1 00:00:02,603 --> 00:00:05,639 (高島秋帆)お前も…。 2 00:00:05,639 --> 00:00:09,943 お前も励め 必ず励め。 3 00:00:09,943 --> 00:00:15,749 後に 近代日本経済の父と呼ばれる 渋沢栄一。 4 00:00:15,749 --> 00:00:17,684 あと30貫ばっかあるだが。 5 00:00:17,684 --> 00:00:19,686 (渋沢栄一) じゃあ 30貫 みんなくれとくれ。 6 00:00:21,955 --> 00:00:26,126 1両あれば 来年は〆粕を10斗買っても どうにかなるんだいな。 7 00:00:26,126 --> 00:00:28,061 へえ。 8 00:00:28,061 --> 00:00:32,900 そしたら もっといい藍が 今年の倍はとれるわけだいなぁ。 9 00:00:32,900 --> 00:00:37,738 へえ! 来年も また必ず➡ 10 00:00:37,738 --> 00:00:42,142 うちに売ってくれるかい。 もちろんだらず! 11 00:00:42,142 --> 00:00:48,649 藍葉の不作という危機から 血洗島を救った栄一は…。 12 00:00:48,649 --> 00:00:50,984 (渋沢市郎右衛門)よくやった。 13 00:00:50,984 --> 00:00:53,820 へえ! 14 00:00:53,820 --> 00:00:56,723 ハハハ! お~! やったぞ~! 15 00:00:56,723 --> 00:01:02,095 やった~! ハハハ! 16 00:01:02,095 --> 00:01:05,766 今日もよく働いております。 17 00:01:05,766 --> 00:01:08,802 (尾高惇忠)おう 栄一。 おお あにぃ! 18 00:01:08,802 --> 00:01:11,572 もう一人で 藍の買い付けに行っているのか? 19 00:01:11,572 --> 00:01:15,475 そうよ。 今はこうして商いの修業中だに。 20 00:01:15,475 --> 00:01:18,345 あ ここんところ読書に伺えず申し訳ねえ。 21 00:01:18,345 --> 00:01:21,782 大丈夫 大丈夫。 結構なことだがな。 22 00:01:21,782 --> 00:01:25,953 お前の母さまも「とっさまの機嫌がよい」と 喜んでおられた。 23 00:01:25,953 --> 00:01:27,888 ハハ。 そうだ➡ 24 00:01:27,888 --> 00:01:31,825 浜田弥兵衛の本を手に入れたぞ。 おお! 25 00:01:31,825 --> 00:01:33,827 暇が出来たら読みに来い。 26 00:01:33,827 --> 00:01:38,532 はっはぁ~ ごろつきの異人を とっちめるとはのう。 27 00:01:38,532 --> 00:01:40,500 当時のオランダ人の間でも➡ 28 00:01:40,500 --> 00:01:44,137 「江戸のヤヒョウエ」と 恐れられていたそうだで。 29 00:01:44,137 --> 00:01:46,173 (渋沢喜作)つまり 200年の昔から➡ 30 00:01:46,173 --> 00:01:50,911 日本男児の気概は 決して異国に劣らねえってことだに。 31 00:01:50,911 --> 00:01:55,749 ましてや 生まれて100年にも満たねえ ペルリのメリケンなど なんぼのもんだ。 32 00:01:55,749 --> 00:01:59,319 そうだいな。 こっちがひっぺがえしてやらぁ。 33 00:01:59,319 --> 00:02:01,588 そうだに!おお! (尾高きせ)まぁまぁ 勇ましいこと。 34 00:02:01,588 --> 00:02:05,258 ああ。 その意気だ。 35 00:02:05,258 --> 00:02:08,061 あ~…。 うっ…。 36 00:02:13,967 --> 00:02:18,972 まだいたんか。 そろそろ戻らねえと叱られるに。 37 00:02:21,608 --> 00:02:25,412 しかし承服できん。 38 00:02:25,412 --> 00:02:29,783 浜田弥兵衛はタイオワン 山田長政はシャム➡ 39 00:02:29,783 --> 00:02:34,655 かつては多くのもんが海の向こうにおって そこで商いまでしていた。 40 00:02:34,655 --> 00:02:41,361 なのに… どうして今 この日の本は 国を閉ざしているんだいなぁ。 41 00:02:43,964 --> 00:02:46,667 よい質問だ 栄一。 42 00:02:48,301 --> 00:02:52,806 今から300年ほど前 戦で荒れ果てた日の本に➡ 43 00:02:52,806 --> 00:02:55,142 大勢の異人が入ってきた。 44 00:02:55,142 --> 00:02:57,177 やつらは伴天連だ。 45 00:02:57,177 --> 00:03:03,383 やつらは異国の神を広め 日の本を魂から乗っ取ろうとした。 46 00:03:03,383 --> 00:03:06,586 魂を乗っ取る? そうだ。 47 00:03:06,586 --> 00:03:11,925 水戸の本にもあるように 日の本が古来持つ誇りや尊厳は➡ 48 00:03:11,925 --> 00:03:16,096 決して奪われてはならねぇのだ。 49 00:03:16,096 --> 00:03:18,131 まことよのう。 50 00:03:18,131 --> 00:03:20,267 弥兵衛や長政みてえに➡ 51 00:03:20,267 --> 00:03:22,936 日本男児として誇り高くおらねばのう。 52 00:03:22,936 --> 00:03:24,871 そのとおりだ。 53 00:03:24,871 --> 00:03:27,607 弥兵衛のタイオワンが どこにあるか知っておるか? 54 00:03:27,607 --> 00:03:31,278 今 地図を見せてやろう。 おお まことか! 55 00:03:31,278 --> 00:03:37,417 惇忠の影響で 栄一の好奇心は どこまでも広がり…➡ 56 00:03:37,417 --> 00:03:43,123 時を忘れ 夜通し語り合うことも しばしばでした。 57 00:03:44,958 --> 00:03:47,260 (尾高千代)兄さま 朝飯が…。 58 00:03:48,829 --> 00:03:51,298 栄一さん? 59 00:03:51,298 --> 00:03:54,134 おやまぁ 寒ぃだんべに。 60 00:03:54,134 --> 00:03:57,437 こんなところで 寝てしまって…。 61 00:04:02,943 --> 00:04:07,147 フフ フフ…。 