1 00:00:32,439 --> 00:00:34,808 (吉之助) じゃっどん こんままでは➡ 2 00:00:34,808 --> 00:00:37,478 百姓は食うや食わずで 死んでしまいもす! 3 00:00:37,478 --> 00:00:41,348 百姓が死んだら 薩摩そんもんが 無くないもす! 4 00:00:41,348 --> 00:00:46,820 <薩摩藩主 島津斉興の 悪政を正したい吉之助は➡ 5 00:00:46,820 --> 00:00:49,490 江戸にいる斉彬に向け➡ 6 00:00:49,490 --> 00:00:53,360 何通もの意見書を 書きつづりました> 7 00:00:53,360 --> 00:01:00,834 「このままにては早晩 百姓ども ことごとく根絶は必定に候。➡ 8 00:01:00,834 --> 00:01:03,737 日々の糧にも ことかき候て➡ 9 00:01:03,737 --> 00:01:07,174 いかに出精働き候えども➡ 10 00:01:07,174 --> 00:01:11,512 重き年貢納め候ことあたわず候。➡ 11 00:01:11,512 --> 00:01:17,851 その故に娘を売り候者も これあり候。➡ 12 00:01:17,851 --> 00:01:21,522 田畑を捨て 逃散する百姓も➡ 13 00:01:21,522 --> 00:01:24,425 数多あり候」。 14 00:01:24,425 --> 00:01:30,864 <吉之助は 一日も早い 新藩主誕生を願っていました> 15 00:01:30,864 --> 00:01:33,767 おいは 斉彬様を信じちょっ。 16 00:01:33,767 --> 00:01:52,152 ♬~ 17 00:01:52,152 --> 00:01:55,489 ♬~ 18 00:01:55,489 --> 00:02:44,805 ♬~ 19 00:02:44,805 --> 00:03:01,155 ♬~ 20 00:03:01,155 --> 00:04:20,855 ♬~ 21 00:04:33,447 --> 00:04:36,116 (鳴き声) 22 00:04:36,116 --> 00:04:38,452 (銃声) (熊吉)あ~! 23 00:04:38,452 --> 00:04:43,791 <薩摩は 日本一 武士の割合が高い反面➡ 24 00:04:43,791 --> 00:04:50,664 それゆえ 侍の多くは百姓同様 貧しい暮らしを送っていました> 25 00:04:50,664 --> 00:04:54,134 熊吉 しとめたど! 26 00:04:54,134 --> 00:04:56,434 しとめた!? 27 00:04:58,005 --> 00:05:01,008 ほんのこて大きかシシじゃ。 ああ。 28 00:05:01,008 --> 00:05:04,478 おいは 初めて こん手で しとめもした。 29 00:05:04,478 --> 00:05:07,381 いや 熊吉 しとめたとは おいじゃ。 30 00:05:07,381 --> 00:05:10,818 ハハッ。 若さぁ 何を言われもすか。 31 00:05:10,818 --> 00:05:13,153 こいは おいが撃った シシでございもす。 32 00:05:13,153 --> 00:05:17,453 いや おいの弾は 確かに ここに当たったど。 33 00:05:19,026 --> 00:05:22,496 分かいもした。 そこまで おっしゃるなら➡ 34 00:05:22,496 --> 00:05:27,835 若さぁが撃ったこつにしもんそ。 撃ったこつにすっとは 何じゃ! 35 00:05:27,835 --> 00:05:30,337 いつでん お手当やお禄を➡ 36 00:05:30,337 --> 00:05:32,773 百姓に恵んでやっちょっ 若さぁじゃっで。 37 00:05:32,773 --> 00:05:36,643 今日だけは こん熊吉が 花を持たせてあげもんそ。 38 00:05:36,643 --> 00:05:39,279 え~っ? 熊吉 いや ちごっ…。 39 00:05:39,279 --> 00:05:44,451 ♬「狩の名人 熊吉が」 40 00:05:44,451 --> 00:05:49,323 ♬「ふっとかぁ ししを捕まえた」 ちごっち。 41 00:05:49,323 --> 00:05:51,792 ♬「アッヨイショ ヨイショ」 42 00:05:51,792 --> 00:05:53,792 (2人)♬「アドンドンドン」 43 00:05:55,462 --> 00:05:58,365 <下級武士の西郷家も貧しく➡ 44 00:05:58,365 --> 00:06:02,336 加えて11人の大家族でありました> 45 00:06:02,336 --> 00:06:04,471 (せきこみ) 46 00:06:04,471 --> 00:06:07,808 <祖父 龍右衛門は 嫌なせきをして➡ 47 00:06:07,808 --> 00:06:10,143 寝込むようになりました。➡ 48 00:06:10,143 --> 00:06:14,648 その上 いつも元気な三男の信吾まで…> 49 00:06:14,648 --> 00:06:18,986 (満佐)痛かか? よっぽど痛かか? 50 00:06:18,986 --> 00:06:22,022 「孔子季氏をかたる」。 51 00:06:22,022 --> 00:06:25,492 (子どもたち)「孔子季氏をかたる」。 52 00:06:25,492 --> 00:06:30,163 「八佾を庭に舞わす」。 (子どもたち)「八佾を…」。 53 00:06:30,163 --> 00:06:34,768 (熊吉)♬「今夜は おいたちゃ しし鍋じゃ~」 54 00:06:34,768 --> 00:06:38,639 (2人)♬「ヨイショ アッヨイショ アドンドンドン」 55 00:06:38,639 --> 00:06:43,110 ♬「若さぁと狩に山ゆけば」 はっ! 56 00:06:43,110 --> 00:06:47,981 いまじゃした! 若さぁが 立派なシシを しとめもしたど! 57 00:06:47,981 --> 00:06:51,451 (妹たち)シシじゃ~! せきの病には➡ 58 00:06:51,451 --> 00:06:55,789 シシの肝が効くちいいもす。 じい様 しっかい精をつけて➡ 59 00:06:55,789 --> 00:07:00,460 はよ元気になってたもんせ。 (吉二郎)兄さぁ 信吾が…。 60 00:07:00,460 --> 00:07:05,132 何かに あたったんか おなかを下して止まらんでねぇ。 61 00:07:05,132 --> 00:07:07,432 信吾。 62 00:07:10,470 --> 00:07:14,341 信吾 大丈夫け? 63 00:07:14,341 --> 00:07:18,145 はよ 医者に診せんと! (琴)兄さぁ うちには➡ 64 00:07:18,145 --> 00:07:22,015 全然お金がなかと。 信吾を お医者様に診せると➡ 65 00:07:22,015 --> 00:07:25,819 おじい様の薬代が…。 (せきこみ) 66 00:07:25,819 --> 00:07:29,489 (熊吉)困りもしたね。 いっそ おいの刀を➡ 67 00:07:29,489 --> 00:07:33,093 質に入れて…。 