1 00:00:02,110 --> 00:00:04,850 (チャグム)バルサ! 2 00:00:04,850 --> 00:00:06,780 (タンダ)ヤクーたちは昔から➡ 3 00:00:06,780 --> 00:00:09,350 目に見えない もう一つの世があると信じている。 4 00:00:09,350 --> 00:00:11,290 それが ナユグだ。 5 00:00:11,290 --> 00:00:13,690 ナユグの ある生き物が 卵を産むと➡ 6 00:00:13,690 --> 00:00:15,620 ヤクーたちは 考えてきた。 7 00:00:15,620 --> 00:00:17,860 その生き物を ニュンガ・ロ・イムと呼ぶ。 8 00:00:17,860 --> 00:00:19,790 (バルサ)チャグムには その精霊の卵が➡ 9 00:00:19,790 --> 00:00:21,730 産み付けられたっていうのか? 10 00:00:21,730 --> 00:00:23,730 何があっても 生きろ。 11 00:00:23,730 --> 00:00:25,730 私がお前を 必ず守る! 12 00:00:25,730 --> 00:00:30,200 (トロガイ)こんな近くに 精霊の守り人がいたとはねえ。 13 00:00:30,200 --> 00:00:32,240 (ニナ)精霊の卵を狙って➡ 14 00:00:32,240 --> 00:00:35,380 卵食いのラルンガが やって来るんだって。➡ 15 00:00:35,380 --> 00:00:37,710 その ラルンガに引き裂かれて➡ 16 00:00:37,710 --> 00:00:39,710 死んじゃったんだって。 17 00:00:41,880 --> 00:00:44,790 (ジン)ああっ!➡ 18 00:00:44,790 --> 00:00:49,490 うわ~っ! ああ~っ! 19 00:00:52,590 --> 00:02:45,390 ♬~ 20 00:02:57,420 --> 00:03:02,120 あっ…! うっ ああ…。 21 00:03:07,500 --> 00:03:33,350 ♬~ 22 00:03:33,350 --> 00:03:35,290 チャグム 大丈夫か? 23 00:03:35,290 --> 00:03:48,900 ♬~ 24 00:03:48,900 --> 00:03:51,710 ここには よく 呪術の修業で籠もるんだ。 25 00:03:51,710 --> 00:03:56,040 一冬いても ここなら凍え死ぬ事は ないからね。 26 00:03:56,040 --> 00:04:00,040 ほら チャグム こっちに来てごらん。 27 00:04:08,690 --> 00:04:11,830 どうだ 楽しく過ごせそうだろ? 28 00:04:11,830 --> 00:04:17,000 (トロガイ)酒だ 酒だ。 ハッハッハッハッハッ。 29 00:04:17,000 --> 00:04:20,870 ここにいれば ラルンガには 襲われないんですね? トロガイ。 30 00:04:20,870 --> 00:04:25,170 少なくとも 冬の間はね。 31 00:04:25,170 --> 00:04:29,340 精霊の卵は 一体 いつまで チャグムの中にあるんです? 32 00:04:29,340 --> 00:04:33,510 そりゃ チャグムが 卵を産むまでだよ。➡ 33 00:04:33,510 --> 00:04:38,810 どこで どうやって産むかは 誰にも分からないけどねえ。 34 00:04:44,690 --> 00:04:49,030 あなたには 私の中身が見えるのか? 35 00:04:49,030 --> 00:04:51,930 あんたの中身? 36 00:04:51,930 --> 00:04:55,700 その この中にある卵が…。 37 00:04:55,700 --> 00:04:59,210 ああ ニュンガ・ロ・イムの卵か。 38 00:04:59,210 --> 00:05:03,180 そうだね 私には 確かに感じられるよ。 39 00:05:03,180 --> 00:05:10,180 青白くて小さいけど 懸命に生きようとする卵をね。 40 00:05:15,490 --> 00:05:19,330 どうして そんなものが 私に? 41 00:05:19,330 --> 00:05:23,830 さあ… もともと あんたにも➡ 42 00:05:23,830 --> 00:05:29,170 ナユグを感じる力が あったのかもしれないねえ。 43 00:05:29,170 --> 00:05:38,510 恐らく これまで 卵を宿してきた ヤクーの子たちと同じように。 44 00:05:38,510 --> 00:05:43,180 ナユグの方が あんたを選んだんだ。➡ 45 00:05:43,180 --> 00:05:47,050 あんたのせいだという事はない。 46 00:05:47,050 --> 00:06:01,140 ♬~ 47 00:06:01,140 --> 00:06:03,170 無理もないよ。 48 00:06:03,170 --> 00:06:07,910 この間までは王宮で 蝶よ花よと育てられてた子が➡ 49 00:06:07,910 --> 00:06:11,780 突然 あんな恐怖を味わったんだ。 50 00:06:11,780 --> 00:06:14,320 もっと おかしくなっても 不思議じゃないけど➡ 51 00:06:14,320 --> 00:06:17,820 あいつは すごいよ。 52 00:06:17,820 --> 00:06:20,650 そうじゃない。 ん? 53 00:06:20,650 --> 00:06:23,320 あの子にとって➡ 54 00:06:23,320 --> 00:06:26,820 王宮に捨てられるほどの恐怖は なかったんだ。 55 00:06:29,200 --> 00:06:36,000 その理由が やっと あの子にも 分かったんだよ。 56 00:06:38,340 --> 00:06:43,180 父上が 私を殺そうとしているの? 57 00:06:43,180 --> 00:06:46,510 父上は 私が憎いの? 58 00:06:46,510 --> 00:07:17,140 ♬~ 59 00:07:17,140 --> 00:07:21,980 あ~ これも 干物にして食べな。 どうしたんですか? これ。 60 00:07:21,980 --> 00:07:25,650 ヨナ・ロ・ガイと話してきたんだよ。 水の民と? 61 00:07:25,650 --> 00:07:30,830 ラルンガの事を聞こうとしたんだが ラルンガは土の精霊だから➡ 62 00:07:30,830 --> 00:07:34,630 よく分からないらしい。 そうですか。 63 00:07:38,170 --> 00:07:42,840 (トロガイ)それでね ヂュチ・ロ・ガイを 探しに行こうと思うのだけど➡ 64 00:07:42,840 --> 00:07:45,170 タンダも一緒に来てくれるかい? 65 00:07:45,170 --> 00:07:49,680 土の民をですか? いいですが…。 66 00:07:49,680 --> 00:07:55,350 ここは バルサに任せておけばいいさ。 