1 00:00:01,880 --> 00:00:09,960 ♬~ 2 00:00:09,960 --> 00:00:12,860 (チャグム) <戦の足音が近づいてきた。➡ 3 00:00:12,860 --> 00:00:18,630 巨大国家 タルシュ帝国の王子 ラウルの指揮する軍が海を渡り➡ 4 00:00:18,630 --> 00:00:23,970 我が国 新ヨゴ国に 攻め入ろうとしていた。➡ 5 00:00:23,970 --> 00:00:27,840 国を守るため 皇太子である 私 チャグムは➡ 6 00:00:27,840 --> 00:00:33,980 隣国のカンバル王国と同盟を結ぼうと カンバルに入った。➡ 7 00:00:33,980 --> 00:00:38,650 しかし カンバルの聖なる山の奥では…> 8 00:00:38,650 --> 00:00:42,520 (ログサム)山の王の扉が開いた! 9 00:00:42,520 --> 00:00:45,990 儀式の時が やって来たぞ! 10 00:00:45,990 --> 00:00:51,330 <今 まさに カンバル王国に 何かが起ころうとしていた。➡ 11 00:00:51,330 --> 00:00:55,670 そして 私とバルサは タルシュ帝国と通じている➡ 12 00:00:55,670 --> 00:00:58,570 ログサム王の追っ手から逃れるため➡ 13 00:00:58,570 --> 00:01:03,270 バルサの叔母である ユーカのところに向かったのだった> 14 00:01:40,650 --> 00:01:42,650 バルサ。 15 00:01:48,520 --> 00:01:53,220 (バルサ)ここは ユーカさんの診療所でしょうか? 16 00:01:55,000 --> 00:01:57,700 (ノッサ)そうですが…。 17 00:02:00,270 --> 00:02:03,170 どこが お悪いので? 18 00:02:03,170 --> 00:02:08,610 いえ 診てもらいに来たのでは ありません。 19 00:02:08,610 --> 00:02:12,280 私は…。 (戸が開く音) もう気を付けてよ。 20 00:02:12,280 --> 00:02:14,280 (ユーカ)じゃあ また。 21 00:02:20,960 --> 00:02:22,960 ユーカ叔母さん…。 22 00:02:27,830 --> 00:02:33,130 カルナの娘の バルサです。 23 00:02:41,280 --> 00:02:44,580 アーサ ちょっと中に入ってて。 ああ…。 24 00:02:53,860 --> 00:02:56,320 誰なの? 25 00:02:56,320 --> 00:03:00,600 何のために その名を語って 私に近づくの? 26 00:03:00,600 --> 00:03:03,930 私は本当に バルサです。 27 00:03:03,930 --> 00:03:08,270 本当です。 間違いありません。 28 00:03:08,270 --> 00:03:15,940 私の姪なら… 6つの時に死んだのよ。 29 00:03:15,940 --> 00:03:18,610 どうやって死んだのですか? 30 00:03:18,610 --> 00:03:24,490 掘り抜きの井戸に落ちて 地下の水流に流されてしまったの。 31 00:03:24,490 --> 00:03:27,790 父が そう言ったんですね? 32 00:03:29,960 --> 00:03:34,830 その父は どうなりましたか? 33 00:03:34,830 --> 00:03:37,830 すぐに 死んだんじゃありませんか? 34 00:03:41,300 --> 00:03:45,170 いくつの時か 忘れてしまったけど➡ 35 00:03:45,170 --> 00:03:47,980 あのユッカの木に登って枝を折り➡ 36 00:03:47,980 --> 00:03:50,680 叔母さんに叱られましたよね? 37 00:03:56,990 --> 00:03:58,920 枝を折ったからじゃありません。 38 00:03:58,920 --> 00:04:00,860 [ 回想 ] ああっ! 39 00:04:00,860 --> 00:04:05,860 私が落ちて 腕の骨を折ったから。 40 00:04:12,270 --> 00:04:17,570 私は 父に生かされたんです。 41 00:04:25,810 --> 00:04:28,510 嘘でしょう? 42 00:04:30,620 --> 00:04:35,920 バルサが 生きていたなんて…。 43 00:04:38,490 --> 00:04:41,960 夢じゃないのね。 44 00:04:41,960 --> 00:04:45,630 本当に バルサなのね? 45 00:04:45,630 --> 00:04:47,630 はい。 46 00:04:49,300 --> 00:04:51,640 バルサ! 47 00:04:51,640 --> 00:07:04,570 ♬~ 48 00:07:07,580 --> 00:07:10,880 さあ入ってちょうだい。 49 00:07:26,590 --> 00:07:32,270 それで そちらの方は? 50 00:07:32,270 --> 00:07:34,270 あ…。 51 00:07:35,940 --> 00:07:42,280 隠していても 迷惑をかける事に なると思うので言いますが➡ 52 00:07:42,280 --> 00:07:48,150 この人は 新ヨゴ国の皇太子です。 53 00:07:48,150 --> 00:07:50,150 え…? 54 00:07:50,150 --> 00:07:54,290 私は訳あって その護衛をしているんです。 55 00:07:54,290 --> 00:07:56,620 チャグムといいます。 56 00:07:56,620 --> 00:08:01,230 昔 用心棒をしているバルサに 命を救われました。 57 00:08:01,230 --> 00:08:03,900 それで私からお願いしたのです。 58 00:08:03,900 --> 00:08:06,230 カンバルに連れてってくれないかと。 59 00:08:06,230 --> 00:08:08,570 ちょっと待って…。 60 00:08:08,570 --> 00:08:13,870 何だか 夢を見てるとしか 思えなくなってきたわ。 61 00:08:18,910 --> 00:08:20,850 (カグロ)申し訳ございませぬ。 62 00:08:20,850 --> 00:08:25,590 私の油断から 2人を取り逃がしました。 63 00:08:25,590 --> 00:08:30,890 チャグム皇太子とカルナの娘 バルサか? (カグロ)はい。 64 00:08:32,460 --> 00:08:35,460 逃げたとは どういう事だ? 65 00:08:38,930 --> 00:08:41,600 カームか?➡ 66 00:08:41,600 --> 00:08:47,480 お前の息子がしくじり それで逃げられたという事か? 67 00:08:47,480 --> 00:08:49,940 お前の仕込んだ息子の槍が➡ 68 00:08:49,940 --> 00:08:53,640 ジグロの仕込んだ槍に 負けたという事だな。 