1 00:00:02,202 --> 00:00:06,073 (渋沢栄一)政府ではなく 商人が作るんだ。 2 00:00:06,073 --> 00:00:09,610 その仕組みが 合本です。 3 00:00:09,610 --> 00:00:16,383 栄一は 銀行という仕組みを 民間に根づかせるため…。 4 00:00:16,383 --> 00:00:18,952 大蔵省を辞める。 5 00:00:18,952 --> 00:00:24,124 3年半勤めた政府を 辞める決意を固めました。 6 00:00:24,124 --> 00:00:28,295 今度こそ これが…➡ 7 00:00:28,295 --> 00:00:30,998 最後の変身だ。 8 00:00:39,439 --> 00:00:42,342 杉浦…。 9 00:00:42,342 --> 00:00:44,645 ん? 10 00:00:44,645 --> 00:00:49,983 最初の目的どおり 官ではなく民に入り➡ 11 00:00:49,983 --> 00:00:53,687 実業の一線に立とうと決心した。 12 00:00:56,456 --> 00:01:05,165 お主を誘っておきながら 先に辞めるとは まことに申し訳ない。 13 00:01:12,272 --> 00:01:20,280 ここ最近の君を見ていて 苦しそうだと思っていた。 14 00:01:26,119 --> 00:01:32,125 僕はここで 日本のために尽くす。 15 00:01:43,971 --> 00:01:48,308 呼んでくれて感謝している。 16 00:01:48,308 --> 00:01:51,511 また共に励めてよかった。 17 00:01:53,180 --> 00:01:56,817 俺もだ。 18 00:01:56,817 --> 00:02:02,322 あの郵便が届いた日の喜びは忘れねぇ。 19 00:02:04,091 --> 00:02:06,293 パリでの日々も…。 20 00:02:11,765 --> 00:02:14,601 あぁ。 21 00:02:14,601 --> 00:02:31,151 ♬~ 22 00:02:31,151 --> 00:02:33,787 (井上 馨)待たんね 大隈さん! 23 00:02:33,787 --> 00:02:35,822 もちいと他省を説得してくれ。 24 00:02:35,822 --> 00:02:40,661 文部省や司法省の輩をねじ伏せんにゃ 健全な財政は図れん! 25 00:02:40,661 --> 00:02:43,964 (大隈重信) 開化のためん費用は やむをえんばい! 26 00:02:43,964 --> 00:02:50,303 頼むけん 雷ば落として もめっとは もうやめてくれ。 27 00:02:50,303 --> 00:02:53,640 おいも手いっぱいたいね。 28 00:02:53,640 --> 00:02:57,511 誰が好んで雷落とすか! 29 00:02:57,511 --> 00:02:59,813 あ~! 30 00:03:02,449 --> 00:03:04,584 どがんすっか こいば! 31 00:03:04,584 --> 00:03:07,254 わしゃ辞職するぞ! (大蔵省員たち)え? 32 00:03:07,254 --> 00:03:10,157 後の始末は頼んだ。 え いやいや…。 33 00:03:10,157 --> 00:03:12,926 何としても辞める! 離せ! 34 00:03:12,926 --> 00:03:14,861 うるさい うるさい! うるさ~い! 35 00:03:14,861 --> 00:03:16,863 やめろ! 渋沢…。 36 00:03:18,732 --> 00:03:22,269 渋沢 わしを止めんのか? 37 00:03:22,269 --> 00:03:25,939 え? あぁ いや。 38 00:03:25,939 --> 00:03:29,810 では 私も。 39 00:03:29,810 --> 00:04:03,577 ♬~ 40 00:04:03,577 --> 00:06:20,914 ♬~ 41 00:06:20,914 --> 00:06:22,849 (三条実美)待たぬか 渋沢! 42 00:06:22,849 --> 00:06:25,252 井上と そろって辞めるとはひどい…。 43 00:06:25,252 --> 00:06:27,754 (玉乃世履)おい 見損なったぞ おい! 44 00:06:27,754 --> 00:06:32,626 お主は お主のその才識を 卑しい金もうけのために使うつもりか! 45 00:06:32,626 --> 00:06:34,628 そうや。 政府にいてこそ…。 46 00:06:34,628 --> 00:06:36,763 お言葉ですが➡ 47 00:06:36,763 --> 00:06:39,599 私は その考えこそ なくしたい。 48 00:06:39,599 --> 00:06:41,534 ん? え? 49 00:06:41,534 --> 00:06:43,937 お役人が偉くて 商人が卑しいとは➡ 50 00:06:43,937 --> 00:06:46,606 江戸の身分制度と いささかも変わりませぬが➡ 51 00:06:46,606 --> 00:06:49,409 これは実におかしい。 な… 何? 52 00:06:49,409 --> 00:06:52,312 大体 民で産業が育たなければ➡ 53 00:06:52,312 --> 00:06:55,949 政府が いかに金を入り用でも 国に金は生まれませぬ。 54 00:06:55,949 --> 00:06:59,819 いやしかし 商人も悪い。 55 00:06:59,819 --> 00:07:03,757 お上に頭を へぇへぇと下げつつ 後ろを振り向けば➡ 56 00:07:03,757 --> 00:07:07,560 「バカめ。 俺たちに頼るしかねぇくせに」と 舌を出す。 57 00:07:07,560 --> 00:07:13,233 そういう いじけた根性ではなく そう 商人こそ志が必要だ。 58 00:07:13,233 --> 00:07:17,737 両方あってこそ 国がうまく回る。 59 00:07:17,737 --> 00:07:24,611 その民の魁となることが 今の私の志望でございます! 60 00:07:24,611 --> 00:07:26,746 あ…。 61 00:07:26,746 --> 00:07:29,382 渋沢! おい 渋沢! 62 00:07:29,382 --> 00:07:33,586 こうして栄一は 政府を去りましたが…。 