1 00:00:02,202 --> 00:00:05,138 (渋沢篤太夫) 西洋でいうところの…➡ 2 00:00:05,138 --> 00:00:08,008 「コンパニー」を 始めさせていただきたい。 3 00:00:08,008 --> 00:00:14,781 篤太夫は 駿府で 新しい道を歩み始めました。 4 00:00:14,781 --> 00:00:20,654 (五代才助) 「駿府藩に渋沢篤太夫というものあり。➡ 5 00:00:20,654 --> 00:00:22,656 民部公子に随行したが➡ 6 00:00:22,656 --> 00:00:27,294 自分一個の才覚で 4万両の利益を蓄え➡ 7 00:00:27,294 --> 00:00:29,796 この4万両を駿府藩内に配分」。 8 00:00:29,796 --> 00:00:33,600 (大隈重信) フランスで4万両の利ば蓄えた!? 9 00:00:35,602 --> 00:00:37,538 渋沢…。 10 00:00:37,538 --> 00:00:40,440 一方…。 11 00:00:40,440 --> 00:00:43,310 (渋沢成一郎)あぁ~! 12 00:00:43,310 --> 00:00:50,817 箱館の旧幕府軍と新政府の戦いは 終結しました。 13 00:00:52,452 --> 00:00:55,656 そして 明治二年の夏➡ 14 00:00:55,656 --> 00:00:58,458 全国の藩が 領地と領民とを➡ 15 00:00:58,458 --> 00:01:03,263 天皇に返還する版籍奉還が行われ…➡ 16 00:01:03,263 --> 00:01:08,402 篤太夫たちのいる駿府藩は 静岡藩となりました。 17 00:01:08,402 --> 00:01:12,940 (平岡 準)渋沢。 遠州中泉奉行の前島だ。 18 00:01:12,940 --> 00:01:16,777 行き場のない幕臣たちの働き口や 住まいを与えようと➡ 19 00:01:16,777 --> 00:01:19,680 遠州で奔走してくれておる。 20 00:01:19,680 --> 00:01:24,518 杉浦君から うわさは聞いております。 あなた様が…。 21 00:01:24,518 --> 00:01:28,121 (前島来輔)私は ペルリを見たことがある。 22 00:01:28,121 --> 00:01:31,959 ペルリを じかに見たのですか? 23 00:01:31,959 --> 00:01:38,432 筆耕で食いつないでいる頃 浦賀奉行が 小者を募っておったので志願した。 24 00:01:38,432 --> 00:01:42,302 黒船とペルリの立派な体躯を見て➡ 25 00:01:42,302 --> 00:01:46,807 このままじゃいかんと 海防を学びに国中を旅し➡ 26 00:01:46,807 --> 00:01:52,312 いざ国を救おうと直臣になったが 途端に 幕府が転覆。 27 00:01:52,312 --> 00:01:56,984 おぉ 私も少々 境遇が似ております。 28 00:01:56,984 --> 00:02:00,287 是非 お話を伺いたい。 29 00:02:03,590 --> 00:02:08,095 慶喜は 謹慎を解かれ➡ 30 00:02:08,095 --> 00:02:13,400 1年半ぶりに 自由を得ることになりました。 31 00:02:16,403 --> 00:02:19,306 (徳信院)慶喜殿が赦されたことは➡ 32 00:02:19,306 --> 00:02:22,943 まこと めでたきこと。 33 00:02:22,943 --> 00:02:24,945 はい。 34 00:02:26,613 --> 00:02:33,286 これも 一橋家の皆や徳信院様が 寛大なご処置をと➡ 35 00:02:33,286 --> 00:02:38,091 お上に嘆願してくだされた おかげでございます。 36 00:02:42,629 --> 00:02:46,133 それでは… 静岡へ? 37 00:02:47,801 --> 00:02:52,139 そのように命が参りましたが➡ 38 00:02:52,139 --> 00:03:01,248 今更 共に暮らすなどとは 気恥ずかしいものでございます。 39 00:03:01,248 --> 00:03:05,752 フフフフ…。 40 00:03:05,752 --> 00:03:10,390 私と慶喜殿の仲を疑い 「汚らわしい!」。 41 00:03:10,390 --> 00:03:12,325 (美賀君)離せ! 美賀君 何を! 42 00:03:12,325 --> 00:03:14,261 腹立たしい! 離さぬか! 43 00:03:14,261 --> 00:03:19,099 この殿の汚らわしい恋心に 妾が気付かぬとお思いか! 44 00:03:19,099 --> 00:03:22,135 フフフフ…。 徳信院様! 45 00:03:22,135 --> 00:03:25,138 どうか そのころの話はもう…。 46 00:03:29,810 --> 00:03:37,117 あなたが そばにいれば 慶喜殿も どれほど心強いか。 47 00:03:48,428 --> 00:03:57,137 どうか お命を大事に お健やかにとお伝えくだされ。 48 00:03:59,072 --> 00:04:03,276 はい 必ず。 49 00:04:04,945 --> 00:04:11,084 美賀君は 慶喜のいる静岡に 向かうことになりました。 50 00:04:11,084 --> 00:04:13,019 その静岡では…。 51 00:04:13,019 --> 00:04:16,389 東京に呼び出しでございますか? 52 00:04:16,389 --> 00:04:22,596 さよう。 太政官の弁官より お主に召状が参った。 53 00:04:24,131 --> 00:04:28,935 今は商いが忙しく とても伺えそうにありませぬ。 54 00:04:28,935 --> 00:04:30,871 半年ほど先ならば どうにか。 55 00:04:30,871 --> 00:04:34,274 いいや 直ちに参れとのこと。 56 00:04:34,274 --> 00:04:36,943 仔細は分からぬが…➡ 57 00:04:36,943 --> 00:04:40,280 お主に 新政府への出仕を求めているらしい。 58 00:04:40,280 --> 00:04:43,283 出仕? 59 00:04:43,283 --> 00:04:46,153 ハッ… 冗談ではありませぬ。 60 00:04:46,153 --> 00:04:50,423 某は 前様のおられるこの静岡に 骨をうずめる覚悟。 61 00:04:50,423 --> 00:04:54,795 それをなぜ 憎き新政府とやらに 出仕せねばならぬのか。 62 00:04:54,795 --> 00:04:57,430 どうか 藩から 御免を願っていただきたい…。 63 00:04:57,430 --> 00:05:00,433 そうもいくまい。 