1 00:00:02,202 --> 00:00:04,505 (渋沢市郎右衛門)栄一。 2 00:00:07,140 --> 00:00:09,776 ありがとう。 3 00:00:09,776 --> 00:00:35,435 ♬~ 4 00:00:35,435 --> 00:00:40,140 渋沢市郎右衛門の初七日が済み…。 5 00:00:40,140 --> 00:00:42,976 (渋沢てい)才三郎さん 来られたにい。 6 00:00:42,976 --> 00:00:44,912 (須永才三郎)お邪魔いたします。 7 00:00:44,912 --> 00:00:51,318 ていと めおとになる須永才三郎が 挨拶にやって来ました。 8 00:00:51,318 --> 00:00:53,620 栄一さん。 9 00:01:00,594 --> 00:01:05,766 お父上より 渋沢市郎を名乗るよう 仰せつかりました。 10 00:01:05,766 --> 00:01:10,771 どうぞ よろしくお願いいたします。 11 00:01:16,276 --> 00:01:19,947 喪が明けたら 祝言を挙げることにしたんだに。 12 00:01:19,947 --> 00:01:26,286 (渋沢千代) そう。 お義父様も きっとお喜びだに。 13 00:01:26,286 --> 00:01:30,123 (渋沢栄一)どうか この家を➡ 14 00:01:30,123 --> 00:01:34,328 おていや かっさまを よろしく頼みます。 15 00:02:05,592 --> 00:02:07,527 井上様からですか? 16 00:02:07,527 --> 00:02:13,266 ん? うん… うん…。 17 00:02:13,266 --> 00:02:17,270 まぁ お忙しいこと…。 18 00:02:29,416 --> 00:02:31,718 お千代。 19 00:02:38,792 --> 00:02:43,630 折り入って 話をせねばならんことがある。 20 00:02:43,630 --> 00:02:51,304 ♬~ 21 00:02:51,304 --> 00:02:55,108 大丈夫かい…。 気を付いてな。 22 00:03:00,380 --> 00:03:02,382 お千代。 23 00:03:08,255 --> 00:03:10,390 あ 実は…。 24 00:03:10,390 --> 00:03:13,293 (大内くに)奥様どすか? 25 00:03:13,293 --> 00:03:15,762 堪忍どす! 26 00:03:15,762 --> 00:03:17,764 おぉ 危ねぇ! 27 00:03:20,267 --> 00:03:22,602 堪忍どす。 28 00:03:22,602 --> 00:03:27,307 迷惑かけるよって 一人で大阪で産むつもりやったんどす。 29 00:03:30,277 --> 00:03:32,946 すまねぇ。 30 00:03:32,946 --> 00:03:39,119 は… 腹の子は 俺の子なんだ。 31 00:03:39,119 --> 00:03:43,290 くには 大阪で俺の世話をしてくれていた。 32 00:03:43,290 --> 00:03:45,225 身寄りがいねぇ。 33 00:03:45,225 --> 00:03:47,294 ほっとくわけにもいかねぇ。 だから…。 34 00:03:47,294 --> 00:03:49,296 そうでしたか。 35 00:03:53,633 --> 00:03:59,339 そうですか。 お前様のお子が。 36 00:04:02,743 --> 00:04:06,079 そうですか。 37 00:04:06,079 --> 00:04:10,784 それなら… おくにさん。 38 00:04:15,088 --> 00:04:20,594 おくにさんも おなかのお子も➡ 39 00:04:20,594 --> 00:04:23,396 ここで共に 暮らせばよいではありませんか。 40 00:04:23,396 --> 00:04:25,332 (くに)え…。 41 00:04:25,332 --> 00:04:27,767 お千代…。 42 00:04:27,767 --> 00:04:30,804 お前様のお子です。 43 00:04:30,804 --> 00:04:33,507 共に育てましょう。 44 00:04:35,642 --> 00:04:38,779 (くに)あぁ… おおきに。 45 00:04:38,779 --> 00:04:40,714 おおきに ありがとうございます! 46 00:04:40,714 --> 00:04:43,116 ありがとう…。 47 00:04:43,116 --> 00:04:46,786 ありがとう お千代! 恩に着る! 48 00:04:46,786 --> 00:05:09,910 ♬~ 49 00:05:09,910 --> 00:05:17,417 (ため息) 50 00:05:21,254 --> 00:05:54,287 ♬~ 51 00:05:54,287 --> 00:08:11,591 ♬~ 52 00:08:25,572 --> 00:08:28,241 (牢屋番)渋沢成一郎 出ろ! 53 00:08:28,241 --> 00:08:30,243 (錠が開く音) 54 00:08:33,580 --> 00:08:36,916 (牢屋番)釈放だとよ。 55 00:08:36,916 --> 00:08:44,257 箱館で戦った成一郎が 2年半ぶりに釈放されました。 56 00:08:44,257 --> 00:08:47,761 お帰りなさいませ。 客間の方に…。 あぁ。 57 00:08:47,761 --> 00:08:49,763 喜作! 58 00:08:56,469 --> 00:08:58,471 喜作…。 59 00:09:09,716 --> 00:09:12,218 久しぶりだのう。 60 00:09:14,220 --> 00:09:16,423 (渋沢成一郎)あぁ。 61 00:09:18,058 --> 00:09:25,365 本や金子の差し入れ 感謝している。 