1 00:01:27,522 --> 00:01:28,389 2 00:01:28,389 --> 00:01:42,403 ♬~ 3 00:01:42,403 --> 00:01:56,403 ♬~ 4 00:01:59,387 --> 00:02:08,396 ♬~ 5 00:02:08,396 --> 00:02:12,400 (千代の母)<戦国時代と 申しますのは 日本国じゅう➡ 6 00:02:12,400 --> 00:02:18,406 至る所で 合戦ばかり していた時代のことでございます> 7 00:02:18,406 --> 00:02:23,411 <けれど いつの世でも 男と女は巡り会い➡ 8 00:02:23,411 --> 00:02:28,349 小さな かわいい愛の花を 咲かせるもの> 9 00:02:28,349 --> 00:02:34,355 <私の娘 千代も そうした ひとりでございました> 10 00:02:34,355 --> 00:02:46,367 ♬~ 11 00:02:46,367 --> 00:02:58,379 ♬~ 12 00:02:58,379 --> 00:03:01,382 (市之丞)((行くのか…)) 13 00:03:01,382 --> 00:03:04,385 (市之丞) ((千代は とうとう嫁に行くのか)) 14 00:03:04,385 --> 00:03:08,389 ((先方の山内家は ひどく貧乏だというではないか)) 15 00:03:08,389 --> 00:03:11,392 ((父親の代には栄えたというが➡ 16 00:03:11,392 --> 00:03:15,396 今は織田家で 僅か50石の身分だと申す)) 17 00:03:15,396 --> 00:03:19,400 (市之丞) ((何不自由なく育ってきた千代が 18 00:03:19,400 --> 00:03:23,404 果たして それに辛抱できるかどうか)) 19 00:03:23,404 --> 00:03:27,341 ((おぬし 母親として 気がかりではないのか?)) 20 00:03:27,341 --> 00:03:32,346 (千代の母)((義兄上さま ご心配には及びません)) 21 00:03:32,346 --> 00:03:37,351 ((貧しい家のほうが 末に楽しみが あるというものでございます)) 22 00:03:37,351 --> 00:03:42,356 ((それに しっかり者の この… 芳野がついてまいりますから)) 23 00:03:42,356 --> 00:03:45,359 (芳野)((ええ ええ 私がついてまいらねば➡ 24 00:03:45,359 --> 00:03:47,361 どういうことになるか)) 25 00:03:47,361 --> 00:03:51,365 ((お小さいときから 賢くて お美しくて…)) 26 00:03:51,365 --> 00:03:55,369 ((どこへ出しても 恥ずかしくないお嬢さまを➡ 27 00:03:55,369 --> 00:03:58,372 よくも まあ 「ぼろぼろ伊右衛門」などと➡ 28 00:03:58,372 --> 00:04:03,377 噂されるようなお方の所へ… ええ ついてまいりますで)) 29 00:04:03,377 --> 00:04:07,381 ((それにしてもだな 美濃三人衆の一軒に数えられる➡ 30 00:04:07,381 --> 00:04:10,384 この不破家から嫁に出す以上➡ 31 00:04:10,384 --> 00:04:14,384 もっと こう立派な道具を そろえてやりたいのじゃ)) 32 00:04:16,390 --> 00:04:22,396 (千代)((黄金10枚… これを伯父さまが?)) 33 00:04:22,396 --> 00:04:25,333 ((私も びっくりしました)) 34 00:04:25,333 --> 00:04:32,340 ((これだけあれば 立派なお屋敷が 2~3軒 求められますもの)) 35 00:04:32,340 --> 00:04:37,345 ((随分 思い切ったことを なされたものです)) 36 00:04:37,345 --> 00:04:40,348 ((でも 言っときますが➡ 37 00:04:40,348 --> 00:04:44,352 このお金には 決して 手をつけてはいけませんよ)) 38 00:04:44,352 --> 00:04:49,357 ((これは 伯父上さまのお気持ち)) 39 00:04:49,357 --> 00:05:00,368 ♬~ 40 00:05:00,368 --> 00:05:11,379 ♬~ 41 00:05:11,379 --> 00:05:16,384 ((このお金は こうして この中に入れておきます)) 42 00:05:16,384 --> 00:05:20,388 ((嫁入り道具の目録にも 含めません)) 43 00:05:20,388 --> 00:05:25,326 ((これは そなたの隠し金にするのです)) 44 00:05:25,326 --> 00:05:29,330 ((無論 夫の一豊さまにも内緒)) 45 00:05:29,330 --> 00:05:36,337 ((使うのは 一豊さまの 一大事と思うときだけ)) 46 00:05:36,337 --> 00:05:41,342 <頃は 永禄10年9月半ば> 47 00:05:41,342 --> 00:05:46,347 <…と言っても 今の方たちには お分かりになりますまい> 48 00:05:46,347 --> 00:05:50,351 <織田信長さまが ようやく頭角を現し➡ 49 00:05:50,351 --> 00:05:52,353 天下統一に向けて➡ 50 00:05:52,353 --> 00:05:56,357 その1歩を踏み出されたころの ことでございます> 51 00:05:56,357 --> 00:06:01,362 <山内伊右衛門一豊さまと 申されるお方は➡ 52 00:06:01,362 --> 00:06:04,365 かつては 岩倉織田氏の➡ 53 00:06:04,365 --> 00:06:07,368 家老職の家の お坊っちゃまでございましたが 54 00:06:07,368 --> 00:06:13,374 14歳のときに織田家同士の 内紛で 父君が討ち死に> 55 00:06:13,374 --> 00:06:19,380 <以来 この2人の郎党と共に 流浪の暮らしを重ねたあげく➡ 56 00:06:19,380 --> 00:06:24,318 ようやく 信長公によって 統一された今の織田家に➡ 57 00:06:24,318 --> 00:06:26,320 拾われたお方でございます> 58 00:06:26,320 --> 00:06:33,327 <いわば 娘の千代とは 似たような 運命のお方なのでございました> 59 00:06:33,327 --> 00:06:37,331 (吉兵衛) 花嫁さまがこちら 花婿がこちら 60 00:06:37,331 --> 00:06:41,335 すると ここは大野さまか (新右衛門)大野さまより➡ 61 00:06:41,335 --> 00:06:44,338 橋本さまのほうが先だろう 長幼の序と申すからな 62 00:06:44,338 --> 00:06:50,344 (一豊) ハハハハッ… きれいになったな まるで 大身のお屋敷のようだ 63 00:06:50,344 --> 00:06:54,348 ちと 贅沢すぎはせぬか? 64 00:06:54,348 --> 00:06:58,352 この家にしても そうだ 初めて見たときは驚いた 65 00:06:58,352 --> 00:07:01,355 どう見ても 俺の分際では大きすぎる 66 00:07:01,355 --> 00:07:03,357 なあ そうだろう? 