1 00:00:00,100 --> 00:00:08,100 Thanks for downloading, this file is only for mystery fans, it contains original subtitles, you can use pot-player or any other player with translation-function to translate it into your language immediately. 2 00:00:08,100 --> 00:00:12,480 You can share it with friends but please don't use it in online-watching or other purpose, thank you. 3 00:00:24,720 --> 00:00:27,070 まっ白な歯をむきだして 4 00:00:27,070 --> 00:00:29,740 ケラケラと笑ったかと思うと 5 00:00:29,740 --> 00:00:32,040 サッと黒い風のように 6 00:00:36,820 --> 00:00:41,860 やみの中から とびだしてきて 通行人の首をしめようとしたとか 7 00:00:41,860 --> 00:00:44,510 黒いふろしきのように子どもをつつんで 8 00:00:44,510 --> 00:00:47,510 地面をコロコロ ころがっていってしまおうとか 9 00:00:47,510 --> 00:00:49,940 さまざまのうわさが伝えられ 10 00:00:49,940 --> 00:00:54,660 若い娘さんや 小さい子どもなどは もう おびえあがってしまって 11 00:00:54,660 --> 00:00:58,810 けっして 夜は外出しないほどになってきました。 12 00:01:13,840 --> 00:01:16,830 この悪魔を 向こうにまわして たたかうものは 13 00:01:16,830 --> 00:01:21,260 小林少年を団長とする 少年探偵団です。 14 00:01:24,260 --> 00:01:52,120 ♪~ 15 00:01:52,120 --> 00:01:56,100 その小林少年の先生は いうまでもなく 16 00:01:56,100 --> 00:01:59,820 大探偵 明智小五郎です。 17 00:02:27,420 --> 00:02:29,360 少年探偵団の中に 18 00:02:29,360 --> 00:02:33,310 桂正一君という少年がいました。 19 00:02:46,380 --> 00:02:48,250 うっ! 20 00:02:56,960 --> 00:03:03,900 ハァハァ あいつかもしれない!うわさの黒い魔物かもしれない。 21 00:03:03,900 --> 00:03:08,850 桂君は もう いちもくさんに うしろへ逃げだすところでした。 22 00:03:08,850 --> 00:03:14,270 しかし 桂君は自分が名誉ある 少年探偵団の一員であることを 23 00:03:14,270 --> 00:03:16,800 思いだしました。しかも 24 00:03:21,120 --> 00:03:26,090 と 大きなことをいってきたばかりです。 25 00:03:26,090 --> 00:03:28,490 桂君は大胆にも 26 00:03:46,340 --> 00:03:50,020 怪物はグングンと遠ざかっていきます。 27 00:03:50,020 --> 00:03:54,180 桂君は相手を追っかけるのが やっとでした。 28 00:03:59,330 --> 00:04:03,000 桂君はがまん強く そのあとを追いました。 29 00:04:03,000 --> 00:04:07,130 そうして 何度めかに背のびをしたときでした。 30 00:04:11,040 --> 00:04:16,530 思いもよらぬ間近いに 黒いやつが ヌッと立っていたではありませんか。 31 00:04:16,530 --> 00:04:21,810 怪物はさいぜんから ちゃんと尾行を気づいていたのです。 32 00:04:21,810 --> 00:04:27,180 胸の中では 心臓がやぶれそうに 鼓動しています。 33 00:04:27,180 --> 00:04:30,620 観念をしていますと とつぜん 34 00:04:30,620 --> 00:04:34,450 ケラ ケラ ケラ と笑いだしました。 35 00:04:34,450 --> 00:04:37,570 ところが べつにとびかかってくるでもなく 36 00:04:37,570 --> 00:04:42,510 フイと石碑のかげに 身をかくしてしまいました。 37 00:04:57,610 --> 00:05:00,400 これ あげましょう。 