1 00:00:03,336 --> 00:00:08,341 ♪~ 2 00:01:27,854 --> 00:01:32,859 ~♪ 3 00:01:34,694 --> 00:01:37,130 (モン) 短槍(たんそう)使い! 聞いているか! 4 00:01:37,530 --> 00:01:40,200 今度は いつぞやのようには いかんぞ! 5 00:01:40,300 --> 00:01:42,836 総力を挙げて お前を倒す! 6 00:01:43,136 --> 00:01:46,339 何が目的で皇子を 連れ回るのかは知らんが― 7 00:01:46,439 --> 00:01:48,675 もう お前の役目は終わった! 8 00:01:49,342 --> 00:01:51,277 おとなしく姿を現せ! 9 00:01:51,377 --> 00:01:53,279 (トロガイ) うるさい小僧どもが! 10 00:01:53,379 --> 00:01:55,682 何を ぎゃあぎゃあ わめいているんだい! 11 00:02:03,456 --> 00:02:05,558 (タンダ)あの人 確か… 12 00:02:25,879 --> 00:02:29,282 (トロガイ)お前 星読み博士か? 13 00:02:29,849 --> 00:02:32,352 (シュガ)はい トロガイ師 14 00:02:32,452 --> 00:02:36,656 できれば もっと早くに 一度お会いしておきたかった 15 00:02:36,923 --> 00:02:41,394 フン! 星読みとも思えん発言だね 16 00:02:41,828 --> 00:02:43,930 お? そうか 17 00:02:44,330 --> 00:02:49,536 二ノ妃(にのきさき)に わし宛の手紙を 書かせたのはお前かい? 18 00:02:49,636 --> 00:02:50,603 いかにも 19 00:02:51,638 --> 00:02:54,641 なら ちょっとは まともな話ができそうだ 20 00:02:55,642 --> 00:02:57,877 若造の星読み博士よ 21 00:02:58,311 --> 00:03:00,413 ぜひ お前の考えを聞きたい 22 00:03:02,515 --> 00:03:03,483 師匠? 23 00:03:03,583 --> 00:03:05,585 どうやら ニュンガ・ロ・チャガとなった― 24 00:03:05,685 --> 00:03:07,287 あの皇子様は 25 00:03:07,387 --> 00:03:10,223 来年の春の等しき日になると― 26 00:03:10,323 --> 00:03:13,426 渡り鳥が 渡りを始めるように― 27 00:03:13,560 --> 00:03:17,730 宴(うたげ)の地なる場所に 旅立ってしまうらしいのじゃ 28 00:03:17,864 --> 00:03:19,399 しかも そのとき― 29 00:03:19,499 --> 00:03:24,337 ナユグからは 卵食いも やってくることが分かった 30 00:03:24,437 --> 00:03:25,638 卵食い? 31 00:03:26,272 --> 00:03:27,206 うむ 32 00:03:27,440 --> 00:03:31,411 ちょうど産卵のために 川を上ってきたトブリャを― 33 00:03:31,511 --> 00:03:34,247 ひぐまが食いに来るようにな 34 00:03:34,414 --> 00:03:37,550 そして 我らヤクーの 言い伝えによれば― 35 00:03:37,650 --> 00:03:41,287 そのとき 精霊の守り人は 卵食いによって― 36 00:03:41,387 --> 00:03:43,389 殺される定めに あるらしいんじゃ 37 00:03:43,489 --> 00:03:44,557 (ざわめき) 38 00:03:44,657 --> 00:03:46,526 (ジン)皇子が死ぬだと? 39 00:03:46,793 --> 00:03:50,263 ああ そうじゃ 二度も言わせるな 40 00:03:52,365 --> 00:03:53,766 実際 お前さんは― 41 00:03:53,866 --> 00:03:57,503 どこまで ニュンガ・ロ・チャガに ついての知識を持っている? 42 00:04:00,940 --> 00:04:03,776 過去 精霊の守り人が― 43 00:04:03,977 --> 00:04:07,780 その定めから逃れたという 話はないのですか? 44 00:04:08,381 --> 00:04:11,484 少なくとも ヤクーの伝承にはない 45 00:04:14,254 --> 00:04:16,022 ヤクーの呪術師よ 46 00:04:16,589 --> 00:04:18,958 その話が本当だとしたら― 47 00:04:19,359 --> 00:04:22,862 なおさら 皇子を我らに 返したほうがよいのではないか? 