1 00:00:34,709 --> 00:00:40,148 <薩摩の下級武士の家で おおらかで まっすぐに育った➡ 2 00:00:40,148 --> 00:00:43,051 西郷小吉。➡ 3 00:00:43,051 --> 00:00:49,157 小吉は偶然 藩主の嫡男 島津斉彬と出会いました> 4 00:00:49,157 --> 00:00:54,028 (斉彬)侍が重い刀を2本も差して そっくり返る時代は終わるんだ。 5 00:00:54,028 --> 00:00:57,832 これからはな かよわき者の声を聞き➡ 6 00:00:57,832 --> 00:01:02,170 民のために尽くせる者こそが 真の強い侍となる。 7 00:01:02,170 --> 00:01:06,507 お前は そういう侍となればよい。 8 00:01:06,507 --> 00:01:09,344 強くなれ。 9 00:01:09,344 --> 00:01:12,847 <それから6年後。➡ 10 00:01:12,847 --> 00:01:17,185 18になった小吉は 名を吉之助と改め➡ 11 00:01:17,185 --> 00:01:20,855 藩の農政と年貢の徴収を行う➡ 12 00:01:20,855 --> 00:01:25,855 郡方書役助という お役目についておりました> 13 00:01:29,364 --> 00:01:47,482 ♬~ 14 00:01:47,482 --> 00:01:51,152 ♬~ 15 00:01:51,152 --> 00:02:49,811 ♬~ 16 00:02:49,811 --> 00:02:56,684 ♬~ 17 00:02:56,684 --> 00:04:16,384 ♬~ 18 00:04:23,504 --> 00:04:26,841 (吉之助) あいちゃ~ 実っちょらんのう。 19 00:04:26,841 --> 00:04:32,113 (平六)盆過ぎからの長雨と冷夏で 稲が やられてしまいもして。 20 00:04:32,113 --> 00:04:36,984 こいでは 例年どおりの上納米を 納めるのは無理じゃっどなぁ。 21 00:04:36,984 --> 00:04:43,458 お役人様 どうか助けてたもんせ! こい以上 借金しもしたら➡ 22 00:04:43,458 --> 00:04:46,360 おいたちゃ もう首をくくっしかなかっ。 23 00:04:46,360 --> 00:04:49,797 死んではいかん! どげんかせんといかんが➡ 24 00:04:49,797 --> 00:04:53,134 おいのような下っ端では 決められんで。 (園田)井之上様➡ 25 00:04:53,134 --> 00:04:56,804 お役目 ご苦労さまでございもす。 (井之上)おお 園田。 26 00:04:56,804 --> 00:05:02,477 今年は ひどか凶作じゃが。 どげんかして井之上様のお力で➡ 27 00:05:02,477 --> 00:05:07,148 お目こぼしをば頂けもんそか。 ささささっ 伝右衛門。 28 00:05:07,148 --> 00:05:10,848 (伝右衛門) 取れたてのトイモガラでございもす。 29 00:05:13,821 --> 00:05:19,494 まあ 城に戻ったら 上役と相談してみっで。 30 00:05:19,494 --> 00:05:22,163 井之上さぁ。 (井之上)ん? 31 00:05:22,163 --> 00:05:24,832 そいは? ≪(ふき)助けて! 32 00:05:24,832 --> 00:05:27,502 おい 待て! (ふき)助けてたもんせ! 33 00:05:27,502 --> 00:05:31,172 待たんかち! こら 待たんか! 34 00:05:31,172 --> 00:05:33,774 ふき! おとう! おい! 35 00:05:33,774 --> 00:05:37,645 わいを借金のカタにした親父を 恨まんか! 36 00:05:37,645 --> 00:05:40,114 ちょちょ…! 37 00:05:40,114 --> 00:05:43,017 おはんら やめんか! 38 00:05:43,017 --> 00:05:45,987 ほら さっさとせんか。 ないをしちょっか! 39 00:05:45,987 --> 00:05:48,287 (ふき)助けてたもんせ! やめ…! 40 00:05:50,758 --> 00:05:53,661 やめんか! 41 00:05:53,661 --> 00:05:56,661 やめんか! あ~! ああ~! 42 00:05:59,133 --> 00:06:04,472 お侍さぁ おいたちだって 手ぶらで帰る訳にはいかんど! 43 00:06:04,472 --> 00:06:06,407 ふき。 44 00:06:06,407 --> 00:06:09,107 こいを持っていっきゃんせ。 45 00:06:10,811 --> 00:06:14,682 こげなはした金 ふざくんな! 46 00:06:14,682 --> 00:06:17,151 あいたたた~。 47 00:06:17,151 --> 00:06:21,489 井之上さぁ! ん? ないな? 御免致しもす! 48 00:06:21,489 --> 00:06:23,424 おい な…! あっ。 49 00:06:23,424 --> 00:06:25,826 こいで どげんか!? 50 00:06:25,826 --> 00:06:29,826 残いは 利息を含めて 来月もらっで。 51 00:06:37,772 --> 00:06:40,772 井之上様 あいがとさげもした! 52 00:06:50,785 --> 00:06:53,688 鰻どん 鰻どん。 53 00:06:53,688 --> 00:06:58,988 腹をすかせた弟たちん 晩飯になってたもんせ…。 54 00:07:07,134 --> 00:07:09,070 ハッ。 55 00:07:09,070 --> 00:07:12,006 あ~! 56 00:07:12,006 --> 00:07:14,706 おっ ちょちょっ…! 57 00:07:17,778 --> 00:07:20,147 あいちゃ~。 58 00:07:20,147 --> 00:07:25,953 鰻どん!? 鰻どん! 鰻ど~ん! 59 00:07:25,953 --> 00:07:29,156 ♬「お~てあて」 餅! ♬「お~てあて」 60 00:07:29,156 --> 00:07:32,760 <西郷家は 三男の信吾が生まれて➡ 61 00:07:32,760 --> 00:07:35,663 10人の大家族となっていました。➡ 62 00:07:35,663 --> 00:07:41,435 貧乏は相変わらずで 吉兵衛と 吉之助の禄や手当だけでは➡ 63 00:07:41,435 --> 00:07:45,306 なかなか楽にはなりませんでした> 64 00:07:45,306 --> 00:07:49,306 ≪♬「お~てあて お~てあて」 65 00:07:51,779 --> 00:07:56,117 ≪♬「お~てあて」 ≪餅! ≪♬「お~てあて」 ≪鰻! 66 00:07:56,117 --> 00:07:59,117 ≪♬「お~てあて」 ≪だんご! ≪♬「お~てあて」 67 00:08:00,988 --> 00:08:05,459 白飯! ♬「お~てあて」 白飯! ♬「お~てあて」 68 00:08:05,459 --> 00:08:08,362 白飯! ♬「お~てあて」 昆布! 69 00:08:08,362 --> 00:08:10,798 (吉二郎)兄さぁ? 70 00:08:10,798 --> 00:08:13,701 (熊吉)若さぁが お帰りにないもした! 