1 00:00:35,620 --> 00:00:38,423 (吉之助)行ってくっで~っ! 2 00:00:38,423 --> 00:00:44,763 <薩摩を発った吉之助は 島津斉彬公ご出府のお供で➡ 3 00:00:44,763 --> 00:00:48,433 江戸へ向かいました。➡ 4 00:00:48,433 --> 00:00:52,304 斉彬の近くで働けるだけで➡ 5 00:00:52,304 --> 00:00:57,604 吉之助は 夢を見ているような 気持ちでした> 6 00:00:59,778 --> 00:01:02,113 おい 控えよ。 7 00:01:02,113 --> 00:01:16,461 ♬~ 8 00:01:16,461 --> 00:01:19,161 (斉彬)野田。 はっ。 9 00:01:22,133 --> 00:01:25,804 お発~ち~。 10 00:01:25,804 --> 00:01:31,142 <薩摩を発って 45日。 通常よりも6日間も早く➡ 11 00:01:31,142 --> 00:01:34,412 一行は 江戸に到着しました。➡ 12 00:01:34,412 --> 00:01:38,750 吉之助の 江戸での新しい生活の 幕開けです。➡ 13 00:01:38,750 --> 00:01:43,421 西郷どん チェスト! 気張れ!> 14 00:01:43,421 --> 00:02:01,606 ♬~ 15 00:02:01,606 --> 00:02:05,277 ♬~ 16 00:02:05,277 --> 00:02:54,426 ♬~ 17 00:02:54,426 --> 00:03:10,775 ♬~ 18 00:03:10,775 --> 00:04:30,475 ♬~ 19 00:04:40,732 --> 00:04:46,071 (迫田友之進)中御小姓組 組頭 迫田友之進じゃ。 20 00:04:46,071 --> 00:04:48,406 1番から順に名乗れ。 21 00:04:48,406 --> 00:04:50,742 (能勢慎太郎)はっ! 22 00:04:50,742 --> 00:04:56,414 1番 能勢慎太郎でございもす。 以後 お見知りおきを お願い…。 23 00:04:56,414 --> 00:04:59,317 (迫田)聞いちょらん事を申すな! (能勢)はっ! 24 00:04:59,317 --> 00:05:01,753 (迫田)次! 25 00:05:01,753 --> 00:05:06,424 <江戸 芝にある薩摩藩上屋敷。➡ 26 00:05:06,424 --> 00:05:10,762 藩主 斉彬と その家族を筆頭に➡ 27 00:05:10,762 --> 00:05:16,434 1, 000人以上の藩士が ここに住み込んで働いています> 28 00:05:16,434 --> 00:05:18,770 (迫田)次! 29 00:05:18,770 --> 00:05:22,440 38番 西郷吉之助でございもす! 30 00:05:22,440 --> 00:05:25,777 おはんが西郷か? 31 00:05:25,777 --> 00:05:27,712 はっ! 32 00:05:27,712 --> 00:05:31,449 おはんの名は聞いちょっど。 33 00:05:31,449 --> 00:05:37,722 先の御前相撲で勝ち 殿の覚え めでたか者じゃち聞いちょっ。 34 00:05:37,722 --> 00:05:42,060 そいは あいがたき幸せにございもす。 35 00:05:42,060 --> 00:05:46,397 おいは こん命を懸けて➡ 36 00:05:46,397 --> 00:05:49,734 お殿様のお側に お仕え致す覚悟でございもす! 37 00:05:49,734 --> 00:05:52,070 愚か者めが! 38 00:05:52,070 --> 00:05:55,406 殿のお側などち軽々しく申すな! 39 00:05:55,406 --> 00:05:58,743 殿のお側に侍する事はもちろん➡ 40 00:05:58,743 --> 00:06:03,081 殿のお目に触れるのも 許さるっこつではなか! 41 00:06:03,081 --> 00:06:07,418 わいは 今日から ただの38番じゃ。 42 00:06:07,418 --> 00:06:09,454 はっ…。 43 00:06:09,454 --> 00:06:15,454 今 我らは ろくでもなか噂を立てられちょっ。 44 00:06:22,433 --> 00:06:28,106 <これは 近所の品川宿で 専らうたわれた ざれ歌です。➡ 45 00:06:28,106 --> 00:06:31,976 女郎を一晩中寝かさない 薩摩侍。➡ 46 00:06:31,976 --> 00:06:36,915 その割に金の払いは ひどく悪い というものでした> 47 00:06:36,915 --> 00:06:41,653 我が藩は 酒癖 女癖の悪か藩として➡ 48 00:06:41,653 --> 00:06:45,390 悪名がとどろいちょっ! 49 00:06:45,390 --> 00:06:49,727 わいたちのこっじゃ! (一同)はっ! 50 00:06:49,727 --> 00:06:53,064 一つ 門限は暮れ六つ! 51 00:06:53,064 --> 00:06:57,402 門限破りは 厳しく処罰すっ。 (一同)はっ! 52 00:06:57,402 --> 00:07:00,305 <薩摩藩の江戸藩邸規律は➡ 53 00:07:00,305 --> 00:07:04,605 まことに 厳しいものでございました> 54 00:07:06,411 --> 00:07:11,111 南長屋 38番 入りもす。 よし 入れ。 55 00:07:22,427 --> 00:07:24,727 おやっとさあ。 56 00:07:42,714 --> 00:07:47,014 <ここが 吉之助が暮らす部屋です> 57 00:07:52,056 --> 00:07:54,392 よいしょ。 58 00:07:54,392 --> 00:07:57,729 はぁ~ ハハッ。 59 00:07:57,729 --> 00:08:00,029 ああ…。 60 00:08:02,066 --> 00:08:04,736 (大山)待っちょったど! 待っちょったど! 61 00:08:04,736 --> 00:08:07,405 (俊斎)吉之助さぁ! 62 00:08:07,405 --> 00:08:11,276 大山さぁ! 俊斎どん! (笑い声) 63 00:08:11,276 --> 00:08:16,414 吉之助さぁ! ここは おいの部屋じゃ。 64 00:08:16,414 --> 00:08:19,751 ほいなら おいと俊斎どんは 同じ部屋か! 65 00:08:19,751 --> 00:08:22,654 そうじゃ! おいは こん下の部屋じゃ。 66 00:08:22,654 --> 00:08:25,623 ほんのこっでごわすか! じゃ じゃ。 67 00:08:25,623 --> 00:08:29,761 吉之助は 何も変わっちょらんのう! 68 00:08:29,761 --> 00:08:34,032 2人とも どことなく あか抜けたような。 69 00:08:34,032 --> 00:08:36,701 そうでしょうとも そうでしょうとも! 70 00:08:36,701 --> 00:08:40,038 しゃべり方まで すっかい江戸者のようじゃ! 71 00:08:40,038 --> 00:08:43,374 俊斎! そうですか。 