62 00:04:11,618 --> 00:04:14,254 へ? ヒッ! キャッ! うわっ…! 63 00:04:14,254 --> 00:04:17,924 す… すいません! お千代か。 64 00:04:17,924 --> 00:04:22,395 何でお千代が? え?ここはどこだ? 65 00:04:22,395 --> 00:04:24,331 あ あにぃの…。 66 00:04:24,331 --> 00:04:28,769 (千代)へぇ あの 寝ていらしたから…。 67 00:04:28,769 --> 00:04:32,405 そうか! しまった~。 68 00:04:32,405 --> 00:04:41,114 あ… つい話が楽しくて お天道様が昇るまで寝過ごしてしまった。 69 00:04:44,951 --> 00:04:48,288 笑っておられました。 へ? 70 00:04:48,288 --> 00:04:53,426 今 寝ながら… こう ニコリと。 71 00:04:53,426 --> 00:04:55,796 何か よい夢でも見ていらしたんかねぇ。 72 00:04:55,796 --> 00:04:58,832 夢…。 73 00:04:58,832 --> 00:05:01,234 そうだ 見とったぞ! 74 00:05:01,234 --> 00:05:05,739 とっさまと 船で異国に行く夢だ。 75 00:05:05,739 --> 00:05:10,911 俺は異人相手に堂々と商いをして➡ 76 00:05:10,911 --> 00:05:14,781 とっさまに 「ようやった」と褒めてもらった。 77 00:05:14,781 --> 00:05:16,783 へぇ。 78 00:05:16,783 --> 00:05:20,387 とっさまは笑っておられた。 79 00:05:20,387 --> 00:05:22,322 俺もうれしかった。 80 00:05:22,322 --> 00:05:25,759 それはそれは よい夢でございましたねぇ。 81 00:05:25,759 --> 00:05:27,694 うむ! 82 00:05:27,694 --> 00:05:44,878 ♬~ 83 00:05:50,917 --> 00:05:54,120 お お千代。 84 00:05:54,120 --> 00:05:56,323 お前…。 85 00:06:00,560 --> 00:06:02,495 (尾高長七郎) 朝から楽しそうだのう。 86 00:06:02,495 --> 00:06:04,431 (尾高平九郎)楽しそうだのう。 87 00:06:04,431 --> 00:06:07,234 長七郎! 平九郎も! 88 00:06:07,234 --> 00:06:10,070 (長七郎)楽しそうだのう。 (千代)楽しいなどとは何も! 89 00:06:10,070 --> 00:06:16,843 ハハハハ…。 失礼しました。 ほら おいで平九郎。 90 00:06:16,843 --> 00:06:18,845 お千代…。 91 00:06:21,781 --> 00:06:24,618 夢の話をしておっただけだに。 92 00:06:24,618 --> 00:06:27,387 ふうん? 93 00:06:27,387 --> 00:06:30,257 しかし… お千代の顔を➡ 94 00:06:30,257 --> 00:06:33,927 あれほど間近で見たのは初めてだ。 95 00:06:33,927 --> 00:06:36,396 は~。 96 00:06:36,396 --> 00:06:38,932 朝稽古をしておったらのう➡ 97 00:06:38,932 --> 00:06:44,104 畑では もう お前のおやじさん 働いておったぞ。 98 00:06:44,104 --> 00:06:48,108 しまった! また叱られる。 お邪魔した! 99 00:06:51,611 --> 00:06:53,546 おぉ いい青だ…。 100 00:06:53,546 --> 00:06:56,116 (伝蔵)本当だで。 101 00:06:56,116 --> 00:06:59,419 (渋沢宗助)お~ こりゃ よく売れたなあ。 102 00:06:59,419 --> 00:07:04,557 あぁ もうちっと多く作れれば もっと もうかったに➡ 103 00:07:04,557 --> 00:07:06,893 それでも いい値になった。 104 00:07:06,893 --> 00:07:10,764 一番藍はあれほど不作だったのに ありがてぇことだ。 105 00:07:10,764 --> 00:07:16,903 そうだなぁ。 よし 暮れには得意先の百姓衆を集めるか。 106 00:07:16,903 --> 00:07:21,574 (市郎右衛門)あぁ 今年は大いに ごちそうしなくっちゃなんねえ。 107 00:07:21,574 --> 00:07:26,746 おいちゃん とっさま その寄り合いだけんど…➡ 108 00:07:26,746 --> 00:07:29,582 俺に仕切らせてくんねえか? 109 00:07:29,582 --> 00:07:31,918 思いついたことがあるんだ。 110 00:07:31,918 --> 00:07:34,621 は? 111 00:07:36,790 --> 00:07:38,792 うん。 112 00:07:38,792 --> 00:09:19,225 ♬~ 113 00:09:19,225 --> 00:10:29,929 ♬~ 114 00:10:32,432 --> 00:10:37,270 こんばんは。 徳川家康です。 115 00:10:37,270 --> 00:10:41,174 少々おさらいしてみましょうか。 116 00:10:41,174 --> 00:10:45,011 先週の放送では こんなことがありました。 117 00:10:45,011 --> 00:10:48,314 老中の阿部正弘は➡ 118 00:10:48,314 --> 00:10:55,088 ペリーが戻ってきた時に どう対処するべきかを悩みに悩んだ末➡ 119 00:10:55,088 --> 00:11:01,861 幕府の中だけでなく 広く意見を聞いてみることにしました。 120 00:11:01,861 --> 00:11:07,567 集まった意見書は 実に700以上。 121 00:11:10,403 --> 00:11:16,209 外様が意見するなど 私の頃には考えられん話だ。 122 00:11:16,209 --> 00:11:22,015 まあ 時代というものですな…。 123 00:11:22,015 --> 00:11:28,621 水戸の斉昭など 大方は「通商反対」。 124 00:11:28,621 --> 00:11:36,496 もしくは「一度開国し 力をつけたら 鎖国に戻す」というものでした。 