48 00:04:23,596 --> 00:04:26,933 その卵食いなるものが 何かは知らんが― 49 00:04:27,033 --> 00:04:30,637 我らヨゴには 万を超す軍勢がいる 50 00:04:30,737 --> 00:04:32,805 たとえ 建国正史(けんこくせいし)に 書かれているような 51 00:04:32,905 --> 00:04:34,974 魔物が現れたとしても― 52 00:04:35,675 --> 00:04:38,745 我らなら 皇子を守ることは たやすい 53 00:04:39,279 --> 00:04:43,716 ほう? それが人には姿も見えず― 54 00:04:43,816 --> 00:04:47,487 触ることすらできない ナユグの怪物でもかい? 55 00:04:47,754 --> 00:04:48,821 (シュガ・モン)ん? 56 00:04:49,055 --> 00:04:50,990 ナユグのモノにとっては― 57 00:04:51,291 --> 00:04:54,627 宮を取り囲む壁や 軍勢の槍(やり)ぶすまなど― 58 00:04:54,727 --> 00:04:56,863 へとも感じんだろうさ 59 00:04:56,996 --> 00:04:59,032 いくら皇子を隠そうと― 60 00:04:59,332 --> 00:05:02,635 最後はナユグから その見えない爪で― 61 00:05:02,735 --> 00:05:06,472 皇子を いとも簡単に 引き裂いてしまうだろうよ 62 00:05:07,307 --> 00:05:09,342 それでも お前らに渡せば― 63 00:05:09,442 --> 00:05:12,445 卵くらいは なんとか してくれるってのかい? 64 00:05:17,383 --> 00:05:21,821 私のもとには 初代聖導師(せいどうし)の残した碑文がある 65 00:05:22,388 --> 00:05:25,525 それを読み解けば あるいは… 66 00:05:26,359 --> 00:05:27,694 なんだい 67 00:05:27,794 --> 00:05:32,498 そんな大層なものがあるのに いまだに読み解いておらんのか 68 00:05:32,899 --> 00:05:36,736 ヒビ・トナンの クソガキも もうろくしたもんさ 69 00:05:37,403 --> 00:05:39,105 やはり そんな ぼんくらに― 70 00:05:39,405 --> 00:05:42,642 大切なニュンガ・ロ・チャガを 渡すことはできないね! 71 00:05:42,942 --> 00:05:46,412 (モン)では ヤクーなら 皇子を守れるというのか? 72 00:05:46,512 --> 00:05:48,514 当然じゃ! (一同)う… 73 00:05:48,648 --> 00:05:50,616 だからこそ短槍使いは― 74 00:05:50,717 --> 00:05:54,387 皇子を すでに秘密の場所に 連れていったんだからね 75 00:05:54,787 --> 00:05:55,755 (一同)え… 76 00:05:55,988 --> 00:06:00,059 (トロガイ)うそだと思うんなら 村中を探してみるがいいさ! 77 00:06:03,563 --> 00:06:07,967 だが 短槍使いも皇子を 返さないと言ってるわけじゃない 78 00:06:08,568 --> 00:06:11,871 皇子も卵も 守りたいと言っているだけさ 79 00:06:11,971 --> 00:06:15,007 お前らも 皇子を助けたいと思うんなら― 80 00:06:15,108 --> 00:06:17,543 その碑文とやらを さっさと読み解いて― 81 00:06:17,877 --> 00:06:21,481 春の等しき日に 宴の地に来るがよい 82 00:06:21,581 --> 00:06:23,549 我らは そこで待っておる 83 00:06:28,121 --> 00:06:29,388 (ジン)くだらん! 84 00:06:29,489 --> 00:06:32,058 チャグム皇子は 我らヨゴの皇子 85 00:06:32,725 --> 00:06:34,927 貴様らヤクーの手を借りずとも― 86 00:06:35,027 --> 00:06:37,029 我らが守ってみせる! 87 00:06:37,630 --> 00:06:38,498 (トロガイ)ほう 88 00:06:38,731 --> 00:06:41,667 この村の者 全員を斬るか 89 00:06:42,034 --> 00:06:46,072 それで この大地と皇子を 救えるんなら そうせい! 90 00:06:46,172 --> 00:06:49,475 だが 何も知らずに 皇子を連れ帰れば― 91 00:06:49,575 --> 00:06:51,978 ナユグのモノも宮に向かうぞ! 