1 00:00:33,734 --> 00:00:37,605 こんばんは。 徳川家康です。 2 00:00:37,605 --> 00:00:43,144 さて 明治元年も年末だ。 3 00:00:43,144 --> 00:00:47,949 私の作った世界有数の大都市「江戸」は➡ 4 00:00:47,949 --> 00:00:53,488 「東京」に変わるやいなや すっかり寂れてしまいました。 5 00:00:53,488 --> 00:00:59,961 大名は国元へ帰り 商人や町人も多くが去り➡ 6 00:00:59,961 --> 00:01:04,832 100万人を超える人口は半分以下になった。 7 00:01:04,832 --> 00:01:10,505 一方… 私の隠居所でもあった駿府では➡ 8 00:01:10,505 --> 00:01:14,976 まだ6歳の当主 徳川家達のもとに➡ 9 00:01:14,976 --> 00:01:18,846 行き場を失った幕臣やその家族など➡ 10 00:01:18,846 --> 00:01:23,351 10万人が一気に流れてきました。 11 00:01:23,351 --> 00:01:29,690 とはいえ 徳川の石高は もとの10分の1。 12 00:01:29,690 --> 00:01:39,500 多くが仕官できず 先の見込みもなく フリーター状態となってしまいました。 13 00:01:39,500 --> 00:01:44,300 そんな中 篤太夫は…。 14 00:01:46,140 --> 00:01:51,840 (平岡 準)渋沢篤太夫に 駿府藩の勘定組頭を申しつける。 15 00:01:53,814 --> 00:01:59,687 (準)仕官できてよかったのう。 今日から早速励むように。 16 00:01:59,687 --> 00:02:02,957 (渋沢篤太夫)いいえ お受けできませぬ。 17 00:02:02,957 --> 00:02:04,892 うん? 18 00:02:04,892 --> 00:02:07,328 某は 民部公子に頼まれ➡ 19 00:02:07,328 --> 00:02:11,199 上様のご返書を受け取りに 駿府に参ったのみでございまする。 20 00:02:11,199 --> 00:02:14,669 そのご返書なら 当方から じかに差し出すゆえ➡ 21 00:02:14,669 --> 00:02:17,169 そなたが持参する必要はなくなった。 22 00:02:18,839 --> 00:02:20,775 それは異なこと。 23 00:02:20,775 --> 00:02:24,345 民部公子は 「必ず届けよ」と仰せになられた。 24 00:02:24,345 --> 00:02:28,983 上様のご様子をじかに聞きたいという 兄弟の情さえ かなえていただけぬとは➡ 25 00:02:28,983 --> 00:02:30,918 なんたる非情。 いや しかし…。 26 00:02:30,918 --> 00:02:32,987 渋沢。 27 00:02:32,987 --> 00:02:39,126 そなたを駿府に残せとは 前様のお取り計らいだ。➡ 28 00:02:39,126 --> 00:02:45,466 そなたも平岡円四郎のことは 存じておるであろう。 29 00:02:45,466 --> 00:02:49,637 水戸は 天狗党の一件が火種となり➡ 30 00:02:49,637 --> 00:02:54,508 武田耕雲斎の孫らが 報復に明け暮れているという。➡ 31 00:02:54,508 --> 00:02:59,947 今 そなたを水戸にやれば きっと民部公子に重く用いられよう。➡ 32 00:02:59,947 --> 00:03:04,819 さすれば 必ずや妬まれ 平岡の二の舞になりかねぬ。➡ 33 00:03:04,819 --> 00:03:09,819 その情けが そなたには分からぬか? 34 00:03:11,559 --> 00:03:14,528 (ため息) 35 00:03:14,528 --> 00:03:17,328 上様には かないませぬ。 36 00:03:19,367 --> 00:03:24,138 某の思慮が足りず お恥ずかしい限り…。 37 00:03:24,138 --> 00:03:27,975 それでは思し召しどおり とどまります。 38 00:03:27,975 --> 00:03:30,775 うむ それがよい。 39 00:03:32,780 --> 00:03:38,586 しかし 勘定組頭への仕官は 辞退させていただきたい。 40 00:03:38,586 --> 00:03:40,521 (準)は? 41 00:03:40,521 --> 00:03:45,293 今や 駿府徳川家は 70万石の大名にすぎず➡ 42 00:03:45,293 --> 00:03:52,466 そこに 800万石の頃からの家臣たちが 養ってほしいと押し寄せている。 43 00:03:52,466 --> 00:03:58,272 某は いっときでも幕臣としていただいた 百姓の矜持として➡ 44 00:03:58,272 --> 00:04:05,046 禄を頂くことなく この地で百姓か あるいは商いをして➡ 45 00:04:05,046 --> 00:04:09,246 心穏やかに余生を過ごしたく存じます。 46 00:04:15,656 --> 00:04:18,326 (徳川慶喜)百姓か商いをしたいだと? 47 00:04:18,326 --> 00:04:25,666 ははっ。 仕官できず 食うに困る者も 多くおるのだとは申したのですが➡ 48 00:04:25,666 --> 00:04:30,171 「百姓の矜持」などと申しまして。 49 00:04:30,171 --> 00:04:33,471 百姓の矜持…。 50 00:04:36,777 --> 00:04:40,077 やはり おかしろき男だ。 51 00:04:44,452 --> 00:04:49,123 前様も あのようなお顔をなさるのだな…。 52 00:04:49,123 --> 00:04:51,459 はあ。 53 00:04:51,459 --> 00:04:54,659 渋沢か…。 54 00:04:57,932 --> 00:04:59,867 「民部公子様。➡ 55 00:04:59,867 --> 00:05:03,738 先日 先の上様に 拝謁がかない➡ 56 00:05:03,738 --> 00:05:08,142 万里も離れたパリにて 公儀が倒れたことを知り➡ 57 00:05:08,142 --> 00:05:12,642 さぞ苦労があっただろうと お言葉を頂きました」。 58 00:05:21,322 --> 00:05:26,961 「水戸へと向かう所存でありましたが 駿府での任を命ぜられました。➡ 59 00:05:26,961 --> 00:05:33,601 忠義を尽くせず 残念極まりなく存じます。➡ 60 00:05:33,601 --> 00:05:40,908 どうか民部公子様と また 某が幼き頃より敬う水戸の➡ 61 00:05:40,908 --> 00:05:44,708 この先のご多幸をお祈りしております」。 