1 00:00:02,610 --> 00:00:47,260 ♬~ 2 00:00:47,260 --> 00:00:50,030 火を消せ~! 3 00:00:50,030 --> 00:00:52,930 山の王は 火を厭う! 4 00:00:52,930 --> 00:01:32,040 ♬~ 5 00:01:32,040 --> 00:01:36,370 山の王の扉が開いた! 6 00:01:36,370 --> 00:01:39,710 儀式の時が やって来たぞ! 7 00:01:39,710 --> 00:01:42,700 (一同)ウン バォー!➡ 8 00:01:42,706 --> 00:01:45,210 ウン バォー!➡ 9 00:01:45,213 --> 00:01:49,720 ウン バォー! 10 00:01:54,060 --> 00:02:05,340 ♬~ 11 00:02:05,340 --> 00:02:08,340 (チャグム)<戦の足音が近づいてきた> 12 00:02:10,680 --> 00:02:13,340 <巨大国家 タルシュ帝国が➡ 13 00:02:13,340 --> 00:02:18,640 海を渡り 我が国 新ヨゴ国に 攻め入ろうとしていた> 14 00:02:20,220 --> 00:02:23,990 <国を守るため 皇太子である 私 チャグムは➡ 15 00:02:23,990 --> 00:02:29,990 隣国のロタ王国 カンバル王国と 同盟を結ぼうと旅に出た> 16 00:02:32,700 --> 00:02:36,030 <それを知った タルシュ帝国の王子 ラウルに➡ 17 00:02:36,030 --> 00:02:40,370 私は 命を付け狙われる事になった。➡ 18 00:02:40,370 --> 00:02:45,710 私を守るために 一人の用心棒が雇われた。➡ 19 00:02:45,710 --> 00:02:47,650 かつて 幼い私を➡ 20 00:02:47,650 --> 00:02:52,050 異界の魔物から救ってくれた 大恩人➡ 21 00:02:52,050 --> 00:02:55,350 人呼んで 短槍使いのバルサだ> 22 00:02:57,720 --> 00:03:04,530 <バルサと私は 同盟を結ぶため カンバル王のもとへと向かった> 23 00:03:04,530 --> 00:04:59,340 ♬~ 24 00:05:30,340 --> 00:05:34,680 あの人たちは… 商人には見えなかったけど。 25 00:05:34,680 --> 00:05:37,350 (バルサ)ロタに出稼ぎに行く カンバル人だろう。 26 00:05:37,350 --> 00:05:40,050 タルシュの刺客ではないさ。 27 00:05:42,020 --> 00:05:45,890 もうじき 雪が深くなるからね。 28 00:05:45,890 --> 00:05:48,890 その前に 一家を支える男たちの多くは➡ 29 00:05:48,890 --> 00:05:52,590 ああやって ロタや新ヨゴ国に 出稼ぎに行くのさ。 30 00:05:57,370 --> 00:06:02,670 <私とバルサは カンバル王国の国境に近づいていた> 31 00:06:11,320 --> 00:06:13,250 うわ~っ! 32 00:06:13,250 --> 00:06:23,330 ♬~ 33 00:06:23,330 --> 00:06:25,260 やあ~っ! 34 00:06:25,260 --> 00:06:43,010 ♬~ 35 00:06:43,010 --> 00:06:45,310 う~ん…。 36 00:06:46,880 --> 00:06:49,690 無事に カンバルに入れたとしても➡ 37 00:06:49,690 --> 00:06:52,390 王に会う事なんて できるだろうか。 38 00:06:54,030 --> 00:06:57,030 王の槍になら会えるかもしれない。 39 00:07:00,360 --> 00:07:03,630 王の槍? 40 00:07:03,630 --> 00:07:06,970 カンバルは 武人の国だ。 41 00:07:06,970 --> 00:07:10,640 王の槍と呼ばれる 最強の武人たちが➡ 42 00:07:10,640 --> 00:07:12,940 王の力を支えている。 43 00:07:14,510 --> 00:07:18,810 バルサは その武人に育てられたのだね。 44 00:07:20,650 --> 00:07:22,650 ああ…。 45 00:07:25,990 --> 00:07:30,660 ジグロは 王の槍でありながら 私を守るために➡ 46 00:07:30,660 --> 00:07:33,360 カンバルを捨てたんだ。 47 00:07:35,000 --> 00:07:39,340 その ジグロが死ぬ 2年前だった。 48 00:07:39,340 --> 00:07:42,670 一人の武人が現れた。 49 00:07:42,670 --> 00:07:57,690 ♬~ 50 00:07:57,690 --> 00:08:03,960 それまでに ジグロは 追っ手となった 8人の王の槍と戦い➡ 51 00:08:03,960 --> 00:08:05,960 殺してきた。 52 00:08:08,300 --> 00:08:12,640 それが どんなに つらい事だったか。 53 00:08:12,640 --> 00:08:18,640 ジグロは ずっと かつての友を殺す 苦しみに耐えてきた。 54 00:08:22,310 --> 00:08:24,250 (カグロ)やあ~っ! 55 00:08:24,250 --> 00:08:30,660 だから 私には ジグロが最後に来た その武人に➡ 56 00:08:30,660 --> 00:08:33,560 殺されようとしているんじゃ ないかって➡ 57 00:08:33,560 --> 00:08:35,860 そう思えたんだ。 58 00:08:40,000 --> 00:08:45,300 2人は その日は 決着をつけなかった。 59 00:08:47,670 --> 00:08:49,610 どうして? 60 00:08:49,610 --> 00:08:53,540 戦いは もう終わったんじゃ なかったのか? 61 00:08:53,540 --> 00:08:59,280 8人いる王の槍は みんな 去年 倒したはずだ! 62 00:08:59,280 --> 00:09:01,980 さっきの武人は誰なんだ!? 63 00:09:04,160 --> 00:09:07,630 (ジグロ)王の槍は 全部で 9人いる。 64 00:09:07,630 --> 00:09:12,330 殺した8人と この私だ。 65 00:09:13,960 --> 00:09:19,300 (ジグロ)一つの氏族から 王の槍は 一人ずつ選ばれる事になっている。 66 00:09:19,300 --> 00:09:27,000 私が これまで殺してきたのは 私とは違う氏族の王の槍たちだ。 67 00:09:29,950 --> 00:09:31,950 それじゃ…。 