下手な江戸言葉は➡ 72 00:08:43,374 --> 00:08:46,277 いっきボロが出っだけじゃ。 おいたちは所詮➡ 73 00:08:46,277 --> 00:08:50,048 薩摩の田舎侍じゃっでな。 何をおっしゃいますか。 74 00:08:50,048 --> 00:08:54,385 私は この江戸で随分…。 いい加減にせい! 気色悪かっ。 75 00:08:54,385 --> 00:08:56,685 痛かっ! ムズムズすっが! 76 00:08:59,257 --> 00:09:02,727 2人とも よろしく頼みもす。 77 00:09:02,727 --> 00:09:06,064 江戸んこつ いろいろ教えてくいやんせ。 78 00:09:06,064 --> 00:09:08,399 おう。 分かいもした。 79 00:09:08,399 --> 00:09:11,399 久しぶりじゃのう! 80 00:09:18,743 --> 00:09:24,082 (阿部)薩摩守 江戸到着早々の登城 大儀である。 (斉彬)いやいや➡ 81 00:09:24,082 --> 00:09:27,418 いつ何時 何が起こるやもしれぬ このご時世➡ 82 00:09:27,418 --> 00:09:30,321 屋敷で のんびり茶など 飲んではおられませぬ。 83 00:09:30,321 --> 00:09:33,224 それは なんとも心強い。 で…? 84 00:09:33,224 --> 00:09:37,028 去る2月 横浜に再び➡ 85 00:09:37,028 --> 00:09:40,698 ペルリ率いるメリケンの黒船が現れた事は 既に…? 86 00:09:40,698 --> 00:09:44,869 聞き及んでおります。 蒸気船のための水 食料 薪➡ 87 00:09:44,869 --> 00:09:50,208 石炭の求めに応じ 幕府は 下田 箱館の2港を開かれたと。 88 00:09:50,208 --> 00:09:55,046 水戸の斉昭公は 昨年同様 断固 打ち払いを唱えられた。 89 00:09:55,046 --> 00:09:59,384 夷敵など 追い払えばよろしい! 90 00:09:59,384 --> 00:10:05,256 そのために我が藩は 武器 弾薬を調えておる。 91 00:10:05,256 --> 00:10:09,394 水戸様…。 何だ? 92 00:10:09,394 --> 00:10:13,231 もし まこと戦になれば 勝てますかな? 93 00:10:13,231 --> 00:10:16,067 その男の名は? 94 00:10:16,067 --> 00:10:19,937 彦根藩主 井伊掃部頭直弼。 95 00:10:19,937 --> 00:10:22,940 (斉昭)何が言いたい!? 96 00:10:22,940 --> 00:10:27,078 戦うのは 水戸様だけではございません。 97 00:10:27,078 --> 00:10:29,981 ここに集う者 皆でございます。 98 00:10:29,981 --> 00:10:34,419 勝てる証しがないならば 開国を受け入れる。 99 00:10:34,419 --> 00:10:40,091 天下万民を守るためには それしかございません。 100 00:10:40,091 --> 00:10:44,762 上様 いかがでございましょう? 101 00:10:44,762 --> 00:11:01,312 ♬~ 102 00:11:01,312 --> 00:11:07,018 そのまま評議は 一気に開国に傾いてしまったのだ。 103 00:11:07,018 --> 00:11:09,787 勝てる見込みが ないからといって➡ 104 00:11:09,787 --> 00:11:13,458 何の策もなく国を開くは 愚の骨頂! 105 00:11:13,458 --> 00:11:17,328 とにかく回答を引き延ばすべし。 106 00:11:17,328 --> 00:11:20,798 海上の防衛を整えるには なお 3年はかかるかと。 107 00:11:20,798 --> 00:11:22,834 分かっておる! 108 00:11:22,834 --> 00:11:28,673 このままでは エゲレスにのみ込まれた 清国の二の舞になるは必定かと。 109 00:11:28,673 --> 00:11:33,744 ああ。 しかし 上様が あのご様子では…。 110 00:11:33,744 --> 00:11:37,415 未曽有の国難が迫る今➡ 111 00:11:37,415 --> 00:11:41,285 将軍の座には 英邁なる御方におつき頂き➡ 112 00:11:41,285 --> 00:11:48,059 更には 政そのものを 改めねばなりませぬな。 113 00:11:48,059 --> 00:11:50,428 薩摩守! 114 00:11:50,428 --> 00:11:55,428 急がねばなりませぬ… 例の件。 115 00:11:57,101 --> 00:12:00,771 <吉之助より先に 江戸に来ていた篤姫は➡ 116 00:12:00,771 --> 00:12:06,644 斉彬の嫡男 虎寿丸と 仲むつまじく過ごしていました> 117 00:12:06,644 --> 00:12:10,114 (喜久)まことの姉と弟のようじゃ。 118 00:12:10,114 --> 00:12:15,786 お殿様が ご覧になったら さぞ お喜びになる事でしょう。 119 00:12:15,786 --> 00:12:20,124 (虎寿丸)お母上 虎は お父上に会いとうございます。 120 00:12:20,124 --> 00:12:24,462 お殿様は江戸に来られて ますます お忙しいのですよ。 121 00:12:24,462 --> 00:12:29,133 (篤姫)黒船がやって来て 今も江戸は大騒ぎだとか。 122 00:12:29,133 --> 00:12:33,404 そのように聞いておりますが。 義姉上 次は相撲しましょう! 123 00:12:33,404 --> 00:12:36,741 虎寿丸様 なりませぬよ。 124 00:12:36,741 --> 00:12:39,041 よかよか。 125 00:12:41,612 --> 00:12:47,385 そうじゃ! 私より ずっと強か相手がおいもす。 126 00:12:47,385 --> 00:12:49,685 のこった のこった! のこった! 127 00:12:51,289 --> 00:12:55,589 恐らく こん藩邸のどこかに…。 128 00:12:57,428 --> 00:13:00,765 あっ お父上! (斉彬)おお 虎。 129 00:13:00,765 --> 00:13:03,434 (喜久)お帰りなさいませ。 (篤姫)お帰りなさいませ。 130 00:13:03,434 --> 00:13:06,103 (虎寿丸)お帰りなさいませ! うん。 131 00:13:06,103 --> 00:13:11,442 お父上様 あの男は 江戸に来ておいもすか? あの男? 132 00:13:11,442 --> 00:13:14,111 西郷吉之助でございもす。 133 00:13:14,111 --> 00:13:17,014 ああ 来ておる。 134 00:13:17,014 --> 00:13:19,283 やはり! 135 00:13:19,283 --> 00:13:23,154 お父上様が西郷を薩摩に とどまらせておく訳はなかと➡ 136 00:13:23,154 --> 00:13:26,791 思っておいもした。 今 どこに? 137 00:13:26,791 --> 00:13:32,091 西郷には どのようなお役目を!? 