1 00:00:38,867 --> 00:00:44,006 (渋沢平九郎) 御旗本 渋沢篤太夫が嫡男 渋沢平九郎! 2 00:00:44,006 --> 00:00:45,941 (銃声) 3 00:00:45,941 --> 00:00:48,010 (渋沢篤太夫)平九郎…。 4 00:00:48,010 --> 00:00:52,514 (須永虎之助) 成一郎さんは今や 箱館で戦っておる。 5 00:00:52,514 --> 00:00:54,514 (渋沢成一郎)ああ~! 6 00:00:57,686 --> 00:00:59,621 して 上様は? 7 00:00:59,621 --> 00:01:04,621 (川村恵十郎)水戸から駿府に移られ 謹慎なさっている。 8 00:01:09,865 --> 00:01:14,369 こんばんは。 徳川家康です。 9 00:01:14,369 --> 00:01:19,174 篤太夫は 6年ぶりのふるさとへと向かっています。 10 00:01:19,174 --> 00:01:26,381 ちなみに その付近を治めていた 岡部藩は もうない。 11 00:01:26,381 --> 00:01:34,656 長年 徳川に仕えていた大名たちは 次々と 新政府とやらに恭順した。 12 00:01:34,656 --> 00:01:45,834 そして 新政府とやらは 直轄地に府や県を置き このように…➡ 13 00:01:45,834 --> 00:01:51,006 なんて話は もう野暮ですかな。 14 00:01:51,006 --> 00:01:56,806 いや まずは篤太夫を見守りましょう。 15 00:02:09,691 --> 00:02:11,691 (尾高長七郎)よう 栄一。 16 00:02:19,167 --> 00:02:21,167 長七郎! 17 00:02:23,538 --> 00:02:25,474 出迎えに来てくれたのか!? 18 00:02:25,474 --> 00:02:30,412 ハハハハ…。 どうした その頭は。 19 00:02:30,412 --> 00:02:36,412 あぁ ハハハ…。 20 00:02:39,321 --> 00:02:43,492 俺も変わっちまったが➡ 21 00:02:43,492 --> 00:02:46,492 日本も変わっちまった。 22 00:02:48,830 --> 00:02:53,702 なんと多くの命が奪われたんだ。 23 00:02:53,702 --> 00:02:59,002 まさか平九郎が…。 24 00:03:05,280 --> 00:03:07,980 俺は一体何なんだ! 25 00:03:09,851 --> 00:03:14,523 幕府を倒そうとしたはずが 逆に幕府に仕え➡ 26 00:03:14,523 --> 00:03:19,027 あげく 幕府が倒され➡ 27 00:03:19,027 --> 00:03:23,031 世話になった者の多くが死に 離散し➡ 28 00:03:23,031 --> 00:03:28,170 今はもう主もいねぇ。 喜作は今も…。 29 00:03:28,170 --> 00:03:33,170 相変わらず よくしゃべるのう 栄一。 30 00:03:34,943 --> 00:03:37,643 それを俺に言うか? 31 00:03:39,314 --> 00:03:42,217 悔しいのは俺だ。 32 00:03:42,217 --> 00:03:46,417 俺こそ 何も成し遂げられなかった。 33 00:03:50,826 --> 00:03:52,861 そんなことねぇ。 34 00:03:52,861 --> 00:03:56,998 俺も喜作も お前を追って お前を目指して…➡ 35 00:03:56,998 --> 00:04:00,335 横浜焼き討ちの時も お前の言葉がなければ皆死んでいた。 36 00:04:00,335 --> 00:04:05,035 だが お前は生きておる。 37 00:04:08,210 --> 00:04:12,710 生き残った者には なすべき定めがあると お前が言ったんだ。 38 00:04:28,029 --> 00:04:30,031 これ! ありがとうございます! 39 00:04:30,031 --> 00:04:32,801 おっとっと… あぁ~! 奥だいね はい…。 40 00:04:32,801 --> 00:04:36,104 (渋沢市郎右衛門) おいおいおい みんな慌てるない。 41 00:04:36,104 --> 00:04:38,640 栄一が帰ってくるのは どうせ夜だんべ。➡ 42 00:04:38,640 --> 00:04:41,109 今から そんなに慌ててどうする。 43 00:04:41,109 --> 00:04:44,813 (渋沢ゑい)まぁ 慌ててるんは お前さんではありませんか。 44 00:04:44,813 --> 00:04:46,848 (渋沢うた)じいさま 帯が。 45 00:04:46,848 --> 00:04:50,118 お…。 いいんだ こりゃあこれで。 46 00:04:50,118 --> 00:04:52,654 (三太)旦那さん! 47 00:04:52,654 --> 00:04:54,689 旦那さん 今 坊ちゃんが! 48 00:04:54,689 --> 00:04:56,992 (利吉) もう すぐそこまで来られたそうで! 49 00:04:56,992 --> 00:04:58,927 (吉岡なか)え! 50 00:04:58,927 --> 00:05:15,377 ♬~ 51 00:05:15,377 --> 00:05:21,149 ♬~ 52 00:05:21,149 --> 00:05:24,949 「国破れて山河在り」か…。 53 00:05:26,855 --> 00:05:31,826 何もかも変わっちまったかと思ったが➡ 54 00:05:31,826 --> 00:05:34,296 ここは何も変わらねぇ。 55 00:05:34,296 --> 00:05:49,110 ♬~ 56 00:05:49,110 --> 00:05:51,810 ほい ほい…。 