1 00:00:33,692 --> 00:00:40,098 (渋沢成一郎) 俺は はあ 攘夷などどうでもいい。 2 00:00:40,098 --> 00:00:44,798 この先は殿を… 一橋を守るために生きる。 3 00:00:46,772 --> 00:00:48,707 おめえはどうする? 4 00:00:48,707 --> 00:00:53,278 (渋沢篤太夫)一橋の懐具合を ととのえたいのでございます。 5 00:00:53,278 --> 00:00:57,149 (徳川慶喜)ならば やってみよ。 6 00:00:57,149 --> 00:00:59,785 お主の腕を見せてみよ。 7 00:00:59,785 --> 00:01:01,787 ははっ! 8 00:01:01,787 --> 00:01:09,494 篤太夫は 一橋家の懐を豊かにするために 動き始めました。 9 00:01:09,494 --> 00:01:15,267 見てのとおり 当家ご領内の年貢米は 格段に出来がよい。 10 00:01:15,267 --> 00:01:18,637 (崎玉清兵衛) ただ 量に限りがあるがゆえ➡ 11 00:01:18,637 --> 00:01:23,475 入札により 一番高い値をつけたものに 売ることにした。 12 00:01:23,475 --> 00:01:26,511 (業者たち)入札? 13 00:01:26,511 --> 00:01:29,648 さぁ どうする? さぁ 考えてくれ。 14 00:01:29,648 --> 00:01:34,648 備中では 火薬の製造を始めました。 15 00:01:39,458 --> 00:01:43,762 こんなくっせえ土から 火薬の材料がとれるとは➡ 16 00:01:43,762 --> 00:01:46,062 本当に こんなんで鉄砲が撃てるんか? 17 00:01:50,635 --> 00:01:53,105 (発砲音) 18 00:01:53,105 --> 00:01:57,442 おおっ… これはすげぇ! 19 00:01:57,442 --> 00:02:03,615 そして 幕府にも 懐を豊かにしようとする男が。 20 00:02:03,615 --> 00:02:06,518 (小栗忠順)フランスから軍艦を買うか…。 21 00:02:06,518 --> 00:02:10,489 さすれば長州など一気に潰せる。 22 00:02:10,489 --> 00:02:18,130 時宜に応じて薩摩も討ってしまえば 公儀に刃向かう大名はもうおるまい。 23 00:02:18,130 --> 00:02:25,930 日の本は… 上様を王とする一つの国となる。 24 00:02:27,806 --> 00:02:30,106 (栗本鋤雲)ハハハハハハ…。 25 00:02:33,245 --> 00:02:38,416 今の上様は まさに 王と呼ばれるに ふさわしいお方。 26 00:02:38,416 --> 00:02:42,754 して…➡ 27 00:02:42,754 --> 00:02:46,758 このフランスの誘い どうなさる? 28 00:02:46,758 --> 00:02:49,094 (小栗)2年後のパリの博覧会か…。 29 00:02:49,094 --> 00:02:51,129 無論 参加だ。 30 00:02:51,129 --> 00:02:53,765 今 公儀の懐は火の車。 31 00:02:53,765 --> 00:02:56,768 交易によって利を得るため➡ 32 00:02:56,768 --> 00:03:02,274 世界に 我が国の優れた産物を 見せつけねばならぬ。 33 00:03:02,274 --> 00:03:07,612 されば 兵庫の港も 急ぎ開きたいものですな。 34 00:03:07,612 --> 00:03:10,916 そのためにもコンパニーじゃ。 35 00:03:10,916 --> 00:03:15,754 横浜の港の失敗でよく分かった。 36 00:03:15,754 --> 00:03:20,458 交易で 異国に いいようにされぬためには➡ 37 00:03:20,458 --> 00:03:23,458 公儀もコンパニーを持つのが肝要…。 38 00:03:28,133 --> 00:03:32,404 こんばんは。 徳川家康です。 39 00:03:32,404 --> 00:03:40,078 この小栗忠順の家は 私の頃から代々仕える旗本の名門です。 40 00:03:40,078 --> 00:03:44,249 彼は 初めて公式にアメリカへ渡った➡ 41 00:03:44,249 --> 00:03:49,087 幕府の使節団の一人となりました。 42 00:03:49,087 --> 00:03:54,893 小栗は 現地の最新技術に目をみはった。 43 00:03:54,893 --> 00:04:00,599 そして「いつか日本も これを超える技術を」と➡ 44 00:04:00,599 --> 00:04:05,270 造船所で作られていた ネジを持ち帰りました。 45 00:04:05,270 --> 00:04:10,442 今や優秀な勘定奉行だ。 46 00:04:10,442 --> 00:04:13,278 我ら武家は長らく➡ 47 00:04:13,278 --> 00:04:18,450 「金は卑しいもの」と 嫌っていましたがね➡ 48 00:04:18,450 --> 00:04:25,790 新たな世は 経済の知識なしには乗り切れなかった。 49 00:04:25,790 --> 00:04:31,590 そしてそんな人材は こんなところにも…。 50 00:04:35,400 --> 00:04:38,303 (新納刑部)ほいで 話っちゅうとは。 51 00:04:38,303 --> 00:04:41,573 ベルギー国と コンパニーの約定を結びもした。 52 00:04:41,573 --> 00:04:44,609 ほうか。 ようやってくれた。 53 00:04:44,609 --> 00:04:47,879 小松様は銭がなかち嘆いちょいもしたが➡ 54 00:04:47,879 --> 00:04:52,417 こいで 薩摩ん富国強兵は うまくいきもんそ。 55 00:04:52,417 --> 00:04:57,756 次は国父様に願い出て 再来年のパリん万国博覧会に➡ 56 00:04:57,756 --> 00:05:01,426 薩摩んよか品を たくさん出そうち思っちょいもす。 57 00:05:01,426 --> 00:05:04,896 じゃっどん そん手筈は どげんすっとじゃ? 58 00:05:04,896 --> 00:05:09,896 モンブラン殿に万事の指揮は任せもす。 59 00:05:14,105 --> 00:05:19,305 ほして… 薩摩が幕府ん先を行くとじゃ。 60 00:05:20,879 --> 00:07:03,248 ♬~ 61 00:07:03,248 --> 00:08:11,583 ♬~ 62 00:08:11,583 --> 00:08:19,257 これは 俺が大坂で買った ここ 播磨一橋領今市村の白木綿と➡ 63 00:08:19,257 --> 00:08:23,428 隣の姫路の白木綿だ。 64 00:08:23,428 --> 00:08:28,299 うん どちらも実に品がよく 水の吸いもよい。 