篤 落ち着け。 138 00:13:34,599 --> 00:13:37,735 これは 申し訳ございもはん。 139 00:13:37,735 --> 00:13:40,071 西郷とは誰ですか? 140 00:13:40,071 --> 00:13:46,744 西郷吉之助は こんなにふとくて まっこて相撲が強か男じゃ。 141 00:13:46,744 --> 00:13:49,647 その男 虎がやっつけます! 142 00:13:49,647 --> 00:13:53,647 では 私が稽古をつけもんそ! 143 00:13:58,756 --> 00:14:01,425 ≪(虎寿丸)いけ! あ…。 144 00:14:01,425 --> 00:14:04,095 虎寿丸様 まだまだ! 145 00:14:04,095 --> 00:14:07,965 あんな 明るくて まっすぐな薩摩娘に➡ 146 00:14:07,965 --> 00:14:11,969 徳川の御台所が務まるのかのう…。 147 00:14:11,969 --> 00:14:15,106 (山田) 畏れながら 今の篤姫様では…。 148 00:14:15,106 --> 00:14:18,009 相当な時をかけて 学問や諸芸を➡ 149 00:14:18,009 --> 00:14:23,614 お仕込み申し上げねば なりませぬな。 そんな時はない。 150 00:14:23,614 --> 00:14:31,414 <一方 大山と俊斎に 町へ連れ出された吉之助は…> 151 00:14:33,724 --> 00:14:36,724 おっ…。 どこへ行っとか? 152 00:14:38,596 --> 00:14:43,401 今日は 吉之助さぁの江戸入りを パ~ッと祝いもんそ! 153 00:14:43,401 --> 00:14:46,304 んにゃんにゃ 遊ぶ金なんど おいにはあいもはん。 154 00:14:46,304 --> 00:14:48,739 (大山)よかよか! おいたちに任せんか。 155 00:14:48,739 --> 00:14:51,776 任せられんち。 何を先走っちょっとか。 156 00:14:51,776 --> 00:14:55,513 え? 興奮しちょ? 飯を食うだけじゃ。 157 00:14:55,513 --> 00:14:59,083 そいでも金はかかっ。 おごってやっで。 158 00:14:59,083 --> 00:15:01,752 じゃ じゃ! はいはい。➡ 159 00:15:01,752 --> 00:15:04,088 ほれ はよはよ! 160 00:15:04,088 --> 00:15:07,425 (手をたたく音) 3名様 ご案内だよ! 161 00:15:07,425 --> 00:15:10,761 吉之助さぁ ここで足を拭かんと。 分かっちょっ。 162 00:15:10,761 --> 00:15:13,431 (大山)吉之助 はよせんか!➡ 163 00:15:13,431 --> 00:15:15,731 いつもの部屋で。 164 00:15:18,102 --> 00:15:21,772 にぎやかじゃのう。 (俊斎)会津 長州 土佐。➡ 165 00:15:21,772 --> 00:15:26,110 近くの藩邸から それぞれ 仕事が終わっと集まってきもんで。 166 00:15:26,110 --> 00:15:29,013 まあ 男は どこも 男っちゅうこっじゃな。 167 00:15:29,013 --> 00:15:31,449 え? まあまあ まあまあ! 168 00:15:31,449 --> 00:15:33,718 まあまあ まあまあ! 169 00:15:33,718 --> 00:15:45,730 ♬~ 170 00:15:45,730 --> 00:15:48,430 ≪ごめんくださいまし。 171 00:15:51,602 --> 00:15:55,406 ようおいでねんした。 おタマさぁ 来たど! 172 00:15:55,406 --> 00:15:58,309 いらっしゃいまし。 173 00:15:58,309 --> 00:16:00,745 (カネ)いらっしゃ~い! ようおいでねんした。 174 00:16:00,745 --> 00:16:03,080 ないな こん店は!? 175 00:16:03,080 --> 00:16:05,416 ここは 酒や食事を楽しむ店じゃっどん➡ 176 00:16:05,416 --> 00:16:08,753 こげんして女子衆が寄り添って 給仕をしてくるっとじゃ。 177 00:16:08,753 --> 00:16:13,090 女子に酌されて飲む酒は 格別でごわす。 だましたとな! 178 00:16:13,090 --> 00:16:16,427 (笑い声) おタマさぁ こん男に ついでやってくいやい。 179 00:16:16,427 --> 00:16:20,097 はい。 小玉と申します。 (せきばらい) 180 00:16:20,097 --> 00:16:23,968 金鶴と申します~! さあさ どうぞ どうぞ。 181 00:16:23,968 --> 00:16:26,971 んにゃ おいは こげん酒は飲めもはん。 182 00:16:26,971 --> 00:16:30,741 吉之助 やぼは言うな。 じゃ じゃ。 183 00:16:30,741 --> 00:16:36,380 大山さぁ! 俊斎どん おいは 正助どんや弟たちが➡ 184 00:16:36,380 --> 00:16:39,049 必死に かき集めてくれた金で➡ 185 00:16:39,049 --> 00:16:41,952 殿に ご奉公すっために 江戸に来たとじゃ。 186 00:16:41,952 --> 00:16:44,722 女子から酒をついでもらうために 来たとじゃなか! 187 00:16:44,722 --> 00:16:46,657 そいは分かっちょ。 じゃっどん…。 188 00:16:46,657 --> 00:16:49,593 すんもはん 帰らせてもらいもす。 189 00:16:49,593 --> 00:16:52,596 吉之助さぁ ひとまず座ってくいやんせ! 190 00:16:52,596 --> 00:16:56,066 おいは帰る! (俊斎)いや… あ~。 ないな!? 191 00:16:56,066 --> 00:16:59,403 うわっ あ… ああっ こ… こいは すんもはん! 192 00:16:59,403 --> 00:17:03,741 大丈夫でごわすか? お侍さん 薩摩のお人? 193 00:17:03,741 --> 00:17:07,411 そうじゃが。 あ~っ。 194 00:17:07,411 --> 00:17:10,080 間違えたら ごめんなさい。 195 00:17:10,080 --> 00:17:14,752 お侍さん 西郷吉之助様では ございませんか? 196 00:17:14,752 --> 00:17:18,622 はぁ… おはんは? 197 00:17:18,622 --> 00:17:23,427 ふきです! 迫村のふきです! 198 00:17:23,427 --> 00:17:26,330 え…! 199 00:17:26,330 --> 00:17:30,768 えっ あんふきどんか? 200 00:17:30,768 --> 00:17:37,268 [ 回想 ] 立派なお侍さぁに会えて うれしゅうございもした。 201 00:17:40,578 --> 00:17:42,713 ないな 知り合いか? 202 00:17:42,713 --> 00:17:47,384 何ちゅうか 見違えたのう。 