71 00:08:13,701 --> 00:08:17,672 (西郷 安)おやっとさあ 兄さぁ! (琴)おやっとさあ! 72 00:08:17,672 --> 00:08:20,141 ただいま。 そげんずぶぬれで…。 73 00:08:20,141 --> 00:08:22,841 鰻どん 捕ってきてくれたとですか? 74 00:08:24,812 --> 00:08:27,512 ほれ。 (西郷 鷹)鰻どん! 75 00:08:29,150 --> 00:08:31,850 (琴)あいちゃ だんま…。 76 00:08:33,421 --> 00:08:37,721 (きみ)吉之助 お城から頂いた お手当は? 77 00:08:39,760 --> 00:08:43,631 すんもはん…。 あいもはん。 78 00:08:43,631 --> 00:08:47,101 (満佐)まさか おはん…。 いや 村ん娘が➡ 79 00:08:47,101 --> 00:08:50,438 借金取りに連れっいかれそうに なっちょいもしたもんで➡ 80 00:08:50,438 --> 00:08:52,773 渡してしまいもした。 81 00:08:52,773 --> 00:08:55,676 また 人助け…。 82 00:08:55,676 --> 00:08:58,946 兄さぁ 家のもんの事も 考えてたもんせ! 83 00:08:58,946 --> 00:09:01,449 ほんのごて すんもはん! 84 00:09:01,449 --> 00:09:03,449 兄さぁ。 兄さぁ! 85 00:09:09,123 --> 00:09:14,995 (吉兵衛)バカたいが! こん幼か妹や弟たちを見らんか! 86 00:09:14,995 --> 00:09:17,798 わいが手当もろうて 帰ってきたら➡ 87 00:09:17,798 --> 00:09:22,670 腹いっぱい飯が食えるち 腹すかせて待っちょったたっど! 88 00:09:22,670 --> 00:09:25,473 そいを わいは! 父上! 89 00:09:25,473 --> 00:09:29,343 やめてたもんせ 父上! やめてたもんせ! 父上! 90 00:09:29,343 --> 00:09:36,083 (正助)こいは 親子喧嘩の最中なら 出直した方が よかでごわすか。 91 00:09:36,083 --> 00:09:39,954 はらもぅ よか二才じゃ。 92 00:09:39,954 --> 00:09:42,423 ああ 今日じゃったか 正助どん! 93 00:09:42,423 --> 00:09:45,760 はい。 お城から お召しがあって➡ 94 00:09:45,760 --> 00:09:50,097 いよいよ 記録所書役助をば 承っ事にないもした! 95 00:09:50,097 --> 00:09:54,435 まあ ご立派なこっで! 記録所かいっ。 96 00:09:54,435 --> 00:09:58,105 そいは よかったが! おめでとう。 はい! 97 00:09:58,105 --> 00:10:00,441 (笑い声) 98 00:10:00,441 --> 00:10:04,111 あ~っ 汚れっが 汚れっが。 99 00:10:04,111 --> 00:10:07,982 (吉兵衛) さすが下加治屋町一の秀才じゃ。 100 00:10:07,982 --> 00:10:12,982 紋付きも よう似合うちょっ。 それにひきかえ…。 101 00:10:17,458 --> 00:10:20,795 田畑を泥まみれになって 歩き回っとが➡ 102 00:10:20,795 --> 00:10:23,130 おいのご奉公でごわんど。 じゃったら➡ 103 00:10:23,130 --> 00:10:26,130 ちゃんと手当を持って帰らんか! 104 00:10:30,805 --> 00:10:35,142 <一方 久しぶりに 江戸から帰国した➡ 105 00:10:35,142 --> 00:10:39,814 島津斉彬と藩主 島津斉興。➡ 106 00:10:39,814 --> 00:10:44,151 ここにも 反りの合わない 息子と父が…> 107 00:10:44,151 --> 00:10:46,487 (斉興)何じゃ!? こいは。 108 00:10:46,487 --> 00:10:51,358 近々 大がかりな大砲の調練を 致すつもりにござりまする。 109 00:10:51,358 --> 00:10:54,228 参加藩士 2, 000人じゃと!? 110 00:10:54,228 --> 00:10:58,098 はっ。 いささか 費用はかさみますが…。 111 00:10:58,098 --> 00:11:00,501 (調所広郷)ございもはん。➡ 112 00:11:00,501 --> 00:11:07,374 こげな大仕掛けな砲術調練など とんでもなかこつにございもす。➡ 113 00:11:07,374 --> 00:11:10,845 莫大な金が かかりますゆえ➡ 114 00:11:10,845 --> 00:11:18,185 お家の台所が 再び 火の車ちないもす。 115 00:11:18,185 --> 00:11:23,057 そんとおりじゃ。 先々代の5百万両の借金➡ 116 00:11:23,057 --> 00:11:29,797 こん調所広郷の大働きにより ようやく めどが立ったとじゃ。 117 00:11:29,797 --> 00:11:32,466 (斉彬)調所。➡ 118 00:11:32,466 --> 00:11:38,138 そなた 聞くところによると借金を 帳消しにしたばかりでなく➡ 119 00:11:38,138 --> 00:11:40,474 50万両 懐に入れたそうではないか。 120 00:11:40,474 --> 00:11:46,774 ちょっと それ貸してくれんか。 そげな金 断じてございもはん。 121 00:11:49,483 --> 00:11:51,819 赤山。 (赤山)はっ。 122 00:11:51,819 --> 00:11:56,819 エゲレスの軍艦が…。 おっ おお! 123 00:12:03,163 --> 00:12:09,463 いや 違うた。 どうやら桜島が あきれておられるようじゃ。 124 00:12:14,775 --> 00:12:19,179 <翌日 再び 村にやって来た吉之助は➡ 125 00:12:19,179 --> 00:12:23,517 借金取りから助けた娘の家を 訪れました> 126 00:12:23,517 --> 00:12:28,389 食うや食わずで働いても 借金をせんと年貢も払えん。 127 00:12:28,389 --> 00:12:31,392 病の女房を 医者に診せる金もなか。➡ 128 00:12:31,392 --> 00:12:34,692 そんあげく ふきまで こげん事に…。 129 00:12:37,064 --> 00:12:41,001 おっかあ こん強かお侍さぁが➡ 130 00:12:41,001 --> 00:12:44,805 借金取りを追っ払ってくれもした。 