62 00:05:46,447 --> 00:05:51,947 (徳川昭武)やはり… 兄と渋沢との仲は スペシアルなのだな。 63 00:05:59,994 --> 00:06:03,994 殿 どうされました? 64 00:06:06,467 --> 00:06:08,402 母上。 65 00:06:08,402 --> 00:06:14,102 かつて「国を守る」と最初に声を上げたのは この水戸でありました。 66 00:06:17,645 --> 00:06:26,320 長州や薩摩も あれほど 父や水戸の教えを尊んでいたというのに➡ 67 00:06:26,320 --> 00:06:31,520 今や水戸は 新しき政府の蚊帳の外。 68 00:06:34,595 --> 00:06:40,095 しかし 我らにも まだ できることはございましょう。 69 00:06:42,102 --> 00:06:44,402 (菊池平八郎)殿…。 70 00:06:46,440 --> 00:06:49,109 前を向かねば。 71 00:06:49,109 --> 00:06:52,109 パリで共に過ごした皆に恥じぬよう。 72 00:06:58,452 --> 00:07:04,252 そのお言葉 烈公もお喜びでございましょう。 73 00:07:14,001 --> 00:07:16,837 こうして篤太夫は…➡ 74 00:07:16,837 --> 00:07:21,809 駿府で 新しい道を歩み始めました。 75 00:07:21,809 --> 00:10:12,913 ♬~ 76 00:10:12,913 --> 00:10:16,784 杉浦は 駿府の学問所に勤めておるのか。 77 00:10:16,784 --> 00:10:23,457 あぁ。 幕臣の子弟だけでなく 身分を問わず 漢学や洋学を教えている。 78 00:10:23,457 --> 00:10:26,493 ふ~ん。 それはよい。 79 00:10:26,493 --> 00:10:29,493 僕は洋行できたからよかった…。 80 00:10:31,198 --> 00:10:34,168 (小声で) 禄もなく 扶持米で食いつないでいる➡ 81 00:10:34,168 --> 00:10:37,471 元幕臣の方がずっと多い。➡ 82 00:10:37,471 --> 00:10:43,143 駿府に流れてきたものの 空き家や馬小屋に泊まるほかなく➡ 83 00:10:43,143 --> 00:10:47,843 民から「お泊まりさん」と呼ばれ 厄介者扱いだそうだ。 84 00:10:52,152 --> 00:10:54,652 川村様…。 85 00:10:56,323 --> 00:10:59,159 (準)いた! 渋沢! 86 00:10:59,159 --> 00:11:01,095 パリの支出の説明は終わりました。 87 00:11:01,095 --> 00:11:03,030 いいや 私は諦めぬぞ。 88 00:11:03,030 --> 00:11:05,666 そなたを勘定方に推薦したのは私だ。 89 00:11:05,666 --> 00:11:08,702 かつて 謀反人の大沢を捕縛した時の 肝の据わり方。➡ 90 00:11:08,702 --> 00:11:11,839 それのみならず あの詳しい勘定書。 91 00:11:11,839 --> 00:11:15,342 そなたよりほかに 駿府の勘定組頭に適任の者はおらぬ! 92 00:11:15,342 --> 00:11:19,042 いえ! 某は 禄を頂く気はありませぬ。 93 00:11:21,849 --> 00:11:26,186 頼む。 今は太政官札で どうにかなっているが この先…。 94 00:11:26,186 --> 00:11:28,222 太政官札? 95 00:11:28,222 --> 00:11:33,422 (三野村利左衛門)新政府様が出した 太政官札でございますよ。 96 00:11:34,995 --> 00:11:38,132 その太政官札 見せてもらえますか? 97 00:11:38,132 --> 00:11:42,803 (準)これだ。 新政府が 諸藩の財政を救うために➡ 98 00:11:42,803 --> 00:11:46,673 石高に応じて 1石1両の割で各藩に貸し付けたのだ。 99 00:11:46,673 --> 00:11:50,944 利子は? 年3分 13か年賦だ。 100 00:11:50,944 --> 00:11:57,718 我が駿府藩は70万石なので 70万両のうち 取り急ぎ 年内に53万両を頂き…。 101 00:11:57,718 --> 00:12:03,323 いや 財政を救うというのは 新政府とやらの建て前で➡ 102 00:12:03,323 --> 00:12:05,359 これは ただの借金です。 103 00:12:05,359 --> 00:12:07,961 もし うっかり使い 返すことができなければ➡ 104 00:12:07,961 --> 00:12:10,497 駿府は破産しますぞ。 え? 105 00:12:10,497 --> 00:12:12,966 これらが全て 預かり金とは…。 106 00:12:12,966 --> 00:12:18,338 しかし… もう半分ほど使ってしまった。 107 00:12:18,338 --> 00:12:20,274 半分ほどとは 正確には? 108 00:12:20,274 --> 00:12:25,979 正確に言えば 53万両のうち 28万両を既に使い…➡ 109 00:12:25,979 --> 00:12:29,850 蔵に残る太政官札は25万両だ。 110 00:12:29,850 --> 00:12:32,753 なんと。 111 00:12:32,753 --> 00:12:34,688 それだけ多くの金を使い➡ 112 00:12:34,688 --> 00:12:39,293 この先 駿府に金が入ってくる 確かな見込みはあるのですか? 113 00:12:39,293 --> 00:12:41,228 やむをえまい。 114 00:12:41,228 --> 00:12:46,633 我ら幕臣に 金子や扶持米を出さねばならぬのだ。 115 00:12:46,633 --> 00:12:49,136 (準)頼む 渋沢。 116 00:12:49,136 --> 00:12:51,936 駿府を救ってくれい。 117 00:12:54,308 --> 00:12:57,211 これ以上 藩の借金を増やさぬためには➡ 118 00:12:57,211 --> 00:13:01,081 この先 太政官札は もう 藩の費用とは思わず➡ 119 00:13:01,081 --> 00:13:03,016 別会計とされた方がよい。 120 00:13:03,016 --> 00:13:08,822 そして 残りの25万両分の 拝借金である太政官札を➡ 121 00:13:08,822 --> 00:13:11,158 この渋沢に預けていただきたい。 