バカな事を言いやんな! 68 00:07:33,093 --> 00:07:36,964 侍が刀を手放せる訳がなか! 69 00:07:36,964 --> 00:07:40,767 (龍右衛門)おいはよか。 信吾を…。 70 00:07:40,767 --> 00:07:44,438 (せきこみ) (吉二郎)じい様 しゃべらんでよか。 71 00:07:44,438 --> 00:07:48,108 (きみ)おいは もうよか。 寿命は分かっちょっ。➡ 72 00:07:48,108 --> 00:07:51,979 そいより信吾を診てもらえち。 73 00:07:51,979 --> 00:07:53,981 ≪(せきこみ) 74 00:07:53,981 --> 00:07:58,118 若さぁ 2人でシシをば 町に売りに行きもんそ。 75 00:07:58,118 --> 00:08:03,418 そいはよか。 とりあえずの足しに なっかもしれん。 よし! 76 00:08:05,459 --> 00:08:08,362 父上。 (吉兵衛)やめんか! 77 00:08:08,362 --> 00:08:13,800 侍がシシを売りに行くち 聞いたこっがなか。 恥ずかしかっ。 78 00:08:13,800 --> 00:08:18,672 決めた。 こげんなったら 金を借りっど。 79 00:08:18,672 --> 00:08:22,809 父上…! (吉兵衛) こんままでは どげんもできん。 80 00:08:22,809 --> 00:08:27,481 借金すれば 信吾も じい様も 医者に診てもらえる。 81 00:08:27,481 --> 00:08:33,286 暮らしも楽になる。 おいと吉之助 2人の禄で➡ 82 00:08:33,286 --> 00:08:38,759 少しずつ返していけるはずじゃ。 んにゃ 借金をすっくらいなら➡ 83 00:08:38,759 --> 00:08:42,429 いっそ こん家を売って 金を作りもんそ。 84 00:08:42,429 --> 00:08:45,098 バカたいが! 85 00:08:45,098 --> 00:08:49,970 武士が家を売るち そげん恥ずかしこっができっか! 86 00:08:49,970 --> 00:08:52,773 体面を気にしちょっ場合じゃ なかでごわす。 87 00:08:52,773 --> 00:08:56,443 借金をして返せんかったら そいこそ武士の面汚しでごわす。 88 00:08:56,443 --> 00:09:00,113 わいは 父親に向かって 口答えすっとか! 89 00:09:00,113 --> 00:09:03,784 口答えち ないな!? おいは みんなの事を思って! 90 00:09:03,784 --> 00:09:07,454 (次右衛門)まあまあ…。 また親子喧嘩でごわすか。 91 00:09:07,454 --> 00:09:10,791 今日は 何な!? 次右衛門さぁ➡ 92 00:09:10,791 --> 00:09:15,662 借金をしてでん 武士は面目を保つもんじゃろが! 93 00:09:15,662 --> 00:09:18,465 んにゃ 面目より 家を売っべきでごわす。 94 00:09:18,465 --> 00:09:21,368 んにゃんにゃ 家を売っとは いかがかち! こん大所帯の➡ 95 00:09:21,368 --> 00:09:23,970 住ん所が無くなってしまいもす。 じゃっで 借金じゃ! 96 00:09:23,970 --> 00:09:27,007 おはんは どっちの味方じゃ! 決めたとじょ! 97 00:09:27,007 --> 00:09:30,143 借金すっちゅうたらすっ! こんわからず屋が! 98 00:09:30,143 --> 00:09:34,414 ないを~! 吉兵衛さぁ 借金 借金っち➡ 99 00:09:34,414 --> 00:09:39,286 どこの物好きが おはんに金をば 貸してくるっとか。 100 00:09:39,286 --> 00:09:43,924 そげなもん いくらでんあっが! 101 00:09:43,924 --> 00:09:49,429 ち みんなん前で 大見得を切ってしまいもした。 102 00:09:49,429 --> 00:09:52,332 (笑い声) そうじゃったか。 103 00:09:52,332 --> 00:09:55,769 まあ 多少の事であれば➡ 104 00:09:55,769 --> 00:09:58,672 おいが なんとかしてやりたかどん。 105 00:09:58,672 --> 00:10:02,109 んにゃ とんでもなかこっでございもす! 106 00:10:02,109 --> 00:10:06,980 赤山様に ご迷惑を おかけ致す訳には…。 107 00:10:06,980 --> 00:10:11,118 長年 帳簿をつけさせて 頂いちょっもんで➡ 108 00:10:11,118 --> 00:10:15,118 こちらのお台所が大変なのは 存じちょいもす。 109 00:10:21,128 --> 00:10:27,467 こんままでは 吉之助に嫁をもらう事もできん。 110 00:10:27,467 --> 00:10:32,339 じゃっどん こげな大酒飲みで うだつの上がらん親父に➡ 111 00:10:32,339 --> 00:10:36,476 借金の当てなど あいもはん。 112 00:10:36,476 --> 00:10:38,411 (ため息) 113 00:10:38,411 --> 00:10:43,150 ないごて あげな 見得を切ってしもうたのか…。 114 00:10:43,150 --> 00:10:46,486 よか親子じゃが。 115 00:10:46,486 --> 00:10:48,486 は? 116 00:10:58,832 --> 00:11:05,532 <阿部正弘 幕府における最大の権力者です> 117 00:11:08,508 --> 00:11:13,380 ここに全てが書いてございます。 異国との密貿易➡ 118 00:11:13,380 --> 00:11:17,017 琉球出兵についての 偽りの申し立て。 119 00:11:17,017 --> 00:11:22,217 これをもって 父 斉興を よきように…。 120 00:11:28,728 --> 00:11:34,028 (阿部正弘)よきように… 委細承知した。 121 00:11:40,807 --> 00:11:44,144 何か? 122 00:11:44,144 --> 00:11:50,016 私は 貴殿が立ち上がるのを 待っておった。 123 00:11:50,016 --> 00:12:00,493 ♬~ 124 00:12:00,493 --> 00:12:04,364 あの 父上…。 黙って ついてこんか! 125 00:12:04,364 --> 00:12:08,168 赤山様が 口をきいて下さったんじゃ。 126 00:12:08,168 --> 00:12:10,468 おっ ここじゃ ここじゃ。 127 00:12:12,038 --> 00:12:14,841 大きか屋敷じゃ! 128 00:12:14,841 --> 00:12:19,512 屋敷は立派じゃっどん 相手は商人じゃ。 129 00:12:19,512 --> 00:12:23,850 武士の威厳を忘れたらいかんど! 