1 00:00:33,888 --> 00:00:41,963 ♬~ 2 00:00:41,963 --> 00:00:44,866 (チャグム) <戦の足音が近づいてきた。➡ 3 00:00:44,866 --> 00:00:50,638 巨大国家 タルシュ帝国の王子 ラウルの指揮する軍が海を渡り➡ 4 00:00:50,638 --> 00:00:55,977 我が国 新ヨゴ国に 攻め入ろうとしていた。➡ 5 00:00:55,977 --> 00:00:59,847 国を守るため 皇太子である 私 チャグムは➡ 6 00:00:59,847 --> 00:01:05,987 隣国のカンバル王国と同盟を結ぼうと カンバルに入った。➡ 7 00:01:05,987 --> 00:01:10,658 しかし カンバルの聖なる山の奥では…> 8 00:01:10,658 --> 00:01:14,529 (ログサム)山の王の扉が開いた! 9 00:01:14,529 --> 00:01:17,999 儀式の時が やって来たぞ! 10 00:01:17,999 --> 00:01:23,337 <今 まさに カンバル王国に 何かが起ころうとしていた。➡ 11 00:01:23,337 --> 00:01:27,675 そして 私とバルサは タルシュ帝国と通じている➡ 12 00:01:27,675 --> 00:01:30,578 ログサム王の追っ手から逃れるため➡ 13 00:01:30,578 --> 00:01:35,278 バルサの叔母である ユーカのところに向かったのだった> 14 00:02:12,653 --> 00:02:14,653 バルサ。 15 00:02:20,528 --> 00:02:25,228 (バルサ)ここは ユーカさんの診療所でしょうか? 16 00:02:27,001 --> 00:02:29,701 (ノッサ)そうですが…。 17 00:02:32,273 --> 00:02:35,176 どこが お悪いので? 18 00:02:35,176 --> 00:02:40,615 いえ 診てもらいに来たのでは ありません。 19 00:02:40,615 --> 00:02:44,285 私は…。 (戸が開く音) もう気を付けてよ。 20 00:02:44,285 --> 00:02:46,285 (ユーカ)じゃあ また。 21 00:02:52,960 --> 00:02:54,960 ユーカ叔母さん…。 22 00:02:59,834 --> 00:03:05,134 カルナの娘の バルサです。 23 00:03:13,281 --> 00:03:16,581 アーサ ちょっと中に入ってて。 ああ…。 24 00:03:25,860 --> 00:03:28,329 誰なの? 25 00:03:28,329 --> 00:03:32,600 何のために その名を語って 私に近づくの? 26 00:03:32,600 --> 00:03:35,937 私は本当に バルサです。 27 00:03:35,937 --> 00:03:40,274 本当です。 間違いありません。 28 00:03:40,274 --> 00:03:47,949 私の姪なら… 6つの時に死んだのよ。 29 00:03:47,949 --> 00:03:50,618 どうやって死んだのですか? 30 00:03:50,618 --> 00:03:56,490 掘り抜きの井戸に落ちて 地下の水流に流されてしまったの。 31 00:03:56,490 --> 00:03:59,790 父が そう言ったんですね? 32 00:04:01,963 --> 00:04:06,834 その父は どうなりましたか? 33 00:04:06,834 --> 00:04:09,834 すぐに 死んだんじゃありませんか? 34 00:04:13,307 --> 00:04:17,178 いくつの時か 忘れてしまったけど➡ 35 00:04:17,178 --> 00:04:19,981 あのユッカの木に登って枝を折り➡ 36 00:04:19,981 --> 00:04:22,681 叔母さんに叱られましたよね? 37 00:04:28,990 --> 00:04:30,925 枝を折ったからじゃありません。 38 00:04:30,925 --> 00:04:32,860 [ 回想 ] ああっ! 39 00:04:32,860 --> 00:04:37,860 私が落ちて 腕の骨を折ったから。 40 00:04:44,271 --> 00:04:49,571 私は 父に生かされたんです。 41 00:04:57,818 --> 00:05:00,518 嘘でしょう? 42 00:05:02,623 --> 00:05:07,923 バルサが 生きていたなんて…。 43 00:05:10,498 --> 00:05:13,968 夢じゃないのね。 44 00:05:13,968 --> 00:05:17,638 本当に バルサなのね? 45 00:05:17,638 --> 00:05:19,638 はい。 46 00:05:21,308 --> 00:05:23,644 バルサ! 47 00:05:23,644 --> 00:06:50,598 ♬~ 48 00:06:50,598 --> 00:06:57,271 ♬~ 49 00:06:57,271 --> 00:07:36,571 ♬~ 50 00:07:39,580 --> 00:07:42,880 さあ入ってちょうだい。 51 00:07:58,599 --> 00:08:04,271 それで そちらの方は? 52 00:08:04,271 --> 00:08:06,271 あ…。 53 00:08:07,942 --> 00:08:14,281 隠していても 迷惑をかける事に なると思うので言いますが➡ 54 00:08:14,281 --> 00:08:20,154 この人は 新ヨゴ国の皇太子です。 55 00:08:20,154 --> 00:08:22,156 え…? 56 00:08:22,156 --> 00:08:26,293 私は訳あって その護衛をしているんです。 57 00:08:26,293 --> 00:08:28,629 チャグムといいます。 58 00:08:28,629 --> 00:08:33,234 昔 用心棒をしているバルサに 命を救われました。 59 00:08:33,234 --> 00:08:35,903 それで私からお願いしたのです。 60 00:08:35,903 --> 00:08:38,239 カンバルに連れてってくれないかと。 61 00:08:38,239 --> 00:08:40,574 ちょっと待って…。 62 00:08:40,574 --> 00:08:45,874 何だか 夢を見てるとしか 思えなくなってきたわ。 63 00:08:50,918 --> 00:08:52,853 (カグロ)申し訳ございませぬ。 64 00:08:52,853 --> 00:08:57,591 私の油断から 2人を取り逃がしました。 65 00:08:57,591 --> 00:09:02,891 チャグム皇太子とカルナの娘 バルサか? (カグロ)はい。 66 00:09:04,465 --> 00:09:07,465 逃げたとは どういう事だ? 67 00:09:10,938 --> 00:09:13,607 カームか?➡ 68 00:09:13,607 --> 00:09:19,480 お前の息子がしくじり それで逃げられたという事か? 