1 00:00:33,392 --> 00:00:36,962 (渋沢栄一) まずは この国に急ぎ入り用なものとは? 2 00:00:36,962 --> 00:00:40,299 (前島 密)駅逓を定め 新しき飛脚の制度を立てましょう。 3 00:00:40,299 --> 00:00:42,234 (岡本健三郎)戸籍の編纂じゃき。 4 00:00:42,234 --> 00:00:45,170 (局員)郵便です。 (杉浦 譲)届いたぞ! 5 00:00:45,170 --> 00:00:51,310 栄一は 大蔵省に 改正掛を立ち上げましたが…。 6 00:00:51,310 --> 00:00:53,810 (大久保利通)出過ぎたまねはすんな! 7 00:00:59,818 --> 00:01:02,855 改正掛は 潰してしまわねばないもはん。 8 00:01:02,855 --> 00:01:07,693 (岩倉具視) それより 西郷はまだ出てきぃひんのか? 9 00:01:07,693 --> 00:01:12,331 はぁ 武士というのが これほど まとまらへんものとは あきれたことや。 10 00:01:12,331 --> 00:01:15,367 私は いま一度 鹿児島に向かい…。 11 00:01:15,367 --> 00:01:18,867 (岩倉)いや 今度は わしも参りまひょ。 12 00:01:20,839 --> 00:01:25,511 お上の世は また潰れてしまう。 13 00:01:25,511 --> 00:01:27,446 ははっ。 14 00:01:27,446 --> 00:01:34,319 西郷を東京へ連れ戻すために 岩倉は 鹿児島に向かいました。 15 00:01:34,319 --> 00:01:41,960 お上も 薩摩が東京に来て ようやく政府はまとまると仰せである。 16 00:01:41,960 --> 00:01:45,464 力と名のある薩摩が必要なんや。 17 00:01:45,464 --> 00:01:54,173 島津は 天地のあらん限り 天子様と光を同じくすっつもいでごわす。 18 00:01:54,173 --> 00:01:56,608 じゃっどん ううっ…。➡ 19 00:01:56,608 --> 00:01:59,311 胃の腑の痛みが…。 20 00:01:59,311 --> 00:02:01,813 そうかぁ…。 21 00:02:01,813 --> 00:02:05,684 しかし まことにお上を思うなら➡ 22 00:02:05,684 --> 00:02:11,990 せめて代わりの要の者を 差し出していただかねばのう。 23 00:02:11,990 --> 00:02:14,326 (久光) おいの代わりの要など おいもはん! 24 00:02:14,326 --> 00:02:16,995 それやったら ブツブツ言わんと あんたさんが来たらよろし。 25 00:02:16,995 --> 00:02:22,868 そいはそうでございもすが… おい。 26 00:02:22,868 --> 00:02:24,870 ははっ。 27 00:02:24,870 --> 00:02:29,174 求心力を失っていた新政府にとって➡ 28 00:02:29,174 --> 00:02:34,146 軍を束ねる西郷は 頼みの綱だったのです。 29 00:02:34,146 --> 00:02:37,282 (徳川家康)あぁ 駄目だ駄目だ。 30 00:02:37,282 --> 00:02:40,586 それじゃ何も変わらん…。 31 00:02:40,586 --> 00:02:43,956 あ 失礼。 32 00:02:43,956 --> 00:02:48,126 こんばんは。 徳川家康です。 33 00:02:48,126 --> 00:02:56,001 ちっとも新しい世が定まらないので あと少しだけ話をさせてください。 34 00:02:56,001 --> 00:02:59,605 栄一が 新政府に入って2年。 35 00:02:59,605 --> 00:03:03,141 たくさんのことをやりましたよ。 36 00:03:03,141 --> 00:03:14,152 度量衡の統一 貨幣制度の改正 鉄道事業 エトセトラ エトセトラ。 37 00:03:14,152 --> 00:03:19,825 新しい時代を作る支度は 少しずつ整った。 38 00:03:19,825 --> 00:03:22,160 しかし! 39 00:03:22,160 --> 00:03:28,834 各地で税や権力を握るのは 相変わらず 元の藩主たちだ。 40 00:03:28,834 --> 00:03:35,274 新しい意見を 武力で抑え込もうとするところも同じ。 41 00:03:35,274 --> 00:03:39,144 今 あえて聞きたい。 42 00:03:39,144 --> 00:03:46,285 徳川幕府を倒してまで 君たちが作りたかった新しい世は➡ 43 00:03:46,285 --> 00:03:51,085 一体 何なんだ? 44 00:04:01,133 --> 00:04:03,068 西郷様? 45 00:04:03,068 --> 00:04:05,304 お~ ハハハハ。 46 00:04:05,304 --> 00:04:07,239 やっぱり西郷様だ。 47 00:04:07,239 --> 00:04:13,812 (西郷隆盛) おぉ 渋沢の篤太夫どんではなかか。 48 00:04:13,812 --> 00:04:17,149 生きちょったか! あぁ ハハハハ。 49 00:04:17,149 --> 00:04:19,149 ははっ。 50 00:04:21,486 --> 00:04:27,359 国を守りたい一心で 静岡藩から出仕してまいりましたが➡ 51 00:04:27,359 --> 00:04:35,159 この政府は 八百万の神どころか いたずらに争って威信をなくしてる。 52 00:04:36,968 --> 00:04:41,773 相変わらず正直なお人じゃ。 53 00:04:41,773 --> 00:04:48,647 ほうか。 おはんが願っちょったような 徳のあるもんは おらんかったか。 54 00:04:48,647 --> 00:04:51,950 はい。 55 00:04:51,950 --> 00:04:57,250 この先は 西郷様に 国を一つにまとめていただきたい。 56 00:04:59,124 --> 00:05:02,994 天下統一か…。 57 00:05:02,994 --> 00:05:06,865 おいが来たとこで どげんなる? 