68 00:09:33,850 --> 00:09:37,150 あの武人は カグロ。 69 00:09:40,320 --> 00:09:42,660 私の兄だ。 70 00:09:42,660 --> 00:09:52,670 ♬~ 71 00:09:52,670 --> 00:09:55,370 だから 殺さないのか? 72 00:10:03,310 --> 00:10:06,010 カンバル王は どこまで卑劣なんだ! 73 00:10:11,690 --> 00:10:18,030 それから ジグロは 来る日も来る日も 森に行き➡ 74 00:10:18,030 --> 00:10:21,030 無言のまま 兄と槍を交わした。 75 00:10:23,700 --> 00:10:28,000 そして あの夜…。 76 00:10:52,060 --> 00:11:07,550 ♬~ 77 00:11:07,550 --> 00:11:14,690 私は 生まれて初めて あんな戦いを見た。 78 00:11:14,690 --> 00:11:35,710 ♬~ 79 00:11:35,710 --> 00:11:41,380 ジグロの槍が 相手の槍に乗り移り➡ 80 00:11:41,380 --> 00:11:46,250 やがて 一つの心が 2つの槍を司り➡ 81 00:11:46,250 --> 00:11:52,020 2人は 舞を舞うかのように 戦い続けていた。 82 00:11:52,020 --> 00:12:47,040 ♬~ 83 00:12:47,040 --> 00:12:50,710 ジグロ…。 何も言わないでくれ。 84 00:12:50,710 --> 00:12:54,010 何も話せない事は よく分かっている。 85 00:12:58,590 --> 00:13:04,890 兄上は もう 立派な王の槍です。 86 00:13:09,000 --> 00:13:28,020 ♬~ 87 00:13:28,020 --> 00:13:30,690 (ジグロ)これを持っていって下さい。 88 00:13:30,690 --> 00:13:37,030 そして カンバル王に 私を殺したと告げて下さい。 89 00:13:37,030 --> 00:14:01,220 ♬~ 90 00:14:01,220 --> 00:14:04,660 ジグロの言ったとおりに なっていれば➡ 91 00:14:04,660 --> 00:14:08,990 ジグロの兄であるカグロが 王の槍となって➡ 92 00:14:08,990 --> 00:14:11,990 今は カンバル王の近くにいるはずだ。 93 00:14:13,660 --> 00:14:17,000 その人に会いに行くんだね? 94 00:14:17,000 --> 00:14:21,000 その人は バルサの事も知ってるの? 95 00:14:22,670 --> 00:14:27,970 今のカンバル王が バルサの父親を殺した事も。 96 00:14:31,350 --> 00:14:37,050 さあ… 会ってみなければ分からない。 97 00:14:39,020 --> 00:14:46,360 さあ 今日中に カンバルに入れるだろう。 98 00:14:46,360 --> 00:14:50,700 よっしゃ~! 99 00:14:50,700 --> 00:14:53,370 ≪カンバル王国に 何用だ! 100 00:14:53,370 --> 00:14:56,040 ≪旅の者だ。 101 00:14:56,040 --> 00:14:58,040 ≪馬から下りろ! 102 00:15:00,380 --> 00:15:03,680 ≪荷物を調べる! 2人とも こっちへ来い! 103 00:15:26,000 --> 00:15:28,000 こっちへ来い! 104 00:15:37,350 --> 00:15:43,220 (カーム)この短槍は お前のものか? そうです。 105 00:15:43,220 --> 00:15:45,690 なぜ このようなものを 持っている? 106 00:15:45,690 --> 00:15:48,390 私は 護衛士です。 107 00:15:50,030 --> 00:15:56,370 この若者も 私の下で 護衛士の見習いをしています。 108 00:15:56,370 --> 00:16:01,070 女の護衛士 しかも 短槍使いか…。 109 00:16:02,640 --> 00:16:07,980 私は 護衛士の養父に育てられました。 110 00:16:07,980 --> 00:16:12,980 私を育てた父も私も カンバルの生まれです。 111 00:16:14,650 --> 00:16:17,990 カンバルで武術を学んだ者が 落ちぶれて➡ 112 00:16:17,990 --> 00:16:23,330 異国で護衛士や盗賊になる者も いるというからな。 113 00:16:23,330 --> 00:16:26,030 その若者は どこの生まれだ? 114 00:16:28,670 --> 00:16:30,670 新ヨゴ国です。 115 00:16:32,340 --> 00:16:36,040 もっとも 捨て子だったようですが。 116 00:16:42,980 --> 00:16:56,030 ♬~ 117 00:16:56,030 --> 00:16:59,730 分かった。 気を付けて行け。 118 00:17:08,310 --> 00:17:11,980 バルサの言う事を 信じてくれたのかな? 119 00:17:11,980 --> 00:17:15,310 ほとんど 嘘はついてないからね。 120 00:17:15,310 --> 00:17:17,650 私は捨て子か…。 121 00:17:17,650 --> 00:17:21,990 確かに 嘘をついたとは 言えないかもしれない。 122 00:17:21,990 --> 00:17:24,660 もし あの警備兵の中に➡ 123 00:17:24,660 --> 00:17:27,560 タルシュの手先となっている者が いたとしたら…➡ 124 00:17:27,560 --> 00:17:30,330 私に気付いただろうか? 125 00:17:30,330 --> 00:17:32,630 もし そうなら…。 126 00:17:37,670 --> 00:17:40,570 すぐに分かる。 