65 00:08:28,299 --> 00:08:33,104 しかし どちらも品がよいにもかかわらず➡ 66 00:08:33,104 --> 00:08:36,541 この白木綿は 1反35文➡ 67 00:08:36,541 --> 00:08:43,848 一方 姫路の白木綿は 1反70文の値であった。 68 00:08:43,848 --> 00:08:46,648 (治郎作)はぁ? 69 00:08:48,686 --> 00:08:50,622 おんなじや。➡ 70 00:08:50,622 --> 00:08:54,392 おんなじ播磨の品で 出来も何も違うてないのに➡ 71 00:08:54,392 --> 00:08:56,728 何で姫路だけ 倍も高く売れるんや。 72 00:08:56,728 --> 00:08:59,063 俺も なぜかと探ってみた。 73 00:08:59,063 --> 00:09:04,235 すると姫路では 領地で出来た木綿を いっぺん 皆 ご城下に集め➡ 74 00:09:04,235 --> 00:09:07,872 そこで まとめて晒しにしたものを…➡ 75 00:09:07,872 --> 00:09:12,744 「姫路の木綿でござい! 姫路特産の白木綿でござい!」と➡ 76 00:09:12,744 --> 00:09:15,580 いかにも名物の特産として売ってる。 77 00:09:15,580 --> 00:09:20,752 だから「おっ 姫路の木綿か。 それは品がいいに違えねぇ」と➡ 78 00:09:20,752 --> 00:09:23,655 たとえ高値であっても ありがたがられる。 79 00:09:23,655 --> 00:09:25,623 (百姓たち)おお…。 80 00:09:25,623 --> 00:09:28,493 一方 この村では 出来た木綿を➡ 81 00:09:28,493 --> 00:09:31,696 おのおのが織ったり売ったりして 商いをしてる。 82 00:09:31,696 --> 00:09:34,599 きっと今まで 大坂のあきんどに➡ 83 00:09:34,599 --> 00:09:37,899 買いたたかれることも 多くあったであろう。 84 00:09:40,371 --> 00:09:42,307 そこでだ。 85 00:09:42,307 --> 00:09:48,546 俺は一橋家で 皆の木綿を まとめて買い入れようと思っておる。 86 00:09:48,546 --> 00:09:51,382 (三郎作)え? 一橋様でまとめて? 87 00:09:51,382 --> 00:09:57,722 そして一橋家で 「いやんばいす! 播磨一橋領の木綿でござい!」➡ 88 00:09:57,722 --> 00:10:05,063 「品は確か。 さらりと滑らか 真っ白な名物 一橋の白木綿でござい!」と➡ 89 00:10:05,063 --> 00:10:06,998 大仕掛けで売り出すのだ。 90 00:10:06,998 --> 00:10:09,567 (百姓たち)おお~! さすれば きっと➡ 91 00:10:09,567 --> 00:10:13,237 姫路にも負けねぇ評判となる。 92 00:10:13,237 --> 00:10:16,140 せやけど そないなことが ホンマにできますのか? 93 00:10:16,140 --> 00:10:18,109 そしたら どうなるんや? 94 00:10:18,109 --> 00:10:20,745 俺らが もうかるってことか? 95 00:10:20,745 --> 00:10:23,581 そうだ。 (歓声) 96 00:10:23,581 --> 00:10:27,085 一橋家が 今よりずっと高い値で買い上げる! 97 00:10:27,085 --> 00:10:31,255 (多呂作)何言うてんねや! おい! 98 00:10:31,255 --> 00:10:35,426 こないな口車に乗ったらあかん。 お役人が わしら百姓を➡ 99 00:10:35,426 --> 00:10:38,262 もうけさせようなんて 思うはずあるかいな。 100 00:10:38,262 --> 00:10:41,099 は? そやろ。 101 00:10:41,099 --> 00:10:43,034 そうや。 そうやわ。 102 00:10:43,034 --> 00:10:45,770 どうせ百姓から搾れるだけ搾って➡ 103 00:10:45,770 --> 00:10:49,774 お家だけ もうけさせようとしてんねや。 そうや! 104 00:10:49,774 --> 00:10:51,909 (伝蔵) あにきが そんなことするはずがねえ! 105 00:10:51,909 --> 00:10:54,779 あ~ もう やめろ やめろ やめろ…。 106 00:10:54,779 --> 00:11:00,479 信じてくれ! 一橋を信じてくれ! 107 00:11:02,520 --> 00:11:05,423 おい おまえら… おい 落ち着け。 108 00:11:05,423 --> 00:11:10,923 そのころ 海の上のイギリス船では…。 109 00:12:26,804 --> 00:12:30,475 (松前崇広)パークスは 勅許が取れねば公儀を無視して➡ 110 00:12:30,475 --> 00:12:33,745 じかに朝廷と話をすると申しております。 111 00:12:33,745 --> 00:12:37,615 (徳川家茂)しかし 天子様が 今更 勅許などなさるはずがない。 112 00:12:37,615 --> 00:12:40,084 (阿部正外)ははっ。 これまで➡ 113 00:12:40,084 --> 00:12:42,420 どうにか ぶらかしてまいりましたゆえ➡ 114 00:12:42,420 --> 00:12:45,757 もうちいっとは どうにかならぬものかと…。 115 00:12:45,757 --> 00:12:49,093 (永井尚志)しかし 兵庫の開港は 苦難に苦難を重ね➡ 116 00:12:49,093 --> 00:12:51,996 どうにかこうにか 5年引き延ばしておりまする。 117 00:12:51,996 --> 00:12:53,965 これ以上は無理かと…。 118 00:12:53,965 --> 00:12:57,435 (阿部)フランスは かばってくれぬのか? 119 00:12:57,435 --> 00:13:01,105 申しはしましたが エゲレスの新しい公使 パークスが➡ 120 00:13:01,105 --> 00:13:06,305 まことに強硬なため これ以上は守れぬと…。 121 00:13:08,446 --> 00:13:10,446 そうか…。 122 00:13:12,116 --> 00:13:16,621 しかし 僭越ながら➡ 123 00:13:16,621 --> 00:13:20,921 まことに勅許など入り用でしょうか。 124 00:13:23,127 --> 00:13:27,932 日の本を東照大権現様の御代より 長らく守ってきたのは公儀でございます。 125 00:13:27,932 --> 00:13:30,468 国の差配は公儀がするもの。 126 00:13:30,468 --> 00:13:32,436 (松前)そのとおり。➡ 127 00:13:32,436 --> 00:13:37,074 天子様も朝廷も世のことなど 全く分かっておりませぬ。 