こらこら 待て 渋沢! 64 00:05:00,433 --> 00:05:03,904 前様のお言葉じゃ! 65 00:05:03,904 --> 00:05:11,411 前様も 新政府の召喚であれば 受けるべきだと仰せである。 66 00:05:14,548 --> 00:05:17,250 前様が…。 67 00:05:17,250 --> 00:08:08,221 ♬~ 68 00:08:08,221 --> 00:08:12,058 (渋沢千代) あ~ うた 上手にできたいねぇ。 69 00:08:12,058 --> 00:08:14,728 (渋沢うた)へぇ。 70 00:08:14,728 --> 00:08:19,366 (向山一履) 新政府には 政を支える6つの柱があり➡ 71 00:08:19,366 --> 00:08:24,571 その中でも 懐をととのえているのが大蔵省だ。 72 00:08:24,571 --> 00:08:29,242 今 大蔵省の頭は 宇和島の伊達様➡ 73 00:08:29,242 --> 00:08:32,579 その下に佐賀の大隈というものと➡ 74 00:08:32,579 --> 00:08:34,914 長州の伊藤というものがおる。 75 00:08:34,914 --> 00:08:38,585 長州は分かりますが 佐賀もいるのですか? 76 00:08:38,585 --> 00:08:43,390 薩長土のみで 中央の政ができるものか。 77 00:08:43,390 --> 00:08:49,262 有能な家臣を抱える越前や 異国に詳しい佐賀らが補っておるのだ。 78 00:08:49,262 --> 00:08:54,134 伊達様は 四賢侯といわれたお方だが 実際 切り盛りしているのは➡ 79 00:08:54,134 --> 00:08:57,904 きっと この大隈と伊藤であろう。 80 00:08:57,904 --> 00:09:02,709 (杉浦愛蔵)しかし 藩を通して言ってくるとは厄介だな。 81 00:09:02,709 --> 00:09:04,644 おいで。 82 00:09:04,644 --> 00:09:08,515 無下に断れば この静岡の立場も悪くなる。 83 00:09:08,515 --> 00:09:10,450 そうなのですか? (杉浦)うん。 84 00:09:10,450 --> 00:09:13,219 今 僕らの学問所や兵学校に➡ 85 00:09:13,219 --> 00:09:18,725 最新の西洋の知識を学びたいという人材が 全国から集まっているんです。 86 00:09:18,725 --> 00:09:22,062 でも それを新政府がよく思っていない。 87 00:09:22,062 --> 00:09:24,731 徳川は邪魔だと斃しておきながら➡ 88 00:09:24,731 --> 00:09:28,601 徳川の直参を頼ってくるとは なんと恥知らずな! 89 00:09:28,601 --> 00:09:34,441 しかりだ。 我ら直参が 薩長の禄など はめるか! 90 00:09:34,441 --> 00:09:37,444 全くもってそのとおり! 91 00:09:37,444 --> 00:09:43,249 よし。 一度 東京に出向き その…➡ 92 00:09:43,249 --> 00:09:46,920 佐賀の大隈殿とやらに お受けできぬと➡ 93 00:09:46,920 --> 00:09:49,589 じかに返答してまいります。 94 00:09:49,589 --> 00:09:52,492 藩から断れば 藩に迷惑がかかるが➡ 95 00:09:52,492 --> 00:09:56,362 じかに行って きちんと道理を通せば 断れぬことはあるまい。 96 00:09:56,362 --> 00:09:59,265 とっさま ちゃんとお帰りになる? 97 00:09:59,265 --> 00:10:02,602 当たりめえだ。 おいで。 98 00:10:02,602 --> 00:10:08,775 当たりめえだ。 とっさまはな この地の商いが好きなんだ。 99 00:10:08,775 --> 00:10:13,112 作る者と売る者が手を組み よりよいものを作って➡ 100 00:10:13,112 --> 00:10:16,416 それを工夫して売って もうけを出す。 101 00:10:16,416 --> 00:10:20,787 どこか中の家を思い出す。 102 00:10:20,787 --> 00:10:25,658 それにな もうじきお前には 弟か妹が出来る。 103 00:10:25,658 --> 00:10:27,660 え!? おぉ そうなのか! 104 00:10:27,660 --> 00:10:29,796 お前様。 こんな皆さんのいるところで…。 105 00:10:29,796 --> 00:10:32,298 いいじゃねぇか。 めでてぇ話だ。 106 00:10:32,298 --> 00:10:35,135 俺たち一家は この先も➡ 107 00:10:35,135 --> 00:10:39,439 この静岡に しっかり根を下ろして 暮らしていくんだい。 108 00:10:39,439 --> 00:10:44,277 でも 断りづれぇのでは? あぁ 大丈夫ですよ お千代さん。 109 00:10:44,277 --> 00:10:47,313 渋沢には その口がある。 110 00:10:47,313 --> 00:10:52,318 さよう。 私もパリで どれほど小言を言われてきたことか。 111 00:10:52,318 --> 00:10:54,254 まぁ。 うむ。 112 00:10:54,254 --> 00:10:58,191 この口で きっちり断って戻ってまいります。 113 00:10:58,191 --> 00:11:00,126 うむ。 114 00:11:00,126 --> 00:11:07,400 こうして篤太夫は 新政府に乗り込むため 東京へと向かいました。 115 00:11:07,400 --> 00:11:09,402 その途中…。 116 00:11:16,776 --> 00:11:19,112 (猪飼勝三郎)渋沢! 117 00:11:19,112 --> 00:11:22,782 ハハハハ! 猪飼様! なぜここに? 118 00:11:22,782 --> 00:11:26,119 前様の御台様と駿府に向かっておる。 おぉ。 119 00:11:26,119 --> 00:11:30,290 お主 今は 駿府の懐を潤しておると聞いたぞ。 120 00:11:30,290 --> 00:11:34,961 ハハハ…。 川村様や昔なじみの皆様と 励んでおります。 121 00:11:34,961 --> 00:11:39,132 そうであったか! 122 00:11:39,132 --> 00:11:44,003 あちらが御台様だ。 123 00:11:44,003 --> 00:11:49,309 おぉ あのお方が上様の…。 