1 00:02:05,122 --> 00:02:09,126 <出羽の国 六郷藩士 松葉刑部> 2 00:02:09,126 --> 00:02:15,132 <忠誠を誓う主君に 愛する妻を殺され脱藩した> 3 00:02:15,132 --> 00:02:20,137 <流浪の果て江戸に着き 大道で 武芸を売る浪人と なり果てた> 4 00:02:20,137 --> 00:02:26,143 <しかし 刑部には もう一つ 裏の顔があった> 5 00:02:26,143 --> 00:02:38,143 ・~ 6 00:02:44,161 --> 00:02:50,161 ・(子供たちの歓声) 7 00:03:01,112 --> 00:03:04,115 (鳥の鳴き声) 8 00:03:04,115 --> 00:03:24,135 ・~ 9 00:03:24,135 --> 00:03:40,151 ・~ 10 00:03:40,151 --> 00:03:42,151 (浪人)うわっ 11 00:04:00,104 --> 00:04:20,124 ・~ 12 00:04:20,124 --> 00:04:36,140 ・~ 13 00:04:36,140 --> 00:04:38,142 (刑部)お六か 14 00:04:38,142 --> 00:04:43,147 (お六)また こんな所で 油 売って 糸の切れた たこみたいだ 15 00:04:43,147 --> 00:04:45,147 そうかい 16 00:04:47,151 --> 00:04:50,154 徳松のお頭が旦那に御用ですよ 17 00:04:50,154 --> 00:04:52,156 うん 18 00:04:52,156 --> 00:04:57,156 「うん」じゃないよ ほら 元気 出しなって 刑部の旦那 19 00:05:03,100 --> 00:05:12,109 (徳松)松葉刑部っていうよりも こりゃ 病葉刑部だね・ 20 00:05:12,109 --> 00:05:15,112 ほれ 21 00:05:15,112 --> 00:05:20,117 病葉か フフ うまいことを言う 22 00:05:20,117 --> 00:05:26,123 枝から落ちて流されて いずれは みなぞこに沈む定めよ 23 00:05:26,123 --> 00:05:30,127 (徳松)菊姫様との縁切りが そんなに こたえやしたか?・ 24 00:05:30,127 --> 00:05:33,130 あっ ああ いやいや ヘヘ・ 25 00:05:33,130 --> 00:05:35,132 まあ 闇に住むんなら・ 26 00:05:35,132 --> 00:05:37,134 それっくらいが ちょうどいい あんばいで 27 00:05:37,134 --> 00:05:39,136 用とは何だ 28 00:05:39,136 --> 00:05:45,142 (徳松)はい えー 近頃 江戸市中で 妙な つじ斬りが出ておりやす・ 29 00:05:45,142 --> 00:05:47,144 斬られるのは ガキばっかり・ 30 00:05:47,144 --> 00:05:50,147 武家から長屋の小僧まで 身分は ばらばら・ 31 00:05:50,147 --> 00:05:57,087 いずれも 町内で 江戸源氏と あだ名される美形ぞろい・ 32 00:05:57,087 --> 00:05:59,089 いつの間にか 世間の方じゃ・ 33 00:05:59,089 --> 00:06:03,093 そのつじ斬りのことを 源氏斬りと呼んでおりやす 34 00:06:03,093 --> 00:06:08,098 美形の男児 源氏ばかりを狙う源氏斬りか 35 00:06:08,098 --> 00:06:12,102 (徳松)へい で 南新堀のしょうゆ問屋・ 36 00:06:12,102 --> 00:06:15,105 鍵屋清右衛門の一人息子 清吉 37 00:06:15,105 --> 00:06:18,108 (徳松)これが また 評判の江戸源氏でして 38 00:06:18,108 --> 00:06:22,112 心配した鍵屋が 清吉の用心棒を・ 39 00:06:22,112 --> 00:06:27,117 是非 腕の立つお方に お頼みしたいとね 40 00:06:27,117 --> 00:06:34,124 それでね えーと 頼み料は10両 41 00:06:34,124 --> 00:06:37,127 えー 源氏斬りを斬った暁には 加えて100両 42 00:06:37,127 --> 00:06:40,130 まあ そっちの方は 旦那と私の方で山分けってことで 43 00:06:40,130 --> 00:06:43,133 早え話が源氏斬りを斬れと 44 00:06:43,133 --> 00:06:45,135 子供らの供養だ 45 00:06:45,135 --> 00:06:47,135 業突くめ 46 00:06:49,139 --> 00:06:51,141 おや? んっ? 47 00:06:51,141 --> 00:06:54,144 何で 源氏斬りが 源氏ばかりを狙うのか・ 48 00:06:54,144 --> 00:06:56,146 訳を調べろとは言わねえんで? 49 00:06:56,146 --> 00:06:58,082 言ってほしいのかい? 50 00:06:58,082 --> 00:07:03,087 とんでもない いいね よっ 病葉の旦那 51 00:07:03,087 --> 00:07:06,090 フフ ハハ ヘヘヘ… 52 00:07:06,090 --> 00:07:08,092 あっ 旦那・ 53 00:07:08,092 --> 00:07:14,092 ゆんべも 1人 評判の江戸源氏が 寺子屋の帰りに やられたそうで 54 00:07:16,100 --> 00:07:20,104 ついていた用心棒も 返り討ちにされたそうで 55 00:07:20,104 --> 00:07:24,108 お主の配下か? えっ? 56 00:07:24,108 --> 00:07:28,112 楽な仕事じゃなさそうだな 57 00:07:28,112 --> 00:07:34,112 ヘヘ だから 旦那に頼んだのさ 58 00:07:50,134 --> 00:07:52,134 ・ 御免 59 00:07:55,139 --> 00:08:00,077 近頃 評判の源氏斬りの太刀筋 拝見したい 60 00:08:00,077 --> 00:08:05,082 (文次)拝見したいだ? おい こら 二本差し 見せ物じゃねえんだよ 61 00:08:05,082 --> 00:08:07,084 (伊十郎)源氏斬りに 何か心当たりでも? 