1 00:00:23,379 --> 00:00:28,379 ♬~ 2 00:00:33,022 --> 00:01:02,084 ♬~ 3 00:01:02,084 --> 00:01:08,724 直子は お葬式にも間に合いませんでした。 4 00:01:08,724 --> 00:01:10,659 ♬~ 5 00:01:10,659 --> 00:01:19,401 ♬「涙が降れば きっと消えてしまう」 6 00:01:19,401 --> 00:01:28,811 ♬「揺らぐ残り火 どうかここにいて」 7 00:01:28,811 --> 00:01:38,187 ♬「私を創る 出会いもサヨナラも」 8 00:01:38,187 --> 00:01:40,556 ♬~ 9 00:01:40,556 --> 00:01:48,797 ♬「日々 恋をして 胸を焦がしたい」 10 00:01:48,797 --> 00:01:58,273 ♬「いたずらな空にも 悔やんでいられない」 11 00:01:58,273 --> 00:02:07,416 ♬「ほら 笑うのよ 赤い太陽のように」 12 00:02:07,416 --> 00:02:12,054 ♬「いつの日も雨に負けるもんか」 13 00:02:12,054 --> 00:02:18,494 ♬「今日の日も 涙に負けるもんか」 14 00:02:18,494 --> 00:02:22,731 ♬~ 15 00:02:22,731 --> 00:02:27,403 ♬「やさしい風に吹かれて」 16 00:02:27,403 --> 00:02:37,503 ♬「炎は再び舞い上がる」 17 00:03:00,302 --> 00:03:04,873 (喜美子)喪主 引き受けてくれてありがとう。 18 00:03:04,873 --> 00:03:09,378 (八郎)うん…。 喪主の挨拶で…➡ 19 00:03:09,378 --> 00:03:17,052 お父ちゃんのこと かっこええ男や 言うてくれて ありがとう。 20 00:03:17,052 --> 00:03:25,227 ほんで… 今の僕がいるのんは お義父さんのおかげや言うてくれて…。 21 00:03:25,227 --> 00:03:29,531 それな…。 うん。 22 00:03:29,531 --> 00:03:33,335 前に お義父さんに言わされた。 23 00:03:33,335 --> 00:03:36,135 そうなん…? 24 00:03:37,840 --> 00:03:41,140 そこ座りぃ。 25 00:03:52,354 --> 00:03:56,225 仲ようせえ言われたな➡ 26 00:03:56,225 --> 00:03:59,695 お義父さんに…。 27 00:03:59,695 --> 00:04:04,032 2人仲ようせえ…。 28 00:04:04,032 --> 00:04:08,332 仲ようしてないように見えたんやろか。 29 00:04:09,905 --> 00:04:14,510 最近 ゆっくり 話 してないもんな。 30 00:04:14,510 --> 00:04:18,881 最近やないよ。 そう? 31 00:04:18,881 --> 00:04:21,717 武志が産まれてからや。 32 00:04:21,717 --> 00:04:24,620 そんなことないやろ。 33 00:04:24,620 --> 00:04:28,056 ほらな。 何? 34 00:04:28,056 --> 00:04:33,056 ずれがあるやん うちは そう思うてたよ。 35 00:04:35,464 --> 00:04:38,834 しょうもない。 お父ちゃんいたら➡ 36 00:04:38,834 --> 00:04:40,869 しょうもないこと言うな いうて叱られるわ。 37 00:04:40,869 --> 00:04:43,705 あんな…➡ 38 00:04:43,705 --> 00:04:51,905 世の中の大概の男は アホや言うてた お義父さんが。 39 00:04:53,682 --> 00:04:58,487 いや 具体的に言うてくれな 僕もアホやから分からへんねん。 40 00:04:58,487 --> 00:05:02,287 何に腹立てたりしてんのか。 41 00:05:05,260 --> 00:05:08,230 例えばな? うん。 