127 00:17:40,570 --> 00:17:43,010 (矢が飛んでくる音) 伏せろ! 128 00:17:43,010 --> 00:17:44,940 うわっ! 129 00:17:44,940 --> 00:18:17,840 ♬~ 130 00:18:17,840 --> 00:18:19,840 やあ~っ! うわっ! 131 00:18:19,840 --> 00:18:21,840 チャグム! 132 00:18:25,580 --> 00:18:27,580 ああっ! 133 00:18:33,660 --> 00:18:35,590 うお~っ! 134 00:18:35,590 --> 00:18:45,670 ♬~ 135 00:18:45,670 --> 00:18:47,670 やあっ! やあっ! 136 00:18:49,340 --> 00:18:51,280 ああっ! 137 00:18:51,280 --> 00:19:04,820 ♬~ 138 00:19:04,820 --> 00:19:06,820 どけっ! 139 00:19:06,820 --> 00:19:14,300 ♬~ 140 00:19:14,300 --> 00:19:16,230 どけっ! 141 00:19:16,230 --> 00:19:29,310 ♬~ 142 00:19:29,310 --> 00:19:31,310 うわっ! ああっ! 143 00:19:35,650 --> 00:19:38,320 うわっ! ああっ! 144 00:19:38,320 --> 00:19:41,620 ああっ! うわ~っ! 145 00:19:43,990 --> 00:19:45,990 うわ~っ! 146 00:19:49,670 --> 00:19:51,600 うわ~っ! 147 00:19:51,600 --> 00:20:04,900 ♬~ 148 00:20:10,950 --> 00:20:12,950 大丈夫か? 149 00:20:14,890 --> 00:20:20,030 ほかのも殺したのか? 150 00:20:20,030 --> 00:20:22,030 タルシュの手先か。 151 00:20:26,370 --> 00:20:28,670 そうだろうね。 152 00:20:33,710 --> 00:20:38,050 こんな事は言いたくないけど…➡ 153 00:20:38,050 --> 00:20:41,050 戦うなら殺す気で戦え。 154 00:20:43,390 --> 00:20:46,060 分かっている。 155 00:20:46,060 --> 00:20:48,760 (馬の蹄の音) 156 00:21:06,010 --> 00:21:09,680 一体 何があった? 157 00:21:09,680 --> 00:21:11,980 盗賊に襲われたのか? 158 00:21:14,020 --> 00:21:17,720 あんたには これが盗賊に見えるのか? 159 00:21:20,890 --> 00:21:26,600 カンバルでは不況が続いて 旅人の荷物を襲う輩が多い。 160 00:21:26,600 --> 00:21:30,570 この辺りも物騒になったものだ。 161 00:21:30,570 --> 00:21:33,270 警備を強化しなくてはな。 162 00:21:38,710 --> 00:21:43,380 お前の家族は カンバルのどこに住んでおる? 163 00:21:43,380 --> 00:21:46,720 知り合いに会いに行くだけだ。 164 00:21:46,720 --> 00:21:49,620 知り合いとは? 165 00:21:49,620 --> 00:21:53,320 カグロという 王の槍だ。 166 00:21:57,060 --> 00:21:59,060 知っているか? 167 00:22:00,660 --> 00:22:03,960 カンバルの武人で その名を知らぬ者はおらぬ。 168 00:22:05,540 --> 00:22:08,840 お前のような者が どこで知り合ったというのだ? 169 00:22:10,670 --> 00:22:12,670 それは言えない。 170 00:22:16,550 --> 00:22:20,350 分かった。 それなら 一緒に来い。 171 00:22:20,350 --> 00:22:23,690 私が取り次ごう。 172 00:22:23,690 --> 00:22:28,360 嘘をつくな。 あんたに取り次げるのか? 173 00:22:28,360 --> 00:22:32,660 大丈夫だ。 私は その息子だ。 174 00:22:37,700 --> 00:22:51,050 ♬~ 175 00:22:51,050 --> 00:22:55,390 (カグロ)カーム。 その女は カンバル生まれの護衛士に➡ 176 00:22:55,390 --> 00:22:58,050 育てられたと言ったのだな? 177 00:22:58,050 --> 00:23:01,660 そうです。 食い詰めた武人が家族を連れて➡ 178 00:23:01,660 --> 00:23:03,960 異国に流れたのでしょう。 179 00:23:10,000 --> 00:23:16,670 (カグロ)女の名は? バルサとか言いました。 180 00:23:16,670 --> 00:23:21,670 (カグロ)バルサ…。 本当に知り合いなんですか? 181 00:23:23,350 --> 00:23:25,350 いや…。 182 00:23:33,990 --> 00:23:37,690 喜べ。 父上が会うそうだ。 183 00:23:40,360 --> 00:23:42,700 女だけだ。 184 00:23:42,700 --> 00:23:47,040 いや… 私も一緒に会う。 185 00:23:47,040 --> 00:23:50,040 それを決めるのは お前ではない。 186 00:24:07,990 --> 00:24:12,660 カーム お前は出ていろ。 え? 187 00:24:12,660 --> 00:24:16,000 私が話を聞く。 いや しかし…。 188 00:24:16,000 --> 00:24:18,000 いいから出ていろ。 189 00:24:22,870 --> 00:24:24,870 (カーム)分かりました。 190 00:24:35,020 --> 00:24:38,320 ジグロは どうしている? 191 00:24:40,690 --> 00:24:44,030 死にました。 192 00:24:44,030 --> 00:24:49,700 あなたが去ってから 2年後に 病にかかって。 193 00:24:49,700 --> 00:24:51,700 そうか。 194 00:24:53,570 --> 00:24:58,040 最後に あなたに槍を教えられた事を➡ 195 00:24:58,040 --> 00:25:01,650 喜んでいました。 196 00:25:01,650 --> 00:25:07,980 お前は ジグロに育てられたのか? 197 00:25:07,980 --> 00:25:12,280 そうです。 バルサです。 198 00:25:19,600 --> 00:25:24,330 私が誰だか 分かりますか? 199 00:25:24,330 --> 00:25:29,630 あの時 ジグロと一緒にいた。 200 00:25:33,680 --> 00:25:42,020 ジグロがした事も 今のカンバル王がした事も➡ 201 00:25:42,020 --> 00:25:45,020 あなたは知らないのですか? 202 00:25:47,890 --> 00:25:55,190 ジグロは ある日突然 我々の前から姿を消したのだ。 203 00:26:00,040 --> 00:26:09,310 ジグロは 王の槍でありながら 王を裏切った。➡ 204 00:26:09,310 --> 00:26:12,650 知っているのは それだけだ。 