879 --> 00:14:17,782 征夷大将軍になったという事は➡ 144 00:14:17,782 --> 00:14:21,553 全ての武士の棟梁として 名乗りを上げたという事。 145 00:14:21,553 --> 00:14:25,056 (内記)いよいよ 徳川の世になるのですか。 146 00:14:25,056 --> 00:14:29,561 これで 秀頼様のお立場は 更に弱くなりました。 147 00:14:29,561 --> 00:14:32,163 運が向いてきたぞ。 148 00:14:32,163 --> 00:14:34,499 家康は 今 浮かれとる。 149 00:14:34,499 --> 00:14:38,169 我らの赦免も そう遠くないと見た。 150 00:14:38,169 --> 00:14:41,072 上田へ帰れるかもしれんぞ。 151 00:14:41,072 --> 00:14:44,509 ここで駄目なら もう 後はない。 152 00:14:44,509 --> 00:14:48,809 源三郎に ひとふんばりしてもらわんとな。 153 00:14:51,382 --> 00:14:55,520 これを本多佐渡守殿に届けるのだ。 (綱家)はっ。 154 00:14:55,520 --> 00:14:58,856 (茂誠)本多様に? 源次郎から 文が届いた。 155 00:14:58,856 --> 00:15:02,193 本多殿は ああ見えて 心優しきお方。 156 00:15:02,193 --> 00:15:04,862 きっと 力になってくれるはずだと。 157 00:15:04,862 --> 00:15:07,198 いよいよ ご赦免となりましょうか? 158 00:15:07,198 --> 00:15:09,133 祈るしかない。 159 00:15:09,133 --> 00:15:15,133 (正信)真田伊豆守より 書状が届きました。 160 00:15:19,210 --> 00:15:25,210 (家康)中身は 分かっておる。 161 00:15:27,552 --> 00:15:31,823 九度山に追いやってから はや2年。 162 00:15:31,823 --> 00:15:35,994 赦免を考えてやるには よい機会。 163 00:15:35,994 --> 00:15:38,496 ならぬ! 164 00:15:38,496 --> 00:15:45,196 安房守は 死ぬまで あそこにおるのだ。 165 00:15:46,838 --> 00:15:48,773 更に 2年後。 166 00:15:48,773 --> 00:15:54,712 家康は 征夷大将軍を秀忠に譲った。 167 00:15:54,712 --> 00:15:59,417 将軍の位を 息子に譲ったという事は➡ 168 00:15:59,417 --> 00:16:04,022 今後は 徳川が政を行うと 世に知らしめたという事だ。 169 00:16:04,022 --> 00:16:05,957 (内記)という事は? 170 00:16:05,957 --> 00:16:10,795 秀頼公が天下人となる目は 失われました。 171 00:16:10,795 --> 00:16:14,532 今 家康は 浮かれておる。 172 00:16:14,532 --> 00:16:17,201 最後の機会じゃ。 173 00:16:17,201 --> 00:16:22,501 ここで 赦免がならねば 後は もうないぞ! 174 00:16:26,911 --> 00:16:28,913 くどい~。 175 00:16:28,913 --> 00:16:33,484 真田安房守 流罪となって はや4年。 176 00:16:33,484 --> 00:16:36,821 もはや 牙を抜かれた狼。 野に…。 177 00:16:36,821 --> 00:16:41,159 あれが九度山を離れるのは➡ 178 00:16:41,159 --> 00:16:43,661 骨になった時じゃ。 179 00:16:43,661 --> 00:16:46,497 (秀忠)佐渡守。➡ 180 00:16:46,497 --> 00:16:53,371 もう 安房守の事は 一切 我らの耳に入れるな。 181 00:16:53,371 --> 00:16:57,141 あの男は もう死んだのだ。 182 00:16:57,141 --> 00:16:59,510 かしこまりました。 183 00:16:59,510 --> 00:17:02,413 (扇を開く音) 184 00:17:02,413 --> 00:17:05,850 いつになったら 殿は ご赦免されるのですか! 185 00:17:05,850 --> 00:17:07,785 いろいろ 手は尽くしておりまする。 186 00:17:07,785 --> 00:17:11,356 源次郎なんて 向こうで 2人も 子どもをもうけてるんですよ。 