57 00:05:56,651 --> 00:05:59,988 (うた)あれは どこかのお殿様ですか? 58 00:05:59,988 --> 00:06:04,659 いや うた。 あれが お前のとっさまだい。 59 00:06:04,659 --> 00:06:09,531 ほれ どうする。 ハハハハ…。 60 00:06:09,531 --> 00:06:13,001 お~い! 栄一!➡ 61 00:06:13,001 --> 00:06:15,904 栄一! 62 00:06:15,904 --> 00:06:17,904 とっさま! 63 00:06:21,676 --> 00:06:23,611 坊ちゃん! 坊ちゃん! 64 00:06:23,611 --> 00:06:29,150 ハハハハハハハ! おぉ! 坊ちゃん! 久しぶりだいなぁ! 65 00:06:29,150 --> 00:06:32,954 久しぶりだのう! 66 00:06:32,954 --> 00:06:36,624 みんな変わんねぇのう。 いや~ 坊ちゃんは立派になって。 67 00:06:36,624 --> 00:06:39,824 あぁ そうか…。 68 00:06:41,463 --> 00:06:43,463 お千代…。 69 00:06:48,103 --> 00:06:52,303 うた? うたか。 70 00:06:53,975 --> 00:06:58,175 はぁ でっかくなったのう。 71 00:07:00,682 --> 00:07:04,119 伝蔵。 72 00:07:04,119 --> 00:07:06,619 うた おいで。 73 00:07:14,129 --> 00:07:17,665 うた! ハハハハハ! 74 00:07:17,665 --> 00:07:20,502 うた! とっさま! 75 00:07:20,502 --> 00:07:25,340 ああ そうだ とっさまだ! 76 00:07:25,340 --> 00:07:30,211 うた。 いい子にしてたか? 77 00:07:30,211 --> 00:07:34,011 ん? そうか ハハハハ…。 78 00:07:39,287 --> 00:07:41,487 みっともねぇか? 79 00:07:44,159 --> 00:07:46,459 いいえ…。 80 00:07:49,964 --> 00:07:52,464 いいえ。 81 00:07:55,303 --> 00:07:57,603 お帰りなさいまし。 82 00:08:07,649 --> 00:08:10,485 ただいま。 83 00:08:10,485 --> 00:08:21,496 ♬~ 84 00:08:21,496 --> 00:08:25,333 (ゑい)栄一! (なか)栄一! 85 00:08:25,333 --> 00:08:32,533 栄一! 坊ちゃ~ん! 86 00:08:34,943 --> 00:08:36,878 ただいま! 87 00:08:36,878 --> 00:11:27,678 ♬~ 88 00:11:34,989 --> 00:11:40,862 無事のお帰り おめでとうございます。 89 00:11:40,862 --> 00:11:44,699 何だい 改まって。 90 00:11:44,699 --> 00:11:49,537 よかった。 かっさまも元気そうだ。 91 00:11:49,537 --> 00:11:52,674 はあ どこがだいね。 92 00:11:52,674 --> 00:11:58,674 あんたが心配ばっかりかけるせいで すっかり年をとっちまったよ。 93 00:12:00,348 --> 00:12:03,048 ただいま かっさま。 94 00:12:06,521 --> 00:12:09,857 (渋沢宗助)はぁ なんてこったい。 ハハハ。 95 00:12:09,857 --> 00:12:14,162 表に馬まで連れて まるっきし お武家様じゃねぇか。 96 00:12:14,162 --> 00:12:16,698 伯父さん! まさ伯母さん! 97 00:12:16,698 --> 00:12:21,169 (渋沢まさ) はぁ よくのうのうと帰ってきたもんだよ。 98 00:12:21,169 --> 00:12:24,872 勝手に出ていって あっち行ったり こっち行ったり。 99 00:12:24,872 --> 00:12:29,043 そうだい 栄一。 残ったこっちまで 「お前んとこの栄一は変節漢だ」って➡ 100 00:12:29,043 --> 00:12:32,480 どれだけ陰口をたたかれたことか。 101 00:12:32,480 --> 00:12:35,817 そうか。 102 00:12:35,817 --> 00:12:37,752 すまなかった。 103 00:12:37,752 --> 00:12:40,488 まずはその話を ゆっくり聞かねぇとな。 104 00:12:40,488 --> 00:12:44,359 (宗助)そうだ。 無事に帰ってきて なんと めでてぇことか。 105 00:12:44,359 --> 00:12:48,229 (渋沢てい・小声で) 何が めでてぇもんか。➡ 106 00:12:48,229 --> 00:12:52,100 何だい 自分だけ帰ってきて。 107 00:12:52,100 --> 00:12:55,670 (なか)これ おてい。 兄さまが…➡ 108 00:12:55,670 --> 00:13:00,141 兄さまが平九郎さんを 見立て養子になどしなければ…➡ 109 00:13:00,141 --> 00:13:04,941 今頃 平九郎さんは 村で普通に暮らしてたんだに! 110 00:13:07,849 --> 00:13:12,019 平九郎さんは… 平九郎さんは…。 111 00:13:12,019 --> 00:13:17,819 おてい。 それは栄一も よぉく分かってる。 112 00:13:23,030 --> 00:13:25,330 (なか)おてい。 