124 00:12:08,261 --> 00:12:12,765 かつて 徳川幕府の象徴だった江戸城は➡ 125 00:12:12,765 --> 00:12:17,604 新政府の拠点として使われていました。 126 00:12:17,604 --> 00:12:20,640 (伊藤博文)わしゃ大蔵少輔の伊藤じゃ。 127 00:12:20,640 --> 00:12:23,943 お主は大隈さんとわしの下で 働くことになる。 128 00:12:23,943 --> 00:12:27,614 わしもエゲレスで学んだが お主はパリと聞いたぞ。 129 00:12:27,614 --> 00:12:30,283 その西洋の知識を この新政府で生かすとええ。 130 00:12:30,283 --> 00:12:35,421 否。 某は御一新があり 多く学べぬまま帰国しました。 131 00:12:35,421 --> 00:12:42,128 また 洋行前は 異人商館の焼き討ちを企てていた身。 132 00:12:42,128 --> 00:12:47,300 お?そんな己が 新政府様などで 働くとは畏れ多いことと…。 133 00:12:47,300 --> 00:12:50,637 で どこをやった? あ? 134 00:12:50,637 --> 00:12:52,572 焼き討ちじゃ。 135 00:12:52,572 --> 00:12:54,507 そうか 君もやったんか! 136 00:12:54,507 --> 00:12:58,811 そりゃあ スッとしたじゃろう。 で どこをやった? 137 00:12:58,811 --> 00:13:00,747 どこ? 138 00:13:00,747 --> 00:13:03,783 まぁ 横浜を焼き討ちにしてやろうと…。 139 00:13:03,783 --> 00:13:07,387 そりゃ豪気なもんじゃ! わしゃ品川じゃ。 140 00:13:07,387 --> 00:13:10,289 御殿山のエゲレス公使館に 焼玉をぶち込んじゃった。 141 00:13:10,289 --> 00:13:13,926 え… エゲレス公使館を 焼き討ちにしたんですか? 142 00:13:13,926 --> 00:13:17,397 そうじゃ。 井上さんなんか 火薬の勢いに たまげあげて➡ 143 00:13:17,397 --> 00:13:19,332 空濠に落っこってしもうた。 144 00:13:19,332 --> 00:13:21,768 おぉ なんと! 145 00:13:21,768 --> 00:13:25,104 いや 貴公は エゲレスの公使館を燃やしておきながら➡ 146 00:13:25,104 --> 00:13:27,040 エゲレスに学びに行ったのですか? 147 00:13:27,040 --> 00:13:30,977 おう そねえなことじゃ。 今はすっかり異国びいきよ。 148 00:13:30,977 --> 00:13:36,416 頭は柔らこういかんにゃなぁ。 ハハハハハハ…。 149 00:13:36,416 --> 00:13:39,619 ⚟(三条実美)あぁ~。 あっ… 下がれ。 150 00:13:39,619 --> 00:13:43,322 (三条)あぁ~ 忙しや 忙しや。 151 00:13:47,360 --> 00:13:51,230 新政府右大臣の三条実美様じゃ。 152 00:13:51,230 --> 00:13:55,168 なんと。 あのお方が新政府の頭? 153 00:13:55,168 --> 00:13:58,304 はぁ~。 154 00:13:58,304 --> 00:14:00,306 いや 違う! 155 00:14:02,742 --> 00:14:05,545 大隈様は いずこに? 156 00:14:07,246 --> 00:14:09,749 手ごわいぞ~。 157 00:14:11,584 --> 00:14:13,586 なぬ。 158 00:14:21,094 --> 00:14:23,396 結構。 159 00:14:23,396 --> 00:14:26,199 (大隈綾子)失礼いたしました。 160 00:14:32,105 --> 00:14:37,977 (小声で)刀ん代わりに 算盤でん携えた おとなしか男かと。 161 00:14:37,977 --> 00:14:42,115 (博文) 気を付けれ。 斬られるかもしれんぞ。 162 00:14:42,115 --> 00:14:45,918 ⚟(いななき) 163 00:14:47,620 --> 00:14:51,924 あ~ ちょちょちょ…。 あなたがお呼びになったんでしょ。 164 00:14:59,132 --> 00:15:01,134 (せきばらい) 165 00:15:15,081 --> 00:15:19,786 某は 渋沢篤太夫と申す。 166 00:15:21,754 --> 00:15:26,392 お… 大蔵大輔 大隈重信ばい!➡ 167 00:15:26,392 --> 00:15:28,461 やや お待ちしとった。 168 00:15:28,461 --> 00:15:33,099 本題の前に 一つお伺いしたい。 ん? 169 00:15:33,099 --> 00:15:36,769 表につないであった馬 あの馬は➡ 170 00:15:36,769 --> 00:15:40,940 ナポレオン三世から 先の上様に贈られたはずのもの。 171 00:15:40,940 --> 00:15:44,410 それが何故 貴公の邸にあるのですか? 172 00:15:44,410 --> 00:15:46,779 ⚟(いななき) 173 00:15:46,779 --> 00:15:53,286 あぁ~ ありゃあ 皇城の西ん丸の厩に つながれたままになっとったけん➡ 174 00:15:53,286 --> 00:15:57,957 大蔵省の重役として 某がもらい受けた。 175 00:15:57,957 --> 00:16:00,660 実に よか馬ばい。 176 00:16:11,370 --> 00:16:13,306 そうだ。 酒でもいかがかな。 綾子…。 177 00:16:13,306 --> 00:16:15,241 結構でござる。 178 00:16:15,241 --> 00:16:18,911 先ほど 太政官にて➡ 179 00:16:18,911 --> 00:16:23,382 民部・大蔵省租税司の正という職を 仰せつけられましたが➡ 180 00:16:23,382 --> 00:16:28,387 早速 辞任いたしたく こちらに参りました。 181 00:16:30,256 --> 00:16:35,595 某には 静岡での務めがあります。 182 00:16:35,595 --> 00:16:40,266 また 大蔵省とやらに 一人の知人もおらず➡ 183 00:16:40,266 --> 00:16:44,136 租税司の職とて 何一つ知らぬところ。 184 00:16:44,136 --> 00:16:48,941 この任は お門違いでありましょう。 185 00:16:48,941 --> 00:16:51,611 うむ。 いや しかし…。 