203 00:17:47,384 --> 00:17:51,684 そんなに見られては きまりが悪いです。 204 00:18:00,931 --> 00:18:06,737 あれから海を渡って 下関の旅籠に 奉公に出されたんです。 205 00:18:06,737 --> 00:18:10,074 そこから また売られて京都へ。 206 00:18:10,074 --> 00:18:14,745 またまた流れて流れて そして とうとう江戸までやって来ました。 207 00:18:14,745 --> 00:18:18,616 そげんじゃったか 苦労したのう。 208 00:18:18,616 --> 00:18:23,087 ないも~ 苦労ち思っちょいもはん! 209 00:18:23,087 --> 00:18:26,957 急に芋くさくなった! わっぜよかね~! 210 00:18:26,957 --> 00:18:33,697 薩摩で おとうや おかあや 弟と別れた時のつらさを思えば➡ 211 00:18:33,697 --> 00:18:38,035 ないでん耐えられもす。 ほうか…。 212 00:18:38,035 --> 00:18:40,938 そいに やっと こん品川で➡ 213 00:18:40,938 --> 00:18:44,909 私を身請けしてくるっかもしれん お客さぁと出会ったとです。 214 00:18:44,909 --> 00:18:47,209 そいは ほんのこっか。 215 00:18:49,647 --> 00:18:55,052 西郷さぁ おとうたちは どげんしちょいもすか? 216 00:18:55,052 --> 00:19:00,352 迫村で元気に暮らしちょっど。 おかあも? 217 00:19:01,926 --> 00:19:07,064 母上さぁは しばらく養生しちょったどん…。 218 00:19:07,064 --> 00:19:10,734 最後の最後まで ふきどんに感謝しちょった。 219 00:19:10,734 --> 00:19:13,637 「ふきのおかげで お医者様にもかかれて➡ 220 00:19:13,637 --> 00:19:17,337 薩摩一の孝行娘じゃ」ちゅうて。 221 00:19:20,077 --> 00:19:23,077 おかあ…。 222 00:19:25,416 --> 00:19:28,085 ≪ごめんなさいまし。➡ 223 00:19:28,085 --> 00:19:30,754 およし ちょっといいかい。 はい。 224 00:19:30,754 --> 00:19:33,023 およし? 225 00:19:33,023 --> 00:19:35,693 ここでは そう呼ばれちょいもす。 226 00:19:35,693 --> 00:19:38,596 ごひいきのヒー様が おいでだよ。 227 00:19:38,596 --> 00:19:43,033 えっ ヒー様! ねえ わっちも お会いしたい! 228 00:19:43,033 --> 00:19:45,703 わっちも ご挨拶 致しとうございます! 待て待て! 229 00:19:45,703 --> 00:19:48,038 ハー様かヒー様か知らんが ここは どげんすっとな!? 230 00:19:48,038 --> 00:19:50,374 おいたちは客じゃっど! 231 00:19:50,374 --> 00:19:53,711 そいなら みんなで ヒー様の所へ行きもんそ。 232 00:19:53,711 --> 00:19:56,380 (タマ カネ)キャ~! おいは…。 233 00:19:56,380 --> 00:19:58,680 ふきどん。 234 00:20:01,719 --> 00:20:04,622 よし 出来たぞ。 235 00:20:04,622 --> 00:20:06,590 ほれ。 236 00:20:06,590 --> 00:20:10,060 ヒー様 わっち こんなにきれい? 237 00:20:10,060 --> 00:20:13,397 ハハハハハ。 わっちも! 次は わっちを描いて。 238 00:20:13,397 --> 00:20:16,233 え~。 私も! わっちよ! 239 00:20:16,233 --> 00:20:18,569 私! ヒー様 わっちを描いて。 240 00:20:18,569 --> 00:20:23,741 ヒー様 いらっしゃいまし。 およし ようやく来たか。 241 00:20:23,741 --> 00:20:28,612 (ふき)ヒー様 わっちにも1枚描いて。 いいぞ。 242 00:20:28,612 --> 00:20:31,615 じゃあ みんなは下がってよい。 (3人)え~。 243 00:20:31,615 --> 00:20:35,085 暇潰し ありがとな。 (3人)ずるい~。 244 00:20:35,085 --> 00:20:37,785 ほら 下がれ下がれ。 245 00:20:43,427 --> 00:20:45,763 よ~し。 246 00:20:45,763 --> 00:20:49,633 わっちじゃなくて…➡ 247 00:20:49,633 --> 00:20:54,104 このお侍さんを描いて下さいな。 248 00:20:54,104 --> 00:20:59,443 ん? でかい男だなあ…。 249 00:20:59,443 --> 00:21:03,313 俺は 男は描きたくねえ。 250 00:21:03,313 --> 00:21:07,117 そんな事 言わないで 描いて下さいよ。 251 00:21:07,117 --> 00:21:09,787 くにの おとうに 西郷様に会った事を➡ 252 00:21:09,787 --> 00:21:13,457 知らせたいんです。 おとうは 字は読めないけど➡ 253 00:21:13,457 --> 00:21:15,793 絵なら分かるでしょう。 254 00:21:15,793 --> 00:21:18,128 あんたは およしの何だい? 255 00:21:18,128 --> 00:21:22,800 はぁ 薩摩で ちいっと知り合いでごわした。 256 00:21:22,800 --> 00:21:28,100 ふ~ん 薩摩でねえ…。 257 00:21:39,283 --> 00:21:44,755 あんた つかみやすい人相だから 描きやすいな。 ハハハハッ。 258 00:21:44,755 --> 00:21:47,055 どれどれ。 259 00:21:50,627 --> 00:21:53,764 ほら 出来たぞ。➡ 260 00:21:53,764 --> 00:21:57,434 ハハハハハ。 何 これ…! 261 00:21:57,434 --> 00:22:00,337 ヒー様 ひどうございます! (笑い声) 262 00:22:00,337 --> 00:22:04,308 ほんのこて絵がうまかのう! (俊斎)似ちょ 似ちょ! 263 00:22:04,308 --> 00:22:09,046 おいは 牛でごわすか。 相撲は牛のように強かど。 264 00:22:09,046 --> 00:22:10,981 (笑い声) 265 00:22:10,981 --> 00:22:16,453 およし お前は貧乏が嫌いだろ。➡ 266 00:22:16,453 --> 00:22:21,792 俺が見る限り こいつは一生貧乏で終わるぞ。 267 00:22:21,792 --> 00:22:24,792 何で分かるんですか? 268 00:22:27,131 --> 00:22:29,800 あの目だ。➡ 269 00:22:29,800 --> 00:22:34,800 あいつは 嘘のつけない目をしておる。 