1 00:00:01,910 --> 00:00:09,250 喜美子は これからのことを考えつつ 信楽から大阪に戻ってきました。 2 00:00:09,250 --> 00:00:11,580 (マツ)お金だけ ちゃうねんよ。➡ 3 00:00:11,580 --> 00:00:16,780 お父ちゃんは 喜美子に帰ってきてほしいねん。 4 00:00:18,360 --> 00:00:24,090 (泣き声) 5 00:00:24,090 --> 00:00:30,870 大阪での暮らしを続けるか 信楽に帰るか…。 6 00:00:30,870 --> 00:00:35,810 最後の最後まで考え続けました。 7 00:00:35,810 --> 00:00:42,110 ♬~ 8 00:00:42,110 --> 00:00:45,020 (喜美子)ただいま戻りました! 9 00:00:45,020 --> 00:00:51,220 (さだ)あ~! すみませんでした。 ただいま戻りました。 10 00:00:52,890 --> 00:00:55,190 ♬~ 11 00:00:55,190 --> 00:01:03,900 ♬「涙が降れば きっと消えてしまう」 12 00:01:03,900 --> 00:01:13,140 ♬「揺らぐ残り火 どうかここにいて」 13 00:01:13,140 --> 00:01:22,650 ♬「私を創る 出会いもサヨナラも」 14 00:01:22,650 --> 00:01:24,990 ♬~ 15 00:01:24,990 --> 00:01:33,260 ♬「日々 恋をして 胸を焦がしたい」 16 00:01:33,260 --> 00:01:42,670 ♬「いたずらな空にも 悔やんでいられない」 17 00:01:42,670 --> 00:01:51,820 ♬「ほら 笑うのよ 赤い太陽のように」 18 00:01:51,820 --> 00:01:56,420 ♬「いつの日も雨に負けるもんか」 19 00:01:56,420 --> 00:02:02,860 ♬「今日の日も 涙に負けるもんか」 20 00:02:02,860 --> 00:02:06,730 ♬~ 21 00:02:06,730 --> 00:02:11,570 ♬「やさしい風に吹かれて」 22 00:02:11,570 --> 00:02:21,870 ♬「炎は再び舞い上がる」 23 00:02:27,750 --> 00:02:30,790 その夜…➡ 24 00:02:30,790 --> 00:02:35,390 さださんと 雄太郎さん そして 大久保さんは➡ 25 00:02:35,390 --> 00:02:41,200 帰ってきた喜美子の話を 静かに聞いてくれました。 26 00:02:41,200 --> 00:02:45,900 お恥ずかしい話ですけど そういうことです。 27 00:02:50,610 --> 00:02:54,110 ほんで…➡ 28 00:02:54,110 --> 00:02:57,980 ほんで 決めました。 29 00:02:57,980 --> 00:03:04,220 学校は諦めます。 そのお金は 家の借金に。 30 00:03:04,220 --> 00:03:06,920 ほんで…。 31 00:03:08,560 --> 00:03:15,060 うちは 信楽に帰らせてもらいます。 32 00:03:22,570 --> 00:03:26,240 こっちに戻る汽車の中で➡ 33 00:03:26,240 --> 00:03:32,240 ちょっと目ぇ閉じて 荒木荘のこと思い浮かべてみたんです。 34 00:03:33,920 --> 00:03:39,590 あそこに鍋がある。 あそこには おたま。 35 00:03:39,590 --> 00:03:43,290 あそこには 布巾。 36 00:03:45,460 --> 00:03:56,160 玄関の掃き掃除は あのほうき 表の枯れ葉 掃くんは あのほうき…。 37 00:04:00,910 --> 00:04:05,710 手に取るように荒木荘のことが…。 38 00:04:11,060 --> 00:04:14,930 ほしたら 自分でも…➡ 39 00:04:14,930 --> 00:04:21,070 もう結構やってきたんちゃうかな…。 40 00:04:21,070 --> 00:04:25,270 勝手に そう思いまして…。 