62 00:08:07,084 --> 00:08:09,086 (文次)旦那 (伊十郎)文次 63 00:08:09,086 --> 00:08:11,086 (文次)へい 64 00:08:21,098 --> 00:08:24,101 刃こぼれ一つねえ 65 00:08:24,101 --> 00:08:29,106 刀 合わせる間もなく 正面から けさ懸けに一太刀ってところだ 66 00:08:29,106 --> 00:08:33,110 一緒にやられた子供も これまでやられた子供たちも・ 67 00:08:33,110 --> 00:08:37,110 皆 一太刀 同じ太刀筋だ 68 00:08:41,118 --> 00:08:44,121 子供のなきがらは? 69 00:08:44,121 --> 00:08:48,125 ゆうべ 親に引き渡した 70 00:08:48,125 --> 00:08:53,130 平太って名で やっと 14になったばかりだ 71 00:08:53,130 --> 00:08:55,132 寺子屋の帰りと聞いたが 72 00:08:55,132 --> 00:08:58,068 おっ? 誰から聞いた 73 00:08:58,068 --> 00:09:02,072 今度は お主が答える番だ 74 00:09:02,072 --> 00:09:06,072 なぜ 源氏斬りの太刀筋を 確かめに来た 75 00:09:08,078 --> 00:09:11,081 それがしを疑うのは お門違い 76 00:09:11,081 --> 00:09:13,081 御免 77 00:09:16,086 --> 00:09:21,086 子供が斬られるのは好かんのでな 78 00:09:24,094 --> 00:09:27,097 俺もだ 79 00:09:27,097 --> 00:09:32,102 源氏斬りは きつね面をかぶってるらしい 80 00:09:32,102 --> 00:09:34,104 きつね面? 81 00:09:34,104 --> 00:09:36,106 源氏ばかりを斬る割にゃ・ 82 00:09:36,106 --> 00:09:39,106 てめえの面は よっぽど みっともねえんだろうぜ 83 00:09:46,116 --> 00:09:48,118 (女性)いらっしゃいまし (男の子)いらっしゃいませ・ 84 00:09:48,118 --> 00:09:50,120 いらっしゃいませ (男性)どうも いらっしゃいませ 85 00:09:50,120 --> 00:09:52,122 (女性)お待ち遠さまでした 86 00:09:52,122 --> 00:09:54,124 (女性)ありがとうございました (女性)ありがとうございました 87 00:09:54,124 --> 00:09:58,061 では 御子息が 店の外に出られた折に・ 88 00:09:58,061 --> 00:10:00,063 それがしが付き添うということで よろしいですな? 89 00:10:00,063 --> 00:10:02,065 (おみよ)はい 90 00:10:02,065 --> 00:10:05,068 そうしていただければ どれほど心強いか 91 00:10:05,068 --> 00:10:08,071 ねえ お前さん (清右衛門)ああ 92 00:10:08,071 --> 00:10:13,076 (清右衛門)松葉様 何とぞ よろしくお願いいたします・ 93 00:10:13,076 --> 00:10:16,076 おお 清吉 ちょうどよいところへ 94 00:10:21,084 --> 00:10:27,090 なるほど まさに江戸源氏 りりしい顔だちをされておられる 95 00:10:27,090 --> 00:10:30,093 (清右衛門)ハハ でしょう でしょう・ 96 00:10:30,093 --> 00:10:37,100 あっ あっ いや ですが 今は 江戸源氏と褒められる度・ 97 00:10:37,100 --> 00:10:40,103 身のすくむ思いでございまして 98 00:10:40,103 --> 00:10:44,107 (おみよ)できれば お店の外へ 一歩も出したかないんですが 99 00:10:44,107 --> 00:10:49,112 遊び盛りの年頃だ 閉じ込めるのは かわいそうでござるしのう 100 00:10:49,112 --> 00:10:54,117 (おみよ)えっ はあ あっ いいえ 101 00:10:54,117 --> 00:10:56,117 そういう意味では 102 00:11:01,058 --> 00:11:05,062 (清吉)せっかくですが 私は用心棒などいりません 103 00:11:05,062 --> 00:11:07,064 (清右衛門)清吉 104 00:11:07,064 --> 00:11:12,069 (清吉)もし 源氏斬りが現れたら 私が成敗します・ 105 00:11:12,069 --> 00:11:16,073 私は剣術の道場に通っています 先生からも・ 106 00:11:16,073 --> 00:11:19,076 筋がいい あきんどにしておくのは 惜しいと言われています 107 00:11:19,076 --> 00:11:22,079 (清右衛門)清吉 そんな上手を真に受けて 108 00:11:22,079 --> 00:11:24,081 いやいや (清右衛門)お前… 109 00:11:24,081 --> 00:11:27,084 それは頼もしい しかしのう 坊ちゃん 110 00:11:27,084 --> 00:11:32,084 (清吉)坊ちゃんは よしてください 私は もう一人前です 111 00:11:34,091 --> 00:11:38,095 ・(あめ売り)赤いの 赤いの どうだいな 112 00:11:38,095 --> 00:11:42,099 ・(あめ売り・子供たち)赤いの 赤いの どうだいな 113 00:11:42,099 --> 00:11:44,101 ・(あめ売り)青いの 青いの どうだいな 114 00:11:44,101 --> 00:11:47,104 (清吉)もっと 離れて 歩いてください 115 00:11:47,104 --> 00:11:51,108 あれから もう10日 源氏斬りなんて出ませんよ 116 00:11:51,108 --> 00:11:53,110 油断は禁物でござる 117 00:11:53,110 --> 00:11:56,113 もし 坊ちゃんに 万一のことがあれば 118 00:11:56,113 --> 00:11:59,116 (清吉)言った あっ? 119 00:11:59,116 --> 00:12:04,121 約束です 坊ちゃんと言う度に 私の言うことを聞くと 120 00:12:04,121 --> 00:12:06,121 離れて歩いてください 121 00:12:09,126 --> 00:12:12,129 (清吉)もっとです 用心棒なんて軟弱だと・ 122 00:12:12,129 --> 00:12:16,133 友達から 毎日 ばかにされてる 私の身にもなってください 123 00:12:16,133 --> 00:12:21,138 しかしね 