131 00:12:44,805 --> 00:12:49,677 お侍さぁ あいがとさげもした。 132 00:12:49,677 --> 00:12:54,815 お金は 私が働いて 必ず お返ししもす。 133 00:12:54,815 --> 00:12:58,152 返すっち言うても…。 ご奉公に行けば➡ 134 00:12:58,152 --> 00:13:03,023 よか着物着て お化粧してもろて 住むとこも ごはんも➡ 135 00:13:03,023 --> 00:13:05,826 お給金だって もらえっとでございもんそ? 136 00:13:05,826 --> 00:13:08,729 じゃっどん そいは…。 お侍さぁ。 137 00:13:08,729 --> 00:13:13,029 さ湯ぐらいしかなかけど 飲んでいってたもんせ。 138 00:13:17,438 --> 00:13:21,138 そうじゃ 腹が減っちょっじゃろ。 139 00:13:23,377 --> 00:13:27,114 食べんね。 (一平)白か米が入っちょ! 140 00:13:27,114 --> 00:13:31,518 一平。 よかで 遠慮せんで食わんか。 141 00:13:31,518 --> 00:13:33,718 うん! 142 00:13:38,792 --> 00:13:41,492 うまかぁ! 143 00:13:43,464 --> 00:13:47,164 ほい ふきどんも。 144 00:13:48,802 --> 00:13:51,102 頂きもす。 145 00:14:01,815 --> 00:14:06,687 米っちゅうのは こげんうまかもんですか。 146 00:14:06,687 --> 00:14:14,161 こいたちゃ いっぺんも白か飯を 食ったこっがなかとです。 147 00:14:14,161 --> 00:14:17,461 そ… そうじゃしたか。 148 00:14:19,500 --> 00:14:22,500 さあ もっと食べんね。 149 00:14:24,371 --> 00:14:31,779 <その晩 大久保正助の就任祝が ささやかに催されました> 150 00:14:31,779 --> 00:14:35,282 (次右衛門) 今日は こげな祝いの席を➡ 151 00:14:35,282 --> 00:14:38,318 おいたちの息子 正助んために設けて頂き➡ 152 00:14:38,318 --> 00:14:41,789 ほんのこて あいがとさげもす。 153 00:14:41,789 --> 00:14:46,660 (大久保 福)あいがとさげもす。 (妹たち)あいがとさげもす。 154 00:14:46,660 --> 00:14:50,798 (次右衛門)おいと吉兵衛さぁは 隣の郷中じゃったどん➡ 155 00:14:50,798 --> 00:14:55,135 小さか頃から喧嘩仲間でごわした。 156 00:14:55,135 --> 00:14:59,807 ちょうど 正助と吉之助のように➡ 157 00:14:59,807 --> 00:15:03,143 切磋琢磨し合う仲で…。 (吉兵衛)もうよか! 158 00:15:03,143 --> 00:15:08,015 次右衛門さぁの話は 昔から長くてつまらん。 159 00:15:08,015 --> 00:15:12,820 はよ飲んど。 いざ! (一同)いざ! 160 00:15:12,820 --> 00:15:17,491 (満佐)何のお構いもなかどん ゆっくいしていきやんせ。 161 00:15:17,491 --> 00:15:20,491 頂きます! 飲んど飲んど! 162 00:15:24,164 --> 00:15:27,835 正助どんにゃ 記録所の仕事は ぴったいじゃ。 163 00:15:27,835 --> 00:15:31,505 (大山)ほんのこて 学問ば~っかしちょったで。 164 00:15:31,505 --> 00:15:35,375 (有馬)ほら正助 もっと飲まんか! んにゃんにゃ ちと胃が痛うて。 165 00:15:35,375 --> 00:15:41,782 (俊斎)またか。 頭はよかどん 相変わらず ひ弱なやつじゃ。 166 00:15:41,782 --> 00:15:44,118 (笑い声) 167 00:15:44,118 --> 00:15:48,418 おう 邪魔すっど。 (熊吉)あっ こいは赤山様! 168 00:15:49,990 --> 00:15:53,794 正助 おめでとう。 169 00:15:53,794 --> 00:15:58,465 赤山先生 こん度は 大変お世話にないもした。 170 00:15:58,465 --> 00:16:01,135 うん。 まっこて めでたか。 171 00:16:01,135 --> 00:16:05,005 おい。 こいは 祝いの鯛じゃ。 172 00:16:05,005 --> 00:16:07,808 (歓声) あいがとさげもす。 173 00:16:07,808 --> 00:16:10,477 (一同)あいがとさげもす。 さあ 赤山先生。 174 00:16:10,477 --> 00:16:12,777 さあ どうぞ どうぞ。 175 00:16:15,816 --> 00:16:19,486 (糸)お祝いのお酒でございもす。 176 00:16:19,486 --> 00:16:25,826 あ… あの~ どこかでお会いしもしたか? 177 00:16:25,826 --> 00:16:30,164 あ~ さて…。 (赤山)なんち➡ 178 00:16:30,164 --> 00:16:35,464 わいたちゃ忘れたとか? 妙円寺詣りに行った仲じゃっどが。 179 00:16:40,774 --> 00:16:45,445 [ 回想 ] 先行け 伊東! 頼むぞ~! 180 00:16:45,445 --> 00:16:48,348 下加治屋町に 女子が紛れ込んじょっど! 181 00:16:48,348 --> 00:16:50,617 岩山 糸。 182 00:16:50,617 --> 00:16:55,455 あん糸どんか 足が わっぜ速か! 183 00:16:55,455 --> 00:16:57,958 はい。 あん糸さぁ! 184 00:16:57,958 --> 00:17:00,294 今はもう走りもはん。 185 00:17:00,294 --> 00:17:03,197 こいが あの糸さぁ! 186 00:17:03,197 --> 00:17:08,035 (赤山)学問がしたかちゅうて 今 うちで下働きをしちょっ。 187 00:17:08,035 --> 00:17:11,805 ハッ。 女子んくせに学問を! 188 00:17:11,805 --> 00:17:14,708 俊斎! こいからの世の中は➡ 189 00:17:14,708 --> 00:17:18,145 女子でも学問のたしなみが なければいけもはんで➡ 190 00:17:18,145 --> 00:17:21,481 糸さぁのお心がけは 大層ご立派ではなかか。 191 00:17:21,481 --> 00:17:25,652 さては正助 惚れたな! 192 00:17:25,652 --> 00:17:29,489 アッハハハハ! おいは そげん不埒な気持ちなど。 193 00:17:29,489 --> 00:17:32,759 まあ 正助 飲め飲め。 