125 00:11:36,496 --> 00:11:48,441 そんな中 福岡の黒田長溥と 先週の放送で釈放された高島秋帆だけが➡ 126 00:11:48,441 --> 00:11:52,812 「異国と交易をすれば 日本にも利益がある」➡ 127 00:11:52,812 --> 00:12:00,253 「寛大な心で 異国を受け入れてはどうか」と意見した。 128 00:12:00,253 --> 00:12:06,059 さて これらを受け取った徳川が どうするか…。 129 00:12:06,059 --> 00:12:10,396 (阿部正弘) 台場は こことここを厚くせよ。➡ 130 00:12:10,396 --> 00:12:15,268 できる限りペルリの艦隊を 左右から挟み込むのだ。ははっ。 131 00:12:15,268 --> 00:12:21,774 江戸城では 既に亡くなった 前将軍の息子 徳川家定が➡ 132 00:12:21,774 --> 00:12:26,779 第十三代征夷大将軍に 就任していましたが…。 133 00:12:34,954 --> 00:12:41,427 実務を仕切っていたのは 老中首座の阿部正弘と…➡ 134 00:12:41,427 --> 00:12:46,132 新しく海防参与となった徳川斉昭でした。 135 00:12:46,132 --> 00:12:48,067 (徳川斉昭)川路。 136 00:12:48,067 --> 00:12:51,004 (川路聖謨)おぉ これはご老公に東湖先生。 137 00:12:51,004 --> 00:12:56,442 長崎まで ヲロシア使節の応接に参るそうだな。 138 00:12:56,442 --> 00:13:01,080 さよう。 某の話術にてヲロシアをぶらかし➡ 139 00:13:01,080 --> 00:13:03,016 開国の要求をかわしてこいとの仰せ。 140 00:13:03,016 --> 00:13:05,251 ヲロシアなど たたっ斬れ。 141 00:13:05,251 --> 00:13:09,922 陸戦に持ち込めば 我が国の槍剣の長技で➡ 142 00:13:09,922 --> 00:13:14,260 異人など皆殺しにしてくれるわ。 143 00:13:14,260 --> 00:13:17,563 ハハハハ…。 ははっ。 144 00:13:21,768 --> 00:13:26,105 政に復帰なされ意気揚々にござりますな。 145 00:13:26,105 --> 00:13:31,611 (藤田東湖)我が殿は 我こそが国を守る という気概に満ちておられる。 それに…。 146 00:13:31,611 --> 00:13:34,647 (小声で)一橋家のことも…。 147 00:13:34,647 --> 00:13:40,620 そのことですが 本当にあの男で頼りになるのやら。 148 00:13:40,620 --> 00:13:45,124 (やす) 小姓だなんて 立派なお役目じゃぁないか。 149 00:13:45,124 --> 00:13:51,297 でも おめぇ 一橋様といやあ一回りも年下だぜ。 150 00:13:51,297 --> 00:13:53,966 そんな身の回りのお世話ったってぇ。 151 00:13:53,966 --> 00:13:56,002 だったら あんたも逃げんのかい? 152 00:13:56,002 --> 00:13:59,439 年が明けりゃ また黒船が来るってんで➡ 153 00:13:59,439 --> 00:14:01,374 みんな江戸から逃げ出してるよ。 154 00:14:01,374 --> 00:14:05,078 はぁ? 逃げる? 何を言ってやんでい。 155 00:14:05,078 --> 00:14:08,581 メリケンごときで 逃げ出していられっか こんちきしょう。 156 00:14:08,581 --> 00:14:11,484 おりゃおめぇ御旗本のせがれだぜ。 157 00:14:11,484 --> 00:14:15,755 なら四の五の言わず行っておいで。 あんたが働かなきゃね➡ 158 00:14:15,755 --> 00:14:18,658 雨漏りの屋根直すお金だって ありゃしないんだから。 ほら…。 159 00:14:18,658 --> 00:14:20,927 いてて… いてっ。 行っておいで。 160 00:14:20,927 --> 00:14:23,763 全く…  何見てんだ。 161 00:14:23,763 --> 00:14:27,967 全く しょうがねえなぁ。 162 00:14:38,945 --> 00:14:41,647 おなりにございます。 163 00:14:55,962 --> 00:14:59,265 平岡円四郎にございます。 164 00:15:05,371 --> 00:15:08,241 (徳川慶喜)平岡円四郎。 ははっ。 165 00:15:08,241 --> 00:15:12,912 私は お前に 私の諍臣になってほしいと思うておる。 166 00:15:12,912 --> 00:15:15,615 諍臣ていやぁ… 167 00:15:18,251 --> 00:15:20,186 …の諍臣でございましょうか。 168 00:15:20,186 --> 00:15:23,389 さよう。 その言葉のとおり➡ 169 00:15:23,389 --> 00:15:28,594 私に少しでもおごりや過ちがあれば 必ず いさめてほしい。➡ 170 00:15:28,594 --> 00:15:31,931 よしなに頼む。 171 00:15:31,931 --> 00:15:33,933 ははっ…。 172 00:15:40,640 --> 00:15:46,412 (中根長十郎)早う支度をせい。 し 支度…。 173 00:15:46,412 --> 00:15:50,950 中根。 よい。 そなたは下がれ。 174 00:15:50,950 --> 00:15:54,287 ははっ。 175 00:15:54,287 --> 00:15:57,790 支度ったってぇ…。 176 00:15:57,790 --> 00:16:21,113 ♬~ 177 00:16:21,113 --> 00:16:23,316 (円四郎)へぇ お待ち。 178 00:16:26,385 --> 00:16:29,922 まことのことを申せ。 179 00:16:29,922 --> 00:16:32,258 まことに給仕のしかたを知らぬのか。 180 00:16:32,258 --> 00:16:38,931 それとも私の小姓をするのが不服で かように不作法なことをしておるのか。 181 00:16:38,931 --> 00:16:44,237 まことを申せば 不服と思うところもございまする。 182 00:16:53,479 --> 00:16:56,949 某は下谷練塀小路の生まれで➡ 183 00:16:56,949 --> 00:16:59,785 旗本のせがれとはいえ四男坊と➡ 184 00:16:59,785 --> 00:17:02,555 跡取りには程遠い厄介者。 