62 00:09:25,365 --> 00:09:27,367 うん。 63 00:09:45,585 --> 00:09:48,488 共に村を出た時は➡ 64 00:09:48,488 --> 00:09:54,594 おめぇと こんなに道を違えるとは 思わなかった。 65 00:09:54,594 --> 00:10:00,266 よくもまぁ 互いに生き延びたもんだ。 66 00:10:00,266 --> 00:10:03,470 「死ね」と文をよこしたではないか。 67 00:10:05,772 --> 00:10:08,808 いいご身分だのう。 68 00:10:08,808 --> 00:10:15,482 俺は おめぇがいなくなった分も 命をかけて奉公してたんだ! 69 00:10:15,482 --> 00:10:19,619 それを 薩長の政府などに勤め➡ 70 00:10:19,619 --> 00:10:25,125 わざわざ獄に迎えを出すとは 何の嫌みだ! 71 00:10:28,328 --> 00:10:31,231 何だい。 72 00:10:31,231 --> 00:10:33,633 しょげてるかと思えば 威勢がいいじゃねぇか。 73 00:10:33,633 --> 00:10:36,669 だったら言ってやるよ。 74 00:10:36,669 --> 00:10:39,472 なぜあんなことをした? 75 00:10:41,508 --> 00:10:43,810 何が彰義隊だ。 76 00:10:43,810 --> 00:10:46,446 何が振武軍だ 何が箱館軍だ! 77 00:10:46,446 --> 00:10:48,381 うるせぇ! 78 00:10:48,381 --> 00:10:52,685 おめぇに俺の気持ちが分かってたまるか! 79 00:10:54,320 --> 00:11:00,827 俺は おめぇとは違う! 80 00:11:04,964 --> 00:11:07,100 たくさんの死を見た。 81 00:11:07,100 --> 00:11:09,102 (銃声) 82 00:11:10,970 --> 00:11:12,972 (銃声) 83 00:11:14,841 --> 00:11:22,282 訳も分からねぇうちに果てたものも 自ら死を選ぶものも…。 84 00:11:22,282 --> 00:11:28,955 砲弾で手足が吹っ飛び 頭蓋骨を砕かれた仲間の姿が➡ 85 00:11:28,955 --> 00:11:31,291 今も頭から消えねぇ。 86 00:11:31,291 --> 00:11:34,794 あぁ~! 87 00:11:34,794 --> 00:11:38,498 あぁ~! 88 00:11:48,641 --> 00:11:50,843 平九郎のことも…。 89 00:11:54,447 --> 00:12:01,154 いっそ死ねばよかったんだい。 90 00:12:04,090 --> 00:12:16,402 しかし 日がたてばたつほど 未練が…。 91 00:12:20,640 --> 00:12:24,477 よかった。 92 00:12:24,477 --> 00:12:28,114 死なねぇでよかった。 93 00:12:28,114 --> 00:12:31,317 生きてれば こうして文句も言い合える。 94 00:12:34,287 --> 00:12:37,624 よかった! 95 00:12:37,624 --> 00:12:39,926 うるせぇ。 96 00:12:46,299 --> 00:12:59,846 ♬~ 97 00:12:59,846 --> 00:13:01,848 (渋沢よし)お前さん! 98 00:13:03,583 --> 00:13:07,387 お前さん! およし! 99 00:13:07,387 --> 00:13:12,925 あぁ お前さんだ。 よかった…。 100 00:13:12,925 --> 00:13:15,762 およし…。 101 00:13:15,762 --> 00:13:26,939 ♬~ 102 00:13:26,939 --> 00:13:31,277 成一郎は 「喜作」と名を戻し➡ 103 00:13:31,277 --> 00:13:37,417 栄一の推薦で 大蔵省で働くことになりました。 104 00:13:37,417 --> 00:13:40,620 このころ 栄一は➡ 105 00:13:40,620 --> 00:13:45,425 経済の新しい仕組みを 作ろうとしていました。 106 00:13:45,425 --> 00:13:49,128 (井上 馨)おぉ 失敬 失敬! (江藤新平)遅かぞ! 大蔵省。 107 00:13:49,128 --> 00:13:52,965 (三条実美)こんな時に 重臣が そろいもそろって外遊とは…。 108 00:13:52,965 --> 00:13:55,435 (大隈重信)全く…。 大隈さん。 109 00:13:55,435 --> 00:13:57,970 鬼のいぬ間に何とやらじゃ。 110 00:13:57,970 --> 00:14:01,374 今のうちに 経済と税制を見違えるようにしちゃる! 111 00:14:01,374 --> 00:14:03,743 (江藤)何ば言うか! は? 112 00:14:03,743 --> 00:14:06,579 お主らに そうさせんために➡ 113 00:14:06,579 --> 00:14:11,918 大久保さんは旅立つ時に わざわざ こがん約定に判ば押させたとばい。 114 00:14:11,918 --> 00:14:13,953 約定? 115 00:14:13,953 --> 00:14:19,092 国内のことは一応任すっが➡ 116 00:14:19,092 --> 00:14:25,598 使節団派遣の間は 新規の改正をするべからず。 117 00:14:25,598 --> 00:14:30,770 留守中は 廃藩置県に関する処理のみ行い➡ 118 00:14:30,770 --> 00:14:35,108 そのほかは何もすんな。 119 00:14:35,108 --> 00:14:37,043 よかか。 