借金をしに行っとに➡ 130 00:12:23,850 --> 00:12:27,150 威厳もないも…。 まあ 見ちょれ。 131 00:12:33,660 --> 00:12:42,335 板垣屋 既にお聞き及びち思うが 百両ほど借り受けたか。 132 00:12:42,335 --> 00:12:45,138 百両…。 133 00:12:45,138 --> 00:12:51,478 (板垣与三次)百両ち 大金でございもすな。 134 00:12:51,478 --> 00:12:56,149 赤山様のお引き合わせとは申せ…。 135 00:12:56,149 --> 00:12:59,149 貸してくれんか! 136 00:13:03,023 --> 00:13:10,723 わざわざ ご足労頂いたどん お貸しすっこつは…。 137 00:13:15,168 --> 00:13:18,168 (ため息) 待ってくいやんせ! 138 00:13:24,177 --> 00:13:28,848 板垣様 お願い致しもす! 139 00:13:28,848 --> 00:13:32,548 どうか 貸してたもんせ! 140 00:13:34,654 --> 00:13:38,658 おいの家は貧乏で 11人の家んもんが➡ 141 00:13:38,658 --> 00:13:44,331 食う飯にも事を欠き 病人を 医者に診せる金も あいもはん。 142 00:13:44,331 --> 00:13:50,804 お借りしたお金は 命に代えてでん 父と おいとで お返ししもす! 143 00:13:50,804 --> 00:13:54,474 必ず お返ししもす! 144 00:13:54,474 --> 00:13:58,645 武士に二言はございもはん! 145 00:13:58,645 --> 00:14:02,515 吉之助…。 父上っ。 146 00:14:02,515 --> 00:14:05,418 父上! ほあっ。 147 00:14:05,418 --> 00:14:19,499 ♬~ 148 00:14:19,499 --> 00:14:25,171 憚りながら申し上げれば 昨今の薩摩では➡ 149 00:14:25,171 --> 00:14:31,444 表と裏を使い分けて 民百姓を苦しめちょっお侍様が➡ 150 00:14:31,444 --> 00:14:37,444 少なからずおられもす。 じゃっどん…。 151 00:14:40,453 --> 00:14:48,328 吉之助様は なかなかのご器量ち お見受けしもした。➡ 152 00:14:48,328 --> 00:14:56,469 必ずや お貸ししたもんは お返し下さっはずでございもす。 153 00:14:56,469 --> 00:14:58,405 では…! 154 00:14:58,405 --> 00:15:05,105 百両 お貸し致しもす。 155 00:15:07,113 --> 00:15:09,113 (手をたたく音) 156 00:15:16,489 --> 00:15:19,392 ほあっ! 157 00:15:19,392 --> 00:15:22,692 あいがとさげもす…! 158 00:15:29,502 --> 00:15:34,107 (笑い声) 父上 そん百両ちゅうもんを➡ 159 00:15:34,107 --> 00:15:37,444 もう一度 見せて頂けもはんか。 ああ よかよか。 160 00:15:37,444 --> 00:15:40,444 いくらでん見ればよか。 161 00:15:45,785 --> 00:15:51,124 こいが百両でごわすか。 ほんのこて 黄金色をしちょっ。 162 00:15:51,124 --> 00:15:56,463 金で作っちょっでな かんでみっと軟らかいそうじゃ。 163 00:15:56,463 --> 00:15:59,163 かんでみもんそか。 おお よしっ。 164 00:16:06,806 --> 00:16:09,106 では 1枚。 165 00:16:13,146 --> 00:16:16,049 あっ。 硬っ。 166 00:16:16,049 --> 00:16:19,018 餅んようにはいかんのう。 167 00:16:19,018 --> 00:16:23,790 <親子で百両もらったような顔を しておりますが➡ 168 00:16:23,790 --> 00:16:27,160 この後 返済にかなり苦しみ➡ 169 00:16:27,160 --> 00:16:31,030 明治維新後まで続いたと 記録にあります。➡ 170 00:16:31,030 --> 00:16:36,030 暮らしは 決して 楽にはならなかったのです> 171 00:16:39,739 --> 00:16:42,642 ≪待て 泥棒! 172 00:16:42,642 --> 00:16:46,342 ≪こんガキが! 待て! あっ…。 173 00:16:48,114 --> 00:16:51,017 ≪待て! ≪待てち こんガキ! 174 00:16:51,017 --> 00:16:53,017 ≪待て待て! 175 00:16:55,989 --> 00:16:58,124 待て! 待て こら! 176 00:16:58,124 --> 00:17:01,027 こん芋泥棒が! ほれ! 177 00:17:01,027 --> 00:17:04,998 あっ おはんら! ちょっ…。 178 00:17:04,998 --> 00:17:07,800 立て! 芋泥棒が! 179 00:17:07,800 --> 00:17:10,136 待ってくいやい! 180 00:17:10,136 --> 00:17:14,007 子どもは国の宝でごわす。 そげん殴ってはいかんど。 181 00:17:14,007 --> 00:17:17,810 こんガキが おいの芋をば 盗みよったとです。 182 00:17:17,810 --> 00:17:21,147 (中村半次郎) おいは 芋泥棒じゃなか。 こん畑も芋も➡ 183 00:17:21,147 --> 00:17:23,483 おいの家のもんじゃ! じゃっで 何べん言えば➡ 184 00:17:23,483 --> 00:17:27,353 分かっとじゃ半次郎。 ここは もう わいの家の畑じゃなかっ。 185 00:17:27,353 --> 00:17:30,823 嘘言うな。 嘘じゃなか。 186 00:17:30,823 --> 00:17:33,426 そげなもんはしまって 芋 置いていけ。 187 00:17:33,426 --> 00:17:35,361 チェ~! 188 00:17:35,361 --> 00:17:53,061 ♬~ 189 00:17:54,714 --> 00:17:59,118 はら… 大丈夫でごわすか? 190 00:17:59,118 --> 00:18:01,454 こん芋侍がっ! 191 00:18:01,454 --> 00:18:04,791 芋侍? あん稚児は侍じゃっとな? 192 00:18:04,791 --> 00:18:07,694 親父は城下士じゃっどん 島流しに遭うて➡ 193 00:18:07,694 --> 00:18:10,663 今は 物乞いも同然でございもす。 194 00:18:10,663 --> 00:18:15,134 そいで畑を召し上げられたとか。 195 00:18:15,134 --> 00:18:22,642 じゃっどん 大人顔負けの 見事な太刀筋じゃったなあ。 は~。 