58 00:05:06,865 --> 00:05:12,137 かえって うっ壊すことになっかもしれんど。 59 00:05:12,137 --> 00:05:19,837 フン。 ハハハハハハハハ…。 60 00:05:23,849 --> 00:05:26,685 西郷様の言うとおりだ。 61 00:05:26,685 --> 00:05:32,424 この国は もう一遍 ぶっ壊すべきなのかもしれねえ。 62 00:05:32,424 --> 00:05:37,262 こんなことで… ちっとも何にも変わんねぇや。 63 00:05:37,262 --> 00:05:42,134 昔っから とっさまは言っていた。 64 00:05:42,134 --> 00:05:45,771 (渋沢市郎右衛門) 公方様でも 親でも師匠でも➡ 65 00:05:45,771 --> 00:05:49,107 人の上に立つものは 皆 上だ。 66 00:05:49,107 --> 00:05:53,278 上に立つものは下のものへの責任がある。 67 00:05:53,278 --> 00:05:55,313 せきにんとは何だい? 68 00:05:55,313 --> 00:05:59,451 大事なものを守るつとめだ。 69 00:05:59,451 --> 00:06:02,788 そのとおり。 70 00:06:02,788 --> 00:06:04,823 下々がいくら頑張っても➡ 71 00:06:04,823 --> 00:06:07,659 上に立つもんが よほどしっかりしてねぇと➡ 72 00:06:07,659 --> 00:06:11,963 国も人も守れねぇ。 73 00:06:11,963 --> 00:06:16,463 こんなことでは この国は もう…。 74 00:06:19,838 --> 00:06:21,973 おお うた。 75 00:06:21,973 --> 00:06:25,310 (渋沢うた)じいさまは お元気なんかなあ。 76 00:06:25,310 --> 00:06:28,980 起きてたんか。 ほら おいで。 77 00:06:28,980 --> 00:06:32,417 (渋沢千代)目が覚めちまったんだいね。 78 00:06:32,417 --> 00:06:36,254 じいさまは いつも うたを守ってくれました。 79 00:06:36,254 --> 00:06:43,128 えぇ。 「栄一がいねぇ間は きっと俺が守ってやる」と。 80 00:06:43,128 --> 00:06:45,764 そうか。 81 00:06:45,764 --> 00:06:50,569 今は俺が守んねぇとな。 82 00:06:50,569 --> 00:06:54,272 なかなか ゆっくりできず すまねぇな。 83 00:06:54,272 --> 00:07:00,445 家には 私も働き手もおりますから どうか存分に励んでください。 84 00:07:00,445 --> 00:07:02,445 うむ。 85 00:07:04,282 --> 00:07:10,455 国の仕事は やりがいはあるんだ。 86 00:07:10,455 --> 00:07:13,155 しかしな…。 87 00:07:17,229 --> 00:07:20,165 よ~し うた。 今日は とっさまと一緒に寝るかい。 88 00:07:20,165 --> 00:07:22,968 やった~! おぉ。 89 00:07:22,968 --> 00:07:27,472 よし 明日も仕事だ。 90 00:07:27,472 --> 00:07:30,475 どうだい? あぁ お帰り。 91 00:07:30,475 --> 00:07:57,975 ♬~ 92 00:08:00,772 --> 00:09:10,108 ♬~ 93 00:09:10,108 --> 00:10:50,908 ♬~ 94 00:10:52,610 --> 00:10:58,416 栄一は 新しく流通させる硬貨の品質を 確認するため➡ 95 00:10:58,416 --> 00:11:01,820 大阪の造幣局に出張していました。 96 00:11:01,820 --> 00:11:05,690 おぉ~ 「圓」か。 97 00:11:05,690 --> 00:11:08,890 こりゃ美しい貨幣じゃ。 98 00:11:11,496 --> 00:11:13,998 (伊藤博文)新貨条例が出来たら 次は いよいよバンクじゃ。 99 00:11:13,998 --> 00:11:16,634 (五代友厚)バンクも美しか紙幣も どっちも入り用じゃ。 100 00:11:16,634 --> 00:11:21,840 (大隈重信)おぉ 五代さん。 おぉ 久しかぶいじゃな 大隈君。 101 00:11:21,840 --> 00:11:26,344 ん? もしかすっと おはんが渋沢さんか? 102 00:11:26,344 --> 00:11:28,646 へ? はぁ…。 103 00:11:28,646 --> 00:11:32,450 おぉ! ほんのこて ようやく会えもしたな。 104 00:11:32,450 --> 00:11:36,450 うわさを聞いて どげん人かち思い浮かべちょった。 105 00:11:38,323 --> 00:11:40,325 (田辺太一)薩摩の五代才助か! 106 00:11:40,325 --> 00:11:42,794 世話にないもした。 107 00:11:42,794 --> 00:11:45,697 待ってくれ! あの借款がなくなったせいで➡ 108 00:11:45,697 --> 00:11:48,299 あなたのせいで…。 109 00:11:48,299 --> 00:11:51,803 じゃっどん… どっかで会うたこっが? 110 00:11:51,803 --> 00:11:54,305 いや お会いしたことなどありませぬ。 111 00:11:54,305 --> 00:11:58,176 五代さんは今 この大阪で 鉱山や 分析した古い金銀を➡ 112 00:11:58,176 --> 00:12:00,812 ここにおろす商いや いろんなことをしよる。 113 00:12:00,812 --> 00:12:03,615 商い? (重信)商いなどに身ば振るとは➡ 114 00:12:03,615 --> 00:12:08,319 もったいなか。 大久保さんは 五代さんば 大蔵省に任官したかとばい。 115 00:12:08,319 --> 00:12:10,622 おいが入ったら おはんが要らんくなっど。 