69 00:08:55,620 --> 00:08:57,920 申し訳ございませぬ。 70 00:09:05,230 --> 00:09:07,530 さすが ジグロ。 71 00:09:11,900 --> 00:09:20,240 私は ジグロに槍を教わって 異国で護衛士になりました。 72 00:09:20,240 --> 00:09:26,940 どうして あなたが あんな裏切り者と…。 73 00:09:30,250 --> 00:09:33,590 父が預けたんです。 74 00:09:33,590 --> 00:09:35,890 嘘よ! 75 00:09:39,460 --> 00:09:44,230 本当です。 76 00:09:44,230 --> 00:09:47,600 ジグロは父に頼まれて➡ 77 00:09:47,600 --> 00:09:53,900 私の命を救うために この国を捨てたんです。 78 00:10:02,620 --> 00:10:09,960 父さんは どうやって死んだんですか? 79 00:10:09,960 --> 00:10:14,630 兄さんは…➡ 80 00:10:14,630 --> 00:10:20,330 あなたのいなくなった家で 何者かに斬り殺されたのよ。 81 00:10:22,500 --> 00:10:27,800 (ユーカ)王都の警備兵は 盗賊の仕業だと言っていた。 82 00:10:30,980 --> 00:10:36,980 父さんは カンバル王のログサムに殺されたんです。 83 00:10:43,320 --> 00:10:45,260 どうして…? 84 00:10:45,260 --> 00:10:48,660 ログサムに命じられて➡ 85 00:10:48,660 --> 00:10:55,660 父さんは ログサムの兄である 先代の王を死に追いやったのです。 86 00:10:59,010 --> 00:11:01,910 まさか…。 本来なら➡ 87 00:11:01,910 --> 00:11:05,280 その盗賊の仕業というやつに➡ 88 00:11:05,280 --> 00:11:10,620 私の命も 含まれていた事でしょう。 89 00:11:10,620 --> 00:11:16,960 そうさせないために 父さんは 6つの私を➡ 90 00:11:16,960 --> 00:11:19,660 ジグロに預けたんです。 91 00:11:21,830 --> 00:11:27,830 ジグロは 私を連れて 新ヨゴ国に逃れました。 92 00:11:30,970 --> 00:11:33,310 それが真実です。 93 00:11:33,310 --> 00:11:54,330 ♬~ 94 00:11:54,330 --> 00:12:03,330 ジグロは そのために 姿を消したの? 95 00:12:06,910 --> 00:12:08,910 (ノック) 96 00:12:15,280 --> 00:12:18,980 (ユーカ)誰? ≪(ノッサ)私です。 97 00:12:22,960 --> 00:12:27,660 お茶をお持ちしました。 ありがとう。 98 00:12:38,970 --> 00:12:44,850 しばらく ここへは 誰も近づけないでちょうだい。 99 00:12:44,850 --> 00:12:50,580 くれぐれも 私の姪だとは言わない事。 100 00:12:50,580 --> 00:12:52,990 分かりました。 101 00:12:52,990 --> 00:12:55,320 それであれば➡ 102 00:12:55,320 --> 00:12:59,930 なるべく お二人でいるところを 見られない方がいい。 103 00:12:59,930 --> 00:13:01,930 どうして? 104 00:13:04,600 --> 00:13:11,300 あなたと あの方は とてもよく似ていらっしゃる。 105 00:13:25,620 --> 00:13:28,620 (ラダール)カグロ。 ラダール王子。 106 00:13:30,960 --> 00:13:33,860 父上と何を話していたのだ? 107 00:13:33,860 --> 00:13:36,830 はい。 ルイシャ贈りの儀式の事に…。 108 00:13:36,830 --> 00:13:42,530 新ヨゴ国の皇太子と 怪しい女の事ではないのか? 109 00:13:44,310 --> 00:13:47,640 カルナの娘とは何者なのだ? 110 00:13:47,640 --> 00:13:51,340 王子のお気にかける事では ございませぬ。 111 00:13:53,510 --> 00:14:00,590 カグロ 儀式の事を 何とも思わないのか? 112 00:14:00,590 --> 00:14:02,920 儀式の事? 113 00:14:02,920 --> 00:14:07,920 今度の儀式は不吉な気がするのだ。 114 00:14:09,800 --> 00:14:14,500 カグロ… 私に槍を教えてくれないか。 115 00:14:16,270 --> 00:14:22,610 分かりました。 しかし 今は先を急ぎますので…。 116 00:14:22,610 --> 00:14:25,950 いや 今だ! 117 00:14:25,950 --> 00:14:28,280 今すぐ 教えてくれ。 118 00:14:28,280 --> 00:14:35,620 ♬~ 119 00:14:35,620 --> 00:14:37,620 王子? 120 00:14:41,960 --> 00:14:45,830 頼む… 教えてくれ。 121 00:14:45,830 --> 00:14:48,840 ≪(ログサム)構わぬ! 122 00:14:48,840 --> 00:14:52,610 せっかく ラダールが やる気になっておるのだ。 123 00:14:52,610 --> 00:14:56,510 ほかに大事な事など何もあるまい。 124 00:14:56,510 --> 00:14:59,510 (カグロ)はっ。 125 00:14:59,510 --> 00:15:01,510 (ラダール)やっ! 126 00:15:18,800 --> 00:15:22,800 王子 いかがなさいましたか? 127 00:15:25,270 --> 00:15:27,570 カグロには見えぬのか。 128 00:15:29,610 --> 00:15:32,310 カグロの後ろに何かおるのだ。 129 00:15:38,290 --> 00:15:43,590 その影が 今は濃くなっている。 130 00:15:46,160 --> 00:15:51,630 やはり 今度の儀式は 不吉ではないのか? 131 00:15:51,630 --> 00:16:03,330 ♬~ 132 00:16:05,180 --> 00:16:07,110 おいしい。 133 00:16:07,110 --> 00:16:09,580 ヤギの乳の嫌な臭いもしないよ。 134 00:16:09,580 --> 00:16:12,490 薬草が入れてあるんだよ。 135 00:16:12,490 --> 00:16:16,490 風邪をひいた時に 父が飲ませてくれた。 