1 00:00:02,202 --> 00:00:06,406 こんばんは。 徳川家康です。 2 00:00:06,406 --> 00:00:13,947 私の開いた江戸幕府はよく 「鎖国してたね」なんて言われますが➡ 3 00:00:13,947 --> 00:00:18,151 実は完全に 閉じていたわけではありません。 4 00:00:19,753 --> 00:00:25,125 このように… アイヌや朝鮮 琉球とは➡ 5 00:00:25,125 --> 00:00:28,962 それぞれ大名を介して つきあっていましたし➡ 6 00:00:28,962 --> 00:00:33,433 ここ長崎は徳川の直轄地で➡ 7 00:00:33,433 --> 00:00:38,438 オランダや清国と 活発に貿易していました。 8 00:00:40,207 --> 00:00:43,977 「オランダ風説書」です。 9 00:00:43,977 --> 00:00:47,648 オランダ人に作ってもらった このニュースペーパーで➡ 10 00:00:47,648 --> 00:00:54,154 定期的に海外の情報を得ている… はずだった。 11 00:00:54,154 --> 00:00:58,325 しかし 200年もたつと…➡ 12 00:00:58,325 --> 00:01:05,766 見知らぬ外国の船が 次々と 日本の沿岸にやって来るようになった。 13 00:01:05,766 --> 00:01:13,941 日本が知らない間に 世界は大きく変わっていたのです。 14 00:01:13,941 --> 00:01:21,281 イギリス フランス ロシア それに 新しくできたアメリカなどの国々は➡ 15 00:01:21,281 --> 00:01:25,285 こぞって東アジアを目指します。 16 00:01:27,421 --> 00:01:32,626 アヘン戦争で 隣の清国が攻められ➡ 17 00:01:32,626 --> 00:01:40,500 「次はこの日本か?」という 大ピンチのタイミングで生まれたのが➡ 18 00:01:40,500 --> 00:01:44,137 渋沢栄一。 19 00:01:44,137 --> 00:01:54,348 いや 今はまだ 大海原にこぎ出す前のほんの子供です。 20 00:01:56,850 --> 00:02:05,359 9つになった栄一は 少しずつ 父 市郎右衛門の仕事を学び始めています。 21 00:02:09,763 --> 00:02:16,637 いいか 向こうが上州 あっちが信州だ。 22 00:02:16,637 --> 00:02:21,775 朝っから歩いてまだ着かぬとは 遠いにぃ。 23 00:02:21,775 --> 00:02:29,416 ばかもん! かつて東照大権現様もこの道を進まれ➡ 24 00:02:29,416 --> 00:02:33,286 あまたの敵を打ち破ってきたんだ。 25 00:02:33,286 --> 00:02:35,956 身を引き締めて歩かねえか! 26 00:02:35,956 --> 00:02:37,991 いやんばいす。 27 00:02:37,991 --> 00:02:41,128 こうして各地の藍農家を回り➡ 28 00:02:41,128 --> 00:02:45,999 藍葉を買い付けるのも 市郎右衛門の大事な仕事です。 29 00:02:45,999 --> 00:02:50,437 (藤兵衛)ええと思うんだが。 (勘左衛門)ちょっと見てくれや。 30 00:02:50,437 --> 00:02:54,641 市郎右衛門さんは いい藍でねえと買ってくんねえ。 31 00:02:54,641 --> 00:02:57,310 こっちゃあ育てるのにおおごとしてるだ。 32 00:02:57,310 --> 00:03:00,580 そんでも こっちは ちと肥やしが足りねぇ。 33 00:03:00,580 --> 00:03:04,451 ほれ 下葉が枯がってる。 〆粕けちったな。 34 00:03:04,451 --> 00:03:09,089 ははぁ さすが目利きだわさ。 めきき? 35 00:03:09,089 --> 00:03:11,925 そっちのはいいけんども クチトガリがついてるな。 36 00:03:11,925 --> 00:03:15,262 そんだけうめえ葉だってことだぁな。 37 00:03:15,262 --> 00:03:18,598 へぇ うめえ葉には虫がつくのか。 38 00:03:18,598 --> 00:03:20,534 ほれっ 邪魔すんな。 39 00:03:20,534 --> 00:03:24,337 甘く見ちゃあいげねぇ しっかり虫はとれ。 へえ。 40 00:03:26,473 --> 00:03:28,942 (朔兵衛)おぅ 市郎右衛門さん➡ 41 00:03:28,942 --> 00:03:30,877 信州回りの帰りかい? 42 00:03:30,877 --> 00:03:35,715 おう。 朔兵衛どんの藍の方が育ちがいいなあ。 43 00:03:35,715 --> 00:03:40,120 一番藍を心待ちにしているから頼むで。 44 00:03:40,120 --> 00:03:43,957 (権兵衛)市郎右衛門さんは いい藍玉作ってくれるかんなあ。 45 00:03:43,957 --> 00:03:46,860 なんの ここまで何年かかったか。 46 00:03:46,860 --> 00:03:50,297 おかげで もう指も足も➡ 47 00:03:50,297 --> 00:03:55,969 かかあの顔まで真っ青だい。 ハハハ…。 48 00:03:55,969 --> 00:03:59,806 かっさまの顔は青くねぇよ。 49 00:03:59,806 --> 00:04:04,111 うるせえ。 ものの例えだに。 50 00:04:06,079 --> 00:04:08,014 何だ? 51 00:04:08,014 --> 00:04:10,383 とっさま うれしそうだに。 52 00:04:10,383 --> 00:04:12,919 そうか? はい。 53 00:04:12,919 --> 00:04:19,092 藍玉は いいものを作りゃあ 人にうれしがられ➡ 54 00:04:19,092 --> 00:04:24,598 自らも利を得て また村を潤すこともできる。 55 00:04:24,598 --> 00:04:30,470 人のためにも己のためにもなる。 