1 00:00:06,406 --> 00:00:13,113 血洗島の渋沢家には 大勢の職人が集まっていました。 2 00:00:13,113 --> 00:00:17,784 藍のすくも作りが始まったのです。 3 00:00:17,784 --> 00:00:21,288 (伝蔵) お~い おやじさんが呼んでるどお! 4 00:00:21,288 --> 00:00:23,957 おう! 5 00:00:23,957 --> 00:00:26,660 (渋沢ゑい)栄一! 栄一! 6 00:00:29,296 --> 00:00:32,132 もたもたしてっと 藍が風邪ひいちまうぞ! 7 00:00:32,132 --> 00:00:34,635 (作男たち)へぇ! 乾燥させた藍の葉を➡ 8 00:00:34,635 --> 00:00:39,506 水を打ちながら混ぜ合わせ発酵させます。 9 00:00:39,506 --> 00:00:42,809 これを何度も繰り返します。 10 00:00:45,145 --> 00:00:47,981 (渋沢栄一) こりゃ相変わらず ひでえにおいだにい。 11 00:00:47,981 --> 00:00:51,852 へぇ 飛んできた虫も死ぬにい。 (笑い声) 12 00:00:51,852 --> 00:00:55,656 (市郎右衛門)おい 手を動かせ 手を! (作男たち)へぇ。 13 00:00:55,656 --> 00:01:00,961 よいっしょう…。 14 00:01:08,769 --> 00:01:15,576 発酵を始めて およそ100日 すくもが出来上がります。 15 00:01:27,621 --> 00:01:30,524 このすくもを液状にすると➡ 16 00:01:30,524 --> 00:01:34,528 美しい青を出す染料になるのです。 17 00:01:55,148 --> 00:01:59,653 いくぞ。 いくで。 そ~れ…。 18 00:02:05,258 --> 00:02:10,397 おぉ 青だ。 きれえだなぁ。 19 00:02:10,397 --> 00:02:13,300 いい色が出るのは当然として➡ 20 00:02:13,300 --> 00:02:17,270 その色が長く出なけりゃあ いい藍とは言えねぇ。 21 00:02:17,270 --> 00:02:19,973 こっちはどうだ。 22 00:02:22,943 --> 00:02:25,412 お~。 23 00:02:25,412 --> 00:02:30,117 ちっと足りねぇな。 こっちとこっち もう一回やんべえ。 24 00:02:30,117 --> 00:02:32,119 へぇ。 25 00:02:37,791 --> 00:02:41,628 うちのとっさまはな この武州で作る藍を➡ 26 00:02:41,628 --> 00:02:46,299 阿波の藍に負けねえ品に しようと思ってる。 (渋沢喜作)へぇ~。 27 00:02:46,299 --> 00:02:49,636 うちのとっさまは 「中の家の市郎右衛門は➡ 28 00:02:49,636 --> 00:02:53,306 『伊曾保物語』のアリみてえに勤勉だ」 と言っておった。 29 00:02:53,306 --> 00:02:55,242 アリか。 30 00:02:55,242 --> 00:02:57,978 何か言ったか? 31 00:02:57,978 --> 00:03:01,248 言い得て妙だなあ。 32 00:03:01,248 --> 00:03:05,052 (笑い声) 33 00:03:08,121 --> 00:03:13,960 もうすぐな とっさまに 江戸に連れてってもらうんだに。 34 00:03:13,960 --> 00:03:16,263 まことか! おうよ。 35 00:03:16,263 --> 00:03:19,166 一から商いを教えてもらうんだに。 36 00:03:19,166 --> 00:03:23,603 はあ~ 江戸か~。 ハハハ。 37 00:03:23,603 --> 00:03:27,274 江戸か~! ハハハ…。 38 00:03:27,274 --> 00:03:32,412 ハハ~! 江戸だでぇ! 江戸か~! 39 00:03:32,412 --> 00:05:02,235 ♬~ 40 00:05:02,235 --> 00:06:23,450 ♬~ 41 00:06:26,753 --> 00:06:32,092 こんばんは。 徳川家康です。 42 00:06:32,092 --> 00:06:36,963 今日は 私のお気に入りの外国人を紹介したい。 43 00:06:36,963 --> 00:06:40,800 まずは マルコ・ポーロ。 44 00:06:40,800 --> 00:06:45,272 元寇で神風が吹いた頃のこと➡ 45 00:06:45,272 --> 00:06:52,612 黄金の国 ジパングの名を 世界に知らしめた偉大なる冒険家です。 46 00:06:52,612 --> 00:06:59,119 ただ残念ながら 日本にたどりつくことはできなかった。 47 00:06:59,119 --> 00:07:03,089 次に ウィリアム・アダムス。 48 00:07:03,089 --> 00:07:12,365 彼は関ヶ原の戦の頃に漂着した イギリスの船乗りです。 49 00:07:12,365 --> 00:07:18,171 ポルトガルの連中は 「やつは海賊だ」と言っていたが➡ 50 00:07:18,171 --> 00:07:21,741 彼は いい男でね。 51 00:07:21,741 --> 00:07:24,377 私はすっかり気に入って➡ 52 00:07:24,377 --> 00:07:26,913 三浦按針と 名前を付けて➡ 53 00:07:26,913 --> 00:07:30,417 家臣にしちゃいました。 54 00:07:32,252 --> 00:07:37,924 いわゆる鎖国となってから やって来たアメリカ人が➡ 55 00:07:37,924 --> 00:07:41,394 ラナルド・マクドナルド。 56 00:07:41,394 --> 00:07:46,599 アメリカ先住民とイギリス人を 両親に持つ彼は➡ 57 00:07:46,599 --> 00:07:52,272 「自分の顔は日本人に似ている。 日本を見てみたい」と➡ 58 00:07:52,272 --> 00:07:57,944 船が遭難したふりをして流れてきた。 59 00:07:57,944 --> 00:08:03,717 これからは英語が必要であると 考えていた幕府は➡ 60 00:08:03,717 --> 00:08:08,888 これはちょうどいいと 彼にレッスンを頼んだ。 