120 00:14:37,043 --> 00:14:42,982 「新規の改正を要すべからず…」。 121 00:14:42,982 --> 00:14:46,819 実に大久保さんらしい。 122 00:14:46,819 --> 00:14:50,957 しかしこれは 裏を返せば…➡ 123 00:14:50,957 --> 00:14:53,426 「廃藩置県後の処理であれば➡ 124 00:14:53,426 --> 00:14:55,361 大いにやれ」ということでございますな。 125 00:14:55,361 --> 00:14:57,296 (江藤)はぁ? そがん屁理屈ば…。 126 00:14:57,296 --> 00:14:59,799 おぉ そうじゃ。 廃藩置県のあとも➡ 127 00:14:59,799 --> 00:15:03,369 藩札の回収と 円への統一は 思うように進んじゃおらん。 128 00:15:03,369 --> 00:15:06,572 そのためのバンクだ。 (重信)バンク? 129 00:15:06,572 --> 00:15:11,377 バンクが 円を国中に広めることで 政府の税収が安定する。 130 00:15:11,377 --> 00:15:15,248 のみならず 新しき商売を始める者を後押しし➡ 131 00:15:15,248 --> 00:15:20,753 日本の商業を盛り上げ 国や民を富ませることができる! 132 00:15:28,394 --> 00:15:31,297 (大隈綾子)どうぞ。 おぉ… あっ。 133 00:15:31,297 --> 00:15:33,766 ありがとうございます。 134 00:15:33,766 --> 00:15:39,405 しかし 大隈さんは なぜ日本に残ったんです? 135 00:15:39,405 --> 00:15:45,211 政府の使節は もとはと言えば 大隈さんが建議したのが始まりのはず。 136 00:15:46,946 --> 00:15:49,615 (井上)大久保さんじゃ。➡ 137 00:15:49,615 --> 00:15:52,418 これ以上 外交で 大隈さんに出しゃばられちゃ困ると➡ 138 00:15:52,418 --> 00:15:54,353 使節団から外したんじゃ。 139 00:15:54,353 --> 00:15:59,125 夫は よほど 大久保様に疎まれているようで。 140 00:15:59,125 --> 00:16:02,361 五代様も案じて 文を下さいました。 141 00:16:02,361 --> 00:16:04,363 五代さんが? 142 00:16:06,065 --> 00:16:08,100 「この友厚…➡ 143 00:16:08,100 --> 00:16:11,571 これまでの恩に報いるため➡ 144 00:16:11,571 --> 00:16:18,077 閣下の欠点を あえて述べるのでお許しを。➡ 145 00:16:18,077 --> 00:16:23,249 一つ 人の話に我慢して耳を傾けよ。➡ 146 00:16:23,249 --> 00:16:28,588 一つ 己の主張のみならず 他人の意見を褒めよ」。 147 00:16:28,588 --> 00:16:30,523 (笑い声) 148 00:16:30,523 --> 00:16:34,393 「大声で どなるな。 せっかちは厳禁。➡ 149 00:16:34,393 --> 00:16:38,264 嫌いな人とも きちんとつきあえ…」。 150 00:16:38,264 --> 00:16:42,602 (笑い声) (井上)よう人を見ちょる。 151 00:16:42,602 --> 00:16:45,505 渋沢! はい! 152 00:16:45,505 --> 00:16:47,473 名前はどがんすっか? はい? 153 00:16:47,473 --> 00:16:50,776 この… 「ナショナルバンク」の 我が国での呼び名たい。 154 00:16:50,776 --> 00:16:54,614 あぁ… 「ナショナル」は「国」の意味ですから➡ 155 00:16:54,614 --> 00:16:58,784 役割でいえば 「国立為替会社」か 「国立両替商」でよいのでは? 156 00:16:58,784 --> 00:17:02,755 いや そんでは いかにも締まりが悪い。 157 00:17:02,755 --> 00:17:06,592 福地は確か 「バンク」を「銀舗」と訳していましたが。 158 00:17:06,592 --> 00:17:09,896 銀舗? では 金子を扱うから「金舗」か…。 159 00:17:09,896 --> 00:17:13,733 いや 「金舗」よりも 「金子のことを行う」の意で➡ 160 00:17:13,733 --> 00:17:15,768 「金行」はいかがですか。 161 00:17:15,768 --> 00:17:18,371 「行」は清国で「店舗」を意味する。 162 00:17:18,371 --> 00:17:23,576 金行? ばってん 今 我が国で使うとっとは 金より銀ばい。 163 00:17:23,576 --> 00:17:26,479 おぉ そうじゃ そうじゃ。 164 00:17:26,479 --> 00:17:28,781 銀… 行? 165 00:17:33,085 --> 00:17:36,122 (小野善右衛門)「国立ぎん… ぎょう…」。 166 00:17:36,122 --> 00:17:38,257 銀行です。 167 00:17:38,257 --> 00:17:40,192 (三野村利左衛門)ああ 銀行。 168 00:17:40,192 --> 00:17:44,597 名は国立銀行だが あくまで民による会社にしたい。 169 00:17:44,597 --> 00:17:48,768 よって 早急に 小野組 三井組の両者合同で➡ 170 00:17:48,768 --> 00:17:51,671 銀行設立の支度にかかってほしい。 171 00:17:51,671 --> 00:17:58,277 しかし渋沢様 井上様にも再三申し上げておりますが➡ 172 00:17:58,277 --> 00:18:04,884 三井の望みは 合同ではなく 三井のみのバンク 銀行でござんす。 