1 00:00:02,020 --> 00:00:31,080 ♬~ 2 00:00:31,080 --> 00:00:37,720 直子は お葬式にも間に合いませんでした。 3 00:00:37,720 --> 00:00:39,650 ♬~ 4 00:00:39,650 --> 00:00:48,400 ♬「涙が降れば きっと消えてしまう」 5 00:00:48,400 --> 00:00:57,810 ♬「揺らぐ残り火 どうかここにいて」 6 00:00:57,810 --> 00:01:07,180 ♬「私を創る 出会いもサヨナラも」 7 00:01:07,180 --> 00:01:09,550 ♬~ 8 00:01:09,550 --> 00:01:17,790 ♬「日々 恋をして 胸を焦がしたい」 9 00:01:17,790 --> 00:01:27,270 ♬「いたずらな空にも 悔やんでいられない」 10 00:01:27,270 --> 00:01:36,410 ♬「ほら 笑うのよ 赤い太陽のように」 11 00:01:36,410 --> 00:01:41,050 ♬「いつの日も雨に負けるもんか」 12 00:01:41,050 --> 00:01:47,490 ♬「今日の日も 涙に負けるもんか」 13 00:01:47,490 --> 00:01:51,730 ♬~ 14 00:01:51,730 --> 00:01:56,400 ♬「やさしい風に吹かれて」 15 00:01:56,400 --> 00:02:06,500 ♬「炎は再び舞い上がる」 16 00:02:29,300 --> 00:02:33,870 (喜美子)喪主 引き受けてくれてありがとう。 17 00:02:33,870 --> 00:02:38,370 (八郎)うん…。 喪主の挨拶で…➡ 18 00:02:38,370 --> 00:02:46,050 お父ちゃんのこと かっこええ男や 言うてくれて ありがとう。 19 00:02:46,050 --> 00:02:54,220 ほんで… 今の僕がいるのんは お義父さんのおかげや言うてくれて…。 20 00:02:54,220 --> 00:02:58,530 それな…。 うん。 21 00:02:58,530 --> 00:03:02,330 前に お義父さんに言わされた。 22 00:03:02,330 --> 00:03:05,130 そうなん…? 23 00:03:06,840 --> 00:03:10,140 そこ座りぃ。 24 00:03:21,350 --> 00:03:25,220 仲ようせえ言われたな➡ 25 00:03:25,220 --> 00:03:28,690 お義父さんに…。 26 00:03:28,690 --> 00:03:33,030 2人仲ようせえ…。 27 00:03:33,030 --> 00:03:37,330 仲ようしてないように見えたんやろか。 28 00:03:38,900 --> 00:03:43,510 最近 ゆっくり 話 してないもんな。 29 00:03:43,510 --> 00:03:47,880 最近やないよ。 そう? 30 00:03:47,880 --> 00:03:50,710 武志が産まれてからや。 31 00:03:50,710 --> 00:03:53,620 そんなことないやろ。 32 00:03:53,620 --> 00:03:57,050 ほらな。 何? 33 00:03:57,050 --> 00:04:02,050 ずれがあるやん うちは そう思うてたよ。 34 00:04:04,460 --> 00:04:07,830 しょうもない。 お父ちゃんいたら➡ 35 00:04:07,830 --> 00:04:09,860 しょうもないこと言うな いうて叱られるわ。 36 00:04:09,860 --> 00:04:12,700 あんな…➡ 37 00:04:12,700 --> 00:04:20,900 世の中の大概の男は アホや言うてた お義父さんが。 38 00:04:22,680 --> 00:04:27,480 いや 具体的に言うてくれな 僕もアホやから分からへんねん。 39 00:04:27,480 --> 00:04:31,280 何に腹立てたりしてんのか。 40 00:04:34,260 --> 00:04:37,230 例えばな? うん。 41 00:04:37,230 --> 00:04:41,860 武志が寝てしもて 寝床運ぼうとするやん。 