61 00:08:08,888 --> 00:08:16,563 日本初の ネイティブ英語教師というわけです。 62 00:08:16,563 --> 00:08:20,433 ラナルドは親切に教えてくれた。 63 00:08:20,433 --> 00:08:25,739 我が徳川の助けになった。 64 00:08:25,739 --> 00:08:30,243 そして いよいよ…➡ 65 00:08:30,243 --> 00:08:34,748 運命の外国人がやって来ます。 66 00:09:16,689 --> 00:09:22,228 アヘン戦争で 清国が攻められる様を描いたこの本は➡ 67 00:09:22,228 --> 00:09:27,734 日本人に強い危機感を与えました。 68 00:09:27,734 --> 00:09:30,069 (尾高千代)兄さま? (尾高惇忠)ああ。 69 00:09:30,069 --> 00:09:35,375 少しよろしいですか? ああ。 どうした お千代。 70 00:09:35,375 --> 00:09:40,080 「論語」の里仁篇… 24章目かね。 71 00:09:46,753 --> 00:09:49,255 …というのが どういうことを言ってるんか➡ 72 00:09:49,255 --> 00:09:51,758 教えてもらえないでしょうか。 73 00:09:51,758 --> 00:09:55,095 (尾高長七郎)また あにぃが 講じておられるのを聞いておったのか。 74 00:09:55,095 --> 00:09:57,397 へぇ すみません。 75 00:09:57,397 --> 00:10:01,101 おなごのお前が そんなことを知ってどうする。 76 00:10:05,138 --> 00:10:08,041 おなごとて人だに。 77 00:10:08,041 --> 00:10:10,610 千代も 人として もののことわりを➡ 78 00:10:10,610 --> 00:10:13,112 ちっとでも知っておきたいと 思っただけです。 79 00:10:13,112 --> 00:10:15,782 それを 「知ってどうする」などとおっしゃるんは➡ 80 00:10:15,782 --> 00:10:17,817 兄さまの言葉とも思えねえ。 81 00:10:17,817 --> 00:10:21,120 (尾高やへ)これ お千代➡ 82 00:10:21,120 --> 00:10:24,424 兄さまに向かって 失礼を言うんじゃあないよ! 83 00:10:24,424 --> 00:10:26,793 いや 母さま。 84 00:10:26,793 --> 00:10:29,829 千代の申すことは もっともです。 85 00:10:29,829 --> 00:10:33,133 おなごとて人の道を知り➡ 86 00:10:33,133 --> 00:10:36,803 役に立ちたいと思うんは 何の不思議もない。 87 00:10:36,803 --> 00:10:42,141 これからは暇を見つけ お前にも ためになる言葉を教えよう。 88 00:10:42,141 --> 00:10:45,445 あ… ありがとうございます。 89 00:10:45,445 --> 00:10:51,651 ちなみに今の「君子は言に訥にして 行いに敏ならんことを欲す」とは➡ 90 00:10:51,651 --> 00:10:56,322 ペラペラよくしゃべるより 何も言わず素早く行う方が➡ 91 00:10:56,322 --> 00:11:00,193 君子にふさわしいという孔子様の教えだ。 92 00:11:00,193 --> 00:11:03,763 つまり栄一みたいじゃ いげねぇってことだいな。 93 00:11:03,763 --> 00:11:06,099 栄一さん? あぁ。 94 00:11:06,099 --> 00:11:09,135 いいえ 兄さま。 栄一さんはよくしゃべりますが➡ 95 00:11:09,135 --> 00:11:11,771 その分 行いも本当に早うございます。 96 00:11:11,771 --> 00:11:14,274 (くしゃみ) 97 00:11:18,111 --> 00:11:21,981 とっさま 江戸は今日が祭りか? 98 00:11:21,981 --> 00:11:25,285 どいた どいた~! 99 00:11:27,120 --> 00:11:30,957 ハハハハ… 何を言う。 100 00:11:30,957 --> 00:11:33,426 江戸では これが常だ。 101 00:11:33,426 --> 00:11:38,631 うわ~ すんげえ。 102 00:11:42,135 --> 00:11:48,007 このころ江戸は 世界でも最大級の都市。 103 00:11:48,007 --> 00:11:52,712 100万人近い人口を抱えていました。 104 00:11:54,447 --> 00:11:56,950 はい確かに。 ありがとうございました。 105 00:11:58,651 --> 00:12:03,389 いいんだんべか? ありがとうございます。 106 00:12:03,389 --> 00:12:05,391 おお…。 107 00:12:10,763 --> 00:12:13,666 おお… お~! 108 00:12:13,666 --> 00:12:16,569 お~! 109 00:12:16,569 --> 00:12:35,622 ♬~ 110 00:12:35,622 --> 00:12:40,927 この立派な藍のれんはな 越後屋呉服店だい。 111 00:12:44,330 --> 00:12:50,637 とっさま 俺はうれしい。 112 00:12:52,438 --> 00:12:57,277 この町は商いで出来てる。 113 00:12:57,277 --> 00:13:01,581 物を作るもんも 運ぶもんも 売るもんも それを買ってるもんも➡ 114 00:13:01,581 --> 00:13:04,617 皆が皆つながって生き生きとしとる。 115 00:13:04,617 --> 00:13:08,454 見ない! お武家様がまるで脇役だ! 116 00:13:08,454 --> 00:13:10,590 シッ! 声が大きい。 117 00:13:10,590 --> 00:13:13,092 こんな誉れはねぇ。 118 00:13:13,092 --> 00:13:17,764 この江戸の町は とっさまみてえな 商い人が作ってるんだいな! 