187 00:17:11,356 --> 00:17:13,858 皆で一緒に暮らす訳には いかないのですか? 188 00:17:13,858 --> 00:17:17,729 (茂誠)それだけ 大御所様の お怒りは大きかったという事だ。 189 00:17:17,729 --> 00:17:21,199 (松)誰よ? 大御所様って。 190 00:17:21,199 --> 00:17:24,102 今は 家康公は そう呼ばれてるんだ。 191 00:17:24,102 --> 00:17:27,972 私たち みんなで 大御所様に直訴してみては どう? 192 00:17:27,972 --> 00:17:29,907 ばかを言わんで下さい! 193 00:17:29,907 --> 00:17:32,477 みんなで頼めば なんとかして下さるかも。 194 00:17:32,477 --> 00:17:35,980 それしかありませんね。 さっ 参りましょう! はい! 195 00:17:35,980 --> 00:17:40,485 (稲)母上様! いい加減になさいませ。 196 00:17:40,485 --> 00:17:42,987 父上様のご赦免は もう お諦め下さい! 197 00:17:42,987 --> 00:17:45,022 そういう訳にはいきません! 198 00:17:45,022 --> 00:17:48,159 (稲)夫は 父上様とは 縁を絶ったのです。 199 00:17:48,159 --> 00:17:50,495 もう二度と この城の中で➡ 200 00:17:50,495 --> 00:17:53,531 真田安房守様のお話をする事は なりませぬ。 201 00:17:53,531 --> 00:17:56,000 私が 許しませぬ! 202 00:17:56,000 --> 00:17:58,035 え~…。 203 00:17:58,035 --> 00:18:00,171 (稲)殿も殿でございます。 204 00:18:00,171 --> 00:18:02,507 何のために 御名まで変えたのですか! 205 00:18:02,507 --> 00:18:06,844 我が家まで お取り潰しになっても よろしいのですか? 206 00:18:06,844 --> 00:18:11,544 全ては 真田のためでございます! 207 00:18:16,521 --> 00:18:19,857 これ以上 大御所様が ご機嫌を損ねれば➡ 208 00:18:19,857 --> 00:18:23,728 大殿様も源次郎様も お命が危のうございます。 209 00:18:23,728 --> 00:18:27,532 奥方様は それを心配しておられるのです。 210 00:18:27,532 --> 00:18:30,568 だったら そう言えばよいではないですか。 211 00:18:30,568 --> 00:18:32,804 ねえ。 212 00:18:32,804 --> 00:18:41,145 ♬~ 213 00:18:41,145 --> 00:18:44,145 (昌幸)源次郎…。 214 00:18:45,817 --> 00:18:50,154 (昌幸) これは ひょっとすると…。 215 00:18:50,154 --> 00:18:55,854 わしは もう ここから出られんのかもしれんな。 216 00:19:05,169 --> 00:19:07,839 慶長11年。 217 00:19:07,839 --> 00:19:13,177 豊臣秀頼主催による 大がかりな鷹狩りが催された。 218 00:19:13,177 --> 00:19:19,477 (且元)右大臣 豊臣秀頼公の おなりである! 219 00:19:27,525 --> 00:19:30,862 皆 支度は整っておるか? 220 00:19:30,862 --> 00:19:34,862 (且元)いつでも出立できまする。 221 00:19:38,669 --> 00:19:40,969 では 参るぞ! 222 00:19:42,807 --> 00:19:45,710 (清正)ご出立じゃ! (一同)はっ! 223 00:19:45,710 --> 00:19:52,410 ♬~ 224 00:20:07,832 --> 00:20:10,832 江雪斎殿! 225 00:20:20,177 --> 00:20:23,514 (江雪斎)北条氏直様の御霊が➡ 226 00:20:23,514 --> 00:20:27,852 高野山で眠っておられるので 弔いに参った。 227 00:20:27,852 --> 00:20:30,521 さようでしたか。 228 00:20:30,521 --> 00:20:34,821 これで 気兼ねなく 身を引く事ができる。 229 00:20:36,394 --> 00:20:40,865 ご隠遁なされるのですか? 230 00:20:40,865 --> 00:20:47,204 最後は 出家らしゅう終わりたい。 