41 00:04:27,840 --> 00:04:32,080 すみません 大久保さんからは まだ認めてもらえてへんのに。 42 00:04:32,080 --> 00:04:39,750 (大久保)認めるかいな。 家の仕事に終わりはあらへんで。 43 00:04:39,750 --> 00:04:44,550 認める日なんか来るわけないわ。 44 00:04:48,390 --> 00:04:56,100 認める認めんで言うたら… あの時やん…。 45 00:04:56,100 --> 00:04:59,600 何? 46 00:04:59,600 --> 00:05:03,040 …あの時や。 47 00:05:03,040 --> 00:05:06,240 (さだ)何よぉ? 48 00:05:07,880 --> 00:05:11,720 「大久保さんが作ったごはんは➡ 49 00:05:11,720 --> 00:05:15,550 大久保さんにしかできへんのんちゃう?」 って言われた時に➡ 50 00:05:15,550 --> 00:05:18,360 もう認めてたわ。 51 00:05:18,360 --> 00:05:23,560 (さだ)もう… そんなん最初の日やんか。 52 00:05:23,560 --> 00:05:25,900 (大久保)フフフ…。 (さだ)もう! フフフ…。 53 00:05:25,900 --> 00:05:28,570 ありがとうございます。 54 00:05:28,570 --> 00:05:35,240 大久保さんから教わったこと 次の… 次に ここ来る人に➡ 55 00:05:35,240 --> 00:05:38,580 ちゃんと引き継ぎをしてから 帰らせてもらいます。 56 00:05:38,580 --> 00:05:41,250 ええから ええから そんなん… よろしいおまんな? 57 00:05:41,250 --> 00:05:44,920 引き継ぎは 大久保さんがやってくれるから。 58 00:05:44,920 --> 00:05:48,750 そう思たさかい もう あんたの荷物まとめてしもたがな。 59 00:05:48,750 --> 00:05:51,660 いや… ほやけど…。 (さだ)ええ ええ。➡ 60 00:05:51,660 --> 00:05:56,260 ここは 喜美ちゃん おらんかってもかまへん。 61 00:05:56,260 --> 00:05:58,260 (大久保)かまへん かまへん。 62 00:05:58,260 --> 00:06:03,870 (すすり泣き) 63 00:06:03,870 --> 00:06:05,900 雄太郎さん!? ちょっと… ああ! もう…! 64 00:06:05,900 --> 00:06:09,210 雄太郎さん!? もうええ ええ。 65 00:06:09,210 --> 00:06:14,510 もう そっとしといてあげたら かまへん。 かまへんわ もう。 66 00:06:16,080 --> 00:06:20,820 お父さんから電報ももろてるしな。 67 00:06:20,820 --> 00:06:27,220 私らも 喜美ちゃん 信楽から 帰ってけえへんと思てたんやから。 68 00:06:27,220 --> 00:06:31,090 (大久保) お母さん 大したことのうて よかったな。 はい。 69 00:06:31,090 --> 00:06:35,370 これからは 信楽のおうちのこと 一生懸命やんのやで? 70 00:06:35,370 --> 00:06:39,240 はい。 うん。 71 00:06:39,240 --> 00:06:43,740 ♬~(ギター) 72 00:06:43,740 --> 00:06:46,080 何や? 73 00:06:46,080 --> 00:06:53,580 (雄太郎) ♬「喜美ちゃんおらんでも かまへ~ん」 74 00:06:53,580 --> 00:06:55,520 ええ!? 歌 歌うのん? 75 00:06:55,520 --> 00:06:58,090 ♬「寂しいけども」 歌かいな これ? 76 00:06:58,090 --> 00:07:01,330 ♬「かまへん」 77 00:07:01,330 --> 00:07:07,530 ♬「喜美ちゃん去ってもかまへ~ん」 78 00:07:07,530 --> 00:07:13,340 ♬「さよなら言うても かまへん」 79 00:07:13,340 --> 00:07:19,710 ♬「喜美ちゃん去っても かまへ~ん」 80 00:07:19,710 --> 00:07:26,050 (マスター)そうか… そら寂しいなあ。 