坊ちゃ… あっ 今のは なしじゃ なっ? 124 00:12:21,138 --> 00:12:25,142 ありです 離れて 125 00:12:25,142 --> 00:12:27,142 もっと 126 00:12:29,146 --> 00:12:31,146 もっと 127 00:12:33,150 --> 00:12:35,152 あっ 128 00:12:35,152 --> 00:12:38,155 待たれよ 坊ちゃん また言った あっ 129 00:12:38,155 --> 00:12:41,158 おっ すまん すまんのう 130 00:12:41,158 --> 00:12:44,161 お待ちくだされ (清吉)すいません すいません 131 00:12:44,161 --> 00:12:46,163 坊ちゃん 132 00:12:46,163 --> 00:13:06,116 ・~ 133 00:13:06,116 --> 00:13:23,133 ・~ 134 00:13:23,133 --> 00:13:25,133 (清吉)えっ? 135 00:13:53,163 --> 00:13:55,165 (お六)かわいい顔して ひねたガキだね 136 00:13:55,165 --> 00:13:58,101 そう言ってやるな お六 137 00:13:58,101 --> 00:14:00,103 毎日 毎日 寺子屋通い 138 00:14:00,103 --> 00:14:04,107 このあとは 踊りの稽古と剣術の道場だ 139 00:14:04,107 --> 00:14:08,111 あれでは息つく暇もない 140 00:14:08,111 --> 00:14:11,114 だから 時々 追っかけっこして 遊んでやる 141 00:14:11,114 --> 00:14:14,117 旦那って意外と子供好きだね 142 00:14:14,117 --> 00:14:19,122 フッ あたしゃ 子供は嫌いだけど 子供好きな男は好きだよ 143 00:14:19,122 --> 00:14:23,126 陰供は徳松からの指図か? 144 00:14:23,126 --> 00:14:27,130 ああ もし 旦那が 源氏斬りを斬り損ねたら・ 145 00:14:27,130 --> 00:14:31,134 後をつけて ねぐらをつかめってね 146 00:14:31,134 --> 00:14:37,140 何が何でも 100両 取ろうって腹か 147 00:14:37,140 --> 00:14:41,144 さあて んっ? 148 00:14:41,144 --> 00:14:44,144 頭は 何か 嗅ぎつけなさったみたいですよ 149 00:14:46,149 --> 00:14:51,149 源氏斬りは いつも 大名のお屋敷方面に逃げるらしい 150 00:14:53,156 --> 00:14:56,159 大名屋敷の その先には 151 00:14:56,159 --> 00:15:00,096 《江戸城があるな》 152 00:15:00,096 --> 00:15:03,099 江戸城? 153 00:15:03,099 --> 00:15:06,102 あっ 後は何を聞いても むっつり 154 00:15:06,102 --> 00:15:09,105 ああいうときのお頭って 怖いんだよね 155 00:15:09,105 --> 00:15:14,110 源氏斬りと江戸城 156 00:15:14,110 --> 00:15:17,113 ・(才助)旦那 157 00:15:17,113 --> 00:15:20,113 (才助)旦那 裏 裏 裏 158 00:15:23,119 --> 00:15:25,121 (お六)ウフフ… 159 00:15:25,121 --> 00:15:40,136 ・~ 160 00:15:40,136 --> 00:15:42,136 なかなか手ごわいですな 坊ちゃん 161 00:15:55,151 --> 00:15:58,088 かまわぬ 162 00:15:58,088 --> 00:16:00,090 たまには休みなされ 163 00:16:00,090 --> 00:16:04,094 えっ? いいの? 164 00:16:04,094 --> 00:16:07,097 (男性)さあ いらっしゃい いらっしゃい 165 00:16:07,097 --> 00:16:12,102 (お囃子) 166 00:16:12,102 --> 00:16:26,116 ・~ 167 00:16:26,116 --> 00:16:29,119 (女性)いらっしゃい 168 00:16:29,119 --> 00:16:31,121 小遣いはあるのか? 169 00:16:31,121 --> 00:16:34,124 (清吉)いえ でも この上 お小遣いまで頂いては・ 170 00:16:34,124 --> 00:16:38,128 申し訳ありませんから ・(男性)まずは これを御覧あれ・ 171 00:16:38,128 --> 00:16:40,130 はい 172 00:16:40,130 --> 00:16:44,134 (一同)おおー 173 00:16:44,134 --> 00:16:50,140 (男性)さあ お次を御覧あれ はい 174 00:16:50,140 --> 00:16:52,142 (一同)おおー 175 00:16:52,142 --> 00:16:57,080 (男性)はてさて お次は はい 176 00:16:57,080 --> 00:17:00,083 (一同)おおー 177 00:17:00,083 --> 00:17:02,083 (男性)はい お次 178 00:17:06,089 --> 00:17:08,089 (男性)はい 179 00:17:11,094 --> 00:17:14,097 (男性)さあさあ 寄っておくれ 見ておくれ・ 180 00:17:14,097 --> 00:17:17,100 体じゅうが まるで… ほれ 181 00:17:17,100 --> 00:17:19,102 (男性)たこ娘でござい 182 00:17:19,102 --> 00:17:22,105 どうして 学問や剣術を・ 183 00:17:22,105 --> 00:17:25,108 ましてや 踊りなど しなくちゃいけないんでしょう 184 00:17:25,108 --> 00:17:27,108 あきんどの子供が 185 00:17:34,117 --> 00:17:36,119 おとっつぁんは お前のためだって言うけれど・ 186 00:17:36,119 --> 00:17:40,123 本当は おとっつぁんの 見えのためじゃないかって思う 187 00:17:40,123 --> 00:17:46,129 子供を習い事に通わせるのが 昨今のはやりですからね 188 00:17:46,129 --> 00:17:48,129 見えだけでもないさ 189 