136 00:16:18,590 --> 00:16:21,500 懐かしい味がする。 137 00:16:21,500 --> 00:16:23,930 うちは 武人階級だけど➡ 138 00:16:23,930 --> 00:16:29,800 兄さんは武人より 医術の道を志して 都に行ったの。 139 00:16:29,800 --> 00:16:34,270 私も ただ 武人の妻に なるだけの生き方が嫌で➡ 140 00:16:34,270 --> 00:16:37,180 兄さんのあとを追ったのよ。 141 00:16:37,180 --> 00:16:41,880 その王都で ジグロと知り合った。 142 00:16:52,630 --> 00:17:00,900 ジグロの事 本当に裏切り者だと 思っていたんですか? 143 00:17:00,900 --> 00:17:03,600 カンバルから消えただけで…。 144 00:17:05,240 --> 00:17:08,580 消えただけではなかったのよ。 145 00:17:08,580 --> 00:17:11,910 え? 146 00:17:11,910 --> 00:17:17,790 ジグロは 何も持っていなかった? 147 00:17:17,790 --> 00:17:20,250 何をですか? 148 00:17:20,250 --> 00:17:26,590 短槍にはめる 金の輪を持っていたはずよ。 149 00:17:26,590 --> 00:17:29,260 …はい。 150 00:17:29,260 --> 00:17:32,600 (ユーカ)それは 王の槍の中でも➡ 151 00:17:32,600 --> 00:17:37,940 一番強い者だけが 持つ事を許されているの。 152 00:17:37,940 --> 00:17:42,940 ジグロが持っていたのは 一つだけ? 153 00:17:44,610 --> 00:17:49,910 一つだけです。 どうして? 154 00:17:52,950 --> 00:18:00,250 本来 金の輪は 全部で9つあるの。 155 00:18:02,760 --> 00:18:07,230 (ユーカ)ほかの8つは 王宮にしまわれていて➡ 156 00:18:07,230 --> 00:18:11,910 王が即位する時にだけ 使われるのよ。➡ 157 00:18:11,910 --> 00:18:16,910 新しい王を囲み 誓いを立てる時に。 158 00:18:19,250 --> 00:18:24,120 (ユーカ)そうやって 王の槍たちから認められる事で➡ 159 00:18:24,120 --> 00:18:28,820 この国の王は即位した事を示すの。 160 00:18:31,260 --> 00:18:38,130 ジグロは ログサムが即位する事に異を唱え➡ 161 00:18:38,130 --> 00:18:45,130 その金の輪を全て持ち去って 逃げたとされている。 162 00:18:46,810 --> 00:18:50,280 え? 163 00:18:50,280 --> 00:19:00,090 ジグロはね 王子の頃から ログサムの武術指南役だったの。 164 00:19:00,090 --> 00:19:06,560 その気質をよく知り 兄さんに言った事があった。 165 00:19:06,560 --> 00:19:11,900 (ジグロ)万が一 ログサム王子が 王位を継ぐような事になれば➡ 166 00:19:11,900 --> 00:19:14,800 この国は 大変な事になるかもしれん。 167 00:19:14,800 --> 00:19:20,100 だから 裏切りを信じてしまって…。 168 00:19:21,910 --> 00:19:26,580 いくら何でも 金の輪を盗むなんて 私でさえ➡ 169 00:19:26,580 --> 00:19:29,480 愚かな事だと思ってしまったのよ。 170 00:19:29,480 --> 00:19:35,590 それは きっと ログサムの陰謀です。 171 00:19:35,590 --> 00:19:37,930 (ジグロ)これを持っていって下さい。 172 00:19:37,930 --> 00:19:43,230 そして カンバル王に 私を殺したと告げて下さい。 173 00:19:44,800 --> 00:19:50,800 ジグロは 自分の金の輪を 兄のカグロに渡しました。 174 00:19:56,280 --> 00:20:02,150 ジグロは それから2年後に 死にました。 175 00:20:02,150 --> 00:20:38,320 ♬~ 176 00:20:38,320 --> 00:20:43,990 いつか来てね 私のお城にも。 177 00:20:43,990 --> 00:20:46,330 ああ 分かった。 178 00:20:46,330 --> 00:20:49,230 分かった? 179 00:20:49,230 --> 00:20:51,230 必ず行く。 180 00:20:54,670 --> 00:20:58,010 (ジグロ)君に これを渡したくて。 181 00:20:58,010 --> 00:21:05,610 ユーカ 私の気持ちは その石のように変わる事はない。 182 00:21:05,610 --> 00:21:27,310 ♬~ 183 00:21:28,840 --> 00:21:31,640 (カグロ)馬を持て! (カーム)松明を持ってこい! 184 00:21:31,640 --> 00:21:33,570 はっ! 185 00:21:33,570 --> 00:21:44,270 ♬~ 186 00:22:00,270 --> 00:22:03,600 眠らないと駄目じゃないか。 187 00:22:03,600 --> 00:22:05,600 うん…。 188 00:22:07,940 --> 00:22:10,940 敵を討ちたいと思ってる? 189 00:22:13,810 --> 00:22:17,620 そんな事は考えちゃいないよ。 190 00:22:17,620 --> 00:22:22,960 私は もっと 違う事を考えていたんだ。 191 00:22:22,960 --> 00:22:24,960 違う事? 192 00:22:26,630 --> 00:22:32,330 どうして ジグロは 耐えられたのかとね。 193 00:22:35,640 --> 00:22:42,980 ログサムの事をよく知るジグロには 自分がいなくなったあとに➡ 194 00:22:42,980 --> 00:22:48,850 どんな事が起きるか それも よく分かっていただろう。 195 00:22:48,850 --> 00:22:55,550 ジグロは きっと そのカンバル王国を 変えたかったはずだ。 196 00:23:01,260 --> 00:23:08,140 王が憎いなら 自ら王をいさめ➡ 197 00:23:08,140 --> 00:23:11,270 王の槍として➡ 198 00:23:11,270 --> 00:23:14,970 この国で自分のすべき事を したかったはずだ。 199 00:23:18,150 --> 00:23:21,920 それなのに ジグロは➡ 200 00:23:21,920 --> 00:23:24,620 私と一緒にいてくれた。 