63 00:07:33,586 --> 00:07:37,924 お~い! 大変だ! どうした? 64 00:07:37,924 --> 00:07:39,959 こ… これを見ろ! 65 00:07:39,959 --> 00:07:43,096 「財政改革に関する奏議」。 66 00:07:43,096 --> 00:07:47,967 「井上 馨 渋沢栄一」!? 67 00:07:47,967 --> 00:07:51,171 「我々は憂いている…」。 68 00:08:17,364 --> 00:08:19,733 どがんこっじゃ! 69 00:08:19,733 --> 00:08:22,635 国家ん内情ば漏らしおって! 70 00:08:22,635 --> 00:08:25,338 あ~! 71 00:08:34,247 --> 00:08:37,050 あん2人め…。 72 00:08:40,387 --> 00:08:43,089 (渋沢千代)お帰りなさいませ。 おお。 73 00:08:43,089 --> 00:08:48,762 いろいろ面倒だったが どうにか正式に 官を辞めることができたい。 74 00:08:48,762 --> 00:08:51,798 例の新聞の咎めの罰金も払った。 75 00:08:51,798 --> 00:08:55,635 ⚟うたちゃん そっち 駄目ですよ。 ⚟(渋沢うた)は~い。 76 00:08:55,635 --> 00:08:59,472 この声… 三野村さんか? 77 00:08:59,472 --> 00:09:02,208 えぇ。 驚きました。 78 00:09:02,208 --> 00:09:06,045 お前様が 三井に入られるおつもりでしたとは。 79 00:09:06,045 --> 00:09:09,349 は? 80 00:09:09,349 --> 00:09:11,284 まさか! 81 00:09:11,284 --> 00:09:13,553 1 2 3…。 82 00:09:13,553 --> 00:09:17,424 何をなさっておられる! (三野村利左衛門)シ~ッ! お静かに! 83 00:09:17,424 --> 00:09:24,230 7 8 9 10。 84 00:09:24,230 --> 00:09:27,567 はい 動いてよろしゅうございます。 85 00:09:27,567 --> 00:09:30,470 はい どうぞ。 86 00:09:30,470 --> 00:09:32,439 何をなさっておられる…。 87 00:09:32,439 --> 00:09:34,908 この三野村利左衛門➡ 88 00:09:34,908 --> 00:09:40,713 渋沢様の三井入社のお祝いを 持ってまいりました。 89 00:09:40,713 --> 00:09:44,250 は? いや~ あなたほどのお方➡ 90 00:09:44,250 --> 00:09:49,088 野に下られるとは まことに もったいなきことでございますが➡ 91 00:09:49,088 --> 00:09:55,395 ちょうど私も ほら 近く三井を 引退する考えでおりましたゆえ➡ 92 00:09:55,395 --> 00:09:59,265 後任に推薦いたしました。 93 00:09:59,265 --> 00:10:02,101 何を勝手なことを…。 まあまあ まあまあ まあまあ。 94 00:10:02,101 --> 00:10:05,138 三井といえば反物だ。 95 00:10:05,138 --> 00:10:09,409 ご家族にも 上等な品をあつらえねば。 96 00:10:09,409 --> 00:10:14,114 でね こっちがね あの… お妾さんの。 97 00:10:14,114 --> 00:10:19,786 こっち見てるかな… お妾さんのおくにさんにね。➡ 98 00:10:19,786 --> 00:10:21,721 いいから いいから いいから いいから… 早く 早く。 99 00:10:21,721 --> 00:10:24,290 な… なぜそんなことまで…。 いいから いいから もらっとけばいいの。 100 00:10:24,290 --> 00:10:26,226 違う! 101 00:10:26,226 --> 00:10:29,796 私は 三井に入る気は これっぽっちもありません。 102 00:10:29,796 --> 00:10:32,131 私は銀行を作りたいんだ! 103 00:10:32,131 --> 00:10:36,002 今のまんまじゃ 日本の銀行はよくならない。 104 00:10:36,002 --> 00:10:39,005 私は 辞めたからには この手で➡ 105 00:10:39,005 --> 00:10:42,442 日本の規範となる 合本銀行を作りたいんです。 106 00:10:42,442 --> 00:10:47,146 お言葉ですが 三井の総理事の座ですぞ? 107 00:10:47,146 --> 00:10:50,817 三井一つを富ますことに興味はない。 108 00:10:50,817 --> 00:10:54,154 私がやりたいのは あくまで合本 合本なんです。 109 00:10:54,154 --> 00:10:57,457 合本 合本 合本 合本 合本 合本…。 110 00:10:57,457 --> 00:11:02,929 よっぽど何でも合本させるのが お好きと見える。 111 00:11:02,929 --> 00:11:04,964 ん? はあ? 112 00:11:04,964 --> 00:11:07,600 そ… そりゃどういう意味ですか…。 113 00:11:07,600 --> 00:11:11,271 しかたない。 ならば この先は商売敵ですな。 114 00:11:11,271 --> 00:11:14,941 商売敵? いや 敵ではない。 115 00:11:14,941 --> 00:11:19,112 合本の仲間だ。 仲間? ハハハハ…。 116 00:11:19,112 --> 00:11:23,416 敵となろうが はたまた味方となろうが…➡ 117 00:11:23,416 --> 00:11:25,919 容赦いたしませぬぞ。 118 00:11:32,425 --> 00:11:38,298 明治6年 民間資本による日本初の銀行➡ 119 00:11:38,298 --> 00:11:41,968 第一国立銀行が開業しました。 120 00:11:41,968 --> 00:11:44,270 おはようございます。 おはよう。 