1 00:00:33,579 --> 00:00:36,516 (渋沢篤太夫) 西洋でいうところの…➡ 2 00:00:36,516 --> 00:00:39,385 「コンパニー」を 始めさせていただきたい。 3 00:00:39,385 --> 00:00:46,159 篤太夫は 駿府で 新しい道を歩み始めました。 4 00:00:46,159 --> 00:00:52,031 (五代才助) 「駿府藩に渋沢篤太夫というものあり。➡ 5 00:00:52,031 --> 00:00:54,033 民部公子に随行したが➡ 6 00:00:54,033 --> 00:00:58,671 自分一個の才覚で 4万両の利益を蓄え➡ 7 00:00:58,671 --> 00:01:01,174 この4万両を駿府藩内に配分」。 8 00:01:01,174 --> 00:01:04,974 (大隈重信) フランスで4万両の利ば蓄えた!? 9 00:01:06,980 --> 00:01:08,915 渋沢…。 10 00:01:08,915 --> 00:01:11,818 一方…。 11 00:01:11,818 --> 00:01:14,687 (渋沢成一郎)あぁ~! 12 00:01:14,687 --> 00:01:22,187 箱館の旧幕府軍と新政府の戦いは 終結しました。 13 00:01:23,830 --> 00:01:27,033 そして 明治二年の夏➡ 14 00:01:27,033 --> 00:01:29,836 全国の藩が 領地と領民とを➡ 15 00:01:29,836 --> 00:01:34,640 天皇に返還する版籍奉還が行われ…➡ 16 00:01:34,640 --> 00:01:39,779 篤太夫たちのいる駿府藩は 静岡藩となりました。 17 00:01:39,779 --> 00:01:44,317 (平岡 準)渋沢。 遠州中泉奉行の前島だ。 18 00:01:44,317 --> 00:01:48,154 行き場のない幕臣たちの働き口や 住まいを与えようと➡ 19 00:01:48,154 --> 00:01:51,057 遠州で奔走してくれておる。 20 00:01:51,057 --> 00:01:55,895 杉浦君から うわさは聞いております。 あなた様が…。 21 00:01:55,895 --> 00:01:59,499 (前島来輔)私は ペルリを見たことがある。 22 00:01:59,499 --> 00:02:03,336 ペルリを じかに見たのですか? 23 00:02:03,336 --> 00:02:09,809 筆耕で食いつないでいる頃 浦賀奉行が 小者を募っておったので志願した。 24 00:02:09,809 --> 00:02:13,679 黒船とペルリの立派な体躯を見て➡ 25 00:02:13,679 --> 00:02:18,184 このままじゃいかんと 海防を学びに国中を旅し➡ 26 00:02:18,184 --> 00:02:23,689 いざ国を救おうと直臣になったが 途端に 幕府が転覆。 27 00:02:23,689 --> 00:02:28,361 おぉ 私も少々 境遇が似ております。 28 00:02:28,361 --> 00:02:31,661 是非 お話を伺いたい。 29 00:02:34,967 --> 00:02:39,472 慶喜は 謹慎を解かれ➡ 30 00:02:39,472 --> 00:02:44,772 1年半ぶりに 自由を得ることになりました。 31 00:02:47,780 --> 00:02:50,683 (徳信院)慶喜殿が赦されたことは➡ 32 00:02:50,683 --> 00:02:54,320 まこと めでたきこと。 33 00:02:54,320 --> 00:02:56,320 はい。 34 00:02:57,990 --> 00:03:04,664 これも 一橋家の皆や徳信院様が 寛大なご処置をと➡ 35 00:03:04,664 --> 00:03:09,464 お上に嘆願してくだされた おかげでございます。 36 00:03:14,006 --> 00:03:17,506 それでは… 静岡へ? 37 00:03:19,178 --> 00:03:23,516 そのように命が参りましたが➡ 38 00:03:23,516 --> 00:03:32,625 今更 共に暮らすなどとは 気恥ずかしいものでございます。 39 00:03:32,625 --> 00:03:37,130 フフフフ…。 40 00:03:37,130 --> 00:03:41,767 私と慶喜殿の仲を疑い 「汚らわしい!」。 41 00:03:41,767 --> 00:03:43,703 (美賀君)離せ! 美賀君 何を! 42 00:03:43,703 --> 00:03:45,638 腹立たしい! 離さぬか! 43 00:03:45,638 --> 00:03:50,476 この殿の汚らわしい恋心に 妾が気付かぬとお思いか! 44 00:03:50,476 --> 00:03:53,513 フフフフ…。 徳信院様! 45 00:03:53,513 --> 00:03:56,513 どうか そのころの話はもう…。 46 00:04:01,187 --> 00:04:08,487 あなたが そばにいれば 慶喜殿も どれほど心強いか。 47 00:04:19,805 --> 00:04:28,505 どうか お命を大事に お健やかにとお伝えくだされ。 48 00:04:30,449 --> 00:04:34,649 はい 必ず。 49 00:04:36,322 --> 00:04:42,461 美賀君は 慶喜のいる静岡に 向かうことになりました。 50 00:04:42,461 --> 00:04:44,397 その静岡では…。 51 00:04:44,397 --> 00:04:47,767 東京に呼び出しでございますか? 52 00:04:47,767 --> 00:04:53,967 さよう。 太政官の弁官より お主に召状が参った。 53 00:04:55,508 --> 00:05:00,313 今は商いが忙しく とても伺えそうにありませぬ。 54 00:05:00,313 --> 00:05:02,248 半年ほど先ならば どうにか。 55 00:05:02,248 --> 00:05:05,651 いいや 直ちに参れとのこと。 56 00:05:05,651 --> 00:05:08,321 仔細は分からぬが…➡ 57 00:05:08,321 --> 00:05:11,657 お主に 新政府への出仕を求めているらしい。 58 00:05:11,657 --> 00:05:14,660 出仕? 59 00:05:14,660 --> 00:05:17,530 ハッ… 冗談ではありませぬ。 60 00:05:17,530 --> 00:05:21,801 某は 前様のおられるこの静岡に 骨をうずめる覚悟。 61 00:05:21,801 --> 00:05:26,172 それをなぜ 憎き新政府とやらに 出仕せねばならぬのか。 62 00:05:26,172 --> 00:05:28,808 どうか 藩から 御免を願っていただきたい…。 63 00:05:28,808 --> 00:05:31,811 そうもいくまい。 こらこら 待て 渋沢! 64 00:05:31,811 --> 00:05:35,281 前様のお言葉じゃ! 65 00:05:35,281 --> 00:05:42,781 前様も 新政府の召喚であれば 受けるべきだと仰せである。 