116 00:12:10,622 --> 00:12:13,491 (笑い声) 117 00:12:13,491 --> 00:12:19,631 国のためを思うなら まちっと大きな目で 仲ようやらんにゃならん。 118 00:12:19,631 --> 00:12:22,500 (三野村利左衛門) お邪魔いたします。 失礼いたします。 119 00:12:22,500 --> 00:12:28,306 あぁ~ いやぁ よう おいでいただきました 大阪へ。 120 00:12:28,306 --> 00:12:30,375 (井上 馨)三野村! 待っちょったぞ。 121 00:12:30,375 --> 00:12:35,947 なぜ大阪へ? 上方が 三井の本拠地でございます。 122 00:12:35,947 --> 00:12:42,587 かねてより大いに歓迎せねばと お待ちしておりましたのでございます。 123 00:12:42,587 --> 00:12:46,457 今宵は三井が 歓迎の宴をご用意しております。 124 00:12:46,457 --> 00:12:49,360 よっしゃ それが楽しみで来たんじゃ! ハハハ。 125 00:12:49,360 --> 00:12:52,330 早くご案内しないかい。 宴じゃ 宴じゃ。 126 00:12:52,330 --> 00:12:55,600 どうぞ どうぞ…。 127 00:12:55,600 --> 00:12:59,137 渋沢様も どうぞ どうぞ。 128 00:12:59,137 --> 00:13:04,008 渋沢様。 この三野村 一目お会いした時から➡ 129 00:13:04,008 --> 00:13:12,317 あ~ きっとあなた様は 新政府に 入り用なお方だなと思っておりました。 130 00:13:12,317 --> 00:13:14,252 え? 131 00:13:14,252 --> 00:13:17,188 野暮な話はそれだけ。 どうぞ 宴でございます。 132 00:13:17,188 --> 00:13:19,488 宴。 鯛や鮃の…。 133 00:13:24,028 --> 00:13:27,332 はぁ ちっと食い過ぎた。 134 00:13:27,332 --> 00:13:29,267 お~! おぉ…。 135 00:13:29,267 --> 00:13:31,202 (大内くに)あっ…。 お! すんません! 136 00:13:31,202 --> 00:13:33,202 いや こっちこそ すまん! 137 00:13:35,139 --> 00:13:37,139 すいません! 138 00:13:45,450 --> 00:13:48,353 すんません…。 139 00:13:48,353 --> 00:13:50,321 邪魔かのお。 140 00:13:50,321 --> 00:13:52,323 は? あ いや…。 141 00:13:52,323 --> 00:13:55,023 じゃったら ちいっと一緒にどげんじゃ? 142 00:14:01,900 --> 00:14:05,400 すまなかった。 ホンマ すんませんでした。 143 00:14:15,146 --> 00:14:17,615 日本のおなごは よか。 144 00:14:17,615 --> 00:14:21,486 優しくて懐が深か。 145 00:14:21,486 --> 00:14:27,158 ヨーロッパでは 日本のおなごが 恋しゅうてたまらんかった。 146 00:14:27,158 --> 00:14:32,563 大いに同意しますが 某は あなたが好きではない。 147 00:14:32,563 --> 00:14:37,435 徳川は 鳥羽や伏見の戦で負けたんじゃない。 148 00:14:37,435 --> 00:14:41,306 あのパリで 既に薩摩に負けてたんだい。 149 00:14:41,306 --> 00:14:44,776 ほうか。 そいはうれしか言葉じゃ。 150 00:14:44,776 --> 00:14:50,776 薩摩っぽより よっぽど おはんの方が おいの働きを分かってくれちょ。 151 00:14:53,952 --> 00:14:57,822 おいも 国を思うてのことじゃ。 152 00:14:57,822 --> 00:15:04,128 西洋を見たなら分かるじゃろうが 日本も変わらんなならんかった。 153 00:15:04,128 --> 00:15:09,428 じゃっどん 今もまだ変わらん。 154 00:15:11,803 --> 00:15:14,003 さっきん三井 見たか? 155 00:15:16,474 --> 00:15:20,345 (友厚)世が変わっても 商人がお上の財布代わりとなる➡ 156 00:15:20,345 --> 00:15:22,613 古かシステムは何も変わらん。 157 00:15:22,613 --> 00:15:29,387 上が 徳川から新政府に変わっただけじゃ。 158 00:15:29,387 --> 00:15:36,094 金は 政府や大商人の間だけで 回るもんじゃなか。 159 00:15:36,094 --> 00:15:41,794 もっと広く 民を豊かにせねばならん。 160 00:15:43,968 --> 00:15:48,272 (友厚)あいちゃ おはんは 今は政府ん方じゃったな。 161 00:15:48,272 --> 00:15:54,579 あ いや 某は決して 望んで役人になったわけでは…。 162 00:15:54,579 --> 00:15:59,283 おいは こん商いの町で カンパニーを作って➡ 163 00:15:59,283 --> 00:16:03,121 日本の商業を 魂から作り替えようち思うちょ。 164 00:16:03,121 --> 00:16:07,291 あぁ…。 某も➡ 165 00:16:07,291 --> 00:16:11,162 この先は 府県に 大いにカンパニーを作るべきだと。 166 00:16:11,162 --> 00:16:14,799 おぉ やっぱい気が合うのぉ! 167 00:16:14,799 --> 00:16:19,670 おはんの名を知った時から 気が合うんじゃなかかち思うちょった。 168 00:16:19,670 --> 00:16:23,141 いや…。 (くに)失礼します。 169 00:16:23,141 --> 00:16:27,979 あのう 「早う戻れ」と 井上様が どなっといやす。 170 00:16:27,979 --> 00:16:33,751 行ってくいやんせ。 