231 00:20:47,204 --> 00:20:52,504 私も 蟄居暮らしに すっかり慣れました。 232 00:20:55,079 --> 00:20:57,214 おぬしは いかん。 233 00:20:57,214 --> 00:21:00,514 ほかに やりたい事もありませんし。 234 00:21:02,086 --> 00:21:06,086 板部岡江雪斎を侮るな。 235 00:21:08,225 --> 00:21:15,099 おぬしのまなざしの奥に くすぶっている燠火が見える。 236 00:21:15,099 --> 00:21:17,902 今更 さようなものは…。 237 00:21:17,902 --> 00:21:22,402 いずれ 誰かが その火を求めに来よう。 238 00:21:25,242 --> 00:21:29,113 楽しみにしておるぞ。 239 00:21:29,113 --> 00:21:33,113 真田左衛門佐。 240 00:21:38,189 --> 00:21:41,525 ≪お願いでございます! 241 00:21:41,525 --> 00:21:44,562 ≪真田様! 242 00:21:44,562 --> 00:21:52,536 ♬~ 243 00:21:52,536 --> 00:21:55,536 ≪父上。 入れ。 244 00:21:58,876 --> 00:22:00,811 何の騒ぎだ? 245 00:22:00,811 --> 00:22:03,748 (内記)村人たちが 表に集まっております。 246 00:22:03,748 --> 00:22:06,550 どうやら 隣村と もめており➡ 247 00:22:06,550 --> 00:22:09,587 これから 喧嘩を仕掛けに参るようです。 248 00:22:09,587 --> 00:22:14,225 村おさが 父上と話したがっております。 249 00:22:14,225 --> 00:22:16,160 (長兵衛)学文路村のやつら➡ 250 00:22:16,160 --> 00:22:19,563 わしらの山の薪を 勝手に取っていきよるんじゃ。➡ 251 00:22:19,563 --> 00:22:22,900 何度 追い払っても やって来る。➡ 252 00:22:22,900 --> 00:22:26,237 もう我慢できねえと みんな 怒ってる! 253 00:22:26,237 --> 00:22:29,140 わしに 何を望む? 254 00:22:29,140 --> 00:22:35,680 徳川様相手に 2度も勝った すごいお侍さんと聞いた。 255 00:22:35,680 --> 00:22:40,851 わしらに 戦のしかたを教えて頂きたい。 256 00:22:40,851 --> 00:22:43,851 いかがなさいます? 257 00:22:46,724 --> 00:22:48,726 手勢は? 258 00:22:48,726 --> 00:22:52,026 20人! (昌幸)敵は? 259 00:22:56,200 --> 00:22:58,135 50! 260 00:22:58,135 --> 00:23:02,073 倍以上の敵と戦う時は➡ 261 00:23:02,073 --> 00:23:07,812 真っ正面から攻めても 勝ち目はない。 262 00:23:07,812 --> 00:23:15,112 その時は 20の兵を 二手に分け…。 263 00:23:17,888 --> 00:23:19,888 (ため息) 264 00:23:21,759 --> 00:23:24,759 (内記)いかがなされました? 265 00:23:28,232 --> 00:23:30,167 村おさ殿。 266 00:23:30,167 --> 00:23:34,839 村同士の勝手な喧嘩は 太閤殿下が禁じられた。 267 00:23:34,839 --> 00:23:38,709 聞いた事があろう。 (長兵衛)まあ…。 268 00:23:38,709 --> 00:23:43,347 村と村の喧嘩で死人を出せば どちらの村おさも磔にされる。 269 00:23:43,347 --> 00:23:45,282 磔! 270 00:23:45,282 --> 00:23:49,854 ここは まず 浅野のお殿様に 話を持っていきなさい。 271 00:23:49,854 --> 00:23:53,724 九度山村は 我らの見張り役を しかと務めておる。 272 00:23:53,724 --> 00:23:57,528 きっと 親身になって下さるはず。 273 00:23:57,528 --> 00:24:01,228 という訳だ。 帰るがよい。 274 00:24:28,225 --> 00:24:31,225 (蝉の鳴き声) (忠勝)う~ん! 275 00:24:34,498 --> 00:24:37,835 (忠勝)ほれ 出来たぞ 百助! 276 00:24:37,835 --> 00:24:39,870 さあ 飛ばしてみよ! はい! 277 00:24:39,870 --> 00:24:43,507 よしよし よしよし! う~ん。 