185 00:17:02,555 --> 00:17:09,061 その自分が このように屋敷に籠もる 風流なお役目なんてのは… あっ。 186 00:17:11,264 --> 00:17:15,234 そうか。 ははっ。 ええと…。 187 00:17:15,234 --> 00:17:18,571 おのが住まいでは飯は食わぬのか? 188 00:17:18,571 --> 00:17:23,576 あ いや 手前の飯は女房が いつも このようにして よそってくれまする。 189 00:17:25,244 --> 00:17:28,547 そうか。 女房か。 190 00:17:34,754 --> 00:17:38,958 よいか。 まず椀をこう持つ。 191 00:17:41,093 --> 00:17:45,598 そして 杓子をこう持ち➡ 192 00:17:45,598 --> 00:17:51,404 かようにして飯をよそう。 193 00:17:56,275 --> 00:18:00,713 (慶喜)どうじゃ。 ははっ 何てぇか そのぉ…➡ 194 00:18:00,713 --> 00:18:05,551 実にふわりと 美しく盛られてございまする。 195 00:18:05,551 --> 00:18:10,222 さようか… よかった。 196 00:18:10,222 --> 00:18:22,234 ♬~ 197 00:18:22,234 --> 00:18:24,904 ああ これは農人形といい➡ 198 00:18:24,904 --> 00:18:28,574 米の一粒一粒は民の辛苦であるゆえ➡ 199 00:18:28,574 --> 00:18:32,578 食するごとにそれを忘れぬようにという 父の教え。 200 00:18:38,584 --> 00:18:41,921 よいか。 給仕はかようにするものぞ。 201 00:18:41,921 --> 00:18:44,957 は ははっ! 202 00:18:44,957 --> 00:18:48,761 まことに恐れ入りましてございまする! 203 00:18:52,631 --> 00:18:58,471 平岡円四郎は 慶喜の小姓として一橋家に入り➡ 204 00:18:58,471 --> 00:19:01,707 働き始めました。 205 00:19:01,707 --> 00:19:05,344 輪を作って通す。 206 00:19:05,344 --> 00:19:07,413 そう 口でも引っ張るのじゃぞ。 207 00:19:07,413 --> 00:19:09,548 へい 口でも引っ張る…。 208 00:19:09,548 --> 00:19:13,219 途中で口を利く者がおるか。 209 00:19:13,219 --> 00:19:15,221 すいやせん…。 210 00:19:17,089 --> 00:19:24,563 (慶永)水戸はほかの徳川とは違い 頼りになるのう。 211 00:19:24,563 --> 00:19:29,435 (橋本左内)ハハ… ご老公はもちろん それを支える東湖先生も➡ 212 00:19:29,435 --> 00:19:33,906 知識といい人柄といい 申し分ないお方です。 213 00:19:33,906 --> 00:19:36,242 そうよのう。 214 00:19:36,242 --> 00:19:44,116 そして ご老公の御子の一橋様ものう。 215 00:19:44,116 --> 00:19:46,585 一橋様? 216 00:19:46,585 --> 00:19:53,459 いっそ あのお方のような方が 将軍になれば…➡ 217 00:19:53,459 --> 00:20:00,166 わしは喜んで この身をささげるんだがのう。 218 00:20:11,110 --> 00:20:13,045 母上! 219 00:20:13,045 --> 00:20:16,415 (吉子)七郎! いえ 一橋殿。 220 00:20:16,415 --> 00:20:20,119 まぁ このように立派になられて。 221 00:20:20,119 --> 00:20:22,621 母上様も お元気そうで何より。 222 00:20:22,621 --> 00:20:24,557 さあ こちらへ。 お疲れでしょう。 223 00:20:24,557 --> 00:20:26,492 今 茶と菓子を持たせますゆえ。 224 00:20:26,492 --> 00:20:28,694 ありがとう。 225 00:20:31,297 --> 00:20:37,169 ふ~ん。 こうやって見ると 年相応だな。 226 00:20:37,169 --> 00:20:39,171 まあ…。 227 00:20:39,171 --> 00:20:43,642 そなたが平岡か。 お!? は… ははっ。 228 00:20:43,642 --> 00:20:47,313 我が息子をよろしく頼むぞ。 229 00:20:47,313 --> 00:20:49,615 ははっ! 230 00:20:57,456 --> 00:21:01,260 (東湖)一橋公は貴人の相がおありだ。 231 00:21:01,260 --> 00:21:05,264 額にこの相を持つ者は もとより非凡であり➡ 232 00:21:05,264 --> 00:21:10,936 ご老公よりも更に一等上の この先またと いでがたきお人だ。 233 00:21:10,936 --> 00:21:15,107 一橋公が将軍におなりあそばせば…➡ 234 00:21:15,107 --> 00:21:19,612 外夷に乱れ始めたこの国を きっと立て直すことができる。 235 00:21:19,612 --> 00:21:23,415 え? 心して勤めよ。 236 00:21:23,415 --> 00:21:25,417 ははっ。 237 00:21:29,121 --> 00:21:35,427 へ? あのお方を 将軍に? 238 00:21:38,297 --> 00:21:42,301 (円四郎)おかしれぇことになってきたぜ。 239 00:21:42,301 --> 00:21:48,007 将軍か。 将軍というのは 参ったが… へへ。 240 00:21:48,007 --> 00:21:50,810 いや 分からねぇことはねぇ。 241 00:21:50,810 --> 00:21:55,314 さすが俺のほれ込んだお方だぜ。 242 00:21:55,314 --> 00:21:58,317 は? 誰にほれたって? 243 00:21:58,317 --> 00:22:05,824 やす おめぇもよう ちょっとぐれえ 飯のよそい方でも学べってんだ。 244 00:22:07,593 --> 00:22:13,265 ちょいと待ちなよ。 ほれたって…。 245 00:22:13,265 --> 00:22:20,039 まさかお前さん それで近頃ずっと うわの空で…。 