1 00:00:06,200 --> 00:00:07,200 (高島秋帆(たかしましゅうはん))お前も… 2 00:00:09,433 --> 00:00:12,900 (秋帆) お前も励め 必ず励め 3 00:00:13,500 --> 00:00:19,233 (語り)後に 近代日本経済の父と呼ばれる渋沢栄一(しぶさわえいいち) 4 00:00:19,300 --> 00:00:20,934 (農家)あと30貫ばっかあるだが 5 00:00:21,166 --> 00:00:22,967 (渋沢栄一) じゃあ 30貫 みんなくれとくれ 6 00:00:25,433 --> 00:00:26,467 1両あれば― 7 00:00:26,700 --> 00:00:29,633 来年は〆粕(しめかす)を10斗買っても どうにかなるんだいな 8 00:00:30,433 --> 00:00:31,433 (農家)へえ 9 00:00:31,500 --> 00:00:36,100 そしたら もっといい藍が 今年の倍はとれるわけだいなぁ 10 00:00:36,700 --> 00:00:37,734 へえ! 11 00:00:38,834 --> 00:00:42,367 来年も また必ず うちに売ってくれるかい 12 00:00:44,266 --> 00:00:45,333 もちろんだらず! 13 00:00:45,600 --> 00:00:50,734 (語り)藍葉の不作という危機から 血洗島(ちあらいじま)を救った栄一は… 14 00:00:52,900 --> 00:00:53,900 (渋沢市郎右衛門(いちろうえもん))よくやった 15 00:00:55,333 --> 00:00:56,333 へえ! 16 00:00:56,834 --> 00:00:57,834 ハハハ! 17 00:00:58,066 --> 00:01:00,300 お~! やったぞ~! 18 00:01:00,367 --> 00:01:04,533 やった~! ハハハ! 19 00:01:05,734 --> 00:01:08,734 (語り)今日もよく働いております 20 00:01:09,300 --> 00:01:10,633 (尾高惇忠(おだかじゅんちゅう))おう 栄一 21 00:01:10,900 --> 00:01:12,333 (栄一)おお あにぃ! 22 00:01:12,633 --> 00:01:14,767 (惇忠)もう一人で 藍の買い付けに行っているのか? 23 00:01:14,834 --> 00:01:18,600 (栄一)そうよ 今はこうして商いの修業中だに 24 00:01:19,133 --> 00:01:22,033 あ ここんところ読書に伺えず 申し訳ねえ 25 00:01:22,100 --> 00:01:24,667 (惇忠)大丈夫 大丈夫 結構なことだがな 26 00:01:25,367 --> 00:01:28,900 お前の母さまも “とっさまの機嫌がよい”と喜んでおられた 27 00:01:28,967 --> 00:01:29,967 ハハ 28 00:01:30,033 --> 00:01:31,033 (惇忠)そうだ 29 00:01:31,533 --> 00:01:34,266 浜田(はまだ)弥兵衛(やひょうえ)の本を手に入れたぞ 30 00:01:34,333 --> 00:01:35,333 (栄一)おお! 31 00:01:35,400 --> 00:01:37,000 (惇忠)暇が出来たら読みに来い 32 00:01:37,600 --> 00:01:39,233 (栄一)はっはぁ~ 33 00:01:39,300 --> 00:01:41,934 ごろつきの異人を とっちめるとはのう 34 00:01:42,233 --> 00:01:43,867 (惇忠) 当時のオランダ人の間でも― 35 00:01:44,066 --> 00:01:47,100 “江戸(えど)のヤヒョウエ”と 恐れられていたそうだで 36 00:01:47,767 --> 00:01:49,800 (渋沢喜作(きさく))つまり 200年の昔から― 37 00:01:49,867 --> 00:01:52,166 日本男児の気概は 決して異国に 38 00:01:52,233 --> 00:01:53,867 劣らねえって ことだに 39 00:01:54,667 --> 00:01:55,667 ましてや 生まれて 40 00:01:55,734 --> 00:01:56,934 100年にも 満たねえ 41 00:01:57,000 --> 00:01:58,133 ペルリの メリケンなど 42 00:01:58,200 --> 00:01:59,400 なんぼのもんだ 43 00:01:59,467 --> 00:02:02,033 そうだいな こっちがひっぺがえしてやらぁ 44 00:02:02,100 --> 00:02:03,100 (喜作)そうだに! 45 00:02:03,166 --> 00:02:03,300 (尾高きせ) まぁまぁ 46 00:02:03,300 --> 00:02:04,166 (尾高きせ) まぁまぁ 47 00:02:03,300 --> 00:02:04,166 (栄一)おお! 48 00:02:04,166 --> 00:02:04,233 (栄一)おお! 49 00:02:04,233 --> 00:02:04,300 (栄一)おお! 50 00:02:04,233 --> 00:02:04,300 勇ましいこと 51 00:02:04,300 --> 00:02:05,266 勇ましいこと 52 00:02:05,333 --> 00:02:08,734 (惇忠) ああ その意気だ 53 00:02:08,800 --> 00:02:10,233 (栄一)あ~… 54 00:02:10,500 --> 00:02:11,500 うっ… 55 00:02:17,800 --> 00:02:21,600 (惇忠)まだいたんか そろそろ戻らねえと叱られるに 56 00:02:25,233 --> 00:02:26,934 しかし承服できん 57 00:02:28,800 --> 00:02:33,066 浜田弥兵衛はタイオワン 山田長政(やまだながまさ)はシャム 58 00:02:33,367 --> 00:02:35,734 かつては多くのもんが 海の向こうにおって― 59 00:02:35,800 --> 00:02:37,367 そこで商いまでしていた 60 00:02:39,367 --> 00:02:40,367 なのに… 61 00:02:41,000 --> 00:02:44,166 どうして今 この日の本は 国を閉ざしているんだいなぁ 62 00:02:47,734 --> 00:02:49,333 (惇忠)よい質問だ 栄一 63 00:02:51,934 --> 00:02:56,066 今から300年ほど前 戦で荒れ果てた日の本に― 64 00:02:56,333 --> 00:02:57,834 大勢の異人が入ってきた 65 00:02:58,834 --> 00:03:00,200 やつらは伴天連(ばてれん)だ 66 00:03:01,000 --> 00:03:06,133 やつらは異国の神を広め 日の本を魂から乗っ取ろうとした 67 00:03:07,000 --> 00:03:08,467 魂を乗っ取る? 68 00:03:08,667 --> 00:03:09,667 (惇忠)そうだ 69 00:03:10,400 --> 00:03:15,300 水戸(みと)の本にもあるように 日の本が古来持つ誇りや尊厳は― 70 00:03:15,533 --> 00:03:17,700 決して奪われてはならねぇのだ 71 00:03:19,633 --> 00:03:21,467 まことよのう 72 00:03:21,834 --> 00:03:23,467 弥兵衛や長政みてえに― 73 00:03:23,667 --> 00:03:26,467 日本男児として 誇り高くおらねばのう 74 00:03:26,533 --> 00:03:27,533 (惇忠)そのとおりだ 75 00:03:28,233 --> 00:03:30,433 弥兵衛のタイオワンが どこにあるか知っておるか? 