1 00:00:01,835 --> 00:00:03,770 (渋沢栄一)いや 俺は決してやめねぇ! 2 00:00:03,770 --> 00:00:05,772 (尾高長七郎)だったら殺せ! 3 00:00:05,772 --> 00:00:08,475 刺し違えてでも行がせねぇぞ! 4 00:00:12,246 --> 00:00:16,917 栄一たちが企てていた 横浜焼き討ち計画は➡ 5 00:00:16,917 --> 00:00:22,422 長七郎の必死の説得により 中止となりました。 6 00:00:24,057 --> 00:00:32,266 喜作と… この村を出て 京に向かおうと思う。 7 00:00:32,266 --> 00:00:38,939 京でもう一度 俺たちが天下のために 何ができるのか 探ってみてぇんだ。 8 00:00:38,939 --> 00:00:43,277 (渋沢市郎右衛門) 物の道理だけは踏み外すなよ。 9 00:00:43,277 --> 00:00:45,779 持っていけ。 10 00:00:49,449 --> 00:00:53,954 栄一と喜作は 新たな攘夷の道を探るため➡ 11 00:00:53,954 --> 00:00:57,658 血洗島を後にしました。 12 00:01:02,029 --> 00:01:03,964 どいた どいた~! ごめんなさいよ~! 13 00:01:03,964 --> 00:01:06,867 ここは 熊谷宿。 14 00:01:06,867 --> 00:01:13,240 栄一と喜作は まず京ではなく 江戸に向かっていました。 15 00:01:13,240 --> 00:01:17,110 しかし ちっとんべぇ心配になってきた。 16 00:01:17,110 --> 00:01:19,746 (渋沢喜作)あ? あのお武家様…。 17 00:01:19,746 --> 00:01:26,053 (平岡円四郎) 某は一橋家家臣 平岡円四郎と申す。 18 00:01:26,053 --> 00:01:30,591 いつか気が変わったら来な。 悪いようにはしねぇから。 19 00:01:30,591 --> 00:01:33,493 本当に頼っちまっていいんだんべか? 20 00:01:33,493 --> 00:01:37,064 何だい おめえが 頼ってみるべぇと言ったんじゃねぇか。 21 00:01:37,064 --> 00:01:39,132 しかたがねぇだんべ。 22 00:01:39,132 --> 00:01:42,869 長七郎の話じゃ 江戸で出会った長州や水戸の者は➡ 23 00:01:42,869 --> 00:01:44,805 生きてるかどうかも分からねぇ。 24 00:01:44,805 --> 00:01:48,609 だからってよ… 仕官するつもりは毛頭ねぇのに➡ 25 00:01:48,609 --> 00:01:53,280 京まで行く力だけ借りてぇなんて 都合がよかねえか? 26 00:01:53,280 --> 00:01:56,316 そうだ。 分かってる。 27 00:01:56,316 --> 00:02:00,887 (五代才助) ハハハ。 また おいの勝ちじゃ!➡ 28 00:02:00,887 --> 00:02:05,392 ここを殺しに来たんじゃろうが よか手はこっちじゃ。➡ 29 00:02:05,392 --> 00:02:09,730 「捨小就大」。 小を捨てて 大に就くべし。 30 00:02:09,730 --> 00:02:11,665 ハハハハハ…。 31 00:02:11,665 --> 00:02:16,503 囲碁か。 あの言葉 薩摩の浪士か? 32 00:02:16,503 --> 00:02:21,041 まさか。 薩摩は今 大変なことになってんだ。 33 00:02:21,041 --> 00:02:23,910 こんなとこで碁を打ってるはずがねぇ。 34 00:02:23,910 --> 00:02:25,912 あっ! 35 00:02:44,297 --> 00:02:46,800 行くぞ。 ああ。 36 00:02:50,604 --> 00:02:52,539 ごちそうさん! 37 00:02:52,539 --> 00:02:57,944 この逃亡中の薩摩藩士 五代才助と栄一は➡ 38 00:02:57,944 --> 00:03:00,547 いずれ 出会うことに なりますが➡ 39 00:03:00,547 --> 00:03:04,051 それは まだ先の話です。 40 00:03:05,719 --> 00:03:07,654 (よね)お取り次ぎはいたしかねます。 41 00:03:07,654 --> 00:03:10,891 いや そこをなんとかお願いします! (よね)そう言われましても…。 42 00:03:10,891 --> 00:03:13,560 (やす)どうかしたのかい? 43 00:03:13,560 --> 00:03:17,431 ははぁ さては また怪しいやつらが うろついてたんだね? 44 00:03:17,431 --> 00:03:19,433 ちょっと これ持っといてくれ。 45 00:03:19,433 --> 00:03:23,737 あいにくと平岡はここにはおりません。 46 00:03:23,737 --> 00:03:27,040 とっとと帰っておくれ。 え? いや いないとは…。 47 00:03:27,040 --> 00:03:30,243 あの どちらに…。 どちらもあちらもないだろ。 48 00:03:30,243 --> 00:03:32,746 遠い遠い所に行っちまったのさ。 49 00:03:32,746 --> 00:03:37,050 あんたらみたいなゴロツキには 手の届かないような遠い所にね。 50 00:03:37,050 --> 00:03:42,856 遠い所? あぁ なんてこったい…。 51 00:03:42,856 --> 00:03:46,726 俺たちは じきにお縄になり 牢に入れられ➡ 52 00:03:46,726 --> 00:03:49,429 どんな目に遭わされるか知れねぇ。 53 00:03:49,429 --> 00:03:52,766 栄一 嘆くな。 54 00:03:52,766 --> 00:03:55,769 えいいち? 55 00:03:59,539 --> 00:04:03,009 あんたらの名は? 56 00:04:03,009 --> 00:04:04,945 渋沢…。 渋沢…。 57 00:04:04,945 --> 00:04:08,815 渋沢? はい…。 