246 00:22:20,039 --> 00:22:23,275 許さない! あたしゃ許さないよ! うわっ…。 247 00:22:23,275 --> 00:22:25,277 えい! おい… 違う! 248 00:22:25,277 --> 00:22:28,781 どこのどいつだよ! 違うってんだ… やめねぇか! 249 00:22:28,781 --> 00:22:32,117 や~! 危ない 危ない 危ない…。 250 00:22:32,117 --> 00:22:34,119 何考えてんだ おめぇはよ! 251 00:22:36,956 --> 00:22:43,662 こちら血洗島は 藍農家をねぎらう宴会の日。 252 00:22:43,662 --> 00:22:46,332 (渋沢ゑい)はるちゃん そっちも頼まいね。 へえ。 253 00:22:47,100 --> 00:22:52,838 その仕切りを任された栄一でしたが…。 254 00:22:52,838 --> 00:22:57,476 (権兵衛)角兵衛どん こないだの 2番刈りの時は本当に助かったに。 255 00:22:57,476 --> 00:23:02,781 (角兵衛)おう また困ったら言えや。 へえ。 256 00:23:02,781 --> 00:23:06,118 よしぞうさんは そこだ そこ。 257 00:23:06,118 --> 00:23:08,420 お! 角兵衛さん 角兵衛さん。 258 00:23:08,420 --> 00:23:12,958 角兵衛さんは え~っと… 角兵衛さん ここ! 259 00:23:12,958 --> 00:23:15,794 うん? ここ! 角兵衛さん。 260 00:23:15,794 --> 00:23:18,130 おお 朔兵衛さん。 朔兵衛さんね そっちだ。 261 00:23:18,130 --> 00:23:20,065 (朔兵衛) 何だい。 今日は席が決まってんのかい? 262 00:23:20,065 --> 00:23:24,303 はい。 あ 権兵衛さん。 え? 263 00:23:24,303 --> 00:23:26,238 権兵衛さんは向こうだい。 え? 264 00:23:26,238 --> 00:23:28,173 権兵衛さ~ん こっちこっち。 265 00:23:28,173 --> 00:23:32,044 え? おい… おらがこんな席かい? 266 00:23:32,044 --> 00:23:35,814 今日は権兵衛さんが大関だかんな。 大関? 267 00:23:35,814 --> 00:23:38,317 大関よ。どうぞ どうぞ。 いや… ちょっと…。 268 00:23:38,317 --> 00:23:43,155 おい 何でわしの席がこっちなんだい? 269 00:23:43,155 --> 00:23:47,993 何だ いっつも角兵衛さんは 上座と決まってただんべえ。 270 00:23:47,993 --> 00:23:51,664 いや すまねぇが 今日は そっちに座ってもらえねぇだんべか。 271 00:23:51,664 --> 00:23:54,166 何だ? 何始める気だ。 272 00:23:54,166 --> 00:23:57,670 いいから ちっとやらしてくれ…。 273 00:23:57,670 --> 00:24:02,107 よぉし みんな そろったにぃ。 274 00:24:02,107 --> 00:24:08,881 (宗助) あぁ みんな 今年もご苦労さんだった。 275 00:24:08,881 --> 00:24:13,819 いや 雨が降らなかった時には どうなることかと思ったが➡ 276 00:24:13,819 --> 00:24:20,292 みんな丹念に育ててくれたってなぁ はい ご苦労さん。 277 00:24:20,292 --> 00:24:27,066 そうだ。 紺屋も これはよい藍玉だとたまげていた。 278 00:24:27,066 --> 00:24:30,636 そらよかったのう。 市郎右衛門さんのおかげだい。 279 00:24:30,636 --> 00:24:32,571 (朔兵衛)そうよそうよ。 なあ。 280 00:24:32,571 --> 00:24:36,141 いや とっさまの腕だけじゃねぇ。 281 00:24:36,141 --> 00:24:39,978 この権兵衛さんの藍が なっからいい出来だったのよ。 282 00:24:39,978 --> 00:24:41,914 え? 283 00:24:41,914 --> 00:24:45,784 あんなにハリがあって 上から下まで美しい藍葉は➡ 284 00:24:45,784 --> 00:24:49,988 よほど常日頃 様子見て世話してねぇと できるもんじゃねぇだんべ。 285 00:24:49,988 --> 00:24:51,924 あれはどうやったんだ? 286 00:24:51,924 --> 00:24:58,330 市郎右衛門さんによく 「けちるな」って言われてたから➡ 287 00:24:58,330 --> 00:25:02,801 今年は ちっと〆粕 奮発したんだ。 288 00:25:05,771 --> 00:25:09,274 そこで俺は 今日は権兵衛さんに➡ 289 00:25:09,274 --> 00:25:12,544 大関の席に 座ってもらいてえと思ったのよ。 290 00:25:14,413 --> 00:25:17,950 はぁ? 大関だぁ? そうだ。 291 00:25:17,950 --> 00:25:22,121 こっちから 今年の藍作りの大関➡ 292 00:25:22,121 --> 00:25:28,794 関脇 小結 前頭と こう並んで座ってもらってるんだ。 293 00:25:28,794 --> 00:25:31,296 前頭? 294 00:25:31,296 --> 00:25:35,300 見てくれ。 栄一に頼まれて俺が番付も書いてきた! 295 00:25:35,300 --> 00:25:38,437 おお…。 (朔兵衛)番付だと?➡ 296 00:25:38,437 --> 00:25:41,640 おぉ 俺は東の関脇だとよ。 297 00:25:41,640 --> 00:25:45,978 あぁ 今年はだいぶ 下葉が枯がっちまってたかんなぁ。 298 00:25:45,978 --> 00:25:50,449 わしが前頭とは何だいな! 299 00:25:50,449 --> 00:25:54,653 そうだ お前も喜作も勝手なことをして…。 300 00:25:54,653 --> 00:25:56,588 いや あにぃ。 301 00:25:56,588 --> 00:26:00,459 権兵衛どんの藍葉がよかったのは 本当の話だ。 302 00:26:00,459 --> 00:26:05,764 頼む とっさま あと一つだけしゃべらせてくれ。 303 00:26:05,764 --> 00:26:09,935 このとっさまは 前々から この土地の武州藍を➡ 304 00:26:09,935 --> 00:26:12,771 日本一にしようとたくらんでる。 