67 00:07:03,357 --> 00:07:07,361 (新右衛門)か~っ… ご小心な… 68 00:07:07,361 --> 00:07:09,363 今に出世あそばします 69 00:07:09,363 --> 00:07:13,367 これしきの屋敷 来年には 狭くなるかもしれませんぞ 70 00:07:13,367 --> 00:07:18,372 そうかなぁ… 「そうかなぁ」ではござりません! 71 00:07:18,372 --> 00:07:24,311 第一 この格好は何でござる! 今宵 花嫁を迎えられるというのに 72 00:07:24,311 --> 00:07:28,315 こんな すすだらけのぼろぼろでは 嫌われてしまいますぞ! 73 00:07:28,315 --> 00:07:35,322 さあさあ 早よう顔を洗って 手も洗って 衣服を着替えられよ! 74 00:07:35,322 --> 00:07:41,322 嫁か… いよいよ 俺にも嫁が来るか 75 00:07:43,330 --> 00:07:48,335 なあ 千代どのとは どういう娘御だ? 76 00:07:48,335 --> 00:07:51,338 美濃では 評判の美人にござりまするぞ 77 00:07:51,338 --> 00:07:54,341 それに賢く 明るく… 78 00:07:54,341 --> 00:08:00,347 まずは ご家中 第一の 嫁御寮人にござりましょう 79 00:08:00,347 --> 00:08:02,349 そうか 80 00:08:02,349 --> 00:08:09,356 ♬~ 81 00:08:09,356 --> 00:08:12,356 ≪(新右衛門)お着き~! 82 00:08:15,362 --> 00:08:17,362 フゥ… 83 00:08:23,370 --> 00:08:36,317 ♬~ 84 00:08:36,317 --> 00:08:43,324 ♪(市之丞)高砂や 85 00:08:43,324 --> 00:08:52,333 ♪ この浦舟に 帆を上げて 86 00:08:52,333 --> 00:09:02,343 ♪ 月もろともに 出汐の 87 00:09:02,343 --> 00:09:11,352 ♪ 波の淡路の島影や 88 00:09:11,352 --> 00:09:20,361 ♪ 遠く鳴尾の沖過ぎて 89 00:09:20,361 --> 00:09:28,302 ♪ はやすみのえに 90 00:09:28,302 --> 00:09:33,307 ♪ 着きにけり 91 00:09:33,307 --> 00:09:53,327 ♬~ 92 00:09:53,327 --> 00:10:06,340 ♬~ 93 00:10:06,340 --> 00:10:12,346 (市之丞)ハァ~ッ… 娘ではないが 嫁にやるのは つらいものじゃ 94 00:10:12,346 --> 00:10:15,346 ああ… フフフフッ… 95 00:10:17,351 --> 00:10:21,355 どうも ありがとうございます これからも よろしく 96 00:10:21,355 --> 00:10:30,297 ♬~ 97 00:10:30,297 --> 00:10:32,299 (男性)美しい花嫁御じゃ 98 00:10:32,299 --> 00:10:35,302 (男性)ハァ~ッ… どうじゃ? 嫁御どのも一献 99 00:10:35,302 --> 00:10:39,306 さあさあ さあさあ ンッ… ほれほれ 100 00:10:39,306 --> 00:10:48,315 ♬~ 101 00:10:48,315 --> 00:10:51,318 <早く見たいと おっしゃっていたくせに➡ 102 00:10:51,318 --> 00:10:54,321 一豊さまは 式の間じゅう 一度も 103 00:10:54,321 --> 00:10:59,326 まともには 千代の顔を ご覧になりませんでした> 104 00:10:59,326 --> 00:11:04,331 <初めてご覧になったのは 人々が引き上げて➡ 105 00:11:04,331 --> 00:11:09,331 ようやく 2人きりに なったときのことでございます> 106 00:11:13,340 --> 00:11:19,346 旦那さま ふつつか者ではございまするが… 107 00:11:19,346 --> 00:11:24,351 末永う よろしゅうお願い申し上げまする 108 00:11:24,351 --> 00:11:27,351 私こそ よろしゅう 109 00:11:31,358 --> 00:11:35,362 《なるほど 評判の美人だ》 110 00:11:35,362 --> 00:11:40,362 《少し大柄なのが気になるが 性格も かわいい女らしい》 111 00:11:42,369 --> 00:11:45,372 《お優しそうなのが ちょっと不満》 112 00:11:45,372 --> 00:11:48,375 《これで戦ができるのかしら?》 113 00:11:48,375 --> 00:11:54,381 《でも 目がいいな 考え深そうで 気品があって》 114 00:11:54,381 --> 00:11:57,384 《槍働きの兵士よりも➡ 115 00:11:57,384 --> 00:12:00,387 一軍の将に向いて いらっしゃるのかもしれない》 116 00:12:00,387 --> 00:12:03,390 (せきばらい) 117 00:12:03,390 --> 00:12:07,390 一豊さま 何だ? 118 00:12:09,396 --> 00:12:11,396 何でも話してごらん 119 00:12:13,400 --> 00:12:18,405 一豊さまは 男として ご自分のご生涯を➡ 120 00:12:18,405 --> 00:12:21,408 どのようになればよいと 望んでいらっしゃいますか? 121 00:12:21,408 --> 00:12:26,346 そうだな… 新参早々の身の上だから➡ 122 00:12:26,346 --> 00:12:30,350 1日も早よう織田家の家風に なじみたいことと… 123 00:12:30,350 --> 00:12:35,355 合戦で手柄を立てることじゃ それだけ? 124 00:12:35,355 --> 00:12:40,360 いや… そりゃ 武士と生まれた以上は➡ 125 00:12:40,360 --> 00:12:44,364 一国一城の主に なってみたいものだが… 126 00:12:44,364 --> 00:12:49,369 一豊さまは なれます えっ? 127 00:12:49,369 --> 00:12:52,372 なれるのか? 私が 128 00:12:52,372 --> 00:12:59,379 ええ お顔を見て お心を見て… きっと 一国一城の主に➡ 129 00:12:59,379 --> 00:13:03,383 おなりあそばすお方だと 思いました 千代が? 130 00:13:03,383 --> 00:13:06,386 <お上手 お上手 嘘も方便> 131 00:13:06,386 --> 00:13:09,389 <才気のある男の方を伸ばすには➡ 132 00:13:09,389 --> 00:13:13,389 うぬぼれを持たせて 自信をつけることです> 133 00:13:15,395 --> 00:13:20,400 なれるのかな? 