1 00:00:05,300 --> 00:00:06,300 (作男(さくおとこ))よいしょ! 2 00:00:06,367 --> 00:00:07,367 (作男)よいしょ! 3 00:00:08,467 --> 00:00:09,467 (作男)よいしょ! 4 00:00:09,533 --> 00:00:10,100 (尾高惇忠(おだかじゅんちゅう)) よいしょ! 5 00:00:10,100 --> 00:00:10,533 (尾高惇忠(おだかじゅんちゅう)) よいしょ! 6 00:00:10,100 --> 00:00:10,533 (作男)よいしょ! 7 00:00:10,533 --> 00:00:11,100 (作男)よいしょ! 8 00:00:11,500 --> 00:00:12,500 (作男)よいしょ! 9 00:00:12,567 --> 00:00:13,567 (惇忠)よいしょ! 10 00:00:17,600 --> 00:00:18,600 (渋沢(しぶさわ)うた)どうぞ 11 00:00:18,934 --> 00:00:20,100 (惇忠)ありがとう うた 12 00:00:21,767 --> 00:00:23,700 (渋沢市郎右衛門(いちろうえもん)) もうすぐ正月だってのに― 13 00:00:23,767 --> 00:00:26,200 蔵に泥棒が 入(へえ)っちまったもんだから― 14 00:00:26,400 --> 00:00:29,700 新しい着物 縫ってやれなかったのう 15 00:00:29,867 --> 00:00:32,467 (渋沢てい) まっさか あれには たまげたにい 16 00:00:32,533 --> 00:00:35,000 (てい) そいでも とっさまが鎌持って― 17 00:00:35,400 --> 00:00:37,767 “出てげ~!”ってねぇ 18 00:00:37,834 --> 00:00:38,834 (渋沢千代(ちよ))へぇ 19 00:00:39,233 --> 00:00:42,567 (千代)お義父(とう)様のおかげで 無事にお正月を迎えられます 20 00:00:43,600 --> 00:00:46,633 (渋沢ゑい)栄一(えいいち)がいなくなって もう5度目の正月だねぇ 21 00:00:47,433 --> 00:00:50,533 (渋沢宗助(そうすけ))はぁ おおかた 村のことなんか忘れてるだんべ 22 00:00:50,600 --> 00:00:53,500 (ゑい) え? はぁ まさかそんなこと… 23 00:00:53,967 --> 00:00:54,967 (杉浦愛蔵(すぎうらあいぞう))失礼いたす 24 00:00:55,600 --> 00:00:57,433 (渋沢まさ)え? お武家様? 25 00:00:57,667 --> 00:00:58,700 (宗助)頭を低くしろ 26 00:00:59,834 --> 00:01:02,800 (杉浦)あ 頭を上げてくだされ 27 00:01:03,734 --> 00:01:06,600 (杉浦)某(それがし)は 杉浦愛蔵と申すもの 28 00:01:07,166 --> 00:01:08,300 (惇忠)杉浦様? 29 00:01:09,533 --> 00:01:12,033 江戸(えど)で平九郎(へいくろう)が 世話になったという… 30 00:01:12,100 --> 00:01:13,100 (杉浦)はい 31 00:01:13,166 --> 00:01:16,166 今日は パリから ご一家宛てに 文が参りましたので― 32 00:01:16,700 --> 00:01:19,767 いきなりで大変失礼とは存じますが お届けに参りました 33 00:01:19,834 --> 00:01:22,900 パリから文が? なんとうれしいこと 34 00:01:23,100 --> 00:01:25,934 えぇ これは… どうぞ お上がりください 35 00:01:26,000 --> 00:01:27,900 そうです どうぞ 狭いとこですが 36 00:01:27,967 --> 00:01:30,133 (杉浦)いえ 立派なお宅で 37 00:01:30,767 --> 00:01:32,800 あの お千代さんは… 38 00:01:32,867 --> 00:01:33,867 あ… 39 00:01:35,333 --> 00:01:38,633 (杉浦)あ… あなたが 奥方のお千代さんですか 40 00:01:41,400 --> 00:01:45,100 渋沢君は お千代さんからの文を 心待ちにしておりました 41 00:01:46,834 --> 00:01:47,834 これを 42 00:01:48,166 --> 00:01:50,834 あ… まことにありがとうございます 43 00:01:55,533 --> 00:01:57,000 (ゑい)まぁ! これは? 44 00:01:58,166 --> 00:02:02,633 あぁ 上様の弟君 民部公子(みんぶこうし)のホトガラフです 45 00:02:03,100 --> 00:02:05,734 (ゑい)民部公子様? まぁ もったいない 46 00:02:05,800 --> 00:02:08,834 ありがたいものを… うた うた ご覧なさい 47 00:02:09,200 --> 00:02:12,133 とっさまのお仕えしている 民部公子様ですよ 48 00:02:12,834 --> 00:02:14,600 (惇忠)ご立派なお姿だにぃ 49 00:02:23,300 --> 00:02:25,867 (まさ)ん? そっちは? 50 00:02:26,900 --> 00:02:27,900 あ いえ… 51 00:02:30,767 --> 00:02:35,133 これ もしかして これは… 栄一かい? 52 00:02:35,333 --> 00:02:36,333 えっ… 53 00:02:36,400 --> 00:02:37,633 (まさたち)はあ~… 54 00:02:37,700 --> 00:02:38,700 (市郎右衛門)これはこれは… 55 00:02:38,767 --> 00:02:40,266 (てい)まことに兄さまだで! 