69 00:09:19,480 --> 00:09:21,949 お前の仕込んだ息子の槍が➡ 70 00:09:21,949 --> 00:09:25,649 ジグロの仕込んだ槍に 負けたという事だな。 71 00:09:27,621 --> 00:09:29,921 申し訳ございませぬ。 72 00:09:37,231 --> 00:09:39,531 さすが ジグロ。 73 00:09:43,904 --> 00:09:52,246 私は ジグロに槍を教わって 異国で護衛士になりました。 74 00:09:52,246 --> 00:09:58,946 どうして あなたが あんな裏切り者と…。 75 00:10:02,256 --> 00:10:05,592 父が預けたんです。 76 00:10:05,592 --> 00:10:07,892 嘘よ! 77 00:10:11,465 --> 00:10:16,236 本当です。 78 00:10:16,236 --> 00:10:19,606 ジグロは父に頼まれて➡ 79 00:10:19,606 --> 00:10:25,906 私の命を救うために この国を捨てたんです。 80 00:10:34,621 --> 00:10:41,962 父さんは どうやって死んだんですか? 81 00:10:41,962 --> 00:10:46,633 兄さんは…➡ 82 00:10:46,633 --> 00:10:52,333 あなたのいなくなった家で 何者かに斬り殺されたのよ。 83 00:10:54,508 --> 00:10:59,808 (ユーカ)王都の警備兵は 盗賊の仕業だと言っていた。 84 00:11:02,983 --> 00:11:08,983 父さんは カンバル王のログサムに殺されたんです。 85 00:11:15,329 --> 00:11:17,264 どうして…? 86 00:11:17,264 --> 00:11:20,667 ログサムに命じられて➡ 87 00:11:20,667 --> 00:11:27,667 父さんは ログサムの兄である 先代の王を死に追いやったのです。 88 00:11:31,011 --> 00:11:33,914 まさか…。 本来なら➡ 89 00:11:33,914 --> 00:11:37,284 その盗賊の仕業というやつに➡ 90 00:11:37,284 --> 00:11:42,623 私の命も 含まれていた事でしょう。 91 00:11:42,623 --> 00:11:48,962 そうさせないために 父さんは 6つの私を➡ 92 00:11:48,962 --> 00:11:51,662 ジグロに預けたんです。 93 00:11:53,834 --> 00:11:59,834 ジグロは 私を連れて 新ヨゴ国に逃れました。 94 00:12:02,976 --> 00:12:05,312 それが真実です。 95 00:12:05,312 --> 00:12:26,333 ♬~ 96 00:12:26,333 --> 00:12:35,333 ジグロは そのために 姿を消したの? 97 00:12:38,912 --> 00:12:40,912 (ノック) 98 00:12:47,287 --> 00:12:50,987 (ユーカ)誰? ≪(ノッサ)私です。 99 00:12:54,962 --> 00:12:59,662 お茶をお持ちしました。 ありがとう。 100 00:13:10,978 --> 00:13:16,850 しばらく ここへは 誰も近づけないでちょうだい。 101 00:13:16,850 --> 00:13:22,589 くれぐれも 私の姪だとは言わない事。 102 00:13:22,589 --> 00:13:24,992 分かりました。 103 00:13:24,992 --> 00:13:27,327 それであれば➡ 104 00:13:27,327 --> 00:13:31,932 なるべく お二人でいるところを 見られない方がいい。 105 00:13:31,932 --> 00:13:33,932 どうして? 106 00:13:36,603 --> 00:13:43,303 あなたと あの方は とてもよく似ていらっしゃる。 107 00:13:57,624 --> 00:14:00,624 (ラダール)カグロ。 ラダール王子。 108 00:14:02,963 --> 00:14:05,866 父上と何を話していたのだ? 109 00:14:05,866 --> 00:14:08,835 はい。 ルイシャ贈りの儀式の事に…。 110 00:14:08,835 --> 00:14:14,535 新ヨゴ国の皇太子と 怪しい女の事ではないのか? 111 00:14:16,310 --> 00:14:19,646 カルナの娘とは何者なのだ? 112 00:14:19,646 --> 00:14:23,346 王子のお気にかける事では ございませぬ。 113 00:14:25,519 --> 00:14:32,593 カグロ 儀式の事を 何とも思わないのか? 114 00:14:32,593 --> 00:14:34,928 儀式の事? 115 00:14:34,928 --> 00:14:39,928 今度の儀式は不吉な気がするのだ。 116 00:14:41,802 --> 00:14:46,502 カグロ… 私に槍を教えてくれないか。 117 00:14:48,275 --> 00:14:54,615 分かりました。 しかし 今は先を急ぎますので…。 118 00:14:54,615 --> 00:14:57,951 いや 今だ! 119 00:14:57,951 --> 00:15:00,287 今すぐ 教えてくれ。 120 00:15:00,287 --> 00:15:07,628 ♬~ 121 00:15:07,628 --> 00:15:09,628 王子? 122 00:15:13,967 --> 00:15:17,838 頼む… 教えてくれ。 123 00:15:17,838 --> 00:15:20,841 ≪(ログサム)構わぬ! 124 00:15:20,841 --> 00:15:24,611 せっかく ラダールが やる気になっておるのだ。 125 00:15:24,611 --> 00:15:28,515 ほかに大事な事など何もあるまい。 126 00:15:28,515 --> 00:15:31,518 (カグロ)はっ。 127 00:15:31,518 --> 00:15:33,518 (ラダール)やっ! 128 00:15:50,804 --> 00:15:54,804 王子 いかがなさいましたか? 129 00:15:57,277 --> 00:15:59,577 カグロには見えぬのか。 130 00:16:01,615 --> 00:16:04,315 カグロの後ろに何かおるのだ。 131 00:16:10,290 --> 00:16:15,590 その影が 今は濃くなっている。 132 00:16:18,165 --> 00:16:23,637 やはり 今度の儀式は 不吉ではないのか? 133 00:16:23,637 --> 00:16:35,337 ♬~ 134 00:16:37,184 --> 00:16:39,119 おいしい。 135 00:16:39,119 --> 00:16:41,588 ヤギの乳の嫌な臭いもしないよ。 136 00:16:41,588 --> 00:16:44,491 薬草が入れてあるんだよ。 137 00:16:44,491 --> 00:16:48,491 風邪をひいた時に 父が飲ませてくれた。 