いい商いだに。 56 00:04:30,470 --> 00:04:34,274 ふ~ん。 57 00:04:34,274 --> 00:04:37,611 そういやぁ かっさまもおっしゃった。 58 00:04:37,611 --> 00:04:41,948 みんながうれしいのが一番だって。 59 00:04:41,948 --> 00:04:45,619 だからこそ その藍玉を褒められるというんは➡ 60 00:04:45,619 --> 00:04:50,290 まるで息子が褒められるみてえで うれしいもんだに。 61 00:04:50,290 --> 00:04:53,193 なぬ? 息子みてえにか? 62 00:04:53,193 --> 00:05:03,370 おぅ。 だけんども藍玉と違って この息子は俺の思うようには育たねえ。 63 00:05:03,370 --> 00:05:06,072 ありゃ。 こりゃ 一本取られたに。 64 00:05:06,072 --> 00:05:10,777 ハハハハハハハ…。 65 00:05:14,247 --> 00:06:47,274 ♬~ 66 00:06:47,274 --> 00:07:30,583 ♬~ 67 00:07:30,583 --> 00:08:04,884 ♬~ 68 00:08:04,884 --> 00:08:15,895 (祝詞) 69 00:08:15,895 --> 00:08:18,598 おぉ 獅子だ! 70 00:08:20,734 --> 00:08:22,669 (渋沢宗助)こっち来お。 71 00:08:22,669 --> 00:08:25,071 おぉ 獅子だ。 おう。 72 00:08:25,071 --> 00:08:30,577 藍の刈り入れが終わったら祭りだに。 おう! 73 00:08:30,577 --> 00:08:37,751 今年一年の五穀豊穣と悪疫退散を願う 村の大事な祭りだから➡ 74 00:08:37,751 --> 00:08:41,388 身しめて踊るんだでえ。 (子供たち)へぇ! 75 00:08:41,388 --> 00:08:45,759 なぁ 宗助おいちゃん 俺の獅子舞を見とくれ。 76 00:08:45,759 --> 00:08:48,795 (渋沢喜作)おう 俺も俺も。 ひい ふう みい よ…。 77 00:08:48,795 --> 00:08:52,399 (子供たち)ひい ふう みい よ…。 78 00:08:52,399 --> 00:08:56,770 今年もいい祭りになりそうだ。 79 00:08:56,770 --> 00:08:59,672 頑張るべ! 80 00:08:59,672 --> 00:09:03,343 (尾高長七郎)お千代も 祭りに 新しい着物をこせえてもらうんだから➡ 81 00:09:03,343 --> 00:09:06,045 うんと楽しみにしてるんだいな。 へぇ。 82 00:09:06,045 --> 00:09:08,948 そうなんか…。 83 00:09:08,948 --> 00:09:12,352 新しい着物かぁ…。 84 00:09:12,352 --> 00:09:16,723 ♬~(笛) 85 00:09:16,723 --> 00:09:19,559 お千代は… 獅子が好きなん? 86 00:09:19,559 --> 00:09:21,494 へぇ 好きなんよ。 87 00:09:21,494 --> 00:09:27,434 そうか! よぉし! 獅子は村を悪者から守るに! 88 00:09:27,434 --> 00:09:31,438 こうして こうして…。 89 00:09:33,573 --> 00:09:37,077 お酒も料理もたくさんございます。 90 00:09:37,077 --> 00:09:39,913 血洗島の渋沢家には➡ 91 00:09:39,913 --> 00:09:48,087 この地域一帯を治めている 岡部藩の代官が時々やって来ました。 92 00:09:48,087 --> 00:09:50,023 (渋沢まさ)お酒もっと用意しといて。 93 00:09:50,023 --> 00:09:51,958 なかはこっちの仕込み手伝いな。 (渋沢なか)へぇ。 94 00:09:51,958 --> 00:09:57,764 そんな時は精いっぱいのもてなしで 迎えることが常でした。 95 00:09:57,764 --> 00:10:01,601 (渋沢ゑい)栄一 ちっと手伝って。 へぇ。 96 00:10:01,601 --> 00:10:03,803 わあ~ すごい。 97 00:10:09,476 --> 00:10:11,778 これ! よしない もう。 98 00:10:14,781 --> 00:10:20,653 めでたいことに この度 岡部の若殿様のお乗り出しが決まった。 99 00:10:20,653 --> 00:10:26,125 ほう。 それはそれは まことにおめでとうございます。 100 00:10:26,125 --> 00:10:29,162 ついては道を整えねばならぬ。 101 00:10:29,162 --> 00:10:36,135 6月吉日の前後10日 この村より 人足を100人と➡ 102 00:10:36,135 --> 00:10:39,806 御用金2千両を 用意するようにとのお申しつけだ。 103 00:10:39,806 --> 00:10:41,841 6月…。 104 00:10:41,841 --> 00:10:46,980 (宗助)もちろん喜んで。 おい 酒がねえぞ。 105 00:10:46,980 --> 00:10:49,682 (まさ)へぇ ただいま。 106 00:10:55,154 --> 00:10:59,459 恐れながらお代官様。 うん? 107 00:10:59,459 --> 00:11:07,267 そのころと申しますと この村は 一年のうちで一番人手が足りぬ時期で➡ 108 00:11:07,267 --> 00:11:12,405 毎年ほかの村より人手を借りるほど。 ほう。 109 00:11:12,405 --> 00:11:16,109 (市郎右衛門) 御用金の方はなんとか用立てます。 110 00:11:16,109 --> 00:11:22,882 何とぞ いま少し 人足の数を 減らしてはいただけませんかと。 111 00:11:22,882 --> 00:11:27,120 何を。 そうか。 112 00:11:27,120 --> 00:11:29,055 その方… 不服と申すのか。 