173 00:18:04,884 --> 00:18:10,356 どうか この国最初の銀行は 三井組に仰せつけを。 174 00:18:10,356 --> 00:18:12,291 (小野)はぁ?➡ 175 00:18:12,291 --> 00:18:16,062 三井は また出し抜く気ぃかいな。 176 00:18:16,062 --> 00:18:20,232 御一新当初 三井を口説き 島田を口説き➡ 177 00:18:20,232 --> 00:18:25,738 新政府様をお助けしたのは この小野組です。 なぁ? 178 00:18:25,738 --> 00:18:29,075 小野さんには 銀行はまだ…。 179 00:18:29,075 --> 00:18:33,579 銀行は 必ず合同でやってもらいたい。 180 00:18:36,749 --> 00:18:42,088 確かに 御一新がなったのは あなた方 商人の力です。 181 00:18:42,088 --> 00:18:44,757 あれほど金もまとまりもねぇ 薩長の政府を➡ 182 00:18:44,757 --> 00:18:49,629 よくぞ ここまで支えてくれたもんだと 頭が下がる。 183 00:18:49,629 --> 00:18:55,468 そんな商人の力を もっと大きくするために銀行を作る。 184 00:18:55,468 --> 00:18:59,772 政府ではなく 商人が作るんだ。 185 00:18:59,772 --> 00:19:03,275 その仕組みが 合本です。 186 00:19:05,211 --> 00:19:08,047 ガッポ? カッパだよ。 187 00:19:08,047 --> 00:19:10,082 が… 合本です。 188 00:19:10,082 --> 00:19:12,551 ガッポンだ…。 189 00:19:12,551 --> 00:19:17,423 ですからまずは 三井組と小野組が 手を合わせていただきたい。 190 00:19:17,423 --> 00:19:19,425 すばらしい! 191 00:19:19,425 --> 00:19:22,728 商人を さように 大切に考えていただくことは➡ 192 00:19:22,728 --> 00:19:26,232 まことにもって ありがたいですが➡ 193 00:19:26,232 --> 00:19:34,373 そのありがたいお話を 果たして誰が理解できるものか。 194 00:19:34,373 --> 00:19:39,912 まぁ どうしても渋沢様が 合同でと言うのなら➡ 195 00:19:39,912 --> 00:19:44,784 そりゃ いずれはお受けいたしますが。 196 00:19:44,784 --> 00:19:49,088 いろいろと手筈が…。 197 00:19:51,390 --> 00:19:53,759 そうか。 198 00:19:53,759 --> 00:19:56,095 二組は 仲は悪いが➡ 199 00:19:56,095 --> 00:20:01,967 合同銀行の依頼を受ける気がない ということは一致しておるようだ。 200 00:20:01,967 --> 00:20:05,971 いたずらに遅れれば 国の損失となる…。 201 00:20:08,274 --> 00:20:10,943 やむをえぬ。 大蔵省は➡ 202 00:20:10,943 --> 00:20:13,979 三井組 小野組の官金取り扱いを 取りやめる。 203 00:20:13,979 --> 00:20:16,816 おい! は? いや それはどういう…。 204 00:20:16,816 --> 00:20:23,122 大蔵省は 新しく作る合同銀行に 為替御用掛を命じるつもりだ。 205 00:20:23,122 --> 00:20:27,793 三井 小野が小競り合いを繰り返し 銀行一つ まとまらぬというのであれば➡ 206 00:20:27,793 --> 00:20:30,429 官金を扱うような大事は任せられぬ。 207 00:20:30,429 --> 00:20:34,133 双方 今 預けている官金を全て返納せよ。 208 00:20:34,133 --> 00:20:38,804 おおっ… 官金の返納? そないなこと できるはずが…。 209 00:20:38,804 --> 00:20:42,641 お待ちください! 渋沢様! 210 00:20:42,641 --> 00:20:50,149 いやはや 政府様が そこまでお急ぎとは失礼いたしました。 211 00:20:50,149 --> 00:20:53,652 しからば三井 万障繰り合わせ➡ 212 00:20:53,652 --> 00:20:57,823 明日にでも 小野組と合同の銀行を作ること➡ 213 00:20:57,823 --> 00:20:59,758 その手筈を整えまする! 214 00:20:59,758 --> 00:21:02,261 ははっ 同じく! 215 00:21:02,261 --> 00:21:05,264 (三野村)この先も 不都合筋は➡ 216 00:21:05,264 --> 00:21:08,601 「これこれ よろしからず」と おっしゃっていただければ➡ 217 00:21:08,601 --> 00:21:13,606 もう全て 思し召しのとおりにいたしまする。 218 00:21:23,783 --> 00:21:28,954 喜作は 大蔵省から富岡に派遣され➡ 219 00:21:28,954 --> 00:21:34,260 製糸場の開業準備を 手伝うことになりました。 220 00:21:43,969 --> 00:21:46,438 極めて順調だと。 (尾高惇忠)あぁ。 221 00:21:46,438 --> 00:21:49,308 資材や人足に不足はないか? 222 00:21:49,308 --> 00:21:53,312 (フランス語) 223 00:21:59,451 --> 00:22:01,754 メルシー ブリュナ。 224 00:22:05,591 --> 00:22:07,793 すまん 待たせたな。 