1 00:00:01,935 --> 00:00:30,998 ♬~ 2 00:00:30,998 --> 00:00:37,638 直子は お葬式にも間に合いませんでした。 3 00:00:37,638 --> 00:00:39,573 ♬~ 4 00:00:39,573 --> 00:00:48,315 ♬「涙が降れば きっと消えてしまう」 5 00:00:48,315 --> 00:00:57,724 ♬「揺らぐ残り火 どうかここにいて」 6 00:00:57,724 --> 00:01:07,100 ♬「私を創る 出会いもサヨナラも」 7 00:01:07,100 --> 00:01:09,469 ♬~ 8 00:01:09,469 --> 00:01:17,711 ♬「日々 恋をして 胸を焦がしたい」 9 00:01:17,711 --> 00:01:27,187 ♬「いたずらな空にも 悔やんでいられない」 10 00:01:27,187 --> 00:01:36,330 ♬「ほら 笑うのよ 赤い太陽のように」 11 00:01:36,330 --> 00:01:40,968 ♬「いつの日も雨に負けるもんか」 12 00:01:40,968 --> 00:01:47,407 ♬「今日の日も 涙に負けるもんか」 13 00:01:47,407 --> 00:01:51,645 ♬~ 14 00:01:51,645 --> 00:01:56,316 ♬「やさしい風に吹かれて」 15 00:01:56,316 --> 00:02:06,426 ♬「炎は再び舞い上がる」 16 00:02:29,216 --> 00:02:33,787 (喜美子)喪主 引き受けてくれてありがとう。 17 00:02:33,787 --> 00:02:38,291 (八郎)うん…。 喪主の挨拶で…➡ 18 00:02:38,291 --> 00:02:45,966 お父ちゃんのこと かっこええ男や 言うてくれて ありがとう。 19 00:02:45,966 --> 00:02:54,141 ほんで… 今の僕がいるのんは お義父さんのおかげや言うてくれて…。 20 00:02:54,141 --> 00:02:58,445 それな…。 うん。 21 00:02:58,445 --> 00:03:02,249 前に お義父さんに言わされた。 22 00:03:02,249 --> 00:03:05,052 そうなん…? 23 00:03:06,753 --> 00:03:10,057 そこ座りぃ。 24 00:03:21,268 --> 00:03:25,138 仲ようせえ言われたな➡ 25 00:03:25,138 --> 00:03:28,608 お義父さんに…。 26 00:03:28,608 --> 00:03:32,946 2人仲ようせえ…。 27 00:03:32,946 --> 00:03:37,250 仲ようしてないように見えたんやろか。 28 00:03:38,819 --> 00:03:43,423 最近 ゆっくり 話 してないもんな。 29 00:03:43,423 --> 00:03:47,794 最近やないよ。 そう? 30 00:03:47,794 --> 00:03:50,630 武志が産まれてからや。 31 00:03:50,630 --> 00:03:53,533 そんなことないやろ。 32 00:03:53,533 --> 00:03:56,970 ほらな。 何? 33 00:03:56,970 --> 00:04:01,975 ずれがあるやん うちは そう思うてたよ。 34 00:04:04,377 --> 00:04:07,748 しょうもない。 お父ちゃんいたら➡ 35 00:04:07,748 --> 00:04:09,783 しょうもないこと言うな いうて叱られるわ。 36 00:04:09,783 --> 00:04:12,619 あんな…➡ 37 00:04:12,619 --> 00:04:20,827 世の中の大概の男は アホや言うてた お義父さんが。 38 00:04:22,596 --> 00:04:27,400 いや 具体的に言うてくれな 僕もアホやから分からへんねん。 39 00:04:27,400 --> 00:04:31,204 何に腹立てたりしてんのか。 40 00:04:34,174 --> 00:04:37,144 例えばな? うん。 41 00:04:37,144 --> 00:04:41,781 武志が寝てしもて 寝床運ぼうとするやん。 