00:17:50,133 --> 00:17:54,137 学んだこと 身に付けたことはのう・ 190 00:17:54,137 --> 00:18:01,077 泥棒にも盗めん 火事でも焼かれぬ うっかり落とすこともない 191 00:18:01,077 --> 00:18:03,079 坊ちゃんだけの宝だ 192 00:18:03,079 --> 00:18:07,079 あっ 今の「坊ちゃん」は取り消す 193 00:18:12,088 --> 00:18:18,094 でもね 正直 もう くたくた 194 00:18:18,094 --> 00:18:22,098 わーって 大声 出して 全部 投げ出して・ 195 00:18:22,098 --> 00:18:25,101 ここじゃないどこかに 逃げ出したい感じが・ 196 00:18:25,101 --> 00:18:27,103 いつもするんです 197 00:18:27,103 --> 00:18:29,105 それがしにも覚えがあるよ 198 00:18:29,105 --> 00:18:32,108 (清吉)松葉さんにも? ああ 199 00:18:32,108 --> 00:18:39,115 元服前の 子供でもなく 大人でもないころにのう 200 00:18:39,115 --> 00:18:45,115 ・(男性)今 評判の 水戸屋 小梅の水芸は ここじゃ ここじゃ 201 00:18:47,123 --> 00:18:50,126 さあさあ 本日 いちばんの呼び物は・ 202 00:18:50,126 --> 00:18:52,128 見せ物小屋でござる 203 00:18:52,128 --> 00:18:57,067 娘道成寺のつり乗りに 水芸もござるぞ 204 00:18:57,067 --> 00:19:01,071 清吉殿は 蛇使いの恐ろしき技 見たことござるか? 205 00:19:01,071 --> 00:19:05,075 ありません なんと気の毒な 206 00:19:05,075 --> 00:19:08,075 これも 見聞を広める学問でござれば 207 00:19:10,080 --> 00:19:14,084 ほれ ぐるっと回って百面相 208 00:19:14,084 --> 00:19:18,088 ハハハ… さあ 209 00:19:18,088 --> 00:19:21,091 (男性)ありがとうございます 210 00:19:21,091 --> 00:19:23,091 ほれ 211 00:19:25,095 --> 00:19:41,111 ・~ 212 00:19:41,111 --> 00:19:43,111 お吉 213 00:19:47,117 --> 00:19:50,120 源氏斬りから手を引け? 214 00:19:50,120 --> 00:19:54,124 (お吉)あれは ただのつじ斬りじゃない 215 00:19:54,124 --> 00:20:00,063 闇法師が育ての親の化け物 216 00:20:00,063 --> 00:20:02,063 闇法師? 217 00:20:05,068 --> 00:20:08,071 何を知っている お吉 218 00:20:08,071 --> 00:20:13,076 源氏斬りは 何故に美形の男児ばかりを狙う 219 00:20:13,076 --> 00:20:16,076 さてね 220 00:20:18,081 --> 00:20:21,081 子供の気持ちは よく分からない 221 00:20:23,086 --> 00:20:26,089 子供? 222 00:20:26,089 --> 00:20:29,092 助徳が嗅ぎ回ってるようだが・ 223 00:20:29,092 --> 00:20:33,096 これ以上の詮索は 公儀を敵に回すことにも 224 00:20:33,096 --> 00:20:35,096 公儀? 225 00:20:39,102 --> 00:20:41,102 待てい 226 00:20:50,113 --> 00:20:54,117 (男性)うわー! あっ あっ あっ な… な… 何でございますか 227 00:20:54,117 --> 00:20:56,119 あ… あ… あっしは ただの 狐舞で 228 00:20:56,119 --> 00:20:59,055 は… はばかりを借りてえと お… 思っただけで 229 00:20:59,055 --> 00:21:03,059 すまぬ 人違いだ 230 00:21:03,059 --> 00:21:08,059 許してくれ すまぬ 231 00:21:30,086 --> 00:21:33,089 (道八)松葉刑部と 何 話してた 232 00:21:33,089 --> 00:21:36,089 (お吉)ただの挨拶 233 00:21:42,098 --> 00:21:46,102 (道八)お吉さん 闇法師の手下に なるかならねえか・ 234 00:21:46,102 --> 00:21:48,102 はっきりさせた方が身のためだ 235 00:21:50,106 --> 00:21:53,106 (お吉)あの子は どうしている? 236 00:21:56,112 --> 00:22:09,125 ・~ 237 00:22:09,125 --> 00:22:11,127 (藤次郎)《頭の秘蔵っ子だ》 238 00:22:11,127 --> 00:22:16,132 (藤次郎)《これから 我らの 大いに役立つ子です》・ 239 00:22:16,132 --> 00:22:23,139 《忍びの技も心得てますが この美しさが いちばんの武器》 240 00:22:23,139 --> 00:22:25,141 (男性)《まさしく》・ 241 00:22:25,141 --> 00:22:32,148 《一目 見れば 女も男も この子が欲しくなりましょう》 242 00:22:32,148 --> 00:22:38,148 (道八)《いいね いいね その顔 そそる》 243 00:22:42,158 --> 00:22:46,162 (道八)お前さんも あれか あのガキに取りつかれたか 244 00:22:46,162 --> 00:22:57,106 (お囃子) 245 00:22:57,106 --> 00:23:01,106 (道八)ふん こっちも そそる 246 00:23:03,112 --> 00:23:06,115 ・(夜回り)火の用心 247 00:23:06,115 --> 00:23:10,119 (拍子木) 248 00:23:10,119 --> 00:23:13,122 (お静)はい 清吉さん お代わり 249 00:23:13,122 --> 00:23:15,122 ありがとうございます 250 00:23:17,126 --> 00:23:19,128 いつも すまんのう お静殿 251 00:23:19,128 --> 00:23:22,131 (お静)いいえ 煮物を たくさん こしらえちゃったんで・ 