58 00:04:08,815 --> 00:04:11,218 渋沢? はい…。 59 00:04:11,218 --> 00:04:15,555 へぇ! あんたたち 生きてたのかい! 60 00:04:15,555 --> 00:04:18,458 痛っ…。 61 00:04:18,458 --> 00:07:09,462 ♬~ 62 00:07:12,198 --> 00:07:14,134 (よね)奥方様 あのような者ども 危のうございます! 63 00:07:14,134 --> 00:07:18,972 いいから いいから よね! あっち行っといで! 64 00:07:18,972 --> 00:07:22,876 いやねぇ あの人が 京に向かう前に言ってたんだよ。 65 00:07:22,876 --> 00:07:29,382 ひょっとしたら 渋沢ってぇのが ここを訪ねてくるかもしれねぇ。 66 00:07:29,382 --> 00:07:33,720 え~ こんぐらいのと こんぐらいのと➡ 67 00:07:33,720 --> 00:07:38,591 こ… こんな顔と こんな顔の 若ぇやつだ。 68 00:07:38,591 --> 00:07:42,896 どっちも渋沢で どっちもギラギラしてやがん。 69 00:07:42,896 --> 00:07:47,734 へぇ~。大きい方はキリッとして いい侍になりそうだが➡ 70 00:07:47,734 --> 00:07:52,572 もう一方の栄一ってのが これがおかしれぇ。 71 00:07:52,572 --> 00:07:56,910 へぇ~。 お前さんがキリッと➡ 72 00:07:56,910 --> 00:08:04,351 で お前さんが おかしれぇ渋沢さんだね フフフ。 73 00:08:04,351 --> 00:08:09,189 いやぁ 俺たちのことを 覚えていてくださったとは…。 74 00:08:09,189 --> 00:08:12,993 しかし 平岡様はもう ここには…。 75 00:08:12,993 --> 00:08:17,831 そうなんだよ。 一橋様のお供で 京に行っちまったのさ。 76 00:08:17,831 --> 00:08:22,535 京へ? 平岡様も京に向かわれたんですか? 77 00:08:22,535 --> 00:08:27,007 そうそう。 それでこれを…。 78 00:08:27,007 --> 00:08:30,377 平岡から もし ああた方が ここへやって来て➡ 79 00:08:30,377 --> 00:08:32,712 何か困っていたら…。 80 00:08:32,712 --> 00:08:36,883 (円四郎) これを渡してやってもらいてえんだ。 81 00:08:36,883 --> 00:08:40,220 これを持って 俺に会いに来なと。 82 00:08:40,220 --> 00:08:43,890 会いに来なって 家来にでもするつもりかい? 83 00:08:43,890 --> 00:08:46,793 向こうじゃ今のところ そんな気はねぇらしい。 84 00:08:46,793 --> 00:08:53,033 ただ やつらにも国を思う 熱いまことの心があるってえのは確かだ。 85 00:08:53,033 --> 00:08:55,402 俺の眼に狂いはねえ。 86 00:08:55,402 --> 00:08:58,238 ほれ おめえと一緒になったんだって➡ 87 00:08:58,238 --> 00:09:02,675 おめえが ただの 口が悪いだけの美人だからじゃねぇ。 88 00:09:02,675 --> 00:09:07,547 この世で一等 おかしれぇ女だったからさ。 89 00:09:07,547 --> 00:09:11,851 飛びっ切りの女房だぜ おめえは。 90 00:09:15,989 --> 00:09:17,924 フフフ…。 91 00:09:17,924 --> 00:09:23,730 ちょっとやめとくれよ 何 昼間っから フフフ…。 92 00:09:26,633 --> 00:09:34,874 この書状は ああた方が確かに 平岡の家臣だということを示す証文です。 93 00:09:34,874 --> 00:09:36,810 ご証文を!? 94 00:09:36,810 --> 00:09:41,214 これさえあれば どこへだって胸を張って行けます。 95 00:09:41,214 --> 00:09:45,085 さぁ これを持って 行ってらっしゃい。 96 00:09:45,085 --> 00:09:48,888 あ… ありがてぇ。 ありがとうございます! 97 00:09:48,888 --> 00:09:51,558 ちょっと待った! 98 00:09:51,558 --> 00:09:54,461 これを受け取るからには あんたたち➡ 99 00:09:54,461 --> 00:10:00,266 きっちり うちの人の家臣になるんだろうねぇ? 100 00:10:00,266 --> 00:10:04,571 家臣になり 一橋に忠誠を尽くして働き➡ 101 00:10:04,571 --> 00:10:11,377 あんたたちの殿を… うちの人を ちゃんと守ってくれるんだろうね? 102 00:10:20,920 --> 00:10:23,823 はい。 忠誠を尽くします! 103 00:10:23,823 --> 00:10:29,429 そうかい! ハハハ! なら頼んだよ フフフ…。 104 00:10:29,429 --> 00:10:34,067 栄一と喜作は 一橋家の家臣に見えるよう➡ 105 00:10:34,067 --> 00:10:36,870 身なりを整えました。 106 00:10:39,606 --> 00:10:43,776 どうだ? おう 悪くねぇ! 107 00:10:43,776 --> 00:10:46,679 侍みてぇだ。 ハハハハ…。 108 00:10:46,679 --> 00:10:51,284 俺はどうだ? う~ん おめえは…➡ 109 00:10:51,284 --> 00:10:54,621 うん やっぱり 鍬握ってる方が似合わいなぁ。 110 00:10:54,621 --> 00:10:56,956 は? おい どういう意味だ? 111 00:10:56,956 --> 00:11:01,394 似合うだんべや? あ お前… お~い! 112 00:11:01,394 --> 00:11:07,400 こうして 栄一と喜作の新たな旅が始まりました。 