186 00:16:51,611 --> 00:16:53,646 また 本音を申せば➡ 187 00:16:53,646 --> 00:16:58,951 先の上様から卑怯にも政を奪った 薩長の新政府に➡ 188 00:16:58,951 --> 00:17:03,222 どうして元幕臣の某が 勤めることができましょうか。 189 00:17:03,222 --> 00:17:09,729 武士の情けとして その辺りの人の真心も 重々ご理解いただきたい。 190 00:17:09,729 --> 00:17:12,565 誰かさんに負けず劣らずの減らず口じゃ。 191 00:17:12,565 --> 00:17:14,567 えぇ まことに。 192 00:17:19,739 --> 00:17:22,074 渋沢君。 193 00:17:22,074 --> 00:17:28,581 君は 「某は少しも知らぬ」と 言うとうばってん…➡ 194 00:17:28,581 --> 00:17:34,453 すっと おいが 「何でん知っとう」と思うとるのであるか? 195 00:17:34,453 --> 00:17:36,455 ん? そいこそ お門違いばい。 196 00:17:36,455 --> 00:17:38,925 おいも 何も知らん。 え? 197 00:17:38,925 --> 00:17:41,594 いっちょん いっちょん 何も知らん。 198 00:17:41,594 --> 00:17:46,465 そがんじゃろ。 徳川が260年続く間に 世界は こがん変わり➡ 199 00:17:46,465 --> 00:17:50,102 ヨーロッパや 生まれて100年ばかりの メリケンばかり栄え➡ 200 00:17:50,102 --> 00:17:53,139 唐土三千年の歴史とゆうても あのありさまばい。 201 00:17:53,139 --> 00:17:57,843 そがん中 全くもって 新しか世ば始めようとすっとに➡ 202 00:17:57,843 --> 00:18:02,048 そんやり方ば知る者など おいも含め一人もおらん。 203 00:18:02,048 --> 00:18:04,717 知らんから辞むっちゅうんでは 皆が辞めねばならん。 204 00:18:04,717 --> 00:18:08,554 みんなが辞めてしもうたら この国は どがんなる? 205 00:18:08,554 --> 00:18:10,489 誰かが やらんばならんばい。 206 00:18:10,489 --> 00:18:17,897 新政府においては 全てが新規に 種のまき直しなのであ~る! 207 00:18:17,897 --> 00:18:19,899 あ~る! あ~る! 208 00:18:23,235 --> 00:18:25,171 なんと…。 209 00:18:25,171 --> 00:18:28,741 そんなありさまで御一新をしたとは。 210 00:18:28,741 --> 00:18:34,246 某は静岡にて「新政府は何をしている」と 不審に思っておりました。 211 00:18:34,246 --> 00:18:40,386 太政官札にしろ税にしろ 朝令暮改で少しも制度が定まらず➡ 212 00:18:40,386 --> 00:18:42,455 民は振り回され 天子様の世になっても➡ 213 00:18:42,455 --> 00:18:47,159 何一つよいことがないと 悲憤慷慨しておりました。 214 00:18:47,159 --> 00:18:50,763 まことに国のためを思うなら➡ 215 00:18:50,763 --> 00:18:55,401 新政府とやらは 徳川を切るべきではなかった。 216 00:18:55,401 --> 00:19:00,106 天子様のもと 世界の知識を第一に持ちえた➡ 217 00:19:00,106 --> 00:19:03,542 徳川と諸侯が一体となり 政をするべきだったんだ。 218 00:19:03,542 --> 00:19:05,878 上様には そのお覚悟があられた。 219 00:19:05,878 --> 00:19:08,781 だから政を返したんだ! 220 00:19:08,781 --> 00:19:14,353 にもかかわらず 薩摩や長州が 徳川憎しと戦を仕掛け…。 221 00:19:14,353 --> 00:19:16,422 さもありなん! さもありなん! さもありなん! 222 00:19:16,422 --> 00:19:18,557 じゃがしかし! それについては➡ 223 00:19:18,557 --> 00:19:21,460 おいのあずかり知るところでは ないのである! 224 00:19:21,460 --> 00:19:24,063 はぁ? (重信)おいは長崎におった。 225 00:19:24,063 --> 00:19:27,933 何やら奉行所が せからしかけん 「何かにゃ~」と思うたら➡ 226 00:19:27,933 --> 00:19:33,739 京で 幕府と薩長が戦をしたっちゅうんで おいも長崎の異人もびっくいした。 227 00:19:33,739 --> 00:19:36,242 は? なんという責任逃れ…。 228 00:19:36,242 --> 00:19:42,381 あいは岩倉様と薩摩と長州が勝手に始め 勝手に慶喜公が逃げたと。➡ 229 00:19:42,381 --> 00:19:45,084 おいはあずかり知らん。 ちょ…。 230 00:19:45,084 --> 00:19:47,019 (博文) そねえな言い方はなかろう 大隈さん。 231 00:19:47,019 --> 00:19:49,588 佐賀にしても 上野や会津の戦にゃ➡ 232 00:19:49,588 --> 00:19:51,624 アームストロング砲を どかんどかん やっちょったじゃないか。 233 00:19:51,624 --> 00:19:53,759 そいも知らん。 234 00:19:53,759 --> 00:19:56,595 戦は おいの領分ではなか。 235 00:19:56,595 --> 00:20:01,100 ばってん とにもかくにも いろいろあって 今 王政は復古した。 236 00:20:01,100 --> 00:20:03,035 そいは めでたか。➡ 237 00:20:03,035 --> 00:20:07,973 佐賀で学んだおいは とにかく今ん世ば ぶっ壊さねばと思うとった。➡ 238 00:20:07,973 --> 00:20:10,609 そいが まことにぶち壊れた。 239 00:20:10,609 --> 00:20:12,545 じゃが壊しただけではいかん。 240 00:20:12,545 --> 00:20:18,784 更に先に進み 真に新しか国家ば作らんばならん。 241 00:20:18,784 --> 00:20:21,120 君は…➡ 242 00:20:21,120 --> 00:20:25,324 新しか世ば 作りたいと思うたことはなかか? 243 00:20:29,428 --> 00:20:32,965 俺が守ってやんべぇ この国を。 