119 00:13:17,764 --> 00:13:22,101 (平岡円四郎)おっと 聞き捨てならねぇなぁ そこの小僧。 120 00:13:22,101 --> 00:13:26,606 小僧? 聞こえたぜ 田舎っぺえの声がよ。 121 00:13:26,606 --> 00:13:31,778 「この江戸の町は あきんどが作ってる」 とか何とか抜かしやがって。 122 00:13:31,778 --> 00:13:34,814 (小声で)おい 逃げるぞ。 おう。 123 00:13:34,814 --> 00:13:37,950 おい こら待て! 待たねえか 小僧! 124 00:13:37,950 --> 00:13:40,987 何 しやがんでぇ! (やす)お前さんこそ何してんだい。 125 00:13:40,987 --> 00:13:43,289 本当のことじゃないか。 何だと? 126 00:13:43,289 --> 00:13:45,792 あきんどばかりが景気がよくて➡ 127 00:13:45,792 --> 00:13:49,128 お前さんみたいなお武家様が すっからかん。 128 00:13:49,128 --> 00:13:53,299 おかげさまで一緒になった私まで こんななりになっちまってさ。 129 00:13:53,299 --> 00:13:56,636 あ~ぁ いつになったら また➡ 130 00:13:56,636 --> 00:14:01,240 きれいなおべべが 着られるようになるのやら。 131 00:14:01,240 --> 00:14:03,743 違ぇねぇ。 132 00:14:03,743 --> 00:14:09,082 違ぇねぇなぁ ハハハハ…。 133 00:14:09,082 --> 00:14:17,590 このお武家様 やがて栄一と徳川慶喜を 結び付けることになるのですが➡ 134 00:14:17,590 --> 00:14:21,294 それは ずっと後のお話です。 135 00:14:28,601 --> 00:14:31,404 おぉ! 何だに ここは! 136 00:14:31,404 --> 00:14:35,274 ハハハ… よ~く見とけ。 137 00:14:35,274 --> 00:14:41,481 ここが藍の商いの中心 紺屋町だ。 138 00:14:43,783 --> 00:14:48,121 ハハハハ こりゃあ たまげた。 139 00:14:48,121 --> 00:14:51,624 (市郎右衛門)ハハ どれも一級品だ。➡ 140 00:14:51,624 --> 00:14:57,630 ここに来りゃあ 染め物のはやり廃りが 一目で分からい。 141 00:15:01,434 --> 00:15:04,937 いやんばいす。 いやんばいす。 142 00:15:26,092 --> 00:15:30,930 (紺屋)ほほう こりゃあいい色だねぇ。 143 00:15:30,930 --> 00:15:35,601 (市郎右衛門)去年は武州のいい藍葉が なっから豊作だったんでねぇ。➡ 144 00:15:35,601 --> 00:15:39,405 色もちも決して阿波藍に負けねえ。 145 00:15:39,405 --> 00:15:42,608 (紺屋)確かに品はいいよ。➡ 146 00:15:42,608 --> 00:15:49,949 しかし それでも大店は 阿波藍しか買わねぇときてるからなあ。 147 00:15:49,949 --> 00:15:54,620 (市郎右衛門) へぇ。 栄一 邪魔をするんでねえ。 148 00:15:54,620 --> 00:16:01,060 これからは武州藍も どうかひとつ頼まいねえ。 149 00:16:01,060 --> 00:16:03,062 考えておきましょう。 150 00:16:05,731 --> 00:16:09,602 売れたんかい? 151 00:16:09,602 --> 00:16:14,106 ばかもん。 聞いたような口をたたくな。 152 00:16:16,075 --> 00:16:19,579 また子供扱いして…。 153 00:16:28,387 --> 00:16:31,190 あ…。 154 00:16:32,925 --> 00:16:35,394 江戸のお城だ。 155 00:16:35,394 --> 00:16:39,398 あそこに公方様がおられるんだいなぁ。 156 00:16:45,137 --> 00:16:50,409 (徳川家慶)ああ それは… 私がやったカナリアではないか。 157 00:16:50,409 --> 00:16:53,312 (徳川慶喜) はい。 涼しい声でよく鳴きます故➡ 158 00:16:53,312 --> 00:16:55,781 お届けに参りました。➡ 159 00:16:55,781 --> 00:17:00,553 今年は既に暑さ厳しい。 どうかご自愛を。 160 00:17:00,553 --> 00:17:04,056 フフ…。 161 00:17:05,725 --> 00:17:09,562 世の中には 私よりも➡ 162 00:17:09,562 --> 00:17:17,737 そなたの父が 優れた君主だと 陰口をたたくものもおった。 163 00:17:17,737 --> 00:17:25,745 それゆえ 私は斉昭が嫌いだった。 164 00:17:30,750 --> 00:17:34,253 ううっ… ああ! 165 00:17:44,597 --> 00:17:50,403 だが今 こうして そなたの顔 見ていると…➡ 166 00:17:50,403 --> 00:17:59,946 悪い男ではなかったのかもしれぬと 思えてくるから不思議じゃ…。 167 00:17:59,946 --> 00:18:03,549 うっ…。 168 00:18:03,549 --> 00:18:09,422 上様 どうか今は 万事ご案じなくお休みなさりますよう。 169 00:18:09,422 --> 00:18:12,625 (家慶)すまぬ…。 170 00:18:19,732 --> 00:18:22,568 お~い 俺にもくれ! 171 00:18:22,568 --> 00:18:27,740 異国の船が現れた! メリケンの黒船だ! 172 00:18:27,740 --> 00:18:30,242 ちょっと お代 お代。 あ…。 173 00:18:30,242 --> 00:18:34,914 異国の船が来るとは 天下を揺るがす一大事! 174 00:18:34,914 --> 00:18:37,950 さあさあ 続きは ここに 詳しく書いてある。 買った買った! 175 00:18:37,950 --> 00:18:39,952 おお~! 