本当に なれますとも 134 00:13:20,400 --> 00:13:24,338 及ばずながら 山内伊右衛門一豊さまが➡ 135 00:13:24,338 --> 00:13:29,343 一国一城の主になられるまで 千代が懸命に お助けいたします 136 00:13:29,343 --> 00:13:34,348 その誓いを この夜 立てたかったのでございます 137 00:13:34,348 --> 00:13:36,350 千代… 138 00:13:36,350 --> 00:13:39,353 <けれども 一豊さまは➡ 139 00:13:39,353 --> 00:13:44,358 まさか このかわいい女に 生涯 引きずり回されようとは➡ 140 00:13:44,358 --> 00:13:47,358 思いもよらなかったことで ございましょう> 141 00:14:22,396 --> 00:14:25,332 <信じられないことでございますが 142 00:14:25,332 --> 00:14:28,335 この2人が ちゃんと夫婦になったのは➡ 143 00:14:28,335 --> 00:14:34,335 婚礼の夜から 15日目のことなのでございました> 144 00:14:40,380 --> 00:14:59,399 ♬~ 145 00:14:59,399 --> 00:15:12,412 ♬~ 146 00:15:12,412 --> 00:15:15,415 (たたく音) 147 00:15:15,415 --> 00:15:21,355 ♬~ 148 00:15:21,355 --> 00:15:25,359 いいもんだなぁ (吉兵衛)うむ… 149 00:15:25,359 --> 00:15:28,362 実に いいもんだ 150 00:15:28,362 --> 00:15:31,365 男3人きりのときと比べると➡ 151 00:15:31,365 --> 00:15:36,370 家が明るうなった 輝くようになった 152 00:15:36,370 --> 00:15:42,376 こんな奥方を迎えられるとは 旦那さまは なんと果報者よ 153 00:15:42,376 --> 00:15:45,379 よい星のもとに お生まれになったもんじゃ 154 00:15:45,379 --> 00:15:47,381 ≪(芳野)そのとおりやわ 155 00:15:47,381 --> 00:15:51,385 千代さまは三国一の嫁御寮 156 00:15:51,385 --> 00:15:56,390 それが こんなような家に まあ… 157 00:15:56,390 --> 00:16:01,395 そのことを忘れず 今後 一層の忠勤に励まなあかんでね 158 00:16:01,395 --> 00:16:06,395 はっ… それは もう… (吉兵衛)言うまでもございません 159 00:16:09,403 --> 00:16:11,403 (商人) どうも ありがとうございます 160 00:16:16,410 --> 00:16:19,410 (商人)いかがですか? 新物ですよ 161 00:16:27,354 --> 00:16:32,359 どなたでございましょう? 木下藤吉郎さまでございます 162 00:16:32,359 --> 00:16:36,363 木下さま… あれが評判の? ええ 163 00:16:36,363 --> 00:16:39,366 信長さまの草履取りから のし上がったお方 164 00:16:39,366 --> 00:16:41,368 この度 一軍の将に➡ 165 00:16:41,368 --> 00:16:44,368 抜擢されたばかりだそうに ござりまする 166 00:16:50,377 --> 00:16:55,377 (藤吉郎) やっ! これは山内伊右衛門どのの ご内儀でござるか? 167 00:16:58,385 --> 00:17:02,389 いやぁ 伊右衛門どのの近江でのお働き 168 00:17:02,389 --> 00:17:05,392 遠目で拝見しておりましたが 見事なものでござったぞ! 169 00:17:05,392 --> 00:17:10,397 よしなにお伝えくだされ はい ありがとうござります 170 00:17:10,397 --> 00:17:12,397 (藤吉郎)御免 171 00:17:22,342 --> 00:17:24,342 (藤吉郎)フフフフッ… 172 00:17:47,367 --> 00:17:50,370 (ため息) 173 00:17:50,370 --> 00:17:52,370 千代 174 00:17:54,374 --> 00:17:57,377 どうすればよいのかなぁ? 175 00:17:57,377 --> 00:18:02,382 何がでございますか? うん? 176 00:18:02,382 --> 00:18:05,385 女子の そなたに話しても 分かるまいが 177 00:18:05,385 --> 00:18:08,388 織田家も このところ ずんと大きゅうなって 178 00:18:08,388 --> 00:18:11,391 新しい武将が 何人か任命された 179 00:18:11,391 --> 00:18:15,395 それに伴って 部隊が編成替えになるのだが 180 00:18:15,395 --> 00:18:18,395 誰の下に つけばよいのか… 181 00:18:20,400 --> 00:18:26,339 ハァ… 私は これまで 丹羽長秀さまの手下であったが 182 00:18:26,339 --> 00:18:30,343 木下さまは どうかと言われておる 183 00:18:30,343 --> 00:18:34,347 「猿」と あだ名されるお方で 門閥を誇る連中からは➡ 184 00:18:34,347 --> 00:18:38,351 成り上がり者といって ひどく馬鹿にされておる 185 00:18:38,351 --> 00:18:45,358 皆 嫌がって 手下に なり手がない だから 私に勧めるんだが… 186 00:18:45,358 --> 00:18:48,361 成り上がり者というのは➡ 187 00:18:48,361 --> 00:18:52,365 出世の早いお方と いうことでございますか? 188 00:18:52,365 --> 00:18:56,369 うむ… 確かに そういうことにはなるな 189 00:18:56,369 --> 00:18:59,372 フフッ… やっぱり 190 00:18:59,372 --> 00:19:05,378 私も 人とは違って 面白い方だと思いました 191 00:19:05,378 --> 00:19:10,383 木下どのを知っておるのか? ええ つい先ごろ 道端で… 192 00:19:10,383 --> 00:19:14,387 馬から下りて お声をかけてくださいました 193 00:19:14,387 --> 00:19:16,387 な… なに!? 194 00:19:19,392 --> 00:19:24,331 「伊右衛門さまの近江でのお働きが お見事でした」と… 195 00:19:24,331 --> 00:19:28,335 「そのように お伝えくだされ」と 196 00:19:28,335 --> 00:19:31,338 織田家の将兵は数万 197 00:19:31,338 --> 00:19:35,342 しかも 私は 木下どのとは 常に別手に属しておった 198 00:19:35,342 --> 00:19:39,346 そんな私を あのお方は 見ていてくださったのか 199 00:19:39,346 --> 00:19:41,348 私も びっくり 200 00:19:41,348 --> 00:19:46,353 だって 私の顔までを ちゃんと 覚えてらっしゃるんですもの 201 00:19:46,353 --> 00:19:51,353 偉くなるお方というのは やっぱり どこかが違うんですねえ 202 00:19:55,362 --> 00:20:02,369 <そうです 「是非 木下さまに」とは 決して言ってはなりません> 203 00:20:02,369 --> 00:20:07,374 <言えば出しゃばりだと思われるし 第一 「自分で考えた」という➡ 204 00:20:07,374 --> 00:20:12,379 夫の名誉を 奪うことになってしまいます> 205 00:20:12,379 --> 00:20:14,381 一豊さまは この度➡ 206 00:20:14,381 --> 00:20:18,385 木下藤吉郎さま配下に おつきになられます 207 00:20:18,385 --> 00:20:20,387 (新右衛門)えっ… 208 00:20:20,387 --> 00:20:24,324 (吉兵衛)誠でござりまするか? 