244 00:20:32,965 --> 00:20:41,640 百姓といえども大いに戦って 俺は… この世を変えたい。 245 00:20:41,640 --> 00:20:45,511 幕府を変えるには この世を変えるには…。 246 00:20:45,511 --> 00:20:49,381 天子様を戴き 王道をもって天下を治める。 247 00:20:49,381 --> 00:20:51,984 やむをえねぇ。 やっちまいましょう! 248 00:20:51,984 --> 00:20:54,687 この一橋が天下を治めるのです! 249 00:21:02,595 --> 00:21:06,932 いや しかし某は…。今 国は荒れ➡ 250 00:21:06,932 --> 00:21:10,803 各地で 百姓の一揆が起き パークスら外国公使も➡ 251 00:21:10,803 --> 00:21:16,942 「ホワット? これが新しい日本か?」 「全く信用できん」と ぶつくさ言うとる。 252 00:21:16,942 --> 00:21:20,813 そのとおり。 外国から新政府の評判は いよっいよ悪い。 253 00:21:20,813 --> 00:21:26,418 君ん言うとおり 岩倉様や大久保さんが いくら張り切ろうと その実➡ 254 00:21:26,418 --> 00:21:29,789 新政府は まことに名ばかり。 255 00:21:29,789 --> 00:21:34,426 恥ずかしか限りである。➡ 256 00:21:34,426 --> 00:21:36,962 御一新は終わりじゃなか。➡ 257 00:21:36,962 --> 00:21:40,633 国ば一つにまとめるとは こいからばい。➡ 258 00:21:40,633 --> 00:21:43,435 法律 軍事 教育…。➡ 259 00:21:43,435 --> 00:21:47,806 我ら大蔵省においては 貨幣の制度 税の取り立て➡ 260 00:21:47,806 --> 00:21:52,144 通信 度量の単位の制定や制度もまだばい。 261 00:21:52,144 --> 00:21:57,016 全て古き因襲ば打破し 知識ば海外に求め➡ 262 00:21:57,016 --> 00:22:01,387 西洋にも負けん 新しか制度ば作らんばならん。➡ 263 00:22:01,387 --> 00:22:07,760 そんためには 外国の事情に通じたる 優秀なもんば 一刻も早う政府に網羅し➡ 264 00:22:07,760 --> 00:22:14,099 それぞれ非常の奮励努力ばもって 協力同心するほかはないのである。 265 00:22:14,099 --> 00:22:20,406 すなわち 日本中から 八百万の神々ば集むるも同じ。 266 00:22:23,609 --> 00:22:26,512 八百万の神? (重信)さよう。 267 00:22:26,512 --> 00:22:30,382 君も神 おいも神ばい。 268 00:22:30,382 --> 00:22:33,619 日本ば思う神々が寄り集まり➡ 269 00:22:33,619 --> 00:22:38,958 こいから いかにし 新しか国ば作ろうかと思案する。➡ 270 00:22:38,958 --> 00:22:41,627 君も そん一人。 271 00:22:41,627 --> 00:22:45,931 八百万の神の一柱ばい。 272 00:22:50,135 --> 00:22:53,172 いやいや 某が神の一柱とは…。 273 00:22:53,172 --> 00:22:56,442 しかり。 我こそが国のために➡ 274 00:22:56,442 --> 00:22:59,645 これをやってやりたいと 思うことはなかか? 275 00:23:01,580 --> 00:23:07,253 (重信)皆で骨ば折り 新しか国ば作ろうではないか。 276 00:23:07,253 --> 00:23:10,923 おいは渋沢君に 今日にでも…➡ 277 00:23:10,923 --> 00:23:18,797 一柱として 日本を作る場に 立ってほしいのであ~る! 278 00:23:18,797 --> 00:23:27,373 ♬~ 279 00:23:27,373 --> 00:23:31,110 はぁ はぁ はぁ…。 280 00:23:31,110 --> 00:23:33,946 おい…。 281 00:23:33,946 --> 00:23:46,959 ♬~ 282 00:23:55,234 --> 00:23:57,536 お前様? 283 00:24:01,040 --> 00:24:04,576 完全に言い負けた。 284 00:24:04,576 --> 00:24:11,083 まぁ お前様より 口の立つ方がおられるとは。 285 00:24:11,083 --> 00:24:13,018 そう言うなよ。 286 00:24:13,018 --> 00:24:18,023 すぐに荷物をまとめて 一家で東京に来いと言われた。 287 00:24:19,792 --> 00:24:22,594 なんという横暴だ。 288 00:24:22,594 --> 00:24:28,467 くそぉ… どうしてこうなる? 289 00:24:28,467 --> 00:24:33,238 俺の道は行き止まりばかりだ。 290 00:24:33,238 --> 00:24:36,141 命をかけた焼き討ちは中止。 291 00:24:36,141 --> 00:24:39,044 倒幕を目指せば一橋に仕え➡ 292 00:24:39,044 --> 00:24:42,915 己の道を見つけたかと思えば 幕臣となり➡ 293 00:24:42,915 --> 00:24:46,618 あげく 主まで失った。 294 00:24:48,420 --> 00:24:50,956 それで ようやくだ。 295 00:24:50,956 --> 00:24:56,428 ようやく安住の地を見つけたと 思っていたのに もう…。 296 00:24:56,428 --> 00:25:00,432 あぁ~ またこれだ! 297 00:25:02,234 --> 00:25:10,943 えぇ そうやってお蚕様みてぇに 何度も何度も脱皮しながら➡ 298 00:25:10,943 --> 00:25:15,647 よくぞ生き残ってくださいました。 299 00:25:26,392 --> 00:25:30,262 喜作も 生きていた。 300 00:25:30,262 --> 00:25:32,264 え? 301 00:25:39,271 --> 00:25:44,476 東京の軍務官糾問所に 投獄されているそうだ。 302 00:25:47,012 --> 00:25:51,817 このまま 打ち首の可能性もある。 303 00:25:56,288 --> 00:26:01,293 あいつは もとより 死は覚悟していたんだろう。 304 00:26:02,895 --> 00:26:07,566 俺もあの時 日本にいれば➡ 305 00:26:07,566 --> 00:26:10,569 同じ目に遭っていてもおかしくねぇ。 