92 00:06:52,145 --> 00:06:53,479 (シュガ)待て! 93 00:06:53,579 --> 00:06:56,516 ここでむだな殺生をしても 意味がない! 94 00:06:56,682 --> 00:06:57,850 刀をしまえ 95 00:06:59,552 --> 00:07:00,720 トロガイ師 96 00:07:01,053 --> 00:07:02,955 どうやら 我ら星読みは― 97 00:07:03,055 --> 00:07:05,625 ずいぶんと つけあがっていたようだ 98 00:07:05,858 --> 00:07:10,496 やはり あなたたちと比べて あまりに知識が不足している 99 00:07:10,763 --> 00:07:14,667 (トロガイ)そこの者たちは そうは思っては おらんようだぞ 100 00:07:16,536 --> 00:07:19,672 今は この者たちと共に この場を去ろう 101 00:07:19,772 --> 00:07:21,040 (一同)う… (シュガ)だが― 102 00:07:21,741 --> 00:07:26,879 春の等しき日までに 必ず 皇子を救う方法を携え戻ってくる 103 00:07:27,447 --> 00:07:30,583 そのときは 皇子を我らに返してほしい 104 00:07:30,850 --> 00:07:32,752 シュガ様! (シュガ)黙れ! 105 00:07:33,486 --> 00:07:36,823 お前たちが息精張っても 討てなかった用心棒だ 106 00:07:36,989 --> 00:07:40,593 春までは 女用心棒に皇子を託すのが― 107 00:07:40,693 --> 00:07:42,028 最も確実な手段 108 00:07:42,662 --> 00:07:43,563 うっ… 109 00:07:44,597 --> 00:07:48,768 ジン 確かにシュガ様の 言うとおりかもしれん 110 00:07:48,868 --> 00:07:50,937 ここはいったん 剣を収めろ 111 00:07:52,538 --> 00:07:53,506 うう… 112 00:07:54,907 --> 00:07:59,178 呪術師よ 皇子は息災であらせられるか? 113 00:07:59,745 --> 00:08:00,780 うむ… 114 00:08:09,755 --> 00:08:10,857 トロガイ師 115 00:08:10,957 --> 00:08:15,127 では来春 宴の地にて お会いしましょう 116 00:08:30,176 --> 00:08:32,011 そちは トロガイ師の弟子か? 117 00:08:32,578 --> 00:08:34,580 えっ ああ 118 00:08:35,615 --> 00:08:37,717 あのときは 世話になった 119 00:08:38,117 --> 00:08:43,155 カマキリの卵の話がきっかけで 私は今ここにいる 120 00:08:43,956 --> 00:08:45,291 感謝している 121 00:08:51,797 --> 00:08:53,933 もはや一刻の猶予もない 122 00:08:54,100 --> 00:08:58,804 宮に帰りしだい 碑文解読役を組織せねばなるまい 123 00:08:59,839 --> 00:09:02,808 覚えていたのか 俺のこと 124 00:09:02,909 --> 00:09:06,612 お前 あの星読みと 会ったことがあるのか? 125 00:09:06,746 --> 00:09:10,316 ええ 一度 扇(おうぎ)の下(しも)のはずれで 126 00:09:10,616 --> 00:09:11,817 ほう 127 00:09:12,118 --> 00:09:13,686 にしても 師匠― 128 00:09:13,786 --> 00:09:16,889 よくとっさに あんな うそがつけましたね? 129 00:09:17,256 --> 00:09:21,561 フン バルサが戻りしだい 狩穴に向かうぞ 130 00:10:41,907 --> 00:10:45,378 (ソウヤ)やはり ここに 残るわけには いかんのですか? 