176 00:18:43,389 --> 00:18:47,927 ん? 見ろ。 船だ。 177 00:18:47,927 --> 00:18:53,265 また異国の船か? 代官所に知らせねえと。 178 00:18:53,265 --> 00:18:57,269 いや あの船 煙が出てるぞ。 179 00:18:59,405 --> 00:19:04,243 火事だ! 黒い船が火事を出して走ってる! 180 00:19:04,243 --> 00:19:08,047 早く代官所に知らせねえと! 181 00:19:08,047 --> 00:19:11,550 一大事だ! 黒船来たり! 182 00:19:11,550 --> 00:19:13,486 黒船来たり! 183 00:19:13,486 --> 00:19:15,721 (栄一 喜作)おおっ! (長七郎)どうした 喜作! 184 00:19:15,721 --> 00:19:18,557 黒船来たり!くろふね? くろふね? 185 00:19:18,557 --> 00:19:21,460 そうだで。 186 00:19:21,460 --> 00:19:23,896 浦賀に まっさかでけぇ船が来た。 187 00:19:23,896 --> 00:19:27,767 千石船が何十艘行っても 周りを囲めねえほどの大船だで。 188 00:19:27,767 --> 00:19:30,569 てぇ~! そんなにでっけえんか。 189 00:19:30,569 --> 00:19:35,374 おめぇ もうちっと江戸におれば 見られたに 惜しいことしたなあ。 190 00:19:35,374 --> 00:19:38,177 あにぃに知らせてくる。 あぁ! 返さねぇか! 191 00:19:39,912 --> 00:19:42,915 (惇忠)なんと! (長七郎)これが黒船だで。 192 00:19:44,583 --> 00:19:47,486 水戸様が案じていたとおり やはり日の本は➡ 193 00:19:47,486 --> 00:19:52,191 太平の夢を貪っていることなど できなかったのだ。 194 00:19:55,594 --> 00:19:58,264 これを読みない。➡ 195 00:19:58,264 --> 00:20:03,402 清国が夷狄に乗っ取られた様が つぶさに書かれておる。 196 00:20:03,402 --> 00:20:07,106 日の本も清国のようになんのか。 197 00:20:07,106 --> 00:20:09,141 それはならねぇ。 198 00:20:09,141 --> 00:20:13,946 今こそ人心を一つにして戦わねぇと。 199 00:20:19,819 --> 00:20:26,292 これは 徳川斉昭が 幕府に献上した大砲です。 200 00:20:26,292 --> 00:20:32,798 斉昭は 外国船を打ち払うことを 強硬に主張しました。 201 00:20:32,798 --> 00:20:36,135 (阿部正弘) 黒船におびえていた江戸の庶民は➡ 202 00:20:36,135 --> 00:20:39,839 「さすがは水戸様」と 狂喜乱舞しておりまする。 203 00:20:41,440 --> 00:20:45,311 (家慶)斉昭と協議すべし。 204 00:20:45,311 --> 00:20:48,814 上様? 上様 今何と…。 205 00:20:48,814 --> 00:20:53,319 この国難 水戸の…➡ 206 00:20:53,319 --> 00:21:00,392 水戸の斉昭に力を借りるのじゃ… 慶喜。 207 00:21:00,392 --> 00:21:02,461 はい ここに。 208 00:21:02,461 --> 00:21:05,264 慶喜…。 209 00:21:08,767 --> 00:21:14,974 徳川を… 頼む。 210 00:21:21,947 --> 00:21:25,417 (鳴き声) 211 00:21:25,417 --> 00:21:35,127 その10日後 第十二代将軍 徳川家慶が亡くなりました。 212 00:21:38,631 --> 00:21:43,302 幕府では 将軍の跡継ぎである家祥のもと➡ 213 00:21:43,302 --> 00:21:47,139 次にペリーが来た時に どう対応すべきか➡ 214 00:21:47,139 --> 00:21:53,813 大名や幕府有志にまで登城を命じ 広く意見を求めました。 215 00:21:53,813 --> 00:21:59,318 (阿部)我々は おのおの方による 闊達な意見を求めておる。 216 00:21:59,318 --> 00:22:05,758 遠慮は一切無用のことにて 忌憚なき意見を書面にて提出するように。 217 00:22:05,758 --> 00:22:10,095 幕府は徳川斉昭の隠居処分を解き➡ 218 00:22:10,095 --> 00:22:15,267 海防参与という役目を与えました。 219 00:22:15,267 --> 00:22:19,104 快なり…。 220 00:22:19,104 --> 00:22:22,942 快なり! 221 00:22:22,942 --> 00:22:24,877 ⚟(藤田東湖)ご老公! 222 00:22:24,877 --> 00:22:27,780 東湖!? 223 00:22:27,780 --> 00:22:31,617 (藤田東湖)ご老公! 東湖! 224 00:22:31,617 --> 00:22:33,953 東湖! 225 00:22:33,953 --> 00:22:37,790 よう来た! よう耐えたのう! 226 00:22:37,790 --> 00:22:42,127 ははっ。 ご老公こそ よくお耐えになりました。 227 00:22:42,127 --> 00:22:44,163 これをご覧くだされ。 228 00:22:44,163 --> 00:22:47,933 今 江戸市中に出回っておる 錦絵でございます。➡ 229 00:22:47,933 --> 00:22:50,002 江戸庶民はご老公を➡ 230 00:22:50,002 --> 00:22:54,306 三顧の礼にて迎えられた 諸葛孔明に見立ておるのです。 231 00:22:54,306 --> 00:23:01,380 やはり人心は ご老公を必要としていたのでございます。 232 00:23:01,380 --> 00:23:09,255 これも全て 七郎のおかげじゃ。 233 00:23:09,255 --> 00:23:16,061 ようやく… ようやく時が来たのだ! 