66 00:05:45,925 --> 00:05:48,628 前様が…。 67 00:05:48,628 --> 00:08:39,598 ♬~ 68 00:08:39,598 --> 00:08:43,436 (渋沢千代) あ~ うた 上手にできたいねぇ。 69 00:08:43,436 --> 00:08:46,105 (渋沢うた)へぇ。 70 00:08:46,105 --> 00:08:50,743 (向山一履) 新政府には 政を支える6つの柱があり➡ 71 00:08:50,743 --> 00:08:55,948 その中でも 懐をととのえているのが大蔵省だ。 72 00:08:55,948 --> 00:09:00,619 今 大蔵省の頭は 宇和島の伊達様➡ 73 00:09:00,619 --> 00:09:03,956 その下に佐賀の大隈というものと➡ 74 00:09:03,956 --> 00:09:06,292 長州の伊藤というものがおる。 75 00:09:06,292 --> 00:09:09,962 長州は分かりますが 佐賀もいるのですか? 76 00:09:09,962 --> 00:09:14,767 薩長土のみで 中央の政ができるものか。 77 00:09:14,767 --> 00:09:20,639 有能な家臣を抱える越前や 異国に詳しい佐賀らが補っておるのだ。 78 00:09:20,639 --> 00:09:25,511 伊達様は 四賢侯といわれたお方だが 実際 切り盛りしているのは➡ 79 00:09:25,511 --> 00:09:29,281 きっと この大隈と伊藤であろう。 80 00:09:29,281 --> 00:09:34,086 (杉浦愛蔵)しかし 藩を通して言ってくるとは厄介だな。 81 00:09:34,086 --> 00:09:36,021 おいで。 82 00:09:36,021 --> 00:09:39,892 無下に断れば この静岡の立場も悪くなる。 83 00:09:39,892 --> 00:09:41,827 そうなのですか? (杉浦)うん。 84 00:09:41,827 --> 00:09:44,597 今 僕らの学問所や兵学校に➡ 85 00:09:44,597 --> 00:09:50,102 最新の西洋の知識を学びたいという人材が 全国から集まっているんです。 86 00:09:50,102 --> 00:09:53,439 でも それを新政府がよく思っていない。 87 00:09:53,439 --> 00:09:56,108 徳川は邪魔だと斃しておきながら➡ 88 00:09:56,108 --> 00:09:59,979 徳川の直参を頼ってくるとは なんと恥知らずな! 89 00:09:59,979 --> 00:10:05,818 しかりだ。 我ら直参が 薩長の禄など はめるか! 90 00:10:05,818 --> 00:10:08,821 全くもってそのとおり! 91 00:10:08,821 --> 00:10:14,627 よし。 一度 東京に出向き その…➡ 92 00:10:14,627 --> 00:10:18,297 佐賀の大隈殿とやらに お受けできぬと➡ 93 00:10:18,297 --> 00:10:20,966 じかに返答してまいります。 94 00:10:20,966 --> 00:10:23,869 藩から断れば 藩に迷惑がかかるが➡ 95 00:10:23,869 --> 00:10:27,740 じかに行って きちんと道理を通せば 断れぬことはあるまい。 96 00:10:27,740 --> 00:10:30,643 とっさま ちゃんとお帰りになる? 97 00:10:30,643 --> 00:10:33,979 当たりめえだ。 おいで。 98 00:10:33,979 --> 00:10:40,152 当たりめえだ。 とっさまはな この地の商いが好きなんだ。 99 00:10:40,152 --> 00:10:44,490 作る者と売る者が手を組み よりよいものを作って➡ 100 00:10:44,490 --> 00:10:47,793 それを工夫して売って もうけを出す。 101 00:10:47,793 --> 00:10:52,164 どこか中の家を思い出す。 102 00:10:52,164 --> 00:10:57,036 それにな もうじきお前には 弟か妹が出来る。 103 00:10:57,036 --> 00:10:59,038 え!? おぉ そうなのか! 104 00:10:59,038 --> 00:11:01,173 お前様。 こんな皆さんのいるところで…。 105 00:11:01,173 --> 00:11:03,676 いいじゃねぇか。 めでてぇ話だ。 106 00:11:03,676 --> 00:11:06,512 俺たち一家は この先も➡ 107 00:11:06,512 --> 00:11:10,816 この静岡に しっかり根を下ろして 暮らしていくんだい。 108 00:11:10,816 --> 00:11:15,654 でも 断りづれぇのでは? あぁ 大丈夫ですよ お千代さん。 109 00:11:15,654 --> 00:11:18,691 渋沢には その口がある。 110 00:11:18,691 --> 00:11:23,696 さよう。 私もパリで どれほど小言を言われてきたことか。 111 00:11:23,696 --> 00:11:25,631 まぁ。 うむ。 112 00:11:25,631 --> 00:11:29,568 この口で きっちり断って戻ってまいります。 113 00:11:29,568 --> 00:11:31,503 うむ。 114 00:11:31,503 --> 00:11:38,777 こうして篤太夫は 新政府に乗り込むため 東京へと向かいました。 115 00:11:38,777 --> 00:11:40,777 その途中…。 116 00:11:48,153 --> 00:11:50,489 (猪飼勝三郎)渋沢! 117 00:11:50,489 --> 00:11:54,159 ハハハハ! 猪飼様! なぜここに? 118 00:11:54,159 --> 00:11:57,496 前様の御台様と駿府に向かっておる。 おぉ。 119 00:11:57,496 --> 00:12:01,667 お主 今は 駿府の懐を潤しておると聞いたぞ。 120 00:12:01,667 --> 00:12:06,338 ハハハ…。 川村様や昔なじみの皆様と 励んでおります。 121 00:12:06,338 --> 00:12:10,509 そうであったか! 122 00:12:10,509 --> 00:12:15,381 あちらが御台様だ。 123 00:12:15,381 --> 00:12:20,681 おぉ あのお方が上様の…。 124 00:12:39,638 --> 00:12:44,143 かつて 徳川幕府の象徴だった江戸城は➡ 125 00:12:44,143 --> 00:12:48,981 新政府の拠点として使われていました。 126 00:12:48,981 --> 00:12:52,017 (伊藤博文)わしゃ大蔵少輔の伊藤じゃ。 127 00:12:52,017 --> 00:12:55,320 お主は大隈さんとわしの下で 働くことになる。 128 00:12:55,320 --> 00:12:58,991 わしもエゲレスで学んだが お主はパリと聞いたぞ。 