205 00:26:12,650 --> 00:26:15,550 それだけ? 206 00:26:15,550 --> 00:26:24,260 それからは 同じ王の槍が何人も放たれたが➡ 207 00:26:24,260 --> 00:26:26,960 誰一人 帰ってはこなかった。 208 00:26:32,340 --> 00:26:35,000 私に言えるのは それだけだ。 209 00:26:35,000 --> 00:26:37,910 ジグロに何も聞かなかったのは➡ 210 00:26:37,910 --> 00:26:43,680 耳なし口なしの誓いが あったからですか? 211 00:26:43,680 --> 00:26:47,550 カンバルでは 王に命じられて 人を殺しに行く時には➡ 212 00:26:47,550 --> 00:26:53,020 耳なし口なしの誓いを立てると ジグロから聞きました。 213 00:26:53,020 --> 00:26:58,320 相手の言葉に耳を貸さず 口を利いてはならないと。 214 00:27:01,300 --> 00:27:04,200 ジグロは➡ 215 00:27:04,200 --> 00:27:06,970 あなたや氏族を裏切るような事は 何もしていません。 216 00:27:06,970 --> 00:27:14,640 お前は 何を知っているというのだ? 217 00:27:14,640 --> 00:27:20,940 私は 今のカンバル王に…。 218 00:27:23,650 --> 00:27:26,650 カンバル王に どうした? 219 00:27:30,990 --> 00:27:36,870 カンバル王に お会いしたいのです。 220 00:27:36,870 --> 00:27:41,340 お前が? 何のために? 221 00:27:41,340 --> 00:27:46,680 タルシュ帝国について お話ししたいのです。 222 00:27:46,680 --> 00:27:50,350 タルシュ帝国を信じてはなりません。 223 00:27:50,350 --> 00:27:53,680 この先 何があっても…。 224 00:27:53,680 --> 00:27:57,350 その事をお伝えしたいのです。 225 00:27:57,350 --> 00:28:02,960 その事を お前が? 226 00:28:02,960 --> 00:28:08,660 はい。 カンバル王国のために。 227 00:28:13,970 --> 00:28:16,670 お取り次ぎ 願えないでしょうか。 228 00:28:18,640 --> 00:28:21,940 お前は 一体何者なのだ? 229 00:28:24,510 --> 00:28:29,810 私は ジグロの娘です。 230 00:28:35,660 --> 00:28:38,660 心から そう思っています。 231 00:28:45,000 --> 00:28:47,300 そうか…。 232 00:28:52,880 --> 00:28:58,350 ジグロがお前に 槍を教えたのか。 233 00:28:58,350 --> 00:29:22,540 ♬~ 234 00:29:22,540 --> 00:29:24,510 (ジグロ)来るんだ バルサ。 235 00:29:24,510 --> 00:30:00,810 ♬~ 236 00:30:03,680 --> 00:30:11,350 ジグロが ここへ導いてくれたと そう信じたいけどね。 237 00:30:11,350 --> 00:30:17,230 バルサの事を思うと心苦しいけど 今は カンバル王を味方につけるしか➡ 238 00:30:17,230 --> 00:30:20,530 新ヨゴ国が生き残る道はないのだ。 239 00:30:22,370 --> 00:30:27,700 カンバル王を味方につけるなら 新ヨゴ国ではなく➡ 240 00:30:27,700 --> 00:30:30,370 ロタ王国と手を結ばせるんだ。 241 00:30:30,370 --> 00:30:32,370 え? 242 00:30:36,050 --> 00:30:39,920 ロタ王国とカンバル王国が 手を結べば➡ 243 00:30:39,920 --> 00:30:43,720 この北の大陸に 大きな壁が出来る。 244 00:30:43,720 --> 00:30:48,060 タルシュ帝国も そう簡単には手を出せない。 245 00:30:48,060 --> 00:30:51,730 ロタとカンバルを落とすのが 難しいと分かれば➡ 246 00:30:51,730 --> 00:30:55,600 新ヨゴ国からも 手を引くかもしれない。 247 00:30:55,600 --> 00:30:57,600 なるほど。 248 00:30:57,600 --> 00:31:00,070 タルシュの密偵をしていたヒュウゴが➡ 249 00:31:00,070 --> 00:31:03,370 チャグムに そう伝えろと 私に言ったんだ。 250 00:31:05,340 --> 00:31:08,240 ヒュウゴに会ったのか! どこで会ったんだ? 251 00:31:08,240 --> 00:31:11,010 ロタのツーラム港だ。 252 00:31:11,010 --> 00:31:13,680 (ヒュウゴ) 戦には もともと意味などない。➡ 253 00:31:13,680 --> 00:31:17,350 だから この世から なくなる事もない。 254 00:31:17,350 --> 00:31:20,260 なくす事ができないなら➡ 255 00:31:20,260 --> 00:31:23,260 どこかで歯止めをかけるしかない。 256 00:31:25,700 --> 00:31:27,630 ヒュウゴは生きていたのか! 257 00:31:27,630 --> 00:31:31,630 チャグムが生きている事も 確信していたよ。 258 00:31:37,710 --> 00:31:42,410 私は ヒュウゴを見殺しにしたと 思っていた。 259 00:31:44,050 --> 00:31:45,980 よかった。 260 00:31:45,980 --> 00:32:03,280 ♬~ 261 00:32:15,340 --> 00:32:18,680 (ラウル)やはり チャグムは生きていたか。 (ヒュウゴ)はい。 262 00:32:18,680 --> 00:32:22,350 (ラウル)私を裏切り 生きる道を選んだか。➡ 263 00:32:22,350 --> 00:32:28,220 お前の策略も あの男には 通用しなかったという訳か。 264 00:32:28,220 --> 00:32:30,690 申し訳ございません。 265 00:32:30,690 --> 00:32:33,600 北の大陸にいる 我が手の者たちによって➡ 266 00:32:33,600 --> 00:32:37,600 必ずや その命は消されるものと 存じます。 267 00:32:39,370 --> 00:32:45,240 あとは 力ずくで 新ヨゴ国を攻め落とすのみ。 268 00:32:45,240 --> 00:32:50,540 それも殺戮という最も退屈な戦で。 269 00:32:55,380 --> 00:33:00,660 もし このまま チャグムが生きていたとしたら➡ 270 00:33:00,660 --> 00:33:03,660 我々の脅威になると思うか? 