113 00:11:09,269 --> 00:11:13,740 (渋沢宗助)家を捨てて お伊勢参りとは どういうことだ?➡ 114 00:11:13,740 --> 00:11:18,611 栄一も喜作も 働き盛りが連れ立っていなくなるとは。 115 00:11:18,611 --> 00:11:24,450 (渋沢まさ)そうだよ。 お千代も引き止めねぇで何してたんだい。 116 00:11:24,450 --> 00:11:26,920 (渋沢千代)申し訳ありません…。 (渋沢ゑい)お義姉さん➡ 117 00:11:26,920 --> 00:11:31,591 お千代は何も悪くねぇんだよ。 私が栄一を甘やかしたんだに。 118 00:11:31,591 --> 00:11:33,927 (市郎右衛門)こういうご時世だ。 119 00:11:33,927 --> 00:11:37,597 世の中を知るってぇのも 悪いことじゃねぇだんべ。 120 00:11:37,597 --> 00:11:40,934 俺がその分 存分に働かい。 121 00:11:40,934 --> 00:11:44,137 その分 俺がって おめえ…。 122 00:11:46,606 --> 00:11:48,942 (渋沢てい)全く。 123 00:11:48,942 --> 00:11:52,812 うた あんたのとっさまのせいで大変だに。 124 00:11:52,812 --> 00:11:56,282 本当にねぇ。 125 00:11:56,282 --> 00:11:58,284 あ! 126 00:12:01,554 --> 00:12:04,457 平九郎! 127 00:12:04,457 --> 00:12:08,428 (尾高平九郎)あ 姉さま! あ~ 一人でそんなに…。 128 00:12:08,428 --> 00:12:12,031 ハハ… 今 あにぃが忙しくて。 129 00:12:12,031 --> 00:12:16,402 それに いろいろ金も入り用なもんで 精出して働かねばなんねぇ。 130 00:12:16,402 --> 00:12:21,741 そうですか… 手伝うべぇ。 131 00:12:21,741 --> 00:12:24,777 あぁ おてい。 ありがとう。➡ 132 00:12:24,777 --> 00:12:26,980 行くど。 (てい)へぇ。 133 00:12:40,126 --> 00:12:43,129 ただいま…。 (長七郎)江戸に行がせてくれ! 134 00:12:43,129 --> 00:12:45,264 いつまでも こんなとこにはいられねぇ。 135 00:12:45,264 --> 00:12:47,300 (尾高惇忠)駄目だ 長七郎。 しかし➡ 136 00:12:47,300 --> 00:12:49,435 世が これほど大きく 動いておるというのに! 137 00:12:49,435 --> 00:12:51,638 (惇忠)落ち着け! 138 00:12:54,307 --> 00:12:59,112 今は まだだ。 栄一たちからの報せを待つんだ。 139 00:13:10,223 --> 00:13:12,725 (てい)長七郎さん? 140 00:13:14,394 --> 00:13:17,230 最近 ちっと様子がおかしいんだ。 141 00:13:17,230 --> 00:13:21,401 夢でうなされたり キツネが見えると言いだしたり…。 142 00:13:21,401 --> 00:13:23,603 キツネ? 143 00:13:27,907 --> 00:13:33,046 (足音) 144 00:13:33,046 --> 00:13:38,851 (尾高やへ) 長七郎 何を悩んでんのかは知んねぇが➡ 145 00:13:38,851 --> 00:13:43,256 兄さまは名主の仕事だって大変なんだ。 146 00:13:43,256 --> 00:13:49,929 あんまり迷惑をかけるんでないよ。 いいね? 147 00:13:49,929 --> 00:14:02,875 ♬~ 148 00:14:02,875 --> 00:14:06,746 (大橋訥庵)その手で安藤を斬れ。 149 00:14:06,746 --> 00:14:09,749 (河野顕三)安藤… 安藤! 150 00:14:09,749 --> 00:14:12,251 あ~! 151 00:14:14,020 --> 00:14:19,726 あいつらが何のために 死んでしまったのか分からねぇ。 152 00:14:19,726 --> 00:14:54,227 ♬~ 153 00:15:07,874 --> 00:15:11,377 おお。 ハハハハハ! 154 00:15:13,012 --> 00:15:16,315 うわ~! お~! 155 00:15:22,688 --> 00:15:24,891 こんばんは。 156 00:15:27,894 --> 00:15:31,564 ほう これが京か…。 157 00:15:31,564 --> 00:15:35,434 さすが歴史ある町だい。 江戸とも全く違うのう。 158 00:15:35,434 --> 00:15:41,741 あぁ ここに あまたの国から 攘夷の志士が集まると思うと➡ 159 00:15:41,741 --> 00:15:45,945 ハハハハ… ぐるぐるするのう! 160 00:15:47,613 --> 00:15:51,317 (志士)どけ! 161 00:15:58,191 --> 00:16:00,193 (町人)出た…。 162 00:16:03,696 --> 00:16:23,883 ♬~ 163 00:16:23,883 --> 00:16:26,219 (土方歳三)分かれて捜せ! 必ず捕らえよ! 164 00:16:26,219 --> 00:16:29,021 (隊員たち)ははっ! 165 00:16:29,021 --> 00:17:01,520 ♬~ 166 00:17:01,520 --> 00:17:03,523 ふん。 167 00:17:05,858 --> 00:17:10,730 はぁ~ 何だい ありゃ。 すげぇ目つきだ。 168 00:17:10,730 --> 00:17:14,233 (伝六)けっ 幕府の犬が。 169 00:17:16,369 --> 00:17:18,371 犬? 170 00:17:20,706 --> 00:17:25,011 あの 今の集団は一体…。 171 00:17:25,011 --> 00:17:26,946 (源八)知らんそか? 