胃が痛かち言うちょっとが! 194 00:17:32,759 --> 00:17:34,695 (笑い声) 195 00:17:34,695 --> 00:17:38,995 (ざわめき) 196 00:17:47,107 --> 00:17:49,776 (歓声) 197 00:17:49,776 --> 00:17:54,114 のう 吉之助 次の禄を頂戴したら➡ 198 00:17:54,114 --> 00:17:57,451 ばあ様に足袋を 畑仕事をしてくるっ吉二郎には➡ 199 00:17:57,451 --> 00:18:01,788 新しか鍬を買うてやれ。 百姓に同情しちょっ場合か。 200 00:18:01,788 --> 00:18:09,663 じゃっどん 世の中には もっと貧しか人たちが山ほどおっ。 201 00:18:09,663 --> 00:18:14,368 借金のカタに売られていく娘を 放っちょけっか? 202 00:18:14,368 --> 00:18:19,806 薩摩んお百姓は 今も こん先も ずっと食うや食わずで➡ 203 00:18:19,806 --> 00:18:24,678 重か年貢に苦しむ。 こんままで よかか? 204 00:18:24,678 --> 00:18:28,815 よかはずがなか…。 205 00:18:28,815 --> 00:18:33,654 吉之助 ないを どげんしたかとか? 206 00:18:33,654 --> 00:18:37,624 おいには分かいもはん。 207 00:18:37,624 --> 00:18:40,761 じゃっどん…。 208 00:18:40,761 --> 00:18:44,431 [ 回想 ] これからはな かよわき者の声を聞き➡ 209 00:18:44,431 --> 00:18:48,302 民のために尽くせる者こそが 真の強い侍となる。 210 00:18:48,302 --> 00:18:51,305 お前は そういう侍となればよい。 211 00:18:51,305 --> 00:18:54,441 斉彬様が藩主様になれば➡ 212 00:18:54,441 --> 00:18:57,778 きっと 民百姓の苦しみを 分かって下さるっち。 213 00:18:57,778 --> 00:19:01,648 殿は斉彬様ではなく 弟の久光様を➡ 214 00:19:01,648 --> 00:19:04,651 次のお跡継ぎに望んでおらるっち 聞きもした。 そいなら➡ 215 00:19:04,651 --> 00:19:07,955 おいたちが斉彬様を担いで…。 甘か。 216 00:19:07,955 --> 00:19:14,461 吉之助さぁは考えが甘か。 おいも斉彬様を渇望しちょっが➡ 217 00:19:14,461 --> 00:19:18,131 今や 5百万両もの借金を返済して➡ 218 00:19:18,131 --> 00:19:22,803 お家の財政を立て直した 調所様んご威光は絶大じゃ。 219 00:19:22,803 --> 00:19:28,475 そん調所様が嫌うちょっ斉彬様を 今 担ぐっとは危うすぎっど。 220 00:19:28,475 --> 00:19:31,745 じゃっどん そいを…。 殿は 調所様の言いなりじゃっで。 221 00:19:31,745 --> 00:19:35,415 お側女のお由羅様にものう! やかましか。 222 00:19:35,415 --> 00:19:38,085 おいは 吉之助さぁと 真面目に話しちょっ。 223 00:19:38,085 --> 00:19:41,955 そうじゃ。 畏れ多くも 薩摩のおんあるじじゃっど。 224 00:19:41,955 --> 00:19:45,425 女の言いなりになっはずがなか。 そいは 有馬さぁが➡ 225 00:19:45,425 --> 00:19:48,762 女を知らんからじゃ。 なんちな! 226 00:19:48,762 --> 00:19:54,101 好きな女が物をねだったら 大抵の男は 抗うこっができん。 227 00:19:54,101 --> 00:19:57,004 ちょちょっ 有馬さぁ! 有馬さぁ! 228 00:19:57,004 --> 00:20:00,774 (俊斎)毎夜毎夜 言われたら そんとおりになってしまっでな! 229 00:20:00,774 --> 00:20:03,110 そげん言う俊斎は 女を知っちょっとか? 230 00:20:03,110 --> 00:20:05,779 知っちょっ! 俊斎! 231 00:20:05,779 --> 00:20:08,682 (ざわめき) 232 00:20:08,682 --> 00:20:10,650 あ~っ! 233 00:20:10,650 --> 00:20:14,350 あいちゃ せっかくの鯛が…。 234 00:20:16,123 --> 00:20:18,625 食べ物を粗末にすっ人間が➡ 235 00:20:18,625 --> 00:20:21,625 お国の将来を語っち おこがましか! 236 00:20:26,366 --> 00:20:30,804 <そんな一夜が明け お城では…> 237 00:20:30,804 --> 00:20:33,707 (斉興) こいは そん方が書いたとか!? 238 00:20:33,707 --> 00:20:37,677 薩摩の沿岸の備えを視察した 報告書にございまする。 239 00:20:37,677 --> 00:20:40,480 これは 明らかに不備があるかと。 240 00:20:40,480 --> 00:20:42,816 兄上。 (由羅)まあ。 241 00:20:42,816 --> 00:20:47,154 (斉彬)急ぎ御公儀に申し上げねば 手遅れになるやもしれません。 242 00:20:47,154 --> 00:20:51,024 こげなもんが御老中方に届いたら わしが どげんなっか。 243 00:20:51,024 --> 00:20:54,494 それは こちらでなんとか。 ですが 父上➡ 244 00:20:54,494 --> 00:20:58,794 もし メリケンやエゲレスが…。 黙らんか! 幕府の手先が。 245 00:21:01,168 --> 00:21:07,040 まあ 恐ろしい方。 万一 このような御方が➡ 246 00:21:07,040 --> 00:21:12,512 ご当主になられたら 薩摩は どうなってしまうんでしょう。 247 00:21:12,512 --> 00:21:15,415 ねえ 殿様。 248 00:21:15,415 --> 00:21:21,188 お前に 薩摩は任せられん! 久光を藩主名代とする。 249 00:21:21,188 --> 00:21:23,123 はっ? 250 00:21:23,123 --> 00:21:49,349 ♬~ 251 00:21:49,349 --> 00:21:54,087 (赤山)藩主名代を久光様に!? まことにございもすか? 252 00:21:54,087 --> 00:21:59,025 赤山 明日 わしは江戸へ発つ。 お待ち下さい。 253 00:21:59,025 --> 00:22:01,862 あなた様は こん薩摩の民にとって➡ 254 00:22:01,862 --> 00:22:04,731 なくてはならん御方にございもす。 255 00:22:04,731 --> 00:22:06,700 赤山。 