252 00:23:22,131 --> 00:23:26,135 かわいいお客さんも みえて ちょうどよかったです ウフフ 253 00:23:26,135 --> 00:23:28,137 (清吉の せきこみ) (お静)あっ 254 00:23:28,137 --> 00:23:32,141 (清吉の せきこみ) おいおい そう慌てるな 清吉殿 255 00:23:32,141 --> 00:23:35,144 でも これ すごくおいしい 256 00:23:35,144 --> 00:23:37,146 (お静)本当に? うれしい 257 00:23:37,146 --> 00:23:40,149 ああ でも 鍵屋さん・ 258 00:23:40,149 --> 00:23:44,153 清吉さんの晩御飯 作って 待ってらっしゃらないかしら 259 00:23:44,153 --> 00:23:48,157 (清吉)いいえ 晩御飯は 寺子屋や道場の帰りに・ 260 00:23:48,157 --> 00:23:52,161 屋台で済ませるのが常ですから 261 00:23:52,161 --> 00:23:54,163 屋台で? 262 00:23:54,163 --> 00:24:00,103 俺も そばは好きだが ああ毎晩 続くとな 味気ない 263 00:24:00,103 --> 00:24:05,108 こうやって お膳で食べるの 本当に久しぶり 264 00:24:05,108 --> 00:24:07,110 (お静)いつでも また いらっしゃい・ 265 00:24:07,110 --> 00:24:10,110 ぜいたくな物は出せないけど 266 00:24:20,123 --> 00:24:23,126 どうした 267 00:24:23,126 --> 00:24:25,126 帰りたくない 268 00:24:32,135 --> 00:24:34,137 帰りたくなくともな・ 269 00:24:34,137 --> 00:24:40,137 帰る場所があるというのは 何にも増して幸せなことなんだぞ 270 00:24:42,145 --> 00:24:44,147 はい 271 00:24:44,147 --> 00:24:46,149 よし 食え 272 00:24:46,149 --> 00:24:51,154 (お静)ウフ 何だか 刑部様と清吉さん 親子みたい 273 00:24:51,154 --> 00:24:54,157 んっ? (お静)ウフフ 274 00:24:54,157 --> 00:24:57,093 親子か (刑部・お静の笑い声) 275 00:24:57,093 --> 00:25:00,096 (お静)はい 刑部様 おう 276 00:25:00,096 --> 00:25:05,101 (清吉)松葉さんと お静さんは 何だか夫婦みたいです 277 00:25:05,101 --> 00:25:10,101 やだ 清吉さんったら ウフフ… 278 00:25:12,108 --> 00:25:15,111 食え はい 279 00:25:15,111 --> 00:25:21,117 清吉殿 ああいうことを お静殿の前で言うてはならん 280 00:25:21,117 --> 00:25:26,122 (清吉)どうして? お静さんは 松葉さんのこと きっと好きだよ・ 281 00:25:26,122 --> 00:25:29,125 松葉さんは お静さんのこと どう思ってるの? 282 00:25:29,125 --> 00:25:34,130 大人なら そういうことは尋ねぬものだ 283 00:25:34,130 --> 00:25:36,132 私は まだ子供ですから 284 00:25:36,132 --> 00:25:38,134 使い分けるのう 285 00:25:38,134 --> 00:25:41,134 (清吉・刑部の笑い声) 286 00:25:44,140 --> 00:25:46,142 逃げろ 清吉 287 00:25:46,142 --> 00:26:03,092 ・~ 288 00:26:03,092 --> 00:26:07,092 お主 まだ子供ではないか 289 00:26:10,099 --> 00:26:13,099 何故 子供が子供を狙う 290 00:26:18,107 --> 00:26:22,107 (源氏斬り)私より美しいものが あってはならぬ 291 00:26:24,113 --> 00:26:26,113 何と? 292 00:26:33,122 --> 00:26:36,125 (清吉)松葉さん!・ 293 00:26:36,125 --> 00:26:38,125 松葉さん 294 00:26:44,133 --> 00:26:47,136 心配無用だ 295 00:26:47,136 --> 00:26:50,139 (清吉の泣き声) 296 00:26:50,139 --> 00:26:52,139 泣くな 清吉 297 00:26:56,145 --> 00:26:58,145 行くぞ 298 00:27:28,110 --> 00:27:30,112 (徳松)そうですか 源氏斬りは・ 299 00:27:30,112 --> 00:27:36,118 その当人が 絶世の江戸源氏でやしたか・ 300 00:27:36,118 --> 00:27:38,120 これで決まりだな 301 00:27:38,120 --> 00:27:41,123 何が決まりだ 302 00:27:41,123 --> 00:27:46,128 お吉は 闇法師が育ての親の 化け物だと言った 303 00:27:46,128 --> 00:27:49,131 おい 何をつかんだ 304 00:27:49,131 --> 00:27:52,134 江戸城とは何だ 公儀を敵に回すとは 305 00:27:52,134 --> 00:27:54,134 しっ! えっ? 306 00:27:57,073 --> 00:27:59,075 芝居じみたまねを 307 00:27:59,075 --> 00:28:03,079 いや こりゃ 本当の用心だ 308 00:28:03,079 --> 00:28:07,083 あっしの表のなりわいは 口入れ屋だ 309 00:28:07,083 --> 00:28:10,086 旗本 大名 大店・ 310 00:28:10,086 --> 00:28:14,090 ありとあらゆるところに 女中や小者を世話して・ 311 00:28:14,090 --> 00:28:17,093 うわさ 集めたり 探り 入れたりと 312 00:28:17,093 --> 00:28:21,093 で どんな絵が見えたのだ 313 00:28:26,102 --> 00:28:29,105 大奥でやす 314 00:28:29,105 --> 00:28:32,108 大奥? 315 00:28:32,108 --> 00:28:36,112 大奥の諸事全般を取りしきる 御年寄の中でも・ 316 