122 00:13:11,158 --> 00:13:13,827 (準)全て そなたに預けろと? 123 00:13:13,827 --> 00:13:18,699 はい。 あ 皆さんも そのような所におらず どうぞ 入ってください。 124 00:13:18,699 --> 00:13:23,337 いんや 我ら商人は ここで結構でごぜえます。 125 00:13:23,337 --> 00:13:26,037 そうは言わず。 126 00:13:29,676 --> 00:13:33,447 某は この駿府藩の預かり金と➡ 127 00:13:33,447 --> 00:13:38,619 ここにおられる商人の皆様の金を できるだけ多く集め➡ 128 00:13:38,619 --> 00:13:41,288 新しきことを始めたいと思っております。 129 00:13:41,288 --> 00:13:44,791 (小声で)また金かいね…。 130 00:13:44,791 --> 00:13:48,629 西洋でいうところの…➡ 131 00:13:48,629 --> 00:13:51,465 「コンパニー」を 始めさせていただきたい。 132 00:13:51,465 --> 00:13:55,302 こんぱに? 日本で言うなら まあ…➡ 133 00:13:55,302 --> 00:13:59,139 力を合わせて 元手を合わせる…➡ 134 00:13:59,139 --> 00:14:02,175 合本の商い所。 (準)がっぽん…? 135 00:14:02,175 --> 00:14:09,175 西洋では 商人は己の金だけでなく 民から金を集めて商売をしています。 136 00:14:15,956 --> 00:14:18,025 一人一人の金は小さくても➡ 137 00:14:18,025 --> 00:14:21,325 集めれば大きな金になる。 138 00:14:26,967 --> 00:14:30,667 一人一人の力が小さくて できぬことも…。 139 00:14:38,912 --> 00:14:43,617 皆の力を合わせることで それが可能になる。 140 00:14:43,617 --> 00:14:48,789 その商売が大きくなれば 利益もでっかくなる。 141 00:14:48,789 --> 00:14:53,126 利益で拝借金を返納し 元手を出した者に➡ 142 00:14:53,126 --> 00:14:56,930 利が出た分の配当金も支払う。 143 00:14:56,930 --> 00:15:00,801 領内を金がぐるぐると回りだし➡ 144 00:15:00,801 --> 00:15:03,637 国が潤っていく。 145 00:15:03,637 --> 00:15:06,306 そういう仕組みです。 146 00:15:06,306 --> 00:15:10,944 よく分からぬが つまりは勘定所の務めを 引き受けてくれるということだな? 147 00:15:10,944 --> 00:15:13,480 (川村恵十郎)待て。➡ 148 00:15:13,480 --> 00:15:17,980 我らに 商人と共に働けというのか? 149 00:15:19,953 --> 00:15:21,888 そうです。 150 00:15:21,888 --> 00:15:24,791 西洋では 商人と武士は共に働いて…。 151 00:15:24,791 --> 00:15:28,328 ふざけるな! さようなことができるか! 152 00:15:28,328 --> 00:15:30,364 そうだ! ふざけるな! いや しかし…。 153 00:15:30,364 --> 00:15:36,136 渋沢様。 お言葉じゃぁございまするが 不肖にも 何とも懐が厳しく…。 154 00:15:36,136 --> 00:15:39,439 いやいや これは御用金ではない。 必ずお返しします。 155 00:15:39,439 --> 00:15:44,311 ケッ 何の話かと思えば。 商人風情と一緒にしおって。 156 00:15:44,311 --> 00:15:48,115 帰るぞ。 (幕臣たち)おう。 157 00:15:48,115 --> 00:15:50,617 お待ちくだされ! 158 00:15:50,617 --> 00:15:53,286 お待ちくだされ! ちょっと! 159 00:15:53,286 --> 00:16:00,160 篤太夫は その後も 旧幕臣や商人らの説得を続け…➡ 160 00:16:00,160 --> 00:16:02,796 銀行と商社を 兼ね備えた➡ 161 00:16:02,796 --> 00:16:06,633 商法會所を 設立しましたが…。 162 00:16:06,633 --> 00:16:12,439 この合本の商いで 集めれば力になるのは 金だけではない。 163 00:16:12,439 --> 00:16:15,142 それぞれの商売で 見聞きしたものを集めれば➡ 164 00:16:15,142 --> 00:16:17,477 それが そのまま でっけえ利益に変わります。 165 00:16:17,477 --> 00:16:21,648 (準)なるほど。 更に こちらでは 従来の商いだけでなく➡ 166 00:16:21,648 --> 00:16:27,521 時節に見合った新しき商いを始める者にも 金を貸し付け 後押しをしたい。 167 00:16:27,521 --> 00:16:30,657 駿府の経済を盛り上げたいんです。 168 00:16:30,657 --> 00:16:34,895 しかし… 藩からは太政官札しか出せぬぞ。 169 00:16:34,895 --> 00:16:38,265 分かっております。 170 00:16:38,265 --> 00:16:40,200 はぁ… よし。 171 00:16:40,200 --> 00:16:42,903 一度江戸に… じゃねえや。 東京に行くぞ。 172 00:16:42,903 --> 00:16:45,203 はっ。 173 00:16:49,776 --> 00:16:56,276 (手代)ひい ふう みい よ いつ む なな や ここのつ とお。 174 00:16:58,485 --> 00:17:04,925 (手代)ひい ふう みい よ いつ む なな や ここのつ とお。 175 00:17:04,925 --> 00:17:09,463 1万枚でよろしいでしょうか。 うむ 相違ない。 176 00:17:09,463 --> 00:17:11,798 (三野村)これはこれは 渋沢様…。 177 00:17:11,798 --> 00:17:15,135 あぁ ご無沙汰しております 三野村様。 178 00:17:15,135 --> 00:17:19,806 駿府藩の命を受け 駿府にて 商いを始めることになりました。 179 00:17:19,806 --> 00:17:21,741 さようでございますか。 180 00:17:21,741 --> 00:17:24,644 商いを。 