225 00:22:09,762 --> 00:22:14,266 狐狸の住みかだった富岡に こんなのが建つとは。 226 00:22:14,266 --> 00:22:18,270 この工場も ここまで来るのに苦労した。 227 00:22:18,270 --> 00:22:24,276 最初は メートル法も 煉瓦の作り方も分からなかった。 228 00:22:24,276 --> 00:22:27,613 監督のブリュナたちを 富岡に呼ぶだけでも➡ 229 00:22:27,613 --> 00:22:31,951 この地の住民たちから 「神仏のたたりが起こる!」と➡ 230 00:22:31,951 --> 00:22:35,287 大反対された。 231 00:22:35,287 --> 00:22:38,290 だが 気持ちは分かる。 232 00:22:38,290 --> 00:22:41,293 昔の俺たちも変わらねぇ。 233 00:22:43,162 --> 00:22:45,864 そうだな…。 234 00:22:47,633 --> 00:22:51,437 あのあにぃが フランス人と働いているとは。 235 00:22:51,437 --> 00:23:00,246 ハハ… 腹を割って向き合ってみれば 結局は 人と人だった。 236 00:23:00,246 --> 00:23:04,984 さすがだのう。 237 00:23:04,984 --> 00:23:07,753 よかった… 元気そうで。 238 00:23:07,753 --> 00:23:10,089 なかなか似合うでねえか 断髪も。 239 00:23:10,089 --> 00:23:16,395 いやぁ いまだ浦島太郎の気分だ。 ハハ…。 240 00:23:16,395 --> 00:23:22,935 獄にいた2年半で こんなに世が変わっちまうとは。 241 00:23:22,935 --> 00:23:27,606 パリから戻った栄一も そんなことを言っていた。 242 00:23:27,606 --> 00:23:30,909 変わったのは… 栄一だ。 243 00:23:33,279 --> 00:23:37,116 あいつは バンクだ カッパだと指図し➡ 244 00:23:37,116 --> 00:23:43,789 俺なんか その下の下の 憎き薩長の政府の7等出仕だい。 245 00:23:43,789 --> 00:23:47,960 パリと獄とでは 雲泥の差だ。 246 00:23:47,960 --> 00:23:50,296 雲泥の差か。 247 00:23:50,296 --> 00:23:53,299 俺も似たようなことを感じた。 248 00:23:53,299 --> 00:23:55,801 だがな 喜作➡ 249 00:23:55,801 --> 00:24:01,607 生き残った以上 俺たちも 前に進まぬわけにはいがねえ。 250 00:24:14,186 --> 00:24:21,960 この年の夏 三井組が 新しい建物を完成させました。 251 00:24:21,960 --> 00:24:39,478 ♬~ 252 00:24:39,478 --> 00:24:42,948 (清水喜助)三野村さん。 清水さん。 253 00:24:42,948 --> 00:24:44,883 実に めでてえこってございやす。 254 00:24:44,883 --> 00:24:47,419 いやいや いやいや もう 棟梁のおかげでござんす。 255 00:24:47,419 --> 00:24:49,355 いやいや。 いずれ ここはね➡ 256 00:24:49,355 --> 00:24:52,124 東京の新名所になりやすよ ハハハハ…。 257 00:24:52,124 --> 00:24:55,160 (手代)三野村さん。 え?井上様がお見えです。 258 00:24:55,160 --> 00:24:57,996 井上…。 ハハハハ! ここじゃ。 259 00:24:57,996 --> 00:25:02,768 井上様! 三井組ハウスへようこそ。 260 00:25:02,768 --> 00:25:06,772 三野村! こりゃ立派なハウスじゃ。 ありがとうございます。 261 00:25:06,772 --> 00:25:10,909 ここが 日本初の銀行となるんじゃな? ハハハ…。 262 00:25:10,909 --> 00:25:17,683 銀行? いやいやいや… ここは ほら 駿河町の両替店を移す予定でござんす。 263 00:25:17,683 --> 00:25:21,253 ご存じじゃござんせんか。 そうか? 264 00:25:21,253 --> 00:25:24,757 両替店が こねえな 西洋造りである必要があるまい。 おい。 265 00:25:24,757 --> 00:25:28,594 三野村 見事じゃ。 266 00:25:28,594 --> 00:25:33,399 両替店にするにゃ もったいないハウスじゃ! 267 00:25:33,399 --> 00:25:36,602 立派な銀行になりそうじゃ! 268 00:25:38,270 --> 00:25:41,774 三井組ハウスを 合同銀行に使えとおっしゃったのは➡ 269 00:25:41,774 --> 00:25:44,410 まことでございますか! これを。 270 00:25:44,410 --> 00:25:47,946 合同銀行の建物は いずれ小野組と➡ 271 00:25:47,946 --> 00:25:50,983 新たに普請するよう 申し合わせておりまする。 272 00:25:50,983 --> 00:25:57,122 であるのに 三井組ハウスを まさか譲れなどとは…。 273 00:25:57,122 --> 00:26:01,560 いや 井上さんは 確かにおっしゃっておられました。 274 00:26:01,560 --> 00:26:04,596 三井は 駿河町に 立派な両替店があるゆえ➡ 275 00:26:04,596 --> 00:26:08,434 新しきハウスの方は いかようにしようが 差し支えないと申すであろうと。 