172 00:17:26,946 --> 00:17:30,883 ありゃ会津のもとで 京の町を取り締まっちょる新選組じゃ。 173 00:17:30,883 --> 00:17:33,553 新選組? 174 00:17:33,553 --> 00:17:36,222 (伝六)あやつらも もとは浪士のくせに。 175 00:17:36,222 --> 00:17:39,725 京が物騒じゃけぇっちゅうて 浪士に徒党を組ませ➡ 176 00:17:39,725 --> 00:17:41,761 浪士を取り締まらせとるんじゃ。 177 00:17:41,761 --> 00:17:45,398 全部 後見職の一橋の企てよ。 178 00:17:45,398 --> 00:17:50,736 え? ひ… 一橋? 一橋の企てというのは…。 179 00:17:50,736 --> 00:17:55,908 一橋っちゅうより 諸悪の根源は 佞臣 平岡円四郎じゃ。 180 00:17:55,908 --> 00:18:00,613 平岡は一橋家獅子身中の虫じゃけぇ。 181 00:18:03,182 --> 00:18:05,985 俺たちは攘夷の志士だい。 182 00:18:05,985 --> 00:18:10,990 徳川一門の一橋の威光にすがるなんて あってはならねぇことだ。 183 00:18:12,692 --> 00:18:16,195 いや 俺たちは一橋にすがったんじゃねぇ。 184 00:18:16,195 --> 00:18:22,702 あの平岡様ってお方に 男と男の約束で 個々に助けてもらっただけだい。 185 00:18:22,702 --> 00:18:24,737 ああ よし➡ 186 00:18:24,737 --> 00:18:29,241 きちんと礼を言って それで終わりにするんだ。 187 00:18:37,883 --> 00:18:43,389 平岡様はご用事ゆえ 今はおられぬ。 188 00:18:43,389 --> 00:18:45,324 我々はひと言 平岡様に➡ 189 00:18:45,324 --> 00:18:49,261 「京に着きました」と ご挨拶に伺いたかったのですが…。 190 00:18:49,261 --> 00:18:52,031 大変お忙しくされておるのだ。 191 00:18:52,031 --> 00:18:54,834 そんなことなら わしが伝えておこう。 192 00:19:02,508 --> 00:19:06,345 礼は… 尽くしたよな? 193 00:19:06,345 --> 00:19:12,685 あぁ 尽くした。 きちんと挨拶に行ったんだ。 194 00:19:12,685 --> 00:19:14,887 な? あぁ。 195 00:19:16,856 --> 00:19:21,527 よし この先どうするよ? 196 00:19:21,527 --> 00:19:23,996 せっかく来たんだ。 197 00:19:23,996 --> 00:19:28,534 攘夷の志を果たすべく 京の様子をもっと探るべぇ。 198 00:19:28,534 --> 00:19:30,736 うむ。 199 00:19:32,405 --> 00:19:36,208 おめえ 何かわくわくしてねぇか? 200 00:19:36,208 --> 00:19:38,544 お おめえこそ。 ハハ…。 201 00:19:38,544 --> 00:19:40,546 (2人)ハハハハハハ…。 202 00:19:43,215 --> 00:19:48,387 栄一と喜作は 揺れ動いている京の情勢を調べるため➡ 203 00:19:48,387 --> 00:19:52,691 攘夷の志士たちを 訪ね歩くことにしました。 204 00:19:54,260 --> 00:19:58,397 じきに西郷さんが 京に戻るっちゅううわさだ。 205 00:19:58,397 --> 00:20:01,233 そうか。 西郷…。 206 00:20:01,233 --> 00:20:06,405 来た来た来た! こんばんは。 おおきに。 207 00:20:06,405 --> 00:20:18,017 ♬~ 208 00:20:18,017 --> 00:20:20,920 おお…。 209 00:20:20,920 --> 00:20:26,792 ♬~ 210 00:20:26,792 --> 00:20:29,428 さあ…。 211 00:20:29,428 --> 00:20:35,768 ♬~ 212 00:20:35,768 --> 00:20:39,071 よっ! よ~! 213 00:20:41,273 --> 00:20:49,281 そのころ 政の中心は 江戸から京へと大きく変わっていました。 214 00:20:52,451 --> 00:20:56,288 時の帝 孝明天皇は➡ 215 00:20:56,288 --> 00:21:01,260 一橋慶喜 松平春嶽➡ 216 00:21:01,260 --> 00:21:04,096 会津藩主 松平容保らを➡ 217 00:21:04,096 --> 00:21:10,569 朝議参与に任命し 参与会議も開かせました。 218 00:21:10,569 --> 00:21:13,405 その中心にいたのは➡ 219 00:21:13,405 --> 00:21:17,109 武力に勝る薩摩でした。 220 00:21:19,745 --> 00:21:25,417 (島津久光)ようやくここまで こぎ着っこつができもしたのう。 221 00:21:25,417 --> 00:21:33,759 議題はまず 横浜 港の鎖港と 長州の処分でございもす。➡ 222 00:21:33,759 --> 00:21:39,932 今更 一度開いた港を閉じよとは 土台無理な話。 223 00:21:39,932 --> 00:21:45,738 さぁ 天子様に いかにご納得いただくか…。 224 00:22:07,026 --> 00:22:10,896 (松平春嶽) まだ 薩摩を疑っておられるのですか? 225 00:22:10,896 --> 00:22:14,233 老中たちは大いに疑っております。 226 00:22:14,233 --> 00:22:16,168 政は公儀のもの。 227 00:22:16,168 --> 00:22:19,905 それをなぜ京で 政のごときまねをするのかと。 228 00:22:19,905 --> 00:22:23,909 無論 上様のご名代である私も 同様に疑っておる。 229 00:22:23,909 --> 00:22:30,916 (春嶽) 今の国難は公儀の職務を超えております。 