129 00:12:58,991 --> 00:13:01,660 その西洋の知識を この新政府で生かすとええ。 130 00:13:01,660 --> 00:13:06,799 否。 某は御一新があり 多く学べぬまま帰国しました。 131 00:13:06,799 --> 00:13:13,505 また 洋行前は 異人商館の焼き討ちを企てていた身。 132 00:13:13,505 --> 00:13:18,677 お? そんな己が 新政府様などで 働くとは畏れ多いことと…。 133 00:13:18,677 --> 00:13:22,014 で どこをやった? あ? 134 00:13:22,014 --> 00:13:23,949 焼き討ちじゃ。 135 00:13:23,949 --> 00:13:25,884 そうか 君もやったんか! 136 00:13:25,884 --> 00:13:30,189 そりゃあ スッとしたじゃろう。 で どこをやった? 137 00:13:30,189 --> 00:13:32,124 どこ? 138 00:13:32,124 --> 00:13:35,160 まぁ 横浜を焼き討ちにしてやろうと…。 139 00:13:35,160 --> 00:13:38,764 そりゃ豪気なもんじゃ! わしゃ品川じゃ。 140 00:13:38,764 --> 00:13:41,667 御殿山のエゲレス公使館に 焼玉をぶち込んじゃった。 141 00:13:41,667 --> 00:13:45,304 え… エゲレス公使館を 焼き討ちにしたんですか? 142 00:13:45,304 --> 00:13:48,774 そうじゃ。 井上さんなんか 火薬の勢いに たまげあげて➡ 143 00:13:48,774 --> 00:13:50,709 空濠に落っこってしもうた。 144 00:13:50,709 --> 00:13:53,145 おぉ なんと! 145 00:13:53,145 --> 00:13:56,482 いや 貴公は エゲレスの公使館を燃やしておきながら➡ 146 00:13:56,482 --> 00:13:58,417 エゲレスに学びに行ったのですか? 147 00:13:58,417 --> 00:14:02,354 おう そねえなことじゃ。 今はすっかり異国びいきよ。 148 00:14:02,354 --> 00:14:07,793 頭は柔らこういかんにゃなぁ。 ハハハハハハ…。 149 00:14:07,793 --> 00:14:10,996 ≪(三条実美)あぁ~。 あっ… 下がれ。 150 00:14:10,996 --> 00:14:14,696 (三条)あぁ~ 忙しや 忙しや。 151 00:14:18,737 --> 00:14:22,608 新政府右大臣の三条実美様じゃ。 152 00:14:22,608 --> 00:14:26,545 なんと。 あのお方が新政府の頭? 153 00:14:26,545 --> 00:14:29,681 はぁ~。 154 00:14:29,681 --> 00:14:31,681 いや 違う! 155 00:14:34,119 --> 00:14:36,919 大隈様は いずこに? 156 00:14:38,624 --> 00:14:41,124 手ごわいぞ~。 157 00:14:42,961 --> 00:14:44,961 なぬ。 158 00:14:52,471 --> 00:14:54,773 結構。 159 00:14:54,773 --> 00:14:57,573 (大隈綾子)失礼いたしました。 160 00:15:03,482 --> 00:15:09,354 (小声で)刀ん代わりに 算盤でん携えた おとなしか男かと。 161 00:15:09,354 --> 00:15:13,492 (博文) 気を付けれ。 斬られるかもしれんぞ。 162 00:15:13,492 --> 00:15:17,292 ≪(いななき) 163 00:15:18,997 --> 00:15:23,297 あ~ ちょちょちょ…。 あなたがお呼びになったんでしょ。 164 00:15:30,509 --> 00:15:32,509 (せきばらい) 165 00:15:46,458 --> 00:15:51,158 某は 渋沢篤太夫と申す。 166 00:15:53,131 --> 00:15:57,769 お… 大蔵大輔 大隈重信ばい!➡ 167 00:15:57,769 --> 00:15:59,838 やや お待ちしとった。 168 00:15:59,838 --> 00:16:04,476 本題の前に 一つお伺いしたい。 ん? 169 00:16:04,476 --> 00:16:08,146 表につないであった馬 あの馬は➡ 170 00:16:08,146 --> 00:16:12,317 ナポレオン三世から 先の上様に贈られたはずのもの。 171 00:16:12,317 --> 00:16:15,787 それが何故 貴公の邸にあるのですか? 172 00:16:15,787 --> 00:16:18,156 ≪(いななき) 173 00:16:18,156 --> 00:16:24,663 あぁ~ ありゃあ 皇城の西ん丸の厩に つながれたままになっとったけん➡ 174 00:16:24,663 --> 00:16:29,334 大蔵省の重役として 某がもらい受けた。 175 00:16:29,334 --> 00:16:32,034 実に よか馬ばい。 176 00:16:42,748 --> 00:16:44,683 そうだ。 酒でもいかがかな。 綾子…。 177 00:16:44,683 --> 00:16:46,618 結構でござる。 178 00:16:46,618 --> 00:16:50,289 先ほど 太政官にて➡ 179 00:16:50,289 --> 00:16:54,760 民部・大蔵省租税司の正という職を 仰せつけられましたが➡ 180 00:16:54,760 --> 00:16:59,760 早速 辞任いたしたく こちらに参りました。 181 00:17:01,633 --> 00:17:06,972 某には 静岡での務めがあります。 182 00:17:06,972 --> 00:17:11,643 また 大蔵省とやらに 一人の知人もおらず➡ 183 00:17:11,643 --> 00:17:15,514 租税司の職とて 何一つ知らぬところ。 184 00:17:15,514 --> 00:17:20,319 この任は お門違いでありましょう。 185 00:17:20,319 --> 00:17:22,988 うむ。 いや しかし…。 186 00:17:22,988 --> 00:17:25,023 また 本音を申せば➡ 187 00:17:25,023 --> 00:17:30,329 先の上様から卑怯にも政を奪った 薩長の新政府に➡ 188 00:17:30,329 --> 00:17:34,599 どうして元幕臣の某が 勤めることができましょうか。 189 00:17:34,599 --> 00:17:41,106 武士の情けとして その辺りの人の真心も 重々ご理解いただきたい。 190 00:17:41,106 --> 00:17:43,942 誰かさんに負けず劣らずの減らず口じゃ。 191 00:17:43,942 --> 00:17:45,942 えぇ まことに。 192 00:17:51,116 --> 00:17:53,452 渋沢君。 