67 00:07:55,350 --> 00:07:57,280 一人で大丈夫だ。 68 00:07:57,280 --> 00:08:01,120 ちゃんと この卵を守るんだよ。 69 00:08:01,120 --> 00:08:04,460 私が守るのは卵じゃありませんよ。 70 00:08:04,460 --> 00:08:22,760 ♬~ 71 00:08:30,580 --> 00:08:33,280 本格的に降ってきたね。 72 00:08:35,820 --> 00:08:42,000 明日には 穴の外は真っ白になるだろうね。 73 00:08:42,000 --> 00:08:47,170 当分は あんたと2人 穴蔵暮らしだ。 74 00:08:47,170 --> 00:08:52,170 あんたは した事ないだろうけど これで結構 快適なんだよ。 75 00:08:54,340 --> 00:09:03,950 穴にいれば 世の中の嫌な事は みんな忘れられる。 76 00:09:03,950 --> 00:09:07,790 忘れられないよ。 77 00:09:07,790 --> 00:09:13,590 みんなは 私の事を 忘れてしまえるだろうけど…。 78 00:09:15,300 --> 00:09:23,500 父上だって 母上だって…。 79 00:09:52,000 --> 00:09:56,870 だけど…➡ 80 00:09:56,870 --> 00:09:59,670 あんたは 一人じゃないよ。 81 00:10:07,010 --> 00:10:08,950 (聖導師)その魔物は➡ 82 00:10:08,950 --> 00:10:11,690 チャグム王子を 狙っていたのだな? 83 00:10:11,690 --> 00:10:13,720 (ジン)そのように見えました。 84 00:10:13,720 --> 00:10:18,030 建国神話にあるように チャグム王子が➡ 85 00:10:18,030 --> 00:10:20,060 魔物に化けた訳ではないのだな? 86 00:10:20,060 --> 00:10:23,530 違います! 87 00:10:23,530 --> 00:10:28,530 その腕は 魔物にやられたのか? 88 00:10:30,200 --> 00:10:32,200 うわ~っ! 89 00:10:35,540 --> 00:10:38,450 は…。 90 00:10:38,450 --> 00:10:43,880 その魔物の始末は いかに致しましょう? 91 00:10:43,880 --> 00:10:45,820 (帝)始末? 92 00:10:45,820 --> 00:10:50,560 もはや 魔物がいる事は 否定できません。 93 00:10:50,560 --> 00:10:57,060 しかし チャグム王子に 宿ったものではないとすると…。 94 00:10:57,060 --> 00:11:10,510 ♬~ 95 00:11:10,510 --> 00:11:15,680 チャグムの汚れが そのようなものを呼び寄せたのだ。 96 00:11:15,680 --> 00:11:18,350 チャグムを清めねばならぬ。 97 00:11:18,350 --> 00:11:21,850 清めれば そのようなものも消えて なくなるだろう。 98 00:11:29,960 --> 00:11:32,870 この者も消すのだ! 99 00:11:32,870 --> 00:11:34,800 陛下! お許しを! 100 00:11:34,800 --> 00:11:37,300 早くせよ! 陛下~! 101 00:11:42,540 --> 00:11:46,410 お妃は夏至の頃 チャグム王子の体が➡ 102 00:11:46,410 --> 00:11:50,880 青白く光って見えたと 仰せでございましたな。 103 00:11:50,880 --> 00:11:53,790 そのとおりですが 今更 何なのです? 104 00:11:53,790 --> 00:12:01,290 チャグム王子の体の中に宿ったものは 精霊の卵です。 105 00:12:03,530 --> 00:12:09,170 (二ノ妃)卵? 恐らく その時分に 宿ったのでしょう。 106 00:12:09,170 --> 00:12:17,680 その卵が かえらなければ この地は大干ばつに見舞われます。 107 00:12:17,680 --> 00:12:19,710 大干ばつ…。 108 00:12:19,710 --> 00:12:26,690 しかし 帝の御心は 変わりますまい。 109 00:12:26,690 --> 00:12:30,360 (サグム)母上!➡ 110 00:12:30,360 --> 00:12:32,660 これは 桃の匂いが致します。 111 00:12:35,030 --> 00:12:37,330 これは 梨の匂いが致します。 112 00:12:39,200 --> 00:12:47,900 帝にとって あの皇太子とチャグムと どこが違うというのです。 113 00:12:53,750 --> 00:12:56,750 チャグム王子に宿ったものが➡ 114 00:12:56,750 --> 00:13:02,320 干ばつから この国を救うものであるならば➡ 115 00:13:02,320 --> 00:13:05,160 チャグム王子こそ➡ 116 00:13:05,160 --> 00:13:11,930 神に選ばれし者 なのかもしれません。 117 00:13:11,930 --> 00:13:18,670 帝も それに気付いておいで なのかもしれません。 118 00:13:18,670 --> 00:13:24,340 自分より チャグムが神に近いと? 119 00:13:24,340 --> 00:13:27,850 言葉が過ぎました。 どうぞ お忘れ下さい。 120 00:13:27,850 --> 00:13:32,350 そのような子を 王宮は みすみす 殺してしまうのですか!? 121 00:13:32,350 --> 00:13:36,020 なんとかなさい 聖導師。 なんとかするのです! 122 00:13:36,020 --> 00:13:44,320 なんとか 王子を王宮に 戻せればよいのですが…。 123 00:13:46,670 --> 00:13:50,540 それでは早速 支度をさせましょう。 124 00:13:50,540 --> 00:14:02,340 ♬~ 125 00:14:58,210 --> 00:15:03,210 (咆哮) 126 00:15:07,310 --> 00:15:09,810 うわ~! 127 00:15:28,000 --> 00:15:30,340 うわ~! 128 00:15:30,340 --> 00:15:32,540 チャグム! 129 00:15:36,140 --> 00:15:38,850 うわ~! 130 00:15:38,850 --> 00:15:40,850 チャグム どうした!? 131 00:15:42,680 --> 00:15:46,350 チャグム! 離せ! やめろ! 132 00:15:46,350 --> 00:15:49,350 離せ! やめろ! 133 00:15:54,530 --> 00:15:56,460 チャグム。 