138 00:16:50,597 --> 00:16:53,500 懐かしい味がする。 139 00:16:53,500 --> 00:16:55,936 うちは 武人階級だけど➡ 140 00:16:55,936 --> 00:17:01,808 兄さんは武人より 医術の道を志して 都に行ったの。 141 00:17:01,808 --> 00:17:06,279 私も ただ 武人の妻に なるだけの生き方が嫌で➡ 142 00:17:06,279 --> 00:17:09,182 兄さんのあとを追ったのよ。 143 00:17:09,182 --> 00:17:13,882 その王都で ジグロと知り合った。 144 00:17:24,631 --> 00:17:32,906 ジグロの事 本当に裏切り者だと 思っていたんですか? 145 00:17:32,906 --> 00:17:35,606 カンバルから消えただけで…。 146 00:17:37,244 --> 00:17:40,580 消えただけではなかったのよ。 147 00:17:40,580 --> 00:17:43,917 え? 148 00:17:43,917 --> 00:17:49,790 ジグロは 何も持っていなかった? 149 00:17:49,790 --> 00:17:52,259 何をですか? 150 00:17:52,259 --> 00:17:58,598 短槍にはめる 金の輪を持っていたはずよ。 151 00:17:58,598 --> 00:18:01,268 …はい。 152 00:18:01,268 --> 00:18:04,604 (ユーカ)それは 王の槍の中でも➡ 153 00:18:04,604 --> 00:18:09,943 一番強い者だけが 持つ事を許されているの。 154 00:18:09,943 --> 00:18:14,943 ジグロが持っていたのは 一つだけ? 155 00:18:16,616 --> 00:18:21,916 一つだけです。 どうして? 156 00:18:24,958 --> 00:18:32,258 本来 金の輪は 全部で9つあるの。 157 00:18:34,768 --> 00:18:39,239 (ユーカ)ほかの8つは 王宮にしまわれていて➡ 158 00:18:39,239 --> 00:18:43,910 王が即位する時にだけ 使われるのよ。➡ 159 00:18:43,910 --> 00:18:48,910 新しい王を囲み 誓いを立てる時に。 160 00:18:51,251 --> 00:18:56,122 (ユーカ)そうやって 王の槍たちから認められる事で➡ 161 00:18:56,122 --> 00:19:00,822 この国の王は即位した事を示すの。 162 00:19:03,263 --> 00:19:10,136 ジグロは ログサムが即位する事に異を唱え➡ 163 00:19:10,136 --> 00:19:17,136 その金の輪を全て持ち去って 逃げたとされている。 164 00:19:18,812 --> 00:19:22,282 え? 165 00:19:22,282 --> 00:19:32,092 ジグロはね 王子の頃から ログサムの武術指南役だったの。 166 00:19:32,092 --> 00:19:38,565 その気質をよく知り 兄さんに言った事があった。 167 00:19:38,565 --> 00:19:43,904 (ジグロ)万が一 ログサム王子が 王位を継ぐような事になれば➡ 168 00:19:43,904 --> 00:19:46,806 この国は 大変な事になるかもしれん。 169 00:19:46,806 --> 00:19:52,106 だから 裏切りを信じてしまって…。 170 00:19:53,914 --> 00:19:58,585 いくら何でも 金の輪を盗むなんて 私でさえ➡ 171 00:19:58,585 --> 00:20:01,488 愚かな事だと思ってしまったのよ。 172 00:20:01,488 --> 00:20:07,594 それは きっと ログサムの陰謀です。 173 00:20:07,594 --> 00:20:09,930 (ジグロ)これを持っていって下さい。 174 00:20:09,930 --> 00:20:15,230 そして カンバル王に 私を殺したと告げて下さい。 175 00:20:16,803 --> 00:20:22,803 ジグロは 自分の金の輪を 兄のカグロに渡しました。 176 00:20:28,281 --> 00:20:34,154 ジグロは それから2年後に 死にました。 177 00:20:34,154 --> 00:21:10,323 ♬~ 178 00:21:10,323 --> 00:21:15,996 いつか来てね 私のお城にも。 179 00:21:15,996 --> 00:21:18,331 ああ 分かった。 180 00:21:18,331 --> 00:21:21,234 分かった? 181 00:21:21,234 --> 00:21:23,234 必ず行く。 182 00:21:26,673 --> 00:21:30,010 (ジグロ)君に これを渡したくて。 183 00:21:30,010 --> 00:21:37,617 ユーカ 私の気持ちは その石のように変わる事はない。 184 00:21:37,617 --> 00:21:59,317 ♬~ 185 00:22:00,840 --> 00:22:03,643 (カグロ)馬を持て! (カーム)松明を持ってこい! 186 00:22:03,643 --> 00:22:05,578 はっ! 187 00:22:05,578 --> 00:22:16,278 ♬~ 188 00:22:32,272 --> 00:22:35,608 眠らないと駄目じゃないか。 189 00:22:35,608 --> 00:22:37,608 うん…。 190 00:22:39,946 --> 00:22:42,946 敵を討ちたいと思ってる? 191 00:22:45,819 --> 00:22:49,622 そんな事は考えちゃいないよ。 192 00:22:49,622 --> 00:22:54,961 私は もっと 違う事を考えていたんだ。 193 00:22:54,961 --> 00:22:56,961 違う事? 194 00:22:58,631 --> 00:23:04,331 どうして ジグロは 耐えられたのかとね。 195 00:23:07,640 --> 00:23:14,981 ログサムの事をよく知るジグロには 自分がいなくなったあとに➡ 196 00:23:14,981 --> 00:23:20,854 どんな事が起きるか それも よく分かっていただろう。 197 00:23:20,854 --> 00:23:27,554 ジグロは きっと そのカンバル王国を 変えたかったはずだ。 198 00:23:33,266 --> 00:23:40,140 王が憎いなら 自ら王をいさめ➡ 199 00:23:40,140 --> 00:23:43,276 王の槍として➡ 200 00:23:43,276 --> 00:23:46,976 この国で自分のすべき事を したかったはずだ。 201 00:23:50,150 --> 00:23:53,920 それなのに ジグロは➡ 202 00:23:53,920 --> 00:23:56,620 私と一緒にいてくれた。 