256 00:22:06,700 --> 00:22:12,472 幕府は うすうす気付いている。 薩摩に不審の筋ありとな。 257 00:22:12,472 --> 00:22:18,845 琉球の扱い 密貿易… つつきだしたら切りがない。 258 00:22:18,845 --> 00:22:25,519 だが わしは その事を 幕府に申し上げるつもりだ。 259 00:22:25,519 --> 00:22:29,189 では…! 260 00:22:29,189 --> 00:22:34,027 父上には その責めを負うてもらう。 261 00:22:34,027 --> 00:22:37,327 斉彬様。 262 00:22:39,466 --> 00:22:42,802 何じゃ!? その顔は。 263 00:22:42,802 --> 00:22:49,142 次に この地を踏む時には 必ず藩主として戻ってくる。 264 00:22:49,142 --> 00:22:51,842 それまでの辛抱じゃ。 265 00:22:55,015 --> 00:22:57,015 はっ! 266 00:23:00,754 --> 00:23:05,492 <薩摩藩の年貢の取り立ては 特に厳しく➡ 267 00:23:05,492 --> 00:23:09,829 加えて 役人たちの不正や賄賂も横行し➡ 268 00:23:09,829 --> 00:23:13,700 百姓たちは苦しむ一方でした> 269 00:23:13,700 --> 00:23:18,505 (園田)あ~! こげなとこに こぼしてしもうて…。➡ 270 00:23:18,505 --> 00:23:21,408 井之上様 どげん致しもそかい? 271 00:23:21,408 --> 00:23:27,514 井之上さぁ! こぼれた米は 升に戻すべきではごわはんか。 272 00:23:27,514 --> 00:23:31,384 そげな不浄な米は お上に納められん。 273 00:23:31,384 --> 00:23:35,121 またぐら米は 役人が引き取るもんち➡ 274 00:23:35,121 --> 00:23:38,992 昔から決まっちょっ。 そいは あんまりじゃ! 西郷!➡ 275 00:23:38,992 --> 00:23:41,995 平六の年貢は 2斗9升ち書いちょけ。➡ 276 00:23:41,995 --> 00:23:46,695 不足分は 園田への借金で補っちょけ。 277 00:23:51,671 --> 00:23:54,671 はよ書け。 278 00:24:02,816 --> 00:24:08,488 井之上さぁ 今年は 盆明けから長雨が続いた上に➡ 279 00:24:08,488 --> 00:24:12,359 お日様の出らん日が続いて 皆 苦しんじょいもす。 280 00:24:12,359 --> 00:24:15,829 こいじゃ借金は膨らむ一方じゃ! 281 00:24:15,829 --> 00:24:19,666 どうか お目こぼしをしてやって もらえんでごわすか! お~い。 282 00:24:19,666 --> 00:24:23,536 そいが どげんした。 納めるべき年貢は➡ 283 00:24:23,536 --> 00:24:27,173 定免法で きっちり決まっちょっ。 じゃっどん! 284 00:24:27,173 --> 00:24:34,473 ふき。 しっかい奉公して稼いで 親孝行すっとやっど。 うん! 285 00:24:40,820 --> 00:24:42,956 ふきどん! 286 00:24:42,956 --> 00:25:08,114 ♬~ 287 00:25:08,114 --> 00:25:11,114 行きたくなか。 288 00:25:15,822 --> 00:25:19,822 本当は どこにも行きたくなか! 289 00:25:28,835 --> 00:25:31,171 吉之助さぁ どこに行っとな? 290 00:25:31,171 --> 00:25:33,440 決まっちょっ 調所様ん所じゃ。 291 00:25:33,440 --> 00:25:37,110 やっせんど 吉之助さぁ そげなこつしたら首が飛んど! 292 00:25:37,110 --> 00:25:39,446 おはんが言うとおり 立派な御方じゃったら➡ 293 00:25:39,446 --> 00:25:42,146 話を聞いて下さっはずじゃ。 294 00:25:43,783 --> 00:25:50,123 (調所)薩摩は 毎年一定の年貢を取り立てる➡ 295 00:25:50,123 --> 00:25:53,993 定免法ち決まっちょっ。 296 00:25:53,993 --> 00:25:57,797 そん定めを改めよち申すか。 297 00:25:57,797 --> 00:26:03,470 はい。 定免では 百姓に死ねち 言うちょっとと同じでございもす。 298 00:26:03,470 --> 00:26:06,139 取れ高に応じて年貢を決める➡ 299 00:26:06,139 --> 00:26:08,475 検見取にして頂きとうございもす。 300 00:26:08,475 --> 00:26:13,146 検見取は 無用な手間暇がかかっ。 301 00:26:13,146 --> 00:26:19,819 賄賂も横行すっ。 かえって 百姓どもを苦しめる事になっど。 302 00:26:19,819 --> 00:26:22,722 じゃっどん 今でん不正は起きちょいもす。 303 00:26:22,722 --> 00:26:25,158 ご家老様は そいを承知で➡ 304 00:26:25,158 --> 00:26:27,093 目をつぶっちょっとじゃ ございもはんか! 305 00:26:27,093 --> 00:26:29,496 無礼者が! こん御方を どなたち心得る! 306 00:26:29,496 --> 00:26:32,098 はっ。 じゃっどん こんままでは➡ 307 00:26:32,098 --> 00:26:34,601 百姓は食うや食わずで 死んでしまいもす。 308 00:26:34,601 --> 00:26:39,439 百姓が死んだら 薩摩そんもんが 無くないもす! 309 00:26:39,439 --> 00:26:43,739 どうか お聞き届けやったもんせ。 お願いでございもす! 310 00:26:47,313 --> 00:26:51,451 西郷とやら➡ 311 00:26:51,451 --> 00:26:59,125 何年かに一度 お前のような くちばしの黄色い者がやって来る。 312 00:26:59,125 --> 00:27:04,798 そげん言うなら 教えてやろう。 313 00:27:04,798 --> 00:27:08,134 多少の不浄金が回ろうとも➡ 314 00:27:08,134 --> 00:27:13,807 年貢の取り立てがうまくいくなら そいも お家のためじゃ。 315 00:27:13,807 --> 00:27:19,679 薩摩の政を守っための 忠義ちゅうこっじゃ。 316 00:27:19,679 --> 00:27:22,816 忠義…。 317 00:27:22,816 --> 00:27:25,718 そうであろう。 318 00:27:25,718 --> 00:27:32,625 民百姓は お殿様からの お預かりものではごわはんか? 