230 00:22:30,916 --> 00:22:37,256 今までの古くさい考えを捨て 全く新しい世にせねば免れませぬ。 231 00:22:37,256 --> 00:22:43,062 しかし 天子様は今 公方様を殊の外 ご信頼のご様子。 232 00:22:43,062 --> 00:22:49,268 いいや 公儀が公儀のみで 国を守るのはもう無理だ。 233 00:22:49,268 --> 00:22:57,142 朝廷がこの先も 横浜の港を閉じよなどと 無理難題を押しつけるなら…➡ 234 00:22:57,142 --> 00:23:03,716 徳川はもう 政の委任を返上した方がよい。 235 00:23:03,716 --> 00:23:10,589 (円四郎)はぁ? 徳川に 征夷大将軍を降りろと申されるのか? 236 00:23:10,589 --> 00:23:13,425 (春嶽)そうじゃ。 237 00:23:13,425 --> 00:23:21,634 一度全てを捨て 我々で 新しい世を作ろうではありませんか。 238 00:23:25,104 --> 00:23:27,740 何が新しい世だ! 239 00:23:27,740 --> 00:23:29,675 (黒川嘉兵衛)落ち着かれよ 平岡殿。 240 00:23:29,675 --> 00:23:33,045 だって直参として あんな暴論 許せませんぜ! 241 00:23:33,045 --> 00:23:36,415 それに 越前様はすっかり信じてるが➡ 242 00:23:36,415 --> 00:23:39,918 参与会議を仕込んだ薩摩は やっぱり怪しい。 243 00:23:39,918 --> 00:23:42,588 (原 市之進)失礼いたしまする。 244 00:23:42,588 --> 00:23:46,425 (黒川)おぉ こちらは殿の望みにより➡ 245 00:23:46,425 --> 00:23:49,461 当家にて働くこととなった 水戸御家中の…。 246 00:23:49,461 --> 00:23:52,931 原 市之進殿か。 247 00:23:52,931 --> 00:23:55,434 はっ そりゃおかしいぜ。 248 00:23:55,434 --> 00:24:05,244 俺たち一橋家臣の命を狙ってるってえのも 水戸の者だといううわさだが。 249 00:24:05,244 --> 00:24:08,714 おっしゃるとおり烈公亡きあと➡ 250 00:24:08,714 --> 00:24:12,885 水戸は家中で考えが分かれ 大いに荒れております。 251 00:24:12,885 --> 00:24:18,557 藤田小四郎は攘夷を唱えて徒党を組み 領内を抜け出した。 252 00:24:18,557 --> 00:24:20,559 小四郎殿が? 253 00:24:25,731 --> 00:24:30,402 (武田耕雲斎)小四郎よ どこへ行く。 254 00:24:30,402 --> 00:24:33,305 長州の桂 小五郎殿と盟約を結びました。 255 00:24:33,305 --> 00:24:37,276 攘夷の気概は重々分かるが 時期尚早じゃ。 256 00:24:37,276 --> 00:24:39,912 今は自重して国の力を蓄えるべき。 257 00:24:39,912 --> 00:24:42,715 お止めくださるな 耕雲斎様! 258 00:24:44,416 --> 00:24:49,054 藤田の名にかけても このまま じっとはしておられませぬ! 259 00:24:49,054 --> 00:24:52,257 (市之進) 烈公を神とあがめる小四郎たちの一派を➡ 260 00:24:52,257 --> 00:24:56,061 水戸の家中では 天狗と呼んで警戒しております。 261 00:24:56,061 --> 00:24:58,430 天狗…。 262 00:24:58,430 --> 00:25:01,867 私はかつて 弘道館で一橋様と共に学び➡ 263 00:25:01,867 --> 00:25:07,373 武田耕雲斎様より 一橋様を お守りするよう言いつかっております。 264 00:25:07,373 --> 00:25:12,011 必ずやお力になるとお誓いいたします。 265 00:25:12,011 --> 00:25:15,881 そうか…。 266 00:25:15,881 --> 00:25:18,784 疑って悪かった。 よろしくな。 267 00:25:18,784 --> 00:25:21,220 はっ。 268 00:25:21,220 --> 00:25:23,155 平岡様 また渋沢という者が…。 269 00:25:23,155 --> 00:25:26,859 うるせえ! 今はめっぽう忙しいって そう言ってんだろ。 270 00:25:28,560 --> 00:25:31,597 何べん行っても会ってもらえやしねえ。 271 00:25:31,597 --> 00:25:36,602 はあ 平岡様へのご挨拶はよかねえか? 272 00:25:38,570 --> 00:25:44,243 いや 奥方様にも 忠誠を尽くすと約束したんだ。 273 00:25:44,243 --> 00:25:47,946 一遍お会いして礼を言わねえと 気が済まねえ。 274 00:25:49,915 --> 00:25:54,620 しかし その後も円四郎には会えず…。 275 00:25:57,256 --> 00:26:03,762 はい 確かに。 毎度おおきに。 276 00:26:07,699 --> 00:26:15,374 はぁ 京の冬は寒ぃが 懐はもっと寒ぃ…。 277 00:26:15,374 --> 00:26:23,549 倒幕どころか 無駄にいろんなところで 飲み食いしてる間に借金まみれだい。 278 00:26:23,549 --> 00:26:27,553 はあ ハハハハ…。 279 00:26:29,221 --> 00:26:32,891 こんなことでどうする! ああっ…。 280 00:26:32,891 --> 00:26:37,396 ここはもう出るべぇ。 もっと安い旅籠を探すんだ。 281 00:26:37,396 --> 00:26:43,202 京に来て分かったのは 攘夷の連中は 幕府の不満をべらべら言ってるだけで➡ 282 00:26:43,202 --> 00:26:45,137 ちっとも動かねぇってことだ。 283 00:26:45,137 --> 00:26:50,109 あぁ。 