113 00:13:35,309 --> 00:13:38,309 おていの言うとおりだ。 114 00:13:42,083 --> 00:13:45,486 まずは先に 尾高に行ってこようと思う。 115 00:13:45,486 --> 00:13:47,422 尾高のかっさまに…。 116 00:13:47,422 --> 00:13:53,127 いや 尾高は 日を改めて訪ねた方がいい。 117 00:13:53,127 --> 00:13:58,332 今 誰もいねぇからねぇ。 え? 118 00:13:58,332 --> 00:14:03,832 先月 長七郎が亡くなった。 119 00:14:10,011 --> 00:14:12,513 長七郎が…。 120 00:14:12,513 --> 00:14:23,813 ♬~ 121 00:14:30,865 --> 00:14:35,102 (ゑい)はい。 (なか)うわ~ うんまげだに! 122 00:14:35,102 --> 00:14:37,038 よっ… はい。 123 00:14:37,038 --> 00:14:41,876 東の家はもう 横浜に出て 生糸の商い始めたに。 124 00:14:41,876 --> 00:14:48,683 異人の商人相手に まっさか いい値で売りさばいてやった。 125 00:14:48,683 --> 00:14:53,488 横浜に行幸なされた天子様も 拝むことができたしねぇ➡ 126 00:14:53,488 --> 00:14:56,123 もう思い残すこともねぇやねぇ。 127 00:14:56,123 --> 00:14:58,493 ハハハ そうか。 128 00:14:58,493 --> 00:15:01,395 おう あにき。 みんなに鉄道の話をしてやってくんない。 129 00:15:01,395 --> 00:15:06,367 お 鉄道? おぉ あれはな➡ 130 00:15:06,367 --> 00:15:10,104 何棟も連なった長屋に それぞれ車輪がついてて➡ 131 00:15:10,104 --> 00:15:14,509 それが蒸気機関の仕組みで 黒い煙を吐きながら➡ 132 00:15:14,509 --> 00:15:17,144 鉄の道をダダダダダッて進むんだ。 133 00:15:17,144 --> 00:15:19,680 (朔兵衛)じょうききかん? (権兵衛)長屋が進む? 134 00:15:19,680 --> 00:15:25,553 壁一面には 障子ではなく 透き通ったガラスがはめ込んである。 135 00:15:25,553 --> 00:15:28,689 あまりに透き通ってるもんで 民部公子のお供の者が➡ 136 00:15:28,689 --> 00:15:32,960 こう 何度も頭をぶつけておった。 (笑い声) 137 00:15:32,960 --> 00:15:40,468 異人異人と嫌っていたが 異国には これからも大いに学ぶところがある。 138 00:15:40,468 --> 00:15:42,403 そうだ 土産を買ってきたんだい。 139 00:15:42,403 --> 00:15:57,818 ♬~ 140 00:15:57,818 --> 00:16:04,992 栄一 お酒なら持ってぐから 早く座敷に戻んな。 141 00:16:04,992 --> 00:16:09,497 みんな あんたの話を聞きに来てんだ。 142 00:16:09,497 --> 00:16:13,367 そうよ。 あの栄一が 公方様の弟君のお供で➡ 143 00:16:13,367 --> 00:16:15,369 異国まで行って帰ってきたって➡ 144 00:16:15,369 --> 00:16:19,069 村中が「めでてぇ めでてぇ」って 楽しみに待ってたんだ。 145 00:16:21,208 --> 00:16:27,508 そうか。 故郷というのはありがたいもんだ。 146 00:16:30,151 --> 00:16:34,989 (なか)お千代も 尾高で あんだけの不幸があったんだ。➡ 147 00:16:34,989 --> 00:16:38,689 あんたが帰ってきたことが せめてもの救いだに。 148 00:16:41,295 --> 00:16:47,969 うたも 何かを察したんだか ずうっと暗え顔してたんだが。➡ 149 00:16:47,969 --> 00:16:53,641 それが あんたの文が届いてから パッと目が輝いて➡ 150 00:16:53,641 --> 00:16:57,511 毎日 指折り数えて待ってたんだよ。 151 00:16:57,511 --> 00:17:00,314 そうか。 152 00:17:00,314 --> 00:17:02,249 (てい)そうだ…。 153 00:17:02,249 --> 00:17:08,949 うたが無邪気なもんで みんな どんなに救われたか知れねぇ。 154 00:17:10,658 --> 00:17:13,158 (ゑい)そうだね。 155 00:17:22,269 --> 00:17:28,509 「あたんしおん あたんしおん。 どうぞ お急ぎお乗り込みください」。 156 00:17:28,509 --> 00:17:32,079 そしたらよ お前 目の前の扉が ぐぐっと閉じられてよ。 157 00:17:32,079 --> 00:17:34,148 え!? なぜ閉める? 158 00:17:34,148 --> 00:17:38,285 50人ほどを乗せたその箱が…。 箱が? 159 00:17:38,285 --> 00:17:40,221 ふわりと浮かんだ。 160 00:17:40,221 --> 00:17:42,623 おっ! 浮かんだ!? 161 00:17:42,623 --> 00:17:44,959 また栄一のほら話だよ。 162 00:17:44,959 --> 00:17:47,795 ほら話じゃねえ まさ伯母さん。 163 00:17:47,795 --> 00:17:50,698 ちっと お前さん。 お前さん! 164 00:17:50,698 --> 00:17:52,967 ふわりと浮かんだ。 (権兵衛)聞いてた! 165 00:17:52,967 --> 00:17:56,637 聞いてた! あ~ 続き続き! 166 00:17:56,637 --> 00:18:00,307 おぅ そしたらよ お前 そのまま箱が ダ~ッて浮かんでってよ➡ 167 00:18:00,307 --> 00:18:02,977 お前 すげえ高さまで お前 上がって➡ 168 00:18:02,977 --> 00:18:04,912 「死ぬじゃねえか!」つって。 169 00:18:04,912 --> 00:18:08,212 「落ちたら死ぬじゃねえか! 殺す気か!」つって。 170 00:18:25,232 --> 00:18:30,032 (足音) 171 00:18:36,777 --> 00:18:42,950 お千代 朝まで悪かった。 172 00:18:42,950 --> 00:18:46,150 ようやくお前と話せる。 173 00:18:58,299 --> 00:19:02,803 5月の終わりに…➡ 174 00:19:02,803 --> 00:19:05,840 飯能の戦で 喜作さんたちが負けたという話が➡ 175 00:19:05,840 --> 00:19:09,040 村まで聞こえてきました。 176 00:19:13,114 --> 00:19:19,820 3人とも もう死んでしまっただろうって➡ 177 00:19:19,820 --> 00:19:25,620 およしちゃんも私も ほとんど諦めてました。 178 00:19:29,330 --> 00:19:32,030 そしたら…。 179 00:19:35,436 --> 00:19:42,777 喜作さんと兄さまは落ち延びたけど➡ 180 00:19:42,777 --> 00:19:46,477 平九郎が…。 181 00:19:49,450 --> 00:19:54,750 敵兵に追われて 自ら命を絶ったとうわさが…。 182 00:19:56,957 --> 00:20:03,464 (泣き声) 183 00:20:03,464 --> 00:20:06,264 私のせいです。 184 00:20:09,103 --> 00:20:19,313 ずっと お前様や兄さまたちの命が➡ 185 00:20:19,313 --> 00:20:28,022 何よりも一番大事だと ずっと思っていたはずなのに…。 186 00:20:28,022 --> 00:20:33,828 平九郎。 お前はもうお武家様だ。 187 00:20:33,828 --> 00:20:39,828 何があっても 栄一さんに代わり 忠義の道を尽くすのですよ。 188 00:20:42,002 --> 00:20:43,938 はい。 189 00:20:43,938 --> 00:20:48,876 私のせいで…。 190 00:20:48,876 --> 00:20:53,876 私のせいで 平九郎は…。 191 00:20:55,850 --> 00:21:00,020 違う…。 違う。 192 00:21:00,020 --> 00:21:03,357 俺のせいだ。 193 00:21:03,357 --> 00:21:08,229 俺の代わりに幕臣となることが こんなことに つながるなんて➡ 194 00:21:08,229 --> 00:21:12,029 あの時は 思い浮かべることもできなかった。 195 00:21:15,936 --> 00:21:20,136 お前は悪くない。 悪くない。 196 00:21:22,710 --> 00:21:25,045 俺のせいだ。 197 00:21:25,045 --> 00:21:37,625 (泣き声) 198 00:21:37,625 --> 00:22:05,686 ♬~ 199 00:22:05,686 --> 00:22:24,538 ♬~ 200 00:22:24,538 --> 00:22:27,574 (足音) 201 00:22:27,574 --> 00:22:30,274 あ… およしちゃん。 202 00:22:36,116 --> 00:22:42,656 つい数日前の話では 徳川方が箱館府兵を打ち破り➡ 203 00:22:42,656 --> 00:22:45,993 五稜郭を攻め落としたと聞いた。 204 00:22:45,993 --> 00:22:50,331 (渋沢よし)そうですか! よかった。 205 00:22:50,331 --> 00:22:55,631 では 喜作さんたちは 箱館に新しい国を作れるんだいね? 206 00:22:59,006 --> 00:23:06,880 私 あの人が 船で東北に行くって聞いた時は➡ 207 00:23:06,880 --> 00:23:10,880 もう生きて戻る気は ねぇんだろうと思っていました。 208 00:23:13,153 --> 00:23:19,853 あの人は ご公儀のために戦って 死ぬ気なんだって。 209 00:23:22,363 --> 00:23:28,563 でも… 今 無事に勝利したと聞いて 安堵いたしました。 210 00:23:31,805 --> 00:23:36,110 きっと喜作さんも 奮起なされていることでしょう。 211 00:23:36,110 --> 00:23:39,110 私も しっかりしねぇと! 212 00:23:42,883 --> 00:23:45,183 およしちゃん…。 213 00:23:51,692 --> 00:23:55,129 おい! (渋沢成一郎)おぉ 土方! 214 00:23:55,129 --> 00:23:57,629 (高松凌雲)奥に! はい! 215 00:24:00,934 --> 00:24:03,003 松前から戻ったんだな。 216 00:24:03,003 --> 00:24:06,507 このあと 五稜郭で 蝦夷地平定の祝賀会が開かれる。 217 00:24:06,507 --> 00:24:08,442 そうか。 それは行かねば。 218 00:24:08,442 --> 00:24:10,677 (凌雲)私は遠慮する。 