76 00:03:31,233 --> 00:03:32,633 今 地図を見せてやろう 77 00:03:33,100 --> 00:03:34,600 おお まことか! 78 00:03:35,400 --> 00:03:40,133 (語り)惇忠の影響で 栄一の好奇心は どこまでも広がり… 79 00:03:41,233 --> 00:03:45,633 時を忘れ 夜通し語り合うことも しばしばでした 80 00:03:48,533 --> 00:03:50,500 (尾高千代(ちよ))兄さま 朝飯(あさはん)が… 81 00:03:52,367 --> 00:03:53,400 栄一さん? 82 00:03:55,066 --> 00:03:57,333 おやまぁ 寒(さみ)ぃだんべに 83 00:03:57,867 --> 00:03:59,633 こんなところで 寝てしまって… 84 00:04:06,667 --> 00:04:08,433 フフ フフ… 85 00:04:15,367 --> 00:04:15,500 (千代)へ? ヒッ! キャッ! 86 00:04:15,500 --> 00:04:16,400 (千代)へ? ヒッ! キャッ! 87 00:04:15,500 --> 00:04:16,400 (栄一)うわっ…! 88 00:04:16,400 --> 00:04:16,667 (栄一)うわっ…! 89 00:04:17,567 --> 00:04:19,333 す… すいません! 90 00:04:19,400 --> 00:04:20,767 お千代か 91 00:04:21,700 --> 00:04:24,266 何でお千代が? え? ここはどこだ? 92 00:04:25,900 --> 00:04:27,600 あ あにぃの… 93 00:04:28,200 --> 00:04:30,367 (千代) へぇ あの 寝ていらしたから… 94 00:04:32,066 --> 00:04:35,333 (栄一)そうか! しまった~ 95 00:04:36,533 --> 00:04:40,600 あ… つい話が楽しくて― 96 00:04:41,166 --> 00:04:44,033 お天道様が昇るまで 寝過ごしてしまった 97 00:04:48,500 --> 00:04:49,967 笑っておられました 98 00:04:50,834 --> 00:04:51,834 (栄一)へ? 99 00:04:51,900 --> 00:04:55,500 今 寝ながら… こう ニコリと 100 00:04:56,867 --> 00:04:59,200 何か よい夢でも 見ていらしたんかねぇ 101 00:04:59,567 --> 00:05:00,633 夢… 102 00:05:02,567 --> 00:05:04,200 そうだ 見とったぞ! 103 00:05:04,767 --> 00:05:07,600 とっさまと 船で異国に行く夢だ 104 00:05:09,367 --> 00:05:13,934 俺は異人相手に 堂々と商いをして― 105 00:05:14,600 --> 00:05:17,500 とっさまに “ようやった”と褒めてもらった 106 00:05:18,633 --> 00:05:19,633 へぇ 107 00:05:20,767 --> 00:05:22,567 とっさまは笑っておられた 108 00:05:23,934 --> 00:05:24,934 俺もうれしかった 109 00:05:25,967 --> 00:05:29,133 それはそれは よい夢でございましたねぇ 110 00:05:29,333 --> 00:05:30,333 うむ! 111 00:05:54,233 --> 00:05:55,233 お お千代 112 00:05:57,800 --> 00:05:58,800 お前… 113 00:06:04,133 --> 00:06:05,967 (尾高長七郎(ちょうしちろう))朝から楽しそうだのう 114 00:06:06,133 --> 00:06:07,266 (尾高平九郎(へいくろう))楽しそうだのう 115 00:06:07,633 --> 00:06:10,367 長七郎! 平九郎も! 116 00:06:10,800 --> 00:06:12,000 (長七郎)楽しそうだのう 117 00:06:12,633 --> 00:06:13,700 (千代)楽しいなどとは何も! 118 00:06:13,767 --> 00:06:14,867 ハハハハ… 119 00:06:15,133 --> 00:06:18,000 (千代)失礼しました ほら おいで平九郎 120 00:06:20,200 --> 00:06:21,200 お千代… 121 00:06:25,633 --> 00:06:27,700 夢の話をしておっただけだに 122 00:06:28,400 --> 00:06:29,400 ふうん? 123 00:06:31,000 --> 00:06:33,433 しかし… お千代の顔を― 124 00:06:33,900 --> 00:06:36,200 あれほど間近で見たのは初めてだ 125 00:06:37,500 --> 00:06:38,600 (長七郎)は~ 126 00:06:40,066 --> 00:06:41,600 朝稽古をしておったらのう― 127 00:06:42,467 --> 00:06:46,000 畑では もう お前のおやじさん 働いておったぞ 128 00:06:47,500 --> 00:06:51,266 (栄一)しまった! また叱られる お邪魔した! 129 00:06:55,233 --> 00:06:57,133 (栄一)おぉ いい青だ… 130 00:06:57,200 --> 00:06:58,200 (伝蔵(でんぞう))本当だで 131 00:06:59,367 --> 00:07:02,667 (渋沢宗助(そうすけ)) お~ こりゃ よく売れたなあ 132 00:07:03,033 --> 00:07:07,734 あぁ もうちっと多く作れれば もっと もうかったに 133 00:07:08,333 --> 00:07:09,900 それでも いい値になった 134 00:07:10,467 --> 00:07:12,800 一番藍は あれほど 不作だったのに 135 00:07:13,233 --> 00:07:14,233 ありがてぇことだ 136 00:07:15,033 --> 00:07:16,033 (宗助)そうだなぁ 137 00:07:16,500 --> 00:07:18,367 よし 暮れには 138 00:07:18,433 --> 00:07:20,200 得意先の百姓衆を 集めるか 139 00:07:20,700 --> 00:07:24,867 (市郎右衛門)あぁ 今年は大いに ごちそうしなくっちゃなんねえ 140 00:07:25,233 --> 00:07:28,667 おいちゃん とっさま その寄り合いだけんど… 141 00:07:30,333 --> 00:07:32,066 俺に仕切らせてくんねえか? 142 00:07:33,133 --> 00:07:35,100 思いついたことがあるんだ 143 00:07:36,233 --> 00:07:37,233 は? 144 00:07:40,667 --> 00:07:41,667 うん 145 00:07:42,900 --> 00:07:47,900 ♪~ 146 00:10:28,200 --> 00:10:33,200 ~♪ 147 00:10:36,066 --> 00:10:39,133 (徳川家康(とくがわいえやす)) こんばんは 徳川家康です 148 00:10:40,834 --> 00:10:43,300 少々おさらいしてみましょうか 149 00:10:44,700 --> 00:10:47,567 先週の放送では こんなことがありました 150 00:10:48,700 --> 00:10:50,800 老中の阿部(あべ)正弘(まさひろ)は― 151 00:10:51,800 --> 00:10:53,734 ペリーが戻ってきた時に― 152 00:10:53,800 --> 00:10:57,266 どう対処するべきかを 悩みに悩んだ末― 153 00:10:58,800 --> 00:11:04,266 幕府の中だけでなく 広く意見を 聞いてみることにしました 154 00:11:05,567 --> 00:11:10,166 集まった意見書は 実に700以上 155 00:11:14,033 --> 00:11:19,266 外様が意見するなど 私の頃には考えられん話だ 156 00:11:19,867 --> 00:11:23,200 まあ 時代というものですな… 157 00:11:25,767 --> 00:11:31,166 水戸の斉昭(なりあき)など 大方は“通商反対” 158 00:11:32,133 --> 00:11:33,133 もしくは― 159 00:11:33,767 --> 00:11:39,000 “一度開国し 力をつけたら 鎖国に戻す”というものでした 160 00:11:40,066 --> 00:11:44,633 そんな中 福岡の黒田長溥(くろだながひろ)と― 161 00:11:45,367 --> 00:11:47,900 先週の放送で釈放された― 162 00:11:49,066 --> 