201 00:23:28,290 --> 00:23:34,590 ジグロには ほかに守るべき事が たくさんあった。 202 00:23:36,630 --> 00:23:43,630 自分の果たすべき使命が もっと ほかにあったはずだ。 203 00:23:45,970 --> 00:23:53,670 それに比べたら 私の恨みなど ちっぽけな事だ。 204 00:23:57,320 --> 00:24:00,620 その ちっぽけな私の命が…。 205 00:24:04,930 --> 00:24:08,600 ジグロを不幸にしたんだ。 206 00:24:08,600 --> 00:24:12,270 [ 回想 ] ジグロ~! 207 00:24:12,270 --> 00:24:15,270 (ジグロ)お前には私の事は分からぬ。 208 00:24:17,140 --> 00:24:20,140 分かるように なってほしくないんだ。 209 00:24:23,280 --> 00:24:29,950 ジグロは ずっと満たされぬ その思いを抱えたまま➡ 210 00:24:29,950 --> 00:24:32,620 一人で それに耐えていた。 211 00:24:32,620 --> 00:24:37,290 [ 回想 ] (ジグロ)今の兄上になら これを託せる。 212 00:24:37,290 --> 00:24:40,630 これからは 私の代わりに➡ 213 00:24:40,630 --> 00:24:43,930 カンバル王国を守る事ができる。 214 00:24:46,500 --> 00:24:52,970 ジグロが本当に守りたかったものは➡ 215 00:24:52,970 --> 00:24:55,880 このカンバル王国だ。 216 00:24:55,880 --> 00:25:07,180 ♬~ 217 00:25:10,920 --> 00:25:13,830 <一方 新ヨゴ国では➡ 218 00:25:13,830 --> 00:25:17,600 戦の準備のため 民は駆り出され➡ 219 00:25:17,600 --> 00:25:22,600 タンダも弟の代わりに 戦場に向かう準備をしていた> 220 00:25:26,940 --> 00:25:29,280 (トロガイ)本当に行くのかい? 221 00:25:29,280 --> 00:25:32,180 (タンダ)しばらく留守にしますが ここをお願いします。 222 00:25:32,180 --> 00:25:35,150 お前が戦に行って 何をしようっていうんだい。 223 00:25:35,150 --> 00:25:38,620 私が行かないと 弟が行く事になるんです。 224 00:25:38,620 --> 00:25:41,290 弟は 子どもが 生まれたばっかりですから。 225 00:25:41,290 --> 00:25:44,190 行けば 死ぬかもしれないという事だろ? 226 00:25:44,190 --> 00:25:46,630 だから お前の家族は お前を身代わりに…。 227 00:25:46,630 --> 00:25:51,330 しかたありませんよ。 一人でいるのは僕だけですから。 228 00:25:54,970 --> 00:25:59,310 家族のために 命を捨てようっていうのかい。 229 00:25:59,310 --> 00:26:03,610 お前の事を気味悪がって 遠ざけてきた人たちだろう! 230 00:26:05,910 --> 00:26:10,580 師匠 人を憎めば それに固執して➡ 231 00:26:10,580 --> 00:26:15,460 魂を ナユグに飛ばせなくなると 教えてくれたのは 師匠ですよ。 232 00:26:15,460 --> 00:26:19,590 私は 呪術師として行きたいんです。 233 00:26:19,590 --> 00:26:22,260 そう やすやすとは死にません。 234 00:26:22,260 --> 00:26:27,260 物事を見極める目を 師匠に 教わってきたじゃありませんか。 235 00:26:29,600 --> 00:26:34,470 ナユグと違ってね 人の世に流されたら➡ 236 00:26:34,470 --> 00:26:38,610 物事を いくら見極めているつもりでも➡ 237 00:26:38,610 --> 00:26:42,610 愚かな道に走る事は いくらだってある! 238 00:26:44,280 --> 00:26:47,980 そういう事も見極めてきます。 239 00:26:52,960 --> 00:26:54,890 タンダ! 240 00:26:54,890 --> 00:27:22,920 ♬~ 241 00:27:22,920 --> 00:27:27,620 お前は 一人ではないよ。 242 00:27:34,270 --> 00:27:42,140 お前が死んだら バルサが一人になっちまうからね。 243 00:27:42,140 --> 00:27:47,840 その事を忘れるんじゃないよ。 244 00:27:52,950 --> 00:27:54,890 分かっています。 245 00:27:54,890 --> 00:28:00,230 バルサが帰ってきたら 心配するなと伝えて下さい。 246 00:28:00,230 --> 00:28:02,900 絶対に死なないと。 247 00:28:02,900 --> 00:28:19,900 ♬~ 248 00:28:21,580 --> 00:28:45,280 ♬~ 249 00:28:54,950 --> 00:28:58,650 体を温めなさい。 250 00:29:02,220 --> 00:29:04,220 ありがとう。 251 00:29:17,240 --> 00:29:25,110 叔母さん 私が子どもの頃➡ 252 00:29:25,110 --> 00:29:31,810 ジグロは一度だけ ユーカ叔母さんの話を した事があります。 253 00:29:34,590 --> 00:29:40,290 叔母さんは 強い人だと言っていました。 254 00:29:44,600 --> 00:29:49,900 そう思いたかったのね きっと。 255 00:29:52,940 --> 00:29:56,810 私のせいで…➡ 256 00:29:56,810 --> 00:30:04,810 ユーカ叔母さんは今も ずっと一人でいるんですか? 257 00:30:12,290 --> 00:30:15,960 バルサ…。 258 00:30:15,960 --> 00:30:22,840 あなたは ここに何しに来たの? 259 00:30:22,840 --> 00:30:29,980 過ぎた事は もう 変えられないのよ。 260 00:30:29,980 --> 00:30:33,680 何が真実かなんか分かりっこない。 261 00:30:37,320 --> 00:30:42,990 私は今 あなたを生かしてくれたジグロに➡ 262 00:30:42,990 --> 00:30:46,660 心から感謝してる。 263 00:30:46,660 --> 00:30:49,360 それだけが真実よ。 264 00:31:01,610 --> 00:31:36,510 ♬~ 265 00:31:36,510 --> 00:31:41,280 バルサ この人は違う! 