276 00:26:08,434 --> 00:26:11,070 渋沢さん。 私も拝見いたしましたが➡ 277 00:26:11,070 --> 00:26:14,373 あのように立派な建物が 初の銀行となれば➡ 278 00:26:14,373 --> 00:26:16,742 日本の新しき顔となる。 279 00:26:16,742 --> 00:26:20,913 今から新規に建物を普請していても 時も費用ももったいねぇ。 280 00:26:20,913 --> 00:26:22,948 合同銀行は 是非あのハウスでいきたい。 281 00:26:22,948 --> 00:26:25,384 いやいや いやいや いやいや。 三井は 既に➡ 282 00:26:25,384 --> 00:26:28,253 両替店の移転を始めておりまする。 283 00:26:28,253 --> 00:26:30,923 あのハウスは これからの三井の顔。 284 00:26:30,923 --> 00:26:37,596 小野組との合同銀行は 別に普請させていただきたい。 285 00:26:37,596 --> 00:26:40,499 そうか。 286 00:26:40,499 --> 00:26:45,103 なら 無理にとは言わぬが…➡ 287 00:26:45,103 --> 00:26:52,811 三井一門が 政府を敵のようにして 断るとは いかがなものか。 288 00:26:54,413 --> 00:27:00,219 こちらは 三井のためにもなると思って 言っておるのだ。 289 00:27:00,219 --> 00:27:06,892 ハウスを提供するか 政府御用から 一切手を引くかってことですか。 290 00:27:06,892 --> 00:27:22,608 ♬~ 291 00:27:24,910 --> 00:27:27,246 よござんす。 292 00:27:27,246 --> 00:27:32,751 それでは 重役どもを説得してまいります。 293 00:27:39,758 --> 00:27:43,395 しかし 渋沢様も➡ 294 00:27:43,395 --> 00:27:48,200 やはり お上のお役人様でございますな。 295 00:27:50,102 --> 00:27:55,908 あれほど「商人の力 商人の力」と おっしゃっていても➡ 296 00:27:55,908 --> 00:27:59,611 所詮 私たちとは 立ってる場所が違う。 297 00:27:59,611 --> 00:28:03,582 いや 違う。 私は皆さんと力を合わせたいと…。 298 00:28:03,582 --> 00:28:09,221 そうそう そうそう こう… 合本でした… 合本。 ね。 299 00:28:09,221 --> 00:28:13,725 まぁ 私は学がないゆえ 文字が読めませぬ。 300 00:28:13,725 --> 00:28:17,563 え? しかしながら これだけは分かる。 301 00:28:17,563 --> 00:28:23,368 私ら商人が手を組んで 力をつけるどころか➡ 302 00:28:23,368 --> 00:28:29,174 これから先も 地面に はいつくばったまま。 303 00:28:29,174 --> 00:28:33,378 あなた方 お上の顔色をうかがうのみ。 304 00:28:33,378 --> 00:28:44,756 ♬~ 305 00:28:44,756 --> 00:28:49,261 徳川の世と何も変わりませぬな。 306 00:28:53,932 --> 00:28:56,969 (利根吉春)たわけおって! お上が100人出せと言ったら出すのだ! 307 00:28:56,969 --> 00:28:59,104 ははっ! 308 00:28:59,104 --> 00:29:02,074 それが我々百姓の銭にございます! 309 00:29:02,074 --> 00:29:06,845 朝から晩まで働き その小さな銭が…。 310 00:29:06,845 --> 00:29:19,157 ♬~ 311 00:29:38,744 --> 00:29:41,580 (尾高ゆう)父さま。 312 00:29:41,580 --> 00:29:45,584 (尾高きせ)お前様 お帰りなさいませ。 313 00:29:49,254 --> 00:29:54,259 ゆう。 お前に…。 314 00:29:58,930 --> 00:30:02,768 富岡の伝習工女になってほしい。 315 00:30:02,768 --> 00:30:06,104 え? 316 00:30:06,104 --> 00:30:14,279 製糸場は 建物はどうにか完成したが そこで働く工女が 一人も集まらねぇ。 317 00:30:14,279 --> 00:30:16,782 一人も? 318 00:30:16,782 --> 00:30:19,117 (きせ)うわさは聞きました。 319 00:30:19,117 --> 00:30:24,623 若い娘だけ集めるのは 娘の生き血を取るためだとか➡ 320 00:30:24,623 --> 00:30:28,493 糸を取る腰掛けの下に 油を搾る仕掛けがあるとか…。 321 00:30:28,493 --> 00:30:31,396 無論 出任せだ。 322 00:30:31,396 --> 00:30:39,171 しかし 手を尽くして説明したが 疑いを解くことができねぇ。 323 00:30:39,171 --> 00:30:42,641 誰かが 現にやって見せなくては…。 324 00:30:42,641 --> 00:30:44,576 (きせ)だからといって ゆうを…。 325 00:30:44,576 --> 00:30:51,283 ゆうは幼い頃から 蚕の扱いも糸繰りもうまかった。 326 00:30:53,652 --> 00:31:00,859 ゆうならきっと 皆の手本となるような 工女になることができる。 327 00:31:02,761 --> 00:31:06,965 どうか 頼む。 328 00:31:12,270 --> 00:31:15,941 (尾高やへ)行ってやったらどうだい?