219 00:24:10,677 --> 00:24:13,514 負傷者が増えるばかりで 人手も足りぬのだ。 220 00:24:13,514 --> 00:24:15,549 のんきに杯をあげる暇はない。 221 00:24:15,549 --> 00:24:18,249 洗浄を頼む! はい! 222 00:24:21,855 --> 00:24:26,693 あれは… 敵兵も治療しておるのか? 223 00:24:26,693 --> 00:24:31,193 (凌雲) 怪我人に敵も味方も 富豪も貧乏人もない。 224 00:24:34,435 --> 00:24:40,340 私は それを もう一人の渋沢と パリで学んだ。 225 00:24:40,340 --> 00:24:45,840 なるほど。 それが西洋式か。 226 00:24:57,491 --> 00:24:59,691 いやんばいす。 227 00:25:01,829 --> 00:25:04,029 あにぃ…。 228 00:25:07,701 --> 00:25:09,703 待ってくれ あにぃ。 229 00:25:09,703 --> 00:25:12,403 頼む…。 230 00:25:16,009 --> 00:25:22,516 (尾高惇忠)俺とて お前と話がしたい。 231 00:25:22,516 --> 00:25:27,816 しかし もう… 誰にも合わす顔がねぇ。 232 00:25:30,023 --> 00:25:36,630 戦で死ぬことも 忠義を尽くすこともできず➡ 233 00:25:36,630 --> 00:25:38,665 一人 おめおめ生き残るとは…。 234 00:25:38,665 --> 00:25:46,306 いいや あにぃが戦で死なねぇでよかった。 235 00:25:46,306 --> 00:25:49,306 生きててくれてよかった。 236 00:25:51,979 --> 00:25:54,979 合わせる顔がねぇのは俺だ。 237 00:25:58,652 --> 00:26:02,152 パリまで行って ようやく分かったんだ。 238 00:26:03,991 --> 00:26:08,662 銃や剣を手に 戦をするんじゃねぇ。 239 00:26:08,662 --> 00:26:15,335 畑を耕し 藍を売り 歌を詠み➡ 240 00:26:15,335 --> 00:26:23,010 皆で働いて励むことこそが 俺の戦い方だったんだ。 241 00:26:23,010 --> 00:26:26,346 ようやく気付いて…➡ 242 00:26:26,346 --> 00:26:33,954 お千代にも平九郎にも➡ 243 00:26:33,954 --> 00:26:36,857 とっさまにも かっさまにも 本当に申し訳ねぇ。 244 00:26:36,857 --> 00:26:39,293 栄一…。 245 00:26:39,293 --> 00:26:43,463 俺は…➡ 246 00:26:43,463 --> 00:26:49,963 この恥を胸に刻んで… いま一度 前に進みたい。 247 00:26:52,472 --> 00:26:55,672 生きている限り…。 248 00:27:03,183 --> 00:27:07,483 生きている限り…。 249 00:27:12,859 --> 00:27:30,944 ♬~ 250 00:27:30,944 --> 00:27:34,944 さぁ 前を向け 栄一! 251 00:27:37,718 --> 00:27:43,290 俺たちが かつて 悲憤慷慨していたこの世は崩れたぞ。 252 00:27:43,290 --> 00:27:46,290 崩しっぱなしでどうする。 253 00:27:50,797 --> 00:27:56,497 この先こそが お主の励み時だろう。 254 00:28:01,975 --> 00:28:04,175 そうだいな。 255 00:28:08,115 --> 00:28:10,615 そうだい。 256 00:28:12,319 --> 00:28:18,619 生きていれば 新しい世のために できることはきっとある。 257 00:28:20,994 --> 00:28:24,665 あぁ ハハハ…。 258 00:28:24,665 --> 00:28:26,600 そうだい! 259 00:28:26,600 --> 00:28:39,313 ♬~ 260 00:28:39,313 --> 00:28:44,951 喜作を追って 箱館の軍に加わる気はありません。 261 00:28:44,951 --> 00:28:50,824 知り合いに パリの知識があれば 新しい政府で勤め先があると➡ 262 00:28:50,824 --> 00:28:55,295 勧められましたが それも断りました。 263 00:28:55,295 --> 00:29:00,634 まずは すぐにでも 駿府で謹慎なさっている先の上様に➡ 264 00:29:00,634 --> 00:29:05,305 ご挨拶に伺いたいと思っております。 265 00:29:05,305 --> 00:29:08,108 その先のことは まだ…。 266 00:29:08,108 --> 00:29:12,479 商売を始めるか 百姓をするか➡ 267 00:29:12,479 --> 00:29:18,179 先の上様にお会いした後に 一身の方針を定める所存です。 268 00:29:20,220 --> 00:29:22,420 そうか。 269 00:29:24,825 --> 00:29:29,129 それでこそ 俺の栄一だ。 270 00:29:29,129 --> 00:29:33,967 お前がこの家を出ていく時 俺は➡ 271 00:29:33,967 --> 00:29:42,442 「あくまでも道理は踏み外さず まことを貫いてくれ」と言ったが➡ 272 00:29:42,442 --> 00:29:48,615 お前はそれを きちんと守り通してくれた。 273 00:29:48,615 --> 00:29:56,615 おかげで俺は お前の父親だと胸を張っていられる。 