270 00:22:40,077 --> 00:22:46,377 じゃあ ヒー様がお金持ちなのは 嘘がつけるからですか? 271 00:22:49,086 --> 00:22:51,421 ハハハッ。 272 00:22:51,421 --> 00:22:55,092 いいから およしは俺にしておけ。 273 00:22:55,092 --> 00:23:01,431 見つけたぞ おタマ! (悲鳴) 274 00:23:01,431 --> 00:23:04,334 ないな おはんらは!? (悲鳴) 275 00:23:04,334 --> 00:23:08,305 おタマさぁに ないをすっとか! キャ~! ヒー様 助けて。 276 00:23:08,305 --> 00:23:12,776 おタマさぁ…。 おタマ わしらの相手をしないなら➡ 277 00:23:12,776 --> 00:23:17,648 今まで払った金 返せ。 さあ 返せ。 (銭を投げる音) 278 00:23:17,648 --> 00:23:21,451 これでいいだろ。 とっとと帰れ。 279 00:23:21,451 --> 00:23:24,354 この野郎! (悲鳴) 280 00:23:24,354 --> 00:23:26,790 貴様… あ~っ! 281 00:23:26,790 --> 00:23:29,293 あっ ヒー様。 282 00:23:29,293 --> 00:23:31,728 おい。 えっ? 283 00:23:31,728 --> 00:23:35,028 お前 強いんだろ? え~っ!? 284 00:23:37,401 --> 00:23:41,071 乱暴はやめんか。 な! 女子をいじめんな。 285 00:23:41,071 --> 00:23:48,745 おいたちは薩摩隼人じゃっど。 何だ 薩摩の芋どもか。 286 00:23:48,745 --> 00:23:50,681 (笑い声) 287 00:23:50,681 --> 00:23:55,085 芋とは 何じゃ…! うりゃ~! 288 00:23:55,085 --> 00:23:57,385 いかん…! 289 00:24:02,960 --> 00:24:05,429 ヒー様は!? 290 00:24:05,429 --> 00:24:13,770 ♬~ 291 00:24:13,770 --> 00:24:16,106 行ってくれ。 へい。 292 00:24:16,106 --> 00:24:27,806 ♬~ 293 00:24:36,059 --> 00:24:39,359 えらか目に遭ったのう…。 294 00:24:44,418 --> 00:24:47,718 行っど。 どこに? 295 00:25:03,103 --> 00:25:06,103 (俊斎)吉之助さぁ 急げ急げ! 296 00:25:10,777 --> 00:25:17,117 南長屋 38番! 初日早々 門限破りとは➡ 297 00:25:17,117 --> 00:25:19,453 不届きな! 298 00:25:19,453 --> 00:25:21,955 はい! 申し訳ございもはん! 299 00:25:21,955 --> 00:25:26,955 <翌日 門限破りの罰として…> 300 00:25:34,401 --> 00:25:36,401 (せきこみ) 301 00:25:38,739 --> 00:25:41,039 フ~…。 302 00:25:45,412 --> 00:25:47,712 おやっとさあ。 303 00:25:55,756 --> 00:25:58,456 (笑い声) 304 00:26:02,429 --> 00:26:06,767 おいは ないをしに 江戸に来たとじゃ…。 305 00:26:06,767 --> 00:26:12,105 正助どんや吉二郎たちに 申し訳なか…。 306 00:26:12,105 --> 00:26:17,405 (大山)門限を破ってから ずっと掃除じゃっでな。 307 00:26:22,115 --> 00:26:25,452 お待たせしもした! 308 00:26:25,452 --> 00:26:31,324 また品川の旅籠に連れてっで のう 機嫌を直せ! ククククク…! 309 00:26:31,324 --> 00:26:34,061 あげな所へ行っとは やめっくいやい。 310 00:26:34,061 --> 00:26:38,398 大山さぁは くにに 奥方もお子もおっとじゃろ。 311 00:26:38,398 --> 00:26:43,737 堅かこつを言うな! どこの藩士も やっちょっこっじゃろが! 312 00:26:43,737 --> 00:26:46,640 (笑い声) 313 00:26:46,640 --> 00:26:51,078 吉之助さぁ 気晴らしぐらい よかどが。 314 00:26:51,078 --> 00:26:54,748 おいは 殿にご奉公すっために ここまで来たとじゃ! 315 00:26:54,748 --> 00:26:58,418 じゃっどん おいも大山さぁも 江戸に来てから➡ 316 00:26:58,418 --> 00:27:03,757 殿様に お会いした事などなか。 みんな そげなもんでごわす。 317 00:27:03,757 --> 00:27:08,057 ≪(迫田)南長屋 38番おるか! 318 00:27:09,629 --> 00:27:12,329 はっ ここに! 319 00:27:17,304 --> 00:27:19,304 はい! 320 00:27:22,776 --> 00:27:26,113 ああ…。 わしの名は「ああ」ではない。 321 00:27:26,113 --> 00:27:30,784 山田じゃ。 はっ。 西郷吉之助ついてまいれ。 322 00:27:30,784 --> 00:27:33,784 え…? はい! 323 00:27:45,065 --> 00:27:51,938 ここは 殿のお住まいの御座所…。 いかにも。 324 00:27:51,938 --> 00:28:06,353 ♬~ 325 00:28:06,353 --> 00:28:08,653 (せきばらい) 326 00:28:13,093 --> 00:28:17,430 西郷吉之助 お庭方を命じる。 327 00:28:17,430 --> 00:28:19,366 はい! 328 00:28:19,366 --> 00:28:30,777 ♬~ 329 00:28:30,777 --> 00:28:37,050 <薩摩の正助のもとに 吉之助から手紙が届きました> 330 00:28:37,050 --> 00:28:41,922 (正助)吉之助さぁは 江戸藩邸の 庭掃除のお役を拝命し➡ 331 00:28:41,922 --> 00:28:47,060 夜明け前に起き 音をさせんごと 静かに庭に水をまいては➡ 332 00:28:47,060 --> 00:28:49,729 石にはわせた苔の様子を見➡ 333 00:28:49,729 --> 00:28:52,065 松の木の手入れを しちょっそうでごわす。 334 00:28:52,065 --> 00:28:55,735 (きみ)庭掃除…。 (熊吉)お殿様の眠りを➡ 335 00:28:55,735 --> 00:28:59,072 妨げんようにっちゅう 若さぁの気遣いが➡ 336 00:28:59,072 --> 00:29:02,742 熊吉には よう分かいもす。 (琴)兄さぁは 体は ふとかどん➡ 337 00:29:02,742 --> 00:29:05,645 気が こまやかじゃっでなぁ。 (吉二郎)じゃっどん➡ 338 00:29:05,645 --> 00:29:09,416 庭掃除をさすっために おいたちゃ 金を作ったんじゃなかど。 