うん。 42 00:04:41,860 --> 00:04:44,770 うちがやる言うやん。 うん。 43 00:04:44,770 --> 00:04:51,970 ほしたら 八郎さん 僕がやる言うやん。 うん。 44 00:04:53,880 --> 00:04:57,750 うん? うん? それの何があかんの? 45 00:04:57,750 --> 00:05:01,680 いっつもそうや 大概そうや。 46 00:05:01,680 --> 00:05:04,820 うちがやろうとしたり やるつもりでいんのに➡ 47 00:05:04,820 --> 00:05:08,460 ええよ ええよ 僕がやる言う。 えっ それの何があかん? 48 00:05:08,460 --> 00:05:10,830 もうええわ もう ほんましょうもない。 49 00:05:10,830 --> 00:05:13,730 今 自分で言うてても びっくりするぐらい しょうもなかった。 50 00:05:13,730 --> 00:05:18,470 もうやめぇ! せやけど そういうことが 積もり積もってんねやろ? 51 00:05:18,470 --> 00:05:22,840 ええから座れや まだ終わってないで。 52 00:05:22,840 --> 00:05:27,710 終わりはないで。 こういう話に終わりはないで? 53 00:05:27,710 --> 00:05:30,710 もう 一回言いだしたら どんどん出てくるわ。 54 00:05:30,710 --> 00:05:33,550 うちな 仕事で忙しいさけ➡ 55 00:05:33,550 --> 00:05:38,190 武志の洗たシャツなんかは もうパパッと適当に畳んで しまうねん。 56 00:05:38,190 --> 00:05:42,860 それを八郎さん わざわざ取り出して きちんと丁寧に畳み直す 嫌みか! 57 00:05:42,860 --> 00:05:46,360 優しいで? 優しければ優しいほど➡ 58 00:05:46,360 --> 00:05:48,360 うちが責められてるような気持ちに なんねん! 59 00:05:48,360 --> 00:05:50,370 ほな どないせえっちゅうねん! 分からへん! 60 00:05:50,370 --> 00:05:54,100 分からへん!? 分からへんから黙ってた。 61 00:05:54,100 --> 00:06:04,600 ♬~ 62 00:06:07,320 --> 00:06:11,820 ちゃう。 えっ。 63 00:06:11,820 --> 00:06:16,120 今は 何となく分かってんねん…。 64 00:06:22,460 --> 00:06:25,660 仕事や。 65 00:06:27,300 --> 00:06:32,010 うちが少し 仕事やめたらええねん。 66 00:06:32,010 --> 00:06:38,680 茶わん 60個のところを 30個にしたらええねん…。 67 00:06:38,680 --> 00:06:44,020 それは… 僕も そう思うで? 68 00:06:44,020 --> 00:06:49,690 お金やったら 僕かて少しは…。 お金だけやないねん。 69 00:06:49,690 --> 00:06:52,990 仕事は…。 70 00:06:55,030 --> 00:07:00,300 仕事は うち やめたないねん…。 うん。 71 00:07:00,300 --> 00:07:07,100 うち 仕事が好きや。 働くんが好きや。 72 00:07:12,010 --> 00:07:16,750 喜美子。 はい。 73 00:07:16,750 --> 00:07:21,590 これからもな 忙しいで? 74 00:07:21,590 --> 00:07:26,830 百合ちゃんのことも お義母さんのことも気にかけて。 75 00:07:26,830 --> 00:07:31,670 東京から なかなか帰ってけぇへん 直ちゃんのことも心配やしな。 76 00:07:31,670 --> 00:07:35,540 武志かて これから まだまだ手ぇかかる。 77 00:07:35,540 --> 00:07:39,540 何やかんや 忙しいのは変わらんで。 78 00:07:39,540 --> 00:07:44,180 ほんで… こうして いちいち向き合うてたらええけどな➡ 79 00:07:44,180 --> 00:07:46,850 そんな暇ないで。 