それはそれは。 181 00:17:24,644 --> 00:17:29,816 ついては 三井が作られたという この太政官札を➡ 182 00:17:29,816 --> 00:17:33,687 正金に換えていただけぬかと ご相談に参りました。 183 00:17:33,687 --> 00:17:40,487 ほほう… これは相当な量ですな。 184 00:17:42,262 --> 00:17:45,062 おい あれを。 へい。 185 00:17:48,435 --> 00:17:55,935 さてさて…。 186 00:17:59,779 --> 00:18:03,579 うん…。 187 00:18:07,120 --> 00:18:11,992 これぐらいの札となると… はい こんなもんでしょう。 188 00:18:11,992 --> 00:18:16,296 へい。 おっしゃるとおり➡ 189 00:18:16,296 --> 00:18:21,801 三井は 新政府様の命で 家財まで売って➡ 190 00:18:21,801 --> 00:18:27,474 死に物狂いで これを発行しました。 191 00:18:27,474 --> 00:18:35,081 官軍の戦でも 三井の手代がついていって 軍資金を払い続け➡ 192 00:18:35,081 --> 00:18:41,755 ほれ 天子様のご東幸でも 莫大な御用金を払って。 193 00:18:41,755 --> 00:18:44,591 なんと。 194 00:18:44,591 --> 00:18:48,094 三井と新政府は そこまで懇意でありましたか。 195 00:18:48,094 --> 00:18:52,432 懇意ねぇ。 懇意。 懇意か。 196 00:18:52,432 --> 00:18:55,268 確かに懇意でござんす。 197 00:18:55,268 --> 00:19:04,778 ですからもう 三井としては もはや 新政府様に潰れてもらっては困る。 198 00:19:04,778 --> 00:19:08,448 (手代)失礼いたします。 はい どうぞ 正金でございます。 199 00:19:08,448 --> 00:19:10,648 ありがとうございます。 200 00:19:12,285 --> 00:19:14,285 あぁ…。 201 00:19:18,458 --> 00:19:20,493 ん? 202 00:19:20,493 --> 00:19:27,133 いや 札の額面より 2割も安いではないか! 203 00:19:27,133 --> 00:19:29,803 今は それぐらいが相場でござんしょ。 204 00:19:29,803 --> 00:19:33,073 いや しかし せめてあと3分ほどは…。 205 00:19:33,073 --> 00:19:42,415 ほほう… ふっかけるとは 二本差しのお方にしてはお珍しい。 206 00:19:42,415 --> 00:19:49,715 その重いのは 商いをするには さぞかし邪魔でございましょうなぁ。 207 00:19:51,891 --> 00:19:56,730 しかし まあ 今日のところは この額で。 ね。 208 00:19:56,730 --> 00:20:04,271 いつかは 渋沢様は 商売敵になるやもしれませぬから。 209 00:20:04,271 --> 00:20:07,107 お~ 怖っ。 210 00:20:07,107 --> 00:20:09,776 じゃ ご苦労でござんした。 211 00:20:09,776 --> 00:20:22,289 ♬~ 212 00:20:22,289 --> 00:20:24,789 食えないおやじだ。 213 00:20:26,459 --> 00:20:29,362 まあ 正金は出来たんだ。 214 00:20:29,362 --> 00:20:32,265 買い入れの元手としては十分だ。 215 00:20:32,265 --> 00:20:34,934 よし 主に仕入れたいのは➡ 216 00:20:34,934 --> 00:20:40,640 よい米や茶を作るのに欠かせない 〆粕 干鰯 油粕 それに糠だ。 217 00:20:40,640 --> 00:20:44,477 (須永虎之助)へい。 〆粕は匂いのしねえやつは駄目だ。 218 00:20:44,477 --> 00:20:48,315 油粕も なるべく 油っ気の少ないものを選べ。 219 00:20:48,315 --> 00:20:51,217 俺らに任せてくれい。 おい…。 はっ。 220 00:20:51,217 --> 00:20:53,217 よし 行くべ。 はっ。 221 00:21:05,665 --> 00:21:08,702 (五代才助) 失礼だが この肥料はどうです? 222 00:21:08,702 --> 00:21:12,402 ん? 稲作に使いたいんだが。 223 00:21:14,374 --> 00:21:18,678 うん… こりゃ安物だな。 224 00:21:18,678 --> 00:21:20,714 うん。 こっちの方がよい粘りです。 225 00:21:20,714 --> 00:21:23,850 あぁ あいがたか。 226 00:21:23,850 --> 00:21:29,522 大阪ん商人に頼まれたが 門外漢で難儀しておりました。 227 00:21:29,522 --> 00:21:34,494 それから… その頭で 長くうろつかん方がよい。 228 00:21:34,494 --> 00:21:39,132 この辺りは 荒っぽい官軍崩れが多か。 229 00:21:39,132 --> 00:21:45,004 (小声で)あぁ…。 いかにも東京は物騒になりましたのう。 230 00:21:45,004 --> 00:21:48,641 新政府が 官軍の兵に禄を払えず➡ 231 00:21:48,641 --> 00:21:52,312 商人や町人へのたかり ゆすりを 黙認しておる。 232 00:21:52,312 --> 00:21:55,648 だから荒れたんです。 233 00:21:55,648 --> 00:21:58,685 おいは 御一新さえかなえば➡ 234 00:21:58,685 --> 00:22:02,422 いよいよ国を富ませる新しか世が 始まるち思っちょった。 235 00:22:02,422 --> 00:22:08,962 じゃっどん 上が変わっても 相変わらずの侍の世じゃ。 反吐が出る。 236 00:22:08,962 --> 00:22:11,030 (店主)まいど! おう。 237 00:22:11,030 --> 00:22:14,667 すまんが こいを10俵もらえんか。 へぇ 10俵も! 238 00:22:14,667 --> 00:22:16,603 後で使いをよこすで。 239 00:22:16,603 --> 00:22:19,172 薩摩ん五代じゃ。 (店主)へぇ。 240 00:22:19,172 --> 00:22:21,972 では 世話にないもした。 