128 00:13:37,074 --> 00:13:42,246 さよう。 こうなれば上様 公儀の権威にかけて➡ 129 00:13:42,246 --> 00:13:47,885 勅許などなくとも 兵庫の港を 開くべきでございまする! 130 00:13:47,885 --> 00:13:50,588 そのとおりじゃ…。 131 00:13:50,588 --> 00:13:52,788 (慶喜)たわけたことを申されるな! 132 00:13:55,092 --> 00:13:58,129 公儀の専断による条約など 不可に決まっておりまする。 133 00:13:58,129 --> 00:14:02,433 このような大きな事柄は 朝廷の勅許があってこそ収まる。➡ 134 00:14:02,433 --> 00:14:07,233 その前提を無視されれば 国の根源が崩れますぞ。 135 00:14:12,109 --> 00:14:16,280 (阿部)ならば禁裏御守衛総督様は どうなさるおつもりか?➡ 136 00:14:16,280 --> 00:14:20,151 エゲレスのパークスは もう今にも京に入るのだぞ! 137 00:14:20,151 --> 00:14:22,620 勅許などいらぬ。 138 00:14:22,620 --> 00:14:26,123 朝廷など どうせ口を出すばかりで 何もせぬのだ。➡ 139 00:14:26,123 --> 00:14:29,627 無視すればよい。 140 00:14:29,627 --> 00:14:31,927 (阿部)しかり! 141 00:14:37,869 --> 00:14:41,072 (孝明天皇)慶喜よ。➡ 142 00:14:41,072 --> 00:14:44,575 公儀が 朕の許しもなしに➡ 143 00:14:44,575 --> 00:14:49,275 港を開くつもりであるというは まことか? 144 00:14:53,885 --> 00:14:56,254 なんと…。 145 00:14:56,254 --> 00:14:59,891 (中川宮朝彦親王) これは明らかなる違勅でございまする! 146 00:14:59,891 --> 00:15:03,594 (正親町三条実愛) お上を侮辱するとは許せぬ! 147 00:15:03,594 --> 00:15:10,768 「勅許をいらぬ」と言うた 老中の阿部 松前両名は罷免させなはれ! 148 00:15:10,768 --> 00:15:13,604 正親町三条様 それは…! (正親町三条実愛)何じゃ。 149 00:15:13,604 --> 00:15:15,904 不服と申すか。 150 00:15:19,911 --> 00:15:28,452 松前様 阿部様を罷免いたすよう 朝廷よりの仰せがございました。 151 00:15:28,452 --> 00:15:30,388 罷免? 152 00:15:30,388 --> 00:15:33,724 (泣き声) 153 00:15:33,724 --> 00:15:37,228 これも一橋の陰謀。 154 00:15:37,228 --> 00:15:41,399 京と組み このような仕打ちを…。 155 00:15:41,399 --> 00:15:45,699 いいや。 これは全て私の責。 156 00:15:47,271 --> 00:15:52,043 そなたらは私を助け まことによくやってくれた。 157 00:15:52,043 --> 00:15:55,246 私の力が足りず…。 158 00:15:55,246 --> 00:15:57,748 (栗本)否。 159 00:15:57,748 --> 00:16:01,948 上様ゆえに ここまで来られたのでございます。 160 00:16:04,422 --> 00:16:12,222 朝廷や一橋様がこうした挙に出るならば ご先祖様への面目もなし。 161 00:16:20,972 --> 00:16:26,110 かくなる上は… 速やかに➡ 162 00:16:26,110 --> 00:16:31,282 征夷大将軍の大任を 辞してはいかがでしょうか。➡ 163 00:16:31,282 --> 00:16:37,088 もし上様がお辞めになるならば… 朝廷など どうせ何もできますまい。 164 00:16:37,088 --> 00:16:40,091 (永井)栗本…。 京だけで日の本を回せると思うなら➡ 165 00:16:40,091 --> 00:16:43,561 やってみたらいいのだ! 166 00:16:43,561 --> 00:16:47,732 (家茂)いいや…➡ 167 00:16:47,732 --> 00:16:52,403 あるいは 一橋殿ならできるのかもしれぬ。 168 00:16:52,403 --> 00:16:55,873 そのようなことは決してございませぬ。 169 00:16:55,873 --> 00:17:00,244 一橋様も あくまで 上様をお支えしたいと申しておいでです。 170 00:17:00,244 --> 00:17:02,179 そんな言が信じられるものか! 171 00:17:02,179 --> 00:17:04,179 (家茂)もうよい。 172 00:17:08,419 --> 00:17:16,293 私はこれより 将軍職を一橋慶喜殿に譲り➡ 173 00:17:16,293 --> 00:17:19,293 江戸に戻る。 174 00:18:00,404 --> 00:18:02,873 上様! 上様! 175 00:18:02,873 --> 00:18:04,809 上様! お待ちください…。 176 00:18:04,809 --> 00:18:08,009 よい! 下がっておれ。 177 00:18:15,252 --> 00:18:18,752 上様 なぜ このようなことを…。 178 00:18:22,126 --> 00:18:29,926 知ってのとおり 私は攘夷を果たすことも 勅許を得ることもできぬ。 179 00:18:32,036 --> 00:18:33,971 あなたならば計らうこともできましょう。 180 00:18:33,971 --> 00:18:35,906 お待ちくだされ。 181 00:18:35,906 --> 00:18:39,710 勅許は私が 命をかけて頂いてまいりまする。 182 00:18:39,710 --> 00:18:44,381 それゆえ どうか 将軍職辞職は思いとどまりください。 183 00:18:44,381 --> 00:18:51,555 今 旗本8万騎の臣下を 動かしておられるのは上様でございます。 184 00:18:51,555 --> 00:18:55,426 上様あってこそ臣下は懸命に励むのです。 185 00:18:55,426 --> 00:18:59,430 私が将軍になったところで 誰もついてはこぬ。 186 00:18:59,430 --> 00:19:01,630 国は亡びましょう。 187 00:19:06,737 --> 00:19:10,537 将軍は あなた様でなくてはならぬのです。 188 00:19:15,446 --> 00:19:17,946 一橋殿…。 189 00:19:22,753 --> 00:19:27,091 公儀が調印いたした 条約の勅許をお願いいたしまする。➡ 190 00:19:27,091 --> 00:19:33,697 勅許を頂けねば 兵隊は天子様をも憚らず 京に入ることとなりましょう。 