56 00:02:40,333 --> 00:02:42,266 (宗助)はぁ 栄一のやつ 57 00:02:43,333 --> 00:02:44,500 あさましい 58 00:02:45,934 --> 00:02:47,967 なんと あさましいお姿に… 59 00:02:48,834 --> 00:02:51,800 どうかお返しください こんなもん誰にも見せられねぇ 60 00:02:51,867 --> 00:02:54,567 あ いえ 向こうでは既に皆 断髪しており… 61 00:02:55,066 --> 00:02:56,066 しかし… 62 00:02:57,000 --> 00:03:01,900 あれほど嫌っておいでだった異人と 同じ姿形になられるとは… 63 00:03:02,900 --> 00:03:03,900 (市郎右衛門)大丈夫だ 64 00:03:05,500 --> 00:03:07,667 姿形が違っても― 65 00:03:08,533 --> 00:03:12,400 栄一は 大和魂をなくしたりしやしねぇ 66 00:03:12,934 --> 00:03:14,600 (ゑい)そうだい お千代 67 00:03:15,066 --> 00:03:18,567 お願いだから あきれたりしねぇで 返事を書いてやっておくれ 68 00:03:18,867 --> 00:03:20,266 (作男)坊ちゃんは坊ちゃんだいなぁ 69 00:03:20,333 --> 00:03:21,333 (作男)そうだに 70 00:03:32,834 --> 00:03:35,600 (語り) そして 年が明け… 71 00:03:36,433 --> 00:03:38,633 (徳川昭武(とくがわあきたけ))我が 日本国の新年なり 72 00:03:39,800 --> 00:03:41,100 (昭武) 上様や公儀の 73 00:03:41,166 --> 00:03:43,100 ますますの繁栄を 祈り… 74 00:03:45,300 --> 00:03:46,266 (フランス語で)乾杯 75 00:03:47,033 --> 00:03:48,133 (一同)ソンテ 76 00:03:56,300 --> 00:03:57,300 (渋沢篤太夫(とくだゆう)) あぁ~ 77 00:03:58,934 --> 00:04:01,233 このシワシワした 葡萄(ぶどう)の酒にも― 78 00:04:01,300 --> 00:04:02,367 ようやく慣れた 79 00:04:03,166 --> 00:04:04,166 (エラール・・ フランス語で) 皆さん 80 00:04:04,567 --> 00:04:08,467 幕府から“御用状”が 届きました 81 00:04:08,533 --> 00:04:09,700 (山内六三郎(やまのうちろくさぶろう)たち) 御用状!? 82 00:04:09,934 --> 00:04:10,934 (山内文次郎(やまうちぶんじろう))御用状? 83 00:04:11,600 --> 00:04:13,967 安芸守(あきのかみ)様! 公儀の御用状が! 84 00:04:14,166 --> 00:04:15,734 (栗本鋤雲(くりもとじょうん))御用状とな! 85 00:04:20,266 --> 00:04:21,333 (山髙信離(やまたかのぶあきら))安堵(あんど)した 86 00:04:21,967 --> 00:04:24,000 これでようやく 詳しきことが分かるのう 87 00:04:24,066 --> 00:04:27,367 はい 今頃 日の本がどうなっておるのか… 88 00:04:33,033 --> 00:04:34,800 (山髙)どうした? 何とある? 89 00:04:36,834 --> 00:04:40,266 (栗本)“政態御変革…” 90 00:04:45,567 --> 00:04:46,567 上様が… 91 00:04:49,033 --> 00:04:51,266 政を朝廷に返上したと 92 00:04:52,333 --> 00:04:55,400 (徳川慶喜(よしのぶ))政権を帝(みかど)に返上する 93 00:04:58,266 --> 00:04:59,266 上様が? 94 00:05:00,467 --> 00:05:01,667 (栗本)“去る10月―” 95 00:05:02,300 --> 00:05:06,900 “将軍家は政権を 朝廷にお返しいたし この先は…” 96 00:05:10,133 --> 00:05:15,700 “この先は 薩摩(さつま)などと一致し 政にあたる”と 97 00:05:17,600 --> 00:05:20,467 (山髙)ざ… 戯言(ざれごと)を! そんなことがあるわけがない 98 00:05:20,533 --> 00:05:23,233 (栗本)さよう 公儀が 政を手放すはずなど… 99 00:05:23,433 --> 00:05:25,300 (ヴィレット・・ フランス語で) 何かの間違いだ 100 00:05:25,900 --> 00:05:30,900 ♪~ 101 00:08:11,367 --> 00:08:16,367 ~♪ 102 00:08:31,066 --> 00:08:32,834 (男性・・フランス語で) ごきげんよう 殿下 103 00:08:34,166 --> 00:08:35,166 (篤太夫)ボンジュール 104 00:08:38,734 --> 00:08:40,867 (フランス語で) よしよし 105 00:08:43,567 --> 00:08:46,867 馬に フランス語で命を出すのにも ようやく慣れた 106 00:08:47,467 --> 00:08:48,467 ははっ 107 00:08:50,166 --> 00:08:52,800 民部公子様は まことに覚えがよいと― 108 00:08:53,300 --> 00:08:55,066 ヴィレット殿も 驚かれておりました 109 00:08:56,033 --> 00:08:59,300 いや… まだ何も身についておらぬ 110 00:09:01,066 --> 00:09:05,467 今 公儀が政を失ったとしたら 私はどうなる? 111 00:09:09,266 --> 00:09:12,900 私も… まだ ここで学びを続けたい 112 00:09:27,533 --> 00:09:32,400 この先は 月5000ドルの送金のみが頼りか… 113 00:09:45,300 --> 00:09:46,300 (ノック) 114 00:09:51,900 --> 00:09:52,967 (篤太夫)エラール殿 115 00:09:54,767 --> 00:09:58,800 (フランス語で) 大変なことに なりましたね 116 00:10:00,233 --> 00:10:01,233 (篤太夫・・ フランス語で) ええ 117 00:10:02,800 --> 00:10:04,166 (フリュリ・エラール) ムッシュ シブサワ 118 00:10:05,066 --> 00:10:08,166 (フランス語で) 手元に自由になる “お金”はありますか? 119 00:10:09,433 --> 00:10:10,433 金… 120 00:10:12,000 --> 00:10:13,300 (篤太夫・・ フランス語で) この大きな建物は 121 00:10:13,367 --> 00:10:15,266 何ですか? 122 00:10:16,734 --> 00:10:18,433 証券取引所です 123 00:10:18,500 --> 00:10:20,834 証券取引所? 