00:28:36,112 --> 00:28:43,119 今 表の老中に匹敵するほどの 権勢を振るっているのが・ 317 00:28:43,119 --> 00:28:47,123 霧島という御年寄だそうで 318 00:28:47,123 --> 00:28:52,128 大奥 御年寄か 319 00:28:52,128 --> 00:28:57,066 ひとつきほど前 この霧島が・ 320 00:28:57,066 --> 00:29:02,071 御台所の御代参で 上野 寛永寺に参詣した折・ 321 00:29:02,071 --> 00:29:05,074 若年寄の長居伊賀守が・ 322 00:29:05,074 --> 00:29:11,080 ひそかに お目通りを 願い出たと思いなせえ 323 00:29:11,080 --> 00:29:16,085 若年寄 長居伊賀守 324 00:29:16,085 --> 00:29:20,089 またぞろ 出てきた名前だ 325 00:29:20,089 --> 00:29:24,093 伊賀守は 次期老中の座を 狙っているようで・ 326 00:29:24,093 --> 00:29:30,093 霧島に加勢をしてもらおうと ある貢ぎ物を 327 00:29:36,105 --> 00:29:38,105 (霧島)《伊賀守殿 これは?》 328 00:29:53,122 --> 00:29:56,125 (伊賀守)《南蛮の美しき鳥も・ 329 00:29:56,125 --> 00:29:59,125 この者の美しさには かないませぬ》 330 00:30:04,066 --> 00:30:07,069 (伊賀守)《畏れながら 霧島様に献上いたしたく・ 331 00:30:07,069 --> 00:30:10,072 持参した次第》・ 332 00:30:10,072 --> 00:30:13,075 《お気に召されたならば・ 333 00:30:13,075 --> 00:30:18,075 どうか この者に名前を付けられ お持ち帰りくださいませ》 334 00:30:24,086 --> 00:30:26,088 (霧島)《そなた 名を持たぬのか》 335 00:30:26,088 --> 00:30:30,092 (源氏斬り)《はい 名を付けてくださるお方が・ 336 00:30:30,092 --> 00:30:32,092 私の一生のあるじだと》 337 00:30:39,101 --> 00:30:43,105 (徳松)霧島は旗本の娘でやすが・ 338 00:30:43,105 --> 00:30:47,109 嫁ぎ先で流産し 実家に帰されたあとは・ 339 00:30:47,109 --> 00:30:53,115 女の幸せを捨てて 大奥へ上がった堅物女・ 340 00:30:53,115 --> 00:30:57,052 女中の間じゃ そういう評判でやしたがね・ 341 00:30:57,052 --> 00:31:02,052 絶世の江戸源氏の色香にゃ 参っちまったようで 342 00:31:05,060 --> 00:31:09,064 (徳松)闇法師が育ての親の 化け物とは・ 343 00:31:09,064 --> 00:31:13,068 知らぬが仏の ヘヘ 霧島観音 344 00:31:13,068 --> 00:31:16,071 闇法師にしてみれば・ 345 00:31:16,071 --> 00:31:22,077 大奥に 己の刺客を潜り込ませる 絶好の機会でもあったのだろうが 346 00:31:22,077 --> 00:31:27,082 男子禁制の大奥ったって なに 抜け道は いくらでもありまさあ 347 00:31:27,082 --> 00:31:31,086 それが なぜ 城を抜け出し 源氏斬りをする 348 00:31:31,086 --> 00:31:34,089 事が明るみになれば大奥は一大事 349 00:31:34,089 --> 00:31:38,093 伊賀守も闇法師も そんなことは望まぬはず 350 00:31:38,093 --> 00:31:44,099 まあ そこんところが あっしも分からねえ 351 00:31:44,099 --> 00:31:47,099 ただ一つ はっきりしたのは… 352 00:31:49,104 --> 00:31:53,108 手 引きやしょう 旦那 353 00:31:53,108 --> 00:31:57,112 相手は 大奥 伊賀守 闇法師だ 354 00:31:57,112 --> 00:32:00,115 これだけ そろって たったの 10両じゃ そろばんが合わねえ 355 00:32:00,115 --> 00:32:05,115 いや 100両だって 1, 000両だって そろばんが合わねえや 356 00:32:07,122 --> 00:32:10,125 俺は引かぬ 357 00:32:10,125 --> 00:32:14,129 断ち切れねえ 武士の尾っぽってやつですかい? 358 00:32:14,129 --> 00:32:17,132 それとも しょうゆ屋のガキに 情でも移っちまったのかい 359 00:32:17,132 --> 00:32:22,132 ヘヘ らしくないね 病葉のだん… 360 00:32:24,139 --> 00:32:27,142 何だ? 361 00:32:27,142 --> 00:32:30,145 おや? 362 00:32:30,145 --> 00:32:35,145 病葉が松葉に戻っちまった 363 00:32:39,154 --> 00:32:41,156 (徳松の ため息) 364 00:32:41,156 --> 00:32:55,170 ・~ 365 00:32:55,170 --> 00:32:59,170 (霧島の せきこみ) 366 00:33:01,110 --> 00:33:04,113 心配せずともよい・ 367 00:33:04,113 --> 00:33:09,118 薬が効いてきたのか 随分 楽になりました・ 368 00:33:09,118 --> 00:33:14,118 あっ 水を下され (源氏斬り)はい 母上 369 00:33:17,126 --> 00:33:22,131 初めて発作を見たときには 驚いたであろう 370 00:33:22,131 --> 00:33:26,131 この私が心の臓を患っているとは 371 00:33:29,138 --> 00:33:32,138 もう長くはない そう覚悟していましたが 372 00:33:34,143 --> 00:33:40,149 そなたを見たとき 死んだ我が子を思い出しました 373 00:33:40,149 --> 00:33:43,149 生きていれば そなたぐらいの年 374 00:33:45,154 --> 00:33:48,154 そう思うと どうしても手元に 375 00:33:53,162 --> 00:33:58,162 亡くされたお子の名前を下さい 母上 376 00:34:00,102 --> 00:34:04,106 なぜですか 私は 母上に 一生 仕えたい 377 00:34:04,106 --> 00:34:09,111 母と呼んでくれるだけで十分じゃ 378 00:34:09,111 --> 00:34:14,116 そなたは物ではない 人なのです 379 00:34:14,116 --> 00:34:20,122 情に負け 大奥に そなたを隠し置く私には・ 380 00:34:20,122 --> 00:34:24,122 なおさら そなたに名を付ける資格などない 381 00:34:27,129 --> 00:34:34,136 母上は 私より美しい子供が来れば 私を捨ててしまうのでしょう 382 00:34:34,136 --> 00:34:36,138 なんということを 383 00:34:36,138 --> 00:34:41,138 私が育ったのは そういう場所でした 384 00:34:46,148 --> 00:34:49,148 苦労したのですね 385 00:34:51,153 --> 00:34:58,093 この命あるかぎり そなたを 手放したりはいたしません・ 386 00:34:58,093 --> 00:35:02,093 約束じゃ (鈴の音) 387 00:35:10,105 --> 00:35:12,105 (猫の鳴き声) 388 00:35:17,112 --> 00:35:20,112 (鈴の音) (猫の鳴き声) 389 00:35:25,120 --> 00:35:27,122 (清右衛門)金輪際 清吉は お店の外には出しません 390 00:35:27,122 --> 00:35:29,124 (おみよ)ねえ お前さん いっそのこと・ 391 00:35:29,124 --> 00:35:31,126 お店を畳んで 清吉を連れて・ 392 00:35:31,126 --> 00:35:33,128 ねえ 江戸から逃げようよ ねえ (清右衛門)あ… ああ・ 393 00:35:33,128 --> 00:35:35,130 それも考えてるさ (清吉)待ってよ・ 394 00:35:35,130 --> 00:35:37,132 そんなことしたら 友達と会えなくなる 395 00:35:37,132 --> 00:35:40,135 (清右衛門)清吉 何を子供のようなことを! 396 00:35:40,135 --> 00:35:44,139 落ち着かれよ 鍵屋殿 397 00:35:44,139 --> 00:35:49,144 源氏斬りは 逃げが通用する相手ではないのだ 398 00:35:49,144 --> 00:35:52,147 我らは源氏斬りの顔を見た 399 00:35:52,147 --> 00:35:56,147 きゃつは 清吉を 決して放ってはおかぬ 400 00:35:59,088 --> 00:36:01,088 ならば 401 00:36:03,092 --> 00:36:07,096 立ち向かってこそ活路が開く 402 00:36:07,096 --> 00:36:09,096 立ち向かう? 403 00:36:11,100 --> 00:36:16,105 己の暮らしを 曲げるなということだ 404 00:36:16,105 --> 00:36:18,107 (清右衛門)冗談じゃない 405 00:36:18,107 --> 00:36:21,110 うちのせがれを餌にしてまで 100両が欲しいのか 406 00:36:21,110 --> 00:36:23,112 金ではない 407 00:36:23,112 --> 00:36:36,125 ・~ 408 00:36:36,125 --> 00:36:44,133 清吉が これから どう生きるかが これで決まるのだ 409 00:36:44,133 --> 00:36:46,133 私は… 410 00:36:48,137 --> 00:36:51,140 逃げません 逃げるなんて嫌です 411 00:36:51,140 --> 00:36:53,140 (おみよ・清右衛門)清吉 412 00:36:56,145 --> 00:37:03,145 源氏斬りは 松葉さんと私で成敗します 413 00:37:11,093 --> 00:37:13,095 (物音) 414 00:37:13,095 --> 00:37:17,095 (猫の鳴き声) 415 00:37:19,101 --> 00:37:21,101 (猫の鳴き声) 416 00:37:26,108 --> 00:37:28,110 どうした? 417 00:37:28,110 --> 00:37:33,110 (清吉)立ち止まったら 動けなくなりました 418 00:37:36,118 --> 00:37:40,118 大人とは どういうことか分かるかい? 419 00:37:43,125 --> 00:37:47,129 人は 生まれたら 死ぬまで生きなければならぬ 420 00:37:47,129 --> 00:37:49,131 長いか短いか分からぬが・ 421 00:37:49,131 --> 00:37:54,131 その時々で いくつもの決断をせねばならぬ 422 00:37:56,138 --> 00:38:02,138 決断とは 己で決めて 責任を持つということだ 423 00:38:04,079 --> 00:38:09,084 先ほどの 父上 母上とのやり取り 見事であった 424 00:38:09,084 --> 00:38:17,092 あれこそが決断 清吉殿は立派な大人でござる 425 00:38:17,092 --> 00:38:20,095 震えが止まりました 426 00:38:20,095 --> 00:38:22,095 よろしい 427 00:38:33,108 --> 00:38:45,120 ・~ 428 00:38:45,120 --> 00:38:47,122 松葉さん 429 00:38:47,122 --> 00:38:49,124 離れていろ 清吉 430 00:38:49,124 --> 00:39:09,077 ・~ 431 00:39:09,077 --> 00:39:27,077 ・~ 432 00:39:35,103 --> 00:39:37,103 勝負はあった 433 00:39:39,107 --> 00:39:44,107 源氏斬りの下手人として このまま奉行所へ行け 434 00:39:55,123 --> 00:39:57,059 お吉 435 00:39:57,059 --> 00:40:01,063 逃げな 何があっても生きろ 436 00:40:01,063 --> 00:40:21,083 ・~ 437 00:40:21,083 --> 00:40:26,088 お吉 何故だ 438 00:40:26,088 --> 00:40:32,094 あの子の母親が 今日 死にましてね 439 00:40:32,094 --> 00:40:36,094 母が死んだ? 