209 00:20:24,324 --> 00:20:27,327 必ず そのようになります 210 00:20:27,327 --> 00:20:30,330 それについて あなたたちは どう思いますか? 211 00:20:30,330 --> 00:20:33,333 さて どう思うと申されても… 212 00:20:33,333 --> 00:20:37,337 いや 無論 寄らば大樹の陰… 213 00:20:37,337 --> 00:20:40,340 筆頭家老の柴田勝家さまか➡ 214 00:20:40,340 --> 00:20:45,345 それに次ぐ 丹羽長秀さまこそはと 思うておりましたが 215 00:20:45,345 --> 00:20:48,348 やつがれどもには分かりません 216 00:20:48,348 --> 00:20:52,352 では あなたたちからも こう申しておあげなさい 217 00:20:52,352 --> 00:20:57,357 「木下さまこそ頼るべき大将じゃと かねがね思うておりました」 218 00:20:57,357 --> 00:21:01,361 「よろしゅうございましたな」と… 219 00:21:01,361 --> 00:21:06,366 一豊さまのご奉公のお気持ちが 一段と勇み立つことでしょう 220 00:21:06,366 --> 00:21:10,370 なるほど! (新右衛門)承知つかまつった 221 00:21:10,370 --> 00:21:13,373 千代! 222 00:21:13,373 --> 00:21:18,373 千代! ハハハッ… 千代 千代! 223 00:21:22,382 --> 00:21:26,386 千代 喜べ 私は木下さまの与力に加わった 224 00:21:26,386 --> 00:21:29,389 まあ 木下さまの? ああ! 225 00:21:29,389 --> 00:21:35,395 私のほうから組頭さまに申し出て それが許されたのだ 226 00:21:35,395 --> 00:21:39,399 よろしゅうございましたね ああ 良かった! 千代 227 00:21:39,399 --> 00:21:44,404 <与力というのは 信長さま直属の家来でありながら 228 00:21:44,404 --> 00:21:46,406 ほかの武将の部下として➡ 229 00:21:46,406 --> 00:21:51,411 出向している者のことを いうのでございます> 230 00:21:51,411 --> 00:21:56,416 でも 木下さまには 多少 軽々しい所がおありです 231 00:21:56,416 --> 00:21:58,418 私の大事な旦那さまを➡ 232 00:21:58,418 --> 00:22:01,421 託せるお方で ございましょうかしら? 233 00:22:01,421 --> 00:22:06,426 あ~ もう 何を言うのだ だから 女子は駄目だというのだ 234 00:22:06,426 --> 00:22:08,428 名もなき兵士の妻に路上で出会い 235 00:22:08,428 --> 00:22:11,431 わざわざ 下馬して立ち話をするなど➡ 236 00:22:11,431 --> 00:22:15,435 常人のできることではない そなたから その話を聞いたとき➡ 237 00:22:15,435 --> 00:22:19,439 家中 人あれども 我が身上を託せるは➡ 238 00:22:19,439 --> 00:22:22,375 このお方をおいて ほかにないと 私は思うた 239 00:22:22,375 --> 00:22:27,380 フフッ… そうですか それは よろしゅうございました 240 00:22:27,380 --> 00:22:31,384 一豊さまのお見立てなら 間違いは ないところでございましょう 241 00:22:31,384 --> 00:22:36,389 ハハハハッ… いや 私ばかりではないぞ 242 00:22:36,389 --> 00:22:40,393 実を言うとな あの小うるさい 新右衛門と吉兵衛でさえ➡ 243 00:22:40,393 --> 00:22:43,396 私の選んだ目を褒めおった ハハッ… 244 00:22:43,396 --> 00:22:48,401 衆目の見るところは ひとつじゃ ハハハハッ… 245 00:22:48,401 --> 00:22:55,408 <やがて 一豊さまは 喜び勇んで 戦の庭に出ていかれました> 246 00:22:55,408 --> 00:23:00,408 (鬨の声) 247 00:23:16,429 --> 00:23:21,367 <このころの男の方のお仕事は 戦> 248 00:23:21,367 --> 00:23:24,370 <妻子を家に残して➡ 249 00:23:24,370 --> 00:23:30,376 いわば 単身赴任の地方出張の ようなものでございます> 250 00:23:30,376 --> 00:23:35,381 <ただひとつ 今と違うことは 命懸けの仕事> 251 00:23:35,381 --> 00:23:39,385 <旦那さまが 生きて帰るか 死んでしまうか➡ 252 00:23:39,385 --> 00:23:43,389 誰にも 分からぬことでございました> 253 00:23:43,389 --> 00:23:46,392 ヤーッ! 254 00:23:46,392 --> 00:23:48,392 (刺す音) アアーッ! 255 00:23:51,397 --> 00:23:55,397 千代! 千代! 千代! 256 00:23:57,403 --> 00:23:59,403 ヤーッ! (刺す音) 257 00:24:01,407 --> 00:24:03,409 (馬のいななき) 258 00:24:03,409 --> 00:24:05,411 アッ… 259 00:24:05,411 --> 00:24:15,421 ♬~ 260 00:24:15,421 --> 00:24:18,424 ヤーッ! 261 00:24:18,424 --> 00:24:23,363 《千代 守ってくれ 守ってくれ!》 262 00:24:23,363 --> 00:24:25,363 ウワッ! 263 00:24:31,371 --> 00:24:35,375 どうかなさいました? 