306 00:26:14,440 --> 00:26:17,443 あいつは もう一人の俺だ。 307 00:26:24,016 --> 00:26:26,952 (徳川慶喜) 八百万の神とは恐れ多いことを。 308 00:26:26,952 --> 00:26:29,588 ははっ。 309 00:26:29,588 --> 00:26:35,093 新しき政府は 思い描いていた以上に混乱の極み。 310 00:26:35,093 --> 00:26:38,097 むちゃくちゃなありさまでございました。 311 00:26:39,932 --> 00:26:48,107 某は 新政府は そう遠くない未来に 必ず崩れると考えております。 312 00:26:48,107 --> 00:26:51,610 第一に 人材がおりません。 313 00:26:51,610 --> 00:26:57,783 薩長の政権かと思えば 島津や毛利の殿様に力がなく➡ 314 00:26:57,783 --> 00:27:03,222 世間知らずの公家や田舎侍 草莽の成り上がりなんかが威張るばかり。 315 00:27:03,222 --> 00:27:09,094 大隈という方もおっしゃっていたが 新政府とは名ばかり。 316 00:27:09,094 --> 00:27:12,097 御一新は始まってもおりませぬ。 317 00:27:15,367 --> 00:27:20,205 某は この上は ここ静岡で力を貯え➡ 318 00:27:20,205 --> 00:27:27,913 新政府が転覆したその時こそ 我らで 新しい日本を守るべきだと存じます。 319 00:27:29,948 --> 00:27:33,952 ここはよいが 外では気を付けよ。 320 00:27:35,687 --> 00:27:37,623 知らぬのか。 321 00:27:37,623 --> 00:27:43,262 今 静岡には 岩倉殿の密偵が多く紛れ込んでいる。 322 00:27:43,262 --> 00:27:46,765 徳川が 朝廷に 恭順しているように見せかけ➡ 323 00:27:46,765 --> 00:27:50,269 陰謀を企てていると怪しんでいるのだ。 324 00:27:50,269 --> 00:27:53,272 そなたのような 威勢のよいことを考えるものが➡ 325 00:27:53,272 --> 00:27:57,042 まだ少なからずおるからな。 326 00:27:57,042 --> 00:27:59,845 しかし私には その気はない。 327 00:28:01,547 --> 00:28:06,552 そなたも とやかく言わず 東京に行ったらどうだ? 328 00:28:08,220 --> 00:28:12,558 まだ日本は 危急存亡のときだ。 329 00:28:12,558 --> 00:28:15,460 こうなって つくづく思う。 330 00:28:15,460 --> 00:28:18,897 東照神君は偉大であった。 331 00:28:18,897 --> 00:28:21,567 260年だ。 332 00:28:21,567 --> 00:28:27,906 あのような国づくりをできるお方は 千年に一人もおらぬであろう。 333 00:28:27,906 --> 00:28:33,712 東照神君なくして国を作るなら 八百万とは言わずとも➡ 334 00:28:33,712 --> 00:28:37,015 多くが力を合わせるしかない。 335 00:28:42,387 --> 00:28:44,389 承服できませぬ。 336 00:28:46,091 --> 00:28:53,966 某には 上様が何をお考えなのか分かりません。 337 00:28:53,966 --> 00:28:56,969 ひと事のように言われては困る。 338 00:29:00,205 --> 00:29:02,207 上様ならできた。 339 00:29:02,207 --> 00:29:04,876 上様は消えるべきではなかった。 340 00:29:04,876 --> 00:29:11,216 あなたこそが 朝廷や大名たちをまとめ 新しい日本を作るべきだったんです! 341 00:29:11,216 --> 00:29:14,720 行きたいと思っておるのであろう?➡ 342 00:29:14,720 --> 00:29:19,224 日本のため その腕を振るいたいと。 343 00:29:21,593 --> 00:29:25,230 ならば 私のことは忘れよ。 344 00:29:25,230 --> 00:29:29,568 私は御台を呼び寄せ このように邸を構え➡ 345 00:29:29,568 --> 00:29:35,240 時には西洋の絵を学び 碁を打ち 心穏やかに過ごしている。 346 00:29:35,240 --> 00:29:45,884 ♬~ 347 00:29:45,884 --> 00:29:48,587 これが最後の命だ。 348 00:29:50,589 --> 00:29:57,462 渋沢 この先は日本のために尽くせ。 349 00:29:57,462 --> 00:30:16,615 ♬~ 350 00:30:16,615 --> 00:30:18,617 ははっ。 351 00:30:21,119 --> 00:30:23,121 うむ。 352 00:30:33,699 --> 00:30:38,537 では 士分となった際に➡ 353 00:30:38,537 --> 00:30:44,142 平岡様から頂いた 「篤太夫」の名をお返しし➡ 354 00:30:44,142 --> 00:30:46,645 もとの名に戻したいと存じます。 355 00:30:46,645 --> 00:30:49,348 もとの名とは何だ? 356 00:30:54,319 --> 00:30:58,523 渋沢栄一と申します。 357 00:31:00,592 --> 00:31:03,795 渋沢栄一…。 358 00:31:09,267 --> 00:31:13,772 某は渋沢栄一でございます! 359 00:31:15,774 --> 00:31:18,777 渋沢栄一でございます! 360 00:31:21,279 --> 00:31:25,150 フッ… そんな名であったかなぁ。 361 00:31:25,150 --> 00:31:36,128 ♬~ 362 00:31:36,128 --> 00:31:42,834 今まで ありがとうございました。 363 00:31:46,638 --> 00:31:48,640 渋沢栄一。 364 00:31:51,309 --> 00:31:54,646 ははっ。 365 00:31:54,646 --> 00:31:58,150 大儀であった。 366 00:31:58,150 --> 00:32:01,353 息災を祈る。 367 00:32:10,729 --> 00:32:13,098 ははっ! 368 00:32:13,098 --> 00:32:37,956 ♬~ 369 00:32:37,956 --> 00:32:47,666 ♬~ 370 00:32:47,666 --> 00:32:50,368 申し訳ない。 