305 00:26:12,771 --> 00:26:19,545 だから ここのみんなで また来年も高め合っていい藍を作り➡ 306 00:26:19,545 --> 00:26:24,283 武州藍を大いに盛り上げてぇと 思ってんだ。 307 00:26:24,283 --> 00:26:28,554 どうか来年もよろしく頼んます。 308 00:26:32,991 --> 00:26:36,862 いい藍はいいが こんなくだらん番付…。 309 00:26:36,862 --> 00:26:40,532 あ 俺の! (角兵衛)宗助の旦那! 310 00:26:43,969 --> 00:26:49,441 はあ… はあ…。 311 00:26:49,441 --> 00:26:51,410 ああ…。 312 00:26:55,814 --> 00:27:00,786 おい 権兵衛。 へ へえ…。 313 00:27:04,389 --> 00:27:10,762 どこで〆粕買ったか教えやがれ。 え? 314 00:27:10,762 --> 00:27:15,934 来年こそは わしが一層よい藍を作って➡ 315 00:27:15,934 --> 00:27:19,271 番付の大関になってみせるんべえ! 316 00:27:19,271 --> 00:27:25,077 ハハ! よっしゃ~! 317 00:27:25,077 --> 00:27:28,413 栄一 面白えじゃねえか。 318 00:27:28,413 --> 00:27:32,951 昔から変なこと考えるやつだに。 でも目は確かだに。 319 00:27:32,951 --> 00:27:36,822 (渋沢なか)よかったぁ。 また栄一が しでかしたかと思ったいね。 320 00:27:36,822 --> 00:27:41,960 本当 本当… はい 皆さん お食事が出来ましたよ~! 321 00:27:41,960 --> 00:27:45,297 (なか) お酒も たあんと用意しましたからね。➡ 322 00:27:45,297 --> 00:27:48,200 ほら 栄一 喜作も手伝って! 323 00:27:48,200 --> 00:27:52,437 はいよ。 はいよ。 324 00:27:52,437 --> 00:27:58,977 ♬「天とう様と武州の人は」 325 00:27:58,977 --> 00:28:06,084 ♬「天下無双の藍を産む」 326 00:28:06,084 --> 00:28:11,890 いや しかし己でやってみると 商いはまっさか面白ぇなあ。 327 00:28:11,890 --> 00:28:13,825 そうなん? うむ。 328 00:28:13,825 --> 00:28:18,263 どうやったら ここの百姓たちが 今よりもうけて この家ももうけて➡ 329 00:28:18,263 --> 00:28:22,100 そんでもって阿波に負けねぇ藍玉が 作れねぇもんかと➡ 330 00:28:22,100 --> 00:28:25,971 そればっかり考えてみてるんだが…。 331 00:28:25,971 --> 00:28:28,140 ふ~ん。 332 00:28:30,409 --> 00:28:34,680 俺は商いより 剣術がいいなあ。 333 00:28:36,281 --> 00:28:39,117 お お千代! 334 00:28:39,117 --> 00:28:41,053 ああ。 335 00:28:41,053 --> 00:28:43,288 油売りの帰りか。 へえ。 336 00:28:43,288 --> 00:28:46,291 女子衆も精の出ることだなあ。 へえ。 337 00:28:46,291 --> 00:28:51,163 あぁ ほれ。 あ あぁ ありがとう 喜作さん。 338 00:28:51,163 --> 00:28:53,799 これぐらいお安い御用だ。 339 00:28:53,799 --> 00:28:58,971 ちょうど長七郎んとこに 行ぐべえと思っておった。 340 00:28:58,971 --> 00:29:02,374 あ 今日は栄一さんは? 341 00:29:02,374 --> 00:29:07,579 ああ 栄一は えれえこと商いに夢中だ。 342 00:29:07,579 --> 00:29:12,451 まぁ ペルリが来てからこのごろ 御用金も増えておるからなあ。 343 00:29:12,451 --> 00:29:15,921 御用金? あぁ。 344 00:29:15,921 --> 00:29:19,791 この辺で一番の物持ちが 宗助おじの東の家➡ 345 00:29:19,791 --> 00:29:23,662 で そん次が栄一の中の家だい。 346 00:29:23,662 --> 00:29:28,100 岡部のお殿様の祝い事やら 御法会やらがあるたんびに➡ 347 00:29:28,100 --> 00:29:30,402 何百両と御用金を命ぜられる。 348 00:29:30,402 --> 00:29:35,274 何百両? そんなに…。 349 00:29:35,274 --> 00:29:40,045 俺ん家は そん次 3番目ぐれえだから。 350 00:29:45,284 --> 00:29:50,422 しかし この俺が精進して立派んなり➡ 351 00:29:50,422 --> 00:29:56,795 我が新屋敷を 東の家や中の家に負けねぇ 大きな家にしてみせる! 352 00:29:56,795 --> 00:30:03,969 それどころか 岡部の殿様が 頭を下げるような金持ちになってやる! 353 00:30:03,969 --> 00:30:05,937 だから…。 354 00:30:08,440 --> 00:30:10,409 だから…。 355 00:30:15,213 --> 00:30:17,883 待ってろよ! 356 00:30:22,654 --> 00:30:25,457 そして年が明け…。 357 00:30:25,457 --> 00:30:29,328 (永井尚志)ペ ペルリが! ペルリが!➡ 358 00:30:29,328 --> 00:30:33,165 黒船7隻が伊豆沖通過! 359 00:30:33,165 --> 00:30:37,335 この男が再びやって来ました。 360 00:31:16,708 --> 00:31:23,815 (堀田正睦)伊勢守殿 もはやここまでじゃ。 361 00:31:23,815 --> 00:31:26,718 国を開きましょう。 362 00:31:26,718 --> 00:31:29,454 (井伊直弼)そうじゃ そのほうが…。 363 00:31:29,454 --> 00:31:31,990 ありえぬわ! 364 00:31:31,990 --> 00:31:37,462 長きにわたり この日の本で前例なきことを➡ 365 00:31:37,462 --> 00:31:44,336 半年から1年で返答するなど もっての外だ! 