00:11:51,467 高島秋帆だけが― 163 00:11:52,033 --> 00:11:55,934 “異国と交易をすれば 日本にも利益がある” 164 00:11:56,333 --> 00:11:58,033 “寛大な心で―” 165 00:11:58,100 --> 00:12:02,033 “異国を受け入れてはどうか”と 意見した 166 00:12:03,500 --> 00:12:09,066 さて これらを受け取った徳川が どうするか… 167 00:12:10,166 --> 00:12:13,533 (阿部正弘) 台場は こことここを厚くせよ 168 00:12:14,066 --> 00:12:17,333 (阿部)できる限りペルリの艦隊を 左右から挟み込むのだ 169 00:12:18,166 --> 00:12:19,000 (幕閣)ははっ 170 00:12:19,066 --> 00:12:25,033 (語り)江戸城では 既に亡くなった 前将軍の息子 徳川家定(いえさだ)が― 171 00:12:25,567 --> 00:12:29,467 第十三代征夷大将軍に 就任していましたが… 172 00:12:29,834 --> 00:12:31,633 (阿部)それでは ペルリが戻ってくるまでには― 173 00:12:31,700 --> 00:12:32,800 間に合いませぬ 174 00:12:34,367 --> 00:12:36,734 越前(えちぜん)様のお考えは いかに? 175 00:12:37,333 --> 00:12:38,333 (松平慶永(まつだいらよしなが))はあ 176 00:12:38,400 --> 00:12:40,433 (語り)実務を 仕切っていたのは 177 00:12:40,967 --> 00:12:43,633 老中首座の 阿部正弘と… 178 00:12:45,033 --> 00:12:49,533 新しく海防参与となった 徳川斉昭でした 179 00:12:49,734 --> 00:12:50,734 (徳川斉昭)川路(かわじ) 180 00:12:51,400 --> 00:12:54,266 (川路聖謨(としあきら)) おぉ これはご老公に東湖(とうこ)先生 181 00:12:54,800 --> 00:12:55,800 長崎まで 182 00:12:56,600 --> 00:12:59,500 ヲロシア使節の 応接に参るそうだな 183 00:12:59,900 --> 00:13:00,967 (川路)さよう 184 00:13:01,200 --> 00:13:04,300 某(それがし)の話術にて ヲロシアをぶらかし 185 00:13:04,367 --> 00:13:05,367 開国の要求を 186 00:13:05,433 --> 00:13:06,433 かわしてこいとの 仰せ 187 00:13:06,500 --> 00:13:08,233 ヲロシアなど たたっ斬れ 188 00:13:08,934 --> 00:13:10,333 陸戦に持ち込めば 189 00:13:10,867 --> 00:13:12,667 我が国の 槍剣(そうけん)の長技(ちょうぎ)で 190 00:13:13,567 --> 00:13:17,400 異人など皆殺しにしてくれるわ 191 00:13:17,800 --> 00:13:18,800 ハハハハ… 192 00:13:18,867 --> 00:13:19,867 ははっ 193 00:13:25,467 --> 00:13:28,800 政に復帰なされ 意気揚々にござりますな 194 00:13:29,467 --> 00:13:30,467 (藤田(ふじた)東湖)我が殿は― 195 00:13:30,700 --> 00:13:34,834 我こそが国を守るという気概に 満ちておられる それに… 196 00:13:36,233 --> 00:13:37,934 (小声で)一橋家(ひとつばしけ)のことも… 197 00:13:39,200 --> 00:13:43,800 そのことですが 本当にあの男で頼りになるのやら 198 00:13:44,767 --> 00:13:46,100 (平岡(ひらおか)やす) 小姓だなんて 199 00:13:46,667 --> 00:13:48,667 立派な お役目じゃぁないか 200 00:13:48,734 --> 00:13:49,734 (平岡円四郎(えんしろう)) でも おめぇ 201 00:13:50,533 --> 00:13:54,166 一橋様といやあ一回りも年下だぜ 202 00:13:54,900 --> 00:13:57,367 そんな身の回りの お世話ったってぇ 203 00:13:57,433 --> 00:13:59,066 (やす) だったら あんたも逃げんのかい? 204 00:13:59,734 --> 00:14:02,233 年が明けりゃ また黒船が来るってんで― 205 00:14:03,066 --> 00:14:04,934 みんな江戸から逃げ出してるよ 206 00:14:05,000 --> 00:14:08,166 はぁ? 逃げる? 何を言ってやんでい 207 00:14:09,100 --> 00:14:10,834 メリケンごときで 逃げ出していられっか 208 00:14:10,900 --> 00:14:11,900 こんちきしょう 209 00:14:12,233 --> 00:14:15,300 おりゃおめぇ御旗本(おんはたもと)のせがれだぜ 210 00:14:15,367 --> 00:14:17,633 (やす)なら四の五の言わず 行っておいで 211 00:14:17,900 --> 00:14:19,133 あんたが働かなきゃね― 212 00:14:19,200 --> 00:14:21,934 雨漏りの屋根直すお金だって ありゃしないんだから ほら… 213 00:14:22,100 --> 00:14:23,100 (円四郎)いてて… いてっ 214 00:14:23,166 --> 00:14:24,166 行っておいで 215 00:14:24,233 --> 00:14:25,233 (円四郎)全く… 216 00:14:25,934 --> 00:14:26,934 何見てんだ 217 00:14:27,500 --> 00:14:30,533 全く しょうがねえなぁ 218 00:14:42,633 --> 00:14:43,700 (小姓)おなりにございます 219 00:14:59,633 --> 00:15:02,033 平岡円四郎にございます 220 00:15:08,934 --> 00:15:10,000 (徳川慶喜(よしのぶ))平岡円四郎 221 00:15:10,500 --> 00:15:11,500 (円四郎)ははっ 222 00:15:11,667 --> 00:15:15,800 私は お前に 私の諍臣(そうしん)になってほしいと思うておる 223 00:15:16,367 --> 00:15:17,834 諍臣ていやぁ… 224 00:15:21,834 --> 00:15:23,667 …の諍臣でございましょうか 225 00:15:23,734 --> 00:15:24,734 (慶喜)さよう 226 00:15:25,200 --> 00:15:29,467 その言葉のとおり 私に少しでもおごりや過ちがあれば― 227 00:15:29,800 --> 00:15:31,133 必ず いさめてほしい 228 00:15:32,233 --> 00:15:33,266 よしなに頼む 229 00:15:35,600 --> 00:15:36,600 ははっ… 230 00:15:44,433 --> 00:15:45,433 (中根長十郎(なかねちょうじゅうろう))早(はよ)う支度をせい 231 00:15:45,967 --> 00:15:47,700 (円四郎)し 支度… 232 00:15:49,934 --> 00:15:52,233 中根 よい そなたは下がれ 233 00:15:54,333 --> 00:15:55,333 (中根)ははっ 234 00:15:57,767 --> 00:16:00,133 支度ったってぇ… 235 00:16:25,000 --> 00:16:26,000 (円四郎)へぇ お待ち 236 00:16:30,033 --> 00:16:31,500 まことのことを申せ 237 00:16:33,567 --> 00:16:35,533 まことに 給仕のしかたを知らぬのか 238 00:16:36,467 --> 00:16:38,867 それとも 私の小姓をするのが不服で― 239 00:16:39,400 --> 00:16:41,567 かように 不作法なことをしておるのか 240 00:16:42,667 --> 00:16:46,800 まことを申せば 不服と思うところもございまする 241 00:16:57,233 --> 00:17:00,233 某は下谷練塀小路(したやねりべいこうじ)の生まれで― 242 00:17:00,667 --> 00:17:03,100 旗本のせがれとはいえ四男坊と― 243 00:17:03,400 --> 00:17:05,567 跡取りには程遠い厄介者(やっかいもの) 244 00:17:06,166 --> 00:17:07,233 その自分が― 245 00:17:07,500 --> 00:17:12,533 このように屋敷に籠もる 風流なお役目なんてのは… あっ 246 00:17:14,633 --> 00:17:15,667 そうか 247 00:17:16,000 --> 00:17:18,667 ははっ ええと… 248 00:17:19,967 --> 00:17:21,867 おのが住まいでは 飯は食わぬのか? 