241 00:22:23,676 --> 00:22:25,676 五代…。 242 00:22:27,347 --> 00:22:29,382 (田辺太一)薩摩の五代才助か! 243 00:22:29,382 --> 00:22:33,787 (向山一履) 薩摩じゃ! 薩摩とモンブランのせいで…。 244 00:22:33,787 --> 00:22:37,123 お待ちくだされ…。 待ってくれ! 245 00:22:37,123 --> 00:22:41,294 あの借款がなくなったせいで 公儀は新しい世を作れなかったんだ。 246 00:22:41,294 --> 00:22:43,329 あなたのせいで…。 247 00:22:43,329 --> 00:22:53,129 ♬~ 248 00:22:54,841 --> 00:22:57,310 血洗島では…。 249 00:22:57,310 --> 00:23:03,310 駿府へ向かう千代とうたの 引っ越しの準備が行われていました。 250 00:23:06,319 --> 00:23:11,191 (渋沢うた)ねえさま。 うたは とっさまに お会いできるのは うれしいんだけんど➡ 251 00:23:11,191 --> 00:23:18,665 じいさまや ばあさま ねえさまと お別れするんは さみしゅうございます。 252 00:23:18,665 --> 00:23:23,970 (渋沢てい) はぁ うれしいこと言ってくれるでねえか。 253 00:23:23,970 --> 00:23:26,339 (渋沢ゑい)でもな うた。 254 00:23:26,339 --> 00:23:32,612 うたが とっさまのそばにいたら とっさまは百人力だに。 255 00:23:32,612 --> 00:23:39,486 とっさまには かっさまと うたが必要なんだで。 256 00:23:39,486 --> 00:23:41,921 (渋沢千代)申し訳ねぇことです。 257 00:23:41,921 --> 00:23:44,921 跡継ぎの嫁であったはずが…。 258 00:23:46,626 --> 00:23:49,626 (渋沢市郎右衛門)謝ることなんかねぇ。 259 00:23:52,432 --> 00:23:58,338 (市郎右衛門)家の務めも苦労させたが 向こうに行ったら➡ 260 00:23:58,338 --> 00:24:05,011 こっちより 骨の折れることもあるかもしれねぇ。 261 00:24:05,011 --> 00:24:12,011 無理はせず 体には十分 気を付くんだど。 262 00:24:14,320 --> 00:24:16,823 へぇ。 263 00:24:16,823 --> 00:24:19,823 これまで…。 264 00:24:22,161 --> 00:24:26,966 まことに世話んなった。 265 00:24:26,966 --> 00:24:31,166 栄一を どうかよろしくお願いします。 266 00:24:34,607 --> 00:24:40,280 こちらこそ ありがとうございました。 267 00:24:40,280 --> 00:24:44,784 こちらこそ ありがとうございました。 268 00:24:44,784 --> 00:24:46,719 うた…。 269 00:24:46,719 --> 00:25:00,934 ♬~ 270 00:25:00,934 --> 00:25:03,002 (渋沢よし)お千代ちゃん。 271 00:25:03,002 --> 00:25:05,138 およしちゃん。 272 00:25:05,138 --> 00:25:08,808 聞いたよ。 栄一さんから文が来たんだって。 273 00:25:08,808 --> 00:25:11,811 駿府に来いって。 274 00:25:11,811 --> 00:25:14,681 へぇ。 275 00:25:14,681 --> 00:25:19,181 そうか。 さみしくなるなぁ。 276 00:25:24,357 --> 00:25:26,826 ≪何 折ってんだい? ≪(うた)カブト! 277 00:25:26,826 --> 00:25:28,828 とっさまにね あげるの。 278 00:25:28,828 --> 00:25:32,328 楽しみだいねぇ。 うん 楽しみ! 279 00:25:37,270 --> 00:25:43,570 昨日ね 作太郎が 傷だらけになって帰ってきたんだ。 280 00:25:45,912 --> 00:25:52,619 隣村の子に 「お前のとっさまは朝敵だ」って罵られて➡ 281 00:25:52,619 --> 00:25:56,319 それで頭にきて けんかしたって。 282 00:25:59,392 --> 00:26:04,892 今は はあ 天子様の御代になったんだんべ? 283 00:26:07,634 --> 00:26:15,808 それなんに あの人は 何で まだ戦ってるんだい…。 284 00:26:15,808 --> 00:26:39,032 ♬~ 285 00:26:39,032 --> 00:26:41,232 先生! 286 00:26:42,902 --> 00:26:45,805 この者はあちらへ! はっ! 287 00:26:45,805 --> 00:26:48,708 しっかりしろ! ≪第二小隊が戻ったぞ! 288 00:26:48,708 --> 00:26:50,643 戦況はどうなっている? 289 00:26:50,643 --> 00:26:54,280 我が軍は 松前を放棄し敗走。 290 00:26:54,280 --> 00:26:57,316 木古内に500の兵を残し➡ 291 00:26:57,316 --> 00:27:01,054 五稜郭に引き返しました。 292 00:27:01,054 --> 00:27:03,054 奥へ! はい! 293 00:27:06,859 --> 00:27:09,859 ここまでなのか…? 294 00:27:16,135 --> 00:27:21,474 ここはな もとは この地のお代官様の屋敷だい。 295 00:27:21,474 --> 00:27:25,344 向こうは とっさまたちが商いで使う。 296 00:27:25,344 --> 00:27:27,644 そして…。 297 00:27:30,149 --> 00:27:33,052 ここが 俺たちの部屋だ。 298 00:27:33,052 --> 00:27:36,956 まぁ ここが…。 あぁ。 299 00:27:36,956 --> 00:27:43,262 俺たちが 共に暮らす部屋だ。 うん。 300 00:27:43,262 --> 00:27:45,198 ほら うた おいで。 301 00:27:45,198 --> 00:27:47,133 ちっせ! 302 00:27:47,133 --> 00:27:51,003 じいさまのとこの お蚕様のお部屋よりも小せぇに。 303 00:27:51,003 --> 00:27:52,972 これ うた。 