134 00:15:56,460 --> 00:15:59,160 来るな! 来るな! 135 00:16:07,170 --> 00:16:10,010 また 怖い夢を見たんだね。 136 00:16:10,010 --> 00:16:14,310 何が夢だ。 夢じゃない! 137 00:16:14,310 --> 00:16:16,810 どこが夢なんだ! 138 00:16:22,660 --> 00:16:28,000 ふざけるな! ふざけるな! 139 00:16:28,000 --> 00:16:30,830 どうして 私なんだ! 140 00:16:30,830 --> 00:16:35,700 どうして 私が こんな目に 遭わなければならないんだ! 141 00:16:35,700 --> 00:16:45,680 どうして! どうして! 142 00:16:45,680 --> 00:16:47,980 どうして…。 143 00:16:51,350 --> 00:16:58,030 チャグム あんたの気持ちは よく分かる。 144 00:16:58,030 --> 00:17:10,140 ♬~ 145 00:17:10,140 --> 00:17:16,810 私も子どもの頃は どうして どうしてって➡ 146 00:17:16,810 --> 00:17:19,310 そればかり思ってたからね。 147 00:17:22,320 --> 00:17:27,320 私に比べたら あんたは まだ 強い方だ。 148 00:17:30,820 --> 00:17:36,820 私は 本当に弱かったんだ。 149 00:17:40,500 --> 00:17:42,800 どうして 強くなれたの? 150 00:17:49,180 --> 00:17:53,680 そう変えてくれた人がいたんだ。 151 00:17:53,680 --> 00:17:57,850 ジグロの事? 152 00:17:57,850 --> 00:18:01,460 どうして その名を…。 153 00:18:01,460 --> 00:18:04,960 タンダから聞いたのか? 154 00:18:04,960 --> 00:18:07,460 バルサを育てた人? 155 00:18:07,460 --> 00:18:10,800 ああ。 156 00:18:10,800 --> 00:18:17,570 6歳だった私を連れて 自分の国を捨てた人だ。 157 00:18:17,570 --> 00:18:20,140 カンバル王国を? 158 00:18:20,140 --> 00:18:22,140 そうだ。 159 00:18:24,010 --> 00:18:31,810 この山を北へ北へと越えた所が カンバル王国だ。 160 00:18:33,990 --> 00:18:37,820 ジグロと私は ユサ山脈を越えて➡ 161 00:18:37,820 --> 00:18:40,160 青霧山脈も越え➡ 162 00:18:40,160 --> 00:18:43,830 新ヨゴ国に逃げたんだ。 163 00:18:43,830 --> 00:18:46,870 どうして 逃げなければならなかったの? 164 00:18:46,870 --> 00:18:55,440 私の父は カンバル王に仕える 医術師だった。 165 00:18:55,440 --> 00:19:02,620 その父に近づいたのが 王の弟のログサムだ。 166 00:19:02,620 --> 00:19:07,120 ログサムは 父に➡ 167 00:19:07,120 --> 00:19:13,420 王を病気と見せかけ 毒殺するように命じたんだ。 168 00:19:15,830 --> 00:19:21,470 私の母は 前の年に亡くなっていて➡ 169 00:19:21,470 --> 00:19:26,270 父は 私と2人で暮らしていた。 170 00:19:28,640 --> 00:19:34,810 その たった一人の娘を 殺すと脅されたのさ。 171 00:19:34,810 --> 00:19:37,150 バルサを? 172 00:19:37,150 --> 00:19:40,190 そうだ。 173 00:19:40,190 --> 00:19:43,490 卑劣なログサムは➡ 174 00:19:43,490 --> 00:19:47,990 この私の命を盾にして 父に命じた。 175 00:19:50,830 --> 00:19:56,130 だから 父は 従うしかなかったんだ。 176 00:20:00,540 --> 00:20:06,380 けどね たとえ 命令どおり 王を暗殺しても➡ 177 00:20:06,380 --> 00:20:12,520 ログサムが その秘密を知っている父を 生かしておくはずがない。 178 00:20:12,520 --> 00:20:19,190 だから 父は 娘だけは守るために➡ 179 00:20:19,190 --> 00:20:22,390 親友を頼るしかなかった。 180 00:20:25,870 --> 00:20:27,870 それが ジグロだ。 181 00:20:31,670 --> 00:20:36,510 ジグロは 王宮の武術指南役として仕え➡ 182 00:20:36,510 --> 00:20:39,710 王の槍と呼ばれる武人だった。 183 00:20:41,720 --> 00:20:47,050 ジグロにとって 父の頼みを引き受ける事は➡ 184 00:20:47,050 --> 00:20:53,350 自分の地位も 国も 家族も 捨てる事だった。 185 00:20:58,770 --> 00:21:03,840 それなのに ジグロは➡ 186 00:21:03,840 --> 00:21:06,640 友の思いを受け入れたんだよ。 187 00:21:09,180 --> 00:21:12,850 王が死ぬと➡ 188 00:21:12,850 --> 00:21:18,180 父は盗賊に襲われて殺されたと 噂で聞いた。 189 00:21:18,180 --> 00:21:22,380 そんなの嘘だ! ログサムに殺されたんだ! 190 00:21:24,860 --> 00:21:31,360 そして 私も ジグロも 一生 カンバルには戻れなくなった。 191 00:21:33,030 --> 00:21:37,200 カンバル王となったログサムから➡ 192 00:21:37,200 --> 00:21:40,900 一生 その命を 狙われる身となったんだ。 193 00:21:44,080 --> 00:21:50,280 だから 私は ジグロから武術を教わる事にした。 194 00:21:52,220 --> 00:21:56,060 自分の身を守るために? 195 00:21:56,060 --> 00:21:58,060 いや。 196 00:21:59,930 --> 00:22:04,500 カンバル王を倒すためにだ。 197 00:22:04,500 --> 00:22:06,500 やあっ! 198 00:22:10,000 --> 00:22:12,000 やあっ! 199 00:22:13,840 --> 00:22:19,350 そんな事は ただの人間に できるはずもないのにね。 200 00:22:19,350 --> 00:22:23,180 槍を習い始めたばかりの頃は➡ 201 00:22:23,180 --> 00:22:25,880 その事しか考えてなかった。 