191 00:19:33,697 --> 00:19:37,701 夷狄が御所に? そんなことがあってはならん! 192 00:19:37,701 --> 00:19:41,572 何としても お上は勅許いたしませぬ。 193 00:19:41,572 --> 00:19:47,372 こうなった責任を取り 将軍は辞職しなはれ。 194 00:19:49,547 --> 00:19:52,216 正親町三条様。 195 00:19:52,216 --> 00:19:56,720 将軍を辞職されよとは どなたのご意見か? 196 00:19:56,720 --> 00:20:02,226 某は あなたのもとに薩摩の者どもが 出入りしていることを存じておる。 197 00:20:02,226 --> 00:20:07,064 これほどの大事を 誰かに唆されたとあっては➡ 198 00:20:07,064 --> 00:20:09,364 そのままでは済ませぬぞ。 199 00:20:16,073 --> 00:20:20,578 なるほど。 これほど申し上げても お許しがないのであれば…➡ 200 00:20:20,578 --> 00:20:24,081 某は責を取り 切腹いたす以外にございませぬ。 201 00:20:24,081 --> 00:20:27,418 (中川宮) 一橋殿。 またそのようなお戯れを…。 202 00:20:27,418 --> 00:20:29,418 戯れではござらぬ! 203 00:20:31,255 --> 00:20:34,091 また某も不肖ながら 多少の兵を持っております。 204 00:20:34,091 --> 00:20:36,126 腹を切った後に家臣どもが➡ 205 00:20:36,126 --> 00:20:38,596 おのおの方に いかなることを しでかすかは➡ 206 00:20:38,596 --> 00:20:41,498 責を負いかねますゆえ ご覚悟を。 207 00:20:41,498 --> 00:20:43,498 そ それは…。 208 00:20:46,904 --> 00:20:49,404 (孝明天皇)二条…。 209 00:20:51,108 --> 00:20:53,043 人払いを。 210 00:20:53,043 --> 00:20:58,282 (二条斉敬)ははっ。 人払いを。 211 00:20:58,282 --> 00:21:19,570 ♬~ 212 00:21:19,570 --> 00:21:22,870 近う寄れ。 ははっ。 213 00:21:28,145 --> 00:21:35,886 朕は 決して家茂や公儀を憎んではいない。 214 00:21:35,886 --> 00:21:39,089 憎きは長州じゃ。 215 00:21:39,089 --> 00:21:42,426 いまだ降参せぬとは何事ぞ。 216 00:21:42,426 --> 00:21:44,426 ははっ。 217 00:21:46,764 --> 00:21:52,269 (孝明天皇)外国のことは 慶喜がそこまで言うのであれば…➡ 218 00:21:52,269 --> 00:21:59,569 朕は 慶喜の言うことを信じよう。 219 00:22:02,446 --> 00:22:05,115 幕府は 7年越しに➡ 220 00:22:05,115 --> 00:22:10,815 修好通商条約の勅許を 得ることができました。 221 00:22:18,462 --> 00:22:20,497 そうか! 222 00:22:20,497 --> 00:22:25,297 ようやく天子様も お認めになったか…。 223 00:22:28,472 --> 00:22:32,443 (佐登)やすさんが参られましたよ。 おお ハハハ…。 224 00:22:32,443 --> 00:22:36,280 (やす)今日は随分とご機嫌なご様子で。 あぁ。 225 00:22:36,280 --> 00:22:39,980 はい。 おお ハハハハ…。 226 00:22:42,019 --> 00:22:48,258 一橋様のおかげで あのころの苦労が ようやっと報われた。 227 00:22:48,258 --> 00:22:53,597 俺はプチャーチンをぶらかし ハルリスを上様に目通りさせ…➡ 228 00:22:53,597 --> 00:22:58,268 そうよ 俺は国なんか 早く開いちまえと思ってたのさ。 229 00:22:58,268 --> 00:23:01,605 フフ。 長崎へは東湖殿に頼まれ➡ 230 00:23:01,605 --> 00:23:04,108 原 市之進を供に連れてってよ。 231 00:23:04,108 --> 00:23:07,978 一橋様のところには円四郎を推挙して…。 232 00:23:07,978 --> 00:23:12,282 えぇえぇ。 あの人 本当にうれしそうに➡ 233 00:23:12,282 --> 00:23:16,282 人が変わったみたいに よく働いて…。 234 00:23:18,922 --> 00:23:21,222 あんなことに。 235 00:23:22,793 --> 00:23:27,664 うん… うん。 236 00:23:27,664 --> 00:23:32,403 寂しいことだが やす 俺はな➡ 237 00:23:32,403 --> 00:23:38,208 みんなの分まで 新しい徳川の夜明けを見届けるまで➡ 238 00:23:38,208 --> 00:23:41,111 くたばるわけにはいかねえよ。 239 00:23:41,111 --> 00:23:44,748 えぇ 長生きしてくださいまし。 240 00:23:44,748 --> 00:23:47,248 ああ。 241 00:23:48,752 --> 00:23:55,252 一橋様がおられれば きっと徳川は大丈夫だ。 242 00:23:57,261 --> 00:23:59,897 (大久保一蔵) 幕府は もはや追い詰められ➡ 243 00:23:59,897 --> 00:24:03,434 血に狂うたとしか思えもはん。➡ 244 00:24:03,434 --> 00:24:07,271 フランスと組んで長州を潰し➡ 245 00:24:07,271 --> 00:24:13,076 そんあとは 我が薩摩をも 潰す気に違いあいもはん。 246 00:24:13,076 --> 00:24:18,982 老中なども「大名を潰し 徳川が国をじかに治める」と➡ 247 00:24:18,982 --> 00:24:21,285 堂々と論じておるとのこと。 248 00:24:21,285 --> 00:24:27,624 (松平春嶽) しかし 将軍が日の本一家の主となり➡ 249 00:24:27,624 --> 00:24:37,868 全国の力を集中させるというのは 本を正せば 左内の考えだ。 250 00:24:37,868 --> 00:24:41,738 (橋本左内) まず 一橋様という優れた公方様を定め➡ 251 00:24:41,738 --> 00:24:46,877 それを親藩 譜代 外様の差別なく 有為のお方が支えます。 252 00:24:46,877 --> 00:24:52,749 例えば 事務宰相は 我が殿と水戸のご老公➡ 253 00:24:52,749 --> 00:24:56,420 そして 島津殿の3人。 254 00:24:56,420 --> 00:24:59,890 外国宰相には佐賀の鍋島閑叟様…。 