193 00:17:53,452 --> 00:17:59,958 君は 「某は少しも知らぬ」と 言うとうばってん…➡ 194 00:17:59,958 --> 00:18:05,831 すっと おいが 「何でん知っとう」と思うとるのであるか? 195 00:18:05,831 --> 00:18:07,833 ん? そいこそ お門違いばい。 196 00:18:07,833 --> 00:18:10,302 おいも 何も知らん。 え? 197 00:18:10,302 --> 00:18:12,971 いっちょん いっちょん 何も知らん。 198 00:18:12,971 --> 00:18:17,843 そがんじゃろ。 徳川が260年続く間に 世界は こがん変わり➡ 199 00:18:17,843 --> 00:18:21,480 ヨーロッパや 生まれて100年ばかりの メリケンばかり栄え➡ 200 00:18:21,480 --> 00:18:24,516 唐土三千年の歴史とゆうても あのありさまばい。 201 00:18:24,516 --> 00:18:29,221 そがん中 全くもって 新しか世ば始めようとすっとに➡ 202 00:18:29,221 --> 00:18:33,425 そんやり方ば知る者など おいも含め一人もおらん。 203 00:18:33,425 --> 00:18:36,094 知らんから辞むっちゅうんでは 皆が辞めねばならん。 204 00:18:36,094 --> 00:18:39,931 みんなが辞めてしもうたら この国は どがんなる? 205 00:18:39,931 --> 00:18:41,867 誰かが やらんばならんばい。 206 00:18:41,867 --> 00:18:49,274 新政府においては 全てが新規に 種のまき直しなのであ~る! 207 00:18:49,274 --> 00:18:51,274 あ~る! あ~る! 208 00:18:54,613 --> 00:18:56,548 なんと…。 209 00:18:56,548 --> 00:19:00,118 そんなありさまで御一新をしたとは。 210 00:19:00,118 --> 00:19:05,624 某は静岡にて「新政府は何をしている」と 不審に思っておりました。 211 00:19:05,624 --> 00:19:11,763 太政官札にしろ税にしろ 朝令暮改で少しも制度が定まらず➡ 212 00:19:11,763 --> 00:19:13,832 民は振り回され 天子様の世になっても➡ 213 00:19:13,832 --> 00:19:18,537 何一つよいことがないと 悲憤慷慨しておりました。 214 00:19:18,537 --> 00:19:22,140 まことに国のためを思うなら➡ 215 00:19:22,140 --> 00:19:26,778 新政府とやらは 徳川を切るべきではなかった。 216 00:19:26,778 --> 00:19:31,483 天子様のもと 世界の知識を第一に持ちえた➡ 217 00:19:31,483 --> 00:19:34,920 徳川と諸侯が一体となり 政をするべきだったんだ。 218 00:19:34,920 --> 00:19:37,255 上様には そのお覚悟があられた。 219 00:19:37,255 --> 00:19:40,158 だから政を返したんだ! 220 00:19:40,158 --> 00:19:45,730 にもかかわらず 薩摩や長州が 徳川憎しと戦を仕掛け…。 221 00:19:45,730 --> 00:19:47,799 さもありなん! さもありなん! さもありなん! 222 00:19:47,799 --> 00:19:49,935 じゃがしかし! それについては➡ 223 00:19:49,935 --> 00:19:52,838 おいのあずかり知るところでは ないのである! 224 00:19:52,838 --> 00:19:55,440 はぁ? (重信)おいは長崎におった。 225 00:19:55,440 --> 00:19:59,311 何やら奉行所が せからしかけん 「何かにゃ~」と思うたら➡ 226 00:19:59,311 --> 00:20:05,117 京で 幕府と薩長が戦をしたっちゅうんで おいも長崎の異人もびっくいした。 227 00:20:05,117 --> 00:20:07,619 は? なんという責任逃れ…。 228 00:20:07,619 --> 00:20:13,758 あいは岩倉様と薩摩と長州が勝手に始め 勝手に慶喜公が逃げたと。➡ 229 00:20:13,758 --> 00:20:16,461 おいはあずかり知らん。 ちょ…。 230 00:20:16,461 --> 00:20:18,396 (博文) そねえな言い方はなかろう 大隈さん。 231 00:20:18,396 --> 00:20:20,966 佐賀にしても 上野や会津の戦にゃ➡ 232 00:20:20,966 --> 00:20:23,001 アームストロング砲を どかんどかん やっちょったじゃないか。 233 00:20:23,001 --> 00:20:25,137 そいも知らん。 234 00:20:25,137 --> 00:20:27,973 戦は おいの領分ではなか。 235 00:20:27,973 --> 00:20:32,477 ばってん とにもかくにも いろいろあって 今 王政は復古した。 236 00:20:32,477 --> 00:20:34,412 そいは めでたか。➡ 237 00:20:34,412 --> 00:20:39,351 佐賀で学んだおいは とにかく今ん世ば ぶっ壊さねばと思うとった。➡ 238 00:20:39,351 --> 00:20:41,987 そいが まことにぶち壊れた。 239 00:20:41,987 --> 00:20:43,922 じゃが壊しただけではいかん。 240 00:20:43,922 --> 00:20:50,162 更に先に進み 真に新しか国家ば作らんばならん。 241 00:20:50,162 --> 00:20:52,497 君は…➡ 242 00:20:52,497 --> 00:20:56,697 新しか世ば 作りたいと思うたことはなかか? 243 00:21:00,805 --> 00:21:04,342 俺が守ってやんべぇ この国を。 244 00:21:04,342 --> 00:21:13,018 百姓といえども大いに戦って 俺は… この世を変えたい。 245 00:21:13,018 --> 00:21:16,888 幕府を変えるには この世を変えるには…。 246 00:21:16,888 --> 00:21:20,759 天子様を戴き 王道をもって天下を治める。 247 00:21:20,759 --> 00:21:23,361 やむをえねぇ。 やっちまいましょう! 248 00:21:23,361 --> 00:21:26,061 この一橋が天下を治めるのです! 249 00:21:33,972 --> 00:21:38,310 いや しかし某は…。 今 国は荒れ➡ 250 00:21:38,310 --> 00:21:42,180 各地で 百姓の一揆が起き パークスら外国公使も➡ 251 00:21:42,180 --> 00:21:48,320 「ホワット? これが新しい日本か?」 「全く信用できん」と ぶつくさ言うとる。 252 00:21:48,320 --> 00:21:52,190 そのとおり。 外国から新政府の評判は いよっいよ悪い。 