38 00:05:00,400 --> 00:05:04,540 もっと どっさりあげますから こちらへ いらっしゃい。 39 00:05:15,850 --> 00:05:20,450 お嬢さん 名まえ いってごらんなさい。 なんという名まえですか? 40 00:05:20,450 --> 00:05:23,250 あたち タアちゃんよ 41 00:05:23,250 --> 00:05:25,890 もっと ほんとうの名まえは? 42 00:05:25,890 --> 00:05:28,090 ミヤモトっていうの。 43 00:05:37,280 --> 00:05:40,930 それだけ聞くと サッサと どこかへ たちさってしまいました。 44 00:05:50,540 --> 00:05:53,020 その夜のことです。 45 00:05:53,020 --> 00:05:56,020 篠崎始君のおとうさまは 46 00:05:56,020 --> 00:06:01,500 おかあさまと始君とを 奥の座敷へ お呼びになりました。 47 00:06:01,500 --> 00:06:04,100 まだ おまえたちに 48 00:06:04,100 --> 00:06:08,840 この宝石にまつわる おそろしい のろいの話をしたことなかったね。 49 00:06:08,840 --> 00:06:11,840 わたしは そんな話を信じていなかった。 50 00:06:11,840 --> 00:06:15,620 けれども ゆうべからの少女誘かいさわぎは 51 00:06:15,620 --> 00:06:17,690 どうも ただごとではないように思う。 52 00:06:17,690 --> 00:06:21,220 では この宝石と ゆうべからの事件とのあいだに 53 00:06:21,220 --> 00:06:24,200 何か関係があるとでも おっしゃるのでございますか。 54 00:06:24,200 --> 00:06:26,550 そうだよ。この宝石には 55 00:06:26,550 --> 00:06:29,080 おそろしいのろいが つきまとっているのだ。 56 00:06:45,790 --> 00:06:49,560 インド中でも いちばん信仰のあつい 57 00:07:12,380 --> 00:07:15,800 では うちの緑ちゃんが さらわれるかもしれないと 58 00:07:15,800 --> 00:07:17,660 おっしゃるのですか。 59 00:07:17,660 --> 00:07:24,210 そのとき 床の間のわきの書院窓が 音もなく ひらいたではありませんか。 60 00:07:24,210 --> 00:07:29,850 そして 一本の黒い手がニュッと つきだされたではありませんか。 61 00:07:38,100 --> 00:07:43,400 今井君 今井君 くせ者だ! 早く来てくれ! 62 00:07:43,400 --> 00:07:47,460 これがインド人の 魔法なのでしょうか。 63 00:07:47,460 --> 00:07:52,400 くせ者は やすやすと 姿を消してしまったのです。 64 00:07:57,240 --> 00:07:59,610 おとうさん ただいま。 65 00:07:59,610 --> 00:08:02,730 ぼく 学校がひけてから 明智先生のところへ行ってきたです。 66 00:08:02,730 --> 00:08:05,120 ああ 先生にお会いできたかい? 67 00:08:05,120 --> 00:08:09,680 それが だめなんですよ。 先生は旅行していらっしゃるんです。 68 00:08:09,680 --> 00:08:12,680 でね 小林さんに相談したんですよ。 69 00:08:12,680 --> 00:08:18,130 すると あの人 やっぱり頭がいいや。 うまいことを考えだしてくれましたよ。 70 00:08:19,760 --> 00:08:22,960 緑ちゃんをコッソリ おばさんちへ つれていって 71 00:08:22,960 --> 00:08:26,200 しばらく あずかってもらったほうが いいっていうんです。 72 00:08:26,200 --> 00:08:30,540 ねっ そうすれば あいつは この家ばかり ねらっていて 73 00:08:30,540 --> 00:08:33,950 むだ骨折りをするわけでしょう。 74 00:08:33,950 --> 00:08:36,500 小林君は緑ちゃんをだいて 75 00:08:36,500 --> 00:08:39,920 秘書の今井君があけてくれた ドアの中へはいり 76 00:08:39,920 --> 00:08:42,250 客席にこしかけました。 77 00:09:05,660 --> 00:09:09,860 運転士さん 方向がちがいやしないかい。 78 00:09:09,860 --> 00:09:13,340 おい 運転士さん 聞こえないのか? 