80 00:07:46,850 --> 00:07:50,650 きっと また 積もり積もっていくで。 81 00:07:52,350 --> 00:07:59,130 ほな どうしたらええのん。 仕事が好きいうのは分かってるからな。 82 00:07:59,130 --> 00:08:02,630 もう一つの方も いつも分かってたらええんちゃうか? 83 00:08:02,630 --> 00:08:05,670 もう一つの方って? 84 00:08:05,670 --> 00:08:09,370 喜美子のこと 好きやで。 85 00:08:11,140 --> 00:08:13,940 好きや。 86 00:08:16,010 --> 00:08:21,780 ありがとう。 言えや 喜美子もぉ。 87 00:08:21,780 --> 00:08:24,780 うちは…。 88 00:08:28,690 --> 00:08:32,530 あんたしか おらん。 89 00:08:32,530 --> 00:08:36,160 ほんまやで? 90 00:08:36,160 --> 00:08:40,470 あんたおらんと生きていけん。 91 00:08:40,470 --> 00:08:44,170 嫌われたくない…。 92 00:08:44,170 --> 00:09:27,720 ♬~ 93 00:09:27,720 --> 00:09:31,450 ええ子に育ったなあ…? ハッハッハッ…。 94 00:09:31,450 --> 00:09:40,250 (笑い声) 95 00:09:48,470 --> 00:09:56,680 「雪女は とても強く 攻撃をしても 全く歯が立ちません。➡ 96 00:09:56,680 --> 00:10:01,350 あっとうてきなこうげきに まるまる太郎たちは➡ 97 00:10:01,350 --> 00:10:05,020 負けそうになってしまいました。➡ 98 00:10:05,020 --> 00:10:08,890 それでも あきらめなかった まるまる太郎は➡ 99 00:10:08,890 --> 00:10:14,730 『みんな ぼくのからだに くっつけ!』」。 (2人)お~! 100 00:10:14,730 --> 00:10:19,730 (百合子)お姉ちゃん! 直姉ちゃんが帰ってきた。 101 00:10:30,240 --> 00:10:42,760 ♬~ 102 00:10:42,760 --> 00:10:44,760 うわっ! 誰…? 103 00:10:44,760 --> 00:10:48,260 (鮫島)ああ どうも! 鮫島です。 104 00:10:50,060 --> 00:10:55,560 兄貴ですか? はっ? 陶芸家の先生の兄貴ぃ! 105 00:10:57,410 --> 00:11:02,240 直姉ちゃんが連れてきやった。 熨斗谷電機で一緒に働いてはるんやて…。 106 00:11:02,240 --> 00:11:08,020 はい。 こちら 武志君? こんにちは。 (武志)こんにちは。 107 00:11:08,020 --> 00:11:11,050 上手にご挨拶 さすがですぅ! 108 00:11:11,050 --> 00:11:13,690 あっ 先生も さすがですねえ。 109 00:11:13,690 --> 00:11:16,360 先生のお作りになったお茶わんの数々➡ 110 00:11:16,360 --> 00:11:19,360 ほんまに すばらしい作品や! それ 瀬戸物や。 111 00:11:19,360 --> 00:11:22,160 (直子)あっ お姉ちゃん。 112 00:11:22,160 --> 00:11:25,700 直子! あんた どないしたんや 急に。 113 00:11:25,700 --> 00:11:29,500 大阪行くさけ ちょっと寄ることにしてん。 114 00:11:29,500 --> 00:11:32,210 鮫島さん いわはりましたね。 はい。 115 00:11:32,210 --> 00:11:34,880 すいませんけど ちょっと外で待っててもらえます? 116 00:11:34,880 --> 00:11:36,880 へっ? 内々で話したいんで。 117 00:11:47,390 --> 00:11:51,730 (直子)電話が2回かかってきた お父ちゃんから。