阿部! 366 00:31:44,336 --> 00:31:46,838 ⚟(遠雷のような音) 367 00:31:46,838 --> 00:31:52,177 (堀田)何事じゃ? 何の音じゃ? 368 00:31:52,177 --> 00:31:56,348 (永井)これはおおかた メリケンの軍鑑が 砲をうった音でございましょう。 369 00:31:56,348 --> 00:31:59,684 何? 戦か? 370 00:31:59,684 --> 00:32:03,121 メリケンが戦を仕掛けてきおったか! 371 00:32:03,121 --> 00:32:05,791 これは礼砲です 掃部頭殿。 372 00:32:05,791 --> 00:32:10,295 ワシントンとやらの生誕の祝いにて 砲をうちたいと先に知らせがありました。 373 00:32:10,295 --> 00:32:15,801 ケッ 何が生誕の祝いじゃ。 こざかしいわ! 374 00:32:15,801 --> 00:32:23,308 いいや こうなれば 戦になるより国を開いた方がまし。 375 00:32:23,308 --> 00:32:28,146 伊勢守殿 頼む。 何とぞ 何とぞ…。 376 00:32:28,146 --> 00:32:33,318 ならぬ! 断じてならぬ! 377 00:32:33,318 --> 00:32:38,824 伊勢守! 打ち払え! 打ち払ってしまえ! 378 00:32:38,824 --> 00:32:41,459 戦はなりませぬ! なりませぬぞ! 379 00:32:41,459 --> 00:32:46,331 黙れ貴様! ここからつまみ出せ! 阿部! 380 00:32:46,331 --> 00:32:49,601 阿部は迷った末…。 381 00:32:53,472 --> 00:32:58,643 とうとう… 日米和親条約を締結しました。 382 00:33:07,018 --> 00:33:10,622 (長七郎)ペルリの勢いに負け 港を開くことになったそうだ。 383 00:33:10,622 --> 00:33:14,493 今 下田には黒船が…。 なんと…。 384 00:33:14,493 --> 00:33:17,796 あぁ お千代ちゃん。 お帰り。 385 00:33:17,796 --> 00:33:20,298 夷狄は打ち払わねばならねぇんだ!➡ 386 00:33:20,298 --> 00:33:27,172 我が国とて これでは 黒船に攻められ 強引に国を開かされたと同意。 387 00:33:27,172 --> 00:33:30,442 我ら百姓とて 決してこのままじゃあなんねぇ。➡ 388 00:33:30,442 --> 00:33:34,145 水戸の教えを学び 何ができるか思案するのじゃ。 389 00:33:34,145 --> 00:33:36,815 おう! 390 00:33:36,815 --> 00:33:39,284 よぉし 俺も…。 391 00:33:40,986 --> 00:33:42,954 駄目よ 平九郎。 392 00:33:44,656 --> 00:33:47,325 (やへ)驚いたねぇ。 393 00:33:47,325 --> 00:33:51,096 あんなあの子を見るんは初めてだよ。 ええ…。 394 00:33:56,668 --> 00:34:00,272 (ゑい) まぁ またご陣屋からお呼び出しですか。 395 00:34:00,272 --> 00:34:02,607 (宗助)明日すぐに来いとな。 396 00:34:02,607 --> 00:34:05,277 お前は明日も紺屋回りか。 397 00:34:05,277 --> 00:34:10,148 あぁ。 だけんど 行がねえわけにはいがねぇだんべなあ。 398 00:34:10,148 --> 00:34:16,888 うん… だったら栄一 お前が行ぎない。 399 00:34:16,888 --> 00:34:20,292 え… え? 俺が岡部のご陣屋へ? 400 00:34:20,292 --> 00:34:23,194 とっさまの名代なんて 栄一にできるんかいね。 401 00:34:23,194 --> 00:34:25,163 また姉さまはそんなことを。 402 00:34:25,163 --> 00:34:28,033 (宗助) まぁ 紺屋回りより よほどたやすい。 403 00:34:28,033 --> 00:34:35,840 お代官様の話を へぇへぇと聞き へぇへぇと頭を下げるのみのこと。 404 00:34:35,840 --> 00:34:41,313 うむ。 お前もこの家の跡継ぎだで。 一度行ってみろい。 405 00:34:43,315 --> 00:34:48,787 (利根吉春)この度 物入りのため その方どもに御用金を申しつける。 406 00:34:52,023 --> 00:34:58,797 渋沢宗助は1千両 伊勢屋甚五郎は400両➡ 407 00:34:58,797 --> 00:35:04,936 丹波屋八兵衛は250両 渋沢市郎右衛門は500両。 408 00:35:04,936 --> 00:35:10,408 500両…。 (利根)番匠屋徳治郎は150両。 409 00:35:10,408 --> 00:35:15,180 承知いたしました。 (一同)ははっ。 410 00:35:17,782 --> 00:35:20,619 (小声で)ほれ 栄一。 411 00:35:20,619 --> 00:35:23,121 ははっ。 412 00:35:23,121 --> 00:35:26,024 私は父の名代で参りましたゆえ。 413 00:35:26,024 --> 00:35:28,626 御用の高は確かに伺いました。 414 00:35:28,626 --> 00:35:31,296 家に戻りまして父に申し伝えた上➡ 415 00:35:31,296 --> 00:35:33,298 またお受けにまかり出ます。 416 00:35:33,298 --> 00:35:38,637 はぁ? お主 お上の御用を何と心得る。➡ 417 00:35:38,637 --> 00:35:42,307 これしきのことが即答できんで 親の名代と申せるか! 418 00:35:42,307 --> 00:35:45,143 名代には名代の務めがございます。 419 00:35:45,143 --> 00:35:47,078 (宗助・小声で)やめんか 栄一。 420 00:35:47,078 --> 00:35:50,315 即答できず まことに恐縮ではございますが➡ 421 00:35:50,315 --> 00:35:53,218 父に申し伝えた上 お持ちいたします。 422 00:35:53,218 --> 00:35:57,655 ハッ たわけたことを…。 423 00:35:57,655 --> 00:36:01,393 300両や500両など何でもないこと。