234 00:23:22,268 --> 00:23:24,770 こうした攘夷への動きは➡ 235 00:23:24,770 --> 00:23:30,276 栄一が住む武蔵国にも及びました。 236 00:23:30,276 --> 00:23:32,211 (利根吉春)お支度なされい。 237 00:23:32,211 --> 00:23:37,716 (錠が開く音) 238 00:23:39,985 --> 00:23:43,822 そんでもよう そんなでっけぇ船が来たり➡ 239 00:23:43,822 --> 00:23:47,693 そんなひげムシャの唐人が陸へ上がったら どうなっちまうんだんべ。 240 00:23:47,693 --> 00:23:51,430 そりゃおめぇ 俺がこの剣で 「メ~ン!」とやっつけてやるで。 241 00:23:51,430 --> 00:23:55,801 ハハッ! おめぇの剣なんか まっちのぺるりが天狗の鼻でポ~ンだい。 242 00:23:55,801 --> 00:23:59,672 ポ~ンのメ~ンだい! ハハハハ…。 243 00:23:59,672 --> 00:24:02,875 おっ? 何だな あれは。 244 00:24:07,246 --> 00:24:09,181 どうしたんだい みんな集まって。 245 00:24:09,181 --> 00:24:11,583 (渋沢まさ) 岡部の陣屋に捕らえられていた罪人が➡ 246 00:24:11,583 --> 00:24:14,920 罪を許されて 江戸に呼び出されるんだとよ。 247 00:24:14,920 --> 00:24:18,757 ⚟脇へ寄れぃ。 248 00:24:18,757 --> 00:24:23,095 脇へ寄れぃ。 249 00:24:23,095 --> 00:24:30,969 脇へ寄れぃ。 脇へ寄れぃ。 250 00:24:30,969 --> 00:24:33,739 脇へ寄れぃ。 251 00:24:33,739 --> 00:24:37,943 あれかぁ。 立派だいなぁ。 252 00:24:37,943 --> 00:24:44,650 (渋沢宗助)何年か前に来だ時は 罪人のかごだったんになあ。 253 00:24:46,418 --> 00:24:48,487 (高島秋帆)出島で砲術を学び➡ 254 00:24:48,487 --> 00:24:51,623 シーボルトやスチュルレルから ナポレオンの話を聞き➡ 255 00:24:51,623 --> 00:24:54,426 ゲベール銃や モルチール砲を取り寄せ➡ 256 00:24:54,426 --> 00:24:59,631 肥後や薩摩 ひいては江戸でも オンテレーレンした。 257 00:24:59,631 --> 00:25:03,135 脇へ寄れぃ。 258 00:25:08,741 --> 00:25:12,378 この国はどうなるのだろうなぁ。 259 00:25:12,378 --> 00:25:16,882 このままでは この国は終わる。 260 00:25:18,917 --> 00:25:21,253 あ あなたは! おい! 261 00:25:21,253 --> 00:25:24,089 あ いや…。 バカ! 何してんだ! 262 00:25:24,089 --> 00:25:27,126 この無礼者! 何をしておる! 263 00:25:27,126 --> 00:25:31,830 確か 前に 「このままでは この国は終わる」と…。 264 00:25:31,830 --> 00:25:35,100 (役人)はぁ? 小僧 何のまねじゃ! 265 00:25:35,100 --> 00:25:37,903 「誰かが国を守らねば」って…。 266 00:25:40,773 --> 00:25:44,977 そうか… お前か。 267 00:25:53,786 --> 00:25:58,490 私はあの夜… お前の言葉に力をもらった。 268 00:26:01,060 --> 00:26:04,730 俺が守ってやんべぇ この国を。 269 00:26:04,730 --> 00:26:09,034 (秋帆) そして… どうにかここまで生き延びた。 270 00:26:13,372 --> 00:26:19,578 私はこの先 残された時を 全て この日の本のために尽くし➡ 271 00:26:19,578 --> 00:26:23,749 励みたいと思っている。 272 00:26:23,749 --> 00:26:26,552 お前も…。 273 00:26:28,253 --> 00:26:34,059 お前も励め。 必ず励め。 274 00:26:34,059 --> 00:26:35,994 頼んだぞ。 275 00:26:35,994 --> 00:26:53,412 ♬~ 276 00:26:53,412 --> 00:26:57,616 おめぇ 何であのお方と…。 277 00:26:57,616 --> 00:26:59,618 あぁ…。 278 00:27:02,588 --> 00:27:08,260 こうして 幕府の保守派によって 冤罪を被り投獄されていた➡ 279 00:27:08,260 --> 00:27:14,466 長崎の砲術家 高島秋帆が釈放されました。 280 00:27:18,570 --> 00:27:26,278 誰かが守らなくては この国は…。 281 00:27:28,247 --> 00:27:32,084 ⚟おい そっちの方見てくんない! ⚟おう じゃあ俺 こっち行く! 282 00:27:32,084 --> 00:27:35,587 ⚟俺 こっち行ってくる! ⚟おう…。 283 00:27:35,587 --> 00:27:40,392 ⚟そっちはどうだ! ⚟駄目だに! 284 00:27:40,392 --> 00:27:43,595 とっさま どうしたんだい。 うるさい どこにいた。 285 00:27:43,595 --> 00:27:46,298 どこって道場に…。 286 00:27:48,400 --> 00:27:51,270 (朔兵衛)虫にやられちまったんだい。 287 00:27:51,270 --> 00:27:53,472 え? 288 00:27:59,611 --> 00:28:04,616 (権兵衛)お~い! ここら一帯 全部やられっちまったぁ! 289 00:28:17,996 --> 00:28:22,734 今年は いい出来だったんに。 290 00:28:22,734 --> 00:28:27,573 (朔兵衛)今年のこの村の藍は もうおしめぇだ。 291 00:28:27,573 --> 00:28:29,508 おしめぇ? 292 00:28:29,508 --> 00:28:34,079 (権兵衛)くぅ… なんてこったぁ。 