202 00:22:27,520 --> 00:22:31,690 それで ジグロは どうなったの? 203 00:22:31,690 --> 00:22:34,890 私と旅をしながら戦い続けた。 204 00:22:43,400 --> 00:22:51,100 カンバル王が ジグロと私を殺すために 次々と討っ手を放ったからね。 205 00:22:52,880 --> 00:22:58,680 それも ジグロと同じ 王の槍と呼ばれる武人が放たれた。 206 00:23:03,320 --> 00:23:08,500 ジグロは 私を生かすために➡ 207 00:23:08,500 --> 00:23:11,300 仲間を殺すしかなかった。 208 00:23:20,110 --> 00:23:24,310 15年の間に 8人。 209 00:23:27,680 --> 00:23:34,180 ジグロは結局 8人の仲間を殺した。 210 00:23:38,390 --> 00:23:45,190 そして その力が尽きるように死んだよ。 211 00:23:54,770 --> 00:24:01,470 父さんの背負った罪は 私が償うから。 212 00:24:05,820 --> 00:24:11,320 私が 8人の命を助ける。 213 00:24:13,690 --> 00:24:18,390 その分 人を助けるから。 214 00:24:21,670 --> 00:24:27,870 だから 安心して眠って。 215 00:24:31,010 --> 00:24:35,520 (ジグロ)バルサ…。 216 00:24:35,520 --> 00:24:42,020 人を助けるのは 殺すより難しい。 217 00:24:42,020 --> 00:24:47,830 私は お前を助けたとは 思っていない。➡ 218 00:24:47,830 --> 00:24:53,030 お前と旅をして楽しかった。 219 00:24:53,030 --> 00:24:56,230 お前の成長が うれしかった。 220 00:24:58,710 --> 00:25:01,510 幸せだった。 221 00:25:05,980 --> 00:25:07,910 父さん…。 222 00:25:07,910 --> 00:25:27,670 ♬~ 223 00:25:27,670 --> 00:25:33,370 それで バルサは 川で私を助けてくれたのか。 224 00:25:36,840 --> 00:25:42,140 だけど ジグロの言ってたとおりだったよ。 225 00:25:44,020 --> 00:25:50,520 人を助けるのは 殺すより難しい。 226 00:25:50,520 --> 00:25:58,400 誰かを助ければ 別の誰かを傷つける事になる。 227 00:25:58,400 --> 00:26:01,700 新たな争いを 生む事にもなるからね。 228 00:26:07,470 --> 00:26:10,170 もう 元には戻れない。 229 00:26:13,350 --> 00:26:16,550 そうやって生きるしか なくなってしまったんだ。 230 00:26:41,170 --> 00:26:46,510 バルサ お願いがある。 231 00:26:46,510 --> 00:26:49,350 何だ? 232 00:26:49,350 --> 00:26:52,150 私に 武術を教えてくれ。 233 00:26:55,150 --> 00:26:59,990 私は まだ 何と戦えばいいのかも 分からない。 234 00:26:59,990 --> 00:27:03,630 何が敵なのかも分からない。 235 00:27:03,630 --> 00:27:06,300 だけど 戦いたい。 236 00:27:06,300 --> 00:27:13,070 私を逃がしてくれた母のためにも 生きたいのだ! 237 00:27:13,070 --> 00:27:18,770 そのために バルサと一緒に 戦いたいのだ! 238 00:27:22,480 --> 00:27:25,180 私に 槍を教えてくれ。 239 00:27:26,990 --> 00:27:29,020 教えて下さい! 240 00:27:29,020 --> 00:27:48,370 ♬~ 241 00:27:48,370 --> 00:27:50,370 はっ! 242 00:27:52,850 --> 00:27:54,850 ふっ! 243 00:27:58,020 --> 00:28:01,790 うっ! 244 00:28:01,790 --> 00:28:03,790 はあっ! 245 00:28:07,590 --> 00:28:10,130 はあっ! 246 00:28:10,130 --> 00:28:12,070 ああっ! 247 00:28:12,070 --> 00:28:16,370 嫌だ! 母上と別れるのは嫌だ! 248 00:28:18,000 --> 00:28:20,000 ああっ! 249 00:28:28,980 --> 00:28:33,320 痛い痛い 痛い 痛い痛い…! 250 00:28:33,320 --> 00:28:35,350 痛い…。 痛い痛い痛い! 251 00:28:35,350 --> 00:28:37,820 悔しかったら 生きる事だね。 252 00:28:37,820 --> 00:28:40,520 何をしたって生き抜いてみろ。 253 00:28:42,330 --> 00:28:44,260 泣いてる暇はないんだよ。 254 00:28:44,260 --> 00:28:46,760 はっ! はっ! 255 00:28:49,670 --> 00:28:52,710 痛い痛い 痛い痛い…。 痛い。 256 00:28:52,710 --> 00:29:14,460 ♬~ 257 00:29:14,460 --> 00:29:17,260 やあっ! はっ! 258 00:29:21,800 --> 00:29:26,310 私は神の子だ! そうじゃないのか!? 259 00:29:26,310 --> 00:29:28,810 何のために生まれてきたのだ! 260 00:29:28,810 --> 00:29:32,480 化け物に殺されるためか!? 261 00:29:32,480 --> 00:29:39,180 どうして! どうして! 262 00:29:46,330 --> 00:29:48,830 この方が暖かいだろ。 263 00:29:48,830 --> 00:30:26,130 ♬~ 264 00:30:33,210 --> 00:30:35,210 (戸が開く音) 265 00:30:40,080 --> 00:30:42,550 熱は まだ下がらんのか? 266 00:30:42,550 --> 00:30:44,480 (医術師)申し訳ございません!➡ 267 00:30:44,480 --> 00:30:47,890 どのような薬も効きませぬ! 268 00:30:47,890 --> 00:30:49,820 (帝)死なせてはならぬ。 269 00:30:49,820 --> 00:30:54,020 サグムは 私の子ぞ。 270 00:30:56,560 --> 00:30:58,500 神の子ぞ。 