131 00:10:45,678 --> 00:10:48,681 (バルサ)ありがとうございます ですが― 132 00:10:48,781 --> 00:10:52,818 この子に いろいろと準備を させてやりたいこともありますので 133 00:10:53,219 --> 00:10:55,021 (ソウヤ)そうですか… 134 00:10:55,221 --> 00:10:57,156 世話になったな 135 00:10:57,657 --> 00:11:01,427 我らとて ただ手をこまねいたまま 冬を越す気はない 136 00:11:02,228 --> 00:11:05,197 ニュンガ・ロ・チャガのことは 任せておけ 137 00:11:05,331 --> 00:11:07,800 (ソウヤ)よろしくお願いします 138 00:11:07,900 --> 00:11:08,901 (トロガイ)うむ 139 00:11:13,239 --> 00:11:16,442 (ニムカの母)これは ニムカが 採ってきた シクルの蜜です 140 00:11:16,742 --> 00:11:19,378 穴ごもりのときに 皆さんで 141 00:11:29,021 --> 00:11:30,356 (チャグム)ありがとう 142 00:11:35,027 --> 00:11:37,930 (ニムカ)どうか お元気で 143 00:11:41,434 --> 00:11:44,303 では そろそろ行ってみます 144 00:11:47,406 --> 00:11:49,241 お気をつけて 145 00:12:12,198 --> 00:12:14,767 何じゃ? 見送りか? 146 00:12:16,168 --> 00:12:17,036 え? 147 00:12:24,376 --> 00:12:27,880 何のために 頭を下げるんだ? 148 00:12:28,247 --> 00:12:31,117 誰かが 背負わねばならぬ運命を― 149 00:12:31,217 --> 00:12:34,787 1人で背負った者への 敬重の念からじゃ 150 00:13:09,054 --> 00:13:10,222 (馬のいななき) 151 00:13:10,322 --> 00:13:11,790 (馬方)どう どう! 152 00:13:23,469 --> 00:13:25,237 (シュガ)シュガに ございます 153 00:13:26,405 --> 00:13:29,308 ガカイ様 いらっしゃいますか? 154 00:13:32,278 --> 00:13:33,579 (星読み)シュガ様 155 00:13:33,879 --> 00:13:37,249 あ… ガカイ様は ただいま… 156 00:13:37,349 --> 00:13:40,119 (ガカイ)かまわん 入れ 157 00:13:43,455 --> 00:13:45,090 失礼いたします 158 00:13:50,296 --> 00:13:51,997 (ガカイ)何用だ? 159 00:13:52,464 --> 00:13:56,068 (シュガ)ガカイ様のお力を お借りしたく 伺いました 160 00:13:57,036 --> 00:14:00,206 (ガカイ)サグム皇太子が 亡くなられた今― 161 00:14:00,439 --> 00:14:03,275 カシヅキとしての職も失った 162 00:14:03,909 --> 00:14:05,945 それにひきかえ お前は― 163 00:14:06,145 --> 00:14:10,249 今や 聖導師様と並ぶほどの 実権を持つと聞く 164 00:14:10,349 --> 00:14:13,285 フッ 何なりと申しつけたらどうだ 165 00:14:14,019 --> 00:14:18,157 私に断る権限など ないのだからな 166 00:14:19,892 --> 00:14:21,093 ガカイ様 167 00:14:21,327 --> 00:14:25,464 私はトウミ村に赴き 星読みの持つ知識が― 168 00:14:25,564 --> 00:14:29,134 ヤクーの知に 遠く及ばないことを 思い知らされました 169 00:14:29,969 --> 00:14:34,039 ですが 我らは その知識を上回らねばならない 170 00:14:35,040 --> 00:14:37,443 (ガカイ)私には関係ないことだ 171 00:14:37,910 --> 00:14:38,644 いいえ! 172 00:14:39,011 --> 00:14:41,580 これは 我が新ヨゴ皇国のみならず― 173 00:14:41,881 --> 00:14:45,017 ナヨロの地に住む者すべてに 関係することなのです! 174 00:14:46,018 --> 00:14:47,219 ガカイ様! 175 00:14:47,519 --> 00:14:50,456 どうか 碑文解読の 長(おさ)になっていただき― 176 00:14:50,623 --> 00:14:53,225 私に お力をお貸しください! 177 00:14:53,926 --> 00:14:57,263 ガカイ様は あらゆる学問に精通し― 178 00:14:57,363 --> 00:14:59,431 探究心の深い お方 179 00:15:00,165 --> 00:15:03,569 この仕事を 滞りなく 進めることができるのは― 180 00:15:04,069 --> 00:15:07,139 ガカイ様をおいて 他には ありません! 