278 00:24:43,507 --> 00:24:47,378 お~! ハハハハハ! 279 00:24:47,378 --> 00:24:50,381 分かっておる 分かっておる。 280 00:24:50,381 --> 00:24:53,517 これは 仙千代の分じゃ。 281 00:24:53,517 --> 00:24:55,853 待っておれ! のう? (仙千代)はい! 282 00:24:55,853 --> 00:24:59,190 よ~しよし。 283 00:24:59,190 --> 00:25:04,528 たとえ 稲の子でなくとも わしの孫には変わりはない。 284 00:25:04,528 --> 00:25:06,528 ハハハ! 285 00:25:12,403 --> 00:25:15,873 隠居? どういう事じゃ? 286 00:25:15,873 --> 00:25:20,711 それがし 一度たりとも 手傷を負うた事がないのが➡ 287 00:25:20,711 --> 00:25:23,747 自慢でございました。 288 00:25:23,747 --> 00:25:27,585 本多平八郎 一生の不覚。➡ 289 00:25:27,585 --> 00:25:31,355 ハハハハ…。 かすり傷ではないか。 290 00:25:31,355 --> 00:25:35,359 既に 世は太平。 291 00:25:35,359 --> 00:25:38,128 平八郎の出番はございませぬ。 292 00:25:38,128 --> 00:25:40,497 分からんぞ。 293 00:25:40,497 --> 00:25:47,838 まだまだ 西の方角で 一波乱あるやもしれぬ。 294 00:25:47,838 --> 00:25:55,512 その時には我が槍 蜻蛉切を片手に 真っ先に駆けつけまする。 295 00:25:55,512 --> 00:26:00,184 この老いぼれ たとえ 手柄は立てられずとも➡ 296 00:26:00,184 --> 00:26:05,522 命尽き果てるまで 殿に尽くす所存。 297 00:26:05,522 --> 00:26:11,395 それこそが もののふの務めでござる。 298 00:26:11,395 --> 00:26:18,535 ♬~ 299 00:26:18,535 --> 00:26:21,438 よう分かった。 300 00:26:21,438 --> 00:26:29,880 では それまで 桑名で ゆっくり養生せい。 301 00:26:29,880 --> 00:26:32,180 ははっ! 302 00:26:37,154 --> 00:26:42,826 その一生を家康のために尽くした 本多忠勝は➡ 303 00:26:42,826 --> 00:26:50,526 大坂の陣を待たず 慶長15年 この世を去る。 304 00:26:52,169 --> 00:26:59,343 北政所様は 髪を下ろされて 今は京にお住まいとの事。 305 00:26:59,343 --> 00:27:01,845 なんとか お会いする事はできんのか? 306 00:27:01,845 --> 00:27:04,515 あのお方なら 大御所様を説得できる。 307 00:27:04,515 --> 00:27:06,850 難しいやもしれませぬ。 308 00:27:06,850 --> 00:27:12,523 帝や徳川様のお使者とは お会いになるそうですが…。 309 00:27:12,523 --> 00:27:16,694 実は 北政所様の下で かつて➡ 310 00:27:16,694 --> 00:27:19,196 侍女たちの指南役を やっていた者が一人➡ 311 00:27:19,196 --> 00:27:23,067 京の町におると 耳にしました。 312 00:27:23,067 --> 00:27:27,071 かなわぬまでも あたってみますか。 313 00:27:27,071 --> 00:27:29,071 頼む。 314 00:27:40,818 --> 00:27:43,518 ≪失礼致します。 315 00:28:00,504 --> 00:28:03,407 通と申します。 316 00:28:03,407 --> 00:28:06,377 書をたしなみ 和歌にも通じ➡ 317 00:28:06,377 --> 00:28:10,180 当時 一流の文化人として知られた この女性は➡ 318 00:28:10,180 --> 00:28:13,480 名を小野お通という。 319 00:28:16,053 --> 00:28:20,524 (清正)家康殿に会ってきてくれ。 (且元)大御所様に? 320 00:28:20,524 --> 00:28:24,361 秀頼公は 立派な若者に ご成長なされた。 