293 00:28:34,079 --> 00:28:40,252 おい 泣いてる暇はないぞ! とにかく急いで無事な藍葉を刈り取れ。 294 00:28:40,252 --> 00:28:43,589 少しでも早く残った分を刈り集めるんだ。 295 00:28:43,589 --> 00:28:47,392 栄一 お前も早く来お! あぁ! 296 00:28:47,392 --> 00:28:51,597 そんでも とっさま 村で無事な分を全部集めたところで➡ 297 00:28:51,597 --> 00:28:54,266 量は知れてるんだいね。 どうするんだい。 298 00:28:54,266 --> 00:28:58,937 信州や上州へ行って 買ってくるしかねぇが…➡ 299 00:28:58,937 --> 00:29:03,342 今から行って どんだけ買えるもんか。 300 00:29:03,342 --> 00:29:05,410 だったら 俺も行くべ。 2人がかりで行けば…。 301 00:29:05,410 --> 00:29:12,718 ばかもん! 目ぇ利くもんが いい藍葉買ってきねえと意味がねぇ。 302 00:29:12,718 --> 00:29:15,220 子供の使いでできることじゃねぇ! 303 00:29:15,220 --> 00:29:19,024 子供の使いって…。 304 00:29:27,366 --> 00:29:31,069 ふん いつまでたっても子供扱い。 305 00:29:31,069 --> 00:29:38,577 あ~あ。 親に当てにされねぇんは さみしいもんだに。 306 00:29:38,577 --> 00:29:42,080 (ゑい)当てにされてねぇことは ないと思うけどねぇ。 307 00:29:42,080 --> 00:29:44,082 え? 308 00:29:52,257 --> 00:29:56,261 当てにされても困るのです。 309 00:29:56,261 --> 00:30:00,599 私にはこの先 将軍になる望みはございませぬ。 310 00:30:00,599 --> 00:30:03,268 何じゃと? 311 00:30:03,268 --> 00:30:05,203 (東湖)刑部卿様➡ 312 00:30:05,203 --> 00:30:10,042 越前守様はあなた様に 新しき公方様のお世継ぎとなり➡ 313 00:30:10,042 --> 00:30:13,612 後の将軍になってほしいと 仰せでございます。 314 00:30:13,612 --> 00:30:18,784 今こそ英邁な将軍が立ち 凝結一致ならしめる…。 315 00:30:18,784 --> 00:30:22,654 いいえ。 父上は私を傀儡とし➡ 316 00:30:22,654 --> 00:30:25,424 ご自身が 将軍になられたいのでありましょう。 317 00:30:25,424 --> 00:30:29,294 何をおっしゃる 刑部卿様! 殿は あなた様を…。 318 00:30:29,294 --> 00:30:33,131 (慶喜)それから ペルリの国書への意見書ですが…➡ 319 00:30:33,131 --> 00:30:38,837 一橋の家の者が かように立派な建議を 起草してくれましたものの…。 320 00:30:41,306 --> 00:30:43,809 (斉昭)何をする! 私のような若輩者に➡ 321 00:30:43,809 --> 00:30:46,645 どうして かくのごとき文言が書けましょう。 322 00:30:46,645 --> 00:30:49,548 私は うそ偽りを好みませぬ。➡ 323 00:30:49,548 --> 00:30:52,751 これにて失礼つかまつりまする。 324 00:31:01,259 --> 00:31:09,968 誰か あやつをそばで支える 直言の臣はおらぬのか! 325 00:31:14,106 --> 00:31:18,944 頼む かっさま! 俺を信州に行かせてくれ。 326 00:31:18,944 --> 00:31:20,879 俺が藍葉を買い付けてくる。 327 00:31:20,879 --> 00:31:25,283 え? あんたが? そうだ かっさま。 328 00:31:25,283 --> 00:31:27,285 (渋沢なか) とっさまが戻って行ぐと言ってたいね。 329 00:31:27,285 --> 00:31:30,789 そんでも早く行がねぇことには ほかに買われっちまうだんべ。 330 00:31:30,789 --> 00:31:33,291 それはそうだいねぇ。 331 00:31:33,291 --> 00:31:38,130 行ったところで あんたみてぇな子供に 誰が売ってくれるんだいね。 332 00:31:38,130 --> 00:31:43,301 それもそうだいねぇ。 頼む かっさま。 333 00:31:43,301 --> 00:31:45,237 俺にもきっと藍のよしあしは分かる。 334 00:31:45,237 --> 00:31:49,808 また そんなはったり言って。 はったりじゃあねぇ。 335 00:31:49,808 --> 00:31:56,681 ちぃせぇ頃から とっさまの買い付けを ずっとこの目で見てきた。 336 00:31:56,681 --> 00:32:00,385 藍を買ってる時のとっさまは まっさか立派で➡ 337 00:32:00,385 --> 00:32:03,588 俺もいつか ああなりてぇって ずっと思って そばで見てきたんだ。 338 00:32:07,259 --> 00:32:11,029 俺はとっさまの役に立ちてぇんだ。 339 00:32:11,029 --> 00:32:14,900 とっさまのために この村のために励んでみてぇんだに。 340 00:32:14,900 --> 00:32:20,605 (なか)無理よ。 まだそんな大金持ったこともないくせに。 341 00:32:20,605 --> 00:32:26,278 そうだいねぇ。 まだ無理だいねぇ。 342 00:32:26,278 --> 00:32:31,149 第一 そんなことしたら とっさまに どんだけ叱られるか…。 343 00:32:31,149 --> 00:32:33,451 そうよ。 344 00:32:40,425 --> 00:32:43,295 ほれ見たことか。 345 00:32:43,295 --> 00:32:56,842 ♬~ 346 00:32:56,842 --> 00:33:00,145 え? 347 00:33:00,145 --> 00:33:02,080 へ? 348 00:33:02,080 --> 00:33:28,206 ♬~ 349 00:33:28,206 --> 00:33:30,508 行っといで。 