339 00:29:09,416 --> 00:29:11,751 んにゃ 庭掃除だけでなく➡ 340 00:29:11,751 --> 00:29:15,622 殿様の警護役を兼ねちょっとじゃ なかか。 そうでごわすか! 341 00:29:15,622 --> 00:29:19,092 はあ~ さすが若さぁでございもす! 342 00:29:19,092 --> 00:29:22,963 (きみ)お側におればこそ いざっちゅう時 お殿様のために➡ 343 00:29:22,963 --> 00:29:26,433 どげな働きでん できるちゅうもんじゃっでなぁ。 344 00:29:26,433 --> 00:29:29,769 (吉二郎)じゃ じゃ! (琴)もう一度 読んでくいやい。 345 00:29:29,769 --> 00:29:36,042 「吉之助殿 江戸の様子は 黒船は どげんなっちょいもすか?➡ 346 00:29:36,042 --> 00:29:40,714 江戸には高名な学者が多く 他藩の俊秀も集まり➡ 347 00:29:40,714 --> 00:29:43,617 大いに見聞を広げちょっ事と…」。 348 00:29:43,617 --> 00:29:53,059 くそっ。 おいは こげん所で ないをしちょっとか。 349 00:29:53,059 --> 00:29:57,397 おいは…➡ 350 00:29:57,397 --> 00:30:05,097 おいは こんまま薩摩で 埋もれてしまっとか…。 351 00:30:13,413 --> 00:30:18,084 <お庭方を拝命した吉之助は 来る日も来る日も➡ 352 00:30:18,084 --> 00:30:22,956 庭掃除に励んでいました。 しかし この間➡ 353 00:30:22,956 --> 00:30:29,656 吉之助の前に斉彬が現れる事は ありませんでした> 354 00:30:45,312 --> 00:30:48,312 (斉彬)西郷。 はっ。 355 00:30:57,457 --> 00:31:00,757 構わぬ 面を上げよ。 はっ! 356 00:31:02,796 --> 00:31:08,468 (山田)なんという顔をしておる! 汚い顔を殿の前にさらしおって。 357 00:31:08,468 --> 00:31:10,503 申し訳ございもはん! 358 00:31:10,503 --> 00:31:13,807 どうじゃ 江戸には慣れたか? 359 00:31:13,807 --> 00:31:17,143 はい。 日々 お殿様のため➡ 360 00:31:17,143 --> 00:31:20,180 命を懸けて 庭の手入れに励んでおりもす。 361 00:31:20,180 --> 00:31:23,483 命を懸けた庭掃除とは いかなるものじゃ? 362 00:31:23,483 --> 00:31:25,418 (斉彬の笑い声) 363 00:31:25,418 --> 00:31:30,357 西郷 小石川にある 水戸様の御屋敷に行け。 364 00:31:30,357 --> 00:31:34,427 水戸様とは あん水戸様でございもすか? 365 00:31:34,427 --> 00:31:38,098 そうじゃ 徳川御三家の水戸様じゃ。 366 00:31:38,098 --> 00:31:41,434 くれぐれも ご無礼のないようにな。 367 00:31:41,434 --> 00:31:45,105 水戸様に届ける大事な書状は ここに。 368 00:31:45,105 --> 00:31:47,305 はっ! 369 00:31:51,444 --> 00:31:56,144 手を洗え 手を! 泥がつく。 申し訳ございもはん! 370 00:31:57,784 --> 00:32:01,084 西郷。 はっ! 371 00:32:04,457 --> 00:32:07,794 命を懸けてと申したな。 372 00:32:07,794 --> 00:32:09,729 はい。 373 00:32:09,729 --> 00:32:13,029 そなたの命 わしにくれ。 374 00:32:15,468 --> 00:32:19,339 この先 危うき目に遭うやもしれぬ。 375 00:32:19,339 --> 00:32:21,639 剣は 自顕流か? 376 00:32:23,810 --> 00:32:27,810 (斉彬)どうした? 答えよ。 377 00:32:34,754 --> 00:32:38,425 恥ずかしながら…➡ 378 00:32:38,425 --> 00:32:43,096 幼か頃 右腕の腱を切って➡ 379 00:32:43,096 --> 00:32:46,766 刀は使えもはん。 380 00:32:46,766 --> 00:32:50,637 こん大刀は 飾りにございもす。 381 00:32:50,637 --> 00:32:53,440 飾り? 382 00:32:53,440 --> 00:32:55,775 そいでも➡ 383 00:32:55,775 --> 00:32:58,678 こげんして今も生きちょっとは➡ 384 00:32:58,678 --> 00:33:03,650 殿に お言葉をかけて頂いたからで ございもす。 385 00:33:03,650 --> 00:33:07,120 「死んではならん」ち。 386 00:33:07,120 --> 00:33:10,623 [ 回想 ] こん右手で➡ 387 00:33:10,623 --> 00:33:13,660 二度と刀は持てなくないもした。 388 00:33:13,660 --> 00:33:18,364 侍が重い刀を2本も差して そっくり返る時代は終わるんだ。 389 00:33:18,364 --> 00:33:22,135 これからはな 民のために尽くせる者こそが➡ 390 00:33:22,135 --> 00:33:24,804 真の強い侍となる。 391 00:33:24,804 --> 00:33:27,474 死んではならぬ。 392 00:33:27,474 --> 00:33:39,752 ♬~ 393 00:33:39,752 --> 00:33:43,752 あの時の小僧か。 394 00:33:46,626 --> 00:33:50,396 大きくなったなぁ。 ハハハハ! 395 00:33:50,396 --> 00:33:54,100 ああっ メソメソ泣いていた やっせんぼだ! 396 00:33:54,100 --> 00:33:58,800 はい やっせんぼの小僧でございもす! 397 00:34:01,774 --> 00:34:06,112 殿のためなら こん命 いつでん投げ出しもす。 398 00:34:06,112 --> 00:34:09,015 じゃっどん 刀で殿を お守りすっこつだけは➡ 399 00:34:09,015 --> 00:34:13,987 できもはん! 申し訳ございもはん。 400 00:34:13,987 --> 00:34:18,691 こんお役目は おいには…。 401 00:34:18,691 --> 00:34:30,136 ♬~ 402 00:34:30,136 --> 00:34:32,739 こいは…? 403 00:34:32,739 --> 00:34:36,409 雨の日 雪の日➡ 404 00:34:36,409 --> 00:34:41,080 いつでも ここにおる事。 そして➡ 405 00:34:41,080 --> 00:34:48,421 わしの手となり足となる事 それが お前のお庭方の役目じゃ。 406 00:34:48,421 --> 00:34:54,093 そして わしに代わって用談をし➡ 407 00:34:54,093 --> 00:34:56,996 人知れぬ秘密を知る事もある。 