319 00:27:32,625 --> 00:27:37,096 薩摩ん民は 殿様の大切な子どもでございもす。 320 00:27:37,096 --> 00:27:41,434 我らは そん民百姓を 大切に守らんにゃないもはん! 321 00:27:41,434 --> 00:27:46,734 おいは そいが民の上に立つもんの 忠義じゃち思ちょいもす。 322 00:27:54,447 --> 00:27:58,447 お主 なかなか言うのう。 323 00:28:02,121 --> 00:28:06,793 そこまで申すなら やってみ。 324 00:28:06,793 --> 00:28:12,131 調所様… あいがとございもす! 325 00:28:12,131 --> 00:28:20,006 よかか? 全ての田で 丹念に坪刈りを行うんじゃぞ。 326 00:28:20,006 --> 00:28:22,306 は~っ! 327 00:28:24,143 --> 00:28:29,843 ご家老 郡方書役助ごときに 検見取のご許可を? 328 00:28:31,484 --> 00:28:34,484 捨て置け。 329 00:28:36,089 --> 00:28:40,389 うまくいくはずはなか。 330 00:28:43,429 --> 00:28:46,766 糸どん つきおうてもろて すんもはん。 331 00:28:46,766 --> 00:28:51,638 いえ 赤山先生のお許しを 頂きもしたもんで 構いもはん。 332 00:28:51,638 --> 00:28:56,776 じゃっどん 男女七歳にして 席を同じくせずち申しもすし➡ 333 00:28:56,776 --> 00:28:59,679 人ん目もあいもすし… え? 334 00:28:59,679 --> 00:29:03,379 ちょっと! 待ってたもんせ! 335 00:29:06,786 --> 00:29:08,721 すんもはん。 336 00:29:08,721 --> 00:29:11,457 (牛の鳴き声) 平六どん! 337 00:29:11,457 --> 00:29:15,128 平六どん ご家老から お許しが出たど! 338 00:29:15,128 --> 00:29:17,463 検見取をすっで! 339 00:29:17,463 --> 00:29:20,133 検見取を? ああ。 340 00:29:20,133 --> 00:29:24,833 こいで年貢は ずっと楽になっで! もう借金はせんでよか。 341 00:29:26,806 --> 00:29:32,078 ふきどんも連れっいかれんで済む。 ほいで こん糸どんの家で➡ 342 00:29:32,078 --> 00:29:35,415 ふきどんを下働きで 雇ってもらえるよう頼んだで。 343 00:29:35,415 --> 00:29:38,318 えっ…。 うちも貧乏じゃっどん➡ 344 00:29:38,318 --> 00:29:42,288 父に頼んでみもす。 (ふき)働かせて頂くっとなら➡ 345 00:29:42,288 --> 00:29:46,426 ないでんしもす。 よかったが ふきどん。 346 00:29:46,426 --> 00:29:49,762 はい! (タミ)ふき。 347 00:29:49,762 --> 00:29:56,636 立派なお侍さぁに会えて よかったなぁ…。 348 00:29:56,636 --> 00:29:58,636 うん。 349 00:30:03,776 --> 00:30:09,649 <吉之助は 苦しむ百姓たちを 救いたい一心でした。➡ 350 00:30:09,649 --> 00:30:16,122 それは 矛盾だらけの藩の農政を 清く正しきものに改める事だと➡ 351 00:30:16,122 --> 00:30:19,025 信じていました。➡ 352 00:30:19,025 --> 00:30:21,794 しかし…> 353 00:30:21,794 --> 00:30:25,465 ないごて坪刈りしちょっとじゃ? (平六)検見取のためじゃち…。 354 00:30:25,465 --> 00:30:28,165 検見取? バレたんじゃなかか? 355 00:30:35,475 --> 00:30:37,775 どげんすっとよ!? 356 00:30:57,730 --> 00:31:00,030 ここは…? 357 00:31:12,378 --> 00:31:17,517 おっ 平六どん こん田んぼは 絵図にはあいもはんが…。 358 00:31:17,517 --> 00:31:20,420 どげんこっでごわすか? 359 00:31:20,420 --> 00:31:26,526 お上の目を盗んで耕した 隠し田でございもす。 360 00:31:26,526 --> 00:31:29,028 隠し田? 361 00:31:29,028 --> 00:31:34,467 検見取すっと こん分の年貢も 納めんにゃないもはん! 362 00:31:34,467 --> 00:31:36,803 じゃっどん…。 363 00:31:36,803 --> 00:31:41,140 どうか どうか 検見取にすっとは 勘弁しやったもんせ! 364 00:31:41,140 --> 00:31:45,140 (2人)お願いでございもす! やめてくいやい! 365 00:31:51,784 --> 00:31:56,155 困った… 困ったど。 366 00:31:56,155 --> 00:31:59,058 こいでは 平六どんも ふきどんも 浮かばれん。 367 00:31:59,058 --> 00:32:04,831 じゃっどん 曲がったこつを 見逃す訳にはいかん…。 368 00:32:04,831 --> 00:32:08,831 おいは どげんしたらよかとか…。 369 00:32:14,507 --> 00:32:17,844 (大山)おお 吉之助 遅かったの。 370 00:32:17,844 --> 00:32:22,715 吉之助さぁ 迫村の検見取は うまくいっちょっとな? 371 00:32:22,715 --> 00:32:25,184 そいが…。 372 00:32:25,184 --> 00:32:28,855 じゃっで 余計な事はせん方が よかち言ったとじゃ。 373 00:32:28,855 --> 00:32:33,126 おいも お勤めすっようになって お家の懐具合がよう分かいもした。 374 00:32:33,126 --> 00:32:36,796 今 下手に動いたら薩摩の財政は たちどころに崩れもす。 375 00:32:36,796 --> 00:32:42,096 百姓も苦しかどん お家が潰れたら 全て むなしくなる。 376 00:32:50,810 --> 00:32:56,482 赤山先生! おいは 斉彬様に お会いしたかでごわす。 377 00:32:56,482 --> 00:32:59,385 何を言うちょっとか! お世継ぎ様に お目通りなど➡ 378 00:32:59,385 --> 00:33:02,822 かなう訳がなかが! (俊斎) 吉之助さぁは 子どもん頃から➡ 379 00:33:02,822 --> 00:33:07,160 大の斉彬様びいきじゃっでな! 会えるもんなら会って➡ 380 00:33:07,160 --> 00:33:09,495 百姓たちの苦しみを お伝えしたか。 381 00:33:09,495 --> 00:33:12,832 なんとか会えんもんでごわすか!? 