大丈夫よ。 266 00:31:41,280 --> 00:31:45,280 ヨンサ氏族の長老 ラルーグさん。 267 00:31:58,670 --> 00:32:06,270 ラルーグさんは ヨンサ氏族から選ばれた 王の槍だった。➡ 268 00:32:06,270 --> 00:32:11,140 それを 息子さんが引き継いで…。 269 00:32:11,140 --> 00:32:13,950 ああ~っ! 270 00:32:13,950 --> 00:32:15,880 ううっ! 271 00:32:15,880 --> 00:32:19,820 カンバル人? ヨンサ氏族のタグル。➡ 272 00:32:19,820 --> 00:32:22,820 私と同じ 王の槍の一人だ。 273 00:32:24,590 --> 00:32:26,590 タグルさんの…。 274 00:32:33,300 --> 00:32:55,560 ♬~ 275 00:32:55,560 --> 00:33:02,860 ジグロにとって 王の槍と戦う事は 何よりも苦しい事でした。 276 00:33:05,230 --> 00:33:07,930 (ラルーグ)ジグロの事は よく分かった。 277 00:33:07,930 --> 00:33:11,800 何かあると思っていたが➡ 278 00:33:11,800 --> 00:33:13,800 恨んどりゃあせん。 279 00:33:16,610 --> 00:33:19,510 息子のタグルが かなう相手でない事は➡ 280 00:33:19,510 --> 00:33:22,480 よく分かっていた。 281 00:33:22,480 --> 00:33:27,480 これも 王に仕える者たちの 運命であろう。 282 00:33:31,620 --> 00:33:38,970 あの… 槍舞いというのは 何ですか? 283 00:33:38,970 --> 00:33:40,900 ん? 284 00:33:40,900 --> 00:33:47,310 ジグロから この国には 不思議な儀式があると聞きました。 285 00:33:47,310 --> 00:33:49,310 バルサ…。 286 00:33:51,180 --> 00:33:54,880 カンバルには古来より 不思議な儀式がある。 287 00:33:56,980 --> 00:34:00,980 兄は その儀式に欠かせない 武人となった。 288 00:34:04,260 --> 00:34:11,130 バルサが森で見たものは 槍舞いだ。 289 00:34:11,130 --> 00:34:14,270 槍舞い? 290 00:34:14,270 --> 00:34:17,940 儀式では 誰よりも強い武人が➡ 291 00:34:17,940 --> 00:34:21,810 その槍舞いを務める舞手となる。➡ 292 00:34:21,810 --> 00:34:25,510 その力を兄に授けたのだ。 293 00:34:31,480 --> 00:34:37,960 ああ それは ルイシャ贈りの儀式の事だ。 294 00:34:37,960 --> 00:34:40,860 それは どういう儀式なんですか? 295 00:34:40,860 --> 00:34:44,830 ああ このカンバル王国では 数十年に一度➡ 296 00:34:44,830 --> 00:34:48,600 ルイシャという宝石が 山の王から贈られる。 297 00:34:48,600 --> 00:34:51,500 そのルイシャを 他国に売る事によって➡ 298 00:34:51,500 --> 00:34:58,280 豊かな土地に恵まれぬ この国は 多くの穀物を得て➡ 299 00:34:58,280 --> 00:35:01,180 生きながらえてきたのだ。 300 00:35:01,180 --> 00:35:05,920 その 山の王とは 何者ですか? 301 00:35:05,920 --> 00:35:12,590 それは カンバルの あの山の底に住む…。 302 00:35:12,590 --> 00:35:22,270 ♬~ 303 00:35:22,270 --> 00:35:27,610 いや 何と言っても その儀式に 立ち会った者でなければ➡ 304 00:35:27,610 --> 00:35:30,280 それを感じる事はできない。 305 00:35:30,280 --> 00:35:37,150 その儀式は この国にとって 生きる糧なのだ。 306 00:35:37,150 --> 00:35:40,920 それは どうやって行われるんですか? 307 00:35:40,920 --> 00:35:46,290 まずは 山の王から合図がある。 308 00:35:46,290 --> 00:35:52,160 王城の裏の洞窟の岩の扉が開き…。 309 00:35:52,160 --> 00:35:55,640 山の王の扉が開いた! 310 00:35:55,640 --> 00:36:00,240 (ラルーグ) 中から笛の音のような風が吹く。 311 00:36:00,240 --> 00:36:03,910 その知らせを聞いたら➡ 312 00:36:03,910 --> 00:36:07,580 次の新月までに こちらも贈り物を用意して➡ 313 00:36:07,580 --> 00:36:09,920 洞窟へと向かう。 314 00:36:09,920 --> 00:36:14,250 カンバル王は 9人の王の槍たちを引き連れて➡ 315 00:36:14,250 --> 00:36:16,920 山の底へと向かうのだ。 316 00:36:16,920 --> 00:36:19,830 まるで戦いに行くみたいに。 317 00:36:19,830 --> 00:36:25,600 ああ。 戦ではないが 戦いに違いない。 318 00:36:25,600 --> 00:36:32,940 そこで 我々は 山の王の守り人と 戦わねばならない。 319 00:36:32,940 --> 00:36:35,840 山の王の守り人…。 320 00:36:35,840 --> 00:36:41,610 ヒョウル 闇の守り人と呼ばれておる。➡ 321 00:36:41,610 --> 00:36:46,290 その ヒョウルと戦い 最後まで戦い抜いた➡ 322 00:36:46,290 --> 00:36:48,960 最強の武人に➡ 323 00:36:48,960 --> 00:36:53,290 山の王は ルイシャを贈って下さる。 324 00:36:53,290 --> 00:36:59,170 ただしだ ヒョウルとは 互角の力で息を合わせ➡ 325 00:36:59,170 --> 00:37:01,900 そう まるで 舞を舞うかのごとく➡ 326 00:37:01,900 --> 00:37:05,570 美しく戦う力がなければならない。 327 00:37:05,570 --> 00:37:10,570 その儀式の事を 我らは 槍舞いと呼ぶ。 328 00:37:19,120 --> 00:37:26,260 なんと ジグロは 16の身でありながら➡ 329 00:37:26,260 --> 00:37:31,130 槍舞いをして ヒョウルに勝った。 330 00:37:31,130 --> 00:37:38,840 だが それ以来 その儀式は行われてはいない。 