181 00:15:38,570 --> 00:15:41,507 ここいらは 光扇京(こうせんきょう)よりも寒いから― 182 00:15:41,607 --> 00:15:43,676 紅葉する時期が ずっと早いんだ 183 00:15:58,357 --> 00:16:01,961 トウミを出てから ずっと あんな感じだな 184 00:16:02,227 --> 00:16:06,598 ああ けど とりあえず 狩穴はもうすぐだ 185 00:16:07,733 --> 00:16:10,536 チャグムのことは それから考えるさ 186 00:16:11,437 --> 00:16:12,705 (タンダ)そうだな 187 00:16:19,411 --> 00:16:20,279 (トロガイ)うーん 188 00:16:21,313 --> 00:16:25,751 まったく しばらく ほっとくだけで すぐ このザマだ 189 00:16:35,995 --> 00:16:37,730 (タンダ) 岩の下にできた空洞に― 190 00:16:38,030 --> 00:16:41,300 師匠と俺とで 少しばかり手を入れたんだ 191 00:16:41,433 --> 00:16:43,502 今 明かりを入れてくる 192 00:16:46,138 --> 00:16:47,106 あ… 193 00:16:57,416 --> 00:17:01,453 (バルサ)ジグロ 帰ってきたよ 194 00:17:03,155 --> 00:17:06,158 (タンダ)明かりをつけたぞ 下りてきてごらん 195 00:17:11,163 --> 00:17:16,201 あの背中が前のように しゃんと するようにしてやらなきゃね 196 00:17:20,239 --> 00:17:21,673 (タンダ)驚いたか? 197 00:17:22,141 --> 00:17:24,676 俺たちは ここを 玄関って呼んでいるんだ 198 00:17:25,310 --> 00:17:29,415 でも ちょっと広すぎて 寒いから 奥に部屋が作ってある 199 00:17:29,515 --> 00:17:30,482 おいで 200 00:17:33,385 --> 00:17:36,588 右の穴は奥が深すぎて 迷路になっているから― 201 00:17:36,688 --> 00:17:37,790 入っては ダメだ 202 00:17:38,090 --> 00:17:38,757 (チャグム)うん 203 00:17:39,058 --> 00:17:41,493 (タンダ)真ん中は泉が湧いている 204 00:17:41,693 --> 00:17:43,429 左が 我が家だ 205 00:17:44,596 --> 00:17:46,298 ここが居間だ 206 00:17:46,632 --> 00:17:50,436 向こうは 動物の肉なんかを くん製にする部屋 207 00:17:50,536 --> 00:17:53,572 あっちは 食料と水の貯蔵庫だ 208 00:17:54,139 --> 00:17:56,809 どうやら 目立った傷みは ないようじゃな 209 00:17:58,277 --> 00:18:00,446 ここは変わりませんね 210 00:18:01,146 --> 00:18:03,615 何もかも昔のままだ 211 00:18:04,349 --> 00:18:07,386 ジグロが死んでからは 一度も来ていなかったけど 212 00:18:07,619 --> 00:18:08,487 (チャグム)ん? 213 00:18:08,587 --> 00:18:12,291 (トロガイ)雪が降り始めたら 身動きできなくなっちまう 214 00:18:13,092 --> 00:18:16,395 その前に やっとくことは山ほどある 215 00:18:16,495 --> 00:18:19,665 さっそく 冬ごもりの 準備に入るとしよう 216 00:18:50,129 --> 00:18:51,730 (バルサ)お前も やってごらん 217 00:18:52,164 --> 00:18:55,567 こうやって処理しないと うまく くん製にできないからね 218 00:19:02,674 --> 00:19:06,178 さて お茶でも入れるか 219 00:19:07,813 --> 00:19:09,715 フゥ… 220 00:19:11,683 --> 00:19:13,519 これが済んだら 早めに寝るよ 221 00:19:14,353 --> 00:19:17,389 あしたは 早くに わなを仕掛けに行くからね 222 00:19:19,558 --> 00:19:20,792 分かった 223 00:19:42,314 --> 00:19:45,184 やり方は 野ウサギなんかと一緒だ 224 00:19:45,284 --> 00:19:46,718 1人で やってごらん 225 00:19:46,818 --> 00:19:47,719 (チャグム)うん 226 00:20:04,736 --> 00:20:07,639 (バルサ)ここも だいぶ いっぱいに なってきたじゃないか 227 00:20:07,973 --> 00:20:10,576 これなら十分 冬を越せそうだ 228 00:20:17,583 --> 00:20:19,918 タンダ 虫こぶはあるかい? 