304 00:27:52,972 --> 00:27:56,172 うん… まぁ そのとおりだが…。 305 00:27:59,445 --> 00:28:02,115 今日は 浅間神社に お参りしてきたんですよ。 306 00:28:02,115 --> 00:28:05,785 石段が こぉんなに高ぇんで たまげたにい。 307 00:28:05,785 --> 00:28:08,287 そうか。 そんなに 高ぇんか。 308 00:28:08,287 --> 00:28:12,458 はい。 駿府のお人は 言葉がおかしかんべぇ。 309 00:28:12,458 --> 00:28:15,294 ん? でも 一緒に遊んだ子には➡ 310 00:28:15,294 --> 00:28:18,931 うたの言葉の方がおかしいらぁと 言われました。 311 00:28:18,931 --> 00:28:22,802 ハハハハハハ… そうか。 312 00:28:22,802 --> 00:28:25,805 日本には 土地土地に いろんな言葉がある。 313 00:28:25,805 --> 00:28:30,143 とっさまはな かつては京で いろんな国の者と会い➡ 314 00:28:30,143 --> 00:28:34,413 いろんな言葉を聞いたが 一番困ったのは薩摩言葉だ。 315 00:28:34,413 --> 00:28:37,750 さつま? ああ。 もう何言ってんだか➡ 316 00:28:37,750 --> 00:28:41,587 怒ってんだか 悲しんでんだか 何も分かんねぇんだ。 ハハハハ…。 317 00:28:41,587 --> 00:28:44,587 とっさま 西郷様って知ってる? 318 00:28:47,460 --> 00:28:50,596 うわぁ~ なっから たくさん働いておられますなぁ。 319 00:28:50,596 --> 00:28:52,532 これ… これ うた。 320 00:28:52,532 --> 00:28:55,768 だから要らぬと言ってるんです! 321 00:28:55,768 --> 00:28:59,105 ここでは 腰のものはお外しください。 322 00:28:59,105 --> 00:29:03,776 なぜじゃ! なぜ某が 商人のような格好をせねばならぬ? 323 00:29:03,776 --> 00:29:05,711 私も商人です。 324 00:29:05,711 --> 00:29:10,116 それに 武士も商人も 上も下もない。 325 00:29:10,116 --> 00:29:13,786 むしろ ここでは 商人の皆さんの方が手だれだ。 326 00:29:13,786 --> 00:29:16,086 ほりゃ ほうや。 327 00:29:17,657 --> 00:29:23,796 そして あなた方も 商人だからと卑屈になられては困る。 328 00:29:23,796 --> 00:29:26,699 はい? 金だけ もうければいいと➡ 329 00:29:26,699 --> 00:29:29,602 道理に背くようなことが あってはなりませぬ。 330 00:29:29,602 --> 00:29:34,440 武士の皆さんには 刀を捨て 算盤勘定を➡ 331 00:29:34,440 --> 00:29:40,746 商人の皆さんには この駿府の一端を 担うという矜持を持っていただきたい。 332 00:29:40,746 --> 00:29:43,082 (商人)矜持? 333 00:29:43,082 --> 00:29:46,419 刀を捨て 算盤だと? 334 00:29:46,419 --> 00:29:48,354 渋沢 お主! 335 00:29:48,354 --> 00:29:50,590 曲がりなりにも この世は変わった。 336 00:29:50,590 --> 00:29:55,261 これからは 武士も商人も 互いに よいところを認め合い➡ 337 00:29:55,261 --> 00:29:59,261 力を合わせて共に働くんです。 338 00:30:01,133 --> 00:30:03,436 (萩原)ほりゃあ ほうだぁね。 339 00:30:03,436 --> 00:30:07,306 駿府に お武家様らが たんとおいでになった際は➡ 340 00:30:07,306 --> 00:30:09,775 俺らも頭抱えました。 341 00:30:09,775 --> 00:30:14,447 今まで以上に 御用金を頼りにされちゃあ たまらんわと。 342 00:30:14,447 --> 00:30:18,918 ほいでも 合本が ええあんばいに転がりゃ➡ 343 00:30:18,918 --> 00:30:23,122 きっと日本中が まねすることにならぁ。 ハハ…。 344 00:30:23,122 --> 00:30:25,791 おもろい。 345 00:30:25,791 --> 00:30:29,462 渋沢様 この茶問屋 萩原四郎兵衛➡ 346 00:30:29,462 --> 00:30:34,133 この先は 矜持を持って ご協力いたしまする。 347 00:30:34,133 --> 00:30:37,937 おぉ 頼もしい。 348 00:30:37,937 --> 00:30:39,937 (恵十郎)篤太夫。 349 00:30:43,643 --> 00:30:46,143 あ とっさまが! 静かに。 350 00:30:51,384 --> 00:30:54,684 何から始めればよいのか 教えよ。 351 00:31:07,333 --> 00:31:11,504 何から始めればよいのか 教えよ。 352 00:31:11,504 --> 00:31:14,304 あ…。 へい! 353 00:31:15,975 --> 00:31:18,275 川村様…。 354 00:31:21,347 --> 00:31:28,688 よし 我ら駿府が 新しき商いの先駆けとなりましょう! 355 00:31:28,688 --> 00:31:32,925 ♬~ 356 00:31:32,925 --> 00:31:37,797 こうして 篤太夫が手がけた 商法會所は軌道に乗り➡ 357 00:31:37,797 --> 00:31:41,934 順調に 利益を出すようになっていきました。 358 00:31:41,934 --> 00:31:45,471 ♬~ 359 00:31:45,471 --> 00:31:48,771 おい! 何やってるんですか! 360 00:31:52,345 --> 00:31:56,145 一方 箱館では…。 361 00:32:01,487 --> 00:32:06,158 (土方歳三) これを 日野の家族に届けてくれ。 362 00:32:06,158 --> 00:32:08,958 (市村鉄之助)承知いたしました。 363 00:32:10,963 --> 00:32:14,463 急げ。 行け! 364 00:32:29,682 --> 00:32:32,585 (渋沢成一郎) 土方! まだ ここにいたのか! 