274 00:30:00,961 --> 00:30:08,961 とっさま いろいろのご心配 ありがとうございます。 275 00:30:12,305 --> 00:30:17,005 かっさま ありがとうございます。 276 00:30:23,483 --> 00:30:29,122 それから これを…。 277 00:30:29,122 --> 00:30:31,191 何だ? これは。 278 00:30:31,191 --> 00:30:35,829 私が家を出る時 とっさまは 100両下さった。 279 00:30:35,829 --> 00:30:40,700 まあ それを今 お返ししよう というわけではございませんが➡ 280 00:30:40,700 --> 00:30:45,539 まだ故郷に錦を飾るには 程遠い身にて➡ 281 00:30:45,539 --> 00:30:51,378 せめてもの土産としてお納めください。 282 00:30:51,378 --> 00:30:56,149 おやまぁ。 栄一のこういうことに堅いところは➡ 283 00:30:56,149 --> 00:30:59,352 お前様によく似てますねぇ。 284 00:30:59,352 --> 00:31:04,024 バカ… 似てるもんか。 285 00:31:04,024 --> 00:31:07,527 だけんど せっかくのことだ。 286 00:31:07,527 --> 00:31:11,698 ありがたく頂いておこう。 287 00:31:11,698 --> 00:31:17,571 ただ こうなったからには この金子は俺のものだ。➡ 288 00:31:17,571 --> 00:31:22,042 俺の好き勝手に使わせてもらうで。 289 00:31:22,042 --> 00:31:24,042 え? 290 00:31:31,651 --> 00:31:33,687 え…。 291 00:31:33,687 --> 00:31:42,128 お千代 お前は6年もの間➡ 292 00:31:42,128 --> 00:31:45,832 つらいことにも耐え忍んで➡ 293 00:31:45,832 --> 00:31:52,506 実にまめやかに この家のために尽くしてくれた。 294 00:31:52,506 --> 00:31:58,311 そんなことは ふだん 恥ずかしくて言えねぇが➡ 295 00:31:58,311 --> 00:32:03,517 ずっと うれしく思ってた。 296 00:32:03,517 --> 00:32:08,154 これは その褒美と思って とっといてくんない。 297 00:32:08,154 --> 00:32:11,858 いえ そんな…。 いいんだよ。 298 00:32:11,858 --> 00:32:14,358 ずっと寂しかったんべぇ。 299 00:32:16,029 --> 00:32:24,329 なんに ちっとも不服も言わねぇで よく耐えてくれたね。 300 00:32:31,311 --> 00:32:33,311 お義母様…。 301 00:32:42,489 --> 00:32:45,325 ありがとうございます。 302 00:32:45,325 --> 00:32:58,872 ♬~ 303 00:32:58,872 --> 00:33:03,510 あ~ また一から出直しだ。 304 00:33:03,510 --> 00:33:05,545 どうなるんだんべなぁ。 305 00:33:05,545 --> 00:33:10,150 「あやまちて あらためざる。 これを あやまちという」。 306 00:33:10,150 --> 00:33:13,019 うた 孔子様の言葉 覚えてんのか? 307 00:33:13,019 --> 00:33:15,021 へぇ。 308 00:33:15,021 --> 00:33:20,894 そうか。 ハハハハハ… そうだ。 309 00:33:20,894 --> 00:33:25,532 お前のとっさまは過ちばっかりだ。 310 00:33:25,532 --> 00:33:31,332 何よりの過ちは お前たちと離れていたことだ。 311 00:33:33,273 --> 00:33:39,813 行く道を定めたら 今度こそ共に暮らそう。 312 00:33:39,813 --> 00:33:44,985 主も失い もはや どう生きるかも分からぬ。 313 00:33:44,985 --> 00:33:54,185 どこに住むか 何になるかも分からねぇが 今度こそ。 314 00:34:01,001 --> 00:34:02,936 へぇ。 315 00:34:02,936 --> 00:34:06,339 とっさまと暮らせるの? おお。 316 00:34:06,339 --> 00:34:08,274 わぁ! 317 00:34:08,274 --> 00:34:10,844 や~! ハハハハハハハ…。 318 00:34:10,844 --> 00:34:14,714 うた お前 かわいいな ハハ…。 319 00:34:14,714 --> 00:34:19,552 うた 見てろよ。 いくぞ。 320 00:34:19,552 --> 00:34:22,155 よっ よっ よっ よっ おっ おっ おっ…。 321 00:34:22,155 --> 00:34:24,524 お~ すごい! 322 00:34:24,524 --> 00:34:28,028 よっ よっ よっ よっ よっ よっ 危ねぇ! 323 00:34:28,028 --> 00:34:31,228 ほら ほら ほら…。 すごい! 324 00:34:33,466 --> 00:34:39,105 篤太夫は 慶喜のいる駿府に向かいました。 325 00:34:39,105 --> 00:34:42,308 幕府の直轄領だった駿府は➡ 326 00:34:42,308 --> 00:34:47,480 慶喜 そして 江戸を追われた徳川家家臣たちの➡ 327 00:34:47,480 --> 00:34:49,983 受け皿になっていたのです。 