121 00:11:48,441 --> 00:11:54,147 ここを まことに銀行とするために 皆に是非 学んでもらいたいことがある。 122 00:11:54,147 --> 00:11:58,318 それは 西洋式の帳面のつけ方だ。 123 00:11:58,318 --> 00:12:04,591 もう大福帳ではなく この簿記を身につけなければならない。 124 00:12:04,591 --> 00:12:07,260 簿記は 実に正確だ。 125 00:12:07,260 --> 00:12:10,930 できるようになれば なっからおかしれぇ。 126 00:12:10,930 --> 00:12:13,433 このシャンドが やり方を教えてくれる。 127 00:12:24,944 --> 00:12:27,280 は? (通訳)簿記に算盤は必要ないと…。 128 00:12:27,280 --> 00:12:29,282 算盤は必要だい。 129 00:12:35,622 --> 00:12:39,959 いいや 算盤は優秀だい。 130 00:12:39,959 --> 00:12:44,264 論より証拠。 誰か勝負したい者はおるか。 131 00:12:46,132 --> 00:12:48,067 うん。 なら私がやろう。 132 00:12:48,067 --> 00:12:50,637 (佐々木勇之助)あ… 私が。 133 00:12:50,637 --> 00:12:52,672 君は? 134 00:12:52,672 --> 00:12:55,808 佐々木勇之助と申します。 135 00:12:55,808 --> 00:13:02,515 うん。 よ~し 紙を用意してくれ。 136 00:13:04,083 --> 00:13:08,755 え~ では ここに書いてある額面の総計を➡ 137 00:13:08,755 --> 00:13:14,260 より早く正確に出した方を勝ちとします。 138 00:13:17,397 --> 00:13:22,935 では…➡ 139 00:13:22,935 --> 00:13:24,937 始め! 140 00:13:33,946 --> 00:13:36,616 速い! 141 00:13:36,616 --> 00:13:39,419 総監役! 大丈夫だ。 142 00:13:39,419 --> 00:13:41,421 しかし…。 143 00:13:43,122 --> 00:13:46,025 よ~し。 144 00:13:46,025 --> 00:13:48,628 御破算で願いましては…➡ 145 00:13:48,628 --> 00:13:51,531 2万7,816円なり➡ 146 00:13:51,531 --> 00:13:55,401 9万2,817円なり➡ 147 00:13:55,401 --> 00:13:59,138 4万7,635円なり➡ 148 00:13:59,138 --> 00:14:02,375 5万3,591円なり➡ 149 00:14:02,375 --> 00:14:05,912 8万8,392円なり➡ 150 00:14:05,912 --> 00:14:08,948 2万1,203円なり➡ 151 00:14:08,948 --> 00:14:12,251 6万7,883円なり➡ 152 00:14:12,251 --> 00:14:14,754 8万8,709円なり➡ 153 00:14:14,754 --> 00:14:18,758 4万5,458円なり…。 154 00:14:22,628 --> 00:14:27,100 4万1,692円 では? 155 00:14:27,100 --> 00:14:32,905 はい! 198万4,821円です。 156 00:14:36,109 --> 00:14:38,044 御明算! 157 00:14:38,044 --> 00:14:40,346 (歓声) 158 00:14:48,287 --> 00:14:50,223 勝ちは勝ちだ。 159 00:14:50,223 --> 00:14:54,527 簿記にも 算盤は入り用だと認めてくれ。 160 00:14:59,432 --> 00:15:01,367 OK。 161 00:15:01,367 --> 00:15:05,872 (歓声) 162 00:15:08,074 --> 00:15:12,912 開業はしたものの まだまだ ぐちゃぐちゃです。 163 00:15:12,912 --> 00:15:14,947 そもそも まだ多くの者が➡ 164 00:15:14,947 --> 00:15:19,786 銀行というものを 根本では分かっていない。 165 00:15:19,786 --> 00:15:25,391 株主はもちろん 貸出先も 三井や小野に関するところばかり。 166 00:15:25,391 --> 00:15:29,262 三井と小野の金を ぐるぐる回してるようなもんだ。 167 00:15:29,262 --> 00:15:34,600 しかも… 三井も小野も張り合ってばかり。 168 00:15:34,600 --> 00:15:37,270 何や この帳面は! 169 00:15:37,270 --> 00:15:40,173 何もかにも。 これが三井の習わしですからな。 170 00:15:40,173 --> 00:15:42,141 は? 小野の者では➡ 171 00:15:42,141 --> 00:15:45,144 オツムが ついていかへんわな。 何やと! 172 00:15:45,144 --> 00:15:47,613 おい! やめろや! 173 00:15:47,613 --> 00:15:49,649 こらこら やめや! 174 00:15:49,649 --> 00:15:51,951 やめや! こら… こら…。➡ 175 00:15:51,951 --> 00:15:53,886 何やって… やめ言うてんねん! 176 00:15:53,886 --> 00:15:56,122 頭取も双方から一人ずつ。 177 00:15:56,122 --> 00:16:00,560 合本も楽じゃありません。 178 00:16:00,560 --> 00:16:03,462 (五代友厚) そいで渋沢君が総監役となったわけか。 179 00:16:03,462 --> 00:16:08,901 ハハハハ。 相撲の行司のようなもんです。 180 00:16:08,901 --> 00:16:10,837 パリを思い出す。 181 00:16:10,837 --> 00:16:17,610 あのころも 水戸侍と 外国奉行やパリ人の仲介ばかりでした。 182 00:16:17,610 --> 00:16:20,246 ユー アー アメイジング! 