331 00:37:38,840 --> 00:37:43,610 ジグロが死んでしまった今 その儀式を見た者は➡ 332 00:37:43,610 --> 00:37:48,910 この世で もう 私一人しか残ってはおらん。 333 00:37:50,950 --> 00:37:53,620 ≪(いななき) 334 00:37:53,620 --> 00:37:55,960 バルサ! 335 00:37:55,960 --> 00:37:58,290 追っ手か…。 追っ手? 336 00:37:58,290 --> 00:38:02,900 王宮が この方と私を 捕まえに来たのです。 337 00:38:02,900 --> 00:38:07,230 この方? この方は 新ヨゴ国の皇太子です。 338 00:38:07,230 --> 00:38:10,900 なんと…。 長老にお願いがあります。 339 00:38:10,900 --> 00:38:15,240 どうか この方を連れて 裏から逃げて下さい。 340 00:38:15,240 --> 00:38:19,580 バルサは? 私は叔母さんを守る。 341 00:38:19,580 --> 00:38:22,920 追っ手を殺すのか? 殺しはしない。 342 00:38:22,920 --> 00:38:25,820 捕まるんだ。 343 00:38:25,820 --> 00:38:28,250 捕まれば ログサムに会えるだろう。 344 00:38:28,250 --> 00:38:34,130 その間に ログサムに タルシュの事を話せるかもしれない。 345 00:38:34,130 --> 00:38:38,900 バルサ 私のために そんな事しなくていいんだ。 346 00:38:38,900 --> 00:38:41,600 あんたのためだけじゃない。 347 00:38:41,600 --> 00:38:45,470 ジグロのためにも そうしたいんだよ。 348 00:38:45,470 --> 00:38:50,940 チャグムの願いが このカンバルを タルシュから救う事にもなるなら➡ 349 00:38:50,940 --> 00:38:54,280 ジグロも きっと それを望むはずだ。 350 00:38:54,280 --> 00:38:58,580 ジグロに代わって 私も その道を探りたい。 351 00:39:02,560 --> 00:39:04,490 さあ 早く裏へ。 352 00:39:04,490 --> 00:39:06,490 うん。 さあ。 353 00:39:13,900 --> 00:39:17,900 ああ これは これは…。 354 00:39:20,570 --> 00:39:24,910 どちらが お悪いのかな? 355 00:39:24,910 --> 00:39:26,910 (カーム)どけ! ああっ! 356 00:39:28,780 --> 00:39:36,260 おや これは カグロ様ではございませんか。 357 00:39:36,260 --> 00:39:41,930 この国の英雄が こんな所に何か御用ですか? 358 00:39:41,930 --> 00:39:46,930 姪は どこにおる? 359 00:39:48,800 --> 00:39:51,100 隠しても無駄だ。 360 00:39:58,480 --> 00:40:00,480 ここにいるよ。 361 00:40:09,620 --> 00:40:16,300 こんな所で そんな物騒なもん 振り回すんじゃないよ。 362 00:40:16,300 --> 00:40:19,200 皇太子は どこにいる? 363 00:40:19,200 --> 00:40:25,300 皇太子? ここには連れてきてないよ。 364 00:40:25,300 --> 00:40:27,970 捜せ。 はっ。 365 00:40:27,970 --> 00:40:30,270 また痛い目に遭いたいのか? 366 00:40:32,310 --> 00:40:34,250 ああっ! 367 00:40:34,250 --> 00:40:51,000 ♬~ 368 00:40:51,000 --> 00:40:52,930 やあっ! 369 00:40:52,930 --> 00:41:14,950 ♬~ 370 00:41:14,950 --> 00:41:17,290 さあ行こう。 371 00:41:17,290 --> 00:41:34,310 ♬~ 372 00:41:34,310 --> 00:41:36,240 やあ~っ! 373 00:41:36,240 --> 00:41:38,240 (カグロ)そこまでだ! 374 00:41:44,950 --> 00:41:50,320 皇太子を ここに連れてこい。 375 00:41:50,320 --> 00:41:53,660 大丈夫だよ バルサ。 私は医術師だ。 376 00:41:53,660 --> 00:41:56,330 こんな偽物の槍で 首を切られたって➡ 377 00:41:56,330 --> 00:41:59,030 すぐにつないでみせる。 378 00:42:08,910 --> 00:42:10,840 バルサ…。 379 00:42:10,840 --> 00:42:16,540 チャグムを連れていくなら カンバル王のところだろ。 380 00:42:18,280 --> 00:42:23,580 その前に 私が カンバル王と話す。 381 00:42:30,860 --> 00:42:38,600 ♬~ 382 00:42:38,600 --> 00:42:40,540 怠けるな! 383 00:42:40,540 --> 00:42:49,250 ♬~ 384 00:42:49,250 --> 00:42:51,550 急げ! 385 00:43:01,830 --> 00:43:05,800 その杭は誰のものか! 帝のものであるぞ! 386 00:43:05,800 --> 00:43:08,930 落とすな! 丁重に運べ! 387 00:43:08,930 --> 00:43:12,230 怠けるな! 立て! 388 00:43:57,980 --> 00:44:01,280 ≪やめて! やめてよ! 389 00:44:07,790 --> 00:44:12,090 ほっとけよ。 面倒に関わるな。 390 00:44:19,270 --> 00:44:21,970 バカな男だ…。 391 00:44:24,140 --> 00:44:27,440 ≪やめて! やめてよ! 392 00:44:30,620 --> 00:44:32,550 やめて! やめてよ! 393 00:44:32,550 --> 00:44:37,960 おいおい おいおい! 何やってるんだ! 394 00:44:37,960 --> 00:44:41,290 こいつは俺たちの村のもんだ。 おめえには関係ねえ。 395 00:44:41,290 --> 00:44:44,200 ここにいるのは 皆 帝のために働く者たちだろう。 396 00:44:44,200 --> 00:44:47,970 粗末にしていいのか? こいつが逃げようとしたからだ! 397 00:44:47,970 --> 00:44:51,300 こいつが逃げれば 俺たちが ひどい目に遭うんだ! 398 00:44:51,300 --> 00:44:53,240 逃げようとしたんじゃないよ。 