42 00:05:08,230 --> 00:05:12,868 武志が寝てしもて 寝床運ぼうとするやん。 うん。 43 00:05:12,868 --> 00:05:15,771 うちがやる言うやん。 うん。 44 00:05:15,771 --> 00:05:22,971 ほしたら 八郎さん 僕がやる言うやん。 うん。 45 00:05:24,880 --> 00:05:28,750 うん? うん? それの何があかんの? 46 00:05:28,750 --> 00:05:32,688 いっつもそうや 大概そうや。 47 00:05:32,688 --> 00:05:35,824 うちがやろうとしたり やるつもりでいんのに➡ 48 00:05:35,824 --> 00:05:39,461 ええよ ええよ 僕がやる言う。 えっ それの何があかん? 49 00:05:39,461 --> 00:05:41,830 もうええわ もう ほんましょうもない。 50 00:05:41,830 --> 00:05:44,733 今 自分で言うてても びっくりするぐらい しょうもなかった。 51 00:05:44,733 --> 00:05:49,471 もうやめぇ! せやけど そういうことが 積もり積もってんねやろ? 52 00:05:49,471 --> 00:05:53,842 ええから座れや まだ終わってないで。 53 00:05:53,842 --> 00:05:58,714 終わりはないで。 こういう話に終わりはないで? 54 00:05:58,714 --> 00:06:01,717 もう 一回言いだしたら どんどん出てくるわ。 55 00:06:01,717 --> 00:06:04,553 うちな 仕事で忙しいさけ➡ 56 00:06:04,553 --> 00:06:09,191 武志の洗たシャツなんかは もうパパッと適当に畳んで しまうねん。 57 00:06:09,191 --> 00:06:13,862 それを八郎さん わざわざ取り出して きちんと丁寧に畳み直す 嫌みか! 58 00:06:13,862 --> 00:06:17,366 優しいで? 優しければ優しいほど➡ 59 00:06:17,366 --> 00:06:19,368 うちが責められてるような気持ちに なんねん! 60 00:06:19,368 --> 00:06:21,370 ほな どないせえっちゅうねん! 分からへん! 61 00:06:21,370 --> 00:06:25,107 分からへん!? 分からへんから黙ってた。 62 00:06:25,107 --> 00:06:35,607 ♬~ 63 00:06:38,320 --> 00:06:42,824 ちゃう。 えっ。 64 00:06:42,824 --> 00:06:47,124 今は 何となく分かってんねん…。 65 00:06:53,468 --> 00:06:56,668 仕事や。 66 00:06:58,306 --> 00:07:03,011 うちが少し 仕事やめたらええねん。 67 00:07:03,011 --> 00:07:09,685 茶わん 60個のところを 30個にしたらええねん…。 68 00:07:09,685 --> 00:07:15,023 それは… 僕も そう思うで? 69 00:07:15,023 --> 00:07:20,696 お金やったら 僕かて少しは…。 お金だけやないねん。 70 00:07:20,696 --> 00:07:23,996 仕事は…。 71 00:07:26,034 --> 00:07:31,306 仕事は うち やめたないねん…。 うん。 72 00:07:31,306 --> 00:07:38,106 うち 仕事が好きや。 働くんが好きや。 73 00:07:43,018 --> 00:07:47,756 喜美子。 はい。 74 00:07:47,756 --> 00:07:52,594 これからもな 忙しいで? 75 00:07:52,594 --> 00:07:57,833 百合ちゃんのことも お義母さんのことも気にかけて。 76 00:07:57,833 --> 00:08:02,671 東京から なかなか帰ってけぇへん 直ちゃんのことも心配やしな。 77 00:08:02,671 --> 00:08:06,541 武志かて これから まだまだ手ぇかかる。 78 00:08:06,541 --> 00:08:10,545 何やかんや 忙しいのは変わらんで。 