183 00:16:20,246 --> 00:16:26,752 そげんして 手を結ばすっこつが まさにカンパニーじゃ。 184 00:16:26,752 --> 00:16:29,255 おいも西で同志を集め➡ 185 00:16:29,255 --> 00:16:32,592 鉱山の商いをする カンパニーを興しもした。 186 00:16:32,592 --> 00:16:35,261 おぉ とうとうカンパニーを? 187 00:16:35,261 --> 00:16:39,599 おいは大阪 おはんは東京で 商いをすっこつになる。 188 00:16:39,599 --> 00:16:43,102 まちぃっと早う来るかち 思うちょったけどな。 189 00:16:43,102 --> 00:16:45,404 ハハハ。 190 00:16:45,404 --> 00:16:48,274 あなたの変わり身が早過ぎるんです。 191 00:16:48,274 --> 00:16:51,177 私は あなたが途中で投げ出した あの政府で➡ 192 00:16:51,177 --> 00:16:54,614 やれるだけのことは全てやったという 自負があります。 193 00:16:54,614 --> 00:16:59,785 ほう なかなか言うじゃなかか。 ハハハハハハ…。 194 00:16:59,785 --> 00:17:03,055 ほいなら 先に官から民へ 下ったもんとして➡ 195 00:17:03,055 --> 00:17:06,859 一つ アドバイスをせんといかん。 196 00:17:08,561 --> 00:17:12,365 政府は 厄介な獣の集まりじゃったが…➡ 197 00:17:12,365 --> 00:17:15,902 商いの方は まさに化け物。 198 00:17:15,902 --> 00:17:19,739 魑魅魍魎が跋扈しておる。 199 00:17:19,739 --> 00:17:23,242 魑魅魍魎…。 200 00:17:24,911 --> 00:17:29,081 (岩崎弥太郎) いくら西洋風に改革を急いでも➡ 201 00:17:29,081 --> 00:17:38,090 形ばっかりで 民の意識が変わらなければ 国は弱くなるばかり。 202 00:17:38,090 --> 00:17:42,261 「民に喜びを」か ハハハハハ…。 203 00:17:42,261 --> 00:17:45,932 あ~ こりゃ しびれる文言やねや。 204 00:17:45,932 --> 00:17:50,236 ハハハハハハハ…。 205 00:17:52,705 --> 00:17:56,642 元いた場を こればぁ けなして辞めるとは➡ 206 00:17:56,642 --> 00:17:59,111 一文の得もない。 207 00:17:59,111 --> 00:18:04,350 まさに 「立つ鳥跡を濁しまくり」。 208 00:18:04,350 --> 00:18:07,553 (ベル) 209 00:18:07,553 --> 00:18:14,226 井上と渋沢が辞めて 大蔵省は今後 誰がやるがじゃろか? 210 00:18:14,226 --> 00:18:19,932 大隈さんか? まぁ 大隈さんしかおらんか。 211 00:18:22,935 --> 00:18:29,375 さあ。 この弥太郎が行っちゃるき。 212 00:18:29,375 --> 00:18:32,578 ハハハハハハハハ…。 213 00:18:35,581 --> 00:18:38,084 (吉岡なか) ちっと頼まい。 水を1杯もらってくるで。 214 00:18:38,084 --> 00:18:42,588 (おはる)へえ。 (渋沢ゑい)本当 大げさな…。 215 00:18:56,102 --> 00:18:58,938 (大内くに)あ。 216 00:18:58,938 --> 00:19:01,240 渋沢様のお母様! 217 00:19:02,808 --> 00:19:09,048 おふみ。 あれまあ まるまる大きくなって。 218 00:19:09,048 --> 00:19:12,084 姉さまたちに まっさか似てきたんでないかい。 219 00:19:12,084 --> 00:19:16,789 フフ… おおきに。 おおきに ありがとうございます。 220 00:19:16,789 --> 00:19:21,060 大きくなって。 221 00:19:21,060 --> 00:19:23,863 (なか)あ お千代。 222 00:19:34,240 --> 00:19:36,175 (せきこみ) 223 00:19:36,175 --> 00:19:38,110 (おはる)おかみさん! 大丈夫ですか! 224 00:19:38,110 --> 00:19:41,113 お義母様! お義母様 大丈夫ですか…。 225 00:19:41,113 --> 00:19:43,749 布団の用意を!へえ! お水をお願いできますか。 226 00:19:43,749 --> 00:19:46,085 はい! 227 00:19:46,085 --> 00:19:48,087 こちらへ。 228 00:19:51,757 --> 00:19:56,262 寒くなり始めてから 調子が悪くなってねぇ。 229 00:19:56,262 --> 00:19:58,197 おていも今 身重なもんで。 230 00:19:58,197 --> 00:20:01,767 うちも旦那の商いがあって 満足に世話ができねぇし…。 231 00:20:01,767 --> 00:20:05,604 うん。 こっちで面倒を見らい。 232 00:20:05,604 --> 00:20:08,107 東京のよい医者にも診てもらうべぇ。 233 00:20:08,107 --> 00:20:11,410 お千代も世話をしてぇと言ってたんだ。 234 00:20:11,410 --> 00:20:14,613 そう。 ありがとうね。 235 00:20:14,613 --> 00:20:16,949 でも…。 236 00:20:16,949 --> 00:20:18,884 あ… いてっ。 237 00:20:18,884 --> 00:20:21,787 ちっと…。 238 00:20:21,787 --> 00:20:24,824 (小声で)何やってんだい あんたは。 239 00:20:24,824 --> 00:20:29,962 しかし おくにも ほっとくわけにはいかねぇ。 240 00:20:29,962 --> 00:20:33,299 子は多くいた方がよい。 241 00:20:33,299 --> 00:20:35,234 お千代も分かってくれてる。 