321 00:28:24,361 --> 00:28:28,866 あのお姿を一度 家康殿に ご覧頂く。➡ 322 00:28:28,866 --> 00:28:33,137 さすれば 家康殿は 秀頼公に一目置くはず。 323 00:28:33,137 --> 00:28:36,473 豊臣家の扱いも 変わってくると思うのだ。 324 00:28:36,473 --> 00:28:40,144 よい考えだ。 すぐに参ろう。 325 00:28:40,144 --> 00:28:43,047 片桐のねらいは 何だ? 326 00:28:43,047 --> 00:28:46,650 (正純)しかとは分かりませぬが わざわざ 大御所様が➡ 327 00:28:46,650 --> 00:28:51,155 ご上洛なされてまで 秀頼に会う事もありますまい。 328 00:28:51,155 --> 00:28:54,491 追い返しましょう。 いや 待て。 329 00:28:54,491 --> 00:28:57,394 上洛はする。 大御所様! 330 00:28:57,394 --> 00:29:02,833 上洛はするが そのかわり 対面の場は 二条城。 331 00:29:02,833 --> 00:29:04,768 二条城…。 332 00:29:04,768 --> 00:29:09,706 わしが建て直した わしの城に 秀頼を呼ぶのだ。 333 00:29:09,706 --> 00:29:11,842 世間は 豊臣が➡ 334 00:29:11,842 --> 00:29:15,712 徳川の臣下となったと 思うであろう。 335 00:29:15,712 --> 00:29:18,412 これで どうじゃ? 336 00:29:24,421 --> 00:29:28,392 (清正)そもそも 徳川は 豊臣の家臣ではないか。➡ 337 00:29:28,392 --> 00:29:30,527 向こうから来るのが道理。 338 00:29:30,527 --> 00:29:32,796 しかし それが向こうの言い分なのだ。 339 00:29:32,796 --> 00:29:35,466 私は構わぬぞ。 (清正)若君! 340 00:29:35,466 --> 00:29:38,135 向こうは わざわざ 駿府から参るのだ。 341 00:29:38,135 --> 00:29:40,804 出向いてやろうではないか。 (清正)しかし…。 342 00:29:40,804 --> 00:29:47,144 どんな形であれ 大事なのは 私と家康が会う事。 343 00:29:47,144 --> 00:29:49,813 そうではないのか。 (且元)もう一つ。 344 00:29:49,813 --> 00:29:52,316 「対面は2人きりで」との事。 345 00:29:52,316 --> 00:29:55,819 いかん! 危なすぎる。 (秀頼)肥後守。 346 00:29:55,819 --> 00:29:57,754 (清正)罠かもしれませぬ。 347 00:29:57,754 --> 00:30:01,492 差し向かいで話したいなら そうすればよい。 348 00:30:01,492 --> 00:30:04,394 それを怖がる➡ 349 00:30:04,394 --> 00:30:07,094 私ではないぞ。 350 00:30:09,366 --> 00:30:13,520 慶長16年4月8日。 351 00:30:13,520 --> 00:30:17,520 家康は 秀頼と二条城で会見した。 352 00:30:21,195 --> 00:30:25,532 [ 回想 ] (三成)もし 私が 志半ばで倒れたら➡ 353 00:30:25,532 --> 00:30:31,872 豊臣家の事 おぬしに託す。 何? 354 00:30:31,872 --> 00:30:36,872 命に代えて 秀頼様をお守りしろ。 355 00:30:41,215 --> 00:30:47,888 (正信)肥後守様 ここから先は ご遠慮頂きたく存じまする。 356 00:30:47,888 --> 00:30:51,225 そうはいかぬ。 取り決めでございます。 357 00:30:51,225 --> 00:30:55,896 それがしは 大御所様の警護のために参るのだ。 358 00:30:55,896 --> 00:30:58,232 そうは見えませんな。 359 00:30:58,232 --> 00:31:01,134 案ずるな。 どけ。 360 00:31:01,134 --> 00:31:03,434 (正信)おおっ! 361 00:31:24,925 --> 00:31:28,625 下がれ 肥後守。 362 00:31:41,875 --> 00:32:09,102 ♬~ 363 00:32:09,102 --> 00:32:13,102 豊臣秀頼である。 