371 00:32:52,504 --> 00:32:57,642 新政府など ぶっ潰れてしまえと俺も思う。 372 00:32:57,642 --> 00:33:02,080 しかし… 俺は今➡ 373 00:33:02,080 --> 00:33:07,252 上様のためにも 捕まっている成一郎たちのためにも➡ 374 00:33:07,252 --> 00:33:14,392 徳川をぶっ潰したやつらに お前たちだけではできなかっただろうと➡ 375 00:33:14,392 --> 00:33:22,767 徳川があってよかったと 徳川なしには 日本は守れなかったと➡ 376 00:33:22,767 --> 00:33:24,970 思い知らせてやりてぇんだ。 377 00:33:31,109 --> 00:33:34,779 見せてやれ。 378 00:33:34,779 --> 00:33:37,282 幕臣の意地を! 379 00:33:39,284 --> 00:33:46,992 どこにいても 僕は渋沢の友だ。 380 00:33:50,896 --> 00:33:52,898 あ~! 381 00:33:55,300 --> 00:33:57,302 あ~! 382 00:34:00,572 --> 00:34:02,507 渋沢! 383 00:34:02,507 --> 00:34:05,076 杉浦! 384 00:34:05,076 --> 00:34:07,012 杉浦! 385 00:34:07,012 --> 00:34:10,382 また おうちが かわるの? 386 00:34:10,382 --> 00:34:14,586 せっかく友達もできたんに 勘弁してくれいな。 387 00:34:14,586 --> 00:34:18,390 東京は ここよりずっと 血洗島と近ぇから➡ 388 00:34:18,390 --> 00:34:20,458 きっと じいさま ばあさまとも 会えますよ。 389 00:34:20,458 --> 00:34:23,228 やった~! ハハハ。 390 00:34:23,228 --> 00:34:25,597 早速 文で知らせねぇと。 391 00:34:25,597 --> 00:34:27,599 ⚟渋沢さ~ん! 392 00:34:29,267 --> 00:34:31,603 後ろ髪を引かれますが➡ 393 00:34:31,603 --> 00:34:36,308 この先は皆さんに お願いするよりほかはありませぬ。 394 00:34:37,943 --> 00:34:42,113 聞いたぞ 渋沢。 渋沢がおらねば困る。 395 00:34:42,113 --> 00:34:44,416 あぁ まことに申し訳ない…。 396 00:34:44,416 --> 00:34:48,286 (川村恵十郎)何を困っておられる。 (準)え? 397 00:34:48,286 --> 00:34:55,160 もうここは 静岡藩の手を離れた立派なコンパニーだ。 398 00:34:55,160 --> 00:34:57,295 (萩原四郎兵衛)さよう。➡ 399 00:34:57,295 --> 00:35:00,565 これっからも我々が 静岡を盛り上げていかまいや! 400 00:35:00,565 --> 00:35:02,500 おう! 任しよ~! 401 00:35:02,500 --> 00:35:06,071 おぉ 頼もしい。 頼みましたぞ。 402 00:35:06,071 --> 00:35:08,006 (一同)はい! 403 00:35:08,006 --> 00:35:11,509 よし やるぞ! おう!仕事に戻るぞ! 404 00:35:20,919 --> 00:35:24,789 (美賀君)お久しゅうございます。 405 00:35:24,789 --> 00:35:26,791 うむ。 406 00:35:26,791 --> 00:35:32,097 上野におった折 寝具や衣類を 運び入れてくれたこと 感謝しておる。 407 00:35:43,274 --> 00:35:46,144 何だ? 408 00:35:46,144 --> 00:35:52,283 あまりに久しぶりのお目もじで このようなお顔やったかしらと…。 409 00:35:52,283 --> 00:35:56,087 京からホトガラフを送ったであろう。 410 00:35:59,157 --> 00:36:05,230 あれなら 一橋のお屋敷を出された時に 置いてまいりました。 411 00:36:05,230 --> 00:36:10,735 後には 天璋院様が入られたゆえ➡ 412 00:36:10,735 --> 00:36:15,740 きっと すぐに お捨てにならしゃられたことでしょう。 413 00:36:50,408 --> 00:36:54,612 よく…➡ 414 00:36:54,612 --> 00:37:01,219 よく生きていてくださりました。 415 00:37:01,219 --> 00:37:15,233 ♬~ 416 00:37:15,233 --> 00:37:20,238 (美賀君) 妾はどうしても 御前の子が欲しい。 417 00:37:22,006 --> 00:37:30,381 天璋院様や静寛院宮様は 何度も妾に➡ 418 00:37:30,381 --> 00:37:36,387 「慶喜に腹を切るよう勧めろ」と おっしゃった。 419 00:37:39,124 --> 00:37:44,129 それでも御前は今 こうして生きおおせたのじゃ。 420 00:37:46,598 --> 00:37:53,104 妾は 何としてでも 御前のお子を残してみせる。 421 00:37:55,607 --> 00:38:01,346 そして…➡ 422 00:38:01,346 --> 00:38:06,551 立派に育ててみせる。 423 00:38:06,551 --> 00:38:10,855 ♬~ 424 00:38:28,373 --> 00:38:31,075 (岩倉具視) お上は 東京の暮らしにも慣れられ➡ 425 00:38:31,075 --> 00:38:35,914 勉学のみならず もうお馬にも上手にお乗りになられる。 426 00:38:35,914 --> 00:38:40,752 んまぁ 外の風に当たることも 稀であったお上が…。 427 00:38:40,752 --> 00:38:42,687 (大久保利通)すばらしかこと。 428 00:38:42,687 --> 00:38:49,093 新しき世の天子様には 全ての民の父たる天賦の御職掌を➡ 429 00:38:49,093 --> 00:38:52,130 重んじていただきとう お頼みもしゃげもす。 430 00:38:52,130 --> 00:38:55,767 うむ。 この先は王土王臣➡ 431 00:38:55,767 --> 00:39:00,538 土地も人民も お上の下にあることを しかと知らしめねばのう。 432 00:39:00,538 --> 00:39:06,711 ばってん 肝心の長州と薩摩が 当てにならんとはのう。 