124 00:10:22,800 --> 00:10:27,266 (フランス語) 125 00:10:45,200 --> 00:10:47,633 (フランス語で) “債券”を買う? 126 00:10:48,367 --> 00:10:52,767 “国債”というものです 127 00:10:53,333 --> 00:11:00,066 フランス政府に短期間 貸し付けるのです 128 00:11:00,934 --> 00:11:05,900 預けた期間に合わせて “利子”がつき 129 00:11:06,633 --> 00:11:10,700 現金が必要となれば 130 00:11:10,767 --> 00:11:14,600 その時の“相場”で 売ることができる 131 00:11:15,400 --> 00:11:20,166 “社債”は同じ要領で 会社にお金を貸すこと 132 00:11:20,233 --> 00:11:25,834 会社はその借り集めた “金”で事業をする 133 00:11:26,934 --> 00:11:31,300 リスクはあるが その“金”が 134 00:11:31,367 --> 00:11:33,300 事業の役に立つのです 135 00:11:34,166 --> 00:11:37,567 役に立つ? この金が? 136 00:11:48,734 --> 00:11:53,233 (語り)二月になると 江戸から また御用状が届きました 137 00:11:53,867 --> 00:11:56,567 上様は薩摩との衝突を避けるため 京を出て― 138 00:11:57,133 --> 00:11:58,700 大坂城(おおさかじょう)に引きあげた 139 00:11:59,734 --> 00:12:02,767 大坂城には 公儀の兵が集結しているそうだ 140 00:12:03,800 --> 00:12:05,033 公儀の兵? 141 00:12:06,200 --> 00:12:07,467 じゃあ 成一郎(せいいちろう)たちも… 142 00:12:08,600 --> 00:12:09,600 (栗本)否! 143 00:12:10,900 --> 00:12:15,300 私は いまだに こんな報知が まこととは信じられぬ 144 00:12:16,900 --> 00:12:20,967 “いよいよ逆賊御殲滅(ごせんめつ)!”という 会心の報(しら)せが届くのを― 145 00:12:24,834 --> 00:12:26,133 待ち望むのみ! 146 00:12:30,533 --> 00:12:33,900 (語り)篤太夫宛ての文も 送られてきました 147 00:12:37,567 --> 00:12:39,500 (渋沢平九郎) “遠くにいらっしゃる篤太夫様へ” 148 00:12:40,900 --> 00:12:43,066 “10月より 江戸へ出て暮らしております” 149 00:12:45,433 --> 00:12:47,200 “今まで兄たちの 陰に隠れて” 150 00:12:47,266 --> 00:12:49,667 “過ごしていた 最年少の私が” 151 00:12:50,433 --> 00:12:51,433 “畏れ多くも” 152 00:12:51,500 --> 00:12:53,300 “見立て養子の命を 頂くとは” 153 00:12:54,400 --> 00:12:55,734 “まことに ありがたきこと” 154 00:12:57,667 --> 00:13:01,500 “お戻りになられるまで 文武に励みたいと思います” 155 00:13:03,000 --> 00:13:04,133 (篤太夫)そうか 156 00:13:05,533 --> 00:13:06,533 平九郎… 157 00:13:09,166 --> 00:13:10,200 よかった 158 00:13:13,066 --> 00:13:16,467 (惇忠)“長七郎(ちょうしちろう)が罪を赦(ゆる)され 牢(ろう)を出ました” 159 00:13:18,533 --> 00:13:20,066 長七郎が? 160 00:13:22,767 --> 00:13:26,467 (惇忠)“しかし 獄で よほどひどい目に遭ったのか―” 161 00:13:27,100 --> 00:13:29,300 “以前のような快活さはありません” 162 00:13:31,300 --> 00:13:35,700 “日の本の世情も このような事態となり 私は…” 163 00:13:37,266 --> 00:13:41,934 “私にも何かできぬものかと しきりに考えております” 164 00:13:43,533 --> 00:13:44,533 “惇忠” 165 00:13:46,800 --> 00:13:47,800 あにぃ… 166 00:13:50,266 --> 00:13:51,900 (父親・・フランス語で) こんばんは 167 00:13:51,967 --> 00:13:53,200 (母親)ボンソワー ムッシュ 168 00:13:53,200 --> 00:13:53,500 (母親)ボンソワー ムッシュ 169 00:13:53,200 --> 00:13:53,500 (篤太夫) ボンソワー 170 00:13:53,500 --> 00:13:53,567 (篤太夫) ボンソワー 171 00:13:53,567 --> 00:13:54,200 (篤太夫) ボンソワー 172 00:13:53,567 --> 00:13:54,200 (女の子)ボンソワー ムッシュ 173 00:13:54,200 --> 00:13:54,767 (女の子)ボンソワー ムッシュ 174 00:13:54,834 --> 00:13:55,834 (篤太夫)ボンソワー 175 00:14:00,567 --> 00:14:01,767 (ゑい)“篤太夫様” 176 00:14:03,000 --> 00:14:06,333 “あなたの文を とても喜んでおります” 177 00:14:08,400 --> 00:14:09,600 かっさま 178 00:14:10,533 --> 00:14:11,533 (市郎右衛門)行ってくる 179 00:14:11,600 --> 00:14:12,600 行ってらっしゃいまし 180 00:14:13,700 --> 00:14:17,700 (ゑい)“とっさまは変わらず 信州(しんしゅう)へ商いに出られ…” 181 00:14:19,800 --> 00:14:21,500 “千代は頼もしく…” 182 00:14:22,200 --> 00:14:23,200 (てい)ん? 183 00:14:24,066 --> 00:14:25,066 あれ? 184 00:14:25,133 --> 00:14:30,233 (ゑい)“うたは面白い盛りで おかげで私も息災です” 185 00:14:32,934 --> 00:14:36,233 “あなたも時には お酒でも飲んで気を晴らし―” 186 00:14:37,066 --> 00:14:40,867 “くれぐれも お体を大切にしてください” 187 00:14:42,867 --> 00:14:47,867 “無事のお戻りを くれぐれもお祈りしております” 188 00:14:48,967 --> 00:14:49,967 “母より” 189 00:14:51,300 --> 00:14:53,800 もう紺屋の商いの時節か 190 00:14:55,700 --> 00:14:57,567 孝行もできず申し訳ねぇ… 191 