196 00:18:22,642 --> 00:18:25,678 握り飯じゃ 食え食え! 197 00:18:25,678 --> 00:18:31,150 <吉兵衛は 借りた金で 早速 米を買い➡ 198 00:18:31,150 --> 00:18:34,150 皆に振る舞いました> 199 00:18:38,424 --> 00:18:43,296 うまかぁ! 母上 お代わり! 200 00:18:43,296 --> 00:18:48,101 はいは~い。 (吉兵衛) どうじゃ 白か米ん飯ん味は! 201 00:18:48,101 --> 00:18:50,036 (鷹 安)うまかぁ! 202 00:18:50,036 --> 00:18:53,439 (信吾)うまかぁ! (笑い声) 203 00:18:53,439 --> 00:18:56,776 お医者様も腹いっぱい食べて 養生すれば➡ 204 00:18:56,776 --> 00:18:59,445 そいで治るっち おっしゃってたで。 205 00:18:59,445 --> 00:19:03,316 もう一口。 はい じい様。 206 00:19:03,316 --> 00:19:06,786 長生きはすっもんじゃのう。 はい。 207 00:19:06,786 --> 00:19:11,624 白か米ん飯ち 何年ぶいじゃろ! 母上 お代わり。 208 00:19:11,624 --> 00:19:15,461 父上様のおかげでございもす。 父上様? 209 00:19:15,461 --> 00:19:19,132 琴 こげん時だけ 様を付けんでもよか。 210 00:19:19,132 --> 00:19:21,067 (笑い声) 211 00:19:21,067 --> 00:19:25,805 たんと食べてたもんせ。 (鷹 安 信吾)お代わり! 212 00:19:25,805 --> 00:19:29,676 熊吉も遠慮せんで。 (熊吉)とんでもなかでございもす。 213 00:19:29,676 --> 00:19:33,613 おいは一膳で十分でございもす。 214 00:19:33,613 --> 00:19:38,384 熊吉は うまかもんを食うと いつでん そげん顔になっどなぁ。 215 00:19:38,384 --> 00:19:41,287 実家の おイシばあにも 食べさせてやりたかっち➡ 216 00:19:41,287 --> 00:19:44,090 思っちょっじゃろ。 はぁ…! 217 00:19:44,090 --> 00:19:47,760 父上 熊吉の実家にも 米を届けもんそ。 218 00:19:47,760 --> 00:19:50,663 んにゃんにゃ! そいはよかなぁ。 219 00:19:50,663 --> 00:19:54,634 熊吉は平生 骨身も惜しまず 働いてくれて➡ 220 00:19:54,634 --> 00:19:58,104 そん上 うちに食べ物がなか時は➡ 221 00:19:58,104 --> 00:20:02,442 実家から米や芋を 持ってきてくいやったで。 222 00:20:02,442 --> 00:20:07,113 おイシさぁも そうじゃった。 よう仕えてくれた。 223 00:20:07,113 --> 00:20:12,985 よしよし 分かった。 吉之助 米を届けっけ! はい。 224 00:20:12,985 --> 00:20:16,122 (笑い声) あいがとございもす。 225 00:20:16,122 --> 00:20:20,422 あいがとございもす。 おイシばあも喜びもす。 226 00:20:28,468 --> 00:20:31,371 家のもんは みんな 小作に行っちょって➡ 227 00:20:31,371 --> 00:20:33,806 今は ばあ様しか おらんはずでございもす。 228 00:20:33,806 --> 00:20:37,477 そうじゃっとな。 もう かなりのばあ様やっで➡ 229 00:20:37,477 --> 00:20:40,146 死んじょっかもしれもはん。 230 00:20:40,146 --> 00:20:43,049 あいたぁ 生きちょったど! 231 00:20:43,049 --> 00:20:47,487 たまに帰ってきて 「生きちょったど」ち➡ 232 00:20:47,487 --> 00:20:49,822 何じゃ 熊吉! 233 00:20:49,822 --> 00:20:52,492 おイシばあ! 234 00:20:52,492 --> 00:20:55,161 だいな? こん大男は。 235 00:20:55,161 --> 00:20:59,031 おイシばあ! おいじゃ 西郷の小吉でごわす。 236 00:20:59,031 --> 00:21:01,501 (笑い声) 237 00:21:01,501 --> 00:21:04,404 小吉さぁでございもすか! 238 00:21:04,404 --> 00:21:09,175 名を改めなさって 今は西郷吉之助様でごわす。 239 00:21:09,175 --> 00:21:13,513 まあ こげん立派に 大きくなられて。 240 00:21:13,513 --> 00:21:17,183 あげな芋と栗ばっかり食うて➡ 241 00:21:17,183 --> 00:21:20,520 ようこんだけ 大きくなられたもんじゃ。 242 00:21:20,520 --> 00:21:23,423 芋ばかりじゃあいもはん。 おイシばあと熊吉が➡ 243 00:21:23,423 --> 00:21:29,228 時々 米を運んでくれもした。 あん恩は忘れたこっがあいもはん。 244 00:21:29,228 --> 00:21:33,428 こいは せめてもの礼じゃ。 245 00:21:35,034 --> 00:21:39,806 こいは ほんのこっかなあ…。 246 00:21:39,806 --> 00:21:44,477 あいがとなぁ あいがとなぁ…。 247 00:21:44,477 --> 00:21:48,347 こん中に いっぱい米が入っちょっとか。 248 00:21:48,347 --> 00:21:51,818 ああ ぎっしり入っちょ。 249 00:21:51,818 --> 00:21:54,818 ぎっしりかぁ…。 250 00:21:59,492 --> 00:22:04,363 あたいを たぶらかそうち 石が入れてあっとじゃなかな? 251 00:22:04,363 --> 00:22:07,834 若さぁは そげな事をすっ御方じゃなか。 252 00:22:07,834 --> 00:22:11,704 安心しっくいやい。 こん俵には み~んな みんな➡ 253 00:22:11,704 --> 00:22:14,704 米が ぎっしりじゃ! 254 00:22:16,509 --> 00:22:22,381 あいがとなぁ あいがとなぁ。 255 00:22:22,381 --> 00:22:28,521 米が ぎっしりかぁ。 じゃっど。 あいがとなぁ。 256 00:22:28,521 --> 00:22:31,424 米が2俵 ぎっしりじゃ。 257 00:22:31,424 --> 00:22:35,328 (イシ)2俵なぁ 米が ぎっしりかぁ…。 258 00:22:35,328 --> 00:22:40,466 (泣き声) 259 00:22:40,466 --> 00:22:46,138 そうじゃ ぎっしりじゃ。 (イシ)あいがとなぁ。 