433 00:39:06,711 --> 00:39:10,215 さよう。 島津殿がへそを曲げ➡ 434 00:39:10,215 --> 00:39:15,720 維新の立て役者であった西郷殿までが 国に帰ってしまうとは。 435 00:39:15,720 --> 00:39:21,226 五代も去ってしまい 木戸も長州の騒動で手いっぱいだ。 436 00:39:21,226 --> 00:39:24,128 そいより 榎本らの処分でございもすが…。 437 00:39:24,128 --> 00:39:28,900 (春嶽)いや それよりも 我が越前の三岡が作った太政官札に➡ 438 00:39:28,900 --> 00:39:30,935 まだ文句を言うものがおると聞いた。➡ 439 00:39:30,935 --> 00:39:33,071 けしからん。 (重信)いえ そいは…。 440 00:39:33,071 --> 00:39:35,373 失礼つかまつります。 ん? 誰や? 441 00:39:35,373 --> 00:39:39,911 おぉ 渋沢君。 来てくるっと思うとったぞ! 442 00:39:39,911 --> 00:39:42,747 渋沢? ははっ。 443 00:39:42,747 --> 00:39:45,650 大隈様。 本日より出仕し➡ 444 00:39:45,650 --> 00:39:50,488 江戸城… ではなく 皇城をぐるりと回り➡ 445 00:39:50,488 --> 00:39:55,260 政をつぶさに観察しておりましたが…➡ 446 00:39:55,260 --> 00:39:58,263 こりゃあ駄目でございます。 ん? 駄目? 447 00:39:58,263 --> 00:40:01,599 あまりに何もできていない。 むちゃくちゃだ。 448 00:40:01,599 --> 00:40:04,936 むちゃくちゃ! いや… そがんなことはなか。 449 00:40:04,936 --> 00:40:06,871 とりあえず あっちへ…。 450 00:40:06,871 --> 00:40:09,107 いたたたたた…。 451 00:40:09,107 --> 00:40:12,143 城にいる者は確かに皆 励んではいます。 452 00:40:12,143 --> 00:40:15,880 しかし 目の前のことをこなすことに 精いっぱいで➡ 453 00:40:15,880 --> 00:40:20,818 東照大権現様のように この先 5年 10年 100年先の日本が➡ 454 00:40:20,818 --> 00:40:24,589 どうなるかを考えて励んでる者が 一人もいない。 455 00:40:24,589 --> 00:40:26,524 痛か~! いや… いや…! 456 00:40:26,524 --> 00:40:30,795 このままでは 新政府は あっという間に破綻します。 457 00:40:30,795 --> 00:40:34,132 は? おい おはんは何を! 458 00:40:34,132 --> 00:40:36,067 あ… あんたは どこの誰や! 459 00:40:36,067 --> 00:40:40,271 一橋に仕えておりました 渋沢栄一と申します。 460 00:40:42,440 --> 00:40:47,979 まことに新しい国を作るなら 高所から 何をどうすべきか➡ 461 00:40:47,979 --> 00:40:52,150 きちんと道筋を立てて 考えねばなりません。 462 00:40:52,150 --> 00:40:59,023 そのためにも 民部・大蔵省に 新しき一柱を立てていただきたい。 463 00:40:59,023 --> 00:41:02,593 新しい一柱?ははっ。 464 00:41:02,593 --> 00:41:06,264 未来を見通す優秀な人材を集め➡ 465 00:41:06,264 --> 00:41:10,768 順序よく次々と 国の中身を改めていく一柱。 466 00:41:13,404 --> 00:41:15,473 言うならば…。 467 00:41:15,473 --> 00:41:17,608 失礼。 468 00:41:17,608 --> 00:41:19,610 えっ…。 469 00:41:25,283 --> 00:41:31,422 正しく改める掛 すなわち…➡ 470 00:41:31,422 --> 00:41:33,925 改正掛でございます! 471 00:41:35,793 --> 00:41:38,296 (足音) 472 00:41:38,296 --> 00:41:40,231 (博文)ここにおったんか 渋沢! 473 00:41:40,231 --> 00:41:42,433 捜しちょったんじゃ。 474 00:41:45,636 --> 00:41:48,139 ここは大蔵省じゃないぞ。 475 00:41:59,817 --> 00:42:02,787 大変失礼いたしました! 476 00:42:02,787 --> 00:42:05,390 大隈様がいたもんだから つい…。 477 00:42:05,390 --> 00:42:07,325 (宗城)早く連れていけ。 はっ! 478 00:42:07,325 --> 00:42:09,260 失礼しました! ささささ…。 479 00:42:09,260 --> 00:42:11,763 あぁ…。 何しとんじゃ。 480 00:42:11,763 --> 00:42:13,698 なぜ こんなことに…。 481 00:42:13,698 --> 00:42:17,635 はぁ…。何や 今の失礼な男は…。 482 00:42:17,635 --> 00:42:21,272 明治2年11月。 483 00:42:21,272 --> 00:42:28,413 渋沢篤太夫改め 渋沢栄一は 明治新政府に出仕しました。 484 00:42:28,413 --> 00:42:30,348 ひと言 言えたでしょう! 485 00:42:30,348 --> 00:42:32,617 この国に急ぎ入り用なものとは…。 486 00:42:32,617 --> 00:42:35,520 正しい丈量でございましょう。 メートリックを試してみたらええ! 487 00:42:35,520 --> 00:42:37,488 郵便。 郵便だ。 488 00:42:37,488 --> 00:42:39,957 養蚕のことは君に任す! 489 00:42:39,957 --> 00:42:42,627 いいから…。 私がやりますから。 490 00:42:42,627 --> 00:42:45,963 出過ぎたまねはすんな! また異国に行くんか。 491 00:42:45,963 --> 00:42:47,999 平九郎は新政府に殺されたんだ! 492 00:42:47,999 --> 00:42:50,635 西郷は まだ出てきぃひんのか? 493 00:42:50,635 --> 00:42:52,670 お通り~。 494 00:42:52,670 --> 00:42:55,173 時が足りねぇ!