00:15:03,100 --> 00:15:04,266 お千代… 192 00:15:12,300 --> 00:15:13,967 お千代の字だい 193 00:15:15,567 --> 00:15:17,800 (千代) “長い道中であるにもかかわらず―” 194 00:15:18,266 --> 00:15:21,200 “お手紙を下さり うれしく思います” 195 00:15:22,734 --> 00:15:26,567 “この度は 民部公子様のお写真を 拝領いたし―” 196 00:15:26,967 --> 00:15:30,600 “ご立派なお姿で ありがたくお守りといたします” 197 00:15:31,867 --> 00:15:32,867 “ただ…” 198 00:15:34,066 --> 00:15:37,600 “お前様は以前と変わってしまい どうしたことか” 199 00:15:41,967 --> 00:15:45,133 “あまりにあさましく 見るのもつらきこと” 200 00:15:46,734 --> 00:15:49,734 “異国になじまねばならぬとはいえ 心苦しく―” 201 00:15:50,500 --> 00:15:53,934 “どうか以前のような 勇ましいお姿に―” 202 00:15:54,700 --> 00:15:56,233 “お改めくださいますよう…” 203 00:15:57,066 --> 00:16:01,633 “くれぐれもお願い申し上げます 千代” 204 00:16:06,834 --> 00:16:09,467 ハハ ハハハハハ… 205 00:16:11,967 --> 00:16:13,600 ハハハハハ… 206 00:16:15,400 --> 00:16:17,600 あ~ ハハハハハハ… 207 00:16:19,633 --> 00:16:20,633 あ~… 208 00:16:26,767 --> 00:16:28,333 会いてぇなぁ… 209 00:16:33,166 --> 00:16:34,166 会いてぇ… 210 00:16:37,967 --> 00:16:40,400 はぁ ああ… 211 00:16:47,433 --> 00:16:49,767 (カション神父)横浜(よこはま)から届いた ニュースペーパーによれば― 212 00:16:50,400 --> 00:16:54,767 1月の初めごろ 京と大坂(おおさか)の間で戦があったと 213 00:16:55,433 --> 00:16:57,133 (文次郎)何? 戦? 214 00:16:59,400 --> 00:17:00,767 御用状にもそうある 215 00:17:04,900 --> 00:17:05,967 くそ! 216 00:17:10,166 --> 00:17:15,033 今までの報せは うそ偽りではなかったのだ! 217 00:17:19,867 --> 00:17:23,433 “尾張(おわり)様と越前(えちぜん)様は 上様に―” 218 00:17:24,000 --> 00:17:27,633 “朝廷の政に加わるよう お勧めしたが―” 219 00:17:28,467 --> 00:17:32,367 “上様は 天子様のおそばの悪者を 除くため―” 220 00:17:33,266 --> 00:17:34,800 “上京を決められた” 221 00:17:37,100 --> 00:17:41,000 “正月2日 京に向け 先鋒隊(せんぽうたい)を出発させたところ―” 222 00:17:41,600 --> 00:17:42,667 “突如として―” 223 00:17:44,500 --> 00:17:46,967 “薩摩の兵が砲弾を放ち…” 224 00:17:47,600 --> 00:17:48,934 (保科俊太郎(ほしなしゅんたろう))薩摩が砲弾? 225 00:17:49,567 --> 00:17:51,500 (篤太夫)“伏見(ふしみ) 鳥羽(とば)をはじめ―” 226 00:17:52,133 --> 00:17:55,533 “淀(よど) 橋本(はしもと)で 3日夕方から7日朝まで―” 227 00:17:55,934 --> 00:17:57,934 “昼夜を問わず戦となり…” 228 00:17:59,767 --> 00:18:03,633 “ついには全軍が敗走して―” 229 00:18:04,400 --> 00:18:06,900 “枚方(ひらかた) 守口(もりぐち)まで撤退” 230 00:18:12,467 --> 00:18:13,266 “6日には…” 231 00:18:14,467 --> 00:18:18,734 “恐れながら 上様が大坂を立ち退き―” 232 00:18:19,767 --> 00:18:23,800 “開陽丸(かいようまる)にて江戸に戻られた” 233 00:18:25,600 --> 00:18:29,934 (山髙)上様が 船で 江戸へ帰られたというのか 234 00:18:31,166 --> 00:18:32,600 (篤太夫)“朝廷は恐れながら―” 235 00:18:34,734 --> 00:18:36,967 “朝敵の名を上様に負わせ―” 236 00:18:37,700 --> 00:18:40,700 “関東征討の勅命を出し―” 237 00:18:41,667 --> 00:18:45,834 “兵隊を率いて 江戸へ向かうとの風説” 238 00:18:46,567 --> 00:18:50,100 (菊池平八郎(きくちへいはちろう))バカな! あろうことか上様が朝敵とは! 239 00:18:55,066 --> 00:18:56,066 (高松凌雲(たかまつりょううん))落ち着け 240 00:18:57,934 --> 00:19:00,066 この地で騒いでも どうにもならぬ 241 00:19:01,433 --> 00:19:05,533 しかし しかし… しかし! 242 00:19:06,767 --> 00:19:08,734 おのれ 薩摩め… 243 00:19:11,066 --> 00:19:15,166 急ぎ民部公子にお知らせを! 244 00:19:16,533 --> 00:19:17,567 (栗本)民部公子には― 245 00:19:18,567 --> 00:19:21,700 上様からのご直書(じきしょ)が同封してあって… 246 00:19:56,900 --> 00:19:57,900 (篤太夫)渋沢です 247 00:19:58,500 --> 00:19:59,500 (昭武)入れ 248 00:20:05,066 --> 00:20:06,367 兄からの直書だ 249 00:20:06,734 --> 00:20:08,533 大坂での顛末(てんまつ)が書いてあった 250 00:20:11,800 --> 00:20:15,133 “日本は内輪で騒動を している時節ではないゆえ―” 251 00:20:15,533 --> 00:20:17,100 “やむをえず このようにした” 252 00:20:19,033 --> 00:20:20,834 “せっかく参ったのであるから―” 253 00:20:21,266 --> 00:20:23,734 “急ぎ帰国する考えを抱くことなく―” 254 00:20:24,166 --> 00:20:27,967 “十分 留学の目当てを 達するように”と書いてある 255 00:20:30,700 --> 00:20:31,867 どう思う? 