253 00:21:52,190 --> 00:21:57,796 君ん言うとおり 岩倉様や大久保さんが いくら張り切ろうと その実➡ 254 00:21:57,796 --> 00:22:01,166 新政府は まことに名ばかり。 255 00:22:01,166 --> 00:22:05,804 恥ずかしか限りである。➡ 256 00:22:05,804 --> 00:22:08,340 御一新は終わりじゃなか。➡ 257 00:22:08,340 --> 00:22:12,010 国ば一つにまとめるとは こいからばい。➡ 258 00:22:12,010 --> 00:22:14,813 法律 軍事 教育…。➡ 259 00:22:14,813 --> 00:22:19,184 我ら大蔵省においては 貨幣の制度 税の取り立て➡ 260 00:22:19,184 --> 00:22:23,521 通信 度量の単位の制定や制度もまだばい。 261 00:22:23,521 --> 00:22:28,393 全て古き因襲ば打破し 知識ば海外に求め➡ 262 00:22:28,393 --> 00:22:32,764 西洋にも負けん 新しか制度ば作らんばならん。➡ 263 00:22:32,764 --> 00:22:39,137 そんためには 外国の事情に通じたる 優秀なもんば 一刻も早う政府に網羅し➡ 264 00:22:39,137 --> 00:22:45,477 それぞれ非常の奮励努力ばもって 協力同心するほかはないのである。 265 00:22:45,477 --> 00:22:51,777 すなわち 日本中から 八百万の神々ば集むるも同じ。 266 00:22:54,986 --> 00:22:57,889 八百万の神? (重信)さよう。 267 00:22:57,889 --> 00:23:01,760 君も神 おいも神ばい。 268 00:23:01,760 --> 00:23:04,996 日本ば思う神々が寄り集まり➡ 269 00:23:04,996 --> 00:23:10,335 こいから いかにし 新しか国ば作ろうかと思案する。➡ 270 00:23:10,335 --> 00:23:13,004 君も そん一人。 271 00:23:13,004 --> 00:23:17,304 八百万の神の一柱ばい。 272 00:23:21,513 --> 00:23:24,549 いやいや 某が神の一柱とは…。 273 00:23:24,549 --> 00:23:27,819 しかり。 我こそが国のために➡ 274 00:23:27,819 --> 00:23:31,019 これをやってやりたいと 思うことはなかか? 275 00:23:32,957 --> 00:23:38,630 (重信)皆で骨ば折り 新しか国ば作ろうではないか。 276 00:23:38,630 --> 00:23:42,300 おいは渋沢君に 今日にでも…➡ 277 00:23:42,300 --> 00:23:50,175 一柱として 日本を作る場に 立ってほしいのであ~る! 278 00:23:50,175 --> 00:23:58,750 ♬~ 279 00:23:58,750 --> 00:24:02,487 はぁ はぁ はぁ…。 280 00:24:02,487 --> 00:24:05,323 おい…。 281 00:24:05,323 --> 00:24:18,323 ♬~ 282 00:24:26,611 --> 00:24:28,911 お前様? 283 00:24:32,417 --> 00:24:35,954 完全に言い負けた。 284 00:24:35,954 --> 00:24:42,460 まぁ お前様より 口の立つ方がおられるとは。 285 00:24:42,460 --> 00:24:44,396 そう言うなよ。 286 00:24:44,396 --> 00:24:49,396 すぐに荷物をまとめて 一家で東京に来いと言われた。 287 00:24:51,169 --> 00:24:53,972 なんという横暴だ。 288 00:24:53,972 --> 00:24:59,844 くそぉ… どうしてこうなる? 289 00:24:59,844 --> 00:25:04,616 俺の道は行き止まりばかりだ。 290 00:25:04,616 --> 00:25:07,519 命をかけた焼き討ちは中止。 291 00:25:07,519 --> 00:25:10,422 倒幕を目指せば一橋に仕え➡ 292 00:25:10,422 --> 00:25:14,292 己の道を見つけたかと思えば 幕臣となり➡ 293 00:25:14,292 --> 00:25:17,992 あげく 主まで失った。 294 00:25:19,798 --> 00:25:22,333 それで ようやくだ。 295 00:25:22,333 --> 00:25:27,806 ようやく安住の地を見つけたと 思っていたのに もう…。 296 00:25:27,806 --> 00:25:31,806 あぁ~ またこれだ! 297 00:25:33,611 --> 00:25:42,320 えぇ そうやってお蚕様みてぇに 何度も何度も脱皮しながら➡ 298 00:25:42,320 --> 00:25:47,020 よくぞ生き残ってくださいました。 299 00:25:57,769 --> 00:26:01,639 喜作も 生きていた。 300 00:26:01,639 --> 00:26:03,639 え? 301 00:26:10,648 --> 00:26:15,848 東京の軍務官糾問所に 投獄されているそうだ。 302 00:26:18,389 --> 00:26:23,189 このまま 打ち首の可能性もある。 303 00:26:27,665 --> 00:26:32,665 あいつは もとより 死は覚悟していたんだろう。 304 00:26:34,272 --> 00:26:38,943 俺もあの時 日本にいれば➡ 305 00:26:38,943 --> 00:26:41,943 同じ目に遭っていてもおかしくねぇ。 306 00:26:45,817 --> 00:26:48,817 あいつは もう一人の俺だ。 307 00:26:55,393 --> 00:26:58,329 (徳川慶喜) 八百万の神とは恐れ多いことを。 308 00:26:58,329 --> 00:27:00,965 ははっ。 309 00:27:00,965 --> 00:27:06,471 新しき政府は 思い描いていた以上に混乱の極み。 310 00:27:06,471 --> 00:27:09,471 むちゃくちゃなありさまでございました。 311 00:27:11,309 --> 00:27:19,484 某は 新政府は そう遠くない未来に 必ず崩れると考えております。 312 00:27:19,484 --> 00:27:22,987 第一に 人材がおりません。 313 00:27:22,987 --> 00:27:29,160 薩長の政権かと思えば 島津や毛利の殿様に力がなく➡ 314 00:27:29,160 --> 00:27:34,599 世間知らずの公家や田舎侍 草莽の成り上がりなんかが威張るばかり。 315 00:27:34,599 --> 00:27:40,471 大隈という方もおっしゃっていたが 新政府とは名ばかり。 316 00:27:40,471 --> 00:27:43,471 御一新は始まってもおりませぬ。 