364 00:32:17,778 --> 00:32:20,478 ご無沙汰致しておりまする。 365 00:32:25,919 --> 00:32:29,256 (家康)あれは 本当に太閤の子か? 366 00:32:29,256 --> 00:32:33,527 (正信)なかなかの若武者ぶりで ございましたな。 367 00:32:33,527 --> 00:32:36,196 いかんのう…。 368 00:32:36,196 --> 00:32:38,196 いけませんな。 369 00:32:42,869 --> 00:32:44,869 しかたあるまい。 370 00:32:47,207 --> 00:32:50,877 豊臣家も つくづく 運がない。 371 00:32:50,877 --> 00:32:58,752 秀頼公が凡庸な二代目であれば しぶとく生き延びられたものを。 372 00:32:58,752 --> 00:33:02,489 その前に あの髭面じゃ。 373 00:33:02,489 --> 00:33:06,893 服部半蔵の出番でございますな。 374 00:33:06,893 --> 00:33:09,396 あれは 死んだのでは? 375 00:33:09,396 --> 00:33:13,196 ようできた二代目がおります。 376 00:33:27,781 --> 00:33:33,720 加藤清正は この会見後 肥後へ戻る船の中で発病し➡ 377 00:33:33,720 --> 00:33:37,020 2か月後に死んだ。 378 00:33:50,070 --> 00:33:53,370 大助。 (大助)父上。 379 00:33:55,208 --> 00:34:00,380 村の子どもに何と言われたのだ? 380 00:34:00,380 --> 00:34:04,180 いいから 申してみなさい。 (春)大助。 381 00:34:05,886 --> 00:34:07,886 罪人の息子。 382 00:34:09,723 --> 00:34:11,658 いいか 大助。 383 00:34:11,658 --> 00:34:16,897 父も じじ様も 決して 罪人ではない。 384 00:34:16,897 --> 00:34:20,597 流れで こうなっただけの事。 385 00:34:24,237 --> 00:34:26,173 よいか。 386 00:34:26,173 --> 00:34:32,045 この世の中で 徳川の軍勢を相手に 2度も勝ったのは じじ様だけだ。 387 00:34:32,045 --> 00:34:36,516 お前には その じじ様の血が流れている。 388 00:34:36,516 --> 00:34:38,516 誇りを持て。 389 00:34:45,525 --> 00:34:49,196 大助。 390 00:34:49,196 --> 00:34:54,496 今度 何か言われたら こうするのじゃ。 391 00:34:56,870 --> 00:35:05,545 まず 相手の前で膝をつき 頭を下げる。 392 00:35:05,545 --> 00:35:11,351 そして 謝るふりをして➡ 393 00:35:11,351 --> 00:35:14,221 噛みつけ。 394 00:35:14,221 --> 00:35:19,521 喧嘩に 卑怯も何もあるか。 勝ったもん勝ちよ。 395 00:35:24,231 --> 00:35:28,902 (昌幸)そして 手には常に 小枝を隠し持っておく。 396 00:35:28,902 --> 00:35:31,505 手で握りしめた時➡ 397 00:35:31,505 --> 00:35:35,842 この先っぽの硬い所を ちょっとだけ出しておく。 398 00:35:35,842 --> 00:35:37,777 これで突くのだ。 399 00:35:37,777 --> 00:35:42,182 拳固より よほど役に立つ。 ほれ やってみろ。 400 00:35:42,182 --> 00:35:45,519 突くのじゃ。 しゅっと。 401 00:35:45,519 --> 00:35:48,855 大助 いい事 教えて頂きましたね。 402 00:35:48,855 --> 00:35:50,855 (昌幸)これは効くぞ。 403 00:35:53,527 --> 00:35:57,030 私も昔 教えてもらった。 役に立ちましたか? 404 00:35:57,030 --> 00:36:02,202 兄上に止められた。 あのやり方は卑怯だと。 405 00:36:02,202 --> 00:36:05,539 兄上は 父上の教えを嫌がってましたね。 406 00:36:05,539 --> 00:36:09,209 常に正々堂々とあるべきだって。 407 00:36:09,209 --> 00:36:11,509 父上! 父上様! 408 00:36:22,556 --> 00:36:24,891 そこを…。 