渋沢 256 00:20:35,433 --> 00:20:39,967 まことを申せば 全くもって解(げ)せませぬ 257 00:20:41,467 --> 00:20:42,467 (昭武)私もだ 258 00:20:44,734 --> 00:20:47,834 しかし どうすればよいのかも分からぬ 259 00:20:51,700 --> 00:20:53,934 (篤太夫)文で お諫(いさ)めになっては いかがでしょうか 260 00:20:55,467 --> 00:20:56,467 諫める? 261 00:20:57,000 --> 00:20:59,533 文にて建白なされるのです 例えば… 262 00:21:00,667 --> 00:21:06,100 “政権を朝廷に返されたのなら なぜ兵を動かしたのですか”と 263 00:21:07,734 --> 00:21:11,600 “また戦のご意思があって 兵を動かしたのなら―” 264 00:21:12,200 --> 00:21:14,100 “なぜ最後まで 戦われなかったのか?” 265 00:21:16,467 --> 00:21:20,767 “この先 必ず 臆病 暗愚と 罵られると分かりながら―” 266 00:21:20,834 --> 00:21:23,066 “兵を置き去りにし 江戸へ戻られたのは―” 267 00:21:23,133 --> 00:21:24,400 “いかなることでございましょう” 268 00:21:25,667 --> 00:21:29,000 “朝敵の汚名を着せられ 追討軍に追われても―” 269 00:21:29,066 --> 00:21:30,900 “勇敢な家臣と共に戦わず―” 270 00:21:31,066 --> 00:21:34,266 “かようなありさまで 神祖(しんそ)三百年の ご偉業を自ら捨てられ―” 271 00:21:34,333 --> 00:21:37,367 “東照大権現(とうしょうだいごんげん)様に何と申し開きを なされるおつもりか!” 272 00:21:45,500 --> 00:21:48,100 うむ… 分かった 273 00:21:57,600 --> 00:21:58,600 ははっ 274 00:22:04,433 --> 00:22:05,433 (語り)四月 275 00:22:06,166 --> 00:22:11,400 栗本たちが一足先に 日本へ帰ることとなりました 276 00:22:13,233 --> 00:22:14,233 渋沢 277 00:22:20,000 --> 00:22:21,967 民部公子は おなかがご丈夫ではない 278 00:22:25,667 --> 00:22:27,500 困った時には これを 279 00:22:28,834 --> 00:22:32,200 (篤太夫) あぁ いろいろ世話になった 280 00:22:35,266 --> 00:22:36,600 この先どうする? 281 00:22:37,533 --> 00:22:40,500 お主は公儀の御典医だろ 282 00:22:43,400 --> 00:22:44,400 うむ 283 00:22:46,467 --> 00:22:49,800 しかし私は ここに来られてよかった 284 00:22:52,166 --> 00:22:56,467 医者はどこにいようが 相手が誰であろうが― 285 00:22:57,133 --> 00:23:00,166 平等に 正しい治療をするのみ 286 00:23:01,533 --> 00:23:05,567 その真心を この地で見つけられた気がする 287 00:23:24,033 --> 00:23:25,533 (語り)篤太夫のもとに― 288 00:23:25,834 --> 00:23:30,867 幕府軍として戦っていた 成一郎からの文が届きました 289 00:23:32,767 --> 00:23:38,400 (渋沢成一郎)“俺は淀 橋本の戦で 数か所を銃弾で負傷した” 290 00:23:40,333 --> 00:23:46,000 “幸いにも江戸へ戻れたが 薩摩 長州(ちょうしゅう) 土佐(とさ)の勢いは盛んで―” 291 00:23:46,533 --> 00:23:49,867 “今や上様は どんな勅命も 甘んじて受け入れると―” 292 00:23:50,467 --> 00:23:55,200 “上野(うえの) 寛永寺(かんえいじ)で蟄居(ちっきょ)なされ 生きるか死ぬかの瀬戸際だ” 293 00:24:00,867 --> 00:24:03,834 “しかし お前が国を離れて以来―” 294 00:24:04,667 --> 00:24:08,000 “上様が少しでも尊王の大義に 背いたことはない!” 295 00:24:11,133 --> 00:24:13,200 “俺は上様の汚名を雪(そそ)ぐため―” 296 00:24:13,734 --> 00:24:16,433 “旗本御家人の同志で同盟を結んだ” 297 00:24:17,967 --> 00:24:19,667 “きっと挽回の時が来る” 298 00:24:20,967 --> 00:24:23,000 “俺の今の願いは それのみだ” 299 00:24:25,133 --> 00:24:28,200 “3月8日 成一郎” 300 00:25:13,100 --> 00:25:17,900 (語り)篤太夫は 幕府が各国に派遣していた留学生が― 301 00:25:17,967 --> 00:25:21,800 無事帰国できるよう なんとか取り計らいました 302 00:25:24,000 --> 00:25:25,033 (山髙)お ご苦労 303 00:25:25,100 --> 00:25:26,100 (篤太夫)あぁ… 304 00:25:27,266 --> 00:25:30,533 (川路(かわじ)太郎(たろう)) ほう ここが民部公子のお屋敷か 305 00:25:30,600 --> 00:25:34,800 そうだ 帰国の船が出るまで この広間にて寝泊まりしてもらう 306 00:25:35,400 --> 00:25:37,433 明日には オランダの学生たちも来るゆえ― 307 00:25:37,633 --> 00:25:39,667 狭くはなるが 旅の疲れを癒やすがよい 308 00:25:39,734 --> 00:25:40,734 (林董三郎(はやしとうさぶろう)) ここで? 309 00:25:40,800 --> 00:25:41,800 ベッドは? 310 00:25:41,867 --> 00:25:42,867 (山髙) 布団はあるが 311 00:25:42,934 --> 00:25:44,000 ベッドはない 312 00:25:44,066 --> 00:25:45,367 数日ゆえ 我慢せよ 313 00:25:45,734 --> 00:25:47,000 オウ ノウ! 314 00:25:47,066 --> 00:25:48,834 人をフロアに じかに寝かせるとは― 315 00:25:48,900 --> 00:25:51,200 まったくケチだ まるで豚扱いじゃないか なぁ! 316 00:25:51,266 --> 00:25:51,700 (太郎)なぁ! 317 00:25:51,700 --> 00:25:52,266 (太郎)なぁ! 318 00:25:51,700 --> 00:25:52,266 (留学生) そうだ そうだ 319 00:25:52,266 --> 00:25:52,700 (留学生) そうだ そうだ 320 00:25:52,767 --> 00:25:54,500 オランダの学生も来るんだろう 321 00:25:55,000 --> 00:25:56,066 (董三郎)こんな待遇… 322 00:25:56,467 --> 00:25:57,934 君たちも もっと何か言ってやれ 323 00:25:59,033 --> 00:26:04,533 一体 お主らは 今のお国元を 何と思っておられるのか? 324 00:26:07,133 --> 00:26:12,033 俺は 喜望峰(きぼうほう)回りの帆船で 帰らされようとするお主らを― 325 00:26:12,900 --> 00:26:15,633 そうした惨めな目に遭わねぇよう 計ってやった 326 00:26:16,467 --> 00:26:19,033 これは ただ かわいそうだと思って したことじゃねぇ 327 00:26:19,100 --> 00:26:20,100 国のためだ 328 00:26:21,333 --> 00:26:23,233 学生をよこしておきながら― 329 00:26:23,400 --> 00:26:26,066 国の騒動で 帰る始末もつけられず― 330 00:26:26,133 --> 00:26:28,400 荷物同様で 送り返したとあっては― 331 00:26:28,900 --> 00:26:31,600 国の名誉に関わると思えばこそのこと 332 00:26:35,400 --> 00:26:36,834 こっちとてこの先― 333 00:26:37,767 --> 00:26:40,867 公儀から金が送られてくるか どうかも分からず― 334 00:26:41,166 --> 00:26:43,900 今ある金を大事(でぇじ)に使ってる中― 335 00:26:45,100 --> 00:26:48,800 民部公子の金をどうにか削って 計らってやってんだ 336 00:26:50,100 --> 00:26:53,800 その苦労も意味も 察することができねぇとは! 337 00:26:54,400 --> 00:26:57,367 ただ知識を多く得れば 偉いとでも思ってんのか? 338 00:26:59,233 --> 00:27:04,800 公儀はこんな思慮の足りねぇ 性根の腐った者を育てるために― 339 00:27:05,667 --> 00:27:08,667 わざわざ苦しい懐から 学生を送ってきたのか? 340 00:27:09,967 --> 00:27:14,066 だとしたら俺は 公儀のために嘆く 341 00:27:15,266 --> 00:27:17,066 大いに嘆くぞ! 342 00:27:19,166 --> 00:27:21,233 ここで嫌なら すぐさま出ていけ! 343 00:27:21,300 --> 00:27:23,600 し… 失礼を申しました! 344 00:27:24,600 --> 00:27:26,667 お国が戦というこの一大事に― 345 00:27:26,734 --> 00:27:29,500 よしんば どんな柔らけぇ床で 寝たとしても― 346 00:27:29,567 --> 00:27:32,233 臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の心が あってしかるべきじゃねぇか! 347 00:27:32,300 --> 00:27:34,600 (董三郎) ははっ! 布団を敷こう ほら… 348 00:28:10,200 --> 00:28:11,667 平九郎 もうよい 349 00:28:12,600 --> 00:28:13,600 (平九郎)大丈夫だ 350 00:28:29,400 --> 00:28:30,700 (銃声) 351 00:29:03,767 --> 00:29:04,767 (山髙)山髙です 352 00:29:05,433 --> 00:29:06,433 (昭武)入れ 353 00:29:17,934 --> 00:29:21,166 新しき政府から公文が届きました 354 00:29:30,800 --> 00:29:33,533 新しき政府… 355 00:29:35,800 --> 00:29:36,800 何とあった? 356 00:29:38,633 --> 00:29:43,266 “今般御一新につき 民部公子も急ぎ帰朝せられよ”と 357 00:29:45,133 --> 00:29:46,133 御一新… 358 00:30:04,500 --> 00:30:06,133 (エラール・・ フランス語で) フランス政府も 359 00:30:06,200 --> 00:30:08,533 帰国を勧めています 360 00:30:09,667 --> 00:30:14,000 上様も水戸に謹慎され 361 00:30:14,066 --> 00:30:15,600 帰られても 362 00:30:15,667 --> 00:30:19,000 民部公子様に 危害は及ばないでしょう 363 00:30:19,066 --> 00:30:20,066 いや しかし 364 00:30:20,800 --> 00:30:24,600 民部公子は国を出る前 何があっても学問を続けるよう― 365 00:30:24,667 --> 00:30:26,100 上様に言いつかっておられた 366 00:30:28,200 --> 00:30:31,500 (フランス語で) どうにかして 学業を 続けていただきたい 367 00:30:35,333 --> 00:30:36,867 わかりました 368 00:30:36,934 --> 00:30:40,367 じきに ロッシュが 日本から戻るので 369 00:30:40,433 --> 00:30:42,000 相談しましょう 370 00:30:42,734 --> 00:30:44,734 それからでも 遅くはない 371 00:30:44,800 --> 00:30:49,734 (雷鳴) 372 00:30:54,000 --> 00:30:58,900 (荒い息遣い) 373 00:31:08,500 --> 00:31:09,500 (平九郎)おてい… 374 00:31:12,667 --> 00:31:13,667 (新政府兵)いたぞ! 375 00:31:13,734 --> 00:31:14,734 (新政府兵)そこだ! 376 00:31:22,433 --> 00:31:23,467 水戸(みと)の殿が― 377 00:31:26,066 --> 00:31:27,567 お亡くなりになったそうです 378 00:31:32,000 --> 00:31:33,266 水戸様が? 379 00:31:40,734 --> 00:31:41,734 そうか 380 00:31:42,567 --> 00:31:44,834 また それにより 朝廷の思(おぼ)し召しで― 381 00:31:46,033 --> 00:31:49,100 民部公子様が水戸家を お継ぎになることが決まりました 382 00:31:50,333 --> 00:31:52,200 私が水戸を? 