242 00:20:35,234 --> 00:20:37,169 分かるしかねぇから 飲み込んでるだけだに。 243 00:20:37,169 --> 00:20:40,973 んなことも分かんねぇんかい。 244 00:20:40,973 --> 00:20:45,778 かっさまだって なっから心を痛めてんだから。 245 00:20:47,646 --> 00:20:50,983 身しめて孝行するんだかんな。 246 00:20:50,983 --> 00:20:53,886 お千代にもだで。 247 00:20:53,886 --> 00:20:55,888 はい…。 248 00:21:06,398 --> 00:21:12,605 お千代… すまねぇねぇ。 249 00:21:16,142 --> 00:21:22,848 でもなぁ どうしても➡ 250 00:21:22,848 --> 00:21:30,122 うたも ことも 篤二も おふみも➡ 251 00:21:30,122 --> 00:21:34,126 どの子もおんなじに かわいいんだに。 252 00:21:36,896 --> 00:21:42,701 どの子も無事に育ってもらいてぇって…。 253 00:21:42,701 --> 00:21:47,306 そんな… そんなことで謝らねぇでください。 254 00:21:47,306 --> 00:21:52,812 お義母様に謝られたら 私が申し訳ねぇ。 255 00:21:52,812 --> 00:21:56,682 ⚟(ゑい)でも苦労かけてばかりだに。➡ 256 00:21:56,682 --> 00:21:59,885 嫁に来てから ずっと。 257 00:22:05,391 --> 00:22:13,766 えぇ。 嫁に来た頃は不安ばかりでした。 258 00:22:13,766 --> 00:22:20,272 栄一さんは どこに行っちまうのか 生きているのか➡ 259 00:22:20,272 --> 00:22:25,277 帰ってくる日があるのだろうかと ずっと不安で…。 260 00:22:30,983 --> 00:22:37,623 ⚟(千代)お義父様やお義母様に 支えていただきました。➡ 261 00:22:37,623 --> 00:22:42,428 栄一さんは 今 国のために立派に働かれ➡ 262 00:22:42,428 --> 00:22:48,968 どんなに忙しくても 必ず帰ってこられます。 263 00:22:48,968 --> 00:22:55,441 (千代)かわいい子たちに恵まれ こんなぜいたくな暮らしをし…➡ 264 00:22:55,441 --> 00:22:58,944 何の苦労がありましょうか。 265 00:23:09,955 --> 00:23:12,258 ありがとうね。 266 00:23:15,594 --> 00:23:17,897 すまねぇねぇ。 267 00:23:19,465 --> 00:23:21,467 ⚟(ゑい)すまねぇ。 268 00:23:21,467 --> 00:23:26,772 (千代) 謝らねぇでください。 お願いですから。 269 00:23:26,772 --> 00:23:30,109 ほら 寒くすっと 体によくねえに。 270 00:23:30,109 --> 00:23:33,979 横んなってください。 271 00:23:33,979 --> 00:23:46,659 ♬~ 272 00:23:46,659 --> 00:23:49,128 失礼します。 273 00:23:49,128 --> 00:23:56,635 その年 この男が イタリアから帰国しました。 274 00:23:56,635 --> 00:23:59,138 あ ちょっ…。 275 00:23:59,138 --> 00:24:01,373 いってえ! おめぇ 何すん…。 276 00:24:01,373 --> 00:24:04,576 おぉ 喜作! おめぇ 戻ったのか。 277 00:24:04,576 --> 00:24:06,512 (渋沢喜作)何なんだ! 278 00:24:06,512 --> 00:24:10,449 大蔵省に行げば おめぇは もういねぇ。 279 00:24:10,449 --> 00:24:13,585 おめぇの変わり身の早さには ついていげぬ。 280 00:24:13,585 --> 00:24:16,388 なんの。 281 00:24:16,388 --> 00:24:21,226 攘夷から一橋に入ったことに比べりゃ 何てこたあねぇや。 282 00:24:21,226 --> 00:24:23,262 とはいえ 申し訳ねぇ。 283 00:24:23,262 --> 00:24:25,464 そうだい。 284 00:24:27,766 --> 00:24:33,639 今 政府は 西郷さんと江藤さんが けんかして みんな出ていっちまって➡ 285 00:24:33,639 --> 00:24:37,776 大久保さんと岩倉様の天下だ。 286 00:24:37,776 --> 00:24:41,113 俺だけ残されたら たまらねえ。 俺も辞める。 287 00:24:41,113 --> 00:24:43,615 お 辞めて手伝ってくれるか? 288 00:24:43,615 --> 00:24:47,486 今な 大阪や鹿児島の士族も 銀行を作りたいと…。 289 00:24:47,486 --> 00:24:53,625 いいや。 俺は横浜で生糸の商いをする。 290 00:24:53,625 --> 00:24:58,797 イタリアでも見てきたが これからはお蚕様だ。 291 00:24:58,797 --> 00:25:01,066 おぉ そうか。 おう。 292 00:25:01,066 --> 00:25:05,371 この間 富岡でもな…。 293 00:25:05,371 --> 00:25:08,741 届いたぞ! ウィーンからの知らせだ! 見てくれ! 294 00:25:08,741 --> 00:25:10,676 見せて! 何て書いてあるの? 295 00:25:10,676 --> 00:25:13,078 (尾高惇忠)この工場で作った生糸が➡ 296 00:25:13,078 --> 00:25:18,584 万国博覧会で 二等進歩賞を受賞した! 297 00:25:18,584 --> 00:25:25,290 (歓声) 298 00:25:30,195 --> 00:25:36,001 オメデトウ。 ありがとう。 メルシー ブリュナ。 299 00:25:36,001 --> 00:25:37,970 工女の数も増え…➡ 300 00:25:37,970 --> 00:25:42,775 各地から 製糸場で地元の産業を興したいと➡ 301 00:25:42,775 --> 00:25:46,278 視察の者が集まってる。 