249 00:17:21,934 --> 00:17:24,400 あ いや 手前の飯は女房が― 250 00:17:24,700 --> 00:17:26,867 いつも このようにして よそってくれまする 251 00:17:28,834 --> 00:17:30,800 そうか 女房か 252 00:17:38,467 --> 00:17:41,500 よいか まず椀(わん)をこう持つ 253 00:17:44,667 --> 00:17:46,433 そして 杓子(しゃくし)をこう持ち― 254 00:17:49,166 --> 00:17:50,300 かようにして― 255 00:17:52,834 --> 00:17:53,967 飯をよそう 256 00:18:00,066 --> 00:18:01,066 どうじゃ 257 00:18:01,133 --> 00:18:03,533 (円四郎)ははっ 何てぇか そのぉ… 258 00:18:04,400 --> 00:18:07,600 実にふわりと 美しく盛られてございまする 259 00:18:09,166 --> 00:18:12,266 (慶喜)さようか… よかった 260 00:18:25,834 --> 00:18:28,166 ああ これは農人形といい― 261 00:18:28,500 --> 00:18:31,767 米の一粒一粒は 民の辛苦であるゆえ― 262 00:18:32,200 --> 00:18:35,133 食するごとに それを忘れぬようにという父の教え 263 00:18:42,300 --> 00:18:45,200 よいか 給仕はかようにするものぞ 264 00:18:45,500 --> 00:18:47,800 は ははっ! 265 00:18:48,734 --> 00:18:51,333 まことに 恐れ入りましてございまする! 266 00:18:56,367 --> 00:19:02,200 (語り)平岡円四郎は 慶喜の小姓として一橋家に入り― 267 00:19:02,266 --> 00:19:03,834 働き始めました 268 00:19:05,233 --> 00:19:06,700 (慶喜)輪を作って通す 269 00:19:09,000 --> 00:19:11,166 そう 口でも引っ張るのじゃぞ 270 00:19:11,233 --> 00:19:12,500 へい 口でも引っ張る… 271 00:19:13,000 --> 00:19:15,066 途中で口を利く者がおるか 272 00:19:17,233 --> 00:19:18,233 すいやせん… 273 00:19:21,033 --> 00:19:25,133 (慶永)水戸はほかの徳川とは違い― 274 00:19:25,200 --> 00:19:27,066 頼りになるのう 275 00:19:27,934 --> 00:19:32,867 (橋本左内(はしもとさない))ハハ… ご老公はもちろん それを支える東湖先生も― 276 00:19:33,266 --> 00:19:36,800 知識といい人柄といい 申し分ないお方です 277 00:19:37,467 --> 00:19:38,867 そうよのう 278 00:19:39,967 --> 00:19:40,967 そして― 279 00:19:41,700 --> 00:19:46,433 ご老公の御子(おこ)の一橋様ものう 280 00:19:47,834 --> 00:19:48,834 一橋様? 281 00:19:50,133 --> 00:19:54,900 いっそ あのお方のような方が 将軍になれば… 282 00:19:57,166 --> 00:20:02,834 わしは喜んで この身をささげるんだがのう 283 00:20:14,867 --> 00:20:15,867 母上! 284 00:20:16,567 --> 00:20:19,500 (吉子(よしこ))七郎(しちろう)! いえ 一橋殿 285 00:20:20,033 --> 00:20:23,200 まぁ このように立派になられて 286 00:20:23,667 --> 00:20:25,867 母上様も お元気そうで何より 287 00:20:26,333 --> 00:20:28,033 さあ こちらへ お疲れでしょう 288 00:20:28,233 --> 00:20:29,900 今 茶と菓子を持たせますゆえ 289 00:20:30,266 --> 00:20:31,266 ありがとう 290 00:20:34,967 --> 00:20:40,233 ふ~ん こうやって見ると 年相応だな 291 00:20:41,066 --> 00:20:42,066 (小姓)まあ… 292 00:20:42,600 --> 00:20:43,800 (斉昭)そなたが平岡か 293 00:20:43,867 --> 00:20:46,800 お!? は… ははっ 294 00:20:47,800 --> 00:20:50,600 我が息子をよろしく頼むぞ 295 00:20:51,166 --> 00:20:52,166 (円四郎)ははっ! 296 00:21:01,233 --> 00:21:03,767 (東湖) 一橋公は貴人の相がおありだ 297 00:21:05,033 --> 00:21:08,200 額にこの相を持つ者は もとより非凡であり― 298 00:21:09,033 --> 00:21:13,767 ご老公よりも更に一等上の この先またと いでがたきお人だ 299 00:21:15,367 --> 00:21:17,967 一橋公が 将軍におなりあそばせば… 300 00:21:18,734 --> 00:21:22,734 外夷(がいい)に乱れ始めたこの国を きっと立て直すことができる 301 00:21:22,800 --> 00:21:23,800 え? 302 00:21:24,300 --> 00:21:25,300 心して勤めよ 303 00:21:27,000 --> 00:21:28,000 (円四郎)ははっ 304 00:21:32,767 --> 00:21:33,767 へ? 305 00:21:35,800 --> 00:21:38,033 あのお方を 将軍に? 306 00:21:41,834 --> 00:21:45,066 (円四郎) おかしれぇことになってきたぜ 307 00:21:45,834 --> 00:21:50,800 将軍か 将軍というのは 参ったが… へへ 308 00:21:51,700 --> 00:21:53,767 いや 分からねぇことはねぇ 309 00:21:54,367 --> 00:21:57,400 さすが俺のほれ込んだお方だぜ 310 00:21:58,867 --> 00:22:01,600 は? 誰にほれたって? 311 00:22:02,033 --> 00:22:04,533 やす おめぇもよう― 312 00:22:04,600 --> 00:22:09,100 ちょっとぐれえ 飯のよそい方でも学べってんだ 313 00:22:11,166 --> 00:22:14,867 ちょいと待ちなよ ほれたって… 314 00:22:16,767 --> 00:22:22,166 まさかお前さん それで近頃ずっと うわの空で… 315 00:22:23,600 --> 00:22:26,567 許さない! あたしゃ許さないよ! 316 00:22:26,633 --> 00:22:26,867 (円四郎)うわっ… おい… 違う! 317 00:22:26,867 --> 00:22:27,867 (円四郎)うわっ… おい… 違う! 318 00:22:26,867 --> 00:22:27,867 (やす)えい! 319 00:22:27,867 --> 00:22:28,834 (円四郎)うわっ… おい… 違う! 320 00:22:28,900 --> 00:22:29,900 どこのどいつだよ! 