203 00:24:00,293 --> 00:24:06,593 ジグロには ほかに守るべき事が たくさんあった。 204 00:24:08,635 --> 00:24:15,635 自分の果たすべき使命が もっと ほかにあったはずだ。 205 00:24:17,977 --> 00:24:25,677 それに比べたら 私の恨みなど ちっぽけな事だ。 206 00:24:29,322 --> 00:24:32,622 その ちっぽけな私の命が…。 207 00:24:36,930 --> 00:24:40,600 ジグロを不幸にしたんだ。 208 00:24:40,600 --> 00:24:44,270 [ 回想 ] ジグロ~! 209 00:24:44,270 --> 00:24:47,270 (ジグロ)お前には私の事は分からぬ。 210 00:24:49,142 --> 00:24:52,142 分かるように なってほしくないんだ。 211 00:24:55,281 --> 00:25:01,955 ジグロは ずっと満たされぬ その思いを抱えたまま➡ 212 00:25:01,955 --> 00:25:04,624 一人で それに耐えていた。 213 00:25:04,624 --> 00:25:09,295 [ 回想 ] (ジグロ)今の兄上になら これを託せる。 214 00:25:09,295 --> 00:25:12,632 これからは 私の代わりに➡ 215 00:25:12,632 --> 00:25:15,932 カンバル王国を守る事ができる。 216 00:25:18,504 --> 00:25:24,978 ジグロが本当に守りたかったものは➡ 217 00:25:24,978 --> 00:25:27,881 このカンバル王国だ。 218 00:25:27,881 --> 00:25:39,181 ♬~ 219 00:25:42,929 --> 00:25:45,832 <一方 新ヨゴ国では➡ 220 00:25:45,832 --> 00:25:49,602 戦の準備のため 民は駆り出され➡ 221 00:25:49,602 --> 00:25:54,602 タンダも弟の代わりに 戦場に向かう準備をしていた> 222 00:25:58,945 --> 00:26:01,281 (トロガイ)本当に行くのかい? 223 00:26:01,281 --> 00:26:04,183 (タンダ)しばらく留守にしますが ここをお願いします。 224 00:26:04,183 --> 00:26:07,153 お前が戦に行って 何をしようっていうんだい。 225 00:26:07,153 --> 00:26:10,623 私が行かないと 弟が行く事になるんです。 226 00:26:10,623 --> 00:26:13,293 弟は 子どもが 生まれたばっかりですから。 227 00:26:13,293 --> 00:26:16,195 行けば 死ぬかもしれないという事だろ? 228 00:26:16,195 --> 00:26:18,631 だから お前の家族は お前を身代わりに…。 229 00:26:18,631 --> 00:26:23,331 しかたありませんよ。 一人でいるのは僕だけですから。 230 00:26:26,973 --> 00:26:31,311 家族のために 命を捨てようっていうのかい。 231 00:26:31,311 --> 00:26:35,611 お前の事を気味悪がって 遠ざけてきた人たちだろう! 232 00:26:37,917 --> 00:26:42,588 師匠 人を憎めば それに固執して➡ 233 00:26:42,588 --> 00:26:47,460 魂を ナユグに飛ばせなくなると 教えてくれたのは 師匠ですよ。 234 00:26:47,460 --> 00:26:51,597 私は 呪術師として行きたいんです。 235 00:26:51,597 --> 00:26:54,267 そう やすやすとは死にません。 236 00:26:54,267 --> 00:26:59,267 物事を見極める目を 師匠に 教わってきたじゃありませんか。 237 00:27:01,607 --> 00:27:06,479 ナユグと違ってね 人の世に流されたら➡ 238 00:27:06,479 --> 00:27:10,616 物事を いくら見極めているつもりでも➡ 239 00:27:10,616 --> 00:27:14,616 愚かな道に走る事は いくらだってある! 240 00:27:16,289 --> 00:27:19,989 そういう事も見極めてきます。 241 00:27:24,964 --> 00:27:26,899 タンダ! 242 00:27:26,899 --> 00:27:54,927 ♬~ 243 00:27:54,927 --> 00:27:59,627 お前は 一人ではないよ。 244 00:28:06,272 --> 00:28:14,147 お前が死んだら バルサが一人になっちまうからね。 245 00:28:14,147 --> 00:28:19,847 その事を忘れるんじゃないよ。 246 00:28:24,957 --> 00:28:26,893 分かっています。 247 00:28:26,893 --> 00:28:32,231 バルサが帰ってきたら 心配するなと伝えて下さい。 248 00:28:32,231 --> 00:28:34,901 絶対に死なないと。 249 00:28:34,901 --> 00:28:51,901 ♬~ 250 00:28:53,586 --> 00:29:17,286 ♬~ 251 00:29:26,953 --> 00:29:30,653 体を温めなさい。 252 00:29:34,227 --> 00:29:36,227 ありがとう。 253 00:29:49,242 --> 00:29:57,116 叔母さん 私が子どもの頃➡ 254 00:29:57,116 --> 00:30:03,816 ジグロは一度だけ ユーカ叔母さんの話を した事があります。 255 00:30:06,592 --> 00:30:12,292 叔母さんは 強い人だと言っていました。 256 00:30:16,602 --> 00:30:21,902 そう思いたかったのね きっと。 257 00:30:24,944 --> 00:30:28,814 私のせいで…➡ 258 00:30:28,814 --> 00:30:36,814 ユーカ叔母さんは今も ずっと一人でいるんですか? 259 00:30:44,297 --> 00:30:47,967 バルサ…。 260 00:30:47,967 --> 00:30:54,840 あなたは ここに何しに来たの? 261 00:30:54,840 --> 00:31:01,981 過ぎた事は もう 変えられないのよ。 262 00:31:01,981 --> 00:31:05,681 何が真実かなんか分かりっこない。 263 00:31:09,322 --> 00:31:14,994 私は今 あなたを生かしてくれたジグロに➡ 264 00:31:14,994 --> 00:31:18,664 心から感謝してる。 265 00:31:18,664 --> 00:31:21,364 それだけが真実よ。 266 00:31:33,613 --> 00:32:08,514 ♬~ 267 00:32:08,514 --> 00:32:13,286 バルサ この人は違う! 大丈夫よ。 