302 00:25:46,278 --> 00:25:50,115 俺も まっさか忙しいが➡ 303 00:25:50,115 --> 00:25:55,788 近いうちに どうにか 富岡と静岡に行ぎてぇと思ってる。 304 00:25:55,788 --> 00:25:57,990 静岡? 305 00:25:59,958 --> 00:26:03,829 前様に近況を報告したい。 306 00:26:03,829 --> 00:26:12,638 それに 廃藩となり 静岡県やご宗家の懐も気になる。 307 00:26:14,907 --> 00:26:16,909 お前も来ない。 308 00:26:18,577 --> 00:26:21,080 いや…➡ 309 00:26:21,080 --> 00:26:23,882 俺はとてもお会いできぬ。 310 00:26:25,951 --> 00:26:30,255 前様は…➡ 311 00:26:30,255 --> 00:26:33,158 俺たちが戦うことを 望んでいなかった。 312 00:26:33,158 --> 00:26:38,163 上様のご無念は 必ずや我らが晴らしまする! 313 00:26:41,266 --> 00:26:45,103 それなのに俺は 最後まで戦い➡ 314 00:26:45,103 --> 00:26:48,774 あげく 多くのご直参を死なせてしまった。 315 00:26:48,774 --> 00:26:51,577 合わせる顔がねぇ。 316 00:27:00,419 --> 00:27:05,224 そのころ その静岡には…➡ 317 00:27:05,224 --> 00:27:10,095 意外な人物が訪れていました。 318 00:27:10,095 --> 00:27:12,097 (やす)あ ちょいと おにいさん。 319 00:27:12,097 --> 00:27:15,367 (猪飼勝三郎)いつ む やと…。 そうだな。 320 00:27:15,367 --> 00:27:20,072 おい それは奥に運んでしまえ。 傷む前にお出しするからのう。 321 00:27:20,072 --> 00:27:22,374 へえ。 322 00:27:22,374 --> 00:27:25,077 (徳川美賀子)また牧之原から届いたのか。 323 00:27:25,077 --> 00:27:28,380 ははっ。 前様に召し上がっていただきたいと➡ 324 00:27:28,380 --> 00:27:31,917 田畑でとれた作物を献上してくれまする。 325 00:27:31,917 --> 00:27:34,820 ありがたいのう。 326 00:27:34,820 --> 00:27:37,789 猪飼様! 327 00:27:37,789 --> 00:27:39,791 あの婦人がまだ…。 328 00:27:39,791 --> 00:27:42,094 なんと まだ帰らぬのか。 329 00:27:42,094 --> 00:27:44,763 前様に目通りなど できるはずなかろう。 330 00:27:44,763 --> 00:27:48,400 旧幕臣にすら めったにお会いにならぬというのに。 331 00:27:48,400 --> 00:27:50,469 (須磨)婦人? 何者じゃ? 332 00:27:50,469 --> 00:27:55,607 それが… 平岡様の後家だと申すのですが…。 333 00:27:55,607 --> 00:27:57,643 平岡の…。 334 00:27:57,643 --> 00:28:01,213 ⚟あ~! おい ならぬ! ならぬと申すに! 335 00:28:01,213 --> 00:28:04,416 …ったく あの女! 336 00:28:07,886 --> 00:28:11,223 離せ! お目通りできるまで帰らないよ! 337 00:28:11,223 --> 00:28:14,226 あたしゃ どうしても 先の上様に じかに言ってやりたいことがあるんだ! 338 00:28:14,226 --> 00:28:17,362 (猪飼)控えよ! 控えよ! おい…。 339 00:28:17,362 --> 00:28:20,265 奥方様 ここは危のうございます! 340 00:28:20,265 --> 00:28:22,234 え? 341 00:28:22,234 --> 00:28:25,938 あなたが 平岡円四郎殿の…。 342 00:28:28,974 --> 00:28:31,376 奥方様? 343 00:28:31,376 --> 00:28:37,182 あ! …ってことは あんたが あのおかしれぇお姫様かい!➡ 344 00:28:37,182 --> 00:28:42,688 アッハハハ… 分かったよ。 345 00:28:48,794 --> 00:28:51,263 仕事の方は 大丈夫なんかい? 346 00:28:51,263 --> 00:28:56,935 あぁ。 もうすぐ 初の決算ってもんがあんだい。 347 00:28:56,935 --> 00:28:59,771 そうじゃないよ。 348 00:28:59,771 --> 00:29:04,042 お役人様の仕事を あっさり辞めちまうなんて。 349 00:29:04,042 --> 00:29:08,547 とっさまも あんなにお喜びだったのに。 350 00:29:12,751 --> 00:29:17,055 ずっと考えてたことだ。 351 00:29:17,055 --> 00:29:20,926 役人は 上役の手足になるっきりねぇが➡ 352 00:29:20,926 --> 00:29:24,930 商人は この腕で勝負ができる。 353 00:29:24,930 --> 00:29:28,734 こっちのが よほどやりがいがあらぁ。 354 00:29:31,370 --> 00:29:35,240 そうかい。 そうだいねぇ。 355 00:29:35,240 --> 00:29:40,912 ハハ…。 あ そうだい。 見てくれ。 356 00:29:40,912 --> 00:29:46,251 これが 今やってる銀行の券だ。 ほい。 357 00:29:46,251 --> 00:29:50,122 まぁ 小さい紙に細かい絵が。 358 00:29:50,122 --> 00:29:58,597 あぁ。 今はアメリカで刷っているが いずれは日本で作りたい。 