271 00:33:05,530 --> 00:33:08,330 新ヨゴ国にも内通者がおります。 272 00:33:08,330 --> 00:33:11,230 もはや 敵ではありません。 273 00:33:11,230 --> 00:33:16,670 しかし あの者には不思議な力がある。 274 00:33:16,670 --> 00:33:19,670 そう言ったのは お前だぞ ヒュウゴ。 275 00:33:24,550 --> 00:33:29,020 できれば 見てみたいものだ。 276 00:33:29,020 --> 00:33:32,320 その力というやつを…。 277 00:33:39,660 --> 00:33:43,360 少しは退屈も紛れよう。 278 00:33:52,040 --> 00:34:01,320 (トロガイ)ロジュホー ロジュホー ロジュホー!➡ 279 00:34:01,320 --> 00:34:04,990 見えるか? あれが。 280 00:34:04,990 --> 00:34:08,860 流れている。 南の方から➡ 281 00:34:08,860 --> 00:34:11,660 水の民 ヨナ・ロ・ガイの群れが➡ 282 00:34:11,660 --> 00:34:18,530 青霧山脈を越えて カンバルの方へと流れてゆく。 283 00:34:18,530 --> 00:34:24,010 北のナユグに春が やって来たんだ! 284 00:34:24,010 --> 00:34:27,680 見えるか? シュガよ。 285 00:34:27,680 --> 00:34:30,010 見えているのか? 286 00:34:30,010 --> 00:34:36,350 (シュガ)あ… 何も見えません。 287 00:34:36,350 --> 00:34:40,220 何だい 気のない返事だね。 288 00:34:40,220 --> 00:34:43,030 呪術を学ぶ気がないのなら➡ 289 00:34:43,030 --> 00:34:46,330 ここにいたって しょうがないだろ! 290 00:34:55,370 --> 00:35:00,980 なんと 聖導師が タルシュ帝国と通じておるだと? 291 00:35:00,980 --> 00:35:05,310 はい。 (トロガイ)ふ~ん…。 292 00:35:05,310 --> 00:35:08,990 …で それをどうするんだ? 293 00:35:08,990 --> 00:35:10,920 どうすればよいのでしょう? 294 00:35:10,920 --> 00:35:16,330 そんな事 私に聞くな! 295 00:35:16,330 --> 00:35:21,000 聖導師様は 私にも 協力を求めてきたのです。 296 00:35:21,000 --> 00:35:24,870 何のために? 戦を避けるためにです。 297 00:35:24,870 --> 00:35:31,010 そのためには タルシュ帝国に 降伏するほかないのです。 298 00:35:31,010 --> 00:35:37,680 だけど チャグムは それを拒んで 異国と手を結びに行ったんだろ? 299 00:35:37,680 --> 00:35:40,580 もちろん 私だって そう信じたい! 300 00:35:40,580 --> 00:35:44,020 このまま チャグム殿下の力を信じて それを待ちたい。 301 00:35:44,020 --> 00:35:48,020 しかし 実際に タルシュ帝国が 攻めてきたとしたら…。 302 00:36:01,500 --> 00:36:03,970 早く戦を終わらせなければ➡ 303 00:36:03,970 --> 00:36:08,640 多くの民が死に この国は滅ぶかもしれません。 304 00:36:08,640 --> 00:36:11,340 そのためには帝を…。 305 00:36:12,980 --> 00:36:15,650 え? 306 00:36:15,650 --> 00:36:18,950 この国の神を 消さなくてはなりません。 307 00:36:23,330 --> 00:36:28,200 <そのころ 私の父 新ヨゴ国の帝のもとに➡ 308 00:36:28,200 --> 00:36:31,500 タルシュ帝国から知らせが届いていた> 309 00:36:33,670 --> 00:36:37,010 (聖導師)既に タルシュ軍は 南方の海に浮かぶ➡ 310 00:36:37,010 --> 00:36:40,880 サンガル王国の島々に集結しており➡ 311 00:36:40,880 --> 00:36:45,680 これより 10日以内に 降伏の意が示されなければ➡ 312 00:36:45,680 --> 00:36:49,550 直ちに侵攻するとの事です。 313 00:36:49,550 --> 00:36:52,020 聖導師。 314 00:36:52,020 --> 00:36:57,360 なぜ そのような汚れた事を 私に聞かせる? 315 00:36:57,360 --> 00:37:01,230 ラドウ大将軍に告げれば よい事ではないのか。 316 00:37:01,230 --> 00:37:07,640 陛下のほかに この戦を 止められる者など おりません。➡ 317 00:37:07,640 --> 00:37:10,310 タルシュ軍が上陸すれば➡ 318 00:37:10,310 --> 00:37:16,180 この地は 人の流す多くの血で 汚されましょう。 319 00:37:16,180 --> 00:37:22,180 それを止めるためには もはや 降伏するほかには…。 320 00:37:30,990 --> 00:37:37,330 人の血など 天の水が清めてくれよう。 321 00:37:37,330 --> 00:37:41,030 されど 心に注ぐ雨はない。 322 00:37:43,010 --> 00:37:49,010 汚れを抱く者には 天罰が下るのみだ。 323 00:37:51,350 --> 00:38:00,350 聖導師。 神が人に降伏する事など ありえまい。 324 00:38:07,300 --> 00:38:09,300 はっ。 325 00:38:11,170 --> 00:38:21,170 (足音) 326 00:38:30,320 --> 00:38:32,320 (タンダ)バルサ…。 327 00:38:35,190 --> 00:38:37,660 バルサ! (チキサ)タンダさん? 328 00:38:37,660 --> 00:38:40,560 おっと… おっとっとっと! 329 00:38:40,560 --> 00:38:42,560 あっ! 330 00:38:45,330 --> 00:38:49,210 (チキサ)タンダさん。 チキサ。 アスラ…。 331 00:38:49,210 --> 00:38:51,210 ありがとう。 332 00:38:51,210 --> 00:38:53,680 どうしたんだ? こんな夜明けに…。 333 00:38:53,680 --> 00:38:56,350 まさか マーサさんのところに いられなくなったのか? 