うん。 42 00:04:41,781 --> 00:04:44,684 うちがやる言うやん。 うん。 43 00:04:44,684 --> 00:04:51,892 ほしたら 八郎さん 僕がやる言うやん。 うん。 44 00:04:53,793 --> 00:04:57,664 うん? うん? それの何があかんの? 45 00:04:57,664 --> 00:05:01,601 いっつもそうや 大概そうや。 46 00:05:01,601 --> 00:05:04,738 うちがやろうとしたり やるつもりでいんのに➡ 47 00:05:04,738 --> 00:05:08,375 ええよ ええよ 僕がやる言う。 えっ それの何があかん? 48 00:05:08,375 --> 00:05:10,744 もうええわ もう ほんましょうもない。 49 00:05:10,744 --> 00:05:13,647 今 自分で言うてても びっくりするぐらい しょうもなかった。 50 00:05:13,647 --> 00:05:18,385 もうやめぇ!せやけど そういうことが 積もり積もってんねやろ? 51 00:05:18,385 --> 00:05:22,756 ええから座れや まだ終わってないで。 52 00:05:22,756 --> 00:05:27,627 終わりはないで。 こういう話に終わりはないで? 53 00:05:27,627 --> 00:05:30,630 もう 一回言いだしたら どんどん出てくるわ。 54 00:05:30,630 --> 00:05:33,466 うちな 仕事で忙しいさけ➡ 55 00:05:33,466 --> 00:05:38,104 武志の洗たシャツなんかは もうパパッと適当に畳んで しまうねん。 56 00:05:38,104 --> 00:05:42,776 それを八郎さん わざわざ取り出して きちんと丁寧に畳み直す 嫌みか! 57 00:05:42,776 --> 00:05:46,279 優しいで? 優しければ優しいほど➡ 58 00:05:46,279 --> 00:05:48,281 うちが責められてるような気持ちに なんねん! 59 00:05:48,281 --> 00:05:50,283 ほな どないせえっちゅうねん! 分からへん! 60 00:05:50,283 --> 00:05:54,020 分からへん!? 分からへんから黙ってた。 61 00:05:54,020 --> 00:06:04,531 ♬~ 62 00:06:07,234 --> 00:06:11,738 ちゃう。 えっ。 63 00:06:11,738 --> 00:06:16,042 今は 何となく分かってんねん…。 64 00:06:22,382 --> 00:06:25,585 仕事や。 65 00:06:27,220 --> 00:06:31,925 うちが少し 仕事やめたらええねん。 66 00:06:31,925 --> 00:06:38,598 茶わん 60個のところを 30個にしたらええねん…。 67 00:06:38,598 --> 00:06:43,937 それは… 僕も そう思うで? 68 00:06:43,937 --> 00:06:49,609 お金やったら 僕かて少しは…。 お金だけやないねん。 69 00:06:49,609 --> 00:06:52,913 仕事は…。 70 00:06:54,948 --> 00:07:00,220 仕事は うち やめたないねん…。 うん。 71 00:07:00,220 --> 00:07:07,027 うち 仕事が好きや。 働くんが好きや。 72 00:07:11,932 --> 00:07:16,670 喜美子。 はい。 73 00:07:16,670 --> 00:07:21,508 これからもな 忙しいで? 74 00:07:21,508 --> 00:07:26,746 百合ちゃんのことも お義母さんのことも気にかけて。 75 00:07:26,746 --> 00:07:31,584 東京から なかなか帰ってけぇへん 直ちゃんのことも心配やしな。 76 00:07:31,584 --> 00:07:35,455 武志かて これから まだまだ手ぇかかる。 77 00:07:35,455 --> 00:07:39,459 何やかんや 忙しいのは変わらんで。 78 00:07:39,459 --> 00:07:44,097 ほんで… こうして いちいち向き合うてたらええけどな➡ 79 00:07:44,097 --> 00:07:46,766 そんな暇ないで。 