255 00:24:59,890 --> 00:25:04,590 (春嶽)左内が今の世に生きておれば…。 256 00:25:06,597 --> 00:25:13,904 幕府にも もはや 左内殿の夢をかなえるもんはなか。 257 00:25:13,904 --> 00:25:18,442 我が国父様や薩摩ん殿は➡ 258 00:25:18,442 --> 00:25:24,142 そろそろ 幕府を見限るべきかと 考えちょいもす。 259 00:25:25,782 --> 00:25:28,685 幕府を見限る? 260 00:25:28,685 --> 00:25:34,224 越前様。 どうか京にお上りを。 261 00:25:34,224 --> 00:25:37,127 ほして 才知あるもんで➡ 262 00:25:37,127 --> 00:25:41,427 異国に堂々と立ち向かえる日本を 作いもんそ。 263 00:25:50,741 --> 00:25:53,577 え? 殿が寝込んでいらっしゃる? 264 00:25:53,577 --> 00:25:57,447 (猪飼勝三郎) うむ。 もう大事はないと思うが➡ 265 00:25:57,447 --> 00:26:02,286 大坂の務めで よほどお疲れになったものと思われる。 266 00:26:02,286 --> 00:26:04,888 そうでしたか。 267 00:26:04,888 --> 00:26:08,592 提言をと思っていましたが…。 268 00:26:08,592 --> 00:26:12,896 またか。 そなたは話が長いゆえ➡ 269 00:26:12,896 --> 00:26:16,433 お疲れの殿には 会わせるわけにはまいらぬ。 270 00:26:16,433 --> 00:26:19,903 ならば聞いてください。 271 00:26:19,903 --> 00:26:21,838 物産所のことです。 うん…。 272 00:26:21,838 --> 00:26:26,109 某は 播磨の木綿を一括して売り買いする 物産所を設けました。 273 00:26:26,109 --> 00:26:28,445 おお…。 ああっ! この先 木綿を➡ 274 00:26:28,445 --> 00:26:30,480 一橋の名物とするためには➡ 275 00:26:30,480 --> 00:26:33,417 こしらえる百姓から それを なるたけ高く買い取り➡ 276 00:26:33,417 --> 00:26:36,720 そして それを なるたけ安く売る工夫が必要となります。 277 00:26:36,720 --> 00:26:39,222 うむ… ん? いや 待て。 278 00:26:39,222 --> 00:26:43,860 高く買って安く売るのでは… 物産所が もうからぬのではないか? 279 00:26:43,860 --> 00:26:45,796 物産所で もうけようとは 思っておりません。 280 00:26:45,796 --> 00:26:49,666 しかし…。 某は 幼ぇ頃から藍葉を買いに➡ 281 00:26:49,666 --> 00:26:52,235 信州や上州を回っておりました。 282 00:26:52,235 --> 00:26:54,871 (渋沢市郎右衛門)いやんばいす。 283 00:26:54,871 --> 00:27:01,578 その時 父は… いつもよい葉を見極め 必ず高く買い付けた。 284 00:27:01,578 --> 00:27:05,248 すると その百姓は 「次もよい葉を作るべぇ」と➡ 285 00:27:05,248 --> 00:27:07,284 必ず励んでくれます。 286 00:27:07,284 --> 00:27:11,121 安く買われた百姓も 「次こそは」と皆で競い➡ 287 00:27:11,121 --> 00:27:14,758 よい葉をたくさん作ってくれた。 288 00:27:14,758 --> 00:27:18,428 父が手を抜かず よい藍を作っていたおかげで➡ 289 00:27:18,428 --> 00:27:23,300 一度手にすれば 買った値以上の 値打ちがあることを分かってもらえる。 290 00:27:23,300 --> 00:27:29,139 よい品が安いとあらば 以降は 必ずよく売れるようになります。 291 00:27:29,139 --> 00:27:32,943 ん…? 一体 何が言いたいのだ? 292 00:27:32,943 --> 00:27:36,643 はぁ… まあ つまり… 293 00:27:46,390 --> 00:27:51,261 仁をもって得た利でなくては 意味を為さねぇ。 294 00:27:51,261 --> 00:27:56,400 上に立つものだけが もうけるなら 御用金を取り立てりゃ早ぇ話です。 295 00:27:56,400 --> 00:28:00,237 しかし それじゃあ どん詰まりだ。 296 00:28:00,237 --> 00:28:05,575 誰かが苦しみ 不平を持てば そこで流れが よどんじまう。 297 00:28:05,575 --> 00:28:10,747 そのために必要なのが 物産所なんですけども これがなかなか…。 298 00:28:10,747 --> 00:28:13,250 おっ… 殿! あ…。 299 00:28:13,250 --> 00:28:17,421 相変わらず息災のようだな。 ははっ。 300 00:28:17,421 --> 00:28:20,257 殿はその あまり息災ではねぇご様子で…。 301 00:28:20,257 --> 00:28:22,192 (猪飼)こら また余計な…。 302 00:28:22,192 --> 00:28:24,895 (原 市之進)殿はお疲れなのだ。 殿 お部屋にお戻りを。 303 00:28:24,895 --> 00:28:30,595 いや 渋沢よ。 話の続きを聞かせろ。 304 00:28:33,203 --> 00:28:35,138 銀札を作る? 305 00:28:35,138 --> 00:28:39,710 年貢米と硝石については 滞りなく進めておりますが➡ 306 00:28:39,710 --> 00:28:42,212 木綿がうまくいきません。 307 00:28:42,212 --> 00:28:49,553 そこで 売り買いの流れをよくするために 一橋の銀札を作りたいのです。 308 00:28:49,553 --> 00:28:54,353 昨今 西の方では このような札は 盛んに作られております。 309 00:28:56,059 --> 00:28:58,562 銭は重たい。 310 00:28:58,562 --> 00:29:03,734 某も商いの際はこう 懐に 銀の切餅を入れて山道を歩きましたが➡ 311 00:29:03,734 --> 00:29:06,069 まっさか難儀いたしました。 312 00:29:06,069 --> 00:29:11,742 紙ならば軽いし 気軽に多くのものを売り買いできる。 313 00:29:11,742 --> 00:29:17,414 いやしかし これらの多くは値打ちが低い。 314 00:29:17,414 --> 00:29:19,449 札に書いてある値打ちはおろか➡ 315 00:29:19,449 --> 00:29:23,220 束で持ってっても 豆腐一つ買えねぇ なんてこともあるほどです。 