260 00:22:46,138 --> 00:22:50,009 若さぁ 今夜は こんあばら家に泊まって➡ 261 00:22:50,009 --> 00:22:53,012 一緒に こん米を食っていきもんそ。 262 00:22:53,012 --> 00:22:56,148 よかとな? ああ そうせえ そうせえ。 263 00:22:56,148 --> 00:22:59,819 じゃっどん 大きかのと 丸かの2人で➡ 264 00:22:59,819 --> 00:23:04,490 米 全部食ったら承知せんでね。 一日で無くなっかも。 265 00:23:04,490 --> 00:23:06,490 (笑い声) 266 00:23:13,833 --> 00:23:16,168 あ~。 267 00:23:16,168 --> 00:23:18,868 急がんと見つかっど。 268 00:23:31,651 --> 00:23:34,120 あっ お貞。 269 00:23:34,120 --> 00:23:39,820 お貞 大丈夫け? おいの背中に乗らんか。 270 00:23:41,794 --> 00:23:46,494 おっ おはんは こん前の芋泥棒じゃなかか。 271 00:23:48,668 --> 00:23:51,137 どげんした? 272 00:23:51,137 --> 00:23:53,806 おっ! チェ~! チェ~! 273 00:23:53,806 --> 00:23:55,741 ないを!? 274 00:23:55,741 --> 00:23:57,677 あ~! 275 00:23:57,677 --> 00:24:00,479 危なかとこじゃ。 276 00:24:00,479 --> 00:24:05,818 相変わらず鋭かぁ。 あん時の…。 277 00:24:05,818 --> 00:24:09,155 こげん所で また会うとはなぁ。 278 00:24:09,155 --> 00:24:13,025 おいは芋泥棒じゃなかど! ああ じゃった。 279 00:24:13,025 --> 00:24:17,025 じゃっどん こげんはよ どこに行っとな? 280 00:24:19,799 --> 00:24:22,168 まさか…。 281 00:24:22,168 --> 00:24:24,503 (半次郎の兄)お願いしもす 見逃してたもんせ。 282 00:24:24,503 --> 00:24:29,175 (半次郎の母)うちん一家は もう こん土地では生きていけもはん。 283 00:24:29,175 --> 00:24:33,779 おいは お役目で 逃散を見逃す訳にはいかんとじゃ。 284 00:24:33,779 --> 00:24:38,651 逃散ち おいの父上は 百姓じゃなか。 侍じゃ! 285 00:24:38,651 --> 00:24:43,456 <この時代 無断で 藩の外へ飛び出す行為は➡ 286 00:24:43,456 --> 00:24:47,793 固く禁じられていました。 武士ならば脱藩。➡ 287 00:24:47,793 --> 00:24:53,132 百姓では 逃散 走りといわれています> 288 00:24:53,132 --> 00:24:58,471 お願いしもす! どうか 見逃してたもんせ。 289 00:24:58,471 --> 00:25:02,341 じゃっどん 行く当てはあいもすか? 290 00:25:02,341 --> 00:25:06,145 脱藩は見つかったら死罪じゃ。 291 00:25:06,145 --> 00:25:10,483 侍が逃げたら もう二度と侍には戻れんど。 292 00:25:10,483 --> 00:25:17,356 お願いでございもす! どうか 見逃してたもんせ! 293 00:25:17,356 --> 00:25:23,496 嫌じゃ。 母上 おいは侍は捨てれん。 294 00:25:23,496 --> 00:25:27,366 半次郎! もう みんなで決めたこっじゃが! 295 00:25:27,366 --> 00:25:31,366 じゃっどん…。 296 00:25:33,105 --> 00:25:37,977 分かいもした。 おいが なんとかすっで。 297 00:25:37,977 --> 00:25:41,781 若さぁ できん事を約束して どげんなさっとな! 298 00:25:41,781 --> 00:25:44,116 こん半次郎のギラッギラした目と➡ 299 00:25:44,116 --> 00:25:47,453 剣の腕を埋もれさすっとは 惜しかっ。 300 00:25:47,453 --> 00:25:50,356 (貞)母上…。 301 00:25:50,356 --> 00:25:55,327 おお とにかく今日は 家に戻っとがよか。 302 00:25:55,327 --> 00:25:57,797 こん荷車を使うてくいやい。 303 00:25:57,797 --> 00:26:00,097 熊吉。 あっ はい。 304 00:26:03,135 --> 00:26:05,435 のせんか。 305 00:26:07,807 --> 00:26:13,145 <「子どもは国の宝だ」と 吉之助に教えた あの御方は➡ 306 00:26:13,145 --> 00:26:16,048 そのころ 江戸で…> 307 00:26:16,048 --> 00:26:18,748 (喜久)やっ! どうじゃ? 殿! 308 00:26:20,486 --> 00:26:22,822 (喜久)寛之助! (斉彬)寛之助。 309 00:26:22,822 --> 00:26:26,659 寛… ん? 父上…。 310 00:26:26,659 --> 00:26:33,766 しっかりせい。 お前は わしらの宝じゃ。 おい。 311 00:26:33,766 --> 00:26:37,103 (喜久)寛之助! 312 00:26:37,103 --> 00:26:43,776 <しかし その晩 寛之助は息を引き取りました> 313 00:26:43,776 --> 00:26:47,947 なぜ この子まで…。 314 00:26:47,947 --> 00:26:51,450 <斉彬は これまで➡ 315 00:26:51,450 --> 00:26:55,321 立て続けに3人の子どもを 亡くしています。➡ 316 00:26:55,321 --> 00:26:59,321 更に今 寛之助まで…> 317 00:27:01,460 --> 00:27:03,760 あったど! 318 00:27:08,334 --> 00:27:13,806 呪いじゃ。 寛之助様は 何者かに呪い殺されたんじゃ。 319 00:27:13,806 --> 00:27:19,106 殿様のお側女の仕業に違いなか。 お由羅様の…。 320 00:27:23,482 --> 00:27:30,356 <数日後 登城した吉之助は 上役に呼びつけられました> 321 00:27:30,356 --> 00:27:32,758 (井之上)吉野村で➡ 322 00:27:32,758 --> 00:27:36,929 夜逃げを手伝った役人が おっそうじゃ。 夜逃げ? 323 00:27:36,929 --> 00:27:39,431 男が2人で 荷車を押しちょったのを➡ 324 00:27:39,431 --> 00:27:43,769 見たっち訴えがあった。 一人は 丸か男で➡ 325 00:27:43,769 --> 00:27:49,108 もう一人は ほんのこて大きか 侍じゃったちゅうこっじゃ。 