268 00:32:13,286 --> 00:32:17,286 ヨンサ氏族の長老 ラルーグさん。 269 00:32:30,670 --> 00:32:38,277 ラルーグさんは ヨンサ氏族から選ばれた 王の槍だった。➡ 270 00:32:38,277 --> 00:32:43,149 それを 息子さんが引き継いで…。 271 00:32:43,149 --> 00:32:45,951 ああ~っ! 272 00:32:45,951 --> 00:32:47,887 ううっ! 273 00:32:47,887 --> 00:32:51,824 カンバル人? ヨンサ氏族のタグル。➡ 274 00:32:51,824 --> 00:32:54,824 私と同じ 王の槍の一人だ。 275 00:32:56,595 --> 00:32:58,595 タグルさんの…。 276 00:33:05,304 --> 00:33:27,560 ♬~ 277 00:33:27,560 --> 00:33:34,860 ジグロにとって 王の槍と戦う事は 何よりも苦しい事でした。 278 00:33:37,236 --> 00:33:39,939 (ラルーグ)ジグロの事は よく分かった。 279 00:33:39,939 --> 00:33:43,809 何かあると思っていたが➡ 280 00:33:43,809 --> 00:33:45,809 恨んどりゃあせん。 281 00:33:48,614 --> 00:33:51,517 息子のタグルが かなう相手でない事は➡ 282 00:33:51,517 --> 00:33:54,487 よく分かっていた。 283 00:33:54,487 --> 00:33:59,487 これも 王に仕える者たちの 運命であろう。 284 00:34:03,629 --> 00:34:10,970 あの… 槍舞いというのは 何ですか? 285 00:34:10,970 --> 00:34:12,905 ん? 286 00:34:12,905 --> 00:34:19,311 ジグロから この国には 不思議な儀式があると聞きました。 287 00:34:19,311 --> 00:34:21,311 バルサ…。 288 00:34:23,182 --> 00:34:26,882 カンバルには古来より 不思議な儀式がある。 289 00:34:28,988 --> 00:34:32,988 兄は その儀式に欠かせない 武人となった。 290 00:34:36,262 --> 00:34:43,135 バルサが森で見たものは 槍舞いだ。 291 00:34:43,135 --> 00:34:46,272 槍舞い? 292 00:34:46,272 --> 00:34:49,942 儀式では 誰よりも強い武人が➡ 293 00:34:49,942 --> 00:34:53,813 その槍舞いを務める舞手となる。➡ 294 00:34:53,813 --> 00:34:57,513 その力を兄に授けたのだ。 295 00:35:03,489 --> 00:35:09,962 ああ それは ルイシャ贈りの儀式の事だ。 296 00:35:09,962 --> 00:35:12,865 それは どういう儀式なんですか? 297 00:35:12,865 --> 00:35:16,836 ああ このカンバル王国では 数十年に一度➡ 298 00:35:16,836 --> 00:35:20,606 ルイシャという宝石が 山の王から贈られる。 299 00:35:20,606 --> 00:35:23,509 そのルイシャを 他国に売る事によって➡ 300 00:35:23,509 --> 00:35:30,282 豊かな土地に恵まれぬ この国は 多くの穀物を得て➡ 301 00:35:30,282 --> 00:35:33,185 生きながらえてきたのだ。 302 00:35:33,185 --> 00:35:37,923 その 山の王とは 何者ですか? 303 00:35:37,923 --> 00:35:44,597 それは カンバルの あの山の底に住む…。 304 00:35:44,597 --> 00:35:54,273 ♬~ 305 00:35:54,273 --> 00:35:59,612 いや 何と言っても その儀式に 立ち会った者でなければ➡ 306 00:35:59,612 --> 00:36:02,281 それを感じる事はできない。 307 00:36:02,281 --> 00:36:09,154 その儀式は この国にとって 生きる糧なのだ。 308 00:36:09,154 --> 00:36:12,925 それは どうやって行われるんですか? 309 00:36:12,925 --> 00:36:18,297 まずは 山の王から合図がある。 310 00:36:18,297 --> 00:36:24,169 王城の裏の洞窟の岩の扉が開き…。 311 00:36:24,169 --> 00:36:27,640 山の王の扉が開いた! 312 00:36:27,640 --> 00:36:32,244 (ラルーグ) 中から笛の音のような風が吹く。 313 00:36:32,244 --> 00:36:35,915 その知らせを聞いたら➡ 314 00:36:35,915 --> 00:36:39,585 次の新月までに こちらも贈り物を用意して➡ 315 00:36:39,585 --> 00:36:41,921 洞窟へと向かう。 316 00:36:41,921 --> 00:36:46,258 カンバル王は 9人の王の槍たちを引き連れて➡ 317 00:36:46,258 --> 00:36:48,928 山の底へと向かうのだ。 318 00:36:48,928 --> 00:36:51,830 まるで戦いに行くみたいに。 319 00:36:51,830 --> 00:36:57,603 ああ。 戦ではないが 戦いに違いない。 320 00:36:57,603 --> 00:37:04,944 そこで 我々は 山の王の守り人と 戦わねばならない。 321 00:37:04,944 --> 00:37:07,846 山の王の守り人…。 322 00:37:07,846 --> 00:37:13,619 ヒョウル 闇の守り人と呼ばれておる。➡ 323 00:37:13,619 --> 00:37:18,290 その ヒョウルと戦い 最後まで戦い抜いた➡ 324 00:37:18,290 --> 00:37:20,960 最強の武人に➡ 325 00:37:20,960 --> 00:37:25,297 山の王は ルイシャを贈って下さる。 326 00:37:25,297 --> 00:37:31,170 ただしだ ヒョウルとは 互角の力で息を合わせ➡ 327 00:37:31,170 --> 00:37:33,906 そう まるで 舞を舞うかのごとく➡ 328 00:37:33,906 --> 00:37:37,576 美しく戦う力がなければならない。 329 00:37:37,576 --> 00:37:42,576 その儀式の事を 我らは 槍舞いと呼ぶ。 330 00:37:51,123 --> 00:37:58,263 なんと ジグロは 16の身でありながら➡ 331 00:37:58,263 --> 00:38:03,135 槍舞いをして ヒョウルに勝った。 332 00:38:03,135 --> 00:38:10,843 だが それ以来 その儀式は行われてはいない。 