316 00:29:23,220 --> 00:29:27,090 それは なぜか? いやぁ 気持ちは分かる。 317 00:29:27,090 --> 00:29:30,594 銭ではなく こんな 風吹いたら飛んでっちまいそうな➡ 318 00:29:30,594 --> 00:29:32,562 くしゃみ出たら はな かんじまいそうな紙っ切れに➡ 319 00:29:32,562 --> 00:29:37,200 「これは5分の値打ちがある」 「これは10文だ」など言われても➡ 320 00:29:37,200 --> 00:29:39,900 そう スッとは信用できません。 321 00:29:42,372 --> 00:29:45,709 そう。 信用! 322 00:29:45,709 --> 00:29:48,211 銀札を ただの紙切れではなく➡ 323 00:29:48,211 --> 00:29:52,048 きちんと銭と思ってもらうに 入り用なのは信用だ! 324 00:29:52,048 --> 00:29:56,920 しかるに 一橋が責任を持ってこれを作り これで木綿の売り買いをさせ➡ 325 00:29:56,920 --> 00:30:00,557 真心を持って きちんと値打ちどおりの銀を支払えば➡ 326 00:30:00,557 --> 00:30:06,557 きっと商人も百姓も これを信用し 大いに役立てるように…。 327 00:30:08,298 --> 00:30:10,734 あ 殿…➡ 328 00:30:10,734 --> 00:30:15,071 某の今の話 お分かりになりましたでしょうか? 329 00:30:15,071 --> 00:30:19,871 否。 途中からお主の顔に見入り 聞いていなかった。 330 00:30:21,578 --> 00:30:24,881 なんと! お主は 円四郎ふうに言えば➡ 331 00:30:24,881 --> 00:30:26,950 まこと おかしろい。 332 00:30:26,950 --> 00:30:32,422 このひとつき 実に不毛なことばかりに 気をすり減らせていたゆえ➡ 333 00:30:32,422 --> 00:30:35,622 お主を見て 少しばかり気鬱がなおった。 334 00:30:40,163 --> 00:30:43,363 「仁をもって為す」か…。 335 00:30:45,001 --> 00:30:47,904 お主がまことに信用のできる札を作り➡ 336 00:30:47,904 --> 00:30:51,107 民をも 喜ばせることができるというならば➡ 337 00:30:51,107 --> 00:30:54,444 是非 見てみたいものだ。 338 00:30:54,444 --> 00:30:57,914 あ…。 339 00:30:57,914 --> 00:31:01,414 ははっ! 必ずや やってみせます! 340 00:31:09,526 --> 00:31:14,130 そこだ! そこんとこ もうちっと なんとかなんねぇかい。 341 00:31:14,130 --> 00:31:17,467 まだやんのか? いや これ以上は…。 342 00:31:17,467 --> 00:31:21,938 頼む! この模様が 一橋の信用を左右するんだ。 343 00:31:21,938 --> 00:31:24,938 頼む! あんたの力 出し切ってくれ! 344 00:31:26,776 --> 00:31:28,776 分かったよ…。 345 00:31:36,453 --> 00:31:41,758 よし これを3つに割ってくれ。 え!? 346 00:31:41,758 --> 00:31:47,558 これが 3つそろわねぇと…。 347 00:31:49,499 --> 00:31:51,768 刷れねぇんだい。 348 00:31:51,768 --> 00:31:55,438 はぁ… こら ここ以外では作れへんな。 349 00:31:55,438 --> 00:32:14,791 ♬~ 350 00:32:14,791 --> 00:32:19,629 うお~! ハハハハハ! 351 00:32:19,629 --> 00:32:21,932 おぉ! 352 00:32:21,932 --> 00:32:27,732 お~ ええ出来や! ああ。 ハハハハ…。 353 00:32:29,673 --> 00:32:31,608 (役人)しばらくお待ちを。 354 00:32:31,608 --> 00:32:39,082 こうして篤太夫は 半年をかけて銀札引換所を設立。 355 00:32:39,082 --> 00:32:53,630 ♬~ 356 00:32:53,630 --> 00:32:57,434 ホンマに値打ちどおりの銀に 換えてもらったど。 357 00:32:57,434 --> 00:33:03,239 助かった。 これで ぎょうさん飯食うて また働けるな。 358 00:33:03,239 --> 00:33:06,739 よし わしも行くわ。 359 00:33:09,612 --> 00:33:17,921 おぉ こんなに木綿を作ってくれたとは まことに頭が下がる。 360 00:33:17,921 --> 00:33:22,759 あ… 悪かったのう ひどいこと言うて。 361 00:33:22,759 --> 00:33:24,759 悪かった。 362 00:33:26,629 --> 00:33:30,934 これからも頼む。 頼りにしてんだかんな。 363 00:33:30,934 --> 00:33:33,737 おう 任しとけ。 ああ。 364 00:33:33,737 --> 00:33:36,037 のう! (百姓たち)おぉ! 365 00:33:37,607 --> 00:33:42,078 一橋家は 額面どおりの銀と引き換えたことで➡ 366 00:33:42,078 --> 00:33:46,249 広く信用を得ました。 367 00:33:46,249 --> 00:33:54,758 そして 篤太夫は 一橋家の勘定組頭に抜擢されました。 368 00:33:54,758 --> 00:33:57,594 瞬く間に一橋の懐が安定したと➡ 369 00:33:57,594 --> 00:34:01,765 京のみならず 江戸の家中も驚き 喜んでおる。 370 00:34:01,765 --> 00:34:04,768 ははっ。 371 00:34:04,768 --> 00:34:11,775 領内の民たちも 今はようやく安堵し 紙は使いやすいと喜んでおりまする。 372 00:34:11,775 --> 00:34:19,449 しかし 物産所も硝石の製造所も まだまだこれから。 373 00:34:19,449 --> 00:34:23,749 これからが 腕の見せどころでございまする。 374 00:34:26,322 --> 00:34:28,322 渋沢篤太夫よ。 375 00:34:30,794 --> 00:34:33,696 はっ。 376 00:34:33,696 --> 00:34:35,696 よくやった。 377 00:34:38,234 --> 00:34:40,170 ははっ! 378 00:34:40,170 --> 00:34:44,870 この道で 更なるお役に立てるよう 精進してまいります! 379 00:34:46,576 --> 00:34:53,083 成一郎は 軍制所調役組頭に昇進。 