321 00:22:29,967 --> 00:22:31,667 (円四郎)違うってんだ… やめねぇか! 322 00:22:31,967 --> 00:22:32,533 (やす)や~! 323 00:22:32,533 --> 00:22:32,967 (やす)や~! 324 00:22:32,533 --> 00:22:32,967 危ない 危ない 危ない… 325 00:22:32,967 --> 00:22:33,533 危ない 危ない 危ない… 326 00:22:35,633 --> 00:22:37,367 何考えてんだ おめぇはよ! 327 00:22:40,600 --> 00:22:45,367 (語り)こちら血洗島は 藍農家をねぎらう宴会の日 328 00:22:47,333 --> 00:22:48,567 (渋沢ゑい) はるちゃん そっちも頼まいね 329 00:22:48,633 --> 00:22:49,633 (おはる)へえ 330 00:22:51,667 --> 00:22:54,967 (語り)その仕切りを任された 栄一でしたが… 331 00:22:56,400 --> 00:23:00,967 (権兵衛(ごんべえ))角兵衛(かくべえ)どん こないだの 2番刈りの時は本当に助かったに 332 00:23:01,033 --> 00:23:04,367 (角兵衛) おう また困ったら言えや 333 00:23:04,800 --> 00:23:05,800 へえ 334 00:23:06,133 --> 00:23:08,600 (栄一) よしぞうさんは そこだ そこ 335 00:23:09,800 --> 00:23:11,533 お! 角兵衛さん 角兵衛さん 336 00:23:11,967 --> 00:23:16,100 角兵衛さんは え~っと… 角兵衛さん ここ! 337 00:23:16,166 --> 00:23:17,166 (角兵衛)うん? 338 00:23:17,233 --> 00:23:18,233 ここ! 角兵衛さん 339 00:23:19,333 --> 00:23:21,400 おお 朔兵衛(さくべえ)さん 朔兵衛さんね そっちだ 340 00:23:21,700 --> 00:23:23,800 (朔兵衛)何だい 今日は席が決まってんのかい? 341 00:23:23,867 --> 00:23:26,900 はい あ 権兵衛さん 342 00:23:26,967 --> 00:23:27,967 え? 343 00:23:28,033 --> 00:23:29,367 権兵衛さんは向こうだい 344 00:23:29,367 --> 00:23:29,667 権兵衛さんは向こうだい 345 00:23:29,367 --> 00:23:29,667 (権兵衛)え? 346 00:23:29,667 --> 00:23:29,734 (権兵衛)え? 347 00:23:29,734 --> 00:23:30,367 (権兵衛)え? 348 00:23:29,734 --> 00:23:30,367 (喜作) 権兵衛さ~ん こっちこっち 349 00:23:30,367 --> 00:23:31,333 (喜作) 権兵衛さ~ん こっちこっち 350 00:23:31,633 --> 00:23:35,533 え? おい… おらがこんな席かい? 351 00:23:35,834 --> 00:23:38,100 今日は権兵衛さんが大関だかんな 352 00:23:38,166 --> 00:23:39,300 大関? 353 00:23:39,500 --> 00:23:39,667 (喜作) どうぞ どうぞ 354 00:23:39,667 --> 00:23:40,700 (喜作) どうぞ どうぞ 355 00:23:39,667 --> 00:23:40,700 (栄一)大関よ 356 00:23:40,767 --> 00:23:41,767 (権兵衛)いや… ちょっと… 357 00:23:41,834 --> 00:23:46,200 (角兵衛)おい 何でわしの席が こっちなんだい? 358 00:23:46,600 --> 00:23:51,100 (宗助)何だ いっつも角兵衛さんは 上座と決まってただんべえ 359 00:23:51,467 --> 00:23:54,867 (栄一)いや すまねぇが 今日は そっちに座ってもらえねぇだんべか 360 00:23:55,133 --> 00:23:57,533 何だ? 何始める気だ 361 00:23:57,600 --> 00:23:59,066 (栄一) いいから ちっとやらしてくれ… 362 00:24:01,266 --> 00:24:04,533 よぉし みんな そろったにぃ 363 00:24:05,967 --> 00:24:09,867 (宗助)あぁ みんな 今年もご苦労さんだった 364 00:24:12,600 --> 00:24:17,166 いや 雨が降らなかった時には どうなることかと思ったが― 365 00:24:17,633 --> 00:24:21,033 みんな 丹念に育ててくれたってなぁ 366 00:24:22,300 --> 00:24:23,367 はい ご苦労さん 367 00:24:23,767 --> 00:24:29,400 そうだ 紺屋も これはよい藍玉(あいだま)だとたまげていた 368 00:24:30,567 --> 00:24:34,100 (権兵衛)そらよかったのう 市郎右衛門さんのおかげだい 369 00:24:34,166 --> 00:24:35,333 (朔兵衛)そうよそうよ 370 00:24:35,333 --> 00:24:35,867 (朔兵衛)そうよそうよ 371 00:24:35,333 --> 00:24:35,867 (権兵衛)なあ 372 00:24:35,867 --> 00:24:35,934 (権兵衛)なあ 373 00:24:35,934 --> 00:24:36,333 (権兵衛)なあ 374 00:24:35,934 --> 00:24:36,333 (栄一)いや とっさまの腕だけじゃねぇ 375 00:24:36,333 --> 00:24:38,667 (栄一)いや とっさまの腕だけじゃねぇ 376 00:24:39,633 --> 00:24:43,166 この権兵衛さんの藍が なっからいい出来だったのよ 377 00:24:43,867 --> 00:24:44,867 え? 378 00:24:45,467 --> 00:24:49,200 あんなにハリがあって 上から下まで美しい藍葉は― 379 00:24:49,400 --> 00:24:53,633 よほど常日頃 様子見て世話してねぇと できるもんじゃねぇだんべ 380 00:24:53,700 --> 00:24:54,834 あれはどうやったんだ? 381 00:24:55,367 --> 00:24:56,500 (権兵衛)市郎右衛門さんに― 382 00:24:57,467 --> 00:25:01,166 よく“けちるな”って 言われてたから― 383 00:25:01,967 --> 00:25:05,600 今年は ちっと〆粕 奮発したんだ 384 00:25:09,467 --> 00:25:12,467 そこで俺は 今日は権兵衛さんに― 385 00:25:12,834 --> 00:25:15,667 大関の席に 座ってもらいてえと思ったのよ 386 00:25:17,900 --> 00:25:19,967 (宗助)はぁ? 大関だぁ? 387 00:25:20,033 --> 00:25:21,033 (栄一)そうだ 388 00:25:21,800 --> 00:25:25,100 こっちから 今年の藍作りの大関― 389 00:25:25,567 --> 00:25:31,200 関脇 小結 前頭と こう並んで座ってもらってるんだ 390 00:25:32,400 --> 00:25:34,033 前頭? 391 00:25:34,900 --> 00:25:35,900 (喜作)見てくれ 392 00:25:36,266 --> 00:25:38,900 栄一に頼まれて 俺が番付も書いてきた! 393 00:25:38,967 --> 00:25:40,133 (農家たち)おお… 394 00:25:40,200 --> 00:25:41,266 (朔兵衛)番付だと? 395 00:25:42,066 --> 00:25:45,166 おぉ 俺は東の関脇だとよ 396 00:25:45,233 --> 00:25:48,233 (栄一)あぁ 今年はだいぶ 下葉が 枯(あ)がっちまってたかんなぁ 397 00:25:49,900 --> 00:25:52,900 (角兵衛)わしが前頭とは何だいな! 