333 00:38:10,843 --> 00:38:15,614 ジグロが死んでしまった今 その儀式を見た者は➡ 334 00:38:15,614 --> 00:38:20,914 この世で もう 私一人しか残ってはおらん。 335 00:38:22,955 --> 00:38:25,624 ≪(いななき) 336 00:38:25,624 --> 00:38:27,960 バルサ! 337 00:38:27,960 --> 00:38:30,295 追っ手か…。 追っ手? 338 00:38:30,295 --> 00:38:34,900 王宮が この方と私を 捕まえに来たのです。 339 00:38:34,900 --> 00:38:39,238 この方? この方は 新ヨゴ国の皇太子です。 340 00:38:39,238 --> 00:38:42,908 なんと…。 長老にお願いがあります。 341 00:38:42,908 --> 00:38:47,246 どうか この方を連れて 裏から逃げて下さい。 342 00:38:47,246 --> 00:38:51,583 バルサは? 私は叔母さんを守る。 343 00:38:51,583 --> 00:38:54,920 追っ手を殺すのか? 殺しはしない。 344 00:38:54,920 --> 00:38:57,823 捕まるんだ。 345 00:38:57,823 --> 00:39:00,259 捕まれば ログサムに会えるだろう。 346 00:39:00,259 --> 00:39:06,131 その間に ログサムに タルシュの事を話せるかもしれない。 347 00:39:06,131 --> 00:39:10,903 バルサ 私のために そんな事しなくていいんだ。 348 00:39:10,903 --> 00:39:13,605 あんたのためだけじゃない。 349 00:39:13,605 --> 00:39:17,476 ジグロのためにも そうしたいんだよ。 350 00:39:17,476 --> 00:39:22,948 チャグムの願いが このカンバルを タルシュから救う事にもなるなら➡ 351 00:39:22,948 --> 00:39:26,285 ジグロも きっと それを望むはずだ。 352 00:39:26,285 --> 00:39:30,585 ジグロに代わって 私も その道を探りたい。 353 00:39:34,560 --> 00:39:36,495 さあ 早く裏へ。 354 00:39:36,495 --> 00:39:38,495 うん。 さあ。 355 00:39:45,904 --> 00:39:49,904 ああ これは これは…。 356 00:39:52,578 --> 00:39:56,915 どちらが お悪いのかな? 357 00:39:56,915 --> 00:39:58,915 (カーム)どけ! ああっ! 358 00:40:00,786 --> 00:40:08,260 おや これは カグロ様ではございませんか。 359 00:40:08,260 --> 00:40:13,932 この国の英雄が こんな所に何か御用ですか? 360 00:40:13,932 --> 00:40:18,932 姪は どこにおる? 361 00:40:20,806 --> 00:40:23,106 隠しても無駄だ。 362 00:40:30,482 --> 00:40:32,482 ここにいるよ。 363 00:40:41,627 --> 00:40:48,300 こんな所で そんな物騒なもん 振り回すんじゃないよ。 364 00:40:48,300 --> 00:40:51,203 皇太子は どこにいる? 365 00:40:51,203 --> 00:40:57,309 皇太子? ここには連れてきてないよ。 366 00:40:57,309 --> 00:40:59,978 捜せ。 はっ。 367 00:40:59,978 --> 00:41:02,278 また痛い目に遭いたいのか? 368 00:41:04,316 --> 00:41:06,251 ああっ! 369 00:41:06,251 --> 00:41:23,001 ♬~ 370 00:41:23,001 --> 00:41:24,937 やあっ! 371 00:41:24,937 --> 00:41:46,959 ♬~ 372 00:41:46,959 --> 00:41:49,294 さあ行こう。 373 00:41:49,294 --> 00:42:06,311 ♬~ 374 00:42:06,311 --> 00:42:08,247 やあ~っ! 375 00:42:08,247 --> 00:42:10,247 (カグロ)そこまでだ! 376 00:42:16,955 --> 00:42:22,327 皇太子を ここに連れてこい。 377 00:42:22,327 --> 00:42:25,664 大丈夫だよ バルサ。 私は医術師だ。 378 00:42:25,664 --> 00:42:28,333 こんな偽物の槍で 首を切られたって➡ 379 00:42:28,333 --> 00:42:31,033 すぐにつないでみせる。 380 00:42:40,913 --> 00:42:42,848 バルサ…。 381 00:42:42,848 --> 00:42:48,548 チャグムを連れていくなら カンバル王のところだろ。 382 00:42:50,289 --> 00:42:55,589 その前に 私が カンバル王と話す。 383 00:43:02,868 --> 00:43:10,609 ♬~ 384 00:43:10,609 --> 00:43:12,544 怠けるな! 385 00:43:12,544 --> 00:43:21,253 ♬~ 386 00:43:21,253 --> 00:43:23,553 急げ! 387 00:43:33,832 --> 00:43:37,803 その杭は誰のものか! 帝のものであるぞ! 388 00:43:37,803 --> 00:43:40,939 落とすな! 丁重に運べ! 389 00:43:40,939 --> 00:43:44,239 怠けるな! 立て! 390 00:44:29,988 --> 00:44:33,288 ≪やめて! やめてよ! 391 00:44:39,798 --> 00:44:44,098 ほっとけよ。 面倒に関わるな。 392 00:44:51,276 --> 00:44:53,976 バカな男だ…。 393 00:44:56,148 --> 00:44:59,448 ≪やめて! やめてよ! 394 00:45:02,621 --> 00:45:04,556 やめて! やめてよ! 395 00:45:04,556 --> 00:45:09,961 おいおい おいおい! 何やってるんだ! 396 00:45:09,961 --> 00:45:13,298 こいつは俺たちの村のもんだ。 おめえには関係ねえ。 397 00:45:13,298 --> 00:45:16,201 ここにいるのは 皆 帝のために働く者たちだろう。 398 00:45:16,201 --> 00:45:19,971 粗末にしていいのか? こいつが逃げようとしたからだ! 399 00:45:19,971 --> 00:45:23,308 こいつが逃げれば 俺たちが ひどい目に遭うんだ! 400 00:45:23,308 --> 00:45:25,243 逃げようとしたんじゃないよ。 ああ? 401 00:45:25,243 --> 00:45:29,648 逃げろ 逃げろって言っただろ! 