365 00:32:32,585 --> 00:32:35,287 ここは勝ち目がない。 早く五稜郭に戻れ! 366 00:32:35,287 --> 00:32:39,087 いや。 俺はこれ以上 死に後れるわけにはいかぬ。 367 00:32:42,461 --> 00:32:45,297 この勢いでは 遅かれ早かれ 我らは負ける。 368 00:32:45,297 --> 00:32:52,171 だとすれば せめて 新選組の名に恥じぬよう潔く散り➡ 369 00:32:52,171 --> 00:32:57,471 胸を張って あの世で友と 酒を酌み交わしたい。 370 00:33:02,648 --> 00:33:04,583 それならば 俺も…。 371 00:33:04,583 --> 00:33:06,519 お主の友は生きると言ったぞ。 372 00:33:06,519 --> 00:33:09,155 いつかまた会った時に恥じぬよう➡ 373 00:33:09,155 --> 00:33:13,855 俺もなるたけ 前を向いて生きてみることにすんべぇ。 374 00:33:17,663 --> 00:33:20,499 お主も 俺とは違う。 375 00:33:20,499 --> 00:33:23,169 生のにおいがする。 376 00:33:23,169 --> 00:33:26,972 お主は生きろ。 何を言う。 俺は…。 377 00:33:26,972 --> 00:33:29,472 生きて日の本の行く末を見届けろ! 378 00:33:31,677 --> 00:33:34,914 ひょっとすると…➡ 379 00:33:34,914 --> 00:33:37,283 その方が よほどつらいかもしれぬ。 380 00:33:37,283 --> 00:33:51,464 ♬~ 381 00:33:51,464 --> 00:33:53,399 行け。 382 00:33:53,399 --> 00:34:25,831 ♬~ 383 00:34:25,831 --> 00:34:27,766 うっ…。 384 00:34:27,766 --> 00:34:30,066 ああ~! 385 00:34:36,775 --> 00:34:39,278 渋沢様…! (銃声) 386 00:34:39,278 --> 00:35:09,275 ♬~ 387 00:35:09,275 --> 00:35:13,145 (歳三)お主の友は生きると言ったぞ。 388 00:35:13,145 --> 00:35:42,107 ♬~ 389 00:35:42,107 --> 00:35:45,107 うわぁ~! 390 00:35:46,979 --> 00:35:51,784 うっ…。 391 00:35:51,784 --> 00:35:55,621 あぁ~! 392 00:35:55,621 --> 00:35:59,458 あぁ~! 393 00:35:59,458 --> 00:36:06,799 ♬~ 394 00:36:06,799 --> 00:36:11,136 この数日後。 (銃声) 395 00:36:11,136 --> 00:36:14,336 五稜郭が開城。 396 00:36:19,845 --> 00:36:26,045 全ての徳川の戦いが終わりました。 397 00:36:36,295 --> 00:36:41,795 渋沢様 今日はお会いにならぬと。 398 00:36:46,605 --> 00:36:48,907 そうですか。 399 00:36:48,907 --> 00:37:09,928 ♬~ 400 00:37:09,928 --> 00:37:24,428 ♬~ 401 00:38:01,113 --> 00:38:03,413 川村様。 402 00:38:08,620 --> 00:38:14,120 箱館が 降伏したと…。 403 00:38:15,928 --> 00:38:18,228 知っておる。 404 00:38:23,635 --> 00:38:29,441 戦った幕府の皆は…➡ 405 00:38:29,441 --> 00:38:32,941 成一郎は どうなったのでしょうか。 406 00:38:36,215 --> 00:38:42,515 最後まで忠義を貫いたのであれば 本望であろう。 407 00:38:46,258 --> 00:38:55,958 俺は 平岡様の命も守れず…。 408 00:38:57,603 --> 00:39:01,774 戦でも死に損ない➡ 409 00:39:01,774 --> 00:39:06,974 徳川にささげられなかった命を持て余して ここに来た。 410 00:39:11,483 --> 00:39:15,120 皆 そうだ。➡ 411 00:39:15,120 --> 00:39:18,991 ただ禄が欲しくて流れてきたのではない。 412 00:39:18,991 --> 00:39:31,603 ♬~ 413 00:39:31,603 --> 00:39:37,603 徳川のために 何かできぬかと…。 414 00:39:45,884 --> 00:39:48,754 手伝います。 415 00:39:48,754 --> 00:40:15,614 ♬~ 416 00:40:15,614 --> 00:40:18,650 (伊藤博文)落ちよったぞ! ようやく箱館が落ちよったぁ! 417 00:40:18,650 --> 00:40:20,786 おお! ホンマか 伊藤さん! 418 00:40:20,786 --> 00:40:23,789 これで諸外国に対して わしらが正統な日本政府じゃと➡ 419 00:40:23,789 --> 00:40:28,126 胸を張ることができる。 おお! いよいよ こっからじゃ。 420 00:40:28,126 --> 00:40:30,929 (大隈重信)そんとおりばい! 421 00:40:30,929 --> 00:40:36,468 こいも おいが旧幕府のアメリカ船ば 買い取ることができたけんばい。 422 00:40:36,468 --> 00:40:40,305 あいがなかぎ 箱館の勝利はなかぁ! 423 00:40:40,305 --> 00:40:44,476 そうじゃ! ストーンウォールと 横須賀製鉄所を奪うたんはすごい。 424 00:40:44,476 --> 00:40:46,812 佐賀の減らず口といやぁ 大隈さんじゃ。 425 00:40:46,812 --> 00:40:48,747 アッハッハッハッハッハ…。 426 00:40:48,747 --> 00:40:51,650 お前様ったら またそんな大きな声で。 427 00:40:51,650 --> 00:40:53,685 (才助)のんきじゃなぁ。 428 00:40:53,685 --> 00:40:57,456 参与ん横井殿を切り刻んだ賊は➡ 429 00:40:57,456 --> 00:41:00,158 次は伊藤君の首を 狙っちょっちゅううわさじゃ。 430 00:41:00,158 --> 00:41:02,828 ハハハハ…。 五代さん また泊まっちょったんか。 