409 00:36:24,891 --> 00:36:29,191 はい? そこを開けてみよ。 410 00:36:38,171 --> 00:36:42,471 孫子に倣って わしも書いてみた。 411 00:36:44,044 --> 00:36:50,750 戦場で わしが学んだ事の 全てが そこにある…。 412 00:36:50,750 --> 00:36:54,521 お前にやる。 父上…。 413 00:36:54,521 --> 00:37:02,395 願わくば もう一度 戦に出たかった…。 414 00:37:02,395 --> 00:37:05,165 そのような弱気な事を。 415 00:37:05,165 --> 00:37:08,868 源次郎。 416 00:37:08,868 --> 00:37:13,868 遺言じゃ しかと聞け。 417 00:37:16,743 --> 00:37:23,443 いずれ 必ず 豊臣と徳川は ぶつかる。 418 00:37:25,218 --> 00:37:28,555 その時は ここを抜け出し➡ 419 00:37:28,555 --> 00:37:33,159 お前は 豊臣につけ。 420 00:37:33,159 --> 00:37:35,095 はい。 421 00:37:35,095 --> 00:37:38,498 これより話すは➡ 422 00:37:38,498 --> 00:37:43,798 徳川に勝てる ただ一つの道。 423 00:37:45,839 --> 00:37:50,176 10年かけて わしが考えた策じゃ。 424 00:37:50,176 --> 00:37:52,512 お願いします。 425 00:37:52,512 --> 00:38:02,222 まず 手持ちの軍勢をもって 真っ先に尾張を制する。 426 00:38:02,222 --> 00:38:04,224 尾張。 427 00:38:04,224 --> 00:38:07,060 徳川が攻めてきたら➡ 428 00:38:07,060 --> 00:38:11,898 頃合いを見て 尾張を捨てる。 429 00:38:11,898 --> 00:38:13,900 捨てる!? 430 00:38:13,900 --> 00:38:20,540 一旦 近江まで引く。 431 00:38:20,540 --> 00:38:28,415 一時でも 尾張を抑えたという事が大事よ。 432 00:38:28,415 --> 00:38:34,487 これで 日の本中の➡ 433 00:38:34,487 --> 00:38:39,659 徳川に不満を持つ大名の 心をつかむ。 434 00:38:39,659 --> 00:38:41,594 なるほど。 435 00:38:41,594 --> 00:38:47,167 更に 瀬田と宇治の橋を落とし➡ 436 00:38:47,167 --> 00:38:50,837 敵の追撃を阻む。 437 00:38:50,837 --> 00:38:57,510 その間に 二条城を焼き払う。 438 00:38:57,510 --> 00:39:05,385 そうなれば 徳川勢は 大坂に攻めかかるしかない。 439 00:39:05,385 --> 00:39:13,059 それを大坂城で迎え討つのだ。 440 00:39:13,059 --> 00:39:18,798 戦は 長引かせるだけ 長引かせよ。 441 00:39:18,798 --> 00:39:21,735 その間に 各地で➡ 442 00:39:21,735 --> 00:39:24,738 徳川に対して 反旗が上がる。 443 00:39:24,738 --> 00:39:28,475 反旗が上がれば➡ 444 00:39:28,475 --> 00:39:34,175 敵は 大坂攻めだけに 関わってはおられん。 445 00:39:36,816 --> 00:39:43,116 やがては 引くしかなくなる。 446 00:39:45,158 --> 00:39:47,458 負ける気がせん。 447 00:39:49,829 --> 00:39:55,502 しかし 父上なら きっと うまく運ぶでしょうが➡ 448 00:39:55,502 --> 00:39:59,372 私では 難しいのでは? 何で? 449 00:39:59,372 --> 00:40:02,175 私には 場数が足りません。 450 00:40:02,175 --> 00:40:06,846 わしの立てる策に場数などいらん。 451 00:40:06,846 --> 00:40:10,717 心得は 一つ。 452 00:40:10,717 --> 00:40:13,520 お教え下さい。 453 00:40:13,520 --> 00:40:19,520 軍勢を一つの塊と思うな。 454 00:40:21,394 --> 00:40:25,394 一人一人が生きておる。 455 00:40:27,867 --> 00:40:32,567 一人一人が思いを持っておる。 