383 00:31:52,400 --> 00:31:56,467 (菊池)ははっ 急ぎ日の本に お戻りいただきたいと 384 00:31:57,133 --> 00:31:58,300 そんな… 385 00:32:00,467 --> 00:32:03,100 これは何かの謀(はかりごと)だ 386 00:32:03,500 --> 00:32:07,467 民部公子様を どうにか国に 戻そうとする誰かの謀に違いない 387 00:32:08,400 --> 00:32:11,000 (山髙)しかし 日本がどうなっているのか さっぱり分からん 388 00:32:11,900 --> 00:32:14,667 御一新で江戸が おおかた 焼き尽くされたとの風聞もある 389 00:32:15,700 --> 00:32:16,700 (ドアが開く音) 390 00:32:19,734 --> 00:32:20,734 (篤太夫)ロッシュ殿 391 00:32:27,433 --> 00:32:29,100 (ロッシュ・・ フランス語で) 民部公子様 392 00:32:29,166 --> 00:32:31,200 ただいま 日本より戻りました 393 00:32:32,400 --> 00:32:33,433 (昭武)ご苦労であった 394 00:32:33,967 --> 00:32:39,200 御一新など無視して 学業を続けましょう 395 00:32:40,433 --> 00:32:42,133 (カション神父) “新しい政府を無視して―” 396 00:32:42,734 --> 00:32:44,000 “学問を続けましょう” 397 00:32:45,500 --> 00:32:47,400 (ロッシュ・・ フランス語で) 今 日本に 398 00:32:47,467 --> 00:32:49,900 帰ったら危ない 399 00:32:49,967 --> 00:32:54,967 会津が 新政府軍と 戦っていると聞きました 400 00:32:56,433 --> 00:33:01,367 帰れば 必ず巻き込まれます 401 00:33:02,233 --> 00:33:04,166 (カション神父) “今戻るのは危険です 会津(あいづ)が…” 402 00:33:04,233 --> 00:33:05,233 (昭武)いいや 403 00:33:10,867 --> 00:33:11,900 もう帰ろう 404 00:33:33,367 --> 00:33:35,367 (フランス語で) この国の方々に 405 00:33:36,300 --> 00:33:39,433 心から 感謝申し上げる 406 00:33:57,000 --> 00:34:00,133 (昭武) もう この景色も 407 00:34:00,200 --> 00:34:01,266 見納めだな 408 00:34:04,266 --> 00:34:07,200 徳川の宗家は 田安(たやす)の亀之助(かめのすけ)殿が 409 00:34:07,266 --> 00:34:08,834 お継ぎになられたと 聞いた 410 00:34:10,033 --> 00:34:11,033 (篤太夫)ははっ 411 00:34:23,633 --> 00:34:25,100 (昭武)渋沢 私は… 412 00:34:28,300 --> 00:34:30,133 水戸に帰るのが怖い 413 00:34:44,867 --> 00:34:46,133 日本に戻っても― 414 00:34:48,000 --> 00:34:49,700 私のそばにいてくれぬか 415 00:35:40,900 --> 00:35:44,166 (篤太夫)おお エラール殿 416 00:35:46,400 --> 00:35:48,734 (フランス語で) この館の始末を 417 00:35:48,800 --> 00:35:50,567 頼んでしまって 申し訳ない 418 00:35:51,467 --> 00:35:53,200 (エラール) お安い御用だ 419 00:35:54,000 --> 00:35:58,967 あなたに礼を言わねば ならないことがあります 420 00:36:00,800 --> 00:36:05,900 あなたの勧めで 国債と鉄道債を 6万5000フランずつ買った 421 00:36:07,567 --> 00:36:10,300 国債の方は4分の利子がつき― 422 00:36:10,633 --> 00:36:13,633 鉄道の方は 相場が上がって4000フラン 423 00:36:13,934 --> 00:36:17,200 日本でいう600両ももうけた勘定だ 424 00:36:18,633 --> 00:36:19,934 (エラール)ハハハハ… 425 00:36:20,600 --> 00:36:22,533 すばらしい 426 00:36:23,066 --> 00:36:26,133 しかも もうかっただけではない 427 00:36:26,200 --> 00:36:27,500 その 日本のお金が 428 00:36:27,567 --> 00:36:31,934 フランスの鉄道にも 役立った 429 00:36:32,967 --> 00:36:33,967 しかり 430 00:36:34,533 --> 00:36:39,467 皆の小さき一滴一滴が流れを作り 皆が幸せになる 431 00:36:39,633 --> 00:36:42,600 こんなトレビアンな術があるのだと― 432 00:36:43,300 --> 00:36:45,533 あなたは俺に教えてくれた 433 00:36:50,000 --> 00:36:51,800 きゃぴたる そしある? 434 00:36:52,600 --> 00:36:59,066 (フランス語で) 上下水道や鉄道もそう 435 00:37:00,133 --> 00:37:01,700 志はよくても 436 00:37:01,767 --> 00:37:06,133 一人では 出来そうにないことが 437 00:37:06,200 --> 00:37:08,300 多くの人から 438 00:37:08,567 --> 00:37:15,000 少しずつ“金”を 集めることで可能になる 439 00:37:16,333 --> 00:37:20,200 つまり… 少しばかりの金も― 440 00:37:20,467 --> 00:37:25,500 一滴一滴合わせることで 大きな川になるということか 