つきあわせて悪かったな。 171 00:16:33,751 --> 00:16:36,654 じゃっどん…➡ 172 00:16:36,654 --> 00:16:40,354 おはんのおる場所も そこでよかとか? 173 00:17:05,450 --> 00:17:08,453 俺の顔に 何かついてるか? 174 00:17:08,453 --> 00:17:11,322 いいえ! 175 00:17:11,322 --> 00:17:13,324 堪忍どす。 176 00:17:13,324 --> 00:17:18,596 あんたさんが うちの大事な人に よう似とったもんで つい…。 177 00:17:18,596 --> 00:17:20,665 あぁ…。 178 00:17:20,665 --> 00:17:23,301 夫どす。 179 00:17:23,301 --> 00:17:27,171 戦に出たきり帰ってけぇへんのや…。 180 00:17:27,171 --> 00:17:30,808 でも よう見たら全然違うとった。 181 00:17:30,808 --> 00:17:35,308 堪忍どす。 お偉い方をじろじろと…。 182 00:17:38,616 --> 00:17:40,816 あ…。 183 00:17:43,421 --> 00:17:46,090 戦とは? 184 00:17:46,090 --> 00:17:48,993 戊辰の戦どす。 185 00:17:48,993 --> 00:17:52,430 大工やったのに駆り出されてしもて➡ 186 00:17:52,430 --> 00:17:57,268 伏見にあった家も 何もかも焼けてしまいました。 187 00:17:57,268 --> 00:18:00,104 そうか…。 188 00:18:00,104 --> 00:18:04,442 あの よかったら その足袋の穴 繕いまひょか? 189 00:18:04,442 --> 00:18:07,111 あぁ…。 190 00:18:07,111 --> 00:18:09,447 うち 前はお針子やったんえ。 191 00:18:09,447 --> 00:18:11,947 あぁ…。 192 00:18:32,670 --> 00:18:34,970 ≪(くに)失礼します。 193 00:18:38,409 --> 00:18:40,344 足袋 ここに置いときますえ。 194 00:18:40,344 --> 00:18:42,844 うん すまねぇ。 195 00:18:50,421 --> 00:18:52,356 ≪あぁ ちっと。 196 00:18:52,356 --> 00:19:11,656 ♬~ 197 00:19:18,449 --> 00:19:20,384 (江藤新平)政体改革ばし➡ 198 00:19:20,384 --> 00:19:22,453 大蔵省の権限ば削らんば➡ 199 00:19:22,453 --> 00:19:25,122 政府とどっちが大本か分からん。 200 00:19:25,122 --> 00:19:28,960 会計の分かる者が仕切らずに 誰が仕切るんじゃ。 201 00:19:28,960 --> 00:19:33,531 西郷が東京に戻って 3か月がたちましたが➡ 202 00:19:33,531 --> 00:19:38,903 相変わらず 政府の内部は混乱していました。 203 00:19:38,903 --> 00:19:44,103 (江藤)そうたい。 大蔵省は 財政のみん専門にせれ! 204 00:19:48,613 --> 00:19:51,082 「情けねぇ会議だ。➡ 205 00:19:51,082 --> 00:19:55,753 どっちに職権があるとか ねぇとかだけで 1か月も話し合ってる」。 206 00:19:55,753 --> 00:20:02,426 「しかり。 政府高官ともあろうものが 堂々巡りの問答を繰り返し➡ 207 00:20:02,426 --> 00:20:05,426 まるで子供の 小田原評定だ」。 208 00:20:09,200 --> 00:20:13,137 ばってん 政体や施政方針ば 論じるっちゅうことになれば➡ 209 00:20:13,137 --> 00:20:15,139 三条様と岩倉様も こん席に…。 210 00:20:15,139 --> 00:20:19,339 こげな話し合いに 何の必要があっとじゃ! 211 00:20:21,445 --> 00:20:24,445 まだ戦が足りん。 212 00:20:26,584 --> 00:20:29,487 戦? ほうじゃ。 213 00:20:29,487 --> 00:20:35,593 まちぃっと戦をば せんなならん。 214 00:20:35,593 --> 00:20:37,528 西郷さん! どげんこっじゃ! 215 00:20:37,528 --> 00:20:40,965 戦じゃ! 戦じゃ! 216 00:20:40,965 --> 00:20:44,835 西郷どん! どげんこっじゃ! 西郷どん! 217 00:20:44,835 --> 00:20:48,472 さっきの西郷さんのは どういう意味だ? 218 00:20:48,472 --> 00:20:53,811 今更 まだ戦ば すっ気か? 何ば考えとう! 219 00:20:53,811 --> 00:20:59,150 西郷様は まことに 新政府をぶち壊す気かもしれねぇ。 220 00:20:59,150 --> 00:21:01,819 え? こんな だらだらと➡ 221 00:21:01,819 --> 00:21:06,324 何も決められねぇ政府なら 戦でもう一度全て壊してしまえと➡ 222 00:21:06,324 --> 00:21:10,161 そう思うのも当然だ。 いや 分かった。 223 00:21:10,161 --> 00:21:13,831 ありゃあ 西郷は…。 224 00:21:13,831 --> 00:21:16,167 (小声で)廃藩をやれと言うとるんじゃ。 225 00:21:16,167 --> 00:21:18,667 廃藩を? シ~ッ。 226 00:21:26,811 --> 00:21:31,182 ええか。 藩をなくし県にしてこそ真の御一新。 227 00:21:31,182 --> 00:21:34,952 今 それもできずに 中途半端に策をこねくり回してる間に➡ 228 00:21:34,952 --> 00:21:37,855 日本は どんどん弱っちょる。 229 00:21:37,855 --> 00:21:46,655 そんなら 戦覚悟で廃藩置県を断行しろと 西郷さんはそう言うとるんじゃ。 