359 00:29:58,597 --> 00:30:06,338 紙幣や切手や文や土地の証書も こういう洋紙が日本で作れれば➡ 360 00:30:06,338 --> 00:30:10,208 きっと みんなが便利になる。 361 00:30:10,208 --> 00:30:13,779 そう。 みんなが便利に。 362 00:30:13,779 --> 00:30:16,615 あぁ そうだい。 363 00:30:16,615 --> 00:30:20,419 みんなで手を組み みんなで考えれば➡ 364 00:30:20,419 --> 00:30:25,290 きっと みんなが幸せになる世を 作ることができる。 365 00:30:25,290 --> 00:30:31,063 今 ようやく その一歩を踏み出したところだ。 366 00:30:31,063 --> 00:30:33,799 そうかい。 ハハ。 367 00:30:33,799 --> 00:30:38,437 それは楽しみだいねえ。 368 00:30:38,437 --> 00:30:42,307 でもなぁ 栄一。 369 00:30:42,307 --> 00:30:48,613 近くにいる者を大事にすんのを 忘れちゃあいげねぇよ。 370 00:30:52,451 --> 00:30:55,153 うん。 371 00:30:57,656 --> 00:30:59,591 (うた)ばあさま! ばあさま! 372 00:30:59,591 --> 00:31:03,095 (千代)何です うた。 うちの中を走るなんてみっともねぇ。 373 00:31:03,095 --> 00:31:07,265 ばあさま 今日 うたの学校に 皇后様があらせられたの! 374 00:31:07,265 --> 00:31:09,267 え? 皇后様が? 375 00:31:09,267 --> 00:31:12,938 えぇ。 おなごの学ぶ姿を見たいと➡ 376 00:31:12,938 --> 00:31:15,841 うたたちの学習の様子を ご覧あそばされたそうです。 377 00:31:15,841 --> 00:31:18,744 とっさまのお話では 皇后様は➡ 378 00:31:18,744 --> 00:31:23,949 お手ずから お蚕様に 桑の葉をくれていらっしゃるそうです。 379 00:31:23,949 --> 00:31:26,985 陛下が桑の葉をやるんだんべぇか? あぁ。 380 00:31:26,985 --> 00:31:32,624 「幼い頃 母たちが歌を歌いながら 育てていた」と申し上げたら➡ 381 00:31:32,624 --> 00:31:34,559 たまげておられた。 382 00:31:34,559 --> 00:31:39,398 まぁ いっつも一番大声で歌ってたのは 栄一だいね。 383 00:31:39,398 --> 00:31:41,333 え? (うた)そうなの? 384 00:31:41,333 --> 00:31:43,301 うん。 385 00:31:43,301 --> 00:31:50,041 ♬「お蚕 お蚕 柔らか 桑の葉 ホィ ホィ」 386 00:31:50,041 --> 00:31:54,880 ♬「たんと 食ったら ピチャラ ホィ」 387 00:31:54,880 --> 00:31:58,850 ♬「たんと 食ったら ピチャラ ホィ」 388 00:31:58,850 --> 00:32:06,258 ⚟♬「お蚕 お蚕 朝餉に 夕餉に ホィ ホィ」 389 00:32:06,258 --> 00:32:11,096 ⚟♬「たんと 食ったら ピチャラ ホィ」 390 00:32:11,096 --> 00:32:15,600 ⚟♬「たんと 食ったら ピチャラ ホィ」 391 00:32:15,600 --> 00:32:22,374 ♬「お蚕 お蚕 桑の葉 丸ごと ホィ ホィ」 392 00:32:22,374 --> 00:32:45,664 ♬~ 393 00:32:45,664 --> 00:32:50,168 (医者)ご家族は おそろいで? 394 00:32:53,138 --> 00:32:55,073 姉さまやおていは向かってんのか? 395 00:32:55,073 --> 00:32:59,377 (おはる)へぇ。 でも 今出たくれえかと…。 396 00:33:07,786 --> 00:33:09,988 お千代? 397 00:33:28,273 --> 00:33:31,076 中へ どうぞ。 398 00:33:41,286 --> 00:33:49,494 (泣き声) 399 00:33:50,996 --> 00:33:53,198 (ゑい)栄一…。 400 00:33:56,434 --> 00:33:59,971 栄一…。 401 00:33:59,971 --> 00:34:04,276 かっさま。 俺はここだ。 402 00:34:05,777 --> 00:34:13,084 栄一 寒くねぇかい? 403 00:34:16,388 --> 00:34:22,694 ごはんは食べたかい? 404 00:34:24,763 --> 00:34:28,600 何言ってんだい。 405 00:34:28,600 --> 00:34:33,271 俺は大丈夫だ。 大丈夫。 406 00:34:33,271 --> 00:34:39,277 そうか。 そうかい。 407 00:34:41,947 --> 00:34:44,649 よかったいねぇ。 408 00:34:57,963 --> 00:35:00,465 お千代。 409 00:35:11,509 --> 00:35:14,312 ありがとう…。 410 00:35:19,751 --> 00:35:22,787 ありがとうね。 411 00:35:22,787 --> 00:35:53,952 ♬~ 412 00:35:53,952 --> 00:35:57,255 (医者)ご臨終です。 413 00:36:03,561 --> 00:36:09,067 (うた)ばあさま… ばあさま…。 414 00:36:09,067 --> 00:37:12,897 ♬~ 415 00:37:12,897 --> 00:37:15,567 ここに聞きな。 416 00:37:15,567 --> 00:37:22,073 それが本当に正しいか 正しくないか。 417 00:37:22,073 --> 00:37:28,379 あんたがうれしいだけじゃなくて みぃんながうれしいのが一番なんだで。 418 00:37:28,379 --> 00:38:01,045 ♬~ 419 00:38:01,045 --> 00:38:05,850 ありがとう かっさま。 420 00:38:24,235 --> 00:38:27,071 (大久保利通)そいは 岩倉様が殺されたっちゅうこつか!? 