不思議じゃ 風もないのに… 264 00:24:35,375 --> 00:24:38,375 下に落ちれば 首が落ちるところであった 265 00:24:40,380 --> 00:24:43,383 もしかして 一豊さまの身に何か… 266 00:24:43,383 --> 00:24:48,388 そやけど お受け止めに なったんですやろう? ええ 267 00:24:48,388 --> 00:24:53,388 それやったら ようございましたがね フフフッ… 268 00:24:55,395 --> 00:24:58,398 ウッ… ハァハァ… 269 00:24:58,398 --> 00:25:00,398 ウウッ… 270 00:25:04,404 --> 00:25:08,404 ウッ… ンンッ… 271 00:25:10,410 --> 00:25:12,410 ヤーッ! 272 00:25:15,415 --> 00:25:18,418 (武将) 木っ端雑兵め 死にに来たか! 273 00:25:18,418 --> 00:25:22,355 ヤーッ! 274 00:25:22,355 --> 00:25:24,357 ンッ! アアッ… 275 00:25:24,357 --> 00:25:26,359 (刀を抜こうとする音) 276 00:25:26,359 --> 00:25:29,362 ンンッ… 277 00:25:29,362 --> 00:25:34,367 《いかん… 負けそうだ 千代! 千代!》 278 00:25:34,367 --> 00:25:37,370 ((これが世に出る関門です)) 279 00:25:37,370 --> 00:25:41,370 ((一豊さまに耐えられぬと いうことがありますか)) 280 00:25:43,376 --> 00:25:46,379 (力み声) 281 00:25:46,379 --> 00:25:49,379 ンンッ… 282 00:25:52,385 --> 00:25:54,385 アッ… アアッ! 283 00:25:57,390 --> 00:25:59,390 (頭をぶつける音) ウッ! 284 00:26:02,395 --> 00:26:04,395 ンッ… 285 00:26:06,399 --> 00:26:09,402 (刺す音) ウッ! 286 00:26:09,402 --> 00:26:12,402 おのれ… 287 00:26:14,407 --> 00:26:16,407 ンン~ッ! 288 00:26:18,411 --> 00:26:20,413 ンッ! ウッ! 289 00:26:20,413 --> 00:26:23,349 ンン~ッ! 290 00:26:23,349 --> 00:26:27,353 (刺す音) 291 00:26:27,353 --> 00:26:32,353 旦那さま! ああっ! 旦那さ… 292 00:26:35,361 --> 00:26:37,363 (斬る音) 293 00:26:37,363 --> 00:26:40,366 (刺す音) ウワーッ! 294 00:26:40,366 --> 00:26:42,368 旦那さま! 旦那さま! 295 00:26:42,368 --> 00:26:45,371 首… 首! 296 00:26:45,371 --> 00:26:49,375 首を取れ 首を… かしこまって候 297 00:26:49,375 --> 00:26:54,380 <そうです 首を討たねば 手柄を立てたことにはなりません> 298 00:26:54,380 --> 00:26:57,383 抜け 抜いてよろしゅうござるか? 299 00:26:57,383 --> 00:27:03,383 抜かねば死ぬわい! では 抜きまするぞ! 300 00:27:05,391 --> 00:27:09,395 ンッ! ンンッ! ウウッ… 301 00:27:09,395 --> 00:27:12,398 どうした? 302 00:27:12,398 --> 00:27:15,401 ンッ… ハァ… 抜けませぬ 303 00:27:15,401 --> 00:27:21,340 俺の顔を… 足で踏まえて抜け 304 00:27:21,340 --> 00:27:24,343 かしこまった! 305 00:27:24,343 --> 00:27:30,349 <このとき 一豊さまのお顔を 踏みつけた五藤吉兵衛の草鞋は➡ 306 00:27:30,349 --> 00:27:35,354 五藤家の家宝として 今日まで伝わっております> 307 00:27:35,354 --> 00:27:39,354 抜けた… (笑い泣きの声) 308 00:27:43,362 --> 00:27:48,367 (奏者番)杉原七郎兵衛久利どのが 討ち取りし 土屋彦次郎重秀の首 309 00:27:48,367 --> 00:27:50,367 うむ… 310 00:27:53,372 --> 00:27:59,378 蜂須賀小六家政どのが討ち取りし 九戸三郎政実の首 311 00:27:59,378 --> 00:28:01,378 うむ… (奏者番)はっ… 312 00:28:09,388 --> 00:28:12,391 山内伊右衛門一豊どのが 討ち取りし➡ 313 00:28:12,391 --> 00:28:15,391 三須崎勘右衛門重盛の首 314 00:28:18,397 --> 00:28:22,335 (奏者番)この者 越前 朝倉 第一の精兵にして➡ 315 00:28:22,335 --> 00:28:25,338 しかも 朝倉の一門でござりまする 316 00:28:25,338 --> 00:28:28,338 おお! それほどの大将を! 317 00:28:32,345 --> 00:28:36,349 その深手は その折のものでござるか? 318 00:28:36,349 --> 00:28:38,351 御意 319 00:28:38,351 --> 00:28:43,351 おお… けなげなるお働き 養生されよ 320 00:28:45,358 --> 00:28:52,365 者ども! 山内一豊どのこそ 我が隊の戦神ぞ! 321 00:28:52,365 --> 00:28:56,369 (家臣たち)おう! (藤吉郎)ハハハハッ! 322 00:28:56,369 --> 00:28:59,369 ウッ… (新右衛門)旦那さま! 323 00:29:06,379 --> 00:29:09,382 <京の空也堂でございます> 324 00:29:09,382 --> 00:29:14,387 <織田軍3万の 臨時兵舎のひとつになっていた➡ 325 00:29:14,387 --> 00:29:20,387 その境内の片隅で 一豊さまは 傷の養生をなさいました> 326 00:29:22,328 --> 00:29:27,328 ≪(戸をたたく音) 327 00:29:29,335 --> 00:29:31,335 ≪(小りん)ごめんくださりませ 328 00:29:39,345 --> 00:29:43,345 誰じゃ? ≪(小りん)旅の者でございます 329 00:29:49,355 --> 00:29:53,359 (小りん)こちらは 空也念仏の道場でございますか? 330 00:29:53,359 --> 00:29:55,361 さよう 331 00:29:55,361 --> 00:29:58,364 では あの… お上人さまでいらっしゃいますか 332 00:29:58,364 --> 00:30:02,368 いや 違う 私は織田方の兵士だ 333 00:30:02,368 --> 00:30:04,370 織田さまの? 334 00:30:04,370 --> 00:30:10,376 いや 怖がることはない そこでは ぬれる 中へ入りなさい 335 00:30:10,376 --> 00:30:15,381 遠くから来られたのか? 