326 00:27:49,108 --> 00:27:52,444 荷車なら押しもした。 なんちな! 327 00:27:52,444 --> 00:27:55,347 夜逃げは重罪じゃっち おはんも知っちょっじゃろうが! 328 00:27:55,347 --> 00:27:58,117 無論 知っちょいもす。 そいを取り締まるべき役人が➡ 329 00:27:58,117 --> 00:28:00,953 手伝うち あるまじきこっじゃ! 夜逃げを手伝いなど➡ 330 00:28:00,953 --> 00:28:03,622 しちょいもはん。 病気の女の子を連れて➡ 331 00:28:03,622 --> 00:28:07,126 立往生しちょった一家を 家まで送り届けただけでごわす。 332 00:28:07,126 --> 00:28:10,462 家まで!? そいに夜ではなく朝でごわした。 333 00:28:10,462 --> 00:28:13,365 はあ!? (山元)え~い 手ぬるか! 334 00:28:13,365 --> 00:28:18,137 こん西郷ちゅう男は 調所様にも 刃向かったち聞いちょっ。 335 00:28:18,137 --> 00:28:21,040 走りの手伝いをしたに 決まっちょっどが!➡ 336 00:28:21,040 --> 00:28:25,477 おはんのような者は無用じゃ。 井之上。 (井之上)はっ。 337 00:28:25,477 --> 00:28:28,814 おはんも ただでは済まんど。 はは~! 338 00:28:28,814 --> 00:28:32,418 なんちゅう事を してくれたとじゃ! 吉之助さぁ! 339 00:28:32,418 --> 00:28:34,753 (山元)はっ 赤山様! 340 00:28:34,753 --> 00:28:38,624 山元 話は全て聞いた。 341 00:28:38,624 --> 00:28:43,429 こん件 おいに預からせてくいやい。 342 00:28:43,429 --> 00:28:45,429 はっ! 343 00:28:50,302 --> 00:28:52,438 (笑い声) 344 00:28:52,438 --> 00:28:55,341 (糸)そいは 正助さぁの 早とちりでございもしたなぁ。 345 00:28:55,341 --> 00:28:57,776 吉之助さぁなら 困っちょっ人を見たら➡ 346 00:28:57,776 --> 00:29:01,113 走りの手伝いでん やりかねんち 思いもして…。 347 00:29:01,113 --> 00:29:04,984 赤山先生 まことに ご迷惑かけもした。 348 00:29:04,984 --> 00:29:08,984 正助にしては 珍しか事もあるもんじゃ。 349 00:29:12,725 --> 00:29:18,297 先生 お願いがあいもす。 ないな? 350 00:29:18,297 --> 00:29:21,800 実方の半次郎の田畑を➡ 351 00:29:21,800 --> 00:29:25,671 先生のお力で 安堵して頂けもはんか? 352 00:29:25,671 --> 00:29:29,475 高奉行に掛け合って 半次郎に返せっち言うとか? 353 00:29:29,475 --> 00:29:33,078 はい。 お百姓の身売りや逃散は➡ 354 00:29:33,078 --> 00:29:35,981 我が藩の見過ごせん 大ごとでごわす。 じゃっどん➡ 355 00:29:35,981 --> 00:29:41,420 そいと同じぐらい 侍の貧窮ぶりも 大きか問題でごわす。 356 00:29:41,420 --> 00:29:45,291 お上からの僅かな禄だけじゃ 食うていけん侍は➡ 357 00:29:45,291 --> 00:29:49,295 刀を鍬に持ち替えて 田畑を切り開かんといけもはん。 358 00:29:49,295 --> 00:29:53,432 そん田畑まで取り上げられたら もう…➡ 359 00:29:53,432 --> 00:29:57,102 おいなら とてもじゃなかどん 生きていけもはん! 360 00:29:57,102 --> 00:30:00,439 じゃっどん 半次郎さぁの家の畑は➡ 361 00:30:00,439 --> 00:30:04,310 お父上が藩のお金を使い込んで 召し上げられたっち。 362 00:30:04,310 --> 00:30:08,113 そいも貧しさから起きた事じゃ! こんままじゃ➡ 363 00:30:08,113 --> 00:30:11,016 半次郎の父上のような者が 後を絶たん。 364 00:30:11,016 --> 00:30:13,986 どげん貧しかろうが 侍は逃げるこっもできん。 365 00:30:13,986 --> 00:30:18,123 半次郎は 貧しくても必死で生きちょっ。 366 00:30:18,123 --> 00:30:21,994 そげな侍としての誇りを 奪うようなやり方は➡ 367 00:30:21,994 --> 00:30:25,998 薩摩の大損じゃ! 368 00:30:25,998 --> 00:30:28,298 先生。 369 00:30:31,470 --> 00:30:35,140 分かった。 おいが なんとかしてみっで。 370 00:30:35,140 --> 00:30:38,811 先生! あいがとさげもす。 371 00:30:38,811 --> 00:30:43,682 先生 おいは どげな家に生まれた者も➡ 372 00:30:43,682 --> 00:30:47,486 みんなが たらふく飯が食える 世の中にせんといかんち➡ 373 00:30:47,486 --> 00:30:50,486 思っちょいもす。 374 00:30:53,359 --> 00:30:59,498 おはんら2人の思いは きっと あん御方にも伝わっちょ。 375 00:30:59,498 --> 00:31:02,198 お世継ぎ様にでごわすか? 376 00:31:04,370 --> 00:31:09,174 斉彬様が藩主になられる日も そう遠くはなかろう。 377 00:31:09,174 --> 00:31:12,511 そいは まことでごわすか? 378 00:31:12,511 --> 00:31:15,811 ああ 薩摩が変わっど。 379 00:31:18,384 --> 00:31:22,384 薩摩が 変わる…。 380 00:31:24,523 --> 00:31:27,523 変わる…。 381 00:31:33,132 --> 00:31:36,802 <この年の12月 阿部正弘は➡ 382 00:31:36,802 --> 00:31:41,473 江戸城に 調所広郷を呼びつけました> 383 00:31:41,473 --> 00:31:47,813 (阿部) 調所広郷 ここに書かれておる 異国との密貿易の事➡ 384 00:31:47,813 --> 00:31:52,151 更には琉球出兵についての偽り 全て相違ないな? 385 00:31:52,151 --> 00:31:55,054 (調所)相違ございもはん。 386 00:31:55,054 --> 00:32:00,492 では 主君 島津斉興には 追って何らかの沙汰があるゆえ➡ 387 00:32:00,492 --> 00:32:03,829 神妙にお受け致すように。 畏れながら➡ 388 00:32:03,829 --> 00:32:08,167 これらは我が主とは関わりなき事。 