380 00:34:53,083 --> 00:34:58,421 2人は 別々の場所で暮らすことになりました。 381 00:34:58,421 --> 00:35:02,292 金はまた小石川の牢に送るか。 382 00:35:02,292 --> 00:35:05,295 こうして間を空けず送り続けていれば➡ 383 00:35:05,295 --> 00:35:10,900 長七郎も 牢から出る望みを 捨てねぇでいてくれるかもしれねぇ。 384 00:35:10,900 --> 00:35:13,200 うむ。 385 00:35:14,771 --> 00:35:20,443 しかし 身分が上がったとはいえ 勘定方とはな。 386 00:35:20,443 --> 00:35:22,378 ん? 387 00:35:22,378 --> 00:35:26,116 断れなかったんか? 388 00:35:26,116 --> 00:35:28,051 なぜだ? なぜ断る? 389 00:35:28,051 --> 00:35:33,223 せっかく武士になったというのに 勘定もあるめぇ。 390 00:35:33,223 --> 00:35:37,060 百姓や商人相手に 金のことばかり こつこつやるんでは➡ 391 00:35:37,060 --> 00:35:40,730 村にいた頃と変わらぬ。 392 00:35:40,730 --> 00:35:46,870 うむ。 まぁ 俺もそうも思ったが➡ 393 00:35:46,870 --> 00:35:50,070 俺には こっちの方が 合ってるのかもしれねぇ。 394 00:35:52,242 --> 00:35:54,744 殿にお褒めいただいて➡ 395 00:35:54,744 --> 00:36:01,885 おぉ 俺は一橋のお役に立ってんのかと 胸がぐるぐるした。 ハハハ。 396 00:36:01,885 --> 00:36:04,587 お そうだ。 それに聞いた話じゃ➡ 397 00:36:04,587 --> 00:36:11,761 幕府の勘定奉行は今 小栗上野介様という えらくやり手なお方だそうじゃねぇか。 398 00:36:11,761 --> 00:36:15,265 俺は一橋の勘定方として➡ 399 00:36:15,265 --> 00:36:18,965 幕府の勘定方にも負けねぇ差配を してやんべぇ。 400 00:36:21,070 --> 00:36:30,113 勘定勘定というが お主は 殿のまことの苦しみを知らぬ。 401 00:36:30,113 --> 00:36:32,549 あ? 402 00:36:32,549 --> 00:36:37,387 今 幕府は いつ長州を討つかで 一触即発の時分だ。 403 00:36:37,387 --> 00:36:43,560 しかも その長州征討に 薩摩は兵を出さぬと言ってきた。 404 00:36:43,560 --> 00:36:49,866 その薩摩の動きを見て 阿波と尾張も出兵を断ってきた。 405 00:36:49,866 --> 00:36:54,070 そんな中で ご公儀は戦うのだ。 406 00:36:54,070 --> 00:36:56,005 一橋は出兵するのか? 407 00:36:56,005 --> 00:36:58,705 いいや。 まだだ。 408 00:37:01,744 --> 00:37:06,583 この先 一橋がどうなるか分からぬが➡ 409 00:37:06,583 --> 00:37:11,783 俺は 命をかけて殿のために戦う。 410 00:37:17,594 --> 00:37:20,394 命をかけて…。 411 00:37:25,468 --> 00:37:29,105 時々 思うんだ。 412 00:37:29,105 --> 00:37:31,441 俺たちは あの時…➡ 413 00:37:31,441 --> 00:37:34,241 長七郎を 行かせてやるべきだったんじゃねえか。 414 00:37:37,247 --> 00:37:43,386 (尾高長七郎)一介の百姓のこの俺が 老中を斬って名を遺すのだ。 415 00:37:43,386 --> 00:37:45,321 これ以上何を望む? 416 00:37:45,321 --> 00:37:51,060 長七郎が志士として名を残す好機を➡ 417 00:37:51,060 --> 00:37:53,560 俺たちは奪っちまったんだ。 418 00:37:57,567 --> 00:38:01,437 しかし 死んじまったら何にもならねぇ。 は? 419 00:38:01,437 --> 00:38:05,241 死んじまったら何にもならねぇって 言ったんだい! 420 00:38:05,241 --> 00:38:22,091 ♬~ 421 00:38:22,091 --> 00:38:25,291 それは己が決めることだ。 422 00:38:26,963 --> 00:38:33,369 俺はいつか 長七郎とそろって一橋家の雄となる。 423 00:38:33,369 --> 00:38:37,240 おめえは 懐でも守っておれ。 424 00:38:37,240 --> 00:38:40,143 何? 425 00:38:40,143 --> 00:38:42,712 おう 守ってやんべぇじゃねぇか! 426 00:38:42,712 --> 00:38:44,714 懐だって大事だい! 427 00:38:44,714 --> 00:38:55,058 ♬~ 428 00:38:55,058 --> 00:39:04,734 道は違えるが… 互いに身ぃしめて 一橋を強くすんべぇ。 429 00:39:04,734 --> 00:39:25,054 ♬~ 430 00:39:25,054 --> 00:39:28,257 このころ 薩摩は➡ 431 00:39:28,257 --> 00:39:33,029 朝敵である長州と 薩長同盟を締結。 432 00:39:33,029 --> 00:39:36,532 一蔵さあ! (一蔵)才助! おぉ よお戻ったのう。➡ 433 00:39:36,532 --> 00:39:40,036 まあまあ 座らんか。 はい。 434 00:39:40,036 --> 00:39:42,939 いよいよ 我が薩摩を富ませねばないもはん。 435 00:39:42,939 --> 00:39:45,908 まずは富国強兵。 金銀の山を開いて…。 436 00:39:45,908 --> 00:39:49,712 うんにゃ。 そいよりまず おはんの親しいグラバーじゃ。 437 00:39:49,712 --> 00:39:53,549 長州が エゲレスの武器を 大量に買いたいっちゅうとる。 438 00:39:53,549 --> 00:39:56,386 こん先は おいに任せっくいやんせ。 439 00:39:56,386 --> 00:39:59,055 グラバーと話はついちょいもす。 440 00:39:59,055 --> 00:40:04,255 バーミンガムのショルト商会からも ミニエー銃が手に入りもす。 441 00:40:05,928 --> 00:40:14,237 ほうじゃ。 おいは今から京に行き あるお方に会ってくる。 442 00:40:14,237 --> 00:40:16,537 そいは誰でごわすか? 443 00:40:18,408 --> 00:40:21,444 (岩倉具視)こんなものではあかん! 