421 00:38:27,071 --> 00:38:31,943 はい! 西郷様を慕う土佐の士族が 馬車に斬り込み そのまま…。 422 00:38:31,943 --> 00:38:34,579 その年は…。 423 00:38:34,579 --> 00:38:36,514 寒い 寒い…。 424 00:38:36,514 --> 00:38:39,250 岩倉具視暗殺未遂事件や…。 425 00:38:39,250 --> 00:38:42,921 痛い 痛い! それ痛い! それ かけたら痛い…。 426 00:38:42,921 --> 00:38:45,957 江藤新平による 佐賀の乱など➡ 427 00:38:45,957 --> 00:38:50,795 不平士族たちが 不穏な動きを見せていました。 428 00:38:50,795 --> 00:38:59,470 岩倉様の一件といい 佐賀の乱といい 不平士族には困ったもんじゃ。 429 00:38:59,470 --> 00:39:06,477 不満をそらすっためには 台湾への出兵は やむをえんじゃろう。 430 00:39:08,079 --> 00:39:12,083 (利通)アメリカの船は どげんじゃ? 431 00:39:12,083 --> 00:39:21,559 アメリカん海運会社は 局外中立ば盾に 兵の輸送ば拒否してきとっです。 432 00:39:21,559 --> 00:39:24,229 くそっ。 433 00:39:24,229 --> 00:39:27,732 三井らに作らせた船会社は? 434 00:39:27,732 --> 00:39:31,069 三井は 返事ば はぐらかすばかい。 435 00:39:31,069 --> 00:39:34,572 三井が… 生意気じゃ。 436 00:39:34,572 --> 00:39:37,475 はい。 437 00:39:37,475 --> 00:39:40,078 小野組もしかり。 438 00:39:40,078 --> 00:39:44,949 御一新直後から 国の金ん便宜ば与えてきたっですが➡ 439 00:39:44,949 --> 00:39:52,757 井上や渋沢が甘やかしたからか そん金ば用いて 手ば広げ過ぎとう。 440 00:39:55,927 --> 00:40:00,098 もっと… 政府んため➡ 441 00:40:00,098 --> 00:40:05,770 素直に動く商人が欲しかもんであります。 442 00:40:05,770 --> 00:40:11,109 素直に動く商人…。 443 00:40:11,109 --> 00:40:13,778 はい。 444 00:40:13,778 --> 00:40:20,985 (重信) 台湾への兵と物資ん輸送ば 三菱に命ずっ。 445 00:40:25,957 --> 00:40:28,860 国家の非常時ゆえ 商業輸送ば止めて➡ 446 00:40:28,860 --> 00:40:33,298 陸軍の輸送に 全力ば出してもらわんばならん。 447 00:40:33,298 --> 00:40:36,134 でくっか? 448 00:40:36,134 --> 00:40:38,169 国あっての三菱! 449 00:40:38,169 --> 00:40:41,806 無論 お引き受けいたします! 450 00:40:41,806 --> 00:40:46,144 おぉ 気持ちんよか返事たい! ハハハハハハハ…。 451 00:40:46,144 --> 00:40:49,347 (重信)よぉし 約定ん準備ばしてくれ。 (部下)はっ。 452 00:40:58,323 --> 00:41:00,258 (重信)よかじゃろ。 453 00:41:00,258 --> 00:41:04,762 太政官に上申ばしておいてくれ。 (部下)はっ。 454 00:41:04,762 --> 00:41:08,066 けんど 大隈様。 ん? 455 00:41:16,107 --> 00:41:18,776 渋沢! 456 00:41:18,776 --> 00:41:22,113 おぉ 井上さん! おう。 457 00:41:22,113 --> 00:41:25,950 貿易の会社を作ったと伺いました。 それに 鉱山にも手を出してるという…。 458 00:41:25,950 --> 00:41:28,786 そげなことより 小野組が危ない。 459 00:41:28,786 --> 00:41:30,822 え? 460 00:41:30,822 --> 00:41:33,024 あ~… こっち来い。 461 00:41:35,426 --> 00:41:41,132 三井 小野が それほど 政府の言うことを聞かんなら…➡ 462 00:41:41,132 --> 00:41:45,636 少し 灸を据えたら どうですやろう? 463 00:41:47,805 --> 00:41:51,676 大蔵省が 「この先 無利子無担保で便宜は図れん。➡ 464 00:41:51,676 --> 00:41:53,978 担保を出せ」と言い始めちょる。 465 00:41:53,978 --> 00:42:00,151 三井は まだ手堅いにしても 小野は放漫経営じゃ。 466 00:42:00,151 --> 00:42:02,754 この銀行も 貸し付けちょるんじゃないんか。 467 00:42:02,754 --> 00:42:06,924 小野組への貸付金は130万…。 468 00:42:06,924 --> 00:42:08,960 は? 469 00:42:08,960 --> 00:42:11,963 その貸付金を取りはぐれたら? 470 00:42:14,799 --> 00:42:18,102 巻き添えで…➡ 471 00:42:18,102 --> 00:42:21,606 第一国立銀行は 破産する! 472 00:42:30,281 --> 00:42:34,152 今や 誰もが金を崇拝し始めちまっている。 473 00:42:34,152 --> 00:42:36,421 嫌や 嫌や…。 474 00:42:36,421 --> 00:42:39,624 こんな世にするために みんな死んでったのかって…。 475 00:42:39,624 --> 00:42:41,559 大事なのは民だ。 476 00:42:41,559 --> 00:42:44,796 10年越しの… 俺たちの横浜焼き討ちだい! 477 00:42:44,796 --> 00:42:50,435 はぁ!? 「君子 仁を去りて 悪にか名を成さん」。 478 00:42:50,435 --> 00:42:55,239 渋沢 味方になってくれんか。