334 00:38:56,350 --> 00:39:00,020 違います。 ご主人の トウノさんのお供で都に来たんです。 335 00:39:00,020 --> 00:39:03,290 タンダさんのところに 行きたいからって アスラも一緒に。 336 00:39:03,290 --> 00:39:09,160 そっか。 あ~ 分かったと思うけど バルサは ここにはいないんだ。 337 00:39:09,160 --> 00:39:11,960 いいんです。 俺たち タンダさんに会いたくて 来たんです。 338 00:39:11,960 --> 00:39:16,660 俺に? そりゃ うれしいな! アスラ。 339 00:39:19,300 --> 00:39:22,640 まだ 話せないのか。 340 00:39:22,640 --> 00:39:25,540 タンダさん これ! 341 00:39:25,540 --> 00:39:29,310 都で買ったんです! 働いた金が少し たまったから。 342 00:39:29,310 --> 00:39:31,980 おっ ホウロに漬け込んだ肉か! 343 00:39:31,980 --> 00:39:34,680 こりゃあいい! ありがとう! 344 00:39:37,320 --> 00:39:40,220 取れたての山菜鍋だ。 うまいか? 345 00:39:40,220 --> 00:39:42,520 うまい! よかった。 346 00:39:46,660 --> 00:39:48,660 ん? 347 00:39:53,000 --> 00:39:59,300 「ノユークの水の中を」。 ノユーク… ナユグの事だね。 348 00:40:00,880 --> 00:40:05,580 「何かが遠くから➡ 349 00:40:05,580 --> 00:40:07,880 泳いでくる」。 350 00:40:09,550 --> 00:40:12,250 「カミサマとは違う」。 351 00:40:15,260 --> 00:40:18,230 (チキサ)「とても怖い」。 352 00:40:18,230 --> 00:40:21,230 アスラは 「どうしたらいいか 教えてほしい」って。 353 00:40:25,700 --> 00:40:28,370 (トロガイ)驚いたね。➡ 354 00:40:28,370 --> 00:40:31,040 その子には ナユグの事が➡ 355 00:40:31,040 --> 00:40:34,710 はっきりと見えているんだね。 師匠。 356 00:40:34,710 --> 00:40:42,050 あ~ あんたたちかい? バルサが助けた子たちは。 357 00:40:42,050 --> 00:40:43,990 トロガイさん? 358 00:40:43,990 --> 00:40:47,720 この人が俺の師匠だ。 おい タンダ 何をやっているんだ。 359 00:40:47,720 --> 00:40:51,060 せっかくの肉が焦げちまうよ。 あっ まずい! 360 00:40:51,060 --> 00:40:58,400 全く 昔から 2つの事を いっぺんに考えられない弟子だよ。 361 00:40:58,400 --> 00:41:05,670 バルサがいたら バルサの事。 バルサがいなければ バルサの事。 362 00:41:05,670 --> 00:41:07,610 バルサの事ばっかりじゃないですか。 363 00:41:07,610 --> 00:41:12,010 (トロガイ)一途なのかバカなのか いまだに分からん。 364 00:41:12,010 --> 00:41:13,950 ひどいな。 365 00:41:13,950 --> 00:41:19,360 …で お前は一体 何が怖いんだ? 366 00:41:19,360 --> 00:41:23,030 今は 師匠が怖いんじゃないですか。 367 00:41:23,030 --> 00:41:24,960 分からないけど…➡ 368 00:41:24,960 --> 00:41:28,360 アスラは 新ヨゴ国の都に行くと 聞いた時に➡ 369 00:41:28,360 --> 00:41:30,300 とても怖がったんです。 370 00:41:30,300 --> 00:41:35,240 都? 都が怖いのかい? 371 00:41:35,240 --> 00:41:38,370 それは何か ナユグに春が来ている事と➡ 372 00:41:38,370 --> 00:41:40,310 関わりがあるんでしょうか? 373 00:41:40,310 --> 00:41:42,710 恐らく そうだろうね。 374 00:41:42,710 --> 00:41:47,710 都に災いが起きるという事か? 375 00:41:49,590 --> 00:41:55,290 ≪タンダ! タンダは いるか? 376 00:42:01,200 --> 00:42:05,330 兄さん… ノシル兄さん。 377 00:42:05,330 --> 00:42:10,010 久しぶりだな。 どうしたの? 378 00:42:10,010 --> 00:42:14,880 (ノシル)タンダ お前に頼みがある。 379 00:42:14,880 --> 00:42:19,680 これは あの… 家族全員の頼みだ。 380 00:42:19,680 --> 00:42:21,620 何? 381 00:42:21,620 --> 00:42:27,560 弟のカイザが 村でくじ引いて 兵に当たってしまった。 382 00:42:27,560 --> 00:42:30,330 カイザが 戦に駆り出されるのか? 383 00:42:30,330 --> 00:42:35,230 うん…。 カイザは去年 嫁をもらって➡ 384 00:42:35,230 --> 00:42:40,700 春には かわいい娘が生まれたばかりだ。 385 00:42:40,700 --> 00:42:45,400 俺たちにも 妻や子がいる。 386 00:42:47,380 --> 00:42:51,710 タンダ…。 387 00:42:51,710 --> 00:42:59,010 すまないが カイザの代わりに お前が行ってくれないか。 388 00:43:01,520 --> 00:43:03,990 頼む! 389 00:43:03,990 --> 00:43:26,010 ♬~ 390 00:43:26,010 --> 00:43:29,890 <私とバルサは カンバル王との面会を➡ 391 00:43:29,890 --> 00:43:32,190 ひたすら待っていた> 392 00:43:43,370 --> 00:43:46,030 どうして こんなに おいしいもんが嫌いなのかね。 393 00:43:46,030 --> 00:43:50,370 羊や ヤギの乳は どうも臭くて…。 394 00:43:50,370 --> 00:43:52,310 ほら 子どもの頃➡ 395 00:43:52,310 --> 00:43:54,710 青霧山脈の狩穴に 籠もっていた時➡ 396 00:43:54,710 --> 00:43:58,050 タンダに このラルウを 作ってもらった事があったろう。 397 00:43:58,050 --> 00:44:00,650 あの時は おいしいと思ったんだけどなあ。 