350 00:33:32,143 --> 00:33:35,413 このかっさまの胸ん中が➡ 351 00:33:35,413 --> 00:33:38,950 お前を行がせてみろ 行がせてみろて 言うてるに。 352 00:33:38,950 --> 00:33:41,286 (なか)へ? かっさま? 353 00:33:41,286 --> 00:33:47,492 行っといで。 決して無駄にしたらいげねぇよ。 354 00:33:53,298 --> 00:33:55,300 はい! 355 00:33:59,170 --> 00:34:03,108 いやんばいす。 藍を買いに来たい! 356 00:34:03,108 --> 00:34:06,378 (藤兵衛)おぉ 藍を買いに? ん? 357 00:34:06,378 --> 00:34:10,248 まいど。 血洗島ん中の家から藍を買いに来たにい。 358 00:34:10,248 --> 00:34:12,751 どうだいね。 いい藍はとれたかい。 359 00:34:12,751 --> 00:34:16,588 何でえ 市郎右衛門さんとこのガキじゃねえか! 360 00:34:16,588 --> 00:34:19,090 (勘左衛門)岡部の藍は 虫に食われちまったんだってなぁ。➡ 361 00:34:19,090 --> 00:34:21,793 おあいにくさまだ。 ほら 帰れ帰れ。 362 00:34:35,273 --> 00:34:41,780 あ~ これは肥やしが少ねぇな。 はぁ? 363 00:34:41,780 --> 00:34:46,952 茎が太すぎる。 こりゃ 葉に肥やしが行ってねえ証しだで。 364 00:34:46,952 --> 00:34:49,621 な 何を…。 そんなん どうにもできねえべ! 365 00:34:49,621 --> 00:34:51,556 ありゃ 知らねぇんかい。 366 00:34:51,556 --> 00:34:54,292 ただ肥やしを くれりゃいいってわけじゃねえ。 367 00:34:54,292 --> 00:34:58,163 お天道様を読んでくれねえと せっかくの肥やしが台なしだで。 368 00:34:58,163 --> 00:35:04,903 よぉし ここはいいか。 ほかを回るべえ。 369 00:35:04,903 --> 00:35:08,773 おお… ちっと待て。 待ってくれや。 ん? 370 00:35:08,773 --> 00:35:11,076 早う 早う! 待って あにぃ! 371 00:35:11,076 --> 00:35:13,578 早う こっち来い ほら…。 372 00:35:13,578 --> 00:35:18,450 うん 厚みもあるし色も濃くてきれいだ。 こりゃ上等だで。 373 00:35:18,450 --> 00:35:22,287 全部で何貫あるんだい? あと30貫ばっかあるだが。 374 00:35:22,287 --> 00:35:24,589 じゃあ 30貫 みんなくれとくれ。 375 00:35:24,589 --> 00:35:27,392 へ? 構わねえが大丈夫かえ。 376 00:35:27,392 --> 00:35:30,595 これなら一貫100文はくだんねぇな。 377 00:35:30,595 --> 00:35:33,264 全部で3千文でいいかい? 378 00:35:33,264 --> 00:35:36,101 こっちはどうだらず? 379 00:35:36,101 --> 00:35:40,605 こりゃ ちっと干し過ぎだ。 赤みが出ちまってる。 380 00:35:40,605 --> 00:35:44,275 一貫30文ってとこかな。 381 00:35:44,275 --> 00:35:48,113 50文にゃならねえかえ。 382 00:35:48,113 --> 00:35:52,417 う~ん じゃあこっちの藍に免じて 一貫50文でもらおうか。 383 00:35:52,417 --> 00:35:55,286 おお! 何貫あるんだい? 384 00:35:55,286 --> 00:35:57,288 15貫あるだらず。 15貫。 385 00:35:57,288 --> 00:36:00,592 ありがてえ。 ああ いがったな。 386 00:36:08,566 --> 00:36:12,237 あ~ 悪くねえが ちっと黄ばんでんな。 387 00:36:12,237 --> 00:36:14,739 黄ばんどる? これ あれかい➡ 388 00:36:14,739 --> 00:36:17,075 日照りの日に水取り怠けたんかい。 389 00:36:17,075 --> 00:36:19,911 言いがかり言うでねえ! 390 00:36:19,911 --> 00:36:23,748 黄ばんでるっつうことは 水か肥やしが足りてねえ。 391 00:36:23,748 --> 00:36:28,086 そんでこれは水が足りてねえ色だい。 ほれ よく見てみない。 392 00:36:28,086 --> 00:36:30,021 はあ~。 393 00:36:30,021 --> 00:36:33,958 だけんどまあ 寝せ込みん時に水を細かく打てば➡ 394 00:36:33,958 --> 00:36:36,661 十分いいすくもになりそうだ。 395 00:36:39,397 --> 00:36:41,332 〆粕はやらねんかい。 396 00:36:41,332 --> 00:36:47,605 〆粕は高すぎるだらず。 うちのは買えんかなえ? 397 00:36:47,605 --> 00:36:51,409 うちで使う藍としては てんで駄目だ。 398 00:36:51,409 --> 00:36:53,344 そうかえ…。 しかたがねえ。➡ 399 00:36:53,344 --> 00:36:56,114 また来年頑張りましょう。 な…。 400 00:36:56,114 --> 00:36:59,150 ところで ここらの〆粕は 一斗いくらだい? 401 00:36:59,150 --> 00:37:01,453 300文はするずら。 402 00:37:03,221 --> 00:37:06,224 じゃあ みんな丸めて1両2分でいいかい。 403 00:37:06,224 --> 00:37:09,094 へ? い… 1両? 404 00:37:09,094 --> 00:37:13,932 1両あれば 来年は〆粕を10斗買っても どうにかなるんだいな。 