317 00:27:46,744 --> 00:27:51,583 某は この上は ここ静岡で力を貯え➡ 318 00:27:51,583 --> 00:27:59,283 新政府が転覆したその時こそ 我らで 新しい日本を守るべきだと存じます。 319 00:28:01,326 --> 00:28:05,326 ここはよいが 外では気を付けよ。 320 00:28:07,065 --> 00:28:09,000 知らぬのか。 321 00:28:09,000 --> 00:28:14,639 今 静岡には 岩倉殿の密偵が多く紛れ込んでいる。 322 00:28:14,639 --> 00:28:18,142 徳川が 朝廷に 恭順しているように見せかけ➡ 323 00:28:18,142 --> 00:28:21,646 陰謀を企てていると怪しんでいるのだ。 324 00:28:21,646 --> 00:28:24,649 そなたのような 威勢のよいことを考えるものが➡ 325 00:28:24,649 --> 00:28:28,419 まだ少なからずおるからな。 326 00:28:28,419 --> 00:28:31,219 しかし私には その気はない。 327 00:28:32,924 --> 00:28:37,924 そなたも とやかく言わず 東京に行ったらどうだ? 328 00:28:39,597 --> 00:28:43,935 まだ日本は 危急存亡のときだ。 329 00:28:43,935 --> 00:28:46,838 こうなって つくづく思う。 330 00:28:46,838 --> 00:28:50,274 東照神君は偉大であった。 331 00:28:50,274 --> 00:28:52,944 260年だ。 332 00:28:52,944 --> 00:28:59,283 あのような国づくりをできるお方は 千年に一人もおらぬであろう。 333 00:28:59,283 --> 00:29:05,089 東照神君なくして国を作るなら 八百万とは言わずとも➡ 334 00:29:05,089 --> 00:29:08,389 多くが力を合わせるしかない。 335 00:29:13,765 --> 00:29:15,765 承服できませぬ。 336 00:29:17,468 --> 00:29:25,343 某には 上様が何をお考えなのか分かりません。 337 00:29:25,343 --> 00:29:28,343 ひと事のように言われては困る。 338 00:29:31,582 --> 00:29:33,584 上様ならできた。 339 00:29:33,584 --> 00:29:36,254 上様は消えるべきではなかった。 340 00:29:36,254 --> 00:29:42,593 あなたこそが 朝廷や大名たちをまとめ 新しい日本を作るべきだったんです! 341 00:29:42,593 --> 00:29:46,097 行きたいと思っておるのであろう?➡ 342 00:29:46,097 --> 00:29:50,597 日本のため その腕を振るいたいと。 343 00:29:52,970 --> 00:29:56,607 ならば 私のことは忘れよ。 344 00:29:56,607 --> 00:30:00,945 私は御台を呼び寄せ このように邸を構え➡ 345 00:30:00,945 --> 00:30:06,617 時には西洋の絵を学び 碁を打ち 心穏やかに過ごしている。 346 00:30:06,617 --> 00:30:17,261 ♬~ 347 00:30:17,261 --> 00:30:19,961 これが最後の命だ。 348 00:30:21,966 --> 00:30:28,840 渋沢 この先は日本のために尽くせ。 349 00:30:28,840 --> 00:30:47,992 ♬~ 350 00:30:47,992 --> 00:30:49,992 ははっ。 351 00:30:52,497 --> 00:30:54,497 うむ。 352 00:31:05,076 --> 00:31:09,914 では 士分となった際に➡ 353 00:31:09,914 --> 00:31:15,520 平岡様から頂いた 「篤太夫」の名をお返しし➡ 354 00:31:15,520 --> 00:31:18,022 もとの名に戻したいと存じます。 355 00:31:18,022 --> 00:31:20,722 もとの名とは何だ? 356 00:31:25,696 --> 00:31:29,896 渋沢栄一と申します。 357 00:31:31,969 --> 00:31:35,169 渋沢栄一…。 358 00:31:40,645 --> 00:31:45,145 某は渋沢栄一でございます! 359 00:31:47,151 --> 00:31:50,151 渋沢栄一でございます! 360 00:31:52,657 --> 00:31:56,527 フッ… そんな名であったかなぁ。 361 00:31:56,527 --> 00:32:07,505 ♬~ 362 00:32:07,505 --> 00:32:14,205 今まで ありがとうございました。 363 00:32:18,015 --> 00:32:20,015 渋沢栄一。 364 00:32:22,687 --> 00:32:26,023 ははっ。 365 00:32:26,023 --> 00:32:29,527 大儀であった。 366 00:32:29,527 --> 00:32:32,727 息災を祈る。 367 00:32:42,106 --> 00:32:44,475 ははっ! 368 00:32:44,475 --> 00:33:09,333 ♬~ 369 00:33:09,333 --> 00:33:19,043 ♬~ 370 00:33:19,043 --> 00:33:21,743 申し訳ない。 371 00:33:23,881 --> 00:33:29,020 新政府など ぶっ潰れてしまえと俺も思う。 372 00:33:29,020 --> 00:33:33,457 しかし… 俺は今➡ 373 00:33:33,457 --> 00:33:38,629 上様のためにも 捕まっている成一郎たちのためにも➡ 374 00:33:38,629 --> 00:33:45,770 徳川をぶっ潰したやつらに お前たちだけではできなかっただろうと➡ 375 00:33:45,770 --> 00:33:54,145 徳川があってよかったと 徳川なしには 日本は守れなかったと➡ 376 00:33:54,145 --> 00:33:56,345 思い知らせてやりてぇんだ。 377 00:34:02,486 --> 00:34:06,157 見せてやれ。 378 00:34:06,157 --> 00:34:08,657 幕臣の意地を! 379 00:34:10,661 --> 00:34:18,361 どこにいても 僕は渋沢の友だ。 380 00:34:22,273 --> 00:34:24,273 あ~! 381 00:34:26,677 --> 00:34:28,677 あ~! 382 00:34:31,949 --> 00:34:33,884 渋沢! 383 00:34:33,884 --> 00:34:36,454 杉浦! 384 00:34:36,454 --> 00:34:38,389 杉浦! 385 00:34:38,389 --> 00:34:41,759 また おうちが かわるの? 386 00:34:41,759 --> 00:34:45,963 せっかく友達もできたんに 勘弁してくれいな。 