328 00:34:49,983 --> 00:34:53,486 そちらは この度の洋行の報告書と➡ 329 00:34:53,486 --> 00:34:57,357 民部公子のため買い求めた 物品調度の目録➡ 330 00:34:57,357 --> 00:35:01,227 そして 費用の余り金 1万両でございます。 331 00:35:01,227 --> 00:35:03,830 (平岡 準)余り金? 1万両? 332 00:35:03,830 --> 00:35:05,765 ははっ。 333 00:35:05,765 --> 00:35:13,139 また こちらは 民部公子から 先の上様へのご直書でございます。 334 00:35:13,139 --> 00:35:17,677 上様に お目通りがかなわぬゆえ これをお渡しし➡ 335 00:35:17,677 --> 00:35:22,677 お返事を 必ず水戸へ届けるようにと 申しつかりました。 336 00:35:24,350 --> 00:35:32,150 数日後 篤太夫は 慶喜のいる宝台院に呼ばれました。 337 00:35:43,303 --> 00:35:45,972 (襖の開閉音) 338 00:35:45,972 --> 00:35:48,308 あ 寺のお方ですか。 339 00:35:48,308 --> 00:35:51,344 かたじけないが 少し炭を足していただけないだろうか。 340 00:35:51,344 --> 00:35:54,144 少し冷えるゆえ もし上様が…。 341 00:35:55,982 --> 00:35:57,982 上様! 342 00:36:01,855 --> 00:36:03,857 今 お座布団を…。 (徳川慶喜)いや。 343 00:36:03,857 --> 00:36:07,857 いやしかし このような古びた畳に…。 いいや このままでよい。 344 00:36:45,298 --> 00:36:52,798 なぜ… なぜ こうなってしまわれたのか…。 345 00:36:57,877 --> 00:37:04,117 政の返上はともかく 鳥羽や伏見の戦にしても➡ 346 00:37:04,117 --> 00:37:06,052 なんとか ほかに手の打ちようが…。 347 00:37:06,052 --> 00:37:11,658 今更 過ぎ去ったことを とやかく申しても➡ 348 00:37:11,658 --> 00:37:14,458 詮方ないことではないか。 349 00:37:16,529 --> 00:37:22,836 私は そなたの嘆きを聞くために 会ったのではない。 350 00:37:22,836 --> 00:37:30,944 そなたが 昭武のフランスでの様子を 告げ報せに来たと聞き➡ 351 00:37:30,944 --> 00:37:34,244 それで会おうと参ったのであるぞ。 352 00:37:44,090 --> 00:37:46,025 ははっ。 353 00:37:46,025 --> 00:37:48,725 恐れ入りました。 354 00:37:54,834 --> 00:38:01,808 民部公子は この2年で 大いなる飛躍を遂げられました。 355 00:38:01,808 --> 00:38:06,479 じかにお顔を拝してお話ができぬ 苦しいお心の内を➡ 356 00:38:06,479 --> 00:38:11,279 上様に伝えてほしいと 申しておいででした。 357 00:38:13,353 --> 00:38:16,053 そうか。 ははっ。 358 00:38:17,991 --> 00:38:21,828 それでは いま一度 この渋沢が➡ 359 00:38:21,828 --> 00:38:26,699 旅のご様子を 余すことなくお話しさせていただきます。 360 00:38:26,699 --> 00:38:30,003 うむ。 聞こう。 361 00:38:30,003 --> 00:38:31,938 ははっ。 362 00:38:31,938 --> 00:38:36,809 まずは ナポレオン三世 謁見式でのご勇姿…➡ 363 00:38:36,809 --> 00:38:42,282 いや もっと初め 船に乗られたその時から➡ 364 00:38:42,282 --> 00:38:45,785 民部公子は立派なご様子でした。 365 00:38:45,785 --> 00:38:50,456 揺れる船をものともせず 堂々と 水戸の侍たちを引き連れ➡ 366 00:38:50,456 --> 00:38:52,792 その美しき立ち姿に➡ 367 00:38:52,792 --> 00:38:56,663 あまたの外国人の客たちも 感嘆し見とれておりました。 368 00:38:56,663 --> 00:39:01,301 また カッフェなる異国の飲み物が 供された折も➡ 369 00:39:01,301 --> 00:39:05,104 慣れぬ味に顔をしかめる 供の者をよそに➡ 370 00:39:05,104 --> 00:39:11,811 西洋茶碗をゆったりと口に運ばれ その優雅なこと。 371 00:39:11,811 --> 00:39:19,319 お仕えする者として また大和男として まことに誇らしゅうございました。 372 00:39:19,319 --> 00:39:22,019 ハハハハ…。 373 00:39:27,193 --> 00:39:30,930 製鉄所の溶鉱炉や反射炉 それから兵器廠➡ 374 00:39:30,930 --> 00:39:34,801 もう見るもの見るもの とてつもない大きさで…。 375 00:39:34,801 --> 00:39:38,604 あ そうだい。 とてつもないと言えばヴィレットだ。 376 00:39:38,604 --> 00:39:41,507 民部公子に帝王学を教授すると。 377 00:39:41,507 --> 00:39:44,944 それがもう こんな大男で。 