271 00:30:58,500 --> 00:31:02,170 もはや 陛下におすがりするしか➡ 272 00:31:02,170 --> 00:31:08,670 私めには 病のもとが分かりませぬ! 273 00:31:11,340 --> 00:31:13,850 (一ノ妃)お願いします 陛下…。 274 00:31:13,850 --> 00:31:16,680 サグムをお救い下さい。➡ 275 00:31:16,680 --> 00:31:19,190 お救い下さいませ 陛下! 276 00:31:19,190 --> 00:31:24,860 (せきこみ) 277 00:31:24,860 --> 00:31:27,190 うわっ! 278 00:31:27,190 --> 00:31:30,100 水だ…。 279 00:31:30,100 --> 00:31:32,870 水が もとだ! 280 00:31:32,870 --> 00:31:35,870 水だ 水だ…。 281 00:31:40,040 --> 00:31:43,080 これだ。 282 00:31:43,080 --> 00:31:46,550 これが もとだ! 283 00:31:46,550 --> 00:31:49,220 誰も水を一切使ってはならぬ! 284 00:31:49,220 --> 00:31:52,520 水だ…。 水が もとだ。 285 00:31:55,720 --> 00:32:00,330 皇太子には 手を尽くします。 286 00:32:00,330 --> 00:32:03,230 どうすればよいのだ…。 287 00:32:03,230 --> 00:32:10,040 サグムが死んだら 我が意を 受け継ぐ者がいなくなる…。 288 00:32:10,040 --> 00:32:15,170 王子2人が いちどきに いなくなれば➡ 289 00:32:15,170 --> 00:32:19,010 民は 不安に思うでしょう。 290 00:32:19,010 --> 00:32:24,810 今は 皇太子の回復を祈るほかには…。 291 00:32:31,720 --> 00:32:37,420 チャグムを… 王宮に連れ戻せ。 292 00:32:41,200 --> 00:32:44,200 (帝)どちらも消す事はできぬ。 293 00:32:48,070 --> 00:32:55,210 どちらかを残すよりほかはない。 294 00:32:55,210 --> 00:32:57,210 はい。 295 00:33:02,490 --> 00:33:04,520 (帝)ここを閉じよ。➡ 296 00:33:04,520 --> 00:33:09,160 早く この扉を閉じよ! 早くせよ!➡ 297 00:33:09,160 --> 00:33:14,030 ああっ! 早く ここを閉じよ! ああっ!➡ 298 00:33:14,030 --> 00:33:17,730 早くせよ! ああっ! あ~っ! 299 00:33:20,170 --> 00:33:24,340 聖導師。 皇太子は助かるのですか? 300 00:33:24,340 --> 00:33:28,510 手は尽くしております。 301 00:33:28,510 --> 00:33:33,020 皇太子は なぜ あのような病に…。 302 00:33:33,020 --> 00:33:35,050 さあ…。 303 00:33:35,050 --> 00:34:00,050 ♬~ 304 00:34:05,020 --> 00:34:12,020 (鐘の音) 305 00:34:24,370 --> 00:34:26,370 (戸をたたく音) 306 00:34:30,010 --> 00:34:33,510 ≪(ガカイ)お~ シュガ。 ハッハッハッハッハッ。➡ 307 00:34:33,510 --> 00:34:36,180 今日も生きていたか。➡ 308 00:34:36,180 --> 00:34:38,220 今日は どこまで読めたかな? 309 00:34:38,220 --> 00:34:40,350 (シュガ)その前に食事を。 ≪(ガカイ)あ? 310 00:34:40,350 --> 00:34:42,550 でなければ話しません。 311 00:34:51,860 --> 00:34:54,160 しょうがねえな。 312 00:35:05,980 --> 00:35:08,810 水はないぞ。 え? 313 00:35:08,810 --> 00:35:12,490 帝が 王宮の水を使うなと仰せだ。 314 00:35:12,490 --> 00:35:16,190 おい。 それで しのげ。 315 00:35:18,290 --> 00:35:23,130 どうして 水を? 皇太子が熱病にかかられてな。 316 00:35:23,130 --> 00:35:26,830 まさか チャグム王子のせいだと? 317 00:35:28,930 --> 00:35:32,170 という事は つまり…➡ 318 00:35:32,170 --> 00:35:36,010 まだ生きてるという事ですね? ああ そうだ。 319 00:35:36,010 --> 00:35:38,040 万が一 皇太子の身に何かがあれば➡ 320 00:35:38,040 --> 00:35:42,520 第2王子を王宮に 連れ戻さねばならんだろうな。➡ 321 00:35:42,520 --> 00:35:47,350 既に聖導師様が そのように計らっておられる。 322 00:35:47,350 --> 00:35:49,290 ハハハハハッ…。 何だ? 323 00:35:49,290 --> 00:35:51,690 ハハハハハハッ! 324 00:35:51,690 --> 00:35:55,860 それは初めから 聖導師様が そう仕組んだんじゃないんですか。 325 00:35:55,860 --> 00:35:59,730 聖導師様が チャグム王子を 生かすために やったんですよ。 326 00:35:59,730 --> 00:36:02,130 お前は とうとう おかしくなったのか! 327 00:36:02,130 --> 00:36:04,470 大干ばつを防ぐには それしかないでしょ! 328 00:36:04,470 --> 00:36:07,810 聖導師なら やりかねませんよ。 な… お前! 329 00:36:07,810 --> 00:36:10,710 なんて事を言う! 聖導師様を 何だと思っているんだ! 330 00:36:10,710 --> 00:36:14,710 手記で 面白い事が 書いてあったんです。 331 00:36:17,320 --> 00:36:23,120 建国神話では 初代国王のトルガル帝は もともと ヨゴ国の王子で➡ 332 00:36:23,120 --> 00:36:27,830 王権争いの愚かさに嫌気がさし 身を引いて 海を渡り➡ 333 00:36:27,830 --> 00:36:32,500 この地に新ヨゴ国を築いたと ありますよね? ああ。 334 00:36:32,500 --> 00:36:37,840 けど この石版の手記では 違っている! え? 335 00:36:37,840 --> 00:36:40,740 見て下さい。➡ 336 00:36:40,740 --> 00:36:45,010 「トルガル帝は神でもなく 実は臆病で➡ 337 00:36:45,010 --> 00:36:47,910 自分の考えを持たぬ 弱い男であった」と書いてある! 