387 00:34:45,963 --> 00:34:49,767 東京は ここよりずっと 血洗島と近ぇから➡ 388 00:34:49,767 --> 00:34:51,836 きっと じいさま ばあさまとも 会えますよ。 389 00:34:51,836 --> 00:34:54,605 やった~! ハハハ。 390 00:34:54,605 --> 00:34:56,974 早速 文で知らせねぇと。 391 00:34:56,974 --> 00:34:58,974 ≪渋沢さ~ん! 392 00:35:00,644 --> 00:35:02,980 後ろ髪を引かれますが➡ 393 00:35:02,980 --> 00:35:07,680 この先は皆さんに お願いするよりほかはありませぬ。 394 00:35:09,320 --> 00:35:13,491 聞いたぞ 渋沢。 渋沢がおらねば困る。 395 00:35:13,491 --> 00:35:15,793 あぁ まことに申し訳ない…。 396 00:35:15,793 --> 00:35:19,663 (川村恵十郎)何を困っておられる。 (準)え? 397 00:35:19,663 --> 00:35:26,537 もうここは 静岡藩の手を離れた立派なコンパニーだ。 398 00:35:26,537 --> 00:35:28,672 (萩原四郎兵衛)さよう。➡ 399 00:35:28,672 --> 00:35:31,942 これっからも我々が 静岡を盛り上げていかまいや! 400 00:35:31,942 --> 00:35:33,878 おう! 任しよ~! 401 00:35:33,878 --> 00:35:37,448 おぉ 頼もしい。 頼みましたぞ。 402 00:35:37,448 --> 00:35:39,383 (一同)はい! 403 00:35:39,383 --> 00:35:42,883 よし やるぞ! おう! 仕事に戻るぞ! 404 00:35:52,296 --> 00:35:56,167 (美賀君)お久しゅうございます。 405 00:35:56,167 --> 00:35:58,169 うむ。 406 00:35:58,169 --> 00:36:03,469 上野におった折 寝具や衣類を 運び入れてくれたこと 感謝しておる。 407 00:36:14,652 --> 00:36:17,521 何だ? 408 00:36:17,521 --> 00:36:23,661 あまりに久しぶりのお目もじで このようなお顔やったかしらと…。 409 00:36:23,661 --> 00:36:27,461 京からホトガラフを送ったであろう。 410 00:36:30,534 --> 00:36:36,607 あれなら 一橋のお屋敷を出された時に 置いてまいりました。 411 00:36:36,607 --> 00:36:42,113 後には 天璋院様が入られたゆえ➡ 412 00:36:42,113 --> 00:36:47,113 きっと すぐに お捨てにならしゃられたことでしょう。 413 00:37:21,785 --> 00:37:25,990 よく…➡ 414 00:37:25,990 --> 00:37:32,596 よく生きていてくださりました。 415 00:37:32,596 --> 00:37:46,610 ♬~ 416 00:37:46,610 --> 00:37:51,610 (美賀君) 妾はどうしても 御前の子が欲しい。 417 00:37:53,384 --> 00:38:01,759 天璋院様や静寛院宮様は 何度も妾に➡ 418 00:38:01,759 --> 00:38:07,759 「慶喜に腹を切るよう勧めろ」と おっしゃった。 419 00:38:10,501 --> 00:38:15,501 それでも御前は今 こうして生きおおせたのじゃ。 420 00:38:17,975 --> 00:38:24,475 妾は 何としてでも 御前のお子を残してみせる。 421 00:38:26,984 --> 00:38:32,723 そして…➡ 422 00:38:32,723 --> 00:38:37,928 立派に育ててみせる。 423 00:38:37,928 --> 00:38:42,228 ♬~ 424 00:38:59,750 --> 00:39:02,453 (岩倉具視) お上は 東京の暮らしにも慣れられ➡ 425 00:39:02,453 --> 00:39:07,291 勉学のみならず もうお馬にも上手にお乗りになられる。 426 00:39:07,291 --> 00:39:12,129 んまぁ 外の風に当たることも 稀であったお上が…。 427 00:39:12,129 --> 00:39:14,064 (大久保利通)すばらしかこと。 428 00:39:14,064 --> 00:39:20,471 新しき世の天子様には 全ての民の父たる天賦の御職掌を➡ 429 00:39:20,471 --> 00:39:23,507 重んじていただきとう お頼みもしゃげもす。 430 00:39:23,507 --> 00:39:27,144 うむ。 この先は王土王臣➡ 431 00:39:27,144 --> 00:39:31,915 土地も人民も お上の下にあることを しかと知らしめねばのう。 432 00:39:31,915 --> 00:39:38,088 ばってん 肝心の長州と薩摩が 当てにならんとはのう。 433 00:39:38,088 --> 00:39:41,592 さよう。 島津殿がへそを曲げ➡ 434 00:39:41,592 --> 00:39:47,097 維新の立て役者であった西郷殿までが 国に帰ってしまうとは。 435 00:39:47,097 --> 00:39:52,603 五代も去ってしまい 木戸も長州の騒動で手いっぱいだ。 436 00:39:52,603 --> 00:39:55,506 そいより 榎本らの処分でございもすが…。 437 00:39:55,506 --> 00:40:00,277 (春嶽)いや それよりも 我が越前の三岡が作った太政官札に➡ 438 00:40:00,277 --> 00:40:02,313 まだ文句を言うものがおると聞いた。➡ 439 00:40:02,313 --> 00:40:04,448 けしからん。 (重信)いえ そいは…。 440 00:40:04,448 --> 00:40:06,750 失礼つかまつります。 ん? 誰や? 441 00:40:06,750 --> 00:40:11,288 おぉ 渋沢君。 来てくるっと思うとったぞ! 442 00:40:11,288 --> 00:40:14,124 渋沢? ははっ。 443 00:40:14,124 --> 00:40:17,027 大隈様。 本日より出仕し➡ 444 00:40:17,027 --> 00:40:21,865 江戸城… ではなく 皇城をぐるりと回り➡ 445 00:40:21,865 --> 00:40:26,637 政をつぶさに観察しておりましたが…➡ 446 00:40:26,637 --> 00:40:29,640 こりゃあ駄目でございます。 ん? 駄目? 447 00:40:29,640 --> 00:40:32,976 あまりに何もできていない。 むちゃくちゃだ。 448 00:40:32,976 --> 00:40:36,313 むちゃくちゃ! いや… そがんなことはなか。 