どうしてるかなぁ よしのやつ。 284 00:26:50,109 --> 00:26:54,913 俺がいねぇで さみしい正月だったんべなぁ。 285 00:26:54,913 --> 00:27:00,986 あぁ 今年の藍玉はどうだったんべなぁ。 286 00:27:00,986 --> 00:27:06,291 この冬はよく冷えるから いい塩梅になるといいんだが。 287 00:27:10,662 --> 00:27:16,969 それに俺は… 長七郎も心配だ。 288 00:27:19,404 --> 00:27:22,875 あいつが あんなふうに泣くなんて…。 289 00:27:22,875 --> 00:27:29,381 俺は今 ただ…➡ 290 00:27:29,381 --> 00:27:39,191 ただもう お前たちの尊い命を 犬死にで終わらせたくねぇんだ! 291 00:27:44,897 --> 00:27:51,236 よぉ~し こんなとこ 長くいたってしかたねぇ。 292 00:27:51,236 --> 00:27:53,939 そろそろ動くべぇ。 293 00:27:56,909 --> 00:28:00,846 「京では いまだ大きな動きはない。➡ 294 00:28:00,846 --> 00:28:06,985 しかし そんな今こそ 俺たちが動かねばならねぇ。➡ 295 00:28:06,985 --> 00:28:09,855 ここに眠る志士たちの目を覚まし➡ 296 00:28:09,855 --> 00:28:14,526 昨年かなわなかった 横浜焼き討ちの悔いをはらし➡ 297 00:28:14,526 --> 00:28:18,830 更なる大きな攘夷の夢をかなえるのだ!」。 298 00:28:20,999 --> 00:28:24,536 「いま一度 共に画策いたしたい。➡ 299 00:28:24,536 --> 00:28:30,542 長七郎にも即刻 京に上るよう伝えてほしい」。 300 00:28:32,878 --> 00:28:34,880 よし! 301 00:28:41,019 --> 00:28:45,224 おぉ ついに来たか! 302 00:28:48,393 --> 00:28:52,731 まだ長七郎の様子が心配だった惇忠は…➡ 303 00:28:52,731 --> 00:29:00,238 仲間の志士 中村三平に同行を頼み 長七郎を出発させました。 304 00:29:08,981 --> 00:29:14,186 長七郎は途中 坂下門外の変で命を落とした➡ 305 00:29:14,186 --> 00:29:19,358 河野顕三のふるさとを訪ねました。 306 00:29:19,358 --> 00:29:23,362 河野とは 無二の交わりを結んだというのに…。 307 00:29:30,535 --> 00:29:37,342 俺はいまだ こうして碧血を 忠義の血を流すことができずにいる。 308 00:29:43,248 --> 00:29:47,052 (中村三平)あまり思い詰めるな。 行くぞ。 309 00:29:55,560 --> 00:30:09,574 (錫杖の音) 310 00:30:15,580 --> 00:30:19,251 (三平)すっかり日が暮れちまった。 311 00:30:19,251 --> 00:30:22,754 この辺で宿を探そう。 あぁ。 312 00:30:25,590 --> 00:30:28,393 あっちに明かりが…。 313 00:30:31,463 --> 00:30:34,266 (錫杖の音) 314 00:30:38,070 --> 00:31:03,028 ♬~ 315 00:31:03,028 --> 00:31:06,898 (童子)今宵は婚礼。➡ 316 00:31:06,898 --> 00:31:12,237 お嫁様が王子よりいらっしゃるのです。 317 00:31:12,237 --> 00:31:18,443 こんな天下が恟恟としている時に 堂々と祝いの儀を行うとは…。 318 00:31:20,946 --> 00:31:24,916 やい キツネ。 319 00:31:24,916 --> 00:31:29,788 汝なぜ この長七郎をたぶらかそうとする! 320 00:31:29,788 --> 00:31:50,776 ♬~ 321 00:31:52,778 --> 00:32:13,565 ♬~ 322 00:32:13,565 --> 00:32:15,567 いええ~い! 323 00:32:43,428 --> 00:32:47,432 長七郎は まだ来ねぇんかのう。 おう。 324 00:32:57,943 --> 00:33:00,879 ん? どうした? 325 00:33:00,879 --> 00:33:05,750 いや 今誰かが こっちを探ってたような…。 326 00:33:05,750 --> 00:33:10,889 失礼します。 早飛脚で文が届きました。 327 00:33:10,889 --> 00:33:12,891 おお。 328 00:33:17,762 --> 00:33:20,765 お あにぃからだ。 お! 329 00:33:22,901 --> 00:33:27,105 あにぃが早飛脚使うなんて 何事だ? 330 00:33:34,513 --> 00:33:37,749 どうした? 331 00:33:37,749 --> 00:33:39,684 長七郎が捕まった。 332 00:33:39,684 --> 00:33:43,054 は? 長七郎と中村三平が➡ 333 00:33:43,054 --> 00:33:46,424 何かの間違いから 捕縛され 入牢したと書いてある。 334 00:33:46,424 --> 00:33:49,327 牢につながれた? なぜだ!? 335 00:33:49,327 --> 00:33:51,296 それだけじゃねぇ。 336 00:33:51,296 --> 00:33:55,500 俺たちが出した文も一緒に お上の手に渡っちまった。 337 00:33:59,604 --> 00:34:02,374 とりあえず江戸に行ぐべ。 338 00:34:02,374 --> 00:34:05,010 長七郎は何も悪いことはしてねぇはずだ。 339 00:34:05,010 --> 00:34:07,379 すぐに牢から出してもらわねぇと。 340 00:34:07,379 --> 00:34:09,314 待て。 341 00:34:09,314 --> 00:34:12,217 俺たちが江戸に行ったって 長七郎を救えるはずがねぇだんべ。 