ああ? 399 00:44:53,240 --> 00:44:57,640 逃げろ 逃げろって言っただろ! 逃げろ? 400 00:44:57,640 --> 00:44:59,580 俺たちをけしかけたんだ。 401 00:44:59,580 --> 00:45:03,580 寝言みたいに 「逃げろ 逃げろ」って。 402 00:45:09,920 --> 00:45:14,920 ここにいたら みんな死ぬよ。 403 00:45:16,600 --> 00:45:20,930 お前… 帝の軍が負けるって言うのか! 404 00:45:20,930 --> 00:45:22,930 もう よせ! 405 00:45:29,270 --> 00:45:32,610 おいで。 406 00:45:32,610 --> 00:45:35,310 あ~ 痛そうだな…。 407 00:45:39,280 --> 00:45:41,980 何で あんな事 言ったんだ? 408 00:45:44,960 --> 00:45:48,830 ここが なくなるから…。 409 00:45:48,830 --> 00:45:51,130 ここが なくなる? 410 00:45:53,300 --> 00:45:58,970 よく分からねえけど 時々 何もなくなって見えるんだ。 411 00:45:58,970 --> 00:46:02,270 深い闇の中に落ちてゆくみたいに。 412 00:46:04,580 --> 00:46:08,280 ここが? この場所がか? 413 00:46:10,450 --> 00:46:15,920 それが夢なのか どうなのかも 分からなくなって➡ 414 00:46:15,920 --> 00:46:18,220 怖くなるんだ。 415 00:46:19,790 --> 00:46:21,790 [ 回想 ] (チキサ)分からないけど➡ 416 00:46:21,790 --> 00:46:24,930 アスラは 新ヨゴ国の都に行くと 聞いた時に➡ 417 00:46:24,930 --> 00:46:27,230 とても怖がったんです。 418 00:46:29,600 --> 00:46:34,270 君にも ナユグが見えるのか? ナユグ? 419 00:46:34,270 --> 00:46:38,610 この世と重なり合った 目に見えない精霊の世だ。 420 00:46:38,610 --> 00:46:43,950 もしかすると そっちの景色が 見えてるだけかもしれない。 421 00:46:43,950 --> 00:46:47,650 それとも何か 予言してるのか? 422 00:46:49,290 --> 00:46:52,620 そんなに気にしなくていいよ。 423 00:46:52,620 --> 00:46:55,320 どうせ おらぁ 変なガキだから。 424 00:46:56,960 --> 00:47:02,570 変なガキか… 俺も よく言われたな。 425 00:47:02,570 --> 00:47:04,900 あんたも? うん。 426 00:47:04,900 --> 00:47:06,840 死者の魂が見えたり➡ 427 00:47:06,840 --> 00:47:10,580 もうじき病で死ぬ人が 何となく分かったり➡ 428 00:47:10,580 --> 00:47:12,910 ほかの誰にも見えない鳥が 空を舞うのを➡ 429 00:47:12,910 --> 00:47:15,810 ぼんやり眺めてたりするような 子どもだった。 430 00:47:15,810 --> 00:47:20,250 だから 周りから 気味悪がられてな…。 431 00:47:20,250 --> 00:47:25,590 けど 思った事を口にしないと どんどん自分が怖くなるだろ。 432 00:47:25,590 --> 00:47:27,930 うん そうなんだ。 433 00:47:27,930 --> 00:47:31,800 トロガイという呪術師と出会って 俺は救われたんだ。 434 00:47:31,800 --> 00:47:36,270 呪術師? ヤクーの? うん。 435 00:47:36,270 --> 00:47:39,170 あんたも 呪術師なのか? 436 00:47:39,170 --> 00:47:41,140 そうだよ。 437 00:47:41,140 --> 00:47:44,140 タンダだ。 俺の名前。 438 00:47:44,140 --> 00:47:48,440 タンダ… おらは コチャだ。 439 00:47:52,820 --> 00:47:59,490 コチャ これから怖くなった時は 俺に言いな。 440 00:47:59,490 --> 00:48:01,490 うん。 441 00:48:23,580 --> 00:48:27,880 ヤギが欲しくて 来た訳ではなさそうだな。 442 00:48:30,260 --> 00:48:33,930 トト。 頼みがあって やって来た。 443 00:48:33,930 --> 00:48:37,930 しばらく この方を預かってくれ。 444 00:48:40,800 --> 00:48:43,600 牧童のトトだ。➡ 445 00:48:43,600 --> 00:48:46,940 ここにいれば安心だ。➡ 446 00:48:46,940 --> 00:48:53,610 彼らは 山の王の 一番近くにいる者たちだ。 447 00:48:53,610 --> 00:48:59,890 (呼び声) 448 00:48:59,890 --> 00:49:06,760 ≪(呼び声) 449 00:49:06,760 --> 00:49:13,430 彼らは あんなふうにして 遠い仲間と話をする。 450 00:49:13,430 --> 00:49:17,130 皆 構わんと言っている。 451 00:49:19,910 --> 00:49:23,610 お前を何て呼べばいい? 452 00:49:28,250 --> 00:49:31,150 チャグムと呼んで下さい。 453 00:49:31,150 --> 00:49:33,150 チャグム。 454 00:49:36,920 --> 00:49:40,260 精霊のにおいがする。 455 00:49:40,260 --> 00:49:43,930 水の精霊だ。 456 00:49:43,930 --> 00:49:47,600 卵を抱いた事があるな? 457 00:49:47,600 --> 00:49:51,300 はい。 子どもの頃に。 458 00:49:52,940 --> 00:49:57,940 なら あれが見えるか? 459 00:50:03,950 --> 00:50:05,950 あれは…。 460 00:50:10,820 --> 00:50:16,290 水だ。 ナユグの水だ。 461 00:50:16,290 --> 00:50:19,970 この辺りは どんどん水につかってゆく。 462 00:50:19,970 --> 00:50:23,300 南の方から流れてくるのだ。 463 00:50:23,300 --> 00:50:29,300 我々も そのうち 山で 暮らせんようになるかもしれん。 464 00:50:30,980 --> 00:50:36,310 あの水は ひなたの水のように温かい。 465 00:50:36,310 --> 00:50:40,610 雪が解ければ 雪崩が起きる。 