➡ 329 00:31:15,941 --> 00:31:24,649 おゆう。 私らはね ずうっと男たちを見ているだけだった。 330 00:31:24,649 --> 00:31:30,422 何をたくらんでいるかも 外で何が行われているかも➡ 331 00:31:30,422 --> 00:31:35,727 何も知らせてもらえねぇで ただ黙って。 332 00:31:39,131 --> 00:31:47,339 その惇忠が 娘のあんたに頭を下げて 助けてくれと頼んでるんだ。 333 00:31:49,775 --> 00:31:54,146 何だか うれしいじゃねぇか。 334 00:31:54,146 --> 00:32:10,095 ♬~ 335 00:32:10,095 --> 00:32:16,768 10月 官営富岡製糸場が 操業を開始しました。 336 00:32:16,768 --> 00:32:49,968 ♬~ 337 00:32:49,968 --> 00:32:56,775 ゆうの決心がきっかけとなり 多くの工女が集まりました。 338 00:33:00,145 --> 00:33:04,382 翌年には 工女は500人を超え➡ 339 00:33:04,382 --> 00:33:08,253 富岡製糸場は 女性の社会進出の➡ 340 00:33:08,253 --> 00:33:11,156 先駆けの場となったのです。 341 00:33:11,156 --> 00:33:25,470 ♬~ 342 00:33:27,272 --> 00:33:30,275 やっぱり あにぃはすげぇ。 343 00:33:32,110 --> 00:33:36,982 昔の俺たちみてぇに 工女たちに 読み書きも教えているらしい。 344 00:33:36,982 --> 00:33:39,784 そうか。 うん。 345 00:33:39,784 --> 00:33:42,687 皆 よい顔をしておった。 346 00:33:42,687 --> 00:33:50,495 あのおなごたちは 若いながらも この国を支える立派な富岡工女だい。 347 00:33:50,495 --> 00:33:54,633 俺も もっと気張らねばのう。 348 00:33:54,633 --> 00:33:58,303 おう。 それでこそ喜作だ。 349 00:33:58,303 --> 00:34:02,073 俺は イタリアに行ってくる。 350 00:34:02,073 --> 00:34:04,576 イタリア? おう。 351 00:34:04,576 --> 00:34:10,248 今 政府はイタリアの製糸の商いを 学ぶものを募っておる。 352 00:34:10,248 --> 00:34:15,553 俺も いっちょ異国で学んでくらい! 353 00:34:18,957 --> 00:34:21,393 そうか。 354 00:34:21,393 --> 00:34:31,403 ♬~ 355 00:34:31,403 --> 00:34:37,108 その秋… 千代は男の子を産みました。 356 00:34:37,108 --> 00:34:41,913 篤二 ばあさまですよ フフフ。 357 00:34:43,615 --> 00:34:47,118 (渋沢ゑい)まぁ 立派な男の子だに。 358 00:34:49,955 --> 00:34:52,424 (渋沢よし)おば様 頂きます。 359 00:34:52,424 --> 00:34:56,127 いっぱいお食べ。 360 00:34:56,127 --> 00:35:00,098 正直言うと私 男の子を生んだんが あの人でなく➡ 361 00:35:00,098 --> 00:35:02,901 お千代ちゃんでホッとしてんだに。 362 00:35:04,836 --> 00:35:08,239 およしも こっちの暮らしには慣れたかい? 363 00:35:08,239 --> 00:35:13,578 はい。 せっかく来たっつんに 喜作さんは異国に行っちまって。 364 00:35:13,578 --> 00:35:16,381 お千代ちゃんと仲よくやっております。 365 00:35:16,381 --> 00:35:19,584 えぇ。 頼りになります。 366 00:35:19,584 --> 00:35:24,923 そうかい… それはよかったい。 367 00:35:24,923 --> 00:35:28,426 (よし 千代)頂きます。 368 00:35:30,095 --> 00:35:34,966 おいの調べでは 今や官の中にも 不当な権力ば用い➡ 369 00:35:34,966 --> 00:35:37,602 私腹ば肥やしとお者が見らるっ。 370 00:35:37,602 --> 00:35:39,637 このころ 政府では➡ 371 00:35:39,637 --> 00:35:47,612 予算を握る大蔵省と各省との間で 対立が深刻になっていました。 372 00:35:47,612 --> 00:35:49,547 何ば言うか! 落ち着きなされ…。 373 00:35:49,547 --> 00:35:52,484 近頃の大蔵省ん横暴は目に余る! 374 00:35:52,484 --> 00:35:54,953 カ~ッ! せからしか! 375 00:35:54,953 --> 00:35:56,988 さっきから わいらは そん議論ん繰り返しじゃなかか! 376 00:35:56,988 --> 00:36:00,558 ♬~(「トコトンヤレ節」)大隈! わいは長州ん味方ばすっつもりか! 377 00:36:00,558 --> 00:36:04,362 ♬~(「トコトンヤレ節」)また そがんこつば。 だけん あんたは嫌わるっとたい! 378 00:36:06,064 --> 00:36:08,099 客? こんな夜中にか。 379 00:36:08,099 --> 00:36:12,904 へぇ。 帰るまで待たせてほしいと 客間に。 380 00:36:15,573 --> 00:36:18,777 このでけぇ下駄は…。 381 00:36:25,750 --> 00:36:30,922 おはんと こげんして飲むのは 久しぶいじゃっでな。 