408 00:34:56,996 --> 00:35:02,435 もし その秘密を守れぬ時は➡ 409 00:35:02,435 --> 00:35:05,135 これを使え。 410 00:35:11,444 --> 00:35:16,444 どうじゃ 受けるか? 411 00:35:21,454 --> 00:35:28,127 命に代えて お引き受け致しもす! 412 00:35:28,127 --> 00:35:41,407 ♬~ 413 00:35:41,407 --> 00:35:45,745 何でもかんでも命を懸けるな。➡ 414 00:35:45,745 --> 00:35:48,745 命は一つじゃ。 415 00:35:53,419 --> 00:35:55,755 ははっ! 416 00:35:55,755 --> 00:36:14,055 ♬~ 417 00:36:21,447 --> 00:36:25,118 すんもはん あの…。 418 00:36:25,118 --> 00:36:28,021 あっ よかけ? 419 00:36:28,021 --> 00:36:30,456 あっ すんもはん! おっ! 420 00:36:30,456 --> 00:36:33,226 ちょっ尋ねっが 小石川の水戸藩邸には➡ 421 00:36:33,226 --> 00:36:36,062 どげんして行けば よかろかい? えっ え? 422 00:36:36,062 --> 00:36:40,400 小石川の水戸藩邸には どげんして行けば よか…。 ああ➡ 423 00:36:40,400 --> 00:36:43,236 小石川! 小石川なら 向こうの紀尾井坂の方を下って➡ 424 00:36:43,236 --> 00:36:45,738 左の方に行きゃあ そのうち着きまさぁ。 ああっ…➡ 425 00:36:45,738 --> 00:36:48,408 ちょっ え? 向こうの紀尾井坂の方を下って➡ 426 00:36:48,408 --> 00:36:51,311 左の方に行きゃあ そのうち着きますよ。 向こう…。 427 00:36:51,311 --> 00:36:54,280 あいがとさげもした。 428 00:36:54,280 --> 00:36:58,418 はぁ~ 何ち言われたんか さっぱいじゃ。 429 00:36:58,418 --> 00:37:01,618 すんもはん…! 430 00:37:08,761 --> 00:37:12,098 ≪ほら こちらですよ~。 ≪(斉昭)どこじゃ? 431 00:37:12,098 --> 00:37:15,768 ほらほら こちらですよ~ ご隠居様! 432 00:37:15,768 --> 00:37:18,104 (斉昭)ああ どこじゃ? こちらですよ~! 433 00:37:18,104 --> 00:37:20,773 (斉昭)待たんか。 ほらほら…! あ~っ。 434 00:37:20,773 --> 00:37:25,111 <先の水戸藩主 徳川斉昭。➡ 435 00:37:25,111 --> 00:37:28,014 10年も前に隠居した身ながら➡ 436 00:37:28,014 --> 00:37:34,714 今もなお その発言力は 幕府内でも絶大でした> 437 00:37:37,056 --> 00:37:41,728 薩摩藩士 西郷吉之助でございもす。 438 00:37:41,728 --> 00:37:50,403 余が斉昭じゃ。 島津殿の書状 早速 読ませてもろうた。 439 00:37:50,403 --> 00:37:52,739 はっ。 440 00:37:52,739 --> 00:37:55,739 面を上げよ。 441 00:38:03,082 --> 00:38:06,753 ない… ないをなさっとで ございもすか!? 442 00:38:06,753 --> 00:38:08,753 ほれ。 443 00:38:11,424 --> 00:38:15,762 ほ~れ! (笑い声) 444 00:38:15,762 --> 00:38:23,436 島津殿には 今 そなたが見た事を そのまま伝えればよい。 445 00:38:23,436 --> 00:38:28,107 これが わしの返答とじゃ。 (笑い声) 446 00:38:28,107 --> 00:38:33,379 (斉昭)下がれ。 下がれと申しておる。 447 00:38:33,379 --> 00:38:36,282 下がいもはん。 448 00:38:36,282 --> 00:38:39,051 ん? 449 00:38:39,051 --> 00:38:44,724 ないごて殿の書状を破られたとで ございもすか。 450 00:38:44,724 --> 00:38:48,594 教えてたもんせ。 451 00:38:48,594 --> 00:38:53,900 殿の書状を目ん前で破られたち そいを➡ 452 00:38:53,900 --> 00:38:58,070 ないも言わんで帰るこつなど おいにはできもはん。 453 00:38:58,070 --> 00:39:02,942 この田舎侍めが。 454 00:39:02,942 --> 00:39:08,080 おいの恥は 我が殿の恥にございもす。 455 00:39:08,080 --> 00:39:19,091 ♬~ 456 00:39:19,091 --> 00:39:23,429 西郷とか申したな。 457 00:39:23,429 --> 00:39:29,101 あの書状に何が書いておったか 知っておるか? 458 00:39:29,101 --> 00:39:32,801 んにゃ そいは…。 459 00:39:34,707 --> 00:39:38,377 幕府の悪口じゃ。 は? 460 00:39:38,377 --> 00:39:46,052 メリケンの脅しに屈して 和親条約を結んだ 幕府の悪口。 461 00:39:46,052 --> 00:39:51,390 それは つまり 徳川への悪口じゃ。 462 00:39:51,390 --> 00:39:53,726 なんち…! 463 00:39:53,726 --> 00:39:57,597 文を破ったという事は 島津殿の思い➡ 464 00:39:57,597 --> 00:40:04,070 わしの心に留め置いたという事よ。 (笑い声) 465 00:40:04,070 --> 00:40:07,940 わしも相当なくせ者じゃが➡ 466 00:40:07,940 --> 00:40:11,940 その方の殿には負けるわ。 (笑い声) 467 00:40:14,413 --> 00:40:17,316 ご無礼をば致しもした。 468 00:40:17,316 --> 00:40:20,316 帰って そう伝えよ。 469 00:40:22,288 --> 00:40:27,426 あの いまひとつ教えてたもんせ! 水戸様。 470 00:40:27,426 --> 00:40:30,096 何じゃ!? 471 00:40:30,096 --> 00:40:34,767 水戸様は 紀伊様 尾張様と並ぶ 徳川御三家のお家。 472 00:40:34,767 --> 00:40:37,436 ないごて 我が殿は➡ 473 00:40:37,436 --> 00:40:42,108 徳川様の悪口を 水戸様に 申すっとでございもすか? 474 00:40:42,108 --> 00:40:47,780 ここに来る前に 紀尾井坂という 坂を通ったであろう。 475 00:40:47,780 --> 00:40:50,683 紀尾井坂…。 