113 00:11:29,055 --> 00:11:31,791 いいえ。 不服などもっての外。 114 00:11:31,791 --> 00:11:36,629 ただ…➡ 115 00:11:36,629 --> 00:11:44,504 6月はお蚕様も繭になり 藍の刈り取りも一番忙しい時期にて…。 116 00:11:44,504 --> 00:11:48,308 どうかこの地の百姓のためにも➡ 117 00:11:48,308 --> 00:11:53,813 100を80 いいえ 90にも 減らしてはいただけませぬかと…。 118 00:11:53,813 --> 00:11:57,984 たわけおって! その方 百姓の分際で口が過ぎるぞ! 119 00:11:57,984 --> 00:11:59,919 (市郎右衛門)は ははっ。 (利根)いいか! 120 00:11:59,919 --> 00:12:02,388 お上が100人出せと言ったら出すのだ! 121 00:12:02,388 --> 00:12:05,291 ははっ! 122 00:12:05,291 --> 00:12:08,194 何なん? 123 00:12:08,194 --> 00:12:10,129 何でとっさまが…。 シ~。 124 00:12:10,129 --> 00:12:12,398 だけんど…。 125 00:12:12,398 --> 00:12:17,103 もちろん 承知をいたしております。 126 00:12:17,103 --> 00:12:20,106 (まさ)失礼いたします。 127 00:12:22,275 --> 00:12:24,777 いいかい これは大人の話なんだから➡ 128 00:12:24,777 --> 00:12:28,114 決して決して 何も言っちゃいけないよ。 129 00:12:28,114 --> 00:12:30,049 分かったいね。 130 00:12:30,049 --> 00:12:32,752 (宗助)おい 酒だ 酒だ。 131 00:12:35,788 --> 00:12:40,293 (宗助)いかがでございましょうか。 ハハハハ…。 132 00:12:45,431 --> 00:12:48,635 承服できん! 133 00:12:48,635 --> 00:12:51,137 承服できっこねえに! 134 00:12:51,137 --> 00:12:59,846 何でとっさまが 村のみんなに慕われてるとっさまが➡ 135 00:12:59,846 --> 00:13:03,349 あんなに頭を低くしなきゃなんねえに! 136 00:13:09,088 --> 00:13:12,959 (利根)祭りか。 (宗助)へぇ。 137 00:13:12,959 --> 00:13:15,762 (利根)ほう。 138 00:13:23,102 --> 00:13:26,139 すまねぇ あにぃ。 139 00:13:26,139 --> 00:13:34,847 いいや お前の気持ちもよく分かる。 しかし…。 140 00:13:37,116 --> 00:13:41,321 今年は… もう無理だんべなぁ。 141 00:13:49,696 --> 00:13:53,966 今年は 祭りはなくなった。 142 00:13:53,966 --> 00:13:57,637 え? (なか)祭りがない? 143 00:13:57,637 --> 00:14:01,240 (宗助)どうにか やれんもんかと考えたがのう。 144 00:14:01,240 --> 00:14:06,379 人足も刈り入れもとあっちゃあ どうしても手が回んねぇ。 145 00:14:06,379 --> 00:14:09,082 いろいろ掛け合ってみたが どうにもなんなかった。 146 00:14:09,082 --> 00:14:12,585 みんな悪いが 力 貸してくれ。 147 00:14:12,585 --> 00:14:14,921 (農民たち)へぇ。 148 00:14:14,921 --> 00:14:18,257 俺は嫌だに。 (宗助)ん? 149 00:14:18,257 --> 00:14:22,128 俺は獅子が舞いてぇ。 祭りをしてくれ。 150 00:14:22,128 --> 00:14:24,931 こぉれ栄一 わがまま言うな。 151 00:14:24,931 --> 00:14:27,834 そうだ。 言うことを聞け。 152 00:14:27,834 --> 00:14:31,104 そんじゃ今年のごこくほうじょうは どうするんだに? 153 00:14:31,104 --> 00:14:33,039 あくえきたいさんは? 154 00:14:33,039 --> 00:14:36,409 祭りをして 村の悪ぃものを 追い出さねえとなんねぇに! 155 00:14:36,409 --> 00:14:38,478 (なか)栄一 やめなって。 156 00:14:38,478 --> 00:14:42,215 だって おいちゃんも 村の祭りは大事だと言ったじゃねぇか! 157 00:14:42,215 --> 00:14:46,419 大事と分かってんのにやんねぇのは➡ 158 00:14:46,419 --> 00:14:49,622 「義を見てせざるは 勇無きなり」だ! 159 00:14:51,290 --> 00:14:55,495 何も分かんねぇもんが 偉そうなこと言うな! 160 00:14:58,030 --> 00:15:00,366 (市郎右衛門)みんなも悪ぃなぁ。 161 00:15:00,366 --> 00:15:05,071 お代官様からの申しつけだから ちっと来てくんない。 162 00:15:05,071 --> 00:15:07,106 (農民たち)へぇ。 163 00:15:07,106 --> 00:15:10,309 (利吉)みんな集まってくんない。 164 00:15:20,620 --> 00:15:23,122 栄一…。 165 00:15:30,930 --> 00:15:38,805 (鼻歌) 166 00:15:38,805 --> 00:15:41,507 (千代)栄一さん? 167 00:15:46,946 --> 00:15:48,948 お千代。 168 00:15:53,820 --> 00:16:00,593 村の祭り… なくなっちまった。 169 00:16:00,593 --> 00:16:02,795 え? 170 00:16:05,064 --> 00:16:10,369 獅子も 舞えなくなったに。 