79 00:09:13,340 --> 00:09:15,720 よく聞こえています。 80 00:09:17,580 --> 00:09:20,320 ああ その顔! 81 00:09:24,610 --> 00:09:28,520 インド人は 車をとめて 細引きで しばりあげ 82 00:09:28,520 --> 00:09:35,000 そのうえ 用意の手ぬぐいで ふたりの口に さるぐつわを かませてしまいました。 83 00:09:35,000 --> 00:09:38,670 小林君はすばやく右手をポケットにつっこむと 84 00:09:38,670 --> 00:09:41,170 銀貨のようなものを取りだして ソッと 85 00:09:41,170 --> 00:09:44,640 車のバンパーのすみにおきました。 86 00:09:58,320 --> 00:10:02,300 ほんとうに かき消すように 見えなくなってしまったんだよ。 87 00:10:02,300 --> 00:10:06,160 さすがのぼくも やにわに逃げだしてしまったのさ。 88 00:10:06,160 --> 00:10:10,130 ものさびしい境内を あちこちと見まわしていましたが 89 00:10:10,130 --> 00:10:15,450 羽柴壮二が びっくりしたように 桂君の腕をとらえました。 90 00:10:15,450 --> 00:10:18,990 あっ あれ! あすこを見たまえ! 91 00:10:24,270 --> 00:10:30,090 見ると ふたりのおとなが 手と足をしばられ よこたわっていました。 92 00:10:30,090 --> 00:10:32,820 篠崎家の秘書 今井君。 93 00:10:32,820 --> 00:10:36,650 もうひとりの男は 運転手でした。 94 00:10:39,220 --> 00:10:44,420 とつぜん ふたりの覆面に しばりあげられてしまったというのです。 95 00:10:45,940 --> 00:10:50,240 あっ 取れた! ばんざい! やった! 96 00:11:00,140 --> 00:11:03,900 地下室に投げこまれた 小林君と緑ちゃんとは 97 00:11:03,900 --> 00:11:06,900 まっくらやみの中で グッタリとしていましたが 98 00:11:06,900 --> 00:11:11,060 目をこられて 暗い天井を見あげていますと 99 00:11:33,170 --> 00:11:37,390 あの子どもの胸に光っている記章を見たまえ。 100 00:11:37,390 --> 00:11:40,530 ぼくらのBDバッジに似てるじゃないか! 101 00:11:40,530 --> 00:11:42,840 あすこに落ちていたんだよ。 ぼくんだよ。 102 00:11:42,840 --> 00:11:44,680 ぼくがひろったんだから ぼくんだよ。 103 00:11:44,680 --> 00:11:46,910 小林さんが わざと落としていったのかもしれない。 104 00:11:46,910 --> 00:11:51,960 あっ!あった。ここにも一つ落ちている。 105 00:11:51,960 --> 00:11:55,720 あった!こんなところに泥まみれになっている。 106 00:11:55,720 --> 00:11:58,800 もっと先へ進もう。うん! 107 00:11:58,800 --> 00:12:02,970 ぼくらは こうしてだんだん黒い怪物のほうへ近づいているんだ。 108 00:12:02,970 --> 00:12:05,440 さすが小林さん! 109 00:12:05,440 --> 00:12:08,490 地下室では もう 水は胸の上まで 110 00:12:08,490 --> 00:12:11,490 ヒタヒタと おしよせているのです。 111 00:12:19,090 --> 00:12:23,290 いよいよ つめたい水の中を泳ぎはじめました。 112 00:12:31,880 --> 00:12:34,760 窓からのぞいてみよう! うん! 113 00:12:59,470 --> 00:13:04,120 みんな ぼくの さしずにしたがって 部署についてくれたまえ。 114 00:13:04,120 --> 00:13:06,190 桂君はそういって 115 00:13:06,190 --> 00:13:10,900 だれは表門 だれは裏門 だれとだれは庭のどこというように 116 00:13:10,900 --> 00:13:14,130 見はりをつとめるように さしずしました。 117 00:13:14,130 --> 00:13:17,440 もし インド人がこっそり逃げだすのを見たら 118 00:13:17,440 --> 00:13:20,770 すぐ呼び子を吹くんだよ。 