440 00:40:38,100 --> 00:40:40,100 ふびんでしたよ 441 00:40:49,111 --> 00:40:54,116 (一同の泣き声) 442 00:40:54,116 --> 00:40:56,118 (女性)《霧島様》 443 00:40:56,118 --> 00:41:00,055 (お吉)何が幸せかは 分からないもんだ・ 444 00:41:00,055 --> 00:41:04,059 知らなくてもいい 母というものを知って・ 445 00:41:04,059 --> 00:41:10,065 あの子は 迷って おびえたのさ・ 446 00:41:10,065 --> 00:41:12,065 だから 源氏斬りを 447 00:41:15,070 --> 00:41:21,076 だが それも終わった 448 00:41:21,076 --> 00:41:24,079 源氏斬りは もう出ない 449 00:41:24,079 --> 00:41:44,099 ・~ 450 00:41:44,099 --> 00:41:52,099 ・~ 451 00:41:57,112 --> 00:42:03,118 (藤次郎)霧島が死に 大奥に潜れなかった その子に・ 452 00:42:03,118 --> 00:42:06,121 もはや 用はない・ 453 00:42:06,121 --> 00:42:09,124 まして 源氏斬り・ 454 00:42:09,124 --> 00:42:15,130 我ら 闇法師の存在を 一瞬でも危うくさせた その子は・ 455 00:42:15,130 --> 00:42:20,135 葬らねばならんと頭は仰せだ 456 00:42:20,135 --> 00:42:24,139 ・(お吉)その子に 名前を付けましたよ・ 457 00:42:24,139 --> 00:42:30,145 舌切りすずめの 雀とね (藤次郎)舌切り? 458 00:42:30,145 --> 00:42:34,149 ・(お吉)その子は 絶対 さえずらない・ 459 00:42:34,149 --> 00:42:40,155 私が命じれば 舌さえ切ってみせるでしょう・ 460 00:42:40,155 --> 00:42:44,159 そう育てたのは闇法師の頭だ 461 00:42:44,159 --> 00:42:47,162 やっ! 462 00:42:47,162 --> 00:42:55,162 (お吉)よしな 雀 どうするかは話が終わってからだ 463 00:42:58,106 --> 00:43:01,109 (藤次郎)話とは何です? 464 00:43:01,109 --> 00:43:09,117 (お吉)闇猫一家を構え直し 闇法師に加わること 承知・ 465 00:43:09,117 --> 00:43:15,117 そのかわり この雀 闇猫のお吉に もらいましょう 466 00:43:17,125 --> 00:43:23,131 (お吉)不承知ならば 今 この場で 敵 467 00:43:23,131 --> 00:43:27,135 (藤次郎)フフフ… 468 00:43:27,135 --> 00:43:30,138 頭の言うとおりになった 469 00:43:30,138 --> 00:43:32,140 何だって? 470 00:43:32,140 --> 00:43:35,143 (藤次郎)この子すずめは 差し上げましょう 471 00:43:35,143 --> 00:43:43,151 ただし 闇猫が 確かに 闇法師の配下だという証しに・ 472 00:43:43,151 --> 00:43:47,151 道八さんも 闇猫で預かってもらいましょう 473 00:43:49,157 --> 00:43:51,159 承知 474 00:43:51,159 --> 00:43:58,159 頭の飼い猫なら 首に 鈴 付けさしてもらうよ 475 00:44:00,101 --> 00:44:02,101 どうぞ 476 00:44:04,105 --> 00:44:07,108 (徳松)手 引かねえなら 斬らなくっちゃ・ 477 00:44:07,108 --> 00:44:09,110 ったく 100両が ぱあだ・ 478 00:44:09,110 --> 00:44:11,112 その上 用心棒代まで返しちまうとは・ 479 00:44:11,112 --> 00:44:13,114 あきれ返って ものが言えねえ 480 00:44:13,114 --> 00:44:16,117 そう言うな 徳松 481 00:44:16,117 --> 00:44:20,121 あの夜から源氏斬りは消えた 482 00:44:20,121 --> 00:44:23,124 子供たちに 平安な日々が戻ってきたのだ 483 00:44:23,124 --> 00:44:26,127 戻ってきたのは それだけじゃねえよ 484 00:44:26,127 --> 00:44:31,127 お吉の野郎が また 闇猫 構えたそうだよ 485 00:44:46,147 --> 00:45:01,096 ・~ 486 00:45:01,096 --> 00:45:03,098 (お六)はいはい 寄ってきなさいよ・ 487 00:45:03,098 --> 00:45:08,098 片目で8文 両目で15文 目さらえだよ 488 00:45:11,106 --> 00:45:14,109 さあさあ 目に入った ほこりを取るよ 489 00:45:14,109 --> 00:45:17,109 (男性)あっ おうおう 頼むよ (お六)はいよ 490 00:45:26,121 --> 00:45:30,125 さあさあ 腕に覚えのある者は 拙者と立ち合ってみられよ 491 00:45:30,125 --> 00:45:33,128 得物は 木刀 たんぽ槍 棒・ 492 00:45:33,128 --> 00:45:36,131 己の得手とするもの 何でもよろしい 拙者は… 493 00:45:36,131 --> 00:45:38,133 松葉さん この 扇子… 494 00:45:38,133 --> 00:45:42,137 おお 清吉 (清吉)では・ 495 00:45:42,137 --> 00:45:44,137 みんな 496 00:45:47,142 --> 00:45:49,142 また休んだか 497 00:45:51,146 --> 00:45:55,150 拙者は この扇子1本で お相手つかまつる 498 00:45:55,150 --> 00:46:00,088 1回10文 10文にての腕試し 499 00:46:00,088 --> 00:46:02,088 さあ どうだ 500 00:46:07,095 --> 00:46:10,098 (徳松)血に飢えた逆恨み亭主を たたき斬ってもらいてえ 501 00:46:10,098 --> 00:46:15,103 (中沢)悪徳医 良玄に頼まれた 刺客であろう 502 00:46:15,103 --> 00:46:19,103 この人形の顔は あなただ