大和の石上から 336 00:30:15,381 --> 00:30:18,317 大和… 何ゆえ? 337 00:30:18,317 --> 00:30:21,320 戦で両親を亡くして… 338 00:30:21,320 --> 00:30:25,324 この空也堂に 叔父がいると聞いて 捜しにまいったのでございます 339 00:30:25,324 --> 00:30:30,329 ああ… 不憫にな 名は何と申す? 340 00:30:30,329 --> 00:30:32,329 小りんと申します 341 00:30:34,333 --> 00:30:36,335 念仏道場の連中は➡ 342 00:30:36,335 --> 00:30:40,339 堀川三条のほうへ 引っ越したと聞いておる 343 00:30:40,339 --> 00:30:44,343 堀川三条? ここから遠うございますか? 344 00:30:44,343 --> 00:30:50,343 いや 私は 京には不案内でな 10町ほどもあろうか 345 00:30:53,352 --> 00:30:56,355 どうした? 346 00:30:56,355 --> 00:30:58,355 あの… 347 00:31:01,360 --> 00:31:05,364 刀傷に効くお薬でございます 348 00:31:05,364 --> 00:31:10,369 これを差し上げますから 今夜は泊めていただけませぬか? 349 00:31:10,369 --> 00:31:15,374 いや それはいかん 困る ここは男ばかりの武者小屋だ 350 00:31:15,374 --> 00:31:17,376 ≪(吉兵衛)旦那さま 351 00:31:17,376 --> 00:31:21,380 泊めておやりなされ 何ほどのことがありましょう 352 00:31:21,380 --> 00:31:25,384 い… いや しかしな (新右衛門)この雨ですぞ 353 00:31:25,384 --> 00:31:29,388 それに 今から堀川の道場に 行っても 門は閉まってるでしょう 354 00:31:29,388 --> 00:31:33,392 (吉兵衛) さあさあ 娘御 おくつろぎなされ 355 00:31:33,392 --> 00:31:38,392 あっ 今 湯を沸かしてしんぜよう 吉兵衛… 吉兵衛 おい… 356 00:31:40,399 --> 00:31:42,401 さぞ寒かったであろうな 357 00:31:42,401 --> 00:31:45,404 この小袖は ぬれておる 上がって これに着替えなさい 358 00:31:45,404 --> 00:31:48,407 相すいません (新右衛門)うむ… 359 00:31:48,407 --> 00:31:52,411 あの… (新右衛門)ああ~… 360 00:31:52,411 --> 00:31:55,414 旦那さま ちょっと こっちを向いてくだされ 361 00:31:55,414 --> 00:31:57,416 吉兵衛も こちらを向け 362 00:31:57,416 --> 00:31:59,418 いいか? 首を ぴくりとも動かしてはならんぞ 363 00:31:59,418 --> 00:32:01,420 これでいいだろう? 駄目だ! 364 00:32:01,420 --> 00:32:13,420 ♬~ 365 00:32:15,434 --> 00:32:18,371 何だ? これは ああ もう そっちへ移せ そっちへ 366 00:32:18,371 --> 00:32:24,377 我らの間に敷き並べたら どうなることか分かりません! 367 00:32:24,377 --> 00:32:29,382 なあ 小りんどのよ 我らが旦那さまは➡ 368 00:32:29,382 --> 00:32:35,388 奥方をお迎えなさったときも 童のまんまのお体だったお人じゃ 369 00:32:35,388 --> 00:32:39,392 安心して おそばで休ませていただくがいい 370 00:32:39,392 --> 00:32:42,395 (新右衛門) では おやすみなされませ 371 00:32:42,395 --> 00:32:46,399 あっ… 馬鹿者! 372 00:32:46,399 --> 00:32:50,403 あの… 安心しておりまする 373 00:32:50,403 --> 00:32:52,405 うん… 374 00:32:52,405 --> 00:33:07,420 ♬~ 375 00:33:07,420 --> 00:33:10,423 <困ったことでございます> 376 00:33:10,423 --> 00:33:17,430 <戦という単身赴任に赴いてから 女っ気なしの数か月> 377 00:33:17,430 --> 00:33:20,366 <しかも 一豊さまは 千代によって➡ 378 00:33:20,366 --> 00:33:27,373 女というものに目覚めたばかりで ございましたから ハァ…> 379 00:33:27,373 --> 00:33:38,384 ♬~ 380 00:33:38,384 --> 00:33:48,394 ♬~ 381 00:33:48,394 --> 00:33:51,394 《いかん… 千代に悪い》 382 00:33:53,399 --> 00:33:55,399 ンンッ… 383 00:34:00,406 --> 00:34:04,410 《千代… 許せ!》 384 00:34:04,410 --> 00:34:18,357 ♬~ 385 00:34:18,357 --> 00:34:31,370 ♬~ 386 00:34:31,370 --> 00:34:37,376 <でも 不思議なことに この娘 そのまま この小屋に居ついて➡ 387 00:34:37,376 --> 00:34:41,380 2日も3日も 離れなかったのでございます> 388 00:34:41,380 --> 00:34:43,382 (あくび) 389 00:34:43,382 --> 00:34:45,382 ンンッ… 390 00:34:47,386 --> 00:34:49,386 ハァ… 391 00:34:51,390 --> 00:34:55,394 (新右衛門)あっ これは旦那さま おはようございます 392 00:34:55,394 --> 00:34:57,396 ああ… 393 00:34:57,396 --> 00:35:00,399 (吉兵衛)このごろ 随分と朝が ごゆっくりなようで 394 00:35:00,399 --> 00:35:05,404 よほど 寝心地がよろしいらしくて な… 何を言うか! 395 00:35:05,404 --> 00:35:07,406 (新右衛門) いやいやいや ご安心ください 396 00:35:07,406 --> 00:35:09,408 このことは 決して 奥方の耳には入れませぬ 397 00:35:09,408 --> 00:35:15,408 (吉兵衛)さよう 口が裂けてもな ハハハハッ… 398 00:35:33,365 --> 00:35:35,367 ≪(ほら貝の音) ≪(武士)陣触れじゃ! 399 00:35:35,367 --> 00:35:38,370 ≪ 出陣じゃ! ンンッ… 400 00:35:38,370 --> 00:35:41,373 ≪(ほら貝の音) 401 00:35:41,373 --> 00:35:44,376 待て! 待て! 402 00:35:44,376 --> 00:35:46,378 いよいよ 浅井 朝倉攻めでござるか? 