230 00:21:48,799 --> 00:21:52,303 よぉし… 廃藩をやるぞ。 231 00:21:52,303 --> 00:21:54,238 わしゃ 木戸さんのところ行ってくる。 232 00:21:54,238 --> 00:21:56,173 お待ちください! 何じゃ!? 233 00:21:56,173 --> 00:22:00,177 廃藩となれば 各藩の士族たちはどうなりますか? 234 00:22:00,177 --> 00:22:02,313 はぁ? 士族たちは➡ 235 00:22:02,313 --> 00:22:04,615 藩を失い どう禄を得るのです? 236 00:22:04,615 --> 00:22:07,518 これを明確に提示せねば 暴動となりますぞ。 237 00:22:07,518 --> 00:22:11,322 戦の覚悟じゃ。 武力で抑えつけりゃええ。 238 00:22:11,322 --> 00:22:15,159 進んで戦を起こしてどうするんです? 239 00:22:15,159 --> 00:22:17,094 上に立つものは 命を下す時➡ 240 00:22:17,094 --> 00:22:20,831 まず それを受ける民のことを 考えねばなりませぬ。 241 00:22:20,831 --> 00:22:25,336 各藩の負債や藩札はどうなりますか? 242 00:22:25,336 --> 00:22:30,174 藩札は… うむ。 243 00:22:30,174 --> 00:22:32,443 廃藩と同時になくするしかない。 244 00:22:32,443 --> 00:22:34,378 全て太政官札に取り替えよう。 245 00:22:34,378 --> 00:22:36,447 それも簡単にはできませぬ。 246 00:22:36,447 --> 00:22:39,116 今 世には さまざまな藩札と➡ 247 00:22:39,116 --> 00:22:42,019 政府が作った太政官札とが出回ってる。 248 00:22:42,019 --> 00:22:46,457 有力な藩では 太政官札より価値のある札もあるが➡ 249 00:22:46,457 --> 00:22:50,294 芸州や福岡といった乱発した札には ほとんど価値がねぇ。 250 00:22:50,294 --> 00:22:52,963 価値のある藩札と 価値の低い藩札➡ 251 00:22:52,963 --> 00:22:55,599 この交換の割合を 決めておかねばなりますまい。 252 00:22:55,599 --> 00:22:57,535 藩の負債の方はどうする? 253 00:22:57,535 --> 00:23:00,805 あぁ… 政府の金庫に金子はない。 254 00:23:00,805 --> 00:23:03,607 借り入れの年によって区分し➡ 255 00:23:03,607 --> 00:23:07,144 あまりに古いものは破棄 御一新前の借金は無利子➡ 256 00:23:07,144 --> 00:23:11,315 その後のものは 年4分の利子の公債証書を付与しよう。 257 00:23:11,315 --> 00:23:14,515 前に エラール殿から 教わったというあれか。 258 00:23:16,153 --> 00:23:19,623 井上さん! お… おお! 259 00:23:19,623 --> 00:23:24,495 古今東西 争いの多くの原因は金だ。 260 00:23:24,495 --> 00:23:30,167 旧大名や士族たちの不安を取り除けば 無駄な争いは避けられる。 261 00:23:30,167 --> 00:23:35,005 よぉし。 お主らの言うとおりじゃ。 262 00:23:35,005 --> 00:23:38,876 そしたら そこんとこの手筈を 改正掛でやっちょってくれ! 263 00:23:38,876 --> 00:23:43,076 (杉浦 栄一)え!? ええか。 内密にやっちょくれ! 264 00:23:45,649 --> 00:23:48,949 大変なことになったな。 あぁ。 265 00:23:51,121 --> 00:23:54,992 江戸時代から居座る旧藩主たちを廃し➡ 266 00:23:54,992 --> 00:24:01,131 国が直接 税を取り立て 命令を下す体制を作る。 267 00:24:01,131 --> 00:24:04,168 これは新政府の悲願でした。 268 00:24:04,168 --> 00:24:06,368 井上さん! 269 00:24:09,473 --> 00:24:14,345 どうなりましたか? 正式な決定はありましたか? 270 00:24:14,345 --> 00:24:17,045 うん やる。 271 00:24:19,149 --> 00:24:23,020 来る14日 廃藩置県を布告する。 272 00:24:23,020 --> 00:24:25,022 14日? 273 00:24:25,022 --> 00:24:27,324 あと4日しかないではありませぬか! 274 00:24:27,324 --> 00:24:29,824 いや 5日後じゃ。 275 00:24:31,295 --> 00:24:33,430 しかたなかろう。 276 00:24:33,430 --> 00:24:36,433 ほかのどこにも ばれずに支度して 布告せにゃあならんのじゃ。 277 00:24:36,433 --> 00:24:39,570 もう夜だ。 実質4日だ。 278 00:24:39,570 --> 00:24:44,108 あと4日のうちに 全国の藩札の相場から発行高➡ 279 00:24:44,108 --> 00:24:46,777 負債の総額に 租税の方法➡ 280 00:24:46,777 --> 00:24:52,950 種々の事業の後始末まで 全ての算段をつけよとは➡ 281 00:24:52,950 --> 00:24:55,250 無理を言ってくださる。 282 00:24:57,288 --> 00:25:02,588 あ~! やはり無理か…。 283 00:25:10,000 --> 00:25:12,136 はぁ…。 284 00:25:12,136 --> 00:25:14,171 あ~! 285 00:25:14,171 --> 00:25:18,475 いいや おかしれぇ。 やってやりましょう。 286 00:25:18,475 --> 00:25:21,145 いいか みんな。 