398 00:44:00,650 --> 00:44:04,650 タンダは薬草を入れて 臭みを消していたからね。 399 00:44:06,520 --> 00:44:10,990 そういえば 私も子どもの頃は➡ 400 00:44:10,990 --> 00:44:15,860 新ヨゴ国の食べ物には なかなか なじめなかったよ。 401 00:44:15,860 --> 00:44:19,670 バルサには このカンバルの味が懐かしいんだね。 402 00:44:19,670 --> 00:44:26,970 いや… 私が懐かしいのは タンダの味だけだ。 403 00:44:40,690 --> 00:44:42,690 父上! 404 00:44:45,030 --> 00:44:46,960 あの2人は どうするんです? 405 00:44:46,960 --> 00:44:50,370 これから城に向かう。 王に知らせるんですか? 406 00:44:50,370 --> 00:44:54,040 タルシュ帝国が追っている者たちだと。 隠す訳にはいかん。 407 00:44:54,040 --> 00:44:56,710 我々で始末すればいいだけでは ないんですか? 408 00:44:56,710 --> 00:45:01,310 よいか? 私が戻るまで 絶対に手を出すなよ。 409 00:45:01,310 --> 00:45:03,980 父上は あのバルサという女を➡ 410 00:45:03,980 --> 00:45:06,980 本当は知っているのでは ありませんか? 411 00:45:10,320 --> 00:45:14,990 父上が教えてくれないなら あの女から聞き出します。 412 00:45:14,990 --> 00:45:21,990 あの女は ジグロから槍を教わった者だ。 413 00:45:25,330 --> 00:45:30,630 お前のかなう相手ではない。 手を出すな。 414 00:45:37,680 --> 00:45:42,350 ≪(ヤギを追い立てる声) 415 00:45:42,350 --> 00:45:45,020 あれは? 416 00:45:45,020 --> 00:45:49,890 山の上で ヤギを追い立てる 牧童たちの声だ。 417 00:45:49,890 --> 00:45:56,370 カンバルでは 神に近い者たちだとも 呼ばれている。 418 00:45:56,370 --> 00:45:58,670 (扉が開く音) 419 00:46:05,640 --> 00:46:08,310 何です? 420 00:46:08,310 --> 00:46:11,010 お前は 護衛士だと言ったな。 421 00:46:12,650 --> 00:46:15,550 それが何か? 422 00:46:15,550 --> 00:46:18,550 いつから その若者を護衛している? 423 00:46:20,520 --> 00:46:24,660 この者は 私の下で 見習いをしているだけだ。 424 00:46:24,660 --> 00:46:29,960 嘘をつくな! その者は ただのゴロツキには見えぬ。 425 00:46:32,000 --> 00:46:37,670 だったら 何に見えると言うのです? 426 00:46:37,670 --> 00:46:40,370 一国の皇太子。 427 00:46:46,680 --> 00:46:52,020 あなたは タルシュの手先か。 428 00:46:52,020 --> 00:46:55,690 父上が今 カンバル王に 知らせているところだ。➡ 429 00:46:55,690 --> 00:47:01,500 お前たちは間もなく タルシュに引き渡されるか➡ 430 00:47:01,500 --> 00:47:03,800 処刑されよう。 431 00:47:05,970 --> 00:47:10,640 カンバル王も タルシュと通じていたのか。 432 00:47:10,640 --> 00:47:20,650 ♬~ 433 00:47:20,650 --> 00:47:22,990 何事だ? カグロ。 434 00:47:22,990 --> 00:47:25,650 はっ。 435 00:47:25,650 --> 00:47:30,330 皇太子がいても構わぬ。 申せ。 436 00:47:30,330 --> 00:47:35,200 はっ。 ロタとの国境で 我が息子のカームが➡ 437 00:47:35,200 --> 00:47:38,000 怪しい女と若者を 捕らえてございます。 438 00:47:38,000 --> 00:47:39,940 怪しいとは? 439 00:47:39,940 --> 00:47:47,010 その若者が チャグム皇太子ではないかと。 440 00:47:47,010 --> 00:47:50,010 フフフッ…。 441 00:47:51,880 --> 00:47:55,350 よくぞ捕らえた。 すぐに ここに連れてまいれ。 442 00:47:55,350 --> 00:47:58,690 それが 向こうから➡ 443 00:47:58,690 --> 00:48:03,960 その若者と一緒にいる女が 陛下に お目通りを願ってございます。 444 00:48:03,960 --> 00:48:07,830 女が? 何者だ。 445 00:48:07,830 --> 00:48:11,830 バルサと申しております。 446 00:48:11,830 --> 00:48:14,970 バルサ…? 447 00:48:14,970 --> 00:48:19,310 このカンバルで生まれ 短槍使いの護衛士をしている➡ 448 00:48:19,310 --> 00:48:21,640 流れ者の女です。 449 00:48:21,640 --> 00:48:24,340 バルサ…。 450 00:48:27,520 --> 00:48:30,650 おお あのカルナの娘か。 451 00:48:30,650 --> 00:48:33,990 (ラダール)父上 カルナというのは? お前は口を挟むな。 452 00:48:33,990 --> 00:48:37,860 何でもない。 お前は外せ。 453 00:48:37,860 --> 00:48:41,860 父上? いいから外せ。 454 00:48:41,860 --> 00:48:43,860 はい。 455 00:48:58,210 --> 00:49:03,150 その女は ジグロに育てられたのだな? 456 00:49:03,150 --> 00:49:05,450 そう申しておりました。 457 00:49:08,820 --> 00:49:28,180 ♬~ 458 00:49:28,180 --> 00:49:32,980 ジグロの育てた娘は➡ 459 00:49:32,980 --> 00:49:35,980 やはり生きていたのか。 460 00:49:39,320 --> 00:49:41,320 バルサ! 461 00:49:47,660 --> 00:49:56,960 ハハハハハハッ! 462 00:50:00,010 --> 00:50:03,310 (カーム)お前は ジグロに育てられたそうだな? 