338 00:36:47,910 --> 00:36:51,180 何を言うか! 貴様 その言葉だけで➡ 339 00:36:51,180 --> 00:36:53,850 死罪に値するぞ。 その弱さに目をつけたのが➡ 340 00:36:53,850 --> 00:36:59,730 これを書いた 初代大聖導師 ナナイです。 341 00:36:59,730 --> 00:37:03,130 この国は もともと 聖導師が➡ 342 00:37:03,130 --> 00:37:05,160 王を操って 生まれた国だったんです! 343 00:37:05,160 --> 00:37:08,000 黙れ! 何を言うか! 344 00:37:08,000 --> 00:37:12,470 ここを 新天地として選んだのも ナナイ大聖導師です! 345 00:37:12,470 --> 00:37:16,640 ナナイ大聖導師は ヤクーと同じものに 興味を持っていた! 346 00:37:16,640 --> 00:37:18,640 は~っ! 347 00:37:20,310 --> 00:37:22,820 先住民と同じものをだと!? 348 00:37:22,820 --> 00:37:26,150 ヤクーは目に見えない世を ナユグと呼びます。 349 00:37:26,150 --> 00:37:29,660 ナナイ大聖導師には その ナユグを 見る力があったんですよ! 350 00:37:29,660 --> 00:37:31,990 だから 正しく➡ 351 00:37:31,990 --> 00:37:35,860 魔物を見極める事が できたんです! 352 00:37:35,860 --> 00:37:37,860 はあっ! 353 00:37:42,640 --> 00:37:46,340 すごいな チャグム! 誰かと思ったよ! 354 00:37:46,340 --> 00:37:49,240 タンダ! 心さえ決まれば➡ 355 00:37:49,240 --> 00:37:51,680 チャグムには なかなかの素質がある。 356 00:37:51,680 --> 00:37:54,580 バルサのようになるのかと思うと こっちは気が重いな。 357 00:37:54,580 --> 00:37:59,180 ふん…。 それで 何か分かったのか? 358 00:37:59,180 --> 00:38:04,790 駄目だった。 ラルンガと同じように 土の民は みんな冬眠するのか➡ 359 00:38:04,790 --> 00:38:10,130 出てきてはくれなかったよ。 トロガイは? 360 00:38:10,130 --> 00:38:12,630 何も分からないなら ここにいても しょうがないから➡ 361 00:38:12,630 --> 00:38:14,970 温泉にでも つかってるってさ。 362 00:38:14,970 --> 00:38:17,640 のんきだね あの人だけは いつも。 363 00:38:17,640 --> 00:38:21,310 ヤギの乳を仕入れてきたから カンバル料理のラルウでも作ろうか。 364 00:38:21,310 --> 00:38:23,640 おっ それは ありがたい。 365 00:38:23,640 --> 00:38:26,550 タンダが帰ってきてくれて 助かったよ! 366 00:38:26,550 --> 00:38:30,150 おい それは どういう意味だ? フフフッ。 367 00:38:30,150 --> 00:38:32,150 ほら 行くよ! 368 00:38:35,020 --> 00:38:38,820 うまい! 369 00:38:38,820 --> 00:38:44,000 バルサ あと どれぐらい修練したら バルサのようになれる? 370 00:38:44,000 --> 00:38:48,330 そうだね。 あと20年ぐらいしたら なれるよ。 371 00:38:48,330 --> 00:38:54,210 20年!? それじゃ 全然 間に合わないじゃないか! 372 00:38:54,210 --> 00:38:58,340 まさか あんた この冬の間に 強くなろうと思ってたのか? 373 00:38:58,340 --> 00:39:01,610 そうじゃなきゃ ラルンガに勝てないだろ。 374 00:39:01,610 --> 00:39:04,280 また 随分 やる気になったもんだな チャグムは。 375 00:39:04,280 --> 00:39:07,120 もともと 素直すぎる性格なんだろうね。 376 00:39:07,120 --> 00:39:11,620 フフフフッ…。 377 00:39:11,620 --> 00:39:14,130 何 笑ってるんだ? 378 00:39:14,130 --> 00:39:18,630 考えてみれば バルサでも勝てそうにないラルンガに➡ 379 00:39:18,630 --> 00:39:22,300 私が勝てるはずもないか。 380 00:39:22,300 --> 00:39:25,200 ハハハハハハッ…。 えっ 何 笑ってるんだ? 381 00:39:25,200 --> 00:39:27,200 笑うしかないだろ。 382 00:39:33,480 --> 00:39:38,320 チャグムは 自分が卵を宿している事を もう 恐れてはないのか? 383 00:39:38,320 --> 00:39:40,990 それは よく分からない。 384 00:39:40,990 --> 00:39:46,790 だけど 一つだけ 分かった事があるんだ。 何を? 385 00:39:46,790 --> 00:39:50,500 私が バルサやタンダに出会えたのは➡ 386 00:39:50,500 --> 00:39:54,670 ここにある 精霊の卵のおかげだろ? 387 00:39:54,670 --> 00:39:58,000 そう思ったら 悪い気はしなくなった。 388 00:39:58,000 --> 00:40:03,180 だったら この卵を守らなきゃ いけないような気がしてきたんだ。 389 00:40:03,180 --> 00:40:06,380 だから ラルンガにも負けたくない。 390 00:40:10,520 --> 00:40:13,420 なるほど いい心がけだ。 391 00:40:13,420 --> 00:40:16,320 あんたは 言葉を使うのが巧みだね。 392 00:40:16,320 --> 00:40:18,260 末恐ろしいよ。 393 00:40:18,260 --> 00:40:25,360 それから バルサとタンダには 幸せになってもらいたい。 394 00:40:25,360 --> 00:40:28,700 おい 何を言いだすんだ。 395 00:40:28,700 --> 00:40:31,500 そんなに急いで 大人びるんじゃないよ。 396 00:40:58,060 --> 00:41:00,060 眠れないのか? 397 00:41:03,670 --> 00:41:09,170 チャグムは 随分 成長したな。 よく鍛えたね。 398 00:41:15,010 --> 00:41:21,790 私は ジグロの幸せを願った事なんて なかった。 