171 00:16:10,369 --> 00:16:13,573 そうなん? 172 00:16:13,573 --> 00:16:20,079 うむ。 大人の言うことはよく分かんねえ。 173 00:16:20,079 --> 00:16:22,748 だけんど…➡ 174 00:16:22,748 --> 00:16:29,622 とっさまも悲しい顔をしていた。 175 00:16:29,622 --> 00:16:32,925 そうですか。 176 00:16:39,765 --> 00:16:45,571 大人の世は まことに分からぬことが多いにぃ。 177 00:16:45,571 --> 00:16:47,506 へ? 178 00:16:47,506 --> 00:16:50,409 千代は早く大人になりてぇんです。 179 00:16:50,409 --> 00:16:56,949 早う大人になって 母さまや兄さまや 誰かのお役に立ちてぇなぁと。 180 00:16:56,949 --> 00:16:59,986 偉ぇなぁ お千代は。 181 00:16:59,986 --> 00:17:10,596 あ~ぁ みんながうれしいんが一番なのに➡ 182 00:17:10,596 --> 00:17:14,433 どうしてうまくいがねんだんべなぁ。 183 00:17:14,433 --> 00:17:24,043 ♬~ 184 00:17:24,043 --> 00:17:31,584 母さま 私の着物は仕立てねぇでいいよ。 もうお祭りもねぇんだし。 185 00:17:31,584 --> 00:17:35,922 (尾高やへ)お千代 あんたはいっつも我慢し過ぎるかんなぁ。 186 00:17:35,922 --> 00:17:39,725 たまには母や兄さまの気持ちを 受け取ったらいいに。 187 00:17:42,094 --> 00:17:44,096 へぇ。 188 00:17:50,770 --> 00:17:57,276 さて こちらは江戸城内にある一橋家。 189 00:17:57,276 --> 00:17:59,211 (中根長十郎)これはこれは徳信院様。 190 00:17:59,211 --> 00:18:04,350 (徳信院)まぁ お召しがお似合いのこと。 191 00:18:04,350 --> 00:18:11,223 一橋家に入った七郎麻呂は 将軍 家慶の「慶」の字を賜り➡ 192 00:18:11,223 --> 00:18:14,927 徳川慶喜となりました。 193 00:18:17,730 --> 00:18:22,902 明後日は白木御書院にて 旗本衆の武技御上覧➡ 194 00:18:22,902 --> 00:18:27,073 15日 28日は月次御拝賀にて御登城が…。 195 00:18:27,073 --> 00:18:30,910 (徳川慶喜) 登城と言うても すぐそこじゃないか。 196 00:18:30,910 --> 00:18:36,082 は? ははぁ…。 197 00:18:36,082 --> 00:18:41,387 つまり一橋とは 将軍家の居候というわけか。 198 00:18:45,758 --> 00:18:48,394 と 殿! 髷が…。 199 00:18:48,394 --> 00:18:52,598 退屈じゃ。 これならば水戸で弓の稽古をしたり➡ 200 00:18:52,598 --> 00:18:56,102 東湖の説教を聞いている方が よほど幸せであった。 201 00:18:59,472 --> 00:19:03,275 お父上も どうしておるだろうのう。 202 00:19:05,044 --> 00:19:07,947 ⚟殿! 殿! 何事じゃ? 203 00:19:07,947 --> 00:19:10,750 上様がこちらにおなりとのこと! 204 00:19:12,918 --> 00:19:19,725 上様とは 江戸幕府第十二代将軍 徳川家慶です。 205 00:19:21,594 --> 00:19:25,798 (徳川家慶) どうじゃ。 この屋敷の住み心地は。 206 00:19:27,733 --> 00:19:29,668 (慶喜)ははっ。 207 00:19:29,668 --> 00:19:35,474 家のものもよく仕え 水戸に比べ気候も穏やかにて➡ 208 00:19:35,474 --> 00:19:39,078 まことに暮らしやすく存じます。 209 00:19:39,078 --> 00:19:45,284 そうか。 ところで そなた 舞は好きか? 210 00:19:48,254 --> 00:19:50,189 そのころ。 211 00:19:50,189 --> 00:19:53,125 (吉子)耕雲斎殿? (武田耕雲斎)あ これは…。 212 00:19:53,125 --> 00:19:57,963 慶喜の父 斉昭は幕府の命により➡ 213 00:19:57,963 --> 00:20:00,399 隠居生活を送っていました。 214 00:20:00,399 --> 00:20:03,769 どうなされました? 東湖じゃ…。 215 00:20:03,769 --> 00:20:08,074 水戸におる東湖からじゃ。 216 00:20:09,942 --> 00:20:12,278 皇室を尊び…。 217 00:20:12,278 --> 00:20:18,417 (斉昭)東湖は この私が天子様を尊び➡ 218 00:20:18,417 --> 00:20:23,255 異国の汚れたちりを はらい清めようとしていると…。 219 00:20:23,255 --> 00:20:25,958 この文にうたってくれたのじゃ…。 220 00:20:27,626 --> 00:20:30,129 殿…。 221 00:20:30,129 --> 00:20:33,966 (耕雲斎)水戸の領民たちも 今なお殿の復帰を願い➡ 222 00:20:33,966 --> 00:20:37,002 嘆願を続けております。 223 00:20:37,002 --> 00:20:39,805 今に見ておれ。 224 00:20:42,975 --> 00:20:50,449 私は必ずや 政の場に舞い戻ってみせる。 225 00:20:50,449 --> 00:20:54,754 殿には七郎麻呂様がおられまするぞ。 226 00:20:57,223 --> 00:20:59,825 頼むぞ。 227 00:20:59,825 --> 00:21:06,031 そなたが頼りじゃ 七郎。 