389 00:32:08,167 --> 00:32:14,039 密貿易は 手前一人が 仕組んだ事でございもす。 390 00:32:14,039 --> 00:32:17,843 バカを申すな! 密貿易はともかく➡ 391 00:32:17,843 --> 00:32:21,513 琉球出兵まで 己一人で できる訳がない。 392 00:32:21,513 --> 00:32:25,851 薩摩の勝手向きを➡ 393 00:32:25,851 --> 00:32:30,189 一切預かる某に➡ 394 00:32:30,189 --> 00:32:34,889 できん事などございもはん。 395 00:32:40,466 --> 00:32:46,338 あくまでも とぼけるなら 薩摩まで検分に出向くぞ。 396 00:32:46,338 --> 00:32:52,077 琉球にも検使を遣わすが そうなっては主の立場➡ 397 00:32:52,077 --> 00:32:57,015 面目はどうなる? それでもよいと申すか! 398 00:32:57,015 --> 00:33:05,691 一切の責めは こん調所広郷にあいもす。 399 00:33:05,691 --> 00:33:13,165 よって 我が主だけは お助け下さいもんせ。 400 00:33:13,165 --> 00:33:17,836 もうよい。 下がれ。 401 00:33:17,836 --> 00:33:20,836 阿部様。 402 00:33:23,509 --> 00:33:27,846 だいが仕組んだこっで ございもすか? 403 00:33:27,846 --> 00:33:33,118 (阿部)仕組んだとは? こんお咎めは➡ 404 00:33:33,118 --> 00:33:39,791 要は 斉興公を除く事が 目当てではございもはんか? 405 00:33:39,791 --> 00:33:47,491 そん名を聞くまで 某は死んでも死に切れもはん。 406 00:33:49,468 --> 00:33:53,805 そん者の名は…? 407 00:33:53,805 --> 00:33:56,105 (障子が開く音) 408 00:34:03,482 --> 00:34:06,818 やはり。 409 00:34:06,818 --> 00:34:10,155 許せ。 410 00:34:10,155 --> 00:34:16,455 薩摩も この日本国も 前に進まねばならんのだ。 411 00:34:22,501 --> 00:34:27,372 思いがけん所で お目にかかれて うれしゅうございもした。 412 00:34:27,372 --> 00:34:31,176 ハッ。 心にもない事を。 413 00:34:31,176 --> 00:34:33,876 調所。 414 00:34:35,781 --> 00:34:42,120 どうじゃ 今宵 一献傾けんか。 415 00:34:42,120 --> 00:34:44,790 は? 416 00:34:44,790 --> 00:34:49,661 わしを廃嫡せしめんとするは 専ら その方が首謀者という➡ 417 00:34:49,661 --> 00:34:55,434 噂があってな いささか疎遠になってしもうた。 418 00:34:55,434 --> 00:34:58,337 このまま終わりとうはない。 419 00:34:58,337 --> 00:35:04,337 これからの薩摩の事など 教えてほしい。 420 00:35:07,813 --> 00:35:16,513 残念ながら 今宵は ちと やぼ用がございもして。 421 00:35:18,156 --> 00:35:24,830 分かった。 それが終わるまで 酒の支度をして待つ。 422 00:35:24,830 --> 00:35:27,499 よいな? 423 00:35:27,499 --> 00:35:32,771 お世継ぎ様が お生まれになった日➡ 424 00:35:32,771 --> 00:35:38,443 我ら家臣一同 そいは喜んだもんでございもす。 425 00:35:38,443 --> 00:35:44,243 こいで薩摩は安泰じゃっち。 ハハハハ。 何だ? 急に。 426 00:35:45,951 --> 00:35:56,751 そん時に飲んだ酒のうまさを ふと思い出しもした。 427 00:36:08,140 --> 00:36:11,140 (斉彬)待っておる! 428 00:36:53,452 --> 00:36:58,323 <不正は全て 己の独断でした事であると➡ 429 00:36:58,323 --> 00:37:01,793 調所は全ての責任をかぶって➡ 430 00:37:01,793 --> 00:37:06,298 自ら毒をあおったのです> 431 00:37:06,298 --> 00:37:13,498 (うめき声) 432 00:37:17,809 --> 00:37:21,809 殿 お先に。 433 00:37:24,483 --> 00:37:27,183 待つ。 434 00:37:34,760 --> 00:37:40,632 ≪殿! 調所広郷殿 自害されもした。 435 00:37:40,632 --> 00:38:11,463 ♬~ 436 00:38:11,463 --> 00:38:15,333 死なせとうはなかった。 437 00:38:15,333 --> 00:38:31,333 ♬~ 438 00:38:35,086 --> 00:38:37,989 (久光)父上! 439 00:38:37,989 --> 00:38:41,426 調所が死んだちゅうとは ほんのこっでございもすか!? 440 00:38:41,426 --> 00:38:45,764 死んだのではない。 殺されたんですよ! 441 00:38:45,764 --> 00:38:49,634 殺された!? だいにでございもすか! 442 00:38:49,634 --> 00:38:54,773 斉彬が幕府の力を借りて 調所を追い詰めたとじゃ! 443 00:38:54,773 --> 00:38:59,110 (由羅)あなたの兄上は そういう御方です。➡ 444 00:38:59,110 --> 00:39:02,447 あなたが ご名代に選ばれたのを 根に持って➡ 445 00:39:02,447 --> 00:39:04,783 いよいよ本性を出したまで。 446 00:39:04,783 --> 00:39:08,453 (斉興)家中には 斉彬を 担ごうちする不忠の者どもが➡ 447 00:39:08,453 --> 00:39:14,326 目に余っど! その上 斉彬殿のお子を➡ 448 00:39:14,326 --> 00:39:19,097 私が呪い殺しているとまで言う やからがいるのです。 449 00:39:19,097 --> 00:39:24,803 (斉興)何じゃち? 実は おいも聞き及んじょいもす。 450 00:39:24,803 --> 00:39:29,674 あらぬ疑いをかけられて➡ 451 00:39:29,674 --> 00:39:38,750 いつか私は あの者どもに斬られて 死ぬと思うと…! 452 00:39:38,750 --> 00:39:41,653 (泣き声) 453 00:39:41,653 --> 00:39:48,653 母上! 母上は こんおいが お守り致しもす。 454 00:39:50,362 --> 00:39:55,300 根こそぎ そん者どもを処罰すっとじゃ! 