466 00:50:43,660 --> 00:50:48,990 トト 我々も ここも危ないのか? 467 00:50:48,990 --> 00:50:52,860 あちらが変われば こちらも変わる。➡ 468 00:50:52,860 --> 00:50:58,000 それが恵みであっても➡ 469 00:50:58,000 --> 00:51:00,700 災いであってもな。 470 00:51:02,270 --> 00:51:08,950 (トト)そういえば 久々に 山の王の扉が開いたようだ。 471 00:51:08,950 --> 00:51:11,850 儀式が行われるんですか? 472 00:51:11,850 --> 00:51:15,820 果たして 今のカンバル王は➡ 473 00:51:15,820 --> 00:51:19,960 山の王に認められるかな。 474 00:51:19,960 --> 00:51:43,660 ♬~ 475 00:52:01,270 --> 00:52:03,570 バルサでございます。 476 00:52:10,940 --> 00:52:15,610 よく来た バルサ。 477 00:52:15,610 --> 00:52:21,290 お目通りかない 光栄にございます。 陛下。 478 00:52:21,290 --> 00:52:24,590 まるで そなたから 来たような口ぶりだが。 479 00:52:26,630 --> 00:52:30,630 カグロのもとから逃げたと 聞いておるが…。 480 00:52:32,300 --> 00:52:40,170 はい。 けれど どうしても 陛下に お目にかかりたく…。 481 00:52:40,170 --> 00:52:45,310 私に会いたいと? はい。 482 00:52:45,310 --> 00:52:48,310 もっと よく顔を見せよ。 483 00:53:08,930 --> 00:53:13,230 おお… 面影がある。 484 00:53:15,270 --> 00:53:19,610 (ログサム)…で 私に会いたいのは そなた一人か? 485 00:53:19,610 --> 00:53:25,480 もう一人 若い者がいたと聞いたが その者は どうした? 486 00:53:25,480 --> 00:53:31,960 陛下に強くお会いしたいと 願っているのは その者です。 487 00:53:31,960 --> 00:53:37,660 その者は 新ヨゴ国のチャグム皇太子です。 488 00:53:39,630 --> 00:53:42,530 既に ご存じの事と存じますが➡ 489 00:53:42,530 --> 00:53:48,310 チャグム皇太子は タルシュ帝国より 追われている身です。 490 00:53:48,310 --> 00:53:53,650 タルシュ帝国と陛下が 昵懇の間柄であると聞き及び➡ 491 00:53:53,650 --> 00:53:57,520 念のため 一時 身を隠しました。 492 00:53:57,520 --> 00:54:01,450 その皇太子の身を タルシュの意向とは➡ 493 00:54:01,450 --> 00:54:05,260 切り離されてお考え頂けると 確信できれば➡ 494 00:54:05,260 --> 00:54:10,600 すぐに ここへお連れします。 ハハハハハハッ! 495 00:54:10,600 --> 00:54:15,270 まるで決めるのは 全て そなたであるかのようだな。 496 00:54:15,270 --> 00:54:21,940 私は そなたの意向に従うだけか? 497 00:54:21,940 --> 00:54:23,940 いえ…。 498 00:54:25,610 --> 00:54:30,280 私は そなたの意向に沿う気はない。➡ 499 00:54:30,280 --> 00:54:33,620 カグロの息子が チャグム皇太子を見つけ次第➡ 500 00:54:33,620 --> 00:54:37,490 首をはね➡ 501 00:54:37,490 --> 00:54:39,790 タルシュに差し出す。 502 00:54:45,960 --> 00:54:51,260 そう申したら 何と致す? 503 00:54:52,840 --> 00:54:55,540 (ログサム)私に刃向かうか? 504 00:55:02,910 --> 00:55:12,910 バルサ チャグム皇太子の事は切り離して 私の顔を見よ。 505 00:55:17,260 --> 00:55:20,930 そうだ…。 506 00:55:20,930 --> 00:55:24,630 その恨みの籠もった目…。 507 00:55:27,270 --> 00:55:30,970 そのお前と話がしたい。 508 00:55:34,150 --> 00:55:43,290 カルナの娘か ジグロの娘かは知らぬが➡ 509 00:55:43,290 --> 00:55:46,590 この私が憎かろう? 510 00:55:54,300 --> 00:55:57,000 いいえ。 正直に申せ! 511 00:56:00,910 --> 00:56:04,580 お前を育てたジグロは➡ 512 00:56:04,580 --> 00:56:08,280 8人の王の槍を殺した。 513 00:56:10,250 --> 00:56:13,920 8人の金の輪を盗み出して➡ 514 00:56:13,920 --> 00:56:18,260 逃げて 逃げて➡ 515 00:56:18,260 --> 00:56:25,600 とうとう最後は 同族の兄に討たれて死んだ。➡ 516 00:56:25,600 --> 00:56:28,270 哀れなもんよ。 517 00:56:28,270 --> 00:56:35,940 その兄は 盗まれた 全ての金の輪を取り返し➡ 518 00:56:35,940 --> 00:56:39,640 この国の英雄となった。 519 00:56:47,550 --> 00:56:51,290 そこで そなたに尋ねたい。 520 00:56:51,290 --> 00:56:54,290 それは事実か? 521 00:56:58,630 --> 00:57:08,240 (ログサム)兄のカグロは➡ 522 00:57:08,240 --> 00:57:12,110 それは事実か? 523 00:57:12,110 --> 00:57:14,110 どうなのだ? 524 00:57:14,110 --> 00:57:27,410 ♬~ 525 00:57:29,930 --> 00:57:32,830 ラウル王子は 野蛮な狂犬ではありません! 526 00:57:32,830 --> 00:57:36,800 バカだな…。 人も土も 皆 消えるだけ。 527 00:57:36,800 --> 00:57:40,570 陛下… 神の世にお逃げ下さい。 528 00:57:40,570 --> 00:57:44,480 今 ここで争えば 儀式に不吉をもたらします。 529 00:57:44,480 --> 00:57:47,780 この国は大変な事になる。 530 00:57:49,950 --> 00:57:51,880 父上~! 531 00:57:51,880 --> 00:57:53,880 ああ~っ!