わざわざ ありがとう。 81 00:07:26,050 --> 00:07:28,350 お世話になりました。 82 00:07:28,350 --> 00:07:33,560 あっ このあとの汽車で? いえ ちや子さんとこに顔出してから。 83 00:07:33,560 --> 00:07:37,560 ちや子さん 昨日も帰ってきてへんのです。 84 00:07:40,230 --> 00:07:44,100 新聞社 辞めたみたいやで。 えっ? 85 00:07:44,100 --> 00:07:48,940 (雄太郎)あの日 喜美ちゃんと入れ違いに えらい酔うて帰ってきてな…。 86 00:07:48,940 --> 00:07:51,240 [ 回想 ] ほ~っ! うわっとっと…。 87 00:07:51,240 --> 00:07:53,180 あ~! あ~あ~あ~! もう…。 88 00:07:53,180 --> 00:07:56,380 おうおうおう…。 もうかなわんわ~。 どうしたの? どうした? 89 00:07:56,380 --> 00:08:00,680 ちょっと ちょっと…。 (ちや子)辞めたった! 辞めたりました! 90 00:08:00,680 --> 00:08:04,190 何があったんでしょう…。 91 00:08:04,190 --> 00:08:10,690 ヒラさんいう上司? 何も言わんと よそ移ったて…。 92 00:08:10,690 --> 00:08:12,630 ヒラさんが!? 93 00:08:12,630 --> 00:08:20,630 しばらくの間な 実家へ帰る言うてやな その前に ここへ来てやな やけ食いや。 94 00:08:24,040 --> 00:08:28,840 [ 回想 ] ちょっと 二日酔いと違うの? 95 00:08:33,050 --> 00:08:38,250 (雄太郎)そのうち戻ってくるやろし 喜美ちゃんのこと言うとくよ。 96 00:08:39,920 --> 00:08:45,720 信楽なんて汽車ですぐやん。 言うとくよ。 97 00:08:48,370 --> 00:08:51,230 手紙… 手紙書いていきます。 98 00:08:51,230 --> 00:08:54,230 (マスター)手紙な。 はい すいません。 99 00:08:58,380 --> 00:09:04,580 そういうわけで ちや子さんには会えずじまいでした。 100 00:09:10,320 --> 00:09:14,190 いつか 映画俳優で売れっ子になったら➡ 101 00:09:14,190 --> 00:09:17,030 喜美ちゃんのお父さんに オート三輪 山ほど買うたるわ。 102 00:09:17,030 --> 00:09:20,060 ええ ほんまですか? うん 喜美ちゃんにも。 103 00:09:20,060 --> 00:09:26,040 ほな うちは… 妹に テレビジョン買うてもらおうかなあ。 104 00:09:26,040 --> 00:09:28,070 任しときぃ。 105 00:09:28,070 --> 00:09:31,340 ほな 心機一転 芸名でも付けよかな? 106 00:09:31,340 --> 00:09:33,710 芸名? うん 喜美ちゃん 付けてぇや。 107 00:09:33,710 --> 00:09:38,880 ええ!? そんな大事なことできません。 ええよ ひらめきで。 108 00:09:38,880 --> 00:09:45,060 え~ ひらめかへん… ひらめいた! 信楽太郎。 109 00:09:45,060 --> 00:09:47,360 ハハハ… それはあかんわ。 110 00:09:47,360 --> 00:09:52,060 えっ 何でです? ええやないですか 信楽太郎。 111 00:09:52,060 --> 00:09:58,840 じゃあ 戻るわ。 はい。 ほな ここで。 112 00:09:58,840 --> 00:10:02,240 気ぃ付けてな。 113 00:10:02,240 --> 00:10:06,110 ありがとうございました。 お仕事中 すみませんでした。 114 00:10:06,110 --> 00:10:09,910 さえずりの姿は 仮の姿やからな。 