➡ 118 00:11:51,730 --> 00:11:55,060 1回目は いつものお父ちゃんの声やった。 119 00:11:55,060 --> 00:11:58,900 「喜美子が帰ってこい言うかもしれんけど 帰ってこんでええ。➡ 120 00:11:58,900 --> 00:12:01,670 お前は しっかり東京で働いとけ」。 121 00:12:01,670 --> 00:12:05,470 いつ? う~ん… 夏の終わりや。 122 00:12:05,470 --> 00:12:09,010 (マツ)加賀温泉から かけたんよ…。 そうなん? 123 00:12:09,010 --> 00:12:14,480 どっか電話してくる言うてた… あれが そうや思う。 124 00:12:14,480 --> 00:12:20,290 2回目は 秋口や。 少し力が のうなったような気ぃしたけど➡ 125 00:12:20,290 --> 00:12:23,490 しっかり言うてたで。 「わざわざ帰ってこんでええ。➡ 126 00:12:23,490 --> 00:12:26,690 帰ってくるな。 お父ちゃんは 大丈夫やから」。 127 00:12:26,690 --> 00:12:32,030 何で そんなこと…。 強いお父ちゃんでいたかったんやろ。 128 00:12:32,030 --> 00:12:37,200 最後まで 強いお父ちゃんの姿だけを うちの心に残したかったんや。 129 00:12:37,200 --> 00:12:41,510 何 言うてんの…? お父ちゃんの意地と誇りや。 130 00:12:41,510 --> 00:12:45,050 なにを悟ったようなこと言うてんの? 131 00:12:45,050 --> 00:12:47,880 お父ちゃんが 帰ってくんな言うたとしても➡ 132 00:12:47,880 --> 00:12:53,050 帰ってくんのが 子どもちゃうの? 何で会いに来んかったん? 133 00:12:53,050 --> 00:12:56,720 会いたい思わんかったん? 134 00:12:56,720 --> 00:12:58,760 そりゃ あんたとお父ちゃんは➡ 135 00:12:58,760 --> 00:13:01,160 馬が合わんで ケンカばっかりしてたけどな➡ 136 00:13:01,160 --> 00:13:05,960 最期くらい…! 会いたい思たに決まってるやん! 137 00:13:08,040 --> 00:13:13,340 会いたかった。 会いたかったで。 138 00:13:13,340 --> 00:13:18,180 ほやけど うちは お父ちゃんの言うこと いっつも逆らって➡ 139 00:13:18,180 --> 00:13:21,680 いっつも言うこと きかんかった。 140 00:13:21,680 --> 00:13:25,550 最後くらい 言うこときいてやろう思たんや! 141 00:13:25,550 --> 00:13:30,390 わざわざ電話して言うてきた お父ちゃんの言うこと…➡ 142 00:13:30,390 --> 00:13:34,030 きいてやろう思たんや…。 143 00:13:34,030 --> 00:13:53,210 ♬~ 144 00:13:53,210 --> 00:13:55,720 おいで。 145 00:13:55,720 --> 00:14:00,990 (すすり泣き) 146 00:14:00,990 --> 00:14:06,660 堪忍な… 堪忍や…。 147 00:14:06,660 --> 00:14:09,160 堪忍やで…。 148 00:14:09,160 --> 00:14:16,840 ほな… おかげで心ん中には 元気なお父ちゃんしか おらんのやな。 149 00:14:16,840 --> 00:14:22,480 ちゃぶ台ひっくり返したり ふざけたことばっかり言う…。 150 00:14:22,480 --> 00:14:30,220 そや。 うっとうしい 暑苦しい 元気なお父ちゃんしか記憶にない。 151 00:14:30,220 --> 00:14:35,020 ええなあ 元気なお父ちゃん。 152 00:14:35,020 --> 00:14:52,040 ♬~ 153 00:14:52,040 --> 00:14:54,740 (くしゃみ)