449 00:40:36,313 --> 00:40:38,248 とりあえず あっちへ…。 450 00:40:38,248 --> 00:40:40,484 いたたたたた…。 451 00:40:40,484 --> 00:40:43,520 城にいる者は確かに皆 励んではいます。 452 00:40:43,520 --> 00:40:47,257 しかし 目の前のことをこなすことに 精いっぱいで➡ 453 00:40:47,257 --> 00:40:52,196 東照大権現様のように この先 5年 10年 100年先の日本が➡ 454 00:40:52,196 --> 00:40:55,966 どうなるかを考えて励んでる者が 一人もいない。 455 00:40:55,966 --> 00:40:57,901 痛か~! いや… いや…! 456 00:40:57,901 --> 00:41:02,172 このままでは 新政府は あっという間に破綻します。 457 00:41:02,172 --> 00:41:05,509 は? おい おはんは何を! 458 00:41:05,509 --> 00:41:07,444 あ… あんたは どこの誰や! 459 00:41:07,444 --> 00:41:11,644 一橋に仕えておりました 渋沢栄一と申します。 460 00:41:13,817 --> 00:41:19,356 まことに新しい国を作るなら 高所から 何をどうすべきか➡ 461 00:41:19,356 --> 00:41:23,527 きちんと道筋を立てて 考えねばなりません。 462 00:41:23,527 --> 00:41:30,401 そのためにも 民部・大蔵省に 新しき一柱を立てていただきたい。 463 00:41:30,401 --> 00:41:33,971 新しい一柱? ははっ。 464 00:41:33,971 --> 00:41:37,641 未来を見通す優秀な人材を集め➡ 465 00:41:37,641 --> 00:41:42,141 順序よく次々と 国の中身を改めていく一柱。 466 00:41:44,782 --> 00:41:46,850 言うならば…。 467 00:41:46,850 --> 00:41:48,986 失礼。 468 00:41:48,986 --> 00:41:50,986 えっ…。 469 00:41:56,660 --> 00:42:02,800 正しく改める掛 すなわち…➡ 470 00:42:02,800 --> 00:42:05,300 改正掛でございます! 471 00:42:07,171 --> 00:42:09,673 (足音) 472 00:42:09,673 --> 00:42:11,608 (博文)ここにおったんか 渋沢! 473 00:42:11,608 --> 00:42:13,808 捜しちょったんじゃ。 474 00:42:17,014 --> 00:42:19,514 ここは大蔵省じゃないぞ。 475 00:42:31,195 --> 00:42:34,164 大変失礼いたしました! 476 00:42:34,164 --> 00:42:36,767 大隈様がいたもんだから つい…。 477 00:42:36,767 --> 00:42:38,702 (宗城)早く連れていけ。 はっ! 478 00:42:38,702 --> 00:42:40,637 失礼しました! ささささ…。 479 00:42:40,637 --> 00:42:43,140 あぁ…。 何しとんじゃ。 480 00:42:43,140 --> 00:42:45,075 なぜ こんなことに…。 481 00:42:45,075 --> 00:42:49,012 はぁ…。 何や 今の失礼な男は…。 482 00:42:49,012 --> 00:42:52,649 明治2年11月。 483 00:42:52,649 --> 00:42:59,790 渋沢篤太夫改め 渋沢栄一は 明治新政府に出仕しました。 484 00:42:59,790 --> 00:43:01,725 ひと言 言えたでしょう! 485 00:43:01,725 --> 00:43:03,994 この国に急ぎ入り用なものとは…。 486 00:43:03,994 --> 00:43:06,897 正しい丈量でございましょう。 メートリックを試してみたらええ! 487 00:43:06,897 --> 00:43:08,866 郵便。 郵便だ。 488 00:43:08,866 --> 00:43:11,335 養蚕のことは君に任す! 489 00:43:11,335 --> 00:43:14,004 いいから…。 私がやりますから。 490 00:43:14,004 --> 00:43:17,341 出過ぎたまねはすんな! また異国に行くんか。 491 00:43:17,341 --> 00:43:19,376 平九郎は新政府に殺されたんだ! 492 00:43:19,376 --> 00:43:22,012 西郷は まだ出てきぃひんのか? 493 00:43:22,012 --> 00:43:24,047 お通り~。 494 00:43:24,047 --> 00:43:26,547 時が足りねぇ! 495 00:43:34,491 --> 00:43:37,327 静岡県静岡市。 496 00:43:37,327 --> 00:43:42,527 栄一が去ったあとも 慶喜は この地で暮らしました。 497 00:43:44,668 --> 00:43:47,170 謹慎を解かれた慶喜は➡ 498 00:43:47,170 --> 00:43:52,009 紺屋町にあった 元代官屋敷に移り住みます。 499 00:43:52,009 --> 00:43:59,309 ここは 栄一が起こした商法會所が 最初に置かれた場所でもありました。 500 00:44:03,520 --> 00:44:09,326 庭にたたずむ稲荷神社は 慶喜が子宝に恵まれたことにあやかり➡ 501 00:44:09,326 --> 00:44:13,826 子福稲荷神社と名を改めました。 502 00:44:16,233 --> 00:44:23,733 静岡に残った慶喜は 絵画や写真撮影などの趣味に没頭します。 503 00:44:25,709 --> 00:44:31,515 慶喜が頻繁に訪れた場所の一つ 安倍川。 504 00:44:31,515 --> 00:44:39,215 慶喜は 静岡県内のさまざまな場所に赴き 写真撮影を行いました。 505 00:44:45,796 --> 00:44:50,334 弟 昭武とも交流を持ち続けた慶喜は➡ 506 00:44:50,334 --> 00:44:55,634 静岡の地で 穏やかな時間を送りました。 507 00:45:33,977 --> 00:45:37,648 決行は 3日後。 508 00:45:37,648 --> 00:45:42,986 <再び動き始めた 雲霧仁左衛門と その一党は➡ 509 00:45:42,986 --> 00:45:47,658 米問屋 伊勢屋襲撃を企てた> 510 00:45:47,658 --> 00:45:49,993 これは わしへの挨拶じゃ。 511 00:45:49,993 --> 00:45:54,331 <火付盗賊改の安部式部は…> 受けて立つまで。 512 00:45:54,331 --> 00:45:57,234 <雲霧が 米問屋を襲うと見抜いたが➡ 513 00:45:57,234 --> 00:46:00,003 どの店かは つかめない。➡