115 00:10:09,910 --> 00:10:13,580 分かってますぅ 信楽太郎さん。 あかんて。 116 00:10:13,580 --> 00:10:15,620 (笑い声) さいなら。 117 00:10:15,620 --> 00:10:20,260 仕事 頑張って下さいね うちも頑張ります。 118 00:10:20,260 --> 00:10:22,590 じゃあ…。 119 00:10:22,590 --> 00:10:41,950 ♬~ 120 00:10:41,950 --> 00:10:51,150 喜美子は こうして 大阪から 荒木荘から去っていきました。 121 00:10:53,660 --> 00:11:00,660 ちや子さんが戻ったのは それから しばらくあとのことです。 122 00:11:28,090 --> 00:11:37,600 「ちや子さん ほんまのところ これが正しいかどうか分かりません。➡ 123 00:11:37,600 --> 00:11:45,110 うちの前には 2つの道があって 一つは 荒木荘で働きながら➡ 124 00:11:45,110 --> 00:11:53,420 仕送りしながら 内職しながら 学校に週3日通う道。➡ 125 00:11:53,420 --> 00:11:58,790 ジョージ富士川先生から 新しい世界を教わって➡ 126 00:11:58,790 --> 00:12:02,560 好きな絵を描くことを学ぶ。➡ 127 00:12:02,560 --> 00:12:09,060 想像するだけで 楽しくて ワクワクする道です」。 128 00:12:10,900 --> 00:12:16,370 「もう一つの道は 信楽に帰る道。➡ 129 00:12:16,370 --> 00:12:22,580 こっちは… どうなるか分からへん。➡ 130 00:12:22,580 --> 00:12:29,780 働くところはあっても 自分が どうなっていくか想像つかへん…」。 131 00:12:31,290 --> 00:12:38,060 「よう分からん道を選んで歩きだすのは えらい勇気がいります。➡ 132 00:12:38,060 --> 00:12:44,270 勇気を出して うちは信楽に帰る道を選びました。➡ 133 00:12:44,270 --> 00:12:47,600 自分で決めました。➡ 134 00:12:47,600 --> 00:12:51,940 自分で決めたんです」。 135 00:12:51,940 --> 00:12:54,780 (すすり泣き) 136 00:12:54,780 --> 00:13:02,780 「そやから… 最後に ちや子さんに会いたかった…」。 137 00:13:09,430 --> 00:13:15,900 「新聞社辞めた聞きました。 大丈夫やろか。➡ 138 00:13:15,900 --> 00:13:22,240 心配やけど きっと ちや子さんなら。➡ 139 00:13:22,240 --> 00:13:26,240 うちに いろんなこと教えてくれた ちや子さんなら。➡ 140 00:13:26,240 --> 00:13:31,750 そう思て うちは行きます。➡ 141 00:13:31,750 --> 00:13:38,250 いつか また… ちや子さんに お茶漬け作ってあげたい。➡ 142 00:13:38,250 --> 00:13:41,930 おしゃべりしたいです。➡ 143 00:13:41,930 --> 00:13:50,930 そして いつか この道選んでよかったと 笑って会える日が来ますように。➡ 144 00:13:50,930 --> 00:13:58,110 今日にて 荒木荘 卒業させて頂きます。➡ 145 00:13:58,110 --> 00:14:05,910 お世話になりました。 ほんまに ありがとうございました!」。 146 00:14:12,760 --> 00:14:16,760 (百合子)行ってきま~す。 行ってらっしゃい。 147 00:14:19,430 --> 00:14:22,630 直子! 148 00:14:26,240 --> 00:14:30,040 何か言いなさい。 149 00:14:30,040 --> 00:14:37,240 (直子)行ってきます。 行ってらっしゃい。 気ぃ付けてな。 150 00:14:41,250 --> 00:14:44,150 よっしゃ! 151 00:14:44,150 --> 00:14:55,150 ♬~