398 00:25:54,033 --> 00:25:58,166 そうだ お前も喜作も勝手なことをして… 399 00:25:58,233 --> 00:25:59,233 いや あにぃ 400 00:26:00,200 --> 00:26:03,800 権兵衛どんの藍葉がよかったのは 本当の話だ 401 00:26:04,967 --> 00:26:07,567 (栄一)頼む とっさま あと一つだけしゃべらせてくれ 402 00:26:09,333 --> 00:26:13,467 このとっさまは 前々から この土地の武州(ぶしゅう)藍を― 403 00:26:13,533 --> 00:26:15,600 日本一にしようとたくらんでる 404 00:26:17,633 --> 00:26:19,533 だから ここのみんなで― 405 00:26:19,600 --> 00:26:22,633 また来年も高め合って いい藍を作り― 406 00:26:23,333 --> 00:26:26,233 武州藍を大いに盛り上げてぇと 思ってんだ 407 00:26:27,800 --> 00:26:30,900 どうか来年もよろしく頼んます 408 00:26:36,667 --> 00:26:40,333 (宗助)いい藍はいいが こんなくだらん番付… 409 00:26:40,400 --> 00:26:41,533 あ 俺の! 410 00:26:41,600 --> 00:26:43,567 (角兵衛)宗助の旦那! 411 00:26:45,300 --> 00:26:49,300 はあ… はあ… ああ… 412 00:26:59,400 --> 00:27:02,533 おい 権兵衛 413 00:27:02,867 --> 00:27:03,867 へ へえ… 414 00:27:08,133 --> 00:27:11,900 どこで〆粕買ったか教えやがれ 415 00:27:12,967 --> 00:27:13,967 え? 416 00:27:14,200 --> 00:27:18,900 来年こそは わしが一層よい藍を作って― 417 00:27:19,533 --> 00:27:23,233 番付の大関になって みせるんべえ! ハハ! 418 00:27:23,300 --> 00:27:25,200 (朔兵衛)よっしゃ~! 419 00:27:28,834 --> 00:27:31,800 (角兵衛)栄一 面白(おもしれ)えじゃねえか 420 00:27:32,166 --> 00:27:34,767 (朔兵衛)昔から変なこと考えるやつだに 421 00:27:34,834 --> 00:27:36,467 (権兵衛)でも目は確かだに 422 00:27:36,533 --> 00:27:40,500 (渋沢なか)よかったぁ また栄一が しでかしたかと思ったいね 423 00:27:40,567 --> 00:27:41,567 本当 本当… 424 00:27:42,367 --> 00:27:45,600 はい 皆さん お食事が出来ましたよ~! 425 00:27:45,667 --> 00:27:48,333 (なか)お酒も たあんと用意しましたからね 426 00:27:48,834 --> 00:27:51,567 ほら 栄一 喜作も手伝って! 427 00:27:51,633 --> 00:27:52,633 はいよ 428 00:27:52,700 --> 00:27:53,700 (喜作)はいよ 429 00:27:55,934 --> 00:28:02,333 (農家たち)天とう様と武州の人は 430 00:28:02,633 --> 00:28:08,433 天下無双の藍を産む 431 00:28:10,100 --> 00:28:15,066 いや しかし己でやってみると 商いはまっさか面白ぇなあ 432 00:28:15,133 --> 00:28:16,133 (喜作)そうなん? 433 00:28:16,200 --> 00:28:17,200 うむ 434 00:28:17,400 --> 00:28:21,800 どうやったら ここの百姓たちが 今よりもうけて この家ももうけて― 435 00:28:21,867 --> 00:28:25,600 そんでもって 阿波(あわ)に負けねぇ藍玉が 作れねぇもんかと― 436 00:28:25,667 --> 00:28:27,667 そればっかり 考(かんげ)えてみてるんだが… 437 00:28:29,834 --> 00:28:31,333 ふ~ん 438 00:28:33,934 --> 00:28:37,100 俺は商いより 剣術がいいなあ 439 00:28:40,066 --> 00:28:41,834 お お千代! 440 00:28:42,633 --> 00:28:43,633 (千代)ああ 441 00:28:44,800 --> 00:28:45,800 (喜作)油売りの帰(けぇ)りか 442 00:28:45,867 --> 00:28:46,867 へえ 443 00:28:46,934 --> 00:28:48,867 (喜作) 女子衆(おんなし)も精の出ることだなあ 444 00:28:48,934 --> 00:28:49,934 へえ 445 00:28:50,000 --> 00:28:51,333 (喜作)あぁ ほれ 446 00:28:51,400 --> 00:28:54,600 (千代) あ あぁ ありがとう 喜作さん 447 00:28:54,934 --> 00:28:56,667 (喜作)これぐらいお安い御用だ 448 00:28:57,300 --> 00:29:01,000 ちょうど長七郎んとこに 行ぐべえと思っておった 449 00:29:02,633 --> 00:29:04,934 あ 今日は栄一さんは? 450 00:29:06,033 --> 00:29:10,266 ああ 栄一は えれえこと商いに夢中だ 451 00:29:11,233 --> 00:29:15,533 まぁ ペルリが来てからこのごろ 御用金も増えておるからなあ 452 00:29:16,333 --> 00:29:17,333 御用金? 453 00:29:17,667 --> 00:29:18,667 あぁ 454 00:29:19,567 --> 00:29:23,100 この辺で一番の物持ちが 宗助おじの東の家(ひがしんち)― 455 00:29:23,700 --> 00:29:26,100 で そん次が栄一の中の家(なかんち)だい 456 00:29:27,467 --> 00:29:31,200 岡部(おかべ)のお殿様の祝い事やら 御法会(ごほうえ)やらがあるたんびに― 457 00:29:31,633 --> 00:29:33,700 何百両と御用金を命ぜられる 458 00:29:34,166 --> 00:29:37,600 何百両? そんなに… 459 00:29:39,133 --> 00:29:42,934 俺ん家は そん次 3番目ぐれえだから 460 00:29:48,934 --> 00:29:53,400 しかし この俺が 精進して立派んなり― 461 00:29:54,000 --> 00:29:55,000 我が新屋敷を― 462 00:29:55,667 --> 00:29:58,900 東の家や中の家に負けねぇ 大きな家にしてみせる! 463 00:30:00,400 --> 00:30:01,400 それどころか― 464 00:30:02,166 --> 00:30:06,100 岡部の殿様が頭を下げるような 金持ちになってやる! 465 00:30:07,266 --> 00:30:08,266 だから… 466 00:30:12,066 --> 00:30:13,066 だから… 467 00:30:18,867 --> 00:30:20,166 待ってろよ! 468 00:30:26,200 --> 00:30:28,433 (語り)そして年が明け… 469 00:30:28,800 --> 00:30:32,266 (永井尚志(ながいなおゆき)) ペ ペルリが! ペルリが! 470 00:30:33,633 --> 00:30:36,066 黒船7隻が伊豆(いず)沖通過! 471 00:30:36,867 --> 00:30:39,967 (語り)この男が再びやって来ました 472 00:30:41,800 --> 00:30:45,433 (英語で) 冬の海は荒れているな 473 00:30:45,834 --> 00:30:49,000 春を待てばよかった 474 00:30:50,133 --> 00:30:51,033 春を待てば 475 00:30:51,100 --> 00:30:54,367 ロシアやフランスに 栄誉を奪われかねない 476 00:30:54,900 --> 00:30:57,700 それでは何のために 極東まで来たのか 477 00:30:58,934 --> 00:31:00,467 ん あれは? 478 00:31:01,467 --> 00:31:03,834 江戸に砲台ができている 479 00:31:05,333 --> 00:31:10,867 これほどの砲台を 数か月で用意するとは 480 00:31:12,233 --> 00:31:16,433 まさか 日本は開国を拒む気か 481 00:31:20,433 --> 00:31:21,433 (堀田正睦(ほったまさよし))伊勢守(いせのかみ)殿― 482 00:31:23,333 --> 00:31:25,233 もはやここまでじゃ 483 00:31:27,333 --> 00:31:28,667 国を開きましょう 484 00:31:30,400 --> 00:31:32,734 (井伊(いい)直弼(なおすけ))そうじゃ そのほうが… 485 00:31:32,800 --> 00:31:33,800 (斉昭)ありえぬわ! 