119 00:13:20,770 --> 00:13:25,860 それからね 篠崎くん きみは ランニングがとくいだから 120 00:13:25,860 --> 00:13:28,980 伝令の役をつとめるくれないか。 121 00:13:32,320 --> 00:13:34,320 篠崎君のしらせによって 122 00:13:41,900 --> 00:13:46,290 犯人はまだ 建物の中にいるにちがいない。 123 00:13:46,290 --> 00:13:49,020 逃げだしたものは だれもなかった。 124 00:13:49,020 --> 00:13:51,550 ということを報告しました。 125 00:13:51,550 --> 00:13:56,270 中村係長は 呼びりんのボタンをおすのでした。 126 00:14:02,580 --> 00:14:07,730 あなたは? ぼくはここの主人の春木というものですが。 127 00:14:11,400 --> 00:14:16,920 ああ あなた方は もう インド人のことまで ご承知なのですか。 128 00:14:16,920 --> 00:14:22,080 どうぞ こちらへ おはいりください。くわしいお話をいたしましょう。 129 00:14:25,080 --> 00:14:28,860 ここです。ふたりとも ぶじに救うことができました。 130 00:14:28,860 --> 00:14:31,860 ぼくがもう一足おそかったら かわいそうに 131 00:14:31,860 --> 00:14:34,520 ふたりとも命のないことでした。 132 00:14:34,520 --> 00:14:38,020 これはいったい どうしたというのです。 133 00:14:38,020 --> 00:14:42,080 ぼくは今雇い人のコックと ふたりきりで生活しているのですが 134 00:14:42,080 --> 00:14:46,490 つい今しがた帰ってみますと 家の中に だれもいないのです。 135 00:14:46,490 --> 00:14:49,490 ふしんに思って家中をさがしてみますと 136 00:14:49,490 --> 00:14:53,460 やっと台所のすみで コックを見つけることができましたが 137 00:14:53,460 --> 00:14:58,270 手足をしばられたうえに さるぐつわまで はめられているのです。 138 00:14:58,270 --> 00:15:01,390 地下室へ行ってみますと まるでタンクみたいに 139 00:15:01,390 --> 00:15:03,640 水がいっぱいになっていて この少年が 140 00:15:03,640 --> 00:15:07,380 小さいお嬢さんをおぶって 泳ぎでいるじゃありませんか。 141 00:15:07,380 --> 00:15:10,030 ぼくはむろん すぐふたりを救いあげましたが。 142 00:15:22,740 --> 00:15:27,290 インド人はどうして その目をのがれることができたのでしょう。 143 00:15:34,180 --> 00:15:40,200 先生 ぼくには 何がなんだか さっぱり わからないのです。教えてください。 144 00:15:40,200 --> 00:15:45,840 ぼくは 早く先生のお考えが聞きたくて ウズウズしていたんですよ。 145 00:16:00,000 --> 00:16:03,880 小林君 この事件には 146 00:16:03,880 --> 00:16:08,490 常識では説明のできないような点が いろいろあるね。 147 00:16:08,490 --> 00:16:12,810 それを一つ かぞえあげてみようじゃないか。 148 00:16:12,810 --> 00:16:15,680 この事件では まず第一に 149 00:16:15,680 --> 00:16:22,830 黒い魔物が東京中のほうぼうへ 姿をあらわし みんなをこわがらせたね。 150 00:16:22,830 --> 00:16:27,410 犯人は いったい なんの必要があって あんなばかなまねをしたのだろう。 151 00:16:27,410 --> 00:16:34,360 わたしは こんなまっ黒ですよ 用心なさいと 152 00:16:34,360 --> 00:16:39,880 まるで 相手を警戒させるようなものじゃないか? 153 00:16:39,880 --> 00:16:45,600 第二には インド人が忍術使いのように 消えうせたという ふしざだ。 154 00:16:45,600 --> 00:16:47,840 あの晩 洋館のまわりには 155 00:16:47,840 --> 00:16:52,290 六人の少年探偵団の子どもが 見張っていたというが 156 00:16:52,290 --> 00:16:54,540 その見はりは たしかだったのだろうね? 