79 00:08:10,545 --> 00:08:15,183 ほんで… こうして いちいち向き合うてたらええけどな➡ 80 00:08:15,183 --> 00:08:17,853 そんな暇ないで。 81 00:08:17,853 --> 00:08:21,653 きっと また 積もり積もっていくで。 82 00:08:23,358 --> 00:08:30,132 ほな どうしたらええのん。 仕事が好きいうのは分かってるからな。 83 00:08:30,132 --> 00:08:33,635 もう一つの方も いつも分かってたらええんちゃうか? 84 00:08:33,635 --> 00:08:36,671 もう一つの方って? 85 00:08:36,671 --> 00:08:40,371 喜美子のこと 好きやで。 86 00:08:42,144 --> 00:08:44,944 好きや。 87 00:08:47,015 --> 00:08:52,788 ありがとう。 言えや 喜美子もぉ。 88 00:08:52,788 --> 00:08:55,788 うちは…。 89 00:08:59,694 --> 00:09:03,532 あんたしか おらん。 90 00:09:03,532 --> 00:09:07,169 ほんまやで? 91 00:09:07,169 --> 00:09:11,473 あんたおらんと生きていけん。 92 00:09:11,473 --> 00:09:15,177 嫌われたくない…。 93 00:09:15,177 --> 00:09:58,720 ♬~ 94 00:09:58,720 --> 00:10:02,457 ええ子に育ったなあ…? ハッハッハッ…。 95 00:10:02,457 --> 00:10:11,257 (笑い声) 96 00:10:19,474 --> 00:10:27,682 「雪女は とても強く 攻撃をしても 全く歯が立ちません。➡ 97 00:10:27,682 --> 00:10:32,354 あっとうてきなこうげきに まるまる太郎たちは➡ 98 00:10:32,354 --> 00:10:36,024 負けそうになってしまいました。➡ 99 00:10:36,024 --> 00:10:39,895 それでも あきらめなかった まるまる太郎は➡ 100 00:10:39,895 --> 00:10:45,734 『みんな ぼくのからだに くっつけ!』」。 (2人)お~! 101 00:10:45,734 --> 00:10:50,734 (百合子)お姉ちゃん! 直姉ちゃんが帰ってきた。 102 00:11:01,249 --> 00:11:13,762 ♬~ 103 00:11:13,762 --> 00:11:15,764 うわっ! 誰…? 104 00:11:15,764 --> 00:11:19,264 (鮫島)ああ どうも! 鮫島です。 105 00:11:21,069 --> 00:11:26,569 兄貴ですか? はっ? 陶芸家の先生の兄貴ぃ! 106 00:11:28,410 --> 00:11:33,248 直姉ちゃんが連れてきやった。 熨斗谷電機で一緒に働いてはるんやて…。 107 00:11:33,248 --> 00:11:39,020 はい。 こちら 武志君? こんにちは。 (武志)こんにちは。 108 00:11:39,020 --> 00:11:42,057 上手にご挨拶 さすがですぅ! 109 00:11:42,057 --> 00:11:44,693 あっ 先生も さすがですねえ。 110 00:11:44,693 --> 00:11:47,362 先生のお作りになったお茶わんの数々➡ 111 00:11:47,362 --> 00:11:50,365 ほんまに すばらしい作品や! それ 瀬戸物や。 112 00:11:50,365 --> 00:11:53,168 (直子)あっ お姉ちゃん。 113 00:11:53,168 --> 00:11:56,705 直子! あんた どないしたんや 急に。 114 00:11:56,705 --> 00:12:00,508 大阪行くさけ ちょっと寄ることにしてん。 115 00:12:00,508 --> 00:12:03,211 鮫島さん いわはりましたね。 はい。 116 00:12:03,211 --> 00:12:05,880 すいませんけど ちょっと外で待っててもらえます? 117 00:12:05,880 --> 00:12:07,880 へっ? 内々で話したいんで。 