444 00:40:21,444 --> 00:40:25,748 くそぉ! くそぉ! 445 00:40:25,748 --> 00:40:29,948 どうしたら王政復古 果たせるのか…。 446 00:40:32,522 --> 00:40:35,758 あのお方は ホンマに もとはお公家さんか? 447 00:40:35,758 --> 00:40:40,630 必ず攘夷をしろと申しつけるのです。 448 00:40:40,630 --> 00:40:43,433 (村人)まるで山賊の親分じゃ。 449 00:40:43,433 --> 00:40:46,769 あ~! あ~ くそぉ! 450 00:40:46,769 --> 00:40:48,704 何でや~! 451 00:40:48,704 --> 00:40:56,779 そして幕府は いよいよ 2度目の長州征討を始めました。 452 00:40:56,779 --> 00:40:58,779 しかし…。 453 00:41:00,783 --> 00:41:04,654 なぜだ? なぜ これほど苦戦する? 454 00:41:04,654 --> 00:41:10,793 長州は従来の戦と違い 農兵たちは大将の指図なく➡ 455 00:41:10,793 --> 00:41:13,463 それぞれが銃を持って 駆け回っております! 456 00:41:13,463 --> 00:41:15,932 しかも ゲベール銃よりも弾の飛ぶ 新たな銃で➡ 457 00:41:15,932 --> 00:41:20,136 大勢が一気に攻め込んでくるのです! 458 00:41:20,136 --> 00:41:22,636 ミニエー銃か? 459 00:41:24,307 --> 00:41:27,507 そんなものを どこで大量に手に入れた? 460 00:41:29,812 --> 00:41:31,747 まさか…。 461 00:41:31,747 --> 00:41:36,085 (板倉勝静)はっ。 薩摩のしわざとの話も。 462 00:41:36,085 --> 00:41:40,256 阿部殿 井伊殿の兵の多くは弾丸に倒れ➡ 463 00:41:40,256 --> 00:41:42,956 撤退しておるとのこと。 464 00:41:46,762 --> 00:41:52,568 (荒い息遣い) 465 00:41:52,568 --> 00:41:56,772 う…。 (板倉)上様? 466 00:41:56,772 --> 00:42:00,772 大丈夫だ。 大事ない…。 467 00:42:03,646 --> 00:42:06,115 (板倉)上様… 上様!➡ 468 00:42:06,115 --> 00:42:10,786 誰か! 誰か医者を! 469 00:42:10,786 --> 00:42:13,286 上様! 470 00:42:15,925 --> 00:42:22,298 (永井)申し上げます! 大坂城にて 公方様がご不例とのこと! 471 00:42:22,298 --> 00:42:24,233 何!? 472 00:42:24,233 --> 00:42:29,472 よし 右から順に 撃て! 473 00:42:29,472 --> 00:42:32,375 (銃声) 474 00:42:32,375 --> 00:42:34,310 姿勢を崩すな! 475 00:42:34,310 --> 00:42:38,748 矢部殿 矢部殿は陸軍奉行所から 証文の写しを借りてきてください。 476 00:42:38,748 --> 00:42:42,585 (矢部)はっ。 残りは 私が引き受けます。 477 00:42:42,585 --> 00:42:45,488 よし みんな 頑張るべ! 478 00:42:45,488 --> 00:42:48,391 (部下たち)はっ! 479 00:42:48,391 --> 00:42:52,762 時は慶応2年7月…。 480 00:42:52,762 --> 00:42:56,766 ようやく居場所を見つけた 篤太夫の運命も➡ 481 00:42:56,766 --> 00:43:01,771 また大きく変わろうとしていました。 482 00:43:01,771 --> 00:43:04,674 将軍家をお継ぎになってはなりませぬ! 483 00:43:04,674 --> 00:43:08,277 あなたとこうして 腹を割って話してみたかった。 484 00:43:08,277 --> 00:43:13,149 もはやここまでだ。 この一橋も どれほど寂しくなることかと。 485 00:43:13,149 --> 00:43:15,149 いっそ もう辞めちまうか。 486 00:43:16,919 --> 00:43:19,789 お主と違って後悔は少しもない。 487 00:43:19,789 --> 00:43:22,792 次は慶喜が苦しめばよいのです。 488 00:43:22,792 --> 00:43:26,592 殿は 遠い遠いお方になっちまった。 489 00:43:34,103 --> 00:43:38,608 木綿の一大産地だった 播磨国。 490 00:43:38,608 --> 00:43:45,781 姫路藩は 木綿の専売で 藩の財政を立て直しました。 491 00:43:45,781 --> 00:43:50,286 木綿の取り引きが 盛んに行われていた面影が➡ 492 00:43:50,286 --> 00:43:53,986 町の名前に残されています。 493 00:43:55,625 --> 00:43:59,795 この地で作られた木綿は 薄地で柔らかく➡ 494 00:43:59,795 --> 00:44:03,795 遠く離れた江戸でも 人気を博しました。 495 00:44:05,468 --> 00:44:12,808 栄一は 播磨の一橋領内で生産される 木綿に着目します。 496 00:44:12,808 --> 00:44:18,681 江戸時代 加古川水運の集積地であった 高砂市は➡ 497 00:44:18,681 --> 00:44:23,381 人や物資が集まり 大いに にぎわったといいます。 498 00:44:25,388 --> 00:44:30,359 高砂市内の今市に 栄一は会所を開設し➡ 499 00:44:30,359 --> 00:44:36,999 木綿をまとめて買い取ることで その価値を高めました。 500 00:44:36,999 --> 00:44:43,606 更に 商売を円滑に行うために 藩札を発行。 501 00:44:43,606 --> 00:44:50,112 木綿の商いを成功させ 一橋家に富をもたらしました。 502 00:44:50,112 --> 00:44:58,312 栄一は 父のもとで磨いた商才を この地で発揮することとなったのです。 503 00:45:35,424 --> 00:45:37,760 (梅本源之丞) こたびは この私めに➡ 504 00:45:37,760 --> 00:45:40,663 どういった御用向きでございましょう? 505 00:45:40,663 --> 00:45:44,633 (富士島)とある男の鼻を➡ 506 00:45:44,633 --> 00:45:47,436 へし折ってほしい。 507 00:45:47,436 --> 00:45:50,136 「とある男」とは…。 508 00:45:52,308 --> 00:45:57,780 そなたは 我が養父の遠戚。