228 00:21:07,633 --> 00:21:12,471 いや 一橋殿。 229 00:21:12,471 --> 00:21:28,787 ♬~ 230 00:21:32,825 --> 00:21:38,297 血洗島の 一番忙しい季節がやって来ました。 231 00:21:38,297 --> 00:21:42,134 とっさま 寝坊しちまったにぃ! 232 00:21:42,134 --> 00:21:46,438 ほれ 今日のうちに 3分の1は刈らねばなんねぇんだ。 233 00:21:46,438 --> 00:21:49,809 もたもたしてると質が落っこっちまう。 234 00:21:49,809 --> 00:21:53,445 おはよう。 もうちっとしたら 起こそうと思ったんだよ。 235 00:21:53,445 --> 00:21:56,448 ほら あんたも手伝いな。 うん! 236 00:22:03,923 --> 00:22:06,959 今が一番大事だ。 237 00:22:06,959 --> 00:22:11,397 女子供だけでつらいと思うが 頼んだからな。 238 00:22:11,397 --> 00:22:13,933 へぇ。 239 00:22:13,933 --> 00:22:16,835 おい 準備はいいかい? (男たち)おう。 240 00:22:16,835 --> 00:22:19,805 (ゑい)皆さん よろしく頼まいね。 (男たち)へえ。 241 00:22:19,805 --> 00:22:23,642 (なか)行ってらっしゃい。 行ってらっしゃ~い! 242 00:22:23,642 --> 00:22:30,382 お代官の命令に従い 男たちは労役に出かけていきます。 243 00:22:30,382 --> 00:22:33,619 よし! 244 00:22:33,619 --> 00:22:40,392 ♬~ 245 00:22:40,392 --> 00:22:44,964 残ったものたちで 桑や藍葉を刈っていきます。 246 00:22:44,964 --> 00:22:48,801 おいしょ おいしょ おいしょ…。 247 00:22:48,801 --> 00:22:52,972 栄一 喜作 もっと力入んべ。 (栄一 喜作)へぇ。 248 00:22:52,972 --> 00:23:00,145 頑張るべ。 おいしょ おいしょ おいしょ…。 249 00:23:00,145 --> 00:23:05,918 時期を逃すと 葉に含まれる色素が変化するため➡ 250 00:23:05,918 --> 00:23:09,622 急いで刈り取らなければなりません。 251 00:23:14,393 --> 00:23:20,099 ♬「お蚕 お蚕 柔らか 桑の葉 ホィ ホィ」 252 00:23:20,099 --> 00:23:22,601 かっさま。 (ゑい)はいはい。 253 00:23:22,601 --> 00:23:29,375 また お蚕様が一斉に繭になるのも この時期です。 254 00:23:29,375 --> 00:23:34,113 ありがとう。 はい。 255 00:23:34,113 --> 00:23:38,317 ♬「たんと 食ったら ピチャラ ホィ」 256 00:23:52,431 --> 00:23:55,634 お帰りなさい。 (なか)お帰りなさい。 257 00:23:55,634 --> 00:23:57,636 お帰りなさ~い! 258 00:24:01,440 --> 00:24:04,443 とっさま お帰りなさい。 うん。 259 00:24:04,443 --> 00:24:06,946 かっさま 手伝え。 へぇ。 260 00:24:08,747 --> 00:24:10,749 ありがとう。 261 00:24:22,261 --> 00:24:28,767 こうして男たちは 昼は労役で土木作業➡ 262 00:24:28,767 --> 00:24:34,273 日が暮れて村に帰ると 遅くまで藍の刈り取り➡ 263 00:24:34,273 --> 00:24:38,277 そんな日が何日も続きました。 264 00:24:48,787 --> 00:24:55,127 旦那さん ちと休んでくんない。 そうだに 旦那さん。 265 00:24:55,127 --> 00:24:57,930 大丈夫だ。 266 00:25:03,836 --> 00:25:15,748 ♬「天とう様と武州の人は 天下無双の藍を産む」 267 00:25:15,748 --> 00:25:18,250 まぁた かっさまが歌ってる。 268 00:25:18,250 --> 00:25:23,756 いいじゃないの。 苦しい時ほど楽しまねぇと。 269 00:25:23,756 --> 00:25:30,095 ♬「天とう様と武州の人は」 270 00:25:30,095 --> 00:25:35,901 負けてらんねえな。 ♬「天下無双の藍を産む」 271 00:25:35,901 --> 00:25:41,807 ♬「藍の葉 切りは よっぴいて」 272 00:25:41,807 --> 00:26:03,095 ♬~ 273 00:26:03,095 --> 00:26:06,365 へぇ 頑張るべ! 274 00:26:06,365 --> 00:26:14,907 ♬~ 275 00:26:14,907 --> 00:26:16,942 ここに聞きな。 276 00:26:16,942 --> 00:26:22,448 あんたがうれしいだけじゃなくて みぃんながうれしいのが一番なんだで。 277 00:26:25,918 --> 00:26:28,620 どうしたい? 278 00:26:34,393 --> 00:26:39,198 なぁ 喜作。 279 00:27:06,225 --> 00:27:10,062 お帰りなさいまし。 ああ…。 280 00:27:10,062 --> 00:27:12,764 お疲れのことでしょう。 281 00:27:15,934 --> 00:27:22,241 終わったのか。 はい。 みんな よくやってくれました。 