逃げろ? 402 00:45:29,648 --> 00:45:31,583 俺たちをけしかけたんだ。 403 00:45:31,583 --> 00:45:35,583 寝言みたいに 「逃げろ 逃げろ」って。 404 00:45:41,927 --> 00:45:46,927 ここにいたら みんな死ぬよ。 405 00:45:48,600 --> 00:45:52,938 お前… 帝の軍が負けるって言うのか! 406 00:45:52,938 --> 00:45:54,938 もう よせ! 407 00:46:01,279 --> 00:46:04,616 おいで。 408 00:46:04,616 --> 00:46:07,316 あ~ 痛そうだな…。 409 00:46:11,289 --> 00:46:13,989 何で あんな事 言ったんだ? 410 00:46:16,962 --> 00:46:20,832 ここが なくなるから…。 411 00:46:20,832 --> 00:46:23,132 ここが なくなる? 412 00:46:25,303 --> 00:46:30,976 よく分からねえけど 時々 何もなくなって見えるんだ。 413 00:46:30,976 --> 00:46:34,276 深い闇の中に落ちてゆくみたいに。 414 00:46:36,581 --> 00:46:40,281 ここが? この場所がか? 415 00:46:42,454 --> 00:46:47,926 それが夢なのか どうなのかも 分からなくなって➡ 416 00:46:47,926 --> 00:46:50,226 怖くなるんだ。 417 00:46:51,796 --> 00:46:53,798 [ 回想 ] (チキサ)分からないけど➡ 418 00:46:53,798 --> 00:46:56,935 アスラは 新ヨゴ国の都に行くと 聞いた時に➡ 419 00:46:56,935 --> 00:46:59,235 とても怖がったんです。 420 00:47:01,606 --> 00:47:06,278 君にも ナユグが見えるのか? ナユグ? 421 00:47:06,278 --> 00:47:10,615 この世と重なり合った 目に見えない精霊の世だ。 422 00:47:10,615 --> 00:47:15,954 もしかすると そっちの景色が 見えてるだけかもしれない。 423 00:47:15,954 --> 00:47:19,654 それとも何か 予言してるのか? 424 00:47:21,293 --> 00:47:24,629 そんなに気にしなくていいよ。 425 00:47:24,629 --> 00:47:27,329 どうせ おらぁ 変なガキだから。 426 00:47:28,967 --> 00:47:34,573 変なガキか… 俺も よく言われたな。 427 00:47:34,573 --> 00:47:36,908 あんたも? うん。 428 00:47:36,908 --> 00:47:38,843 死者の魂が見えたり➡ 429 00:47:38,843 --> 00:47:42,581 もうじき病で死ぬ人が 何となく分かったり➡ 430 00:47:42,581 --> 00:47:44,916 ほかの誰にも見えない鳥が 空を舞うのを➡ 431 00:47:44,916 --> 00:47:47,819 ぼんやり眺めてたりするような 子どもだった。 432 00:47:47,819 --> 00:47:52,257 だから 周りから 気味悪がられてな…。 433 00:47:52,257 --> 00:47:57,596 けど 思った事を口にしないと どんどん自分が怖くなるだろ。 434 00:47:57,596 --> 00:47:59,931 うん そうなんだ。 435 00:47:59,931 --> 00:48:03,802 トロガイという呪術師と出会って 俺は救われたんだ。 436 00:48:03,802 --> 00:48:08,273 呪術師? ヤクーの? うん。 437 00:48:08,273 --> 00:48:11,176 あんたも 呪術師なのか? 438 00:48:11,176 --> 00:48:13,144 そうだよ。 439 00:48:13,144 --> 00:48:16,147 タンダだ。 俺の名前。 440 00:48:16,147 --> 00:48:20,447 タンダ… おらは コチャだ。 441 00:48:24,823 --> 00:48:31,496 コチャ これから怖くなった時は 俺に言いな。 442 00:48:31,496 --> 00:48:33,496 うん。 443 00:48:55,587 --> 00:48:59,887 ヤギが欲しくて 来た訳ではなさそうだな。 444 00:49:02,260 --> 00:49:05,930 トト。 頼みがあって やって来た。 445 00:49:05,930 --> 00:49:09,930 しばらく この方を預かってくれ。 446 00:49:12,804 --> 00:49:15,607 牧童のトトだ。➡ 447 00:49:15,607 --> 00:49:18,943 ここにいれば安心だ。➡ 448 00:49:18,943 --> 00:49:25,617 彼らは 山の王の 一番近くにいる者たちだ。 449 00:49:25,617 --> 00:49:31,890 (呼び声) 450 00:49:31,890 --> 00:49:38,763 ≪(呼び声) 451 00:49:38,763 --> 00:49:45,437 彼らは あんなふうにして 遠い仲間と話をする。 452 00:49:45,437 --> 00:49:49,137 皆 構わんと言っている。 453 00:49:51,910 --> 00:49:55,610 お前を何て呼べばいい? 454 00:50:00,251 --> 00:50:03,154 チャグムと呼んで下さい。 455 00:50:03,154 --> 00:50:05,154 チャグム。 456 00:50:08,927 --> 00:50:12,263 精霊のにおいがする。 457 00:50:12,263 --> 00:50:15,934 水の精霊だ。 458 00:50:15,934 --> 00:50:19,604 卵を抱いた事があるな? 459 00:50:19,604 --> 00:50:23,304 はい。 子どもの頃に。 460 00:50:24,943 --> 00:50:29,943 なら あれが見えるか? 461 00:50:35,954 --> 00:50:37,954 あれは…。 462 00:50:42,827 --> 00:50:48,299 水だ。 ナユグの水だ。 463 00:50:48,299 --> 00:50:51,970 この辺りは どんどん水につかってゆく。 464 00:50:51,970 --> 00:50:55,306 南の方から流れてくるのだ。 465 00:50:55,306 --> 00:51:01,306 我々も そのうち 山で 暮らせんようになるかもしれん。 466 00:51:02,981 --> 00:51:08,319 あの水は ひなたの水のように温かい。 467 00:51:08,319 --> 00:51:12,619 雪が解ければ 雪崩が起きる。 468 00:51:15,660 --> 00:51:20,999 トト 我々も ここも危ないのか? 