486 00:31:35,500 --> 00:31:39,867 長きにわたり この日の本で前例なきことを― 487 00:31:40,967 --> 00:31:45,533 半年から1年で返答するなど もっての外だ! 488 00:31:46,967 --> 00:31:47,967 阿部! 489 00:31:48,033 --> 00:31:49,800 (遠雷のような音) 490 00:31:50,367 --> 00:31:52,700 (堀田)何事じゃ? 何の音じゃ? 491 00:31:55,900 --> 00:31:57,867 (永井)これはおおかた メリケンの軍艦が― 492 00:31:57,934 --> 00:31:59,500 砲をうった音でございましょう 493 00:31:59,900 --> 00:32:02,934 (直弼)何? 戦か? 494 00:32:03,433 --> 00:32:04,433 メリケンが 495 00:32:04,500 --> 00:32:06,266 戦を仕掛けて きおったか! 496 00:32:06,800 --> 00:32:08,700 (阿部)これは礼砲です 掃部頭(かもんのかみ)殿 497 00:32:09,367 --> 00:32:11,433 ワシントンとやらの 生誕の祝いにて― 498 00:32:11,800 --> 00:32:13,734 砲をうちたいと 先に知らせがありました 499 00:32:13,800 --> 00:32:18,667 (斉昭)ケッ 何が生誕の祝いじゃ こざかしいわ! 500 00:32:19,100 --> 00:32:20,100 いいや 501 00:32:20,667 --> 00:32:25,300 こうなれば 戦になるより国を開いた方がまし 502 00:32:26,934 --> 00:32:31,500 伊勢守殿 頼む 何とぞ 何とぞ… 503 00:32:31,567 --> 00:32:34,367 (斉昭)ならぬ! 断じてならぬ! 504 00:32:36,800 --> 00:32:37,800 伊勢守! 505 00:32:39,233 --> 00:32:42,200 打ち払え! 打ち払ってしまえ! 506 00:32:42,266 --> 00:32:44,934 (直弼)戦はなりませぬ! なりませぬぞ! 507 00:32:45,000 --> 00:32:46,367 (斉昭)黙れ貴様! 508 00:32:46,700 --> 00:32:49,734 ここからつまみ出せ! 阿部! 509 00:32:50,000 --> 00:32:52,066 (語り)阿部は迷った末… 510 00:32:57,200 --> 00:33:01,300 とうとう… 日米和親条約を締結しました 511 00:33:03,600 --> 00:33:07,367 条約締結 おめでとう 512 00:33:10,800 --> 00:33:13,900 (長七郎)ペルリの勢いに負け 港を開くことになったそうだ 513 00:33:14,867 --> 00:33:16,934 今 下田(しもだ)には黒船が… 514 00:33:17,000 --> 00:33:18,100 (惇忠)なんと… 515 00:33:18,166 --> 00:33:20,166 (きせ) あぁ お千代ちゃん お帰り 516 00:33:21,266 --> 00:33:23,266 夷狄(いてき)は 打ち払わねばならねぇんだ! 517 00:33:24,467 --> 00:33:25,767 我が国とて これでは― 518 00:33:26,266 --> 00:33:29,767 黒船に攻められ 強引に国を開かされたと同意 519 00:33:30,734 --> 00:33:33,500 我ら百姓とて 決してこのままじゃあなんねぇ 520 00:33:34,100 --> 00:33:37,333 水戸の教えを学び 何ができるか思案するのじゃ 521 00:33:37,500 --> 00:33:38,500 おう! 522 00:33:40,967 --> 00:33:42,367 (平九郎)よぉし 俺も… 523 00:33:44,266 --> 00:33:45,367 駄目よ 平九郎 524 00:33:48,166 --> 00:33:49,567 (尾高やへ)驚いたねぇ 525 00:33:50,533 --> 00:33:52,734 (やへ)あんなあの子を見るんは 初めてだよ 526 00:33:53,266 --> 00:33:54,266 ええ… 527 00:34:00,300 --> 00:34:03,767 (ゑい)まぁ またご陣屋からお呼び出しですか 528 00:34:03,834 --> 00:34:05,633 (宗助)明日すぐに来いとな 529 00:34:06,233 --> 00:34:08,767 お前は明日も紺屋回りか 530 00:34:08,834 --> 00:34:10,934 あぁ だけんど― 531 00:34:11,000 --> 00:34:13,367 行がねえわけには いがねぇだんべなあ 532 00:34:13,834 --> 00:34:14,834 うん… 533 00:34:16,867 --> 00:34:20,033 だったら栄一 お前が行ぎない 534 00:34:20,533 --> 00:34:23,400 え… え? 俺が岡部のご陣屋へ? 535 00:34:23,667 --> 00:34:26,667 とっさまの名代なんて 栄一にできるんかいね 536 00:34:26,734 --> 00:34:28,467 (栄一) また姉さまはそんなことを 537 00:34:29,000 --> 00:34:31,467 (宗助)まぁ 紺屋回りより よほどたやすい 538 00:34:32,300 --> 00:34:35,300 お代官様の話を へぇへぇと聞き― 539 00:34:35,867 --> 00:34:38,834 へぇへぇと頭を下げるのみのこと 540 00:34:39,133 --> 00:34:40,133 (市郎右衛門)うむ 541 00:34:40,600 --> 00:34:44,700 お前もこの家の跡継ぎだで 一度行ってみろい 542 00:34:46,867 --> 00:34:51,600 (利根(とね)吉春(よしはる))この度 物入りのため その方(ほう)どもに御用金を申しつける 543 00:34:55,734 --> 00:35:01,333 渋沢宗助は1千両 伊勢屋甚五郎(じんごろう)は400両― 544 00:35:02,433 --> 00:35:08,100 丹波屋八兵衛(はちべえ)は250両 渋沢市郎右衛門は500両 545 00:35:08,967 --> 00:35:10,066 500両… 546 00:35:10,667 --> 00:35:12,900 (利根)番匠屋徳治郎(とくじろう)は150両 547 00:35:14,100 --> 00:35:15,433 承知いたしました 548 00:35:16,600 --> 00:35:17,633 (一同)ははっ 549 00:35:21,467 --> 00:35:22,633 (小声で)ほれ 栄一 550 00:35:24,300 --> 00:35:25,300 (栄一)ははっ 551 00:35:26,834 --> 00:35:29,400 私は父の名代で参りましたゆえ 552 00:35:29,734 --> 00:35:31,800 御用の高(たか)は確かに伺いました 553 00:35:32,166 --> 00:35:34,767 家に戻りまして 父に申し伝えた上― 554 00:35:34,834 --> 00:35:36,533 またお受けにまかり出ます 555 00:35:37,200 --> 00:35:42,166 はぁ? お主 お上(かみ)の御用を何と心得る 556 00:35:42,633 --> 00:35:45,633 これしきのことが即答できんで 親の名代と申せるか! 