382 00:33:12,832 --> 00:33:19,172 吉之助 おはん そこまで 百姓たちん事を思ちょっとか? 383 00:33:19,172 --> 00:33:24,872 おいは 民を救うっとが 薩摩武士の本懐ち心得ちょいもす。 384 00:33:29,816 --> 00:33:34,654 こいは 言うちゃならんこつじゃが…➡ 385 00:33:34,654 --> 00:33:40,793 明朝 斉彬様は ひそかに江戸へお発ちになる。 386 00:33:40,793 --> 00:33:48,467 そん前に おはんが泥にまみれ 百姓の身になって集めた意見を➡ 387 00:33:48,467 --> 00:33:54,467 斉彬様が薩摩を発たれる前に お届けせっ。 388 00:33:56,809 --> 00:33:58,744 はい! 389 00:33:58,744 --> 00:34:13,826 ♬~ 390 00:34:13,826 --> 00:34:19,165 [ 回想 ] おいは 斉彬様に また お会いしとうございもす! 391 00:34:19,165 --> 00:34:24,837 お前が強い男になっていたら また会おう。 強くなれ。 392 00:34:24,837 --> 00:34:46,459 ♬~ 393 00:34:46,459 --> 00:34:53,799 <このままにては早晩 百姓ども ことごとく根絶は必定に候。➡ 394 00:34:53,799 --> 00:34:57,470 日々の糧にもことかき候て➡ 395 00:34:57,470 --> 00:35:01,140 いかに出精働き候えども➡ 396 00:35:01,140 --> 00:35:05,811 重き年貢納め候ことあたわず候。➡ 397 00:35:05,811 --> 00:35:12,485 その故に娘を売り候者も これあり候。➡ 398 00:35:12,485 --> 00:35:16,155 田畑を捨て 逃散する百姓も➡ 399 00:35:16,155 --> 00:35:19,058 数多あり候…> 400 00:35:19,058 --> 00:35:37,109 ♬~ 401 00:35:37,109 --> 00:35:39,809 吉之助さぁ! 402 00:35:41,781 --> 00:35:44,684 正助どん。 403 00:35:44,684 --> 00:35:49,455 斉彬様に会いに行っとか。 404 00:35:49,455 --> 00:35:52,792 あんまいな思い込みは 禁物じゃっど。 405 00:35:52,792 --> 00:35:56,462 ほんのこつ吉之助さぁの気持ちは 斉彬様に届っとか? 406 00:35:56,462 --> 00:35:58,798 今 焦って動いて 調所様に➡ 407 00:35:58,798 --> 00:36:03,469 お咎めを受けるようなこつでん なったら どげんすっとな。 408 00:36:03,469 --> 00:36:06,469 吉之助さぁ! 409 00:36:08,341 --> 00:36:16,341 おいは 正助どんの知らんところで 一度だけ斉彬様に会うちょっ。 410 00:36:18,017 --> 00:36:25,157 そん時 死んではならんち 言うて下さいもした。 411 00:36:25,157 --> 00:36:29,495 また会おうち言うて下さいもした。 412 00:36:29,495 --> 00:36:32,765 斉彬様が…。 413 00:36:32,765 --> 00:36:36,435 あん御方に そげん言うてもらわんかったら➡ 414 00:36:36,435 --> 00:36:39,338 おいは もう とっくに死んじょった。 415 00:36:39,338 --> 00:36:44,310 なんち! ここで こん腕の腱を切られて➡ 416 00:36:44,310 --> 00:36:48,447 刀を持てんごなった時に 死んじょった。 417 00:36:48,447 --> 00:36:51,784 じゃっで 分かっど。 あん御方なら➡ 418 00:36:51,784 --> 00:36:55,784 苦しんじょっ民を思うてくれるち。 419 00:37:02,795 --> 00:37:06,495 おいは 斉彬様を信じちょっ。 420 00:37:14,807 --> 00:37:17,710 水上坂まで お供致しもす。 421 00:37:17,710 --> 00:37:19,710 そうか。 422 00:37:32,091 --> 00:37:37,763 うちも貧しくて 人 一人 よう雇えんち言われもした。 423 00:37:37,763 --> 00:37:40,666 すんもはん。 424 00:37:40,666 --> 00:37:43,666 そうじゃしたか。 425 00:37:46,105 --> 00:37:48,805 分かいもした。 426 00:37:50,776 --> 00:37:56,115 こい 僅かじゃっどん うちん米びつから盗んできもした。 427 00:37:56,115 --> 00:37:59,415 こげんこっしかできんで…。 428 00:38:08,127 --> 00:38:10,463 どけ。 429 00:38:10,463 --> 00:38:13,365 おう! 一緒に来んか! うわ~! 430 00:38:13,365 --> 00:38:16,335 ちょっと やめ…! やめてくいやんせ! 431 00:38:16,335 --> 00:38:19,805 何や!? やめっ やめっ! どかんか! あ~っ! 432 00:38:19,805 --> 00:38:48,767 ♬~ 433 00:38:48,767 --> 00:38:51,103 吉之助さぁ! 434 00:38:51,103 --> 00:38:53,403 糸どん。 435 00:38:55,441 --> 00:38:59,311 吉之助さぁ。 すんもはん 糸どん おいは 今 急ぎん用で…。 436 00:38:59,311 --> 00:39:03,115 ふきさぁが… ふきさぁが…! ふきどんが どげんした? 437 00:39:03,115 --> 00:39:06,986 借金取りに連れていかるっ。 ないごてな? 438 00:39:06,986 --> 00:39:10,686 糸どんの家で 雇ってもらえっとじゃ…。 439 00:39:20,466 --> 00:39:23,369 (赤山)若殿様!➡ 440 00:39:23,369 --> 00:39:26,805 若殿様!➡ 441 00:39:26,805 --> 00:39:32,411 少し 足をとどめては いかがでごわんそか。➡ 442 00:39:32,411 --> 00:39:38,284 今日の桜島は また一段と よか眺めでございもすな! 443 00:39:38,284 --> 00:39:41,984 そうか? いつもと変わらん。 444 00:39:45,758 --> 00:39:48,661 有川! はっ。 お馬に水を! 445 00:39:48,661 --> 00:39:50,661 はっ! 446 00:39:53,632 --> 00:39:56,932 (一平)姉さぁ! (平六)ふき…。 447 00:40:00,773 --> 00:40:04,443 おとう 心配いらん。 