157 00:16:54,540 --> 00:16:56,170 信用していいと思います。 158 00:16:56,170 --> 00:17:00,750 春木という洋館の主人を見たと いっていたかね? 159 00:17:00,750 --> 00:17:03,240 見なかったというのです。 160 00:17:04,920 --> 00:17:09,610 さあ そのつぎは第三の疑問だ。 161 00:17:09,610 --> 00:17:13,530 きみが緑ちゃんをつれて 自動車に乗ろうとしたとき 162 00:17:13,530 --> 00:17:17,170 きみは 今井君の顔を はっきり見たのかね? 163 00:17:17,170 --> 00:17:20,300 はっきり見たんです。 たしかに今井さんでした。 164 00:17:20,300 --> 00:17:25,390 それが 自動車が動きだすと まもなくあんな黒ん坊になってしまうなんて。 165 00:17:25,390 --> 00:17:29,690 うっ うう! ぼく さっぱり わけがわかりません。 166 00:17:29,690 --> 00:17:32,130 さあ つぎは第四の疑問だ。 167 00:17:32,130 --> 00:17:38,570 それはね 犯人は緑ちゃんをなぜ殺さなかったか ということだよ。 168 00:17:38,570 --> 00:17:40,750 えっ なんですって? 169 00:17:40,750 --> 00:17:43,750 やつらはむろん 殺すつもりだったのですよ。 170 00:17:43,750 --> 00:17:47,860 ぼくまで いっしょに おぼれさせてしまう つもりだったのですよ。 171 00:17:47,860 --> 00:17:51,960 ところが そうじゃなかったのさ。 172 00:17:51,960 --> 00:17:55,650 さあ この四つの疑問をといてごらん。 173 00:17:55,650 --> 00:18:04,330 これをといてしまえば こんどの事件の秘密が わかるのだよ。 174 00:18:04,330 --> 00:18:08,930 ん フフフフ。 175 00:18:08,930 --> 00:18:11,870 といてごらん フフフフ。 176 00:18:11,870 --> 00:18:13,960 四つ 四つ 四つ。 177 00:18:21,400 --> 00:18:26,980 よく おいでくださいました。 ご高名はかねて うかがっております。 178 00:18:30,210 --> 00:18:34,170 じつは あの夜のことを あなたご自身のお口から 179 00:18:34,170 --> 00:18:37,310 よくうかがいたいと思って やってきたのですが 180 00:18:37,310 --> 00:18:39,260 どうも ふにおちないのは 181 00:18:39,260 --> 00:18:44,330 ふたりのインド人が わずかのあいだに 消えうせてしまったことです。 182 00:18:44,330 --> 00:18:51,630 もう ご承知でしょうが 子どもたちが むじゃきな探偵団をつくっていましてね 183 00:18:51,630 --> 00:18:55,610 あの晩その子どもたちが ここにふたりのインド人がいることを 184 00:18:55,610 --> 00:18:58,060 ちゃんと たしかめておいたのです。 185 00:19:35,120 --> 00:19:39,390 もう一つみょうなことがあるのですよ。 186 00:19:39,390 --> 00:19:44,690 あなたがお帰りになったのは 警官がくるまでのあいだでしたね。 187 00:19:44,690 --> 00:19:46,690 すると そのときは もう 188 00:19:46,690 --> 00:19:51,890 子どもたちは見はりの部署についていたはずなのですが。 189 00:19:51,890 --> 00:19:56,460 むろん あなたは 表門から おはいりになったのでしょうね。 190 00:19:56,460 --> 00:20:00,570 ええ わたしは ちっとも気がつきませんでしたよ。 191 00:20:00,570 --> 00:20:05,280 ちょうど そのとき子どもたちが わきへ行っていたのかもしれませんね。 192 00:20:25,840 --> 00:20:31,230 おやおや すると なんだか わたしまでが魔法でも使ったようですね。 193 00:20:31,230 --> 00:20:35,020 ハハハハハ。 194 00:20:35,020 --> 00:20:37,850 あつ じゃあ。 195 00:20:40,440 --> 00:20:42,570 あっ ところで ぼくは きょう 196 00:20:42,570 --> 00:20:47,550 養源寺の墓地と篠崎家の裏庭で おもしろいもとを発見しましたよ。 