405 00:37:13,932 --> 00:37:16,234 へえ。 406 00:37:16,234 --> 00:37:21,906 そしたら もっといい藍が 今年の倍はとれるわけだいなぁ。 407 00:37:21,906 --> 00:37:23,842 へえ! 408 00:37:23,842 --> 00:37:29,147 来年も また必ず うちに売ってくれるかい。 409 00:37:31,382 --> 00:37:33,318 もちろんだらず! 410 00:37:33,318 --> 00:37:36,221 おお ありがてえ。 よろしく頼むで。 411 00:37:36,221 --> 00:37:40,125 ありがてえ…。 いがったな いがったな。 412 00:37:40,125 --> 00:37:49,834 栄一は この村だけで 都合21軒の藍を ことごとく買って帰ることとなりました。 413 00:38:01,346 --> 00:38:03,414 すまねえ とっさま! すんません。 414 00:38:03,414 --> 00:38:05,550 私が行ってくれと言って渡したんだよ。 415 00:38:05,550 --> 00:38:08,052 (なか)違うに。 栄一がまた強情を言ったからだいね。 416 00:38:08,052 --> 00:38:12,357 そんでも 浅牧村と日沢村辺りの 出来のいい藍葉は➡ 417 00:38:12,357 --> 00:38:17,162 おおかた買い取ってきた… つもりだけんど。 418 00:38:44,088 --> 00:38:46,591 いくらで買った? 419 00:38:55,266 --> 00:38:59,103 これが一貫75文で こっちが80文。 420 00:38:59,103 --> 00:39:03,107 これが125文。 421 00:39:06,711 --> 00:39:12,417 これは高く買い過ぎだ。 60文ぐらいでもよかった。 422 00:39:16,054 --> 00:39:20,558 そんでもまぁ いい肥やしを買って➡ 423 00:39:20,558 --> 00:39:25,897 来年 いい藍を作ってくれりゃ それでよかんべ。 424 00:39:25,897 --> 00:39:27,899 え? 425 00:39:31,369 --> 00:39:35,073 よくやった。 426 00:39:35,073 --> 00:39:38,576 うん 悪くねぇ。 427 00:39:38,576 --> 00:39:46,284 よし 明日からは 立代村と青沢村 一緒に回るんだいな。 428 00:39:48,753 --> 00:39:51,256 (市郎右衛門)おい! 聞いてんのか。 429 00:39:51,256 --> 00:39:54,259 あ へえ…。 430 00:39:54,259 --> 00:39:56,394 へえ! 431 00:39:56,394 --> 00:40:01,933 ハハハ! お~! やった~! 432 00:40:01,933 --> 00:40:07,805 お~! やったぞ~! やった~! 433 00:40:07,805 --> 00:40:14,412 お~! やったぞ~! やってやったぞ~! 434 00:40:14,412 --> 00:40:16,414 お~! 435 00:40:22,120 --> 00:40:24,155 (円四郎)一橋家ですと? 436 00:40:24,155 --> 00:40:29,627 (川路聖謨)さよう。 御三卿一橋家を 御相続なされた刑部卿様の小姓に➡ 437 00:40:29,627 --> 00:40:33,431 お主を欲しいと お父上の水戸のご老公が➡ 438 00:40:33,431 --> 00:40:38,636 かの高名な懐刀 藤田東湖殿を通じての仰せだ。 439 00:40:38,636 --> 00:40:45,443 あやつをそばで支える 直言の臣はおらぬのか! 440 00:40:48,646 --> 00:40:50,581 そういえば…。 441 00:40:50,581 --> 00:40:53,985 そんなもなぁ お断りだ! 何だと? 442 00:40:53,985 --> 00:40:59,791 某は我が父同様 あくまで役方として 身を立てようと あれこれ学んでいる最中。 443 00:40:59,791 --> 00:41:03,594 それを御三卿なんて お偉方の近習なんざ➡ 444 00:41:03,594 --> 00:41:06,397 真っ平ごめんの ありがた迷惑でございますんで! 445 00:41:06,397 --> 00:41:08,933 ちょいと お前さん! 446 00:41:08,933 --> 00:41:10,968 (川路)わしも そう申し上げた。 447 00:41:10,968 --> 00:41:16,674 かように無礼で粗野な男に 小姓など務まるものかと。 448 00:41:21,412 --> 00:41:28,619 しかし それをご承知でなお 水戸のご老公はお主がよいと仰せじゃ。➡ 449 00:41:28,619 --> 00:41:32,423 一度拝謁いたしてみるがよい。 450 00:41:32,423 --> 00:41:35,126 う~ん そんなぁ…。 451 00:41:35,126 --> 00:41:50,975 ♬~ 452 00:41:50,975 --> 00:41:56,848 商いとは なっから楽しいもんだい。 453 00:41:56,848 --> 00:41:59,350 そうかい? 454 00:42:01,619 --> 00:42:08,760 俺はこれからも励むで。 この国のために。 455 00:42:08,760 --> 00:42:10,762 何だい そりゃ。 456 00:42:21,472 --> 00:42:23,608 おう。 457 00:42:23,608 --> 00:42:30,114 ♬~ 458 00:42:30,114 --> 00:42:32,784 下郎め! 承知と言え! 459 00:42:32,784 --> 00:42:35,620 戦はなりませぬ! なりませぬぞ! 460 00:42:35,620 --> 00:42:42,293 一橋公が将軍におなりあそばせば この身をささげるんだがのう。 461 00:42:42,293 --> 00:42:44,295 待ってろよ! 462 00:42:44,295 --> 00:42:47,799 おかしれぇことになってきたぜ。 463 00:42:47,799 --> 00:42:53,304 恐れながら! それが我々百姓の銭にございます。