287 00:25:21,145 --> 00:25:25,015 あと4日で この作業を終えることができなければ➡ 288 00:25:25,015 --> 00:25:28,515 日本は 必ずまた戦になる。 289 00:25:30,621 --> 00:25:33,257 逆に終わることができれば…➡ 290 00:25:33,257 --> 00:25:38,562 明治になって初めて 新政府の基礎が出来るんだな? 291 00:25:38,562 --> 00:25:40,931 そうだ。 292 00:25:40,931 --> 00:25:43,567 真に強い日本を作るためだ! 293 00:25:43,567 --> 00:25:45,636 やるしかねぇ。 294 00:25:45,636 --> 00:25:50,107 (玉乃世履)やり遂げよう! おぉ! 295 00:25:50,107 --> 00:25:53,777 すまねぇな。 頑張んべぇ! 296 00:25:53,777 --> 00:25:56,814 よし。 297 00:25:56,814 --> 00:26:07,291 栄一たち改正掛は ここから4日間 寝る間も休む間もなく 働きに働いて➡ 298 00:26:07,291 --> 00:26:13,163 藩札をなくするにあたり 人々が生活を維持するためには➡ 299 00:26:13,163 --> 00:26:20,163 いくら保証すればよいかを 全ての藩について洗い出しました。 300 00:26:23,140 --> 00:26:29,813 そして 明治四年七月十四日。 301 00:26:29,813 --> 00:26:34,551 (三条実美)「朕深くこれを慨す。➡ 302 00:26:34,551 --> 00:26:45,295 よって今 更に 藩を廃し県となす。➡ 303 00:26:45,295 --> 00:26:54,571 これ務めて 冗を去り 簡に就き 有名無実の…」。 304 00:26:54,571 --> 00:26:58,108 あまりの大変革や。 305 00:26:58,108 --> 00:27:03,447 さすがのわしも うろたえるで。 306 00:27:03,447 --> 00:27:06,116 (三条)「汝 群臣➡ 307 00:27:06,116 --> 00:27:12,790 それ朕が意を体せよ」。 308 00:27:12,790 --> 00:27:18,128 (藩主たち)ははっ! 309 00:27:18,128 --> 00:27:22,966 全国に260あった藩は廃止。 310 00:27:22,966 --> 00:27:28,266 かわって 府と県が置かれると 周知されました。 311 00:27:30,708 --> 00:27:36,246 廃藩置県は 世界に類を見ない 無血革命として➡ 312 00:27:36,246 --> 00:27:40,246 驚きをもって伝えられました。 313 00:27:56,934 --> 00:27:59,770 おぉ 西郷様…。 314 00:27:59,770 --> 00:28:03,070 おぉ 篤太夫。 315 00:28:04,942 --> 00:28:09,942 無事に… 終わってしもうたのう。 316 00:28:31,735 --> 00:28:38,535 活躍が認められ 栄一は 大蔵大丞に出世しました。 317 00:28:42,913 --> 00:28:47,785 (利通)太政官で 陸海軍の運用費を評議したが…➡ 318 00:28:47,785 --> 00:28:54,258 陸軍の歳費を800万円 海軍を250万に定むっことになった。 319 00:28:54,258 --> 00:28:58,762 おはんは どげん思う? 320 00:28:58,762 --> 00:29:02,462 800万に 250万? 321 00:29:04,635 --> 00:29:08,105 否。 承服できませぬ。 322 00:29:08,105 --> 00:29:15,445 国にいまだ金のない中 そのような 巨額な支出を決めるのは甚だ危険です。 323 00:29:15,445 --> 00:29:18,949 入る金の額も分からぬうちに 出る方を安易に決めていては…。 324 00:29:18,949 --> 00:29:23,287 じゃっどん 廃藩置県によって 税が見込むっことになった。 325 00:29:23,287 --> 00:29:26,323 そいが必要な費用に 充てられんわけがなかどが。 326 00:29:26,323 --> 00:29:32,396 民の税を 振れば出てくる打ち出の小槌と 同じにされては困る。 327 00:29:32,396 --> 00:29:37,067 せめて あと1年たち 全国の歳入額が おおかた明らかになってから➡ 328 00:29:37,067 --> 00:29:39,002 立てるべきでありましょう。 329 00:29:39,002 --> 00:29:42,873 急に800万円などと 高額な金を出せといわれても➡ 330 00:29:42,873 --> 00:29:46,410 それは不当だ。 承服しかねる。 331 00:29:46,410 --> 00:29:51,248 おのれ。 軍事の金は 何としてでん必要じゃ。 332 00:29:51,248 --> 00:29:56,086 おはんは 陸海軍ん運用費を 立てられんちゅうとか? 333 00:29:56,086 --> 00:29:58,555 一切出さぬとは申しておりませぬ。 334 00:29:58,555 --> 00:30:02,259 今すぐ決めるのは いかがなものかと申しておるのです。 335 00:30:02,259 --> 00:30:04,561 大久保様に何を言うか! 336 00:30:04,561 --> 00:30:07,464 800万は 太政官が決めたこっじゃ! 337 00:30:07,464 --> 00:30:12,436 そいをおはんが どうにもならんちゅうとは➡ 338 00:30:12,436 --> 00:30:16,106 どげんこっじゃ! どうにもならん? 339 00:30:16,106 --> 00:30:18,575 どう聞けば そう聞こえるのですか? 340 00:30:18,575 --> 00:30:21,945 ご質問を受けたからお答えしただけだ。 341 00:30:21,945 --> 00:30:24,848 某の意見に賛成かどうかは➡ 342 00:30:24,848 --> 00:30:28,348 大蔵卿ご自身が お考えになることでしょう! 