197 00:20:47,550 --> 00:20:50,210 なんだと思います? 198 00:21:09,560 --> 00:21:13,760 インド人は このちょっと考えると ひじょうに遠いという 199 00:21:13,760 --> 00:21:16,990 人間の思いちがいを利用したのですよ。 200 00:21:16,990 --> 00:21:22,620 墓地の中で消えうせたときには この地下道から篠崎家へ逃げこみ 201 00:21:22,620 --> 00:21:27,800 篠崎家の宝石をぬすんだときには やっぱり この道を通って 202 00:21:27,800 --> 00:21:30,800 養源寺のほうへ ぬけてしまったのです。 203 00:21:30,800 --> 00:21:33,450 しかし 宝石をぬすむだけのために 204 00:21:33,450 --> 00:21:36,610 どうして そんな手数のかかる しかけをしたんでしょうね。 205 00:21:36,610 --> 00:21:40,110 そうです。むだな手数をかけているのです 206 00:21:40,110 --> 00:21:45,560 しかし ほかに もっともっと大きな むだがあるのですよ。 207 00:21:45,560 --> 00:21:47,230 といいますと? 208 00:21:56,020 --> 00:21:58,500 それから 209 00:22:03,770 --> 00:22:07,700 なんのために そんなむだなことを やってみせたのでしょう。 210 00:22:07,700 --> 00:22:09,730 あなたは どうお考えになります? 211 00:22:09,730 --> 00:22:14,020 さあ?わたしには わかりませんねえ。 212 00:22:17,020 --> 00:22:20,450 じゃ ぼくの考えを申しましょう。 213 00:22:24,100 --> 00:22:27,770 「わたしは こんなまっ黒ですよ。 214 00:22:27,770 --> 00:22:32,490 わたしは 篠崎家のお嬢ちゃんを さらおうとしていますよ」と 215 00:22:38,900 --> 00:22:42,220 そして 篠崎さんが「さては インド人が 216 00:22:42,220 --> 00:22:44,930 のろいの宝石を 取りもどしに やってきたんだな」と 217 00:22:44,930 --> 00:22:48,220 信じこむように しむけたのです。 218 00:22:48,220 --> 00:22:52,970 なぜ そんな ばかばかしい広告をしたのでしょう。 219 00:23:02,500 --> 00:23:04,670 この事件の犯人は 220 00:23:04,670 --> 00:23:09,070 彼が見せかけようとしたり 広告したりしたのとは 221 00:23:09,070 --> 00:23:12,830 まるで反対なものではないか ということです。 222 00:23:12,830 --> 00:23:21,200 つまり 犯人はインド人ではなくて 日本人であった。 223 00:23:21,200 --> 00:23:24,020 でも たしかに インド人がいたじゃありませんか。 224 00:23:24,020 --> 00:23:27,520 ハハハハハ 春木さん 225 00:23:27,520 --> 00:23:31,680 それがみんな うそだったとしたら どうでしょう。 226 00:23:34,540 --> 00:23:36,540 説明してください。 227 00:23:36,540 --> 00:23:40,430 自動車の中で ふたりが とつぜん黒ん坊にかわったのは 228 00:23:40,430 --> 00:23:42,720 かんたんな方法です。 229 00:23:42,720 --> 00:23:47,040 車が走っているあいだに うしろの客席から見えないように 230 00:23:47,040 --> 00:23:53,170 ソッと うつむいて 絵の具で 顔と手を まっ黒に染めたのです。 231 00:23:53,170 --> 00:24:00,300 で 今井という秘書が 同時に 二か所にあらわれた なぞは? 232 00:24:00,300 --> 00:24:05,740 たいへん気がかりとみえますね。 ハハハハハ。 233 00:24:06,830 --> 00:24:08,970 それは 234 00:24:23,090 --> 00:24:28,740 でも たったひとりだけ その不可能なことのできる人物があります。 235 00:24:30,090 --> 00:24:32,500 それは? 二十面相です。 