448 00:40:04,443 --> 00:40:06,946 さっさと来んか! 姉さぁ! 449 00:40:06,946 --> 00:40:10,783 (タエ)ふき! ないをしちょっか! (涙声で)姉さぁ…。 450 00:40:10,783 --> 00:40:14,453 おはんら 待ってくいやい! また わいか。 451 00:40:14,453 --> 00:40:17,790 ふきどん。 ふきどん 行ったらいかん! 452 00:40:17,790 --> 00:40:19,725 ふきどん! 453 00:40:19,725 --> 00:40:22,661 あ… 待ってくいやい! 454 00:40:22,661 --> 00:40:25,464 待てち! 455 00:40:25,464 --> 00:40:28,801 借金は おいが なんとかすっで! 456 00:40:28,801 --> 00:40:33,501 じゃっで あと少しだけ 待ってくいやい! 頼む! 457 00:40:38,143 --> 00:40:44,443 お侍さぁ もうよかです。 458 00:40:46,018 --> 00:40:51,690 私が行けば 借金が消えもす。 459 00:40:51,690 --> 00:40:56,161 おとうも おかあも➡ 460 00:40:56,161 --> 00:41:00,499 一平も楽になれる。 461 00:41:00,499 --> 00:41:05,371 そいなら 私は喜んで➡ 462 00:41:05,371 --> 00:41:09,371 売られていきもす。 463 00:41:11,510 --> 00:41:15,381 立派なお侍さぁに会えて➡ 464 00:41:15,381 --> 00:41:19,184 うれしゅうございもした。 465 00:41:19,184 --> 00:41:21,484 さあ 行くぞ。 466 00:41:27,526 --> 00:41:32,798 今日も美しかこと…。 467 00:41:32,798 --> 00:41:39,138 私は こん薩摩が大好きじゃ! 468 00:41:39,138 --> 00:41:52,484 ♬~ 469 00:41:52,484 --> 00:41:55,484 何を待っておる? 470 00:41:57,823 --> 00:42:00,726 申し訳ございもはん。 471 00:42:00,726 --> 00:42:05,497 実は お目にかけたか 二才がおいもした。 472 00:42:05,497 --> 00:42:08,400 (斉彬)来なかったのか。 (赤山)はっ…。➡ 473 00:42:08,400 --> 00:42:12,371 今頃 きっと百姓んために こん薩摩のどっかで➡ 474 00:42:12,371 --> 00:42:15,841 泥にまみれて 駆けずり回っておいもんそ。 475 00:42:15,841 --> 00:42:18,541 そうか。 476 00:42:21,180 --> 00:42:23,849 残念だな。 477 00:42:23,849 --> 00:42:27,186 ≪お発ち~! 478 00:42:27,186 --> 00:42:37,796 ♬~ 479 00:42:37,796 --> 00:42:44,496 おいは 立派なお侍なんかじゃなか…。 480 00:42:46,138 --> 00:42:51,138 女子一人 救えん やっせんぼじゃ! 481 00:42:57,750 --> 00:43:01,487 <今宵は ここらでよかろかい。➡ 482 00:43:01,487 --> 00:43:06,358 西郷どん まだまだじゃ。 もちっとキバれ!➡ 483 00:43:06,358 --> 00:43:09,358 チェスト! キバれ!> 484 00:43:11,830 --> 00:43:14,166 武士に二言はございもはん! 485 00:43:14,166 --> 00:43:16,502 死んだのではない。 殺されたんですよ! 486 00:43:16,502 --> 00:43:18,837 そん者どもを処罰すっとじゃ! 487 00:43:18,837 --> 00:43:22,708 貴殿が立ち上がるのを 待っておった。 そん者の名は…。 488 00:43:22,708 --> 00:43:25,177 切腹の御沙汰が下った。 489 00:43:25,177 --> 00:43:27,513 子どもは 国の宝でごわす。 490 00:43:27,513 --> 00:43:29,448 薩摩が変わっど。 491 00:43:29,448 --> 00:43:31,748 薩摩が…。 変わる。 492 00:43:35,788 --> 00:43:41,660 この地を治めていた島津家は 鎌倉時代から続く名家です。 493 00:43:41,660 --> 00:43:46,131 鹿児島城は 天守閣がない城で➡ 494 00:43:46,131 --> 00:43:51,470 背後の城山が 翼を広げた 鶴のような姿に見える事から➡ 495 00:43:51,470 --> 00:43:54,770 鶴丸城とも呼ばれました。 496 00:43:56,809 --> 00:44:02,681 城壁や堀 石橋だけが 昔の面影をとどめています。 497 00:44:02,681 --> 00:44:09,681 石垣に残る銃弾の痕は 西南戦争の激戦を物語っています。 498 00:44:11,824 --> 00:44:15,694 島津家の別邸 仙巌園。 499 00:44:15,694 --> 00:44:20,165 桜島を築山に 錦江湾を池に見立てた➡ 500 00:44:20,165 --> 00:44:23,502 大自然の借景です。 501 00:44:23,502 --> 00:44:26,839 薩摩藩の迎賓館として➡ 502 00:44:26,839 --> 00:44:30,139 多くの賓客が訪れました。 503 00:44:32,644 --> 00:44:35,647 後に藩主となる斉彬は➡ 504 00:44:35,647 --> 00:44:41,787 広大な敷地に集成館と呼ばれる 工場群を建設しました。 505 00:44:41,787 --> 00:44:46,124 江戸から 遠く離れた地にありながら➡ 506 00:44:46,124 --> 00:44:50,462 日本の近代化を牽引する薩摩藩。 507 00:44:50,462 --> 00:44:56,762 島津家は 明治維新の中心的役割を 担う事となるのです。 508 00:45:36,141 --> 00:45:40,141 (太鼓の音) 509 00:45:41,947 --> 00:45:45,317 へえ… すげえ人出だな。 510 00:45:45,317 --> 00:45:47,252 当たり前ですよ 殿様。 511 00:45:47,252 --> 00:45:50,188 一獲千金を狙っての富くじで 正月一番の人気は➡ 512 00:45:50,188 --> 00:45:52,190 ここ 深川八幡でさぁ。 513 00:45:52,190 --> 00:45:57,329 二番は どこだ? 湯島天神に決まってまさぁ。 514 00:45:57,329 --> 00:46:00,666 (妙)おとうさん どうなさったんですか?