343 00:30:32,456 --> 00:30:34,456 よう分かった。 344 00:30:36,293 --> 00:30:42,165 改正掛は 今日こん日限りで解散とする。 345 00:30:42,165 --> 00:30:45,302 改正掛が…? 346 00:30:45,302 --> 00:30:49,502 もう ここの役目もなか。 347 00:30:53,610 --> 00:30:55,610 どけ! 348 00:30:59,816 --> 00:31:03,620 大久保様! 大久保様! 349 00:31:03,620 --> 00:31:22,506 ♬~ 350 00:31:22,506 --> 00:31:26,009 こい以上 大隈らに 好き勝手させんためには➡ 351 00:31:26,009 --> 00:31:29,513 西洋をじかに見る必要があいもす。 352 00:31:29,513 --> 00:31:34,313 ええ~ 異国? 353 00:31:45,963 --> 00:31:51,134 岩倉具視を全権大使とする 岩倉使節団が➡ 354 00:31:51,134 --> 00:31:56,134 アメリカ ヨーロッパに向けて 出発しました。 355 00:32:02,746 --> 00:32:06,316 ありがとさん…。 356 00:32:06,316 --> 00:32:08,618 お~ ハハハ。 357 00:32:08,618 --> 00:32:11,521 お帰りなさいませ。 358 00:32:11,521 --> 00:32:15,325 まあ すっかりぬれてしまって。 あ~ ハハ。 359 00:32:15,325 --> 00:32:17,625 あぁ すまねぇ。 360 00:32:21,999 --> 00:32:23,999 よいせっ…。 361 00:32:55,866 --> 00:32:59,066 (須永伝蔵)大変だ~! あ? 362 00:33:00,704 --> 00:33:02,973 今 大蔵省の方に➡ 363 00:33:02,973 --> 00:33:09,146 おやじさんが… 血洗島のお父上が危篤と連絡が。 364 00:33:09,146 --> 00:33:11,846 お義父様が!? 365 00:33:14,017 --> 00:33:30,000 ♬~ 366 00:33:30,000 --> 00:33:33,200 坊ちゃん 戻られました! 367 00:33:36,773 --> 00:33:41,645 (渋沢てい)お帰りなさいまし。 (女中 作男)お帰りなさいまし。 368 00:33:41,645 --> 00:33:43,647 兄さま…。 369 00:33:43,647 --> 00:33:45,782 みんな何をしておる! 370 00:33:45,782 --> 00:33:48,118 とっさまが病だというのに➡ 371 00:33:48,118 --> 00:33:51,021 悠長に勢ぞろいして 何をやってるんです? 372 00:33:51,021 --> 00:33:53,790 (渋沢ゑい)とっさまが言ったんだよ。➡ 373 00:33:53,790 --> 00:33:56,593 きちんとお迎えしろって。 374 00:33:56,593 --> 00:34:00,297 (吉岡なか)あんたはもう お国の大事なお役人様なんだから➡ 375 00:34:00,297 --> 00:34:04,497 決して家の者だなんて 手を抜いてはならねぇって。 376 00:34:11,808 --> 00:34:16,980 そうか… すまない。 すまなかった。 377 00:34:16,980 --> 00:34:19,883 とっさまは? どうなることかと思ったけど➡ 378 00:34:19,883 --> 00:34:22,853 今朝になって落ち着いて 今は お眠りになってる。 379 00:34:22,853 --> 00:34:25,553 早く会っといで。 あぁ。 380 00:34:32,929 --> 00:34:34,929 とっさま…。 381 00:34:36,800 --> 00:34:39,500 おぉ。 382 00:34:41,438 --> 00:34:44,274 栄一。 383 00:34:44,274 --> 00:34:47,310 帰ってくれたんか。 384 00:34:47,310 --> 00:34:49,579 あぁ…。 385 00:34:49,579 --> 00:34:53,283 あぁ よかった。 386 00:34:53,283 --> 00:34:55,983 あ~ よかった。 387 00:34:58,155 --> 00:35:02,459 あんなに元気だったのに どうした? 388 00:35:02,459 --> 00:35:10,959 バカ お前 俺をいくつだと思ってんだ。 389 00:35:12,802 --> 00:35:19,142 家のことで話してぇと思ってな。 390 00:35:19,142 --> 00:35:24,942 おていが 婿をとってくれることになってな。 391 00:35:26,616 --> 00:35:34,316 あぁ これで 中の家も安心だ。 392 00:35:40,564 --> 00:35:44,564 いや 困る。 393 00:35:46,369 --> 00:35:52,569 困る。 俺は まだ何も孝行できてねぇ。 394 00:35:54,144 --> 00:35:57,981 長い間 迷惑ばっかりかけて➡ 395 00:35:57,981 --> 00:36:02,786 いい年になっても とっさまに孝行してもらっていた始末だ。 396 00:36:02,786 --> 00:36:05,986 そうだった そうだった。 397 00:36:08,291 --> 00:36:12,128 頼む。 元気になってくれ。 398 00:36:12,128 --> 00:36:14,798 やっと孝行できるようになったって時に➡ 399 00:36:14,798 --> 00:36:17,133 いなくならねぇでくれ。 400 00:36:17,133 --> 00:36:19,603 何を。 401 00:36:19,603 --> 00:36:26,603 俺は はぁ もう心残りはねぇ。 402 00:36:29,980 --> 00:36:36,253 俺は この…➡ 403 00:36:36,253 --> 00:36:40,553 渋沢栄一の父だ。 