399 00:41:21,790 --> 00:41:23,790 えっ? 400 00:41:26,360 --> 00:41:30,530 本当の娘のつもりでいたのに➡ 401 00:41:30,530 --> 00:41:36,330 ジグロの人生を 自分のもののように 使っているだけだった。 402 00:41:38,270 --> 00:41:40,770 ひどい娘だね。 403 00:41:45,080 --> 00:41:49,880 ジグロは それで幸せだったんだと思うよ。 404 00:41:57,220 --> 00:42:04,830 私には そもそも 幸せが何なのかも分からないんだ。 405 00:42:04,830 --> 00:42:10,700 だから チャグムに どうなってもらいたいのかも➡ 406 00:42:10,700 --> 00:42:15,540 本当は分からない。 407 00:42:15,540 --> 00:42:18,240 自分が どうしたいのかも。 408 00:42:25,150 --> 00:42:30,860 一緒に暮らさないか? え? 409 00:42:30,860 --> 00:42:33,890 もし チャグムを 無事に助けられたら…➡ 410 00:42:33,890 --> 00:42:38,200 あっ いや そうしないと いけないんだけど➡ 411 00:42:38,200 --> 00:42:43,400 そしたら 3人で一緒に暮らさないか? 412 00:42:46,710 --> 00:42:50,580 用心棒を続けたければ 続けたっていい。 413 00:42:50,580 --> 00:42:55,710 俺やチャグムのいるところへ 帰ってくればいいじゃないか。 414 00:42:55,710 --> 00:43:32,210 ♬~ 415 00:44:18,030 --> 00:44:20,230 はっ…。 416 00:44:43,520 --> 00:44:48,860 あ~っ うわ~っ! 417 00:44:48,860 --> 00:44:56,030 (トロガイ)大丈夫。 あんたは今 ナユグを見ているだけだ。 418 00:44:56,030 --> 00:44:59,870 トロガイ… どこ? 419 00:44:59,870 --> 00:45:02,640 落ちる! 落ちるよ! 420 00:45:02,640 --> 00:45:06,810 (トロガイ)落ち着いて。 落ち着くんだ チャグム。➡ 421 00:45:06,810 --> 00:45:10,480 そこは ナユグだ。➡ 422 00:45:10,480 --> 00:45:16,290 だけど お前の体は ちゃんと この世に立っているぞ。➡ 423 00:45:16,290 --> 00:45:22,090 バルサと一緒に そこへ立っているぞ。 バルサと? 424 00:45:24,830 --> 00:45:29,170 見えない! 何も見えないよ! 425 00:45:29,170 --> 00:45:36,170 (トロガイ)バルサの腕を感じろ チャグム。 しっかりと感じるんだ。 426 00:45:52,190 --> 00:45:54,190 バルサ。 427 00:45:58,700 --> 00:46:00,700 うわ~っ! 428 00:46:06,970 --> 00:46:10,310 もう 大丈夫だ。 429 00:46:10,310 --> 00:46:16,110 さあ チャグム お前は どこへ行きたかった? 430 00:46:16,110 --> 00:46:23,320 卵の意思を感じて お前が行きたいと思う所を➡ 431 00:46:23,320 --> 00:46:25,620 指さしてごらん。 432 00:46:32,330 --> 00:46:34,330 さあ。 433 00:47:00,790 --> 00:47:03,300 もう 冬は 過ぎたのではないですか? 434 00:47:03,300 --> 00:47:06,970 ああ だいぶ暖かくなった。 435 00:47:06,970 --> 00:47:11,300 チャグム王子は まだ見つかっていないのですか? 436 00:47:11,300 --> 00:47:13,240 そうだが。 437 00:47:13,240 --> 00:47:20,480 チャグム王子は 青霧山脈の青池に向かうはずです。 438 00:47:20,480 --> 00:47:25,320 青池? そこに そう書いてあるのか? 439 00:47:25,320 --> 00:47:27,320 シュガ! 440 00:47:29,150 --> 00:47:33,020 急いで下さい。 ラルンガに襲われる前に…。 441 00:47:33,020 --> 00:47:35,020 ラルンガ? 442 00:47:38,330 --> 00:47:42,170 (シュガ)ラルンガ…。 443 00:47:42,170 --> 00:47:49,040 青池と シュガが言ったのだな? はい。 444 00:47:49,040 --> 00:47:53,350 しかし 聖導師様は なぜ あのような手記の封印を➡ 445 00:47:53,350 --> 00:47:56,180 解かれたのでございましょうか? 446 00:47:56,180 --> 00:48:01,620 シュガは すっかり信じて おかしくなっております。 447 00:48:01,620 --> 00:48:04,120 まさか 聖導師様まで あの手記に書かれている事を➡ 448 00:48:04,120 --> 00:48:07,990 信じておられる… などという事は ございませんでしょう?➡ 449 00:48:07,990 --> 00:48:11,300 あそこに書かれている事は 建国神話を覆し➡ 450 00:48:11,300 --> 00:48:13,970 帝の威信を 汚す事ばかりでございます! 451 00:48:13,970 --> 00:48:17,840 ナナイ大聖導師が おかしいというのか? 452 00:48:17,840 --> 00:48:22,970 いえ それは… 昔の事は分かりませんが 今は…。 453 00:48:22,970 --> 00:48:30,270 今は チャグム王子を生かしておく事が 何よりも大事な事なのだ! 454 00:48:34,690 --> 00:48:40,530 皇太子の病が癒えぬのは この水だ。 455 00:48:40,530 --> 00:48:44,730 この水を誰かが汚しておるのだ。 456 00:48:48,130 --> 00:48:52,130 お前に もう一度 天命を与えようぞ! 457 00:48:57,180 --> 00:49:00,780 チャグムの方を消すのだ。 458 00:49:00,780 --> 00:49:07,780 さすれば 皇太子の命は救われようぞ。 459 00:49:09,960 --> 00:49:12,790 チャグムを清めるのだ。 460 00:49:12,790 --> 00:49:14,790 はっ! 461 00:49:16,660 --> 00:49:23,970 さあ チャグム 今のあんただったら ナユグを強く感じられるはずだ。 462 00:49:23,970 --> 00:49:30,170 たとえ ナユグが見えたって もう うろたえる事はないだろ? 