441 00:37:25,767 --> 00:37:27,100 (フランス語で)そう 442 00:37:27,233 --> 00:37:31,200 小さな金が集まって 443 00:37:31,266 --> 00:37:34,600 大きな資本となる 444 00:37:34,667 --> 00:37:36,900 貸す方だって ただ貸すのではない 445 00:37:37,333 --> 00:37:40,633 事業がうまくいけば 446 00:37:40,967 --> 00:37:42,400 なんと 447 00:37:42,800 --> 00:37:45,734 配当金をもらえる 448 00:37:48,600 --> 00:37:52,433 一人がうれしいのではなく 皆が幸せになる 449 00:37:53,533 --> 00:37:57,333 一人一人の力で 世を変えることができる 450 00:38:03,100 --> 00:38:04,100 ハハ… 451 00:38:07,200 --> 00:38:08,266 おかしれぇ 452 00:38:12,567 --> 00:38:13,567 これだ 453 00:38:17,200 --> 00:38:19,500 俺が探し求めてきたのは これだ! 454 00:38:27,433 --> 00:38:31,567 俺は今まで 異人は 皆 敵だと思ってた 455 00:38:32,367 --> 00:38:35,266 そのことを心からわびる 456 00:38:39,467 --> 00:38:40,467 フフ… 457 00:38:42,500 --> 00:38:45,934 こうなっては ここで得たことも― 458 00:38:46,367 --> 00:38:49,066 日本に戻って 生かせるかどうかも分からねぇ 459 00:38:51,433 --> 00:38:52,433 しかし… 460 00:38:55,600 --> 00:38:57,767 (フランス語で) どんなことになっても この手で 461 00:38:57,834 --> 00:39:01,000 日本のために 尽くします 462 00:39:03,800 --> 00:39:06,533 その意気です 463 00:39:10,600 --> 00:39:12,033 (日本語で)期待しています 464 00:39:12,567 --> 00:39:14,467 おぉ! ハハハハハ… 465 00:39:20,934 --> 00:39:21,700 ハハハハハハ… 466 00:39:21,700 --> 00:39:22,700 ハハハハハハ… 467 00:39:21,700 --> 00:39:22,700 (篤太夫)ハハハハ 468 00:39:22,700 --> 00:39:22,867 ハハハハハハ… 469 00:39:22,934 --> 00:39:24,700 ハハハハハ… 470 00:39:27,166 --> 00:39:31,600 (語り)先に日本に帰国した 水戸藩士の井坂(いさか)たちが― 471 00:39:32,033 --> 00:39:35,767 昭武を迎えに 再びパリへやって来ました 472 00:39:40,934 --> 00:39:41,934 (井坂泉太郎(せんたろう))出たな 渋沢 473 00:39:42,934 --> 00:39:45,834 我らは お主を斬ってでも 民部公子を連れて帰るぞ! 474 00:39:45,900 --> 00:39:47,600 ハハハハハハ 475 00:39:49,667 --> 00:39:51,600 髷(まげ)だ 髷だ 476 00:39:53,400 --> 00:39:56,600 よく来た はるばるよく来たな 477 00:39:57,700 --> 00:40:00,900 (井坂) やめろ! 気色悪い! 放せ! 478 00:40:01,333 --> 00:40:01,900 (篤太夫)ハハハ… 479 00:40:01,900 --> 00:40:02,333 (篤太夫)ハハハ… 480 00:40:01,900 --> 00:40:02,333 (井坂)放せと言っとるだろ! 481 00:40:02,333 --> 00:40:03,700 (井坂)放せと言っとるだろ! 482 00:40:25,900 --> 00:40:26,967 (母親)ムッシュ シブサワ 483 00:40:27,367 --> 00:40:29,033 (篤太夫)おぉ ハハハハ… 484 00:40:31,200 --> 00:40:36,400 (フランス語で) さようなら 485 00:40:44,867 --> 00:40:46,233 (フランス語で) さようなら 486 00:40:58,300 --> 00:41:01,533 来た時は あれほど 豪勢な一行だったのにのう 487 00:41:03,533 --> 00:41:04,533 はい… 488 00:41:13,967 --> 00:41:16,333 プリンスアキタケ 489 00:41:17,934 --> 00:41:21,166 (フランス語で) これは インモルテル という花です 490 00:41:30,633 --> 00:41:31,700 (フランス語で) ありがとう 491 00:41:33,400 --> 00:41:34,767 ありがとう ヴィレット 492 00:41:42,934 --> 00:41:45,000 さようなら 493 00:42:22,834 --> 00:42:25,300 (語り)こうして篤太夫たちは… 494 00:42:27,700 --> 00:42:30,633 日本へと帰っていきました 495 00:42:34,100 --> 00:42:36,300 (市郎右衛門)栄一が横浜に着いたと! 496 00:42:36,500 --> 00:42:38,333 (うた)かっさま うれしそう 497 00:42:38,400 --> 00:42:39,433 (彰義隊(しょうぎたい))上様! 498 00:42:39,734 --> 00:42:41,934 (天璋院(てんしょういん)) お逃げになられたとは何事じゃ 499 00:42:42,433 --> 00:42:43,767 (須永(すなが)虎之助(とらのすけ)) あっという間に負けた! 500 00:42:43,934 --> 00:42:45,166 (成一郎)平九郎! 501 00:42:45,400 --> 00:42:47,834 (篤太夫) 言え! 平九郎はどうした! 502 00:42:48,467 --> 00:42:49,467 (尾高長七郎) 俺たちは 503 00:42:49,834 --> 00:42:52,066 何のために生まれて きたんだんべなぁ? 504 00:42:52,333 --> 00:42:53,333 (三野村(みのむら)利左衛門(りざえもん)) まことの戦は 505 00:42:53,400 --> 00:42:54,400 これからざんすよ 506 00:42:55,000 --> 00:42:57,867 わしら商人の戦いは