342 00:34:12,217 --> 00:34:14,152 しかし…。 俺たちは もともと➡ 343 00:34:14,152 --> 00:34:19,090 八州廻りに追われてんだい。 それに… 書いたんべ 手紙にいろいろ。 344 00:34:19,090 --> 00:34:23,895 「横浜焼き討ち」とか 「眠る志士たちの目を覚ます」とか…。 345 00:34:23,895 --> 00:34:28,033 書いた… 書いたな。 346 00:34:28,033 --> 00:34:31,736 それがお上の手に 渡ったっていうんなら➡ 347 00:34:31,736 --> 00:34:34,239 俺たちの謀は既に漏れてる。 348 00:34:34,239 --> 00:34:37,042 俺たちも確実に捕まる。 349 00:34:37,042 --> 00:34:40,245 もしかして さっきの人影…。 350 00:34:46,251 --> 00:34:48,186 おい 何してんだ? 351 00:34:48,186 --> 00:34:50,422 あ? 逃げるしかねぇだんべ。 どこへ? 352 00:34:50,422 --> 00:34:53,758 え? どこかしらに。 長州か もっと先か…。 353 00:34:53,758 --> 00:34:56,595 そんなツテのねぇとこ行ったって 捕まるだけだんべ。 354 00:34:56,595 --> 00:35:02,400 もとより行く所がねぇから ここにいるんでねぇか。 355 00:35:02,400 --> 00:35:06,204 そうだった。 356 00:35:06,204 --> 00:35:09,874 しかしどうする? 進退窮まったぞ! 357 00:35:09,874 --> 00:35:11,810 弱音を吐くない! 358 00:35:11,810 --> 00:35:15,213 2か月前に京に来た時のあの威勢は どこ行っちまったんだ! 359 00:35:15,213 --> 00:35:17,515 おめえこそだい! 360 00:35:28,727 --> 00:35:30,662 失礼します。 361 00:35:30,662 --> 00:35:34,399 お客様が外で呼んではります。 362 00:35:34,399 --> 00:35:37,235 客? もしかして…。 363 00:35:37,235 --> 00:35:39,270 逃げるぞ! ああ! 364 00:35:39,270 --> 00:35:43,908 はあ? お客さん 何してはるんどすか? 365 00:35:43,908 --> 00:35:46,211 (川村恵十郎)おい 動くな! 366 00:35:49,047 --> 00:35:51,049 あなたは…。 367 00:35:53,918 --> 00:35:57,422 (恵十郎)平岡様がお呼びだ。 すぐに来い。 368 00:36:25,884 --> 00:36:28,753 久方ぶりであるな。 369 00:36:28,753 --> 00:36:31,756 は…。 ははっ。 370 00:36:31,756 --> 00:36:35,894 (円四郎)単刀直入に聞く。➡ 371 00:36:35,894 --> 00:36:39,097 江戸で何か企てたことはあるか。 372 00:36:41,399 --> 00:36:46,604 これまでに何か企てたことがあるなら 包まずに語れ。 373 00:36:48,273 --> 00:36:52,477 いいえ 何も企ててはおりません。 374 00:36:54,112 --> 00:37:04,189 そうか。 お主らのことについて 江戸のご公儀から一橋へ掛け合いが来た。 375 00:37:04,189 --> 00:37:09,060 何でも お主らを捕らえるための取締りが➡ 376 00:37:09,060 --> 00:37:13,698 もう京まで追ってきてるそうだ。➡ 377 00:37:13,698 --> 00:37:20,371 ところが お主らが京へ上るに際して 「平岡の家来」と名乗ったというので➡ 378 00:37:20,371 --> 00:37:24,209 一橋に掛け合ってきた。 379 00:37:24,209 --> 00:37:28,012 お主らには仕官を断られているゆえ➡ 380 00:37:28,012 --> 00:37:34,552 私も白々しく「あぁ 我が家来です」と 偽りを答えるわけにもいかぬ。➡ 381 00:37:34,552 --> 00:37:36,488 だからといって ありのままに➡ 382 00:37:36,488 --> 00:37:39,891 「平岡の家来ではございませぬ」と 答えてしまえば…➡ 383 00:37:39,891 --> 00:37:44,562 お主らが直ちに捕縛されるのも 分かり切っておる。➡ 384 00:37:44,562 --> 00:37:50,368 で 返答に困っているという次第だ。 385 00:37:50,368 --> 00:37:54,572 まことに ご迷惑をおかけし 申し訳ございません。 386 00:37:54,572 --> 00:37:56,908 平岡様には… いや➡ 387 00:37:56,908 --> 00:37:59,744 平岡様の奥方様にも 大変お世話になって…。 388 00:37:59,744 --> 00:38:02,514 おお… やすに会えたか。 389 00:38:02,514 --> 00:38:05,984 え? どうだった いい女だろ。 390 00:38:05,984 --> 00:38:07,919 え? あぁ はい。 391 00:38:07,919 --> 00:38:10,522 お お美しいお方で…。 392 00:38:10,522 --> 00:38:12,457 ハハハハ… バカ野郎。 393 00:38:12,457 --> 00:38:16,995 俺はな 今更おめえらに 謝ってもらいてぇわけでも➡ 394 00:38:16,995 --> 00:38:19,364 おべっか言われてぇわけでもねぇんだ。 395 00:38:19,364 --> 00:38:21,100 おめえらとは知らぬ仲じゃねぇ。 396 00:38:21,100 --> 00:38:25,203 おめえらの気質も多少は知ってる。 397 00:38:25,203 --> 00:38:28,106 悪く計らおうとは思っちゃいねぇ。 