282 00:27:26,612 --> 00:27:30,916 ⚟♬~(笛) 283 00:27:30,916 --> 00:27:32,851 何だいね? 284 00:27:32,851 --> 00:27:38,257 ♬~(笛と太鼓) 285 00:27:38,257 --> 00:27:40,192 (ゑい)獅子? 286 00:27:40,192 --> 00:27:57,643 ♬~ 287 00:27:57,643 --> 00:27:59,945 ♬~(喜作 栄一)はっ! 288 00:27:59,945 --> 00:28:11,223 ♬~ 289 00:28:11,223 --> 00:28:13,225 何やってんだ。 290 00:28:16,895 --> 00:28:18,931 (ゑい)あんたたち…。 291 00:28:18,931 --> 00:28:21,066 何やってんだ 栄一 お前…。 292 00:28:21,066 --> 00:28:27,839 ごこくほうじょう あくえきたいさんだに! 293 00:28:27,839 --> 00:28:35,614 ♬~ 294 00:28:35,614 --> 00:28:37,616 ♬~(喜作 栄一)はっ! 295 00:28:37,616 --> 00:28:46,592 ♬~ 296 00:28:46,592 --> 00:28:48,527 ♬~(喜作 栄一)はっ! 297 00:28:48,527 --> 00:28:54,466 ♬~ 298 00:28:54,466 --> 00:28:56,602 栄一! はっ! 299 00:28:56,602 --> 00:28:59,104 喜作! はっ! 300 00:28:59,104 --> 00:29:16,888 ♬~ 301 00:29:16,888 --> 00:29:18,824 全く あいつ…。 302 00:29:18,824 --> 00:29:24,363 フフフ… 全く あの子らも疲れてるだんべに➡ 303 00:29:24,363 --> 00:29:27,733 よっぽど みんなに 喜んでほしかったんだねぇ。 304 00:29:27,733 --> 00:29:34,072 へっ。 獅子を舞って疲れを吹っ飛ばせってか…。 305 00:29:34,072 --> 00:29:38,910 ハハハ… よぉし それなら俺だって! 306 00:29:38,910 --> 00:29:49,254 ♬~ 307 00:29:49,254 --> 00:29:53,759 (歓声) 308 00:29:53,759 --> 00:30:05,470 ♬~ 309 00:30:05,470 --> 00:30:07,939 (歓声) 310 00:30:07,939 --> 00:30:11,810 うわぁ まっさかたまげたに。 311 00:30:11,810 --> 00:30:43,742 ♬~ 312 00:30:43,742 --> 00:30:45,677 お~! 313 00:30:45,677 --> 00:30:50,816 ♬~ 314 00:30:50,816 --> 00:30:52,818 や~! 315 00:30:54,653 --> 00:30:56,655 はっ! 316 00:30:59,524 --> 00:31:04,329 それから 数年がたちました。 317 00:31:04,329 --> 00:31:11,636 (歓声) 318 00:31:13,405 --> 00:31:16,608 あ~ ハハハハ…。 319 00:31:16,608 --> 00:31:19,611 ハハハ…。 320 00:31:22,114 --> 00:31:24,316 (千代)お疲れさまです。 321 00:31:31,423 --> 00:31:35,293 よ~! よ~! 322 00:31:35,293 --> 00:31:40,432 よ~! よ~! よ~! よ~! 323 00:31:40,432 --> 00:31:43,135 (栄一 喜作)よっ! よ~! 324 00:31:43,135 --> 00:31:46,638 よいしょ! や~! 325 00:31:46,638 --> 00:31:49,441 あ~! 326 00:31:49,441 --> 00:31:51,443 (長七郎)や~! 327 00:31:56,314 --> 00:31:58,450 うわ~! 328 00:31:58,450 --> 00:32:01,753 とおりゃあ~! (尾高惇忠)よし いいぞ 長七郎! 329 00:32:01,753 --> 00:32:09,494 栄一たちを教えるのは 新五郎から名を改めた尾高惇忠です。 330 00:32:09,494 --> 00:32:13,765 よ~。 331 00:32:13,765 --> 00:32:19,104 うわっ! おっ 体当たりはよせ。 332 00:32:19,104 --> 00:32:21,106 えい! (惇忠)そこまで。 333 00:32:23,408 --> 00:32:27,913 よし。 2人とも よい勢いだに。 334 00:32:29,948 --> 00:32:34,286 水戸様は 太平の世は既に終わったと仰せだ。 335 00:32:34,286 --> 00:32:39,157 これからは百姓であっても 剣の心得は欠かせねぇ。 336 00:32:39,157 --> 00:32:42,994 はい! ありがとうございました! 337 00:32:42,994 --> 00:32:46,798 長七郎 見てやってくれ。 はい。 338 00:32:50,735 --> 00:32:52,671 いたたたたた…。 339 00:32:52,671 --> 00:32:55,440 はっは~ 完敗だんべ 栄一。 340 00:32:55,440 --> 00:32:58,810 長七郎のやつ めたくそ打ち込みやがって。 341 00:32:58,810 --> 00:33:00,779 あぁ 尾高のあにぃでさえ➡ 342 00:33:00,779 --> 00:33:04,082 「剣ではもう長七郎にはかなわん」と 言ってるにい。 343 00:33:04,082 --> 00:33:06,885 えい! えい! 344 00:33:08,753 --> 00:33:11,256 あいつ また背伸びたなあ。 345 00:33:11,256 --> 00:33:14,159 なんの 背なら俺も負けねぇ。 346 00:33:14,159 --> 00:33:17,596 俺は強え男になりてえ! 347 00:33:17,596 --> 00:33:21,399 剣の腕も長七郎のほかには ここじゃあ誰にも負けねぇ。 348 00:33:21,399 --> 00:33:23,335 なんの! 俺だって。 