404 00:36:43,560 --> 00:36:50,267 こんな田舎で生まれ育った己の息子が➡ 405 00:36:50,267 --> 00:36:59,967 天子様の朝臣になると 誰が思うもんか。 406 00:37:04,281 --> 00:37:10,781 お前を 誇りに思ってる。 407 00:37:15,992 --> 00:37:20,830 え… うそだい。 408 00:37:20,830 --> 00:37:23,030 (ゑい)はぁ うそなもんかい。 409 00:37:24,668 --> 00:37:30,668 全く あんたは こんな時まで剛情っぱりだい。 410 00:37:34,077 --> 00:37:37,077 栄一。 411 00:37:40,850 --> 00:37:43,850 ありがとう。 412 00:37:53,096 --> 00:38:13,950 ♬~ 413 00:38:13,950 --> 00:38:16,453 その2日後…➡ 414 00:38:16,453 --> 00:38:23,953 市郎右衛門は 家族に囲まれて 息を引き取りました。 415 00:38:28,798 --> 00:38:31,998 じいさま。 416 00:38:37,907 --> 00:38:40,744 (渋沢こと)じいさま。 417 00:38:40,744 --> 00:38:46,082 ♬~ 418 00:38:46,082 --> 00:39:38,382 ♬~ 419 00:39:49,913 --> 00:39:57,253 とっさまは… 俺が家を出てからの長い間も➡ 420 00:39:57,253 --> 00:40:03,560 畑を耕し 藍やお蚕様を売って➡ 421 00:40:03,560 --> 00:40:09,560 村のみんなと共に働いてきたんだな。 422 00:40:12,936 --> 00:40:15,436 へぇ。 423 00:40:18,107 --> 00:40:25,107 まことに尊いお姿でございました。 424 00:40:28,451 --> 00:41:37,954 ♬~ 425 00:41:37,954 --> 00:41:39,889 (市郎右衛門)いやんばいす。 426 00:41:39,889 --> 00:41:43,459 おお 市郎右衛門さんじゃねぇか。 427 00:41:43,459 --> 00:41:46,129 そっちのはいいけんども クチトガリがついてるな。 428 00:41:46,129 --> 00:41:48,798 なぬ? 息子みてえにか? 429 00:41:48,798 --> 00:41:51,498 ハハハハハハハ…。 430 00:41:57,473 --> 00:42:00,673 お~。 ちっと足りねぇな。 431 00:42:02,312 --> 00:42:04,312 とっさま 早くしろ! 432 00:42:13,489 --> 00:42:17,827 あぁ ハハ…。 433 00:42:17,827 --> 00:42:31,774 ♬~ 434 00:42:31,774 --> 00:42:33,974 あぁ ハハ…。 435 00:42:35,645 --> 00:42:39,115 なんと美しい生き方だ。 436 00:42:39,115 --> 00:42:59,315 ♬~ 437 00:43:01,971 --> 00:43:04,607 ぎん… ぎょう…。 銀行です。 438 00:43:04,607 --> 00:43:07,477 新しい日本を作りたかったからだ。 439 00:43:07,477 --> 00:43:11,277 所詮 私たちとは 立ってる場所が違う。 440 00:43:12,982 --> 00:43:15,318 話をせねばならんことがある。 441 00:43:15,318 --> 00:43:17,987 おはんは おいとは違っ。 442 00:43:17,987 --> 00:43:21,024 変わったのは… 栄一だ。 443 00:43:21,024 --> 00:43:26,324 おめぇに俺の気持ちが分かってたまるか! 444 00:43:33,803 --> 00:43:36,139 埼玉県深谷市。 445 00:43:36,139 --> 00:43:39,976 華蔵寺は 渋沢家の菩提寺です。 446 00:43:39,976 --> 00:43:43,012 華蔵寺の当時の住職が➡ 447 00:43:43,012 --> 00:43:47,812 栄一の父 市郎右衛門を弔ったといいます。 448 00:43:51,587 --> 00:43:53,990 東の家の三男に生まれ➡ 449 00:43:53,990 --> 00:43:58,161 中の家の婿養子に入った市郎右衛門。 450 00:43:58,161 --> 00:44:05,835 藍玉の製造 販売や養蚕を行い 中の家を繁栄に導きました。 451 00:44:05,835 --> 00:44:10,506 「晩香遺薫」は 市郎右衛門が書き残した書を➡ 452 00:44:10,506 --> 00:44:14,306 後年 栄一がまとめた本です。 453 00:44:20,516 --> 00:44:25,021 学問を好み 教育に熱心だった市郎右衛門は➡ 454 00:44:25,021 --> 00:44:31,360 子供たち一人一人に 習字の手本を書き与えていました。 455 00:44:31,360 --> 00:44:35,598 そこには 男女の隔たりなく教育を行った➡ 456 00:44:35,598 --> 00:44:39,898 市郎右衛門の先見性を うかがうことができます。 457 00:44:45,274 --> 00:44:49,979 実直に生き 中の家を守り続けた市郎右衛門は➡ 458 00:44:49,979 --> 00:44:54,979 血洗島から 栄一の活躍を見守り続けました。 459 00:45:32,789 --> 00:45:37,460 <偽の御落胤であると 式部に暴かれた 天一坊は➡ 460 00:45:37,460 --> 00:45:43,332 哀れな末路を迎え 仁左衛門に苦い思いを残した。➡ 461 00:45:43,332 --> 00:45:50,473 更には 静や熊五郎の心にも 暗い影を落としたのだった。➡ 462 00:45:50,473 --> 00:45:54,811 そんな中 仁左衛門は 次なる狙いを➡ 463 00:45:54,811 --> 00:45:57,480 柏屋に定めたのである>