431 00:41:02,828 --> 00:41:05,330 おう。 五代さんも 大阪で刺されたと➡ 432 00:41:05,330 --> 00:41:07,266 うわさになっちょったよ。 ん? 433 00:41:07,266 --> 00:41:11,136 フッ… こん五代は戦にも出ず 金もうけばっか しちょっち➡ 434 00:41:11,136 --> 00:41:14,506 薩摩でん 専らの悪評じゃ。 ハハハハハ…。 435 00:41:14,506 --> 00:41:17,342 まぁ。 主人はいつも 「頼りになるのは五代様」と➡ 436 00:41:17,342 --> 00:41:20,178 申しておりますのに。 うむ。 437 00:41:20,178 --> 00:41:23,515 金といやぁ フランス政府から来とった➡ 438 00:41:23,515 --> 00:41:27,986 民部公子の旅館の賃料やなんかの 払い戻し金のことばってん。 439 00:41:27,986 --> 00:41:30,889 エラール殿の送ってきた1万5, 000両か。 440 00:41:30,889 --> 00:41:35,294 いや 新政府の国庫に 入れてしまおうと思うたばってん➡ 441 00:41:35,294 --> 00:41:38,130 そん一行の会計掛が➡ 442 00:41:38,130 --> 00:41:41,033 「こりゃ 民部公子のために 徳川が出した金ゆえ➡ 443 00:41:41,033 --> 00:41:45,637 全部 駿府藩に引き渡すのが筋や」と 言い張っとうらしかばい。 444 00:41:45,637 --> 00:41:49,508 確かに 筋ではある。 445 00:41:49,508 --> 00:41:54,313 ほぅ。 パリに そげな財務担当が…。 446 00:41:54,313 --> 00:42:00,185 ムッシュー シブサワ。 447 00:42:00,185 --> 00:42:05,324 (博文)駿府藩は今 商人と組んだ商いで ようけ利を得ちょると いいよるしなぁ。 448 00:42:05,324 --> 00:42:07,826 は? 商人と組んだ商い? 449 00:42:07,826 --> 00:42:12,664 そうじゃ。 せっかく東京から 徳川を追い出したっちゅうのに➡ 450 00:42:12,664 --> 00:42:15,701 駿府で力を蓄えるとなっちゃ 油断ができんと➡ 451 00:42:15,701 --> 00:42:18,337 木戸さんが案じておられた。 452 00:42:18,337 --> 00:42:21,037 こん男の仕業らしい。 453 00:42:23,208 --> 00:42:28,680 「駿府藩に渋沢篤太夫というものあり。➡ 454 00:42:28,680 --> 00:42:35,120 民部公子に随行したが 自分一個の才覚で 4万両の利益を蓄え➡ 455 00:42:35,120 --> 00:42:37,923 この4万両を駿府藩内に配分」。 456 00:42:37,923 --> 00:42:41,623 フランスで4万両の利ば蓄えた!? 457 00:42:43,629 --> 00:42:48,300 こんパリのシブサワと同じ男か? 458 00:42:48,300 --> 00:42:54,473 はぁ そがん男が駿府におるとは。 459 00:42:54,473 --> 00:42:56,773 渋沢…。 460 00:43:02,648 --> 00:43:05,684 見せてやれ 幕臣の意地を! 461 00:43:05,684 --> 00:43:07,953 長州が徳川憎しと戦を…。 462 00:43:07,953 --> 00:43:10,822 さもありなん! さもありなん! さもありなん! 463 00:43:10,822 --> 00:43:14,326 そうか 君もやったんか! そうであったか! 464 00:43:14,326 --> 00:43:17,229 よく生きていてくださりました。 465 00:43:17,229 --> 00:43:20,499 お前様より口の立つ方がおられるとは。 466 00:43:20,499 --> 00:43:22,968 この先は日本のために尽くせ。 467 00:43:22,968 --> 00:43:25,504 とっさま ちゃんとお帰りになる? 468 00:43:25,504 --> 00:43:27,504 当たりめえだ。 469 00:43:34,696 --> 00:43:38,667 函館市のシンボル 五稜郭。 470 00:43:38,667 --> 00:43:44,867 箱館港の守りを強化するために築かれた 西洋式の城郭です。 471 00:43:46,641 --> 00:43:51,480 土方歳三率いる新選組や渋沢喜作など➡ 472 00:43:51,480 --> 00:43:56,168 旧幕府軍が五稜郭を占拠。 473 00:43:56,168 --> 00:44:01,968 しかし 新政府軍の反撃に遭い 窮地に立たされます。 474 00:44:05,844 --> 00:44:09,681 旧幕府軍の幹部たちは 決戦を前に➡ 475 00:44:09,681 --> 00:44:15,981 異国橋近くにあった武蔵野楼で 別れの杯を交わしました。 476 00:44:18,356 --> 00:44:23,995 函館山の近くに築かれた弁天岬台場。 477 00:44:23,995 --> 00:44:30,195 新選組は奮闘するも 新政府軍に取り囲まれて孤立。 478 00:44:31,737 --> 00:44:38,310 土方歳三は この道を走り 台場へ向かったと伝わります。 479 00:44:38,310 --> 00:44:44,010 その途中 銃弾を受け 命を落としました。 480 00:44:46,051 --> 00:44:51,656 戊辰戦争最後の戦いとなった箱館戦争。 481 00:44:51,656 --> 00:44:58,856 己の正義を貫いた彼らの生きざまは 今も語り継がれています。 482 00:45:34,466 --> 00:45:37,369 (鐘の音) 483 00:45:37,369 --> 00:45:40,806 (子どもたち)♬「ことろ ことろ」 484 00:45:40,806 --> 00:45:44,142 ♬「どの子をことろ」 485 00:45:44,142 --> 00:45:47,045 ♬「あの子をことろ」 486 00:45:47,045 --> 00:45:50,015 ♬「とれるもんなら とってみろ」 487 00:45:50,015 --> 00:45:52,017 あ~! きゃ~! 488 00:45:52,017 --> 00:45:54,486 ほらほら 晩御飯だよ。 489 00:45:54,486 --> 00:45:56,421 (お松)早く帰らないと➡ 490 00:45:56,421 --> 00:45:59,357 天狗に さらわれちまうぞ! (子どもたち)うわ~!