349 00:33:23,335 --> 00:33:25,770 体当たりなら負けねえ! 350 00:33:25,770 --> 00:33:28,807 よし じゃあ一本勝負だ。 おうよ。 351 00:33:28,807 --> 00:33:31,810 え~い! お~! 352 00:33:34,279 --> 00:33:36,281 (喜作 栄一)え~い! 353 00:33:36,281 --> 00:33:42,954 栄一と喜作は 共に剣を学び…➡ 354 00:33:42,954 --> 00:33:46,825 読書に明け暮れる日々でした。 355 00:33:46,825 --> 00:33:50,428 「一聚楽」… あにぃ。 うん? 356 00:33:50,428 --> 00:33:54,132 ちっと教えてくんない。 一聚楽ってのは…。 357 00:33:54,132 --> 00:33:58,003 (惇忠)教えるのは簡単だが もう少し自分で考えてみない。 358 00:33:58,003 --> 00:34:00,372 あ 駄目だに 平九郎。 兄さまたちの邪魔になるだんべ。 359 00:34:00,372 --> 00:34:02,741 おお 平九郎 おめえも興味があるんか? (尾高平九郎)はい。 360 00:34:02,741 --> 00:34:05,377 おぅ お千代。 お千代! 361 00:34:05,377 --> 00:34:08,580 平九郎…。 平九郎にもそろそろ➡ 362 00:34:08,580 --> 00:34:11,483 文字を 教えてやってもいい時分かもしれねえな。 363 00:34:11,483 --> 00:34:14,386 ありがとうございます! おお そうだいな! 364 00:34:14,386 --> 00:34:17,088 兄さま これは何と読むんですか? 365 00:34:17,088 --> 00:34:23,595 (長七郎)これはな「こうし」。 そしてこれは「くんし」。 難しいだろ。 366 00:34:23,595 --> 00:34:26,264 失礼しました。 (長七郎)おめぇも仲間入りだな。➡ 367 00:34:26,264 --> 00:34:31,403 よ~し これは日の本の「ひ」だ。 おい 平九郎。 368 00:34:31,403 --> 00:34:36,241 おめぇの姉さまは いつ見ても まっさか器量よしだいなぁ。 369 00:34:36,241 --> 00:34:40,145 (長七郎) おい おめぇ 俺の妹に何言ってんだいな。 370 00:34:40,145 --> 00:34:43,782 何言ってんだいな。 何言ってんだいな。 371 00:34:43,782 --> 00:34:47,586 (惇忠)さあ 始めるぞ。 (一同)はい! 372 00:34:53,425 --> 00:34:58,263 「鍛え上げた日本男児は 南国に名を轟かせた」。 373 00:34:58,263 --> 00:35:02,901 「なかでも武勇をあらわしたのは 山田長政」。 374 00:35:02,901 --> 00:35:06,771 「長政 にわかに飛び出でるや剣を取り」。 375 00:35:06,771 --> 00:35:09,674 栄一 危ねぇぞ。 「凄まじき眼にて➡ 376 00:35:09,674 --> 00:35:12,243 やれ これでも連れてゆくか」。 おい。 377 00:35:12,243 --> 00:35:15,914 「あるいは我をくびり殺すかと 舟人を」…。 栄一! おい! 378 00:35:15,914 --> 00:35:17,916 おおっ…。 379 00:35:19,751 --> 00:35:22,654 あ~あ。 380 00:35:22,654 --> 00:35:25,256 まぁまぁ なんてことだいね。 381 00:35:25,256 --> 00:35:27,926 (なか) 本に夢中になって溝に落っこちるって。 382 00:35:27,926 --> 00:35:30,962 ほれ 見な 一張羅がこんなんなって。 383 00:35:30,962 --> 00:35:33,398 すまねぇ 姉さま かっさま。 384 00:35:33,398 --> 00:35:36,101 この本がまっさか面白くって たまらなくってなあ。 385 00:35:36,101 --> 00:35:39,137 あれまぁ そうなん? そうだに かっさま。 386 00:35:39,137 --> 00:35:42,607 沼津の大久保様に仕え 駕籠かきをしていた長政は➡ 387 00:35:42,607 --> 00:35:45,110 太平の世を飛び出してシャムに向かう。 388 00:35:45,110 --> 00:35:49,414 しゃむに? そうよ。 そんでなんと シャムの殿様に! 389 00:35:49,414 --> 00:35:51,483 あれまぁ お殿様に! (なか)はぁ。 390 00:35:51,483 --> 00:35:54,619 しゃむだか南無阿弥陀仏の殿様だか 知らねぇけど➡ 391 00:35:54,619 --> 00:35:57,655 こんなでっかい体になっても いつまでも中身は子供だに。 392 00:35:57,655 --> 00:36:00,659 いてて いててて…。 さっさと着物を洗ってきな! 393 00:36:14,739 --> 00:36:22,247 シャムかあ… 行ってみてえな。 394 00:36:28,920 --> 00:36:31,589 読書は な~んも悪ぃことじゃねぇ。 395 00:36:31,589 --> 00:36:39,464 だけんど朝夕 寝るも食うも忘れて 仕事をおろそかにするとは もっての外。 396 00:36:39,464 --> 00:36:45,770 すまん。 気を付ける。 だから春は江戸見物に…。 397 00:36:45,770 --> 00:36:48,406 ばかもん! 398 00:36:48,406 --> 00:36:51,776 江戸どころか このまんまじゃ➡ 399 00:36:51,776 --> 00:36:54,612 お前にこの中の家を 任せるわけにはいがねぇ。 400 00:36:54,612 --> 00:36:58,483 へ? いや この家 継ぐんは俺だに? 401 00:36:58,483 --> 00:37:03,054 別に お前が継がなくても そのうち なかに婿でも取らせりゃいい。 