80 00:07:46,766 --> 00:07:50,570 きっと また 積もり積もっていくで。 81 00:07:52,272 --> 00:07:59,045 ほな どうしたらええのん。 仕事が好きいうのは分かってるからな。 82 00:07:59,045 --> 00:08:02,549 もう一つの方も いつも分かってたらええんちゃうか? 83 00:08:02,549 --> 00:08:05,585 もう一つの方って? 84 00:08:05,585 --> 00:08:09,289 喜美子のこと 好きやで。 85 00:08:11,057 --> 00:08:13,860 好きや。 86 00:08:15,929 --> 00:08:21,701 ありがとう。 言えや 喜美子もぉ。 87 00:08:21,701 --> 00:08:24,704 うちは…。 88 00:08:28,608 --> 00:08:32,445 あんたしか おらん。 89 00:08:32,445 --> 00:08:36,082 ほんまやで? 90 00:08:36,082 --> 00:08:40,387 あんたおらんと生きていけん。 91 00:08:40,387 --> 00:08:44,090 嫌われたくない…。 92 00:08:44,090 --> 00:09:27,634 ♬~ 93 00:09:27,634 --> 00:09:31,371 ええ子に育ったなあ…? ハッハッハッ…。 94 00:09:31,371 --> 00:09:40,180 (笑い声) 95 00:09:48,388 --> 00:09:56,596 「雪女は とても強く 攻撃をしても 全く歯が立ちません。➡ 96 00:09:56,596 --> 00:10:01,267 あっとうてきなこうげきに まるまる太郎たちは➡ 97 00:10:01,267 --> 00:10:04,938 負けそうになってしまいました。➡ 98 00:10:04,938 --> 00:10:08,808 それでも あきらめなかった まるまる太郎は➡ 99 00:10:08,808 --> 00:10:14,647 『みんな ぼくのからだに くっつけ!』」。 (2人)お~! 100 00:10:14,647 --> 00:10:19,652 (百合子)お姉ちゃん! 直姉ちゃんが帰ってきた。 101 00:10:30,163 --> 00:10:42,675 ♬~ 102 00:10:42,675 --> 00:10:44,677 うわっ! 誰…? 103 00:10:44,677 --> 00:10:48,181 (鮫島)ああ どうも! 鮫島です。 104 00:10:49,983 --> 00:10:55,488 兄貴ですか?はっ? 陶芸家の先生の兄貴ぃ! 105 00:10:57,323 --> 00:11:02,162 直姉ちゃんが連れてきやった。 熨斗谷電機で一緒に働いてはるんやて…。 106 00:11:02,162 --> 00:11:07,934 はい。 こちら 武志君? こんにちは。 (武志)こんにちは。 107 00:11:07,934 --> 00:11:10,970 上手にご挨拶 さすがですぅ! 108 00:11:10,970 --> 00:11:13,606 あっ 先生も さすがですねえ。 109 00:11:13,606 --> 00:11:16,276 先生のお作りになったお茶わんの数々➡ 110 00:11:16,276 --> 00:11:19,279 ほんまに すばらしい作品や! それ 瀬戸物や。 111 00:11:19,279 --> 00:11:22,081 (直子)あっ お姉ちゃん。 112 00:11:22,081 --> 00:11:25,618 直子! あんた どないしたんや 急に。 113 00:11:25,618 --> 00:11:29,422 大阪行くさけ ちょっと寄ることにしてん。 114 00:11:29,422 --> 00:11:32,125 鮫島さん いわはりましたね。 はい。 115 00:11:32,125 --> 00:11:34,794 すいませんけど ちょっと外で待っててもらえます? 116 00:11:34,794 --> 00:11:36,796 へっ? 内々で話したいんで。 117 00:11:47,307 --> 00:11:51,644 (直子)電話が2回かかってきた お父ちゃんから。