➡ 424 00:36:01,393 --> 00:36:05,096 素直に殿様の御用を聞きおけば 立派な大人となり➡ 425 00:36:05,096 --> 00:36:08,600 世間からも 認められるようになるというもの。 426 00:36:08,600 --> 00:36:12,270 それを父に申してからなど➡ 427 00:36:12,270 --> 00:36:16,274 ハッ そのような手ぬるは承知せぬ。 428 00:36:16,274 --> 00:36:19,944 今すぐじゃ! 今すぐ「承知した」と申せ! 429 00:36:19,944 --> 00:36:23,281 はい。 なれども自分はただ御用を伺いに…。 430 00:36:23,281 --> 00:36:25,216 はぁ? (宗助)もうやめろ。 431 00:36:25,216 --> 00:36:27,952 まだ言うか! 御用を伺いに来たのみゆえ➡ 432 00:36:27,952 --> 00:36:29,888 やはりお受けすることはできません。 433 00:36:29,888 --> 00:36:32,624 下郎め! 承知と言え! 434 00:36:32,624 --> 00:36:35,293 (宗助)栄一! 435 00:36:35,293 --> 00:36:37,228 (利根)承知と言わぬか! 436 00:36:37,228 --> 00:36:39,998 言わぬとただではおかぬぞ! 437 00:36:44,436 --> 00:36:47,806 言え! 栄一!➡ 438 00:36:47,806 --> 00:36:50,975 言え! 栄一! 言え! 439 00:36:53,311 --> 00:36:58,650 言え! 言え! 言わんか! 440 00:36:58,650 --> 00:37:01,820 言え! 言え! 441 00:37:03,388 --> 00:37:10,662 (宗助)申し訳ありません! 私めから厳しく言い渡します! 442 00:37:29,280 --> 00:37:32,751 (市郎右衛門) なぜすぐに払うと言わなかった? 443 00:37:41,292 --> 00:37:47,465 俺たちは… 藍葉を百姓衆から かご一つ大体30文で買っている。 444 00:37:49,634 --> 00:37:52,537 藍の百姓はその金で食っていき➡ 445 00:37:52,537 --> 00:37:57,375 俺たちはその葉を使って 多くの者を雇って藍玉にし➡ 446 00:37:57,375 --> 00:38:02,213 それを一つ1両ちょっとで紺屋に売る。 447 00:38:02,213 --> 00:38:05,750 かっさまや姉さまが育てている お蚕さんは➡ 448 00:38:05,750 --> 00:38:10,722 ひとつき寝ずに繭をとって ひとつかみでせいぜい1文だ。 449 00:38:12,924 --> 00:38:20,598 それを安易に500両とは…。 450 00:38:20,598 --> 00:38:23,635 500両という金は 決して名代の俺が➡ 451 00:38:23,635 --> 00:38:27,605 へぇへぇと軽々しく 返事をしていいような額じゃねぇ。 452 00:38:29,774 --> 00:38:31,943 俺はそう思う。 453 00:38:38,483 --> 00:38:40,451 とっさまはどう思う? 454 00:38:48,793 --> 00:38:54,966 百姓は 自分たちを守ってくれる お武家様に尽くすのが道理だ。 455 00:38:54,966 --> 00:38:57,435 それは分かってる。 456 00:38:57,435 --> 00:39:04,576 しかし今 岡部の御領主は 百姓から年貢を取り立てておきながら➡ 457 00:39:04,576 --> 00:39:12,250 その上 人を見下し まるで貸したものを取り返すかのごとく➡ 458 00:39:12,250 --> 00:39:16,020 ひっきりなしに 御用金を出せと命じてくる。 459 00:39:19,390 --> 00:39:23,061 その道理は 一体どこから生じたもんなんだい? 460 00:39:26,598 --> 00:39:31,936 それにあのお役人は 言葉といい振る舞いといい➡ 461 00:39:31,936 --> 00:39:35,607 決してとっさまや惇忠あにぃみてえな 知恵のある人とは…。 462 00:39:35,607 --> 00:39:38,076 (市郎右衛門)お上の悪口はもうやめろ! 463 00:39:41,779 --> 00:39:46,951 いかに道理を尽くそうが しかたのないこと。 464 00:39:49,654 --> 00:39:55,627 それがすなわち 泣く子と地頭だ。 465 00:40:00,965 --> 00:40:06,838 (市郎右衛門)明日すぐに行って そのまま払ってくるがよい。 466 00:40:06,838 --> 00:40:34,465 ♬~ 467 00:40:34,465 --> 00:40:52,750 みい よ いつ む…。 468 00:40:57,188 --> 00:41:04,862 なな や…。 469 00:41:24,282 --> 00:41:29,454 500両 持ってまいりました。 470 00:41:29,454 --> 00:41:32,323 そうか。 下がれ。 471 00:41:32,323 --> 00:41:35,093 ははっ。 472 00:41:42,667 --> 00:41:46,838 恐れながら! 473 00:41:46,838 --> 00:41:50,708 それが我々百姓の銭にございます! 474 00:41:50,708 --> 00:41:54,579 朝から晩まで働き その小さな銭が…。 475 00:41:54,579 --> 00:42:30,314 ♬~ 476 00:42:30,314 --> 00:42:33,217 掛けがえのなきものを天災で失うは 耐え難きこと。 477 00:42:33,217 --> 00:42:35,186 あぁ! 478 00:42:35,186 --> 00:42:37,455 俺は生きる道を見つけた。 479 00:42:37,455 --> 00:42:40,158 うるせぇんだ 喜作! 小僧のくせに! 480 00:42:40,158 --> 00:42:42,193 理屈だけじゃあいがねぇんだ。 481 00:42:42,193 --> 00:42:45,963 強く見えるものほど 弱きものです。 482 00:42:45,963 --> 00:42:47,899 父上! 母上! 483 00:42:47,899 --> 00:42:51,869 栄一。 ありがとうね。 484 00:42:51,869 --> 00:42:54,839 承服できんぞ! ばかばかしい!