557 00:35:45,900 --> 00:35:48,500 名代には名代の務めがございます 558 00:35:48,734 --> 00:35:50,000 (宗助:小声で)やめんか 栄一 559 00:35:50,367 --> 00:35:53,166 即答できず まことに恐縮ではございますが― 560 00:35:53,967 --> 00:35:56,467 父に申し伝えた上 お持ちいたします 561 00:35:56,767 --> 00:35:59,567 ハッ たわけたことを… 562 00:36:01,233 --> 00:36:03,867 300両や500両など 何でもないこと 563 00:36:05,000 --> 00:36:08,166 素直に殿様の御用を聞きおけば 立派な大人となり― 564 00:36:08,800 --> 00:36:11,166 世間からも 認められるようになるというもの 565 00:36:12,200 --> 00:36:15,166 それを父に申してからなど 566 00:36:15,834 --> 00:36:19,300 ハッ そのような手ぬるは 承知せぬ 567 00:36:20,000 --> 00:36:23,000 今すぐじゃ! 今すぐ“承知した”と申せ! 568 00:36:23,533 --> 00:36:26,433 はい なれども自分は ただ御用を伺いに… 569 00:36:26,500 --> 00:36:27,500 はぁ? 570 00:36:27,567 --> 00:36:28,266 (宗助)もうやめろ 571 00:36:28,266 --> 00:36:28,567 (宗助)もうやめろ 572 00:36:28,266 --> 00:36:28,567 まだ言うか! 573 00:36:28,567 --> 00:36:29,266 まだ言うか! 574 00:36:29,333 --> 00:36:31,567 御用を伺いに来たのみゆえ― 575 00:36:31,633 --> 00:36:33,266 やはり お受けすることはできません 576 00:36:33,467 --> 00:36:36,166 下郎め! 承知と言え! 577 00:36:36,233 --> 00:36:37,233 (宗助)栄一! 578 00:36:38,834 --> 00:36:39,867 (利根)承知と言わぬか! 579 00:36:40,834 --> 00:36:42,934 言わぬとただではおかぬぞ! 580 00:36:48,100 --> 00:36:49,200 (宗助)言え! 栄一! 581 00:36:51,166 --> 00:36:53,767 言え! 栄一! 言え! 582 00:36:56,834 --> 00:37:01,100 言え! 言え! 言わんか! 583 00:37:02,233 --> 00:37:04,233 言え! 言え! 584 00:37:07,066 --> 00:37:08,233 申し訳ありません! 585 00:37:09,433 --> 00:37:13,433 私めから厳しく言い渡します! 586 00:37:33,000 --> 00:37:35,200 (市郎右衛門) なぜすぐに払うと言わなかった? 587 00:37:44,834 --> 00:37:45,834 (栄一)俺たちは… 588 00:37:46,300 --> 00:37:50,200 藍葉を百姓衆から かご一つ大体30文で買っている 589 00:37:53,200 --> 00:37:55,567 藍の百姓はその金で食っていき― 590 00:37:56,233 --> 00:38:00,367 俺たちはその葉を使って 多くの者(もん)を雇って藍玉にし― 591 00:38:01,100 --> 00:38:03,967 それを 一つ1両ちょっとで紺屋に売る 592 00:38:05,867 --> 00:38:08,667 かっさまや姉さまが育てている お蚕さんは― 593 00:38:09,367 --> 00:38:13,300 ひとつき寝ずに繭をとって ひとつかみでせいぜい1文だ 594 00:38:16,433 --> 00:38:17,433 それを― 595 00:38:20,166 --> 00:38:22,166 安易に500両とは… 596 00:38:24,266 --> 00:38:27,233 500両という金は 決して名代の俺が― 597 00:38:27,300 --> 00:38:30,300 へぇへぇと軽々しく 返事をしていいような額じゃねぇ 598 00:38:33,300 --> 00:38:34,300 俺はそう思う 599 00:38:42,166 --> 00:38:43,233 とっさまはどう思う? 600 00:38:52,333 --> 00:38:53,333 百姓は― 601 00:38:55,100 --> 00:38:58,467 自分たちを守ってくれる お武家様に尽くすのが道理だ 602 00:38:58,533 --> 00:38:59,734 それは分かってる 603 00:39:01,100 --> 00:39:02,100 しかし今― 604 00:39:04,400 --> 00:39:08,100 岡部の御領主は 百姓から 年貢を取り立てておきながら― 605 00:39:08,166 --> 00:39:09,867 その上 人を見下し― 606 00:39:11,066 --> 00:39:15,667 まるで貸したものを 取り返すかのごとく― 607 00:39:15,867 --> 00:39:18,300 ひっきりなしに 御用金を出せと命じてくる 608 00:39:22,867 --> 00:39:25,467 その道理は 一体どこから 生じたもんなんだい? 609 00:39:30,033 --> 00:39:34,800 それにあのお役人は 言葉といい振る舞いといい― 610 00:39:35,633 --> 00:39:36,934 決してとっさまや― 611 00:39:37,300 --> 00:39:38,867 惇忠あにぃみてえな 知恵のある人とは… 612 00:39:38,934 --> 00:39:40,633 (市郎右衛門) お上の悪口はもうやめろ! 613 00:39:45,333 --> 00:39:49,767 いかに道理を尽くそうが しかたのないこと 614 00:39:53,266 --> 00:39:58,367 それがすなわち 泣く子と地頭だ 615 00:40:04,633 --> 00:40:08,467 明日すぐに行って そのまま払ってくるがよい 616 00:40:38,100 --> 00:40:39,100 (栄一)みい― 617 00:40:44,467 --> 00:40:45,467 よ― 618 00:40:50,300 --> 00:40:55,300 いつ む… 619 00:41:00,867 --> 00:41:06,800 なな や… 620 00:41:28,000 --> 00:41:31,800 (栄一)500両 持ってまいりました 621 00:41:33,066 --> 00:41:35,333 そうか 下がれ 622 00:41:36,567 --> 00:41:37,567 ははっ 623 00:41:46,100 --> 00:41:47,100 恐れながら! 624 00:41:50,333 --> 00:41:52,767 それが 我々百姓の銭にございます! 625 00:41:54,367 --> 00:41:57,133 朝から晩まで働き その小さな銭が… 626 00:42:33,700 --> 00:42:36,834 (東湖)掛けがえのなきものを 天災で失うは耐え難きこと 627 00:42:36,900 --> 00:42:38,333 あぁ! 628 00:42:38,800 --> 00:42:40,600 (喜作)俺は生きる道を見つけた 629 00:42:40,934 --> 00:42:43,266 うるせぇんだ 喜作! 小僧のくせに! 630 00:42:43,533 --> 00:42:45,300 理屈だけじゃあいがねぇんだ 631 00:42:45,800 --> 00:42:48,834 (千代)強く見えるものほど 弱きものです 632 00:42:49,333 --> 00:42:51,066 父上! 母上! 633 00:42:51,367 --> 00:42:54,133 (なか) 栄一 ありがとうね 634 00:42:55,300 --> 00:42:57,600 承服できんぞ! ばかばかしい!