378 00:39:44,944 --> 00:39:47,280 そのヴィレットが 何かと言うと➡ 379 00:39:47,280 --> 00:39:50,616 「ナポレオンが ナポレオンが」と 威張りくさる。 380 00:39:50,616 --> 00:39:53,519 剣つき鉄砲を見せ 「この剣一つとっても➡ 381 00:39:53,519 --> 00:39:58,491 日本の刀より武器としての値打ちが高い」 などと のたまったゆえ➡ 382 00:39:58,491 --> 00:40:03,096 「笑止! 日本の刀が どれほどの働きを致すかご存じもなく➡ 383 00:40:03,096 --> 00:40:08,901 勝手なご批判 片腹痛うござる」と 某も 朱鞘の太刀を手に立ち上がった。 384 00:40:08,901 --> 00:40:14,201 民部公子が止めてくださらなければ 今にも決闘になるところでございました。 385 00:40:16,309 --> 00:40:19,009 あ…。 386 00:40:23,483 --> 00:40:27,283 大変失礼いたしました。 387 00:40:30,990 --> 00:40:34,190 ハハハ…。 388 00:40:38,331 --> 00:40:43,136 まあとにかく 何から何まで目新しく➡ 389 00:40:43,136 --> 00:40:49,636 それまで何も知らなかった己が 大層ちっぽけに思えました。 390 00:40:57,016 --> 00:40:58,951 渋沢よ。 391 00:40:58,951 --> 00:41:01,888 ははっ。 392 00:41:01,888 --> 00:41:08,161 万里の異国にあって 公儀の瓦解にあい➡ 393 00:41:08,161 --> 00:41:12,461 さぞ苦しく 骨を折ったことであろう。 394 00:41:16,869 --> 00:41:22,742 この度 昭武が障りなく帰国できたのも➡ 395 00:41:22,742 --> 00:41:27,580 ひとえに そなたのおかげだ。 396 00:41:27,580 --> 00:41:30,183 礼を申す。 397 00:41:30,183 --> 00:41:53,339 ♬~ 398 00:41:53,339 --> 00:41:55,839 上様! 399 00:42:02,048 --> 00:42:11,357 いや もう何も申し上げますまい。 400 00:42:11,357 --> 00:42:21,367 しかし… しかし➡ 401 00:42:21,367 --> 00:42:25,037 どんなに ご無念だったことでございましょう。 402 00:42:25,037 --> 00:42:33,746 ♬~ 403 00:42:33,746 --> 00:42:56,946 ♬~ 404 00:43:00,873 --> 00:43:04,677 「駿府藩に渋沢篤太夫というものあり」。 405 00:43:04,677 --> 00:43:06,712 渋沢…。 渋沢か…。 406 00:43:06,712 --> 00:43:09,549 4万両の利ば蓄えた!? 407 00:43:09,549 --> 00:43:13,386 西洋でいうところの「コンパニー」を 始めさせていただきたい。 408 00:43:13,386 --> 00:43:16,155 おもろい。 やはり おかしろき男だ。 409 00:43:16,155 --> 00:43:18,224 生きて日の本の行く末を見届けろ。 410 00:43:18,224 --> 00:43:21,027 あの人は 何で まだ戦ってるんだい…。 411 00:43:21,027 --> 00:43:23,529 徳川のために…。 412 00:43:23,529 --> 00:43:26,029 駿府を救ってくれい。 413 00:43:36,776 --> 00:43:42,076 江戸幕府 初代将軍 徳川家康ゆかりの地です。 414 00:43:44,817 --> 00:43:50,690 駿府城で晩年を過ごした家康は 区画整備や治水事業を行い➡ 415 00:43:50,690 --> 00:43:56,329 現在の市街地の原型を築きました。 416 00:43:56,329 --> 00:43:59,131 近年 天守台が発掘され➡ 417 00:43:59,131 --> 00:44:02,631 その石垣を見ることができます。 418 00:44:05,838 --> 00:44:11,344 明治維新後 静岡が 徳川宗家の領地と定められると➡ 419 00:44:11,344 --> 00:44:14,847 かつての幕臣の多くが移住。 420 00:44:14,847 --> 00:44:19,647 水戸にいた慶喜も 静岡に移り住みます。 421 00:44:22,722 --> 00:44:28,027 徳川家康ゆかりの寺 宝台院。 422 00:44:28,027 --> 00:44:31,964 家康の守り本尊が祀られている この寺で➡ 423 00:44:31,964 --> 00:44:35,264 慶喜は謹慎しました。 424 00:44:37,103 --> 00:44:41,641 慶喜の変わり果てた暮らしぶりを 目の当たりにした栄一は➡ 425 00:44:41,641 --> 00:44:46,112 思わず涙ぐみ 頭を上げることができなかったと➡ 426 00:44:46,112 --> 00:44:49,649 後に語っています。 427 00:44:49,649 --> 00:44:53,986 およそ2年ぶりに再会を果たした 慶喜と栄一は➡ 428 00:44:53,986 --> 00:44:57,986 この地で新しい生き方を模索します。 429 00:45:32,925 --> 00:45:46,625 ♬~ 430 00:45:49,008 --> 00:45:51,911 お待ち遠さま。 (印南)お~! さあ 飲め。 431 00:45:51,911 --> 00:45:56,349 もっと飲め。 (橋本)はい。 金の心配は いらんぞ。