382 00:36:30,922 --> 00:36:36,261 はい。 あの時は… そう➡ 383 00:36:36,261 --> 00:36:42,934 平岡様の命で 折田先生の塾を探りに入っておりました。 384 00:36:42,934 --> 00:36:47,806 やっぱい密偵じゃったか。 ハハハハ…。 385 00:36:47,806 --> 00:36:50,809 平岡殿が。 386 00:36:50,809 --> 00:36:54,612 あの時の豚鍋はうまかった。 387 00:36:56,781 --> 00:37:00,552 近頃 思うとじゃ。 388 00:37:00,552 --> 00:37:08,727 左内殿や平岡殿と「慶喜公を将軍に」と 働いちょったあんころが➡ 389 00:37:08,727 --> 00:37:12,230 一番よかったち。 390 00:37:14,365 --> 00:37:24,576 おいが動けば こん国はきっと もっとよか国になっち信じちょった。 391 00:37:24,576 --> 00:37:30,381 じゃっどん 廃藩もなったどん➡ 392 00:37:30,381 --> 00:37:34,686 こん先 何も よかこっが なか気がしてならん。 393 00:37:37,589 --> 00:37:40,625 おいのしてきたことは…➡ 394 00:37:40,625 --> 00:37:44,629 ほんのこて正しかったんじゃろかい。 395 00:37:48,233 --> 00:37:53,438 いつか平岡殿に叱らるっとじゃなかかち。 396 00:37:56,941 --> 00:38:00,345 お察しします。 397 00:38:00,345 --> 00:38:04,549 私も…➡ 398 00:38:04,549 --> 00:38:11,723 私も 偉くなりたかったわけではありません。 399 00:38:11,723 --> 00:38:19,531 静岡を離れ 政府に入ったのは 新しい日本を作りたかったからだ。 400 00:38:21,232 --> 00:38:24,435 なのに…。 401 00:38:29,374 --> 00:38:34,913 高い所から物言うだけの己が➡ 402 00:38:34,913 --> 00:38:40,418 どうも心地が悪い…。 403 00:38:42,654 --> 00:38:45,156 おかしろくねぇ。 404 00:38:50,762 --> 00:38:52,797 ハッ。 405 00:38:52,797 --> 00:39:02,707 おいや あんころの慶喜公からしてみたら 何てことぁなかどが。 406 00:39:02,707 --> 00:39:08,513 慶喜公など あげな時分に将軍となって➡ 407 00:39:08,513 --> 00:39:15,720 そいでも そん重荷をものともせず 徳川を立て直した。 408 00:39:15,720 --> 00:39:21,059 まっこて化け物のようじゃった。➡ 409 00:39:21,059 --> 00:39:27,565 おいも一蔵どんも恐ろしくなって 必死で潰した。 410 00:39:27,565 --> 00:39:36,241 ⚟(雨の音) 411 00:39:36,241 --> 00:39:40,245 よう降るのう。 412 00:39:46,584 --> 00:39:50,255 ほうじゃな。 413 00:39:50,255 --> 00:39:55,960 今んままでは 慶喜公にも申し訳が立たん。 414 00:39:58,596 --> 00:40:02,767 おはんは おいとは違っ。 415 00:40:02,767 --> 00:40:07,605 まだ いろんな道が開いちょ。 416 00:40:07,605 --> 00:40:13,811 ハハハ… おはんも 後悔せんようにな。 417 00:40:52,450 --> 00:40:57,956 (徳川慶喜) 渋沢 この先は日本のために尽くせ。 418 00:41:00,925 --> 00:41:20,111 ♬~ 419 00:41:20,111 --> 00:41:22,613 お千代。 420 00:41:24,782 --> 00:41:31,556 俺は… 大蔵省を辞める。 421 00:41:31,556 --> 00:41:34,959 え? 422 00:41:34,959 --> 00:41:40,965 「過ちて改めざる これを過ちという」。 423 00:41:42,633 --> 00:41:49,440 とはいえ まことに何度も何度も違えて すまねぇ。 424 00:41:51,309 --> 00:41:56,147 しかし…➡ 425 00:41:56,147 --> 00:42:00,918 やはり俺の道は官ではない。 426 00:42:00,918 --> 00:42:03,621 一人の民なんだ。 427 00:42:10,628 --> 00:42:13,431 えぇ。 428 00:42:17,101 --> 00:42:21,406 今度こそ最後の…➡ 429 00:42:21,406 --> 00:42:24,709 最後の変身だ。 430 00:42:31,082 --> 00:42:33,151 日本のバンクの第一歩だ! 431 00:42:33,151 --> 00:42:35,286 ここは危のうございます! 432 00:42:35,286 --> 00:42:37,288 魑魅魍魎が跋扈しておる。 433 00:42:37,288 --> 00:42:42,627 近くにいる者を大事にすんのを 忘れちゃあいげねぇよ。 434 00:42:42,627 --> 00:42:46,798 よっぽど何でも合本させるのが お好きと見える。 435 00:42:46,798 --> 00:42:49,300 あん2人め…。 436 00:42:49,300 --> 00:42:52,303 この弥太郎が行っちゃるき。 437 00:42:52,303 --> 00:42:55,173 ありがとう。 438 00:42:55,173 --> 00:42:57,175 ハハハハハハハハ…。