476 00:40:50,683 --> 00:40:55,121 (斉昭) 御三家の集まるべき所じゃから➡ 477 00:40:55,121 --> 00:41:00,459 紀尾井ではのうて 紀尾水坂であってしかるべき。 478 00:41:00,459 --> 00:41:03,796 では 紀尾井の井というのは? 479 00:41:03,796 --> 00:41:08,668 井伊じゃ。 彦根藩 井伊家じゃ。 480 00:41:08,668 --> 00:41:11,470 井伊…。 481 00:41:11,470 --> 00:41:15,808 井伊直弼め…!➡ 482 00:41:15,808 --> 00:41:23,808 この国難に際し おのが権勢のみを 強めようとしておる。 483 00:41:25,484 --> 00:41:29,355 失礼つかまつります。 おお 慶喜か。 484 00:41:29,355 --> 00:41:36,762 この者は わしの伜じゃ。 はっ。 おいは 島津薩摩守家臣➡ 485 00:41:36,762 --> 00:41:39,665 西郷吉之助と申しもす。 486 00:41:39,665 --> 00:41:45,104 父上 紀尾水坂にならなかったのは➡ 487 00:41:45,104 --> 00:41:48,975 将軍家に煙たがられている 証拠でございます。 488 00:41:48,975 --> 00:41:53,446 薩摩守が 当家に そのような書状を送ったのも➡ 489 00:41:53,446 --> 00:41:58,784 それを知っての事。 いずれは 幕府を倒そうとでも➡ 490 00:41:58,784 --> 00:42:02,121 思ってるのではないでしょうか。 幕府を倒す…!? 491 00:42:02,121 --> 00:42:08,461 慶喜! 冗談にも 申してよい事と悪い事があるわ。 492 00:42:08,461 --> 00:42:10,796 西郷とやら。 493 00:42:10,796 --> 00:42:13,466 はっ。 父上の申す事➡ 494 00:42:13,466 --> 00:42:17,136 うかうか うのみにしては ならぬぞ。 495 00:42:17,136 --> 00:42:19,071 (笑い声) 496 00:42:19,071 --> 00:42:22,008 ヒー様? 497 00:42:22,008 --> 00:42:25,811 はぁ ヒー様ではごわはんか! 498 00:42:25,811 --> 00:42:29,682 おいでございもす。 品川宿で お目にかかった➡ 499 00:42:29,682 --> 00:42:33,085 西郷でございもす! 500 00:42:33,085 --> 00:42:38,958 品川宿じゃと? 慶喜 お前 まさか そのような所へ? 501 00:42:38,958 --> 00:42:44,697 父上 私が そのような所に 参る訳ございますまい。 502 00:42:44,697 --> 00:42:47,099 この者は人違いしておるのです。 503 00:42:47,099 --> 00:42:50,002 んにゃ 人違いではございもはん。 おいは 確かに…。 504 00:42:50,002 --> 00:42:54,774 父上 手前は これにて 失礼つかまつりまする。 505 00:42:54,774 --> 00:42:59,445 <これが 後に 徳川家最後の将軍となる➡ 506 00:42:59,445 --> 00:43:05,785 一橋慶喜と吉之助の 最初の出会いでありました。➡ 507 00:43:05,785 --> 00:43:10,085 今宵は ここらで よかろかい> 508 00:43:12,124 --> 00:43:14,794 輿入れ先は 徳川家定公。 509 00:43:14,794 --> 00:43:17,129 (徳川家定)落ちた~! 西郷様は➡ 510 00:43:17,129 --> 00:43:19,465 本当に何もご存じないのですか? 511 00:43:19,465 --> 00:43:21,801 一橋様が次の将軍ち!? 512 00:43:21,801 --> 00:43:24,470 何だ 牛男。 513 00:43:24,470 --> 00:43:28,140 この幾島の恥 許されません! 514 00:43:28,140 --> 00:43:31,640 メソメソするな! しっかいせ! はっ! 515 00:43:36,749 --> 00:43:39,652 今は皇居が建つ この地には➡ 516 00:43:39,652 --> 00:43:44,090 かつて 政治の中心地 江戸城がありました。 517 00:43:44,090 --> 00:43:48,761 日本最大の敷地面積を誇る城で➡ 518 00:43:48,761 --> 00:43:54,633 その雄大なたたずまいは 徳川家の権威を象徴しています。 519 00:43:54,633 --> 00:43:58,771 城の周りには 多くの藩邸が建てられ➡ 520 00:43:58,771 --> 00:44:03,442 現在も その面影が 地名に残されています。 521 00:44:03,442 --> 00:44:10,316 紀尾井坂は 幕府の要である 紀伊徳川家 尾張徳川家➡ 522 00:44:10,316 --> 00:44:13,786 そして 井伊家の屋敷が 接していた事から➡ 523 00:44:13,786 --> 00:44:16,455 その名が付けられました。 524 00:44:16,455 --> 00:44:19,792 彦根藩35万石を治める井伊家は➡ 525 00:44:19,792 --> 00:44:23,662 代々 幕府の要職を務めた名家です。 526 00:44:23,662 --> 00:44:26,132 時の藩主 井伊直弼は➡ 527 00:44:26,132 --> 00:44:30,432 やがて 幕府を牽引していく事に なるのです。 528 00:44:31,937 --> 00:44:35,941 江戸城の南側に位置する港区に➡ 529 00:44:35,941 --> 00:44:41,080 2万2, 000坪の 広大な薩摩屋敷がありました。 530 00:44:41,080 --> 00:44:44,750 江戸における 薩摩藩の活動拠点であり➡ 531 00:44:44,750 --> 00:44:49,088 島津斉彬も この地で生まれました。 532 00:44:49,088 --> 00:44:52,758 吉之助の新たな生活は➡ 533 00:44:52,758 --> 00:44:56,458 ここから始まったのです。 534 00:45:33,682 --> 00:45:37,920 えいほ えいほ えいほ えいほ…。 535 00:45:37,920 --> 00:45:41,423 (大辻屋)千代田のお城まで 残すところ3里足らず。 536 00:45:41,423 --> 00:45:43,759 抜かりはないね? 2人とも。 537 00:45:43,759 --> 00:45:47,630 へい! 任して下せえ 大辻屋の旦那。 うん。 538 00:45:47,630 --> 00:45:50,633 な~に 日の出には着いてみせまさぁ。 539 00:45:50,633 --> 00:45:53,435 ただ速ければよいという 訳じゃあない。 540 00:45:53,435 --> 00:45:57,940 御松茸に傷がつかぬよう 細心の心配りをな。 541 00:45:57,940 --> 00:46:00,276 (2人)へい! 来ました~! 542 00:46:00,276 --> 00:46:03,476 来ました! ほっほっほ…。