456 00:40:35,742 --> 00:40:42,882 それを ゆめゆめ忘れるな。 457 00:40:42,882 --> 00:40:45,182 かしこまりました。 458 00:40:48,755 --> 00:40:51,558 疲れた…。 459 00:40:51,558 --> 00:41:18,785 ♬~ 460 00:41:18,785 --> 00:41:24,785 信濃に 帰りたかった…。 461 00:41:27,260 --> 00:41:29,929 上田の城に…。 462 00:41:29,929 --> 00:41:49,215 ♬~ 463 00:41:49,215 --> 00:41:52,552 [ 幻聴 ] (いななき) 464 00:41:52,552 --> 00:41:55,455 (馬が走る音) 465 00:41:55,455 --> 00:41:57,755 御屋形様…。 466 00:42:00,894 --> 00:42:03,594 [ 幻聴 ] (いななき) 467 00:42:05,565 --> 00:42:08,468 御屋形様! 468 00:42:08,468 --> 00:42:53,880 ♬~ 469 00:42:53,880 --> 00:42:58,551 紀州 紀ノ川の奥 高野山の山裾に➡ 470 00:42:58,551 --> 00:43:02,889 その小さな村は あった。 471 00:43:02,889 --> 00:43:09,228 その外れで 一人の戦国武将が➡ 472 00:43:09,228 --> 00:43:11,731 死んだ。 473 00:43:11,731 --> 00:43:15,234 借金が かさみ 暮らしは きついです。 474 00:43:15,234 --> 00:43:17,570 (たか)側室です。 マハル キタ! ちょっと! 475 00:43:17,570 --> 00:43:20,473 自分に正直にならないと 損するよ。 476 00:43:20,473 --> 00:43:23,910 俺 あの人が本気出すなら やりますよ。 477 00:43:23,910 --> 00:43:29,082 これぞ 真田紐! 必ず もうかる。 478 00:43:29,082 --> 00:43:31,582 全部 こんな感じか? 全部 こんな感じです。 479 00:43:36,522 --> 00:43:40,393 <1,200年の歴史を持つ高野山に➡ 480 00:43:40,393 --> 00:43:44,693 真田家と ゆかりの深い寺があります> 481 00:43:49,102 --> 00:43:54,402 <蟄居の身となった真田親子が 頼った寺です> 482 00:43:57,210 --> 00:44:02,548 <いつの日か 信濃に戻る事を 願っていた昌幸は➡ 483 00:44:02,548 --> 00:44:07,248 家康からの許しを 待ち望んでいました> 484 00:44:09,222 --> 00:44:13,893 <しかし 慶長16年6月。➡ 485 00:44:13,893 --> 00:44:16,796 蟄居生活 およそ10年➡ 486 00:44:16,796 --> 00:44:21,296 昌幸は その生涯を終えます> 487 00:44:23,236 --> 00:44:27,907 <蓮華定院より更に奥深く 奥之院参道には➡ 488 00:44:27,907 --> 00:44:30,576 真田家が忠誠を誓った➡ 489 00:44:30,576 --> 00:44:36,849 武田信玄 勝頼親子の 供養塔があります。➡ 490 00:44:36,849 --> 00:44:42,188 信玄が「我が両目のごとき」と 愛でたといわれる➡ 491 00:44:42,188 --> 00:44:45,858 希代の武将 真田昌幸。➡ 492 00:44:45,858 --> 00:44:49,529 戦国の世であがき続けた男の 野望は➡ 493 00:44:49,529 --> 00:44:53,829 信繁に託される事となるのです> 494 00:45:33,456 --> 00:45:36,359 ♬~(テーマ音楽) 495 00:45:36,359 --> 00:45:39,829 <平戸藩 御船手方の雙星彦馬は➡ 496 00:45:39,829 --> 00:45:44,667 上司の取り持ちによって ようやく 織江という妻を得た> 497 00:45:44,667 --> 00:45:47,937 (彦馬)貝は この2枚があって 1対だ。 498 00:45:47,937 --> 00:45:51,607 ほら 夫婦と同じだな。 499 00:45:51,607 --> 00:45:54,510 <しかし 2人の輝かしい日々は➡ 500 00:45:54,510 --> 00:45:59,348 妻の 突然の失踪によって 断ち切られた>