398 00:38:28,106 --> 00:38:32,610 だから… 包まずに話せ。 399 00:38:43,388 --> 00:38:51,563 実は… 私どもの仲間が 何かしらの罪を犯し捕らえられ➡ 400 00:38:51,563 --> 00:38:54,899 獄につながれたという文が届きました。 401 00:38:54,899 --> 00:38:57,402 ほう。 402 00:38:59,404 --> 00:39:03,174 その者に 我々からも文を出しておりました。 403 00:39:03,174 --> 00:39:05,176 内容は? 404 00:39:12,183 --> 00:39:16,988 元来 私どもは…➡ 405 00:39:16,988 --> 00:39:22,360 「幕府は政を怠っており 今のままじゃ日の本は成り立たねぇ。➡ 406 00:39:22,360 --> 00:39:27,865 一刻も早く幕府を転覆せねば」と 悲憤慷慨しております。 407 00:39:27,865 --> 00:39:29,801 はぁ? (小声で)おい。 408 00:39:29,801 --> 00:39:34,205 ですので その持論を文に書き その者に送りました。 409 00:39:34,205 --> 00:39:40,545 これは… 大いに 幕府の疑いを招く文であったと心得ます。 410 00:39:40,545 --> 00:39:45,216 ハハッ そんなこったろうと思ったぜ。 411 00:39:45,216 --> 00:39:50,555 しかし 悲憤慷慨なんてほざいてるなんてなあ➡ 412 00:39:50,555 --> 00:39:54,892 元来から挙動が荒々しいときてる。 413 00:39:54,892 --> 00:40:01,232 お主らも今までに 人殺しや 盗みを働いたりなんてぇ➡ 414 00:40:01,232 --> 00:40:03,901 人の道理に外れたことは してねぇだろうな? 415 00:40:03,901 --> 00:40:08,773 いえ! それはございません! はい。 誓ってございません! 416 00:40:08,773 --> 00:40:11,576 まあ確かに 「斬ってやりてぇ」➡ 417 00:40:11,576 --> 00:40:15,246 国を亡ぼす奸物を 「捨て置けねぇ」とは考えましたが➡ 418 00:40:15,246 --> 00:40:20,418 あいにく まだ 手を下せる機会に恵まれておりません。 419 00:40:20,418 --> 00:40:23,755 ばかっ正直なやつだねえ。 420 00:40:23,755 --> 00:40:26,257 まあ それならよい。 421 00:40:26,257 --> 00:40:30,962 それで お主らは これからどうするつもりだ? 422 00:40:32,764 --> 00:40:37,602 実は どうすればよいか分かりません。 423 00:40:37,602 --> 00:40:41,439 平岡様に頂いた証文を頼りに京まで参り➡ 424 00:40:41,439 --> 00:40:45,777 この地で 志を遂げようと思っておりましたが➡ 425 00:40:45,777 --> 00:40:51,282 ここに来て 前にも後ろにも進めなくなりました。 426 00:40:51,282 --> 00:40:56,154 日の本に尽くすためなら 一命を捨ててもと思っておったのに➡ 427 00:40:56,154 --> 00:41:03,561 まだ これぞという目的も持たねぇうちに こんなことになってしまって…。 428 00:41:03,561 --> 00:41:07,432 なるほど。 そんなこったろう。 429 00:41:07,432 --> 00:41:11,736 だったら そろそろ腹を決めろい。 430 00:41:11,736 --> 00:41:16,407 お前らが たとえ 幕府を駄目だと思っていても➡ 431 00:41:16,407 --> 00:41:19,911 一橋が同じとは限らねぇ。 432 00:41:19,911 --> 00:41:24,415 それによ あの前途有為の君公に仕えるなら➡ 433 00:41:24,415 --> 00:41:28,286 草履取りをしたって役に立つってもんだ。 434 00:41:28,286 --> 00:41:31,756 あの それは…。 いたずらに幕府を倒すために➡ 435 00:41:31,756 --> 00:41:38,629 命を投げ出したところで それが本当に 国のためになるのかどうか➡ 436 00:41:38,629 --> 00:41:42,066 おめえたちはまだ そこんとこを分かっちゃいねぇ。 437 00:41:42,066 --> 00:41:50,608 俺はよ 政や己の立場に関わりなく おめえたちを気に入ってる。 438 00:41:50,608 --> 00:41:55,446 悪運が強えところも好きだ。 439 00:41:55,446 --> 00:42:02,720 そんだけ無鉄砲で いつ死んでたっておかしかねえのに➡ 440 00:42:02,720 --> 00:42:08,426 こうして2人そろって もう一度 顔を見せてくれた。 441 00:42:12,897 --> 00:42:16,401 どうだ? 442 00:42:16,401 --> 00:42:18,903 一橋の 家来になれ。 443 00:42:29,914 --> 00:42:33,584 私はあくまで徳川を 公方様をお守りします。 444 00:42:33,584 --> 00:42:36,921 幕府を倒すことになったとしても いいきっかけになるかもしれません。 445 00:42:36,921 --> 00:42:38,856 やっちまいましたな。 やっちまいましょう! 446 00:42:38,856 --> 00:42:41,592 また将軍になれとでも申されるのか。 ありえねぇ話だい! 447 00:42:41,592 --> 00:42:44,061 ここにおります3名は 天下の大愚物。 448 00:42:44,061 --> 00:42:46,764 この一橋が天下を治めるのです! 449 00:42:46,764 --> 00:42:50,435 快なり~! (家来たち)おお~! 450 00:42:50,435 --> 00:42:52,770 おかしれぇ。 451 00:42:52,770 --> 00:42:54,972 おかしれぇって気持ちだ。