469 00:51:20,999 --> 00:51:24,869 あちらが変われば こちらも変わる。➡ 470 00:51:24,869 --> 00:51:30,008 それが恵みであっても➡ 471 00:51:30,008 --> 00:51:32,708 災いであってもな。 472 00:51:34,279 --> 00:51:40,952 (トト)そういえば 久々に 山の王の扉が開いたようだ。 473 00:51:40,952 --> 00:51:43,855 儀式が行われるんですか? 474 00:51:43,855 --> 00:51:47,826 果たして 今のカンバル王は➡ 475 00:51:47,826 --> 00:51:51,963 山の王に認められるかな。 476 00:51:51,963 --> 00:52:15,663 ♬~ 477 00:52:33,271 --> 00:52:35,571 バルサでございます。 478 00:52:42,947 --> 00:52:47,619 よく来た バルサ。 479 00:52:47,619 --> 00:52:53,291 お目通りかない 光栄にございます。 陛下。 480 00:52:53,291 --> 00:52:56,591 まるで そなたから 来たような口ぶりだが。 481 00:52:58,630 --> 00:53:02,630 カグロのもとから逃げたと 聞いておるが…。 482 00:53:04,302 --> 00:53:12,176 はい。 けれど どうしても 陛下に お目にかかりたく…。 483 00:53:12,176 --> 00:53:17,315 私に会いたいと? はい。 484 00:53:17,315 --> 00:53:20,315 もっと よく顔を見せよ。 485 00:53:40,939 --> 00:53:45,239 おお… 面影がある。 486 00:53:47,278 --> 00:53:51,616 (ログサム)…で 私に会いたいのは そなた一人か? 487 00:53:51,616 --> 00:53:57,488 もう一人 若い者がいたと聞いたが その者は どうした? 488 00:53:57,488 --> 00:54:03,962 陛下に強くお会いしたいと 願っているのは その者です。 489 00:54:03,962 --> 00:54:09,662 その者は 新ヨゴ国のチャグム皇太子です。 490 00:54:11,636 --> 00:54:14,539 既に ご存じの事と存じますが➡ 491 00:54:14,539 --> 00:54:20,311 チャグム皇太子は タルシュ帝国より 追われている身です。 492 00:54:20,311 --> 00:54:25,650 タルシュ帝国と陛下が 昵懇の間柄であると聞き及び➡ 493 00:54:25,650 --> 00:54:29,520 念のため 一時 身を隠しました。 494 00:54:29,520 --> 00:54:33,458 その皇太子の身を タルシュの意向とは➡ 495 00:54:33,458 --> 00:54:37,261 切り離されてお考え頂けると 確信できれば➡ 496 00:54:37,261 --> 00:54:42,600 すぐに ここへお連れします。 ハハハハハハッ! 497 00:54:42,600 --> 00:54:47,271 まるで決めるのは 全て そなたであるかのようだな。 498 00:54:47,271 --> 00:54:53,945 私は そなたの意向に従うだけか? 499 00:54:53,945 --> 00:54:55,945 いえ…。 500 00:54:57,615 --> 00:55:02,286 私は そなたの意向に沿う気はない。➡ 501 00:55:02,286 --> 00:55:05,623 カグロの息子が チャグム皇太子を見つけ次第➡ 502 00:55:05,623 --> 00:55:09,494 首をはね➡ 503 00:55:09,494 --> 00:55:11,794 タルシュに差し出す。 504 00:55:17,969 --> 00:55:23,269 そう申したら 何と致す? 505 00:55:24,842 --> 00:55:27,542 (ログサム)私に刃向かうか? 506 00:55:34,919 --> 00:55:44,919 バルサ チャグム皇太子の事は切り離して 私の顔を見よ。 507 00:55:49,267 --> 00:55:52,937 そうだ…。 508 00:55:52,937 --> 00:55:56,637 その恨みの籠もった目…。 509 00:55:59,277 --> 00:56:02,977 そのお前と話がしたい。 510 00:56:06,150 --> 00:56:15,293 カルナの娘か ジグロの娘かは知らぬが➡ 511 00:56:15,293 --> 00:56:18,593 この私が憎かろう? 512 00:56:26,304 --> 00:56:29,004 いいえ。 正直に申せ! 513 00:56:32,910 --> 00:56:36,581 お前を育てたジグロは➡ 514 00:56:36,581 --> 00:56:40,281 8人の王の槍を殺した。 515 00:56:42,253 --> 00:56:45,923 8人の金の輪を盗み出して➡ 516 00:56:45,923 --> 00:56:50,261 逃げて 逃げて➡ 517 00:56:50,261 --> 00:56:57,602 とうとう最後は 同族の兄に討たれて死んだ。➡ 518 00:56:57,602 --> 00:57:00,271 哀れなもんよ。 519 00:57:00,271 --> 00:57:07,945 その兄は 盗まれた 全ての金の輪を取り返し➡ 520 00:57:07,945 --> 00:57:11,645 この国の英雄となった。 521 00:57:19,557 --> 00:57:23,294 そこで そなたに尋ねたい。 522 00:57:23,294 --> 00:57:26,294 それは事実か? 523 00:57:30,635 --> 00:57:40,244 (ログサム)兄のカグロは➡ 524 00:57:40,244 --> 00:57:44,115 それは事実か? 525 00:57:44,115 --> 00:57:46,117 どうなのだ? 526 00:57:46,117 --> 00:57:59,417 ♬~ 527 00:58:01,933 --> 00:58:04,836 ラウル王子は 野蛮な狂犬ではありません! 528 00:58:04,836 --> 00:58:08,806 バカだな…。 人も土も 皆 消えるだけ。 529 00:58:08,806 --> 00:58:12,577 陛下… 神の世にお逃げ下さい。 530 00:58:12,577 --> 00:58:16,480 今 ここで争えば 儀式に不吉をもたらします。 531 00:58:16,480 --> 00:58:19,780 この国は大変な事になる。 532 00:58:21,953 --> 00:58:23,888 父上~! 533 00:58:23,888 --> 00:58:25,888 ああ~っ! 534 01:00:44,478 --> 01:00:46,497 >>世界一を懸けた戦い。 535 01:00:55,256 --> 01:00:59,043 16歳の樋口新葉は難度の高い連 続ジャンプで勝負する。