455 00:39:55,300 --> 00:39:58,770 <斉彬派と思われる者たちが➡ 456 00:39:58,770 --> 00:40:03,108 次々と処罰されていきました。➡ 457 00:40:03,108 --> 00:40:06,011 切腹 島流しなど➡ 458 00:40:06,011 --> 00:40:10,711 総勢50名に上りました。 世に言う…> 459 00:40:14,119 --> 00:40:17,022 お由羅様の暗殺を たくらんだっちゅうて➡ 460 00:40:17,022 --> 00:40:20,992 密告した者がおっそうじゃ。 じゃっで 殿が激怒されて➡ 461 00:40:20,992 --> 00:40:23,461 鉄鎚を下されたんじゃな。 462 00:40:23,461 --> 00:40:25,761 (大山)なんちな! 463 00:40:31,336 --> 00:40:37,336 ないごて こげなひどかこつに なったとじゃ…。 464 00:40:41,012 --> 00:40:44,149 お由羅の暗殺を たくらんだちゅうて➡ 465 00:40:44,149 --> 00:40:47,052 密告した者がおって 激怒した殿様が➡ 466 00:40:47,052 --> 00:40:50,021 鉄鎚を下されたそうじゃ。 467 00:40:50,021 --> 00:40:53,158 (有馬) お由羅を殺さんにゃいかんち➡ 468 00:40:53,158 --> 00:40:55,827 おいたちも 半分ざれ言で 言うちょったが。 469 00:40:55,827 --> 00:40:59,164 (新八)こいからは うかつな口はきけんど。 470 00:40:59,164 --> 00:41:03,835 じゃっどん 家中の大切な方々が こげん亡くなっていっとは➡ 471 00:41:03,835 --> 00:41:07,706 許せん! (大声で)あん腹黒か妾のせいで! 472 00:41:07,706 --> 00:41:10,508 シッ! 有馬さぁ。 473 00:41:10,508 --> 00:41:16,181 ざれ言を口にしただけで 死を 賜った方々も たくさんおらるっ。 474 00:41:16,181 --> 00:41:19,851 兄さぁたち こげんして集まって こそこそ話しちょって➡ 475 00:41:19,851 --> 00:41:23,151 お役人に怪しまれはしもはんか? 476 00:41:25,523 --> 00:41:29,223 ≪(熊吉)旦那様 おやっとさあでございもす。 477 00:41:31,329 --> 00:41:35,029 父上 お帰りなさいもんせ。 お帰りなさいもんせ。 478 00:41:40,472 --> 00:41:42,807 父上? 479 00:41:42,807 --> 00:41:47,479 父上! ないかあったとで ございもすか? 480 00:41:47,479 --> 00:41:50,382 お戻りなさいもんせ。 481 00:41:50,382 --> 00:41:55,820 (きみ)どげんした? 銭でん落としたような顔して。➡ 482 00:41:55,820 --> 00:42:01,120 まあ 落とすほどの金も 持っちょらんどなぁ。 483 00:42:07,432 --> 00:42:12,132 父上 ないがあったとでごわすか? 484 00:42:21,846 --> 00:42:26,546 おはんら よう聞け! 485 00:42:29,187 --> 00:42:32,791 赤山様にな…➡ 486 00:42:32,791 --> 00:42:36,791 切腹の御沙汰が下った。 487 00:42:52,811 --> 00:42:58,483 <赤山靱負 薩摩の未来を担うべき➡ 488 00:42:58,483 --> 00:43:04,155 尊い命の火が 消えようとしています。➡ 489 00:43:04,155 --> 00:43:08,455 今宵は ここらでよかろかい> 490 00:43:11,496 --> 00:43:16,167 斉彬様 いつまで待てば よろしかとでございもすか。 491 00:43:16,167 --> 00:43:19,070 ないを ためらっておいでで ございもすか!? 492 00:43:19,070 --> 00:43:22,040 ないから逃げていらっしゃっとで ございもすか! 493 00:43:22,040 --> 00:43:25,176 こん窮状から 薩摩を救って下さっ御方は➡ 494 00:43:25,176 --> 00:43:27,512 あなた様のほかにおいもはん。 495 00:43:27,512 --> 00:43:31,312 これは 父上と私の 最後の戦です。 496 00:43:36,321 --> 00:43:40,458 薩摩半島の南端にある山川港は➡ 497 00:43:40,458 --> 00:43:46,158 鎖国の中 密貿易の窓口となり 財政を支えました。 498 00:43:47,799 --> 00:43:50,702 町なかで よく見かける石敢當は➡ 499 00:43:50,702 --> 00:43:53,671 中国発祥の魔よけ。 500 00:43:53,671 --> 00:43:58,810 かつて この港が 日本の南の玄関口として➡ 501 00:43:58,810 --> 00:44:03,148 海外に通じていた歴史を 物語っています。 502 00:44:03,148 --> 00:44:09,821 財政の立て直しを命じられた 調所広郷は 幕府の目を逃れ➡ 503 00:44:09,821 --> 00:44:15,160 琉球や清国との貿易を 拡大しました。 504 00:44:15,160 --> 00:44:20,031 地元の豪商に船を造らせ 幕府禁制の品々を積み➡ 505 00:44:20,031 --> 00:44:24,836 蝦夷地にまで 交易圏を広げたのです。 506 00:44:24,836 --> 00:44:28,836 1, 200年以上の歴史を持つ… 507 00:44:35,446 --> 00:44:39,784 指宿は 薩摩藩にとって 重要な存在だった事が➡ 508 00:44:39,784 --> 00:44:42,484 うかがわれます。 509 00:44:46,124 --> 00:44:50,995 調所によって黒字へと転じた 薩摩藩の財力は➡ 510 00:44:50,995 --> 00:44:56,295 近代化や明治維新の 原動力となったのです。 511 00:45:35,139 --> 00:45:38,042 (お花)いいお芝居でございました。 ねえ 奥様。 512 00:45:38,042 --> 00:45:40,945 (雪絵)途中で おねむに なられるのではないかと➡ 513 00:45:40,945 --> 00:45:43,314 案じましたわ。 まさか。 514 00:45:43,314 --> 00:45:46,217 次は 2人で来るとしようか。 515 00:45:46,217 --> 00:45:48,820 はい。 516 00:45:48,820 --> 00:45:51,489 まあ。 517 00:45:51,489 --> 00:45:55,326 どいた どいた~! 518 00:45:55,326 --> 00:45:57,326 危ない!