402 00:37:03,054 --> 00:37:05,356 フフ… 婿かぁ。 403 00:37:05,356 --> 00:37:08,259 そんな…。 404 00:37:08,259 --> 00:37:13,231 いいや とっさま。 俺に継がせてくれ。 405 00:37:13,231 --> 00:37:16,568 頼む。 そう思って 今まで家業を学んできたんだに。 406 00:37:16,568 --> 00:37:19,471 (ため息) 407 00:37:19,471 --> 00:37:21,740 いいか 栄一。 408 00:37:21,740 --> 00:37:29,481 藍の葉は 手間暇かけた分だけ いい青が出せるんだ。 409 00:37:29,481 --> 00:37:31,449 いい青…。 410 00:37:31,449 --> 00:37:36,654 そうだ。 手ぇ抜くやつに その青は出せねぇ。 411 00:37:41,593 --> 00:37:43,528 分かった。 分かったに。 412 00:37:43,528 --> 00:37:46,264 もう決して手は抜かねぇ。 413 00:37:46,264 --> 00:37:49,167 よし。 食え。 414 00:37:49,167 --> 00:37:51,469 へぇ! 415 00:38:00,345 --> 00:38:40,385 ♬~ 416 00:38:40,385 --> 00:38:46,925 (家慶) 私の子は 男は家祥を除いて皆死んだ。 417 00:38:46,925 --> 00:38:48,860 家祥も…。 418 00:38:48,860 --> 00:38:53,698 おお おお…。 (歌橋)フフフフ…。 419 00:38:53,698 --> 00:39:00,905 (家慶)あの様子では跡を継いだとて 子を残せるかどうか…。 420 00:39:03,041 --> 00:39:13,551 慶喜… 水戸の壮健な体を持つそなたが この一橋に入ったこと➡ 421 00:39:13,551 --> 00:39:19,858 徳川にとって何よりと思うておる。 422 00:39:22,560 --> 00:39:27,232 (慶喜)ははっ。 ありがたき幸せに存じ上げまする。 423 00:39:27,232 --> 00:39:52,457 ♬~ 424 00:39:52,457 --> 00:39:57,262 (川路聖謨)上様は 今では 御実子よりも一橋様をご寵愛の様子。 425 00:39:57,262 --> 00:40:03,401 今日は鷹狩り 今日は謡と連れ回し 大奥ではお世継ぎを差し置き➡ 426 00:40:03,401 --> 00:40:07,905 一橋様がお世継ぎになるのではと 専らのうわさ。 427 00:40:09,607 --> 00:40:15,113 (阿部正弘)私も いずれは一橋様を 将軍にと思うておる。 428 00:40:15,113 --> 00:40:19,951 え!? この先もし外夷が国を揺るがせば➡ 429 00:40:19,951 --> 00:40:24,122 その時は人心をまとめる 強い将軍がおらねばならぬ。 430 00:40:24,122 --> 00:40:28,960 伊勢守様! 長崎奉行より使いが。 何じゃ。 431 00:40:28,960 --> 00:40:32,297 (森山栄之助) はっ! 我が国との条約締結を求め➡ 432 00:40:32,297 --> 00:40:36,601 メリケンが艦隊を派遣。 (内藤信親)なんと…! 433 00:41:19,610 --> 00:41:21,612 よいしょ…。 434 00:41:23,781 --> 00:41:25,717 よっ。 435 00:41:25,717 --> 00:41:28,653 まことか? かっさま。 436 00:41:28,653 --> 00:41:31,656 あぁ とっさまが言ってましたよ。 437 00:41:31,656 --> 00:41:38,629 春になったら商いの用のついでに 一度江戸に連れてってやんべえって。 438 00:41:38,629 --> 00:41:42,500 ああ… やったぞ~! 江戸だ~! 439 00:41:42,500 --> 00:41:45,403 ま~た 栄一ったら でっかい声出して。 440 00:41:45,403 --> 00:41:47,338 そりゃそうだ 姉さま! 441 00:41:47,338 --> 00:41:51,142 江戸は東照大権現様の作った 日本一の町だ。 442 00:41:51,142 --> 00:41:54,045 何があるんか どんなもんがおるんか➡ 443 00:41:54,045 --> 00:41:58,316 あぁ 思い浮かべるだけで 胸ん中がぐるぐるする。 444 00:41:58,316 --> 00:42:03,921 (なか)ぐるぐる? そうだに! 喜作に知らせてやるに! 445 00:42:03,921 --> 00:42:06,591 江戸だ~! 446 00:42:06,591 --> 00:42:08,526 あんなに喜ぶなんてねぇ。 447 00:42:08,526 --> 00:42:12,930 江戸だ~! 江戸~! ハハハハ! 448 00:42:12,930 --> 00:42:15,767 江戸~! 449 00:42:15,767 --> 00:42:18,970 江戸だ~! わ~! 450 00:42:30,114 --> 00:42:33,618 この町は商いで出来てる。 451 00:42:33,618 --> 00:42:35,553 黒船来たり! 452 00:42:35,553 --> 00:42:38,489 徳川を… 頼む。 453 00:42:38,489 --> 00:42:42,326 私にはこの先 将軍になる望みはございませぬ。 454 00:42:42,326 --> 00:42:45,630 おめぇの剣なんか まっちのペルリが 天狗の鼻でポ~ンだい。 455 00:42:45,630 --> 00:42:47,565 聞き捨てならねぇなぁ そこの小僧。 456 00:42:47,565 --> 00:42:49,500 栄一さんはよくしゃべりますが➡ 457 00:42:49,500 --> 00:42:51,803 その分 行いも本当に早うございます。 458 00:42:51,803 --> 00:42:55,306 栄一 お前も早く来お! あぁ!