➡ 118 00:11:51,644 --> 00:11:54,981 1回目は いつものお父ちゃんの声やった。 119 00:11:54,981 --> 00:11:58,818 「喜美子が帰ってこい言うかもしれんけど 帰ってこんでええ。➡ 120 00:11:58,818 --> 00:12:01,588 お前は しっかり東京で働いとけ」。 121 00:12:01,588 --> 00:12:05,391 いつ? う~ん… 夏の終わりや。 122 00:12:05,391 --> 00:12:08,928 (マツ)加賀温泉から かけたんよ…。 そうなん? 123 00:12:08,928 --> 00:12:14,400 どっか電話してくる言うてた… あれが そうや思う。 124 00:12:14,400 --> 00:12:20,206 2回目は 秋口や。 少し力が のうなったような気ぃしたけど➡ 125 00:12:20,206 --> 00:12:23,409 しっかり言うてたで。 「わざわざ帰ってこんでええ。➡ 126 00:12:23,409 --> 00:12:26,613 帰ってくるな。 お父ちゃんは 大丈夫やから」。 127 00:12:26,613 --> 00:12:31,951 何で そんなこと…。 強いお父ちゃんでいたかったんやろ。 128 00:12:31,951 --> 00:12:37,123 最後まで 強いお父ちゃんの姿だけを うちの心に残したかったんや。 129 00:12:37,123 --> 00:12:41,427 何 言うてんの…? お父ちゃんの意地と誇りや。 130 00:12:41,427 --> 00:12:44,964 なにを悟ったようなこと言うてんの? 131 00:12:44,964 --> 00:12:47,800 お父ちゃんが 帰ってくんな言うたとしても➡ 132 00:12:47,800 --> 00:12:52,972 帰ってくんのが 子どもちゃうの? 何で会いに来んかったん? 133 00:12:52,972 --> 00:12:56,643 会いたい思わんかったん? 134 00:12:56,643 --> 00:12:58,678 そりゃ あんたとお父ちゃんは➡ 135 00:12:58,678 --> 00:13:01,080 馬が合わんで ケンカばっかりしてたけどな➡ 136 00:13:01,080 --> 00:13:05,885 最期くらい…! 会いたい思たに決まってるやん! 137 00:13:07,954 --> 00:13:13,259 会いたかった。 会いたかったで。 138 00:13:13,259 --> 00:13:18,097 ほやけど うちは お父ちゃんの言うこと いっつも逆らって➡ 139 00:13:18,097 --> 00:13:21,601 いっつも言うこと きかんかった。 140 00:13:21,601 --> 00:13:25,471 最後くらい 言うこときいてやろう思たんや! 141 00:13:25,471 --> 00:13:30,309 わざわざ電話して言うてきた お父ちゃんの言うこと…➡ 142 00:13:30,309 --> 00:13:33,946 きいてやろう思たんや…。 143 00:13:33,946 --> 00:13:53,132 ♬~ 144 00:13:53,132 --> 00:13:55,635 おいで。 145 00:13:55,635 --> 00:14:00,907 (すすり泣き) 146 00:14:00,907 --> 00:14:06,579 堪忍な… 堪忍や…。 147 00:14:06,579 --> 00:14:09,082 堪忍やで…。 148 00:14:09,082 --> 00:14:16,756 ほな… おかげで心ん中には 元気なお父ちゃんしか おらんのやな。 149 00:14:16,756 --> 00:14:22,395 ちゃぶ台ひっくり返したり ふざけたことばっかり言う…。 150 00:14:22,395 --> 00:14:30,136 そや。 うっとうしい 暑苦しい 元気なお父ちゃんしか記憶にない。 151 00:14:30,136 --> 00:14:34,941 ええなあ 元気なお父ちゃん。 152 00:14:34,941 --> 00:14:51,958 ♬~ 153 00:14:51,958 --> 00:14:54,660 (くしゃみ)