おい 二十面相 236 00:24:32,500 --> 00:24:34,760 しばらくだったなあ。 237 00:24:34,760 --> 00:24:37,760 しばらっくれたって もう だめだよ。 238 00:24:37,760 --> 00:24:41,410 ぼくは今しがた 刑務所へ行って しらべてきたんだ。 239 00:24:41,410 --> 00:24:43,560 そして あそこにいるのが 240 00:24:43,560 --> 00:24:46,560 にせ者の二十面相だということが わかったのだ。 241 00:24:46,560 --> 00:24:50,840 きみときみのコックとが 今井君と運転手に化けたうえ 242 00:24:50,840 --> 00:24:56,160 子どもたちをだますために ふたりのインド人になって 243 00:24:56,160 --> 00:25:01,060 そして そのインド人が きみとコックにもどればよかったのだから 244 00:25:01,060 --> 00:25:04,060 いくら見はっていても インド人も逃げださなければ 245 00:25:04,060 --> 00:25:08,370 きみも外から はいってはこなかった というわけさ。 246 00:25:08,370 --> 00:25:47,370 ♪~ 247 00:25:51,460 --> 00:25:56,240 ワハハハハハ!えらい! きみは さすが明智小五郎だよ。 248 00:25:56,240 --> 00:25:58,400 よくそこまで考えたねえ。 249 00:25:58,400 --> 00:26:03,980 いかにも おれは 二十面相だよ。 250 00:26:03,980 --> 00:26:08,250 おれはね 篠崎氏があるところで 宝石の いんねん話をしているのを 251 00:26:08,250 --> 00:26:10,190 すっかり聞いてしまったんだよ。 252 00:26:10,190 --> 00:26:13,190 そして むやみに あの宝石がほしくなったのさ。 253 00:26:13,190 --> 00:26:17,150 そこで宝石を手に入れたうえ 世間をアッといわせてやろうと 254 00:26:17,150 --> 00:26:19,710 あの大芝居を思いついたのだよ。 255 00:26:19,710 --> 00:26:25,690 インド人が犯人だとすれば まさか二十面相をうたがうやつはないからね。 256 00:26:25,690 --> 00:26:28,180 ところで きみは おれをどうしようというのだね。 257 00:26:28,180 --> 00:26:31,920 たったひとりで 二十面相の本拠へ とびこんでくるなんて 258 00:26:31,920 --> 00:26:33,070 少し無謀だったねえ。 259 00:26:33,070 --> 00:26:36,680 先生! 260 00:26:38,860 --> 00:26:43,210 おい 二十面相 ちょっとうしろを向いてごらん。 261 00:26:43,210 --> 00:26:47,400 この家のまわりは 五十人の警官が とりかこんでいるんだよ。 262 00:26:47,400 --> 00:26:49,720 ちくしょうめ! やりゃあがったな。 263 00:26:52,010 --> 00:26:56,800 ところがねえ たった一つきみたちの 手のとどかない場所があるんだよ。 264 00:26:56,800 --> 00:27:00,090 これが おれの最後の切り札さ! 265 00:27:00,090 --> 00:27:02,540 何ですか? えっ? 266 00:27:05,540 --> 00:27:12,030 おい ここだ!昇天しているんだぜ。 悪魔の昇天さ。 267 00:27:12,030 --> 00:27:15,260 ハハハハハ! 268 00:27:32,350 --> 00:27:35,860 こりゃなんだ。 人形じゃないか。 269 00:27:35,860 --> 00:27:37,970 人形が風船に乗って とんでいたのか。 270 00:27:37,970 --> 00:27:40,400 ああ なんのいうことでしょう。 271 00:27:40,400 --> 00:27:42,360 せっかく とらえた賊は 272 00:27:42,360 --> 00:27:47,020 血のかよった人間ではなくて 人形だったのです。 273 00:27:47,020 --> 00:27:50,300 おや なんだか手紙のようなものが。 ああ。 274 00:28:23,820 --> 00:28:28,220 二十面相は まえもって こうなることを見こして 275 00:28:28,220 --> 00:28:33,010 この手紙を書き 人形にもたせておいたのです。 276 00:28:33,010 --> 00:28:56,960 ♪~