118 00:12:18,393 --> 00:12:22,731 (直子)電話が2回かかってきた お父ちゃんから。➡ 119 00:12:22,731 --> 00:12:26,067 1回目は いつものお父ちゃんの声やった。 120 00:12:26,067 --> 00:12:29,904 「喜美子が帰ってこい言うかもしれんけど 帰ってこんでええ。➡ 121 00:12:29,904 --> 00:12:32,674 お前は しっかり東京で働いとけ」。 122 00:12:32,674 --> 00:12:36,478 いつ? う~ん… 夏の終わりや。 123 00:12:36,478 --> 00:12:40,015 (マツ)加賀温泉から かけたんよ…。 そうなん? 124 00:12:40,015 --> 00:12:45,487 どっか電話してくる言うてた… あれが そうや思う。 125 00:12:45,487 --> 00:12:51,292 2回目は 秋口や。 少し力が のうなったような気ぃしたけど➡ 126 00:12:51,292 --> 00:12:54,496 しっかり言うてたで。 「わざわざ帰ってこんでええ。➡ 127 00:12:54,496 --> 00:12:57,699 帰ってくるな。 お父ちゃんは 大丈夫やから」。 128 00:12:57,699 --> 00:13:03,038 何で そんなこと…。 強いお父ちゃんでいたかったんやろ。 129 00:13:03,038 --> 00:13:08,209 最後まで 強いお父ちゃんの姿だけを うちの心に残したかったんや。 130 00:13:08,209 --> 00:13:12,514 何 言うてんの…? お父ちゃんの意地と誇りや。 131 00:13:12,514 --> 00:13:16,051 なにを悟ったようなこと言うてんの? 132 00:13:16,051 --> 00:13:18,887 お父ちゃんが 帰ってくんな言うたとしても➡ 133 00:13:18,887 --> 00:13:24,059 帰ってくんのが 子どもちゃうの? 何で会いに来んかったん? 134 00:13:24,059 --> 00:13:27,729 会いたい思わんかったん? 135 00:13:27,729 --> 00:13:29,764 そりゃ あんたとお父ちゃんは➡ 136 00:13:29,764 --> 00:13:32,167 馬が合わんで ケンカばっかりしてたけどな➡ 137 00:13:32,167 --> 00:13:36,967 最期くらい…! 会いたい思たに決まってるやん! 138 00:13:39,040 --> 00:13:44,345 会いたかった。 会いたかったで。 139 00:13:44,345 --> 00:13:49,184 ほやけど うちは お父ちゃんの言うこと いっつも逆らって➡ 140 00:13:49,184 --> 00:13:52,687 いっつも言うこと きかんかった。 141 00:13:52,687 --> 00:13:56,558 最後くらい 言うこときいてやろう思たんや! 142 00:13:56,558 --> 00:14:01,396 わざわざ電話して言うてきた お父ちゃんの言うこと…➡ 143 00:14:01,396 --> 00:14:05,033 きいてやろう思たんや…。 144 00:14:05,033 --> 00:14:24,219 ♬~ 145 00:14:24,219 --> 00:14:26,721 おいで。 146 00:14:26,721 --> 00:14:31,993 (すすり泣き) 147 00:14:31,993 --> 00:14:37,665 堪忍な… 堪忍や…。 148 00:14:37,665 --> 00:14:40,168 堪忍やで…。 149 00:14:40,168 --> 00:14:47,842 ほな… おかげで心ん中には 元気なお父ちゃんしか おらんのやな。 150 00:14:47,842 --> 00:14:53,481 ちゃぶ台ひっくり返したり ふざけたことばっかり言う…。 151 00:14:53,481 --> 00:15:01,222 そや。 うっとうしい 暑苦しい 元気なお父ちゃんしか記憶にない。 152 00:15:01,222 --> 00:15:06,027 ええなあ 元気なお父ちゃん。 153 00:15:06,027 --> 00:15:23,044 ♬~ 154 00:15:23,044 --> 00:15:25,744 (くしゃみ)