463 00:49:32,310 --> 00:49:37,650 だったら 自分の行きたい所へ 行ってごらん。 464 00:49:37,650 --> 00:49:42,150 そこが 卵を産む場所になるはずだ。 465 00:49:42,150 --> 00:49:48,830 卵が帰りたいと思う場所へ 自分で行ってごらん! 466 00:49:48,830 --> 00:49:59,000 ♬~ 467 00:49:59,000 --> 00:50:02,870 ハハハハハハッ! 468 00:50:02,870 --> 00:50:05,180 ハハハハハハッ。 469 00:50:05,180 --> 00:50:38,540 ♬~ 470 00:50:38,540 --> 00:50:42,240 (トロガイ) このキノコは カンクイじゃないか! 471 00:50:48,220 --> 00:50:52,090 (トロガイ)チャグム 今は何が見える? 472 00:50:52,090 --> 00:50:57,230 大きな谷が見える。 暗い谷底だ。 473 00:50:57,230 --> 00:51:00,730 一歩でも足を出せば落ちそうだ。 474 00:51:04,670 --> 00:51:07,570 変な生き物が見える。 475 00:51:07,570 --> 00:51:11,180 人の顔をした蛇のような。 476 00:51:11,180 --> 00:51:15,010 土の民か。 羨ましいな。 477 00:51:15,010 --> 00:51:22,690 全くね。 何年修業しても ああはいかないよ。 478 00:51:22,690 --> 00:51:47,910 ♬~ 479 00:51:47,910 --> 00:51:53,220 こっちだ。 間違いない。 近づいている。 480 00:51:53,220 --> 00:52:00,220 ♬~ 481 00:52:02,330 --> 00:52:05,230 青池か。 482 00:52:05,230 --> 00:52:07,530 チャグム ここなのか? 483 00:52:14,670 --> 00:52:20,010 あの花…。 シグ・サルアの花が どうかしたのか? 484 00:52:20,010 --> 00:52:22,910 シグ・サルアの匂いだ。 485 00:52:22,910 --> 00:52:26,890 初めて チャグムの体が 青く光るのを見た時➡ 486 00:52:26,890 --> 00:52:30,360 あの花の匂いを 嗅いだ気がしたんだ。 487 00:52:30,360 --> 00:52:49,040 ♬~ 488 00:52:49,040 --> 00:52:57,340 花の蜜が ニュンガ・ロ・イムの卵の成長を 促しているのかもしれないねえ。 489 00:53:03,560 --> 00:53:06,320 バルサ? 490 00:53:06,320 --> 00:53:12,320 おやおや… どうしたものかね この殺気は。 491 00:53:17,340 --> 00:53:20,670 (トロガイ)王宮の猟犬たちだ。 492 00:53:20,670 --> 00:53:23,580 どうして ここが分かったんだ? 493 00:53:23,580 --> 00:53:33,180 ♬~ 494 00:53:33,180 --> 00:53:35,880 タンダ。 ああ。 495 00:53:38,860 --> 00:53:44,200 王宮に貴重な記録が 残っていたという事か。 496 00:53:44,200 --> 00:53:47,870 あの星読が見つけたか。 497 00:53:47,870 --> 00:53:51,200 (モン)我々は 王子を殺しに来たのではない。 498 00:53:51,200 --> 00:53:53,140 王子を迎えに来たのだ! 499 00:53:53,140 --> 00:53:58,840 王宮も チャグムを殺せない事を やっと理解したか! 500 00:54:01,650 --> 00:54:04,450 王子を渡せば 危害は加えない。 501 00:54:06,150 --> 00:54:08,350 ≪(ジン)あ~っ! 502 00:54:12,020 --> 00:54:14,520 あの時の猟犬か! 503 00:54:17,660 --> 00:54:20,700 ジン! お前は もう 狩人ではない! 504 00:54:20,700 --> 00:54:24,000 やあっ! うっ! やあっ! 505 00:54:26,170 --> 00:54:28,370 ハハハハハッ! 506 00:54:31,040 --> 00:54:33,040 チャグム! 507 00:54:37,780 --> 00:54:39,780 うわっ! 508 00:54:43,190 --> 00:54:45,690 ここから逃げるんだ! 509 00:54:48,360 --> 00:54:50,300 行くぞ! 510 00:54:50,300 --> 00:54:52,300 うわっ! 511 00:54:56,100 --> 00:54:58,870 うっ! ああっ! うわ~っ! 512 00:54:58,870 --> 00:55:17,990 ♬~ 513 00:55:17,990 --> 00:55:19,920 ああ~っ! 514 00:55:19,920 --> 00:55:38,680 ♬~ 515 00:55:38,680 --> 00:55:43,550 (咆哮) 516 00:55:43,550 --> 00:55:51,860 ♬~ 517 00:55:51,860 --> 00:55:53,790 うわっ! ああっ! 518 00:55:53,790 --> 00:55:58,630 ♬~ 519 00:55:58,630 --> 00:56:00,570 うっ! 520 00:56:00,570 --> 00:56:09,640 ♬~ 521 00:56:09,640 --> 00:56:12,540 うわ~っ! 522 00:56:12,540 --> 00:56:16,840 みんな 木に登れ! 早く! 523 00:56:18,980 --> 00:56:20,920 うわ~っ! 524 00:56:20,920 --> 00:56:30,600 ♬~ 525 00:56:30,600 --> 00:56:33,400 (咆哮) 526 00:56:45,840 --> 00:56:54,190 ♬~ 527 00:56:54,190 --> 00:56:56,690 チャグム。 528 00:56:56,690 --> 00:56:58,690 バルサ…。 529 00:57:01,290 --> 00:57:03,800 ああ…。 530 00:57:03,800 --> 00:57:05,730 バルサ! 531 00:57:05,730 --> 00:57:18,310 ♬~ 532 00:57:18,310 --> 00:57:20,240 (咆哮) 533 00:57:20,240 --> 00:57:29,820 ♬~ 534 00:57:29,820 --> 00:57:31,820 チャグム! 535 00:57:44,340 --> 00:57:49,670 そこは この世とナユグの 結び目だともいわれておる。 536 00:57:49,670 --> 00:57:51,670 チャグム!