463 00:50:05,350 --> 00:50:11,650 その名を出して 父上に近づくとは 何という汚らわしい了見だ。 464 00:50:13,690 --> 00:50:17,030 ジグロが憎いのか? あんたの叔父だろ。 465 00:50:17,030 --> 00:50:19,930 叔父なものか。 一族の恥だ! 466 00:50:19,930 --> 00:50:25,700 いや 一族と思った事など 一度もない。 467 00:50:25,700 --> 00:50:29,000 その名を口にしただけで 心が汚れる。 468 00:50:33,040 --> 00:50:35,710 その者が王を裏切ってから➡ 469 00:50:35,710 --> 00:50:41,010 我ら同族の者は領地を追われ 流民も同然に生きてきたんだ。 470 00:50:43,590 --> 00:50:46,720 追っ手となった 王の槍が戻らぬ度に➡ 471 00:50:46,720 --> 00:50:52,720 その氏族の者からも恨まれ 次々と 行き場をなくし…。 472 00:50:55,730 --> 00:51:03,000 私の母上は 私に食べ物を与えるため➡ 473 00:51:03,000 --> 00:51:08,340 自分は食べるものも食べずに➡ 474 00:51:08,340 --> 00:51:12,040 人々に蔑まれながら 死んでいったんだ! 475 00:51:17,020 --> 00:51:21,360 父上は やっと その裏切り者の弟を討ち果たし➡ 476 00:51:21,360 --> 00:51:24,660 我らは ようやく 領地を取り戻した。 477 00:51:26,230 --> 00:51:33,700 弟を殺してくれた父上に 私は心から感謝している。➡ 478 00:51:33,700 --> 00:51:41,380 その父上に その名を出して 情けを乞うとは…➡ 479 00:51:41,380 --> 00:51:43,380 恥を知れ! 480 00:51:48,720 --> 00:51:51,620 潔く 死を待つがいい。 481 00:51:51,620 --> 00:51:55,590 待ってくれ! 情けを乞いたい訳ではない! 482 00:51:55,590 --> 00:52:00,060 ただ タルシュ帝国の恐ろしさを 知らせたいだけなのだ! 483 00:52:00,060 --> 00:52:05,870 (カーム)タルシュは敵ではない。 それに 我らは今 それどころではない。 484 00:52:05,870 --> 00:52:09,670 ほかの王と戦をせねばならぬ時だ。 485 00:52:09,670 --> 00:52:12,340 ほかの王? 486 00:52:12,340 --> 00:52:18,040 あんたの父上は ジグロを討ち果たしてなどいない。 487 00:52:21,350 --> 00:52:24,690 果たせなかったんだ。 488 00:52:24,690 --> 00:52:27,690 所詮 ジグロの相手ではなかった。 489 00:52:30,030 --> 00:52:34,360 槍では全く ジグロに歯が立たなかったんだ。 490 00:52:34,360 --> 00:52:37,270 バルサ! 491 00:52:37,270 --> 00:52:43,710 ジグロは その兄を哀れんで 槍を教えてやったのさ。 492 00:52:43,710 --> 00:52:48,410 そして 殺されたふりをしてやったんだ。 493 00:52:50,580 --> 00:52:53,720 あんたの父上の腕では➡ 494 00:52:53,720 --> 00:52:59,390 この私にさえ かなわなかったろうからね。 495 00:52:59,390 --> 00:53:05,090 ジグロが 王の槍にしてやったのさ。 496 00:53:08,000 --> 00:53:10,700 貴様~! 497 00:53:18,340 --> 00:53:20,340 手を出すな! 498 00:53:24,680 --> 00:53:30,350 誰も手を出すな。 俺が殺す。 499 00:53:30,350 --> 00:54:08,990 ♬~ 500 00:54:08,990 --> 00:54:10,930 やあ~っ! 501 00:54:10,930 --> 00:54:36,230 ♬~ 502 00:54:51,370 --> 00:55:14,990 ♬~ 503 00:55:14,990 --> 00:55:16,990 馬を持ってこい。 504 00:55:18,660 --> 00:55:20,600 早くしろ! 505 00:55:20,600 --> 00:55:46,350 ♬~ 506 00:55:46,350 --> 00:55:48,650 (カーム)一族の恥だ! 507 00:55:53,230 --> 00:55:55,700 やあっ! 508 00:55:55,700 --> 00:55:59,400 (カーム)一族と思った事など 一度もない。 509 00:56:04,970 --> 00:56:08,970 (ジグロ)タグル… 許せ。 510 00:56:11,850 --> 00:56:16,580 (カーム)その名を口にしただけで 心が汚れる。 511 00:56:16,580 --> 00:56:19,990 (泣き叫ぶ声) 512 00:56:19,990 --> 00:56:24,330 (ジグロ)お前と旅をして楽しかった。 513 00:56:24,330 --> 00:56:27,630 お前の成長が うれしかった。 514 00:56:30,000 --> 00:56:32,700 幸せだった。 515 00:56:35,870 --> 00:56:37,870 父さん…。 516 00:56:41,340 --> 00:56:43,340 (カーム)恥を知れ! 517 00:56:45,680 --> 00:56:56,690 ♬~ 518 00:56:56,690 --> 00:57:01,960 <バルサと私は 北の果て カンバル王国の秘密の扉を➡ 519 00:57:01,960 --> 00:57:04,960 開こうとしていた> 520 00:57:16,980 --> 00:57:21,320 カンバルには 古来より 不思議な儀式がある。 521 00:57:21,320 --> 00:57:24,220 これは弔いの儀式だ。 522 00:57:24,220 --> 00:57:27,990 私は お前に 幸せになってもらいたかった。 523 00:57:27,990 --> 00:57:32,860 だったら なぜ 私に槍を教えた! 524 00:57:32,860 --> 00:57:36,330 バルサ! 525 00:57:36,330 --> 00:57:40,000 新ヨゴ国へ出兵の用意を致せ。 526 00:57:40,000 --> 00:57:45,340 バルサが帰ってきたら伝えて下さい。 絶対に死なないと。 527 00:57:45,340 --> 00:57:49,040 神への裏切りは断じて許さない。 528 00:57:51,210 --> 00:57:54,210 全兵力を光扇京へ!