229 00:20:20,452 --> 00:20:22,354 皮を なめしたいんだ 230 00:20:22,621 --> 00:20:23,555 ああ 231 00:20:27,459 --> 00:20:30,229 (バルサ)こっちの鉢と すりこぎも借りるよ 232 00:20:30,329 --> 00:20:31,330 (タンダ)ああ 233 00:20:32,864 --> 00:20:34,933 バルサ これで足りるか? 234 00:20:35,634 --> 00:20:37,869 (バルサ)十分さ ありがとよ 235 00:20:43,609 --> 00:20:47,846 あの小僧も だいぶ たくましく なってきたようじゃないか 236 00:20:48,614 --> 00:20:52,417 バルサの しごきにも 耐えてるみたいだしね 237 00:20:52,851 --> 00:20:56,488 (タンダ)口数が少ないのが 気になりますけどね 238 00:20:56,722 --> 00:21:00,959 そればっかりは 本人が答えを出すしかないのさ 239 00:21:01,727 --> 00:21:04,263 わしらが いくら口を出しても― 240 00:21:04,363 --> 00:21:08,400 結局 ニュンガ・ロ・チャガの 運命を引き受けるのは― 241 00:21:08,500 --> 00:21:10,736 あの小僧なんだからね 242 00:21:17,976 --> 00:21:19,044 (チャグム)痛っ 243 00:21:19,344 --> 00:21:21,046 ん? どうした 244 00:21:22,748 --> 00:21:23,949 見せてごらん 245 00:21:26,852 --> 00:21:28,620 あかぎれだね 246 00:21:28,787 --> 00:21:31,657 待ちな 薬を塗ってやる 247 00:21:39,931 --> 00:21:41,800 あ… うっ! 248 00:21:41,900 --> 00:21:43,368 我慢しな 249 00:21:43,735 --> 00:21:47,406 この薬は しみるけど ちゃんと効くからね 250 00:21:48,707 --> 00:21:53,412 私も お前くらいのときは よく あかぎれを こさえたもんさ 251 00:21:53,812 --> 00:21:57,449 そのたびに ジグロが この薬を塗ってくれた 252 00:21:58,317 --> 00:21:59,985 ふだんは厳しかったけど― 253 00:22:00,085 --> 00:22:03,355 不思議と あかぎれになったときは 優しかったね 254 00:22:04,723 --> 00:22:08,827 ジグロというのは バルサを育ててくれた人のことか? 255 00:22:09,094 --> 00:22:14,333 ああ 育ての親で 命の恩人さ 256 00:22:15,067 --> 00:22:17,869 命の恩人? 257 00:22:18,603 --> 00:22:19,604 (バルサ)ああ 258 00:22:20,439 --> 00:22:24,476 そういえば お前には ちゃんと話したことがなかったね 259 00:22:25,577 --> 00:22:30,482 ジグロがいなかったら 今頃 私は ここにいなかったろうよ 260 00:22:30,816 --> 00:22:34,119 間違いなく 6歳のときに殺されていたからね 261 00:22:34,419 --> 00:22:35,087 (チャグム)え? 262 00:22:37,355 --> 00:22:40,392 その人の話 聞かせてくれないか? 263 00:22:41,993 --> 00:22:46,364 そうか… 今が話すときかもしれないね 264 00:22:47,766 --> 00:22:50,502 私の生まれたカンバルって国は― 265 00:22:50,869 --> 00:22:55,874 知ってのとおり 青霧(あおぎり)山脈を 越えた所にある小国でね 266 00:22:56,742 --> 00:22:58,376 そんな所でも― 267 00:22:58,477 --> 00:23:02,814 人は絶えず 争い事を 起こしたがるものなんだ 268 00:23:08,487 --> 00:23:13,492 ♪~ 269 00:24:37,075 --> 00:24:42,080 ~♪