403 00:35:46,378 --> 00:35:49,381 (武士)いや 合戦はない 信長公のご裁断じゃ 404 00:35:49,381 --> 00:35:52,384 岐阜へ帰陣いたす 岐阜へ? 405 00:35:52,384 --> 00:35:56,388 ただし このこと みだりに口外なさるな 406 00:35:56,388 --> 00:36:00,392 数日来 朝倉 浅井の間者が 多数 京に潜入している 407 00:36:00,392 --> 00:36:03,395 男ばかりとは限らぬ 女もだ 408 00:36:03,395 --> 00:36:07,399 歩き巫女 辻君 放下僧などに化けて➡ 409 00:36:07,399 --> 00:36:10,402 織田家のあらゆる階層に 接近しているらしい 410 00:36:10,402 --> 00:36:14,402 身元の分からぬ者には ご用心召されい! ハアッ! 411 00:36:18,344 --> 00:36:20,344 あっ… 412 00:36:23,349 --> 00:36:26,352 おう! おい! ハァハァハァ… 413 00:36:26,352 --> 00:36:29,355 小りんは… 小りんは どこだ? 414 00:36:29,355 --> 00:36:32,358 (新右衛門)陣触れと聞いた途端 いずこかへ消えうせましたが… 415 00:36:32,358 --> 00:36:36,362 あっ やっぱり… 416 00:36:36,362 --> 00:36:38,364 連れ戻せ! 旦那さま… 417 00:36:38,364 --> 00:36:41,367 旦那さまは見かけによらず 痴れたお人でござるのぅ 418 00:36:41,367 --> 00:36:44,370 今更 女子を追いかけて どうなさるおつもりじゃ? 419 00:36:44,370 --> 00:36:50,370 馬鹿者! あれは浅井の間者だ! 420 00:37:00,386 --> 00:37:02,388 小りんです 421 00:37:02,388 --> 00:37:05,388 (六平太)ご苦労であった 422 00:37:11,397 --> 00:37:15,401 いよいよ 動きだしたようだな 423 00:37:15,401 --> 00:37:18,337 (小りん)岐阜へ戻るという噂も 流れておりますが 424 00:37:18,337 --> 00:37:22,341 いや 油断はならぬ 425 00:37:22,341 --> 00:37:27,346 岐阜へ帰るには どのみち 浅井の領地を通過する 426 00:37:27,346 --> 00:37:33,352 信長のことだ その際に どう出るか予測がつかぬ 427 00:37:33,352 --> 00:37:38,352 こののちも その人数 陣容 士気を見定めねばなるまい 428 00:37:40,359 --> 00:37:42,361 おぬしが近づいた男は➡ 429 00:37:42,361 --> 00:37:46,365 木下藤吉郎 与力 山内伊右衛門と申したな 430 00:37:46,365 --> 00:37:50,369 そうです (六平太)どういう男だ? 431 00:37:50,369 --> 00:37:54,373 フフッ… さあ? どうと言って… 432 00:37:54,373 --> 00:37:58,377 力が強くもないし 才走ってるふうでもないし 433 00:37:58,377 --> 00:38:01,380 ただ お人柄に気品があって➡ 434 00:38:01,380 --> 00:38:04,383 それに ご家来衆のお2人が とってもいい感じ 435 00:38:04,383 --> 00:38:10,383 フフッ… そういう男が出世をするものだ 436 00:38:14,393 --> 00:38:17,396 女とは恐ろしいものじゃ… 437 00:38:17,396 --> 00:38:20,332 よいか? このこと 決して人に言うな 438 00:38:20,332 --> 00:38:24,332 もし漏れれば 腹を切っても追っつかぬぞ! 439 00:38:26,338 --> 00:38:32,344 千代を裏切った罰じゃ… 千代に何と申したら よいかのぅ? 440 00:38:32,344 --> 00:38:35,347 とんでもない 何も言うてはなりませぬぞ 441 00:38:35,347 --> 00:38:38,350 さよう 口が裂けても… 442 00:38:38,350 --> 00:38:44,356 <この戦のお手柄で 一豊さまは 200石にご加増となりました> 443 00:38:44,356 --> 00:38:50,362 <本来ならば 喜び勇んでご帰還と なるべきところでございますが…> 444 00:38:50,362 --> 00:38:57,369 <身から出た錆 ちと いい気味でござります> 445 00:38:57,369 --> 00:38:59,371 吉兵衛 はっ… 446 00:38:59,371 --> 00:39:01,373 この馬 だんだん痩せてくるようだな 447 00:39:01,373 --> 00:39:07,379 さよう もはや 馬屋で余生を 送るべき齢でございましょう 448 00:39:07,379 --> 00:39:12,384 戦場の働きは馬じゃ いい馬 買いたいもんだ 449 00:39:12,384 --> 00:39:14,386 (新右衛門)旦那さま 今度 ご加増になった分で➡ 450 00:39:14,386 --> 00:39:17,389 金を借りれば そこそこの馬が 手に入るのではございませぬか? 451 00:39:17,389 --> 00:39:19,324 あ~ 無理じゃ 452 00:39:19,324 --> 00:39:24,329 加増されれば それだけの人数を 召し抱えねばならん 453 00:39:24,329 --> 00:39:27,329 貧乏とは つらいもんじゃのぅ 454 00:39:30,335 --> 00:39:32,337 おかえりなさいませ 455 00:39:32,337 --> 00:39:37,342 千代か… 今帰った 456 00:39:37,342 --> 00:39:42,342 ♬~ 457 00:39:59,364 --> 00:40:02,367 な… 何だ? 458 00:40:02,367 --> 00:40:08,373 大きゅうございますこと… ご城下の噂で聞いておりましたが 459 00:40:08,373 --> 00:40:11,376 ほんの かすり傷と承っておりましたのに 460 00:40:11,376 --> 00:40:15,380 ああ… この傷か? 461 00:40:15,380 --> 00:40:19,318 ハハハハッ… 一躍 200石に加増された傷だ 462 00:40:19,318 --> 00:40:22,321 のみのような矢じりが頬を貫き 463 00:40:22,321 --> 00:40:26,325 口の中を突き通って こっちの歯の根元に突き刺さった 464 00:40:26,325 --> 00:40:32,325 吉兵衛めが 俺の顔を踏みつけて やっと引き抜いたほどの傷だ うん 465 00:40:34,333 --> 00:40:37,336 どうした? お… いいえ 466 00:40:37,336 --> 00:40:42,341 そのお傷で 一段と男ぶりが 上がられたと思いましただけ 467 00:40:42,341 --> 00:40:45,344 ヘヘッ… それほどか 468 00:40:45,344 --> 00:40:50,344 なんなら お鏡を… うん? ああ… 469 00:40:56,355 --> 00:41:00,359 なるほど 強そうには見えるな 470 00:41:00,359 --> 00:41:04,363 きっと ご開運のお傷でしょう 471 00:41:04,363 --> 00:41:07,366 男の方は 戦の庭に出れば➡ 472 00:41:07,366 --> 00:41:10,369 どのようなことが起こるか 分かりません 473 00:41:10,369 --> 00:41:14,373 ご無事で 生きてお帰りになることだけが➡ 474 00:41:14,373 --> 00:41:18,377 この千代への 何よりのご褒美 475 00:41:18,377 --> 00:41:21,380 あとのことは 何の気遣いも要りません 476 00:41:21,380 --> 00:41:26,385 そうか あとの気遣いは要らぬか ええ 何にも 477 00:41:26,385 --> 00:41:31,390 そうか そうか そう思うてくれるか 478 00:41:31,390 --> 00:41:35,394 とにかく 旦那さま 479 00:41:35,394 --> 00:41:40,399 ご加増 おめでとうございます あっ いやいや… 480 00:41:40,399 --> 00:41:45,404 千里を行く者は これしきの加増に喜んではならん 481 00:41:45,404 --> 00:41:49,408 よいお言葉 482 00:41:49,408 --> 00:41:55,414 <「その気持ち忘れるな」とは 決して言ってはなりません> 483 00:41:55,414 --> 00:41:58,417 <男の人に 指図めいたことを言うと➡ 484 00:41:58,417 --> 00:42:04,423 かえって つむじを曲げて 逆効果になるものです> 485 00:42:04,423 --> 00:42:08,427 しかしな 千代 200石ともなれば➡ 486 00:42:08,427 --> 00:42:11,430 あと6~7人は 新規に郎党を召し抱えねばならん 487 00:42:11,430 --> 00:42:17,436 …とはいっても 新知の知行ゆえ 年貢も まだ入ってはおらん 488 00:42:17,436 --> 00:42:22,374 当分の間は これまでの蓄えで やっていかねばならぬが… 489 00:42:22,374 --> 00:42:24,376 大丈夫か 490 00:42:24,376 --> 00:42:28,380 ええ なんとかなりましょう 491 00:42:28,380 --> 00:42:30,382 何を のんきなことを言っておるのだ 492 00:42:30,382 --> 00:42:34,386 人は毎日 米を食う 衣類も要る 武具も買ってやらねばならん 493 00:42:34,386 --> 00:42:38,390 それに 住まいのこともある この家も建て増しせねばならん 494 00:42:38,390 --> 00:42:42,394 そんな蓄えが どこにある? 495 00:42:42,394 --> 00:42:46,398 私どもが粗末な物を着て 粗末な物を食べて 496 00:42:46,398 --> 00:42:49,401 それでも足りなければ 小袖を売ります 497 00:42:49,401 --> 00:42:53,405 馬鹿 そんなことで いつまでも やっていけると思うのか? 498 00:42:53,405 --> 00:42:56,408 フフッ… 千代は のんき育ちでございますから 499 00:42:56,408 --> 00:43:00,412 さきざきのことは 陽気に考えております 500 00:43:00,412 --> 00:43:03,415 次の戦で またお手柄をお立てくだされば➡ 501 00:43:03,415 --> 00:43:06,418 6人どころか 10人ぐらいは軽く養えます 502 00:43:06,418 --> 00:43:11,423 ハァ… 手柄を立てるためには 武運というものが要る 503 00:43:11,423 --> 00:43:16,428 一豊さまは 生まれつき ご武運に 恵まれていらっしゃいます 504 00:43:16,428 --> 00:43:19,364 私は そう信じております ハハハッ… 505 00:43:19,364 --> 00:43:23,364 母どのが のんきだと つい こっちまで苦労を忘れるわ 506 00:43:25,370 --> 00:43:30,375 ハァ~ッ… 千代 久々にお前も飲め 507 00:43:30,375 --> 00:43:33,378 あっ うれしい いただきます 508 00:43:33,378 --> 00:43:38,383 <妻が陽気でなければ 夫は十分な働きはできません> 509 00:43:38,383 --> 00:43:40,385 <同じ小言を言うときでも➡ 510 00:43:40,385 --> 00:43:45,390 陰気な口から言えば 夫は 心が萎えてしまい➡ 511 00:43:45,390 --> 00:43:50,395 陽気な心で言えば かえって鼓舞されるもの> 512 00:43:50,395 --> 00:43:53,398 <陽気な心になる秘訣は➡ 513 00:43:53,398 --> 00:43:58,403 「明日は きっとよくなる」と 思い込んで暮らすことです> 514 00:43:58,403 --> 00:44:03,408 ♬~ 515 00:44:03,408 --> 00:44:09,414 千代 私は幸せ者だ 516 00:44:09,414 --> 00:44:15,414 お前のような母どのをもろうて 天下一の幸せ者だ 517 00:44:19,357 --> 00:44:23,361 決して お前を裏切らぬ 518 00:44:23,361 --> 00:44:28,366 お前を 悲しませるようなことはせぬ 519 00:44:28,366 --> 00:44:30,366 千代 520 00:44:34,372 --> 00:44:36,374 よい子を産め 521 00:44:36,374 --> 00:44:41,379 ♬~ 522 00:44:41,379 --> 00:44:44,382 <山内一豊さま> 523 00:44:44,382 --> 00:44:51,382 <このとき 僅か50石の身代から 一躍 200石に> 524 00:44:56,394 --> 00:45:16,414 ♬~ 525 00:45:16,414 --> 00:45:36,368 ♬~ 526 00:45:36,368 --> 00:45:56,388 ♬~ 527 00:45:56,388 --> 00:46:16,408 ♬~ 528 00:46:16,408 --> 00:46:25,408 ♬~ 529 00:52:42,527 --> 00:52:43,394 530 00:52:43,394 --> 00:52:47,398 「時代劇専門チャンネル」の 全てが分かる番組情報誌 531 00:52:47,398 --> 00:52:49,398 『時代劇専門チャンネルガイド』 532 00:52:55,406 